レポートインタビュー、記者会見、舞台挨拶、キャンペーンのレポートをお届けします。

『牙狼〈GARO〉~蒼哭ノ魔竜~』小西遼生インタビュー

konishi-550.jpg

『牙狼〈GARO〉~蒼哭ノ魔竜~』小西遼生インタビュー

 

(2012年 日本 1時間36分)
原作・脚本・監督:雨宮慶太
出演:小西遼生、久保田悠来、蒼あんな、藤田玲、山本匠馬、中村織央、影山ヒロノブ、柳原哲也、螢雪次朗、渡辺裕之、松坂慶子

2013年2月23日(土)~梅田ブルク7、なんばパークスシネマ、T・ジョイ京都、109シネマズHAT神戸、他全国ロードショー

公式サイト⇒ http://garo-project.jp/SOUKOKU/

(C)2012 雨宮慶太/東北新社


 

~小西遼生、『牙狼<GARO>』の独創的世界と撮影現場を語る~

 

garo2-11.jpg 人気特撮『牙狼<GARO>』シリーズ劇場版第2作『牙狼〈GARO〉~蒼哭ノ魔竜~』は、主役の〈冴島鋼牙〉最終バージョンということで、物語のテーマ性やアクション・CGなど様々な新要素が盛り込まれ、雨宮慶太監督が創造する魔界迷宮の世界観に新境地を拓いている。さらに、今回は松坂慶子が初めてワイヤーアクションに挑戦するなど、久保田悠来や蒼あんな等を迎えての豪華キャストの活躍にも注目。年齢を問わず、女性ファンが多いことからも、その人気の高さがうかがえる。豪快なアクションばかりではなく、今まで見せたことのない小西遼生扮する〈冴島鋼牙〉の内面的変化に、新しいヒーロー像を見るようだ。

 

【STORY】

“ヒト”を守るため、大いなる力“ガジャリ”と契約した魔戒騎士の冴島鋼牙は、魔竜が持つという“嘆きの牙”を持ちかえるため“約束の地”に降り立つ。ところが、戦いのための牙狼剣、魔法衣、魔導輪を失ってしまう。不思議少女メルや息を吹き返したカカシと出会ったり、“緑の城”の女王ジュダムの“美しいモノのコレクション”として狙われながら、嘆きの海から現れる魔竜を追い求めて、不思議の国を旅する鋼牙。果たして、牙狼剣、魔法衣、魔導輪を見つけ出し、“嘆きの牙”を手にすることができるのか?


公開を控え、小西遼生さんがキャンペーンのため来阪し、新作『牙狼〈GARO〉~蒼哭ノ魔竜~』にかける思いを語ってくれた。


konishi-4.jpg――― 冴島鋼牙役を長く続けて来られたが、役のイメージは?
時間経過と共に自分も変わっていくが、初期に比べて鋼牙も大人になっているし、性格も変わってきている。今回は、鋼牙最後の戦いということで、今まで戦いがメインだったのを、戦いから一歩離れたところにいる鋼牙の人間性が描かれています。主役として再発見することが多くて、ここまで大きくなったのか?と感じました。

――― 今回ほぼグリーンバックの撮影で大変だったのでは?
現場には機械とグリーンの幕しかなく無機質で、映画の中のファンタジーさは一切なかった。いつもはロケーションの繋がりでグリーンバックの撮影に入るので、状況が分かりやすかったのですが、今回は監督の説明を聴きながら、広さや奥行き高さを想像しながら、いろんな所を歩いているつもりで演技しました。雨宮監督の凄さは独創性にあり、『牙狼<GARO>』の基本となる世界観はそこにあります。地味で難しい現場でしたが、面白かった!

――― ずっと険しい顔をしていたが?
今回は穏やかな方です。今回の特徴は、今までホラー的悪と剣で戦うのを使命としてきた鋼牙が、ファンタジーの世界で得体の知れない連中相手に戦うことです。未知の世界に飛び込み、敵意はないが、歌えや笑えと言われ、それに困惑する鋼牙が見所でしょうか。ファンタジーの世界に違和感なく溶け込む必要がありました。元々キャラクター性が強い作品ですが、技術の進化もあり、7年前の作品と比較すると、今回は上手く融合していると思います。

konishi-2.jpg――― 松坂慶子さんがワイヤーアクションに挑戦しているが?
雨宮監督も、「松坂さんの回し蹴りなんて、誰も見たことないだろう!」と絶賛していました。立ち回りも現場で振り付けて即実演という、稽古もしないで、見事に足が上がっていました。ご本人は「踊りをやってたから、それに助けられたわ~」などと仰ってましたが、それにしても見事だなあと驚きました。ワイヤーで吊り上げられるにもコツがあり、初心者には難しいこと。それを上手にバランスをとってアクションしておられました。

――― 松坂慶子さんに気を遣った?
嬉しいことに、アクションシーンを喜んでやって下さいました。誰でも不安だと思うのですが、最初に「小西という役者は、相手のアクションを受けるのが上手いので、安心してやって下さい」と監督が言われたみたいで、とても信頼して演技して下さいました。現場では緊張せずに、松坂さんも集中して楽しんでやっておられたようです。

――― ゲストによって現場の雰囲気は違いますか?
7年やっていると皆さんに息子みたいに思われているのですが、大物ゲストが来ると、僕に対するケアがなくなる!(笑)これ『牙狼<GARO>』の特徴! いつもは主演だからと大事にして頂いているのですが、ゲスト優先で、「鋼牙後回し!」ってされます。ゲストの拘束時間に配慮するので、それは仕方ないのですが・・・。それに、僕はアクションよりリアクションの方が得意で、リハーサルやスタントなしでもできます。時々、「少々鋼牙に当たってもいいから」なんて言われ、「おいおい!…別にいいけど」てな具合です(笑)。

――― 『牙狼<GARO>』は雨宮監督の独創性が大きな特徴ですが、美術は?
 garo2-2.jpg雨宮監督のイメージを基に、美術担当の人がプラスαさせながら作り上げています。具体案を言わず漠然としたイメージだけで作っていくのですが、そこは監督と美術との信頼関係ができているので、NGが出ることはあまりないようです。監督のイメージを具現化するのが、其々の仕事ですから。

――― スタッフもあ・うんの呼吸なんでしょうね?
本当に独創的なんで、スタッフも大変だと思います。一番大変なのはCG部。映像は直せるので、監督の細かいダメ出しがあり、時間かけて直しているんです。今回は「モノ」をテーマにしているので、各パートに「自分で考える」というノルマを課して、僕のアイデアも二つ採用されてました。

――― どの部分ですか?
ザルバと戦うシーンです。「何やりたい?」と監督に聞かれ、「今まで相棒だったザルバの全身像と戦うシーンって、観客も見たいのでは?」と言ったら、やらせてもらえました。それから、ラストシーンも。それは監督も同じことを考えておられたようです。ラストカットの鋼牙がとてもいい表情をしていますが、僕はあのシーンを演じている時が一番楽しかったです。このように、脚本は監督が考えますが、CG部や美術部などの各パートにもアイデアを募り、みんなでひとつの作品を作り上げるという一体感が湧いてきました。物作りの基本的楽しさを実感できた現場でした。みんなの愛情がこもっています。

――― 役者としてのアクションは?
『牙狼<GARO>』の現場で初めてアクションに挑戦しました。僕の運動神経については、イチかバチかだったのでは? 僕は不器用な方でして、藤田玲君の方が柔軟で運動神経がいい。僕は人一倍たくさん実践経験を積ませてもらった結果、少しずつアクションが身についてきました。

konishi-3.jpg――― 長年同じ役をやることで制限してきたことは?
別にありません。ただ、シリーズものは毎回違う印象で見てもらえるように、その時その時の自分自身の血を通わせたものにしたかった。より男らしく、ある時は貫録を出す、演技の幅を広げてきたつもりです。

――― 他の仕事と重なったりする時、髪型は?
舞台の場合ごまかせるのですが、舞台とTVが交互に来ると、撮影の時のキャラクター作りがちょっと大変でした。そんな時は『牙狼<GARO>』基準でいきました。『牙狼<GARO>』の撮影に入る前はトレーニングしています。ワイヤーの高さも徐々に上がって行き、40mの高さでもスタントなしでやりました。そんな高さで必死で演技していても、「ちゃんと映ってるから~」と監督は言ってましたが、結局顔写ってなかったです(笑)

――― 今後やりたい役は?
舞台が中心になりますが、いろんな役をやりたいです。悪人というより、裏表のあるような業の深い人間臭い役、例えばシェイクスピア劇に出てくるような人物像に興味があります。

――― 時代劇は?
時代劇もやりたい!是非やってみたい!(笑)


と、マネージャーの方を向いて時代劇出演を訴える小西遼生さん。その端正な小顔と細身の体格だと、さぞかし凛々しく美しい若武者になれることだろう。時代劇ファンとしては、『牙狼』シリーズで培った剣さばきを活かすためにも、是非とも時代劇に挑戦してほしいと期待してしまう。

(河田 真喜子)


★小西遼生さん出演の舞台『ピアフ』の情報はコチラをご覧ください。

http://www.tohostage.com/piaf/index.html

月別 アーカイブ