ぶっ飛び時代劇!『桜姫』青木崇高インタビュー
(2013年 日本 1時間35分)
監督:橋本一
出演:日南響子、青木崇高、麻美ゆま、平間美貴、星野あかり、七海なな、マリエム・マサリ、HIRO、クロちゃん(安田大サーカス)、野々村真、平山祐介、風祭ゆき、徳井優、合田雅吏、でんでん
2013年6月29日(土)~りヒューマントラストシネマ渋谷、テアトル梅田、アポロシネマ8、T・ジョイ京都、ほか全国ロードショー
公式サイト⇒ http://sakurahime-movie.com/#page_a
© 2013「桜姫」製作委員会
~時代劇が似合う長身俳優のココロ~
型破り時代劇『桜姫』に主演した青木崇高が30日、舞台あいさつのため来阪、インタビューに応えた。
『桜姫』は四世鶴屋南北の「桜姫東文章」をもとに橋本一監督らが大胆に脚色した自由奔放な時代劇。京・清水を舞台に聖女・桜姫と僧・清玄の流転と堕落を描く“大南北”らしい物語。高貴な姫君が女郎に転落するお話は今ならワイドショーネタだが、映画では美少女モデル日南響子が桜姫に抜擢されて話題を呼んだ。桜姫は、一夜襲われて結ばれたワケあり稼業の権助(青木崇高)に恋心を寄せ、家を飛び出して遊女・風鈴お鈴として権助を待つストーリー。『茶々 天涯の貴妃(おんな)』など時代劇を手懸けたこともある橋本監督が、古巣・東映を離れて撮った異色時代劇。『一命』や『龍馬伝』『るろうに剣心』など時代劇での仕事が目立つ青木崇高(33)に時代劇の心得を聞いた。
―――立ち回りの仕草が決まっていたが。
青木:見せ方は気を遣いました。『るろうに剣心』(12年)の前だったら違っていたけど、腰を落として体の軸を据える、という所作の基本が分かってきた。ストーリーはもちろん大事だけど、立ち回りが時代劇ですから。どうしたらいいか、監督にも聞いた。『桜姫』ももとは歌舞伎。決めるところは決めるアソぶところはアソぶ、という感じで、お客さんを混乱させる方が面白いのでは、と。
(鶴屋)南北も調べてみました。歌舞伎だから特にどうこうということはないけど、ホン(脚本)を改訂していくたびに変わっていきましたね。
―――いつから目覚めたのか?
青木: 時代劇ではないけど、所作などは朝ドラ「ちりとてちん」で着物の所作などを覚えた。時代劇は一昨年のNHK大河ドラマ「龍馬伝」で立ち回りを学んだ。東映京都撮影所のスタッフから「あれよかった」と言われてお墨付きをもらった気がした。
―――橋本監督とは?
青木:初めてでした。この映画ではテレビじゃ出来ないことをやろうと撮影前に話し合った。たばこを道端に捨てることなど、もう出来ない。昔は刑事ものなどでは定番だったのに、いまでは難しくなっている。やれることをたくさんやってみようと話し合った。 言葉も急に現代風になるし、音楽も和洋折衷で全然いいんじゃないか、とか型にはまらないのは監督の考え通りです。
―――2年前に米国留学している。目的は?
青木:語学です。このまま英語しゃべれない人生を送るのか、と思ったら、どうしても行きたくなった。事務所(スターダスト)公認で半年間、専門学校に通った。向こうで日本映画を見られる、ということもありました。どれほど日本映画が興味を持たれているのか。日本で思っているほどではなかったけど、三池(崇史監督)さんの人気は凄かったですね。英語は今も続けています。
―――時代劇俳優は確かに少なくなっているので期待は大きい。これまで見てきた中で一番好きな時代劇は?
青木:ウーン、1本だけあげるのは難しい。やっぱり三船さんですね。黒澤さんの『椿三十郎』は凄かった。
(安永 五郎)