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『ボクたちの交換日記』内村光良監督、伊藤淳史、小出恵介舞台挨拶

koukannikki-s550.jpg『ボクたちの交換日記』舞台挨拶(13.2.6 大阪ステーションシティシネマ)
登壇者:内村光良監督、伊藤淳史、小出恵介
 koukannikki-1.jpg(2013年 日本 1時間55分)
監督・脚本:内村光良
原作:鈴木おさむ「芸人交換日記~イエローハーツの物語~」(太田出版刊)
出演:伊藤淳史、小出恵介、長澤まさみ、木村文乃、川口春奈、佐藤二朗、佐々木蔵之介
2013年3月23日(土)~新宿ピカデリー、大阪ステーションシティシネマ、なんばパークスシネマ、MOVIX京都、T・ジョイ京都、神戸国際松竹、109シネマズHAT神戸、他全国公開

『ボクたちの交換日記』試写会プレゼント(3/3〆切)
公式サイト→http://koukan-nikki.jp/ 

(c)2013「ボクたちの交換日記」製作委員会

~内村監督は「鬼」だった!?うけない芸人の気持ちを身をもって体験!~

koukannikki-2.jpg 鈴木おさむのベストセラー小説「芸人交換日記~イエローハーツの物語~」を〈ウッチャンナンチャン〉の内村光良監督が映画化、結成して12年の売れない芸人コンビ「房総スイマーズ」の、夢を追い、挫折し、それぞれの道を歩んだ末にたどりついた絆を描いた感動作『ボクたちの交換日記』が3月23日(土)から公開される。伊藤淳史と小出恵介が次第にコンビ間の本音をさらけ出しながらラストチャンスにかけるお笑いコンビを熱演。売れない、うけない辛さや夢と現実、家族との狭間の葛藤、夢を追いかける勇気、諦める勇気などを、交換日記を軸に描いていく一方、また芸人裏事情の描き方や、劇中コントに内村監督のこだわりが感じられる作品だ。

 公開に先駆け大阪ステーションシティシネマで行われた舞台挨拶付き先行プレミア上映では、満席のお客様を前に、初の監督と主役二人のそろい踏みとなり、内村監督も感無量の様子。映画でもたびたび登場するコントシーンでの猛シゴキぶりに小出恵介より「内村監督は鬼!」発言や、劇中コント以上に面白い!? 伊藤淳史と小出恵介の掛け合いぶりに、思わず内村監督からお褒めの言葉がかかる場面もあり、大いに盛り上がった舞台挨拶となった。


(最初のご挨拶)
内村監督(以下監督):すっげえー!ちょっとあがっています。すっごくいい劇場にびっくりしていることと、こんなにたくさんのお客さんが入ってくれて、感無量でございます。ありがとうございます。
伊藤:こんばんは!僕もすごくあがっています。こんなきれいな会場で、大きなスクリーンの中集まっていただいて、今日はすごく幸せです。映画、楽しんでいってください。よろしくお願いします。
小出:みなさんこんばんは。小出恵介です。『ボクたちの交換日記』ということで、映画すごく面白いと思います。自信をもってお届けできると思います。公開は3月23日ですが、今日見ていただいて面白かったら、周りの人に勧めていただければと思います。よろしくお願いします。

koukannikki-s3.jpg―――一番最初作品を撮るとき、どのようなことを考えましたか?
監督:純粋に依頼があったんですね。「この本をもとに監督してもらえませんか」と渡されたのが鈴木おさむさんの『芸人交換日記』というお笑いの世界を正面から撮ると。自分のいる世界ですから、正面切って撮れるのかという戸惑いはありましたね。でも実際に鈴木おさむさんに会って、「内村さん、これ如何様にも料理してやってください。原作変えちゃっていいですから」というぐらい寛大に言ってくださいました。後、僕らの世代より2つぐらい後の世代の話だから照れなくできるのではないということで、吹っ切って撮る決意をしました。

―――お笑いコンビを演じた伊藤、小出コンビのキャスティングについては?

監督:伊藤淳史君は逆にプロデューサーの方から「伊藤淳史君どうですか」と言われたんですが、『西遊記』で共演してから家族ぐるみのつきあいで、嫁さん同士も仲良いので、ちょっと近すぎるということで、一旦断りました。それから小出君が気になっていて、バラエティーで1、2度共演したぐらいですが、すごく印象がよくて。小出君を田中役でいこうと思っていたんですけれど、『ルーキーズ』など優等生のイメージがあったのに、実際一緒に食事してみると彼、雑なんですね。粗野なんです。私、面食らってしまいまして、とんだ優等生だと。食事した日に一発で「これが甲本だ」だと決めました。じゃあ田中役をどうするとなったときに、伊藤淳史が再浮上してきたんです。やはりコントを教えるには、一人気心の知れた人がいた方が教えやすいのではないかと思い直して、もう一度頭を下げて伊藤君にお願いしました。
伊藤:再浮上してきてよかったです(笑)。

koukannikki-s2.jpg―――実際に田中役を演じると決めたときはどうでしたか。
伊藤:内村さんが監督すると知っていて、田中役ということで台本を読ませていただきましたが、すごく面白くて。でもお笑い芸人さんの役を演じるということにすごくハードルの高さを感じました。今お笑いはブームだと思うし、みなさんお笑いに慣れているので、それだけクオリティーの高いものをやらなければいけない。監督が内村さんなので、すべてお任せすればいいものができるだろうし、すべて内村さんのせいにできるし(会場笑)。ここはおんぶにだっこで頑張ろうという決意で臨みました。  

 

 

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―――甲本という役柄をお聞きになったとき、どう思いました?  
小出:僕は最初に原作を読ませていただいて、ものすごくすてきな交換日記なんですけれど、鈴木おさむさんの芸人さんに対する愛情や、いろんなものを見てきたすごく熱い想いがダイレクトに伝わり、素晴らしいなと思いました。こういうものを映画にするときは、逆にハードルが上がるというか、難しいだろうなと思ったのですが、甲本という人間にそのときから感情移入して臨みました。といって、見ていただいたらこんなに真面目な感じじゃないですからね。えっといった感じになりますから。 

―――当然、コントのシーンはありますよね。 
監督:本当に二人にはすごくコントの練習をしてもらいました。3、4回やったあと、新宿の本当にお笑い芸人さんがライブをやっている場所で飛び入り参加させたんです。すごくすべりましたね。最初出てきたときの「キャー」だけでしたね。あそこがピークでした。それから二人が本当に脇汗とか掻いちゃって、ものすごい汗びっしょりで舞台袖に帰ってきて。小出君なんて「俺、もうお笑いできねえー」というぐらい。それぐらい「うけない」ということを知ってもらったんです。それ以降の練習は目の色が違うんですよ。リハーサルも食らいついてくるというか。全然違いましたね。それから撮影の合間も自主的にネタ合わせしてくれるようになって、すごく感謝しています。 

―――お芝居はすごくお上手なお二人ですが、コントはまた違うのですか? 
小出:全然違いますよ。地獄をみました。あんなアウェイになることないですよ。
伊藤:すごいですよ、みんなの目が。「人ってこんな目できるんだ」というぐらい冷えきっていて、本当に申し訳ない気持ちになりました。

koukannikki-3.jpg―――練習を重ねて、映画も撮り終え、今の気持ちとして二人でコンビを組みたいと思いますか?
小出:とにかく監督が鬼でしたので。本当に目の色を変えて鬼でした。すごかったです。熱意とこだわりと。
監督:全然鬼じゃないって・・・鬼じゃねえよ~
小出:(記者に)「鬼監督」って書いてください!
伊藤:ずっと同じ場所でやっているというシーンがあるんですが、その日は撮っても撮っても終わらない。
小出:OKなんて出ないんじゃないかという。
伊藤:出ないのではと不安な中とり続けましたね。
監督:最終的にはOKを出しました。わたくし、鬼ではございません(笑)。

―――コンビを組んだ甲本役の小出さんは、共演されてどんな方でしたか?
伊藤:見ていただいたら分かると思いますが、僕たち二人のコンビを中心にいろんな物語が進んでいくのですが、結構個々で出ているシーンが多くて、分量的には半分ずつぐらいなんです。台本でもちろん話は知っているのですが、実際に完成を見たら「甲本っていいヤツじゃん。あれ?この映画こんなに泣けたんだっけ」と自分で振り返ってしまうぐらい、甲本という人間を台本のイメージ以上に好きになりましたね。

koukannikki-s5.jpg―――田中役の伊藤さんはいかがでしたか?
小出:交換日記ということで、実際に日記を書くんですよ。実は自分たちの字で書いているのですが、まあ字がきれい。まあ丁寧。普段の字とのギャップがすごい!これがスクリーンに映ると思った瞬間の気合いの入れ方がハンパじゃない。
伊藤:役柄、役柄~
小出:役柄にすごく寄せているということなのですが、最初田中が書く「嫌です」という言葉が出てきます。「嫌です」の完成度、すごいですよ。
伊藤:練習したもん。
小出:下書きもしているんですよ。鉛筆で下書きして、ボールペンで書いてましたね。
伊藤:その跡が映っていないか不安です。こんなに大きいスクリーンだと・・・。
小出:「こいつ下書きしてる」ってバレたら・・・
監督:君たち、掛け合いうまくなってるね~(会場拍手喝采)

―――内村監督のお墨付きですから!
監督:静岡からはじまってキャンペーンで一人のときも多かったし、やっと大阪で三人揃ったんです。すごくそれもうれしいんですよ!こうやって三人で揃っているのが久しぶりなので、それもあってすごく感動しています。

koukannikki-s4.jpg(最後のご挨拶)
伊藤:この映画はコンビの愛や、それを支えてくれる人の愛や、いろんな愛がこもった映画になっていると思います。まだ夢を持っていない子供たちであったり、今夢を見つけようとしている人、追いかけている人、その夢をあきらめてすばらしい現実を歩んでいる人、どんな人たちが見ても感じてもらえるものがたくさんあると思います。今日見ていただいて、面白いと思ってくださったら、ぜひ大切な方と2度、3度、4度、5度、6度ぐらい劇場に足を運んでいただけたらと思います。よろしくお願いします。今日は楽しんで見てください。ありがとうございました。
小出:女性だと夢を追いかけている馬鹿者二人、愚かな男をすごくかわいいなと微笑ましく見守ってくださるのではないかなと思います。それと夢を追いかけるのは美しいんだなと言うことをやっていて感じました。夢が叶おうが叶わなかろうがすてきなことだと感じたので、そういうことを感じていただけるとうれしいです。ありがとうございます。
監督:本当に大きなスクリーンに我々の作った映画がドンとでるかと思うと楽しみで、ワクワクで。昨年の仕事の半分はこれにかかりきりだったので、皆さんに見ていただけるのは本当にうれしいです。ただただ見てくださいということです。見てよかったなと思ったら、3月23日公開以降ももう一度来ていただければと思います。本当にありがとうございました。(江口由美)

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