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『R-18文学賞vol.1 自縄自縛の私』竹中直人監督、平田薫舞台挨拶

jijyojibaku-s550.jpg『R-18文学賞vol.1 自縄自縛の私』舞台挨拶(13.1.22 梅田ブルク7)
jijyojibaku-1.jpg登壇者:竹中直人監督、平田薫
(2013年 日本 1時間46分)
監督:竹中直人
原作:蛭田 亜紗子「自縄自縛の私」(新潮社刊『自縄自縛の私』所収)
出演:平田薫、安藤政信、綾部祐二、津田寛治
2013年2月2日(土)~新宿バルト9、梅田ブルク7、TOHOシネマズなんば、109シネマズHAT神戸、T・ジョイ京都他全国公開
公式サイト→http://www.r18-jijojibaku.com/
(C) 吉本興業

 角田光代をはじめとする女性審査員により選ばれた「女による女のためのR-18文学賞」受賞作品が竹中直人監督によって映画化。『R-18文学賞vol.1 自縄自縛の私』というタイトルとは裏腹に、どこかほのぼのしたタッチで個性的な性癖を持つOLの秘かな歓びや葛藤を描き、ストレス社会に生きる現代女性を元気づける異色成長ストーリーに仕上がっている。
公開に先駆け、舞台挨拶付き試写会が22日梅田ブルク7で開催され、満席の熱気ぶりに本作への期待が大いに伺えた。全身薔薇柄のオシャレなスーツに身を包んだ竹中直人監督と、レトロな赤白ストライプのロングワンピース姿が爽やかな主演百合亜役の平田薫が登壇、自縄自縛秘話やお二人の“秘かな愉しみ”などが飛び出し、会場を沸かせた。平田薫がサプライズで監督への手紙を朗読する場面もあり、映画さながら心地よい感動を味わえた舞台挨拶の模様をご紹介したい。


jijyojibaku-s2.jpg(最初のご挨拶)
平田:はじめまして。百合亜役を演じさせていただきました平田薫です。こんなにたくさんの方が集まってくださると思っていなかったので、すごくびっくりしています。ありがとうございます。短い時間ですが、最後まで楽しんでいってください。
竹中:お集まりいただきまして本当にありがとうございます。第7作目『自縄自縛の私』、一生懸命撮りました。1時間46分と非常にいい時間の映画となっております。最後までゆっくり楽しんで、笑ったり泣いたりしながら、よろしくお願いいたします。

━━━ちょっと変わった趣味を持っている女性が主人公ですが、平田さんはこの作品のお話があったとき、どんな風に思いましたか?
平田:自縄自縛という言葉も最初知らなかったです。自分の知らないことにチャレンジできるというのはすごく好奇心でいっぱいでした。(実際に演じてみて)自縛は特殊といえば特殊なのですが、百合亜という女の子を演じるのに監督やスタッフのみなさんやキャストのみなさんがすごく守って、支えて下さったので、全然迷いや悩んだりすることがなく演じることができ、本当に幸せでした。

jijyojibaku-s1.jpg━━━撮影に入る前に、平田さんにお話されたことは何かありましたか?
竹中:あんまり覚えていないですね。平田さんの雰囲気が良かったので。僕はこの作品の依頼をしようと思ったときにあまり自縄自縛があまり特殊なものだとは思わなかったですね。彼女が生きるための手段で、日常で必要なものだと捉えていたので、あまり肉感的な女優さんでは撮りたくなかったんです。平田さんに初めてお会いしたとき、彼女しかいないと思って、イメージがぴったりだったので自然に入ってもらいました。監督の仕事というのは役者さんにどれだけ楽に現場を解放してその場所に居られるか、そういう時間を作るかが大切だと思うので、すごくいい時間が過ごせました。楽しかったよね?
平田:楽しかったです!

 

━━━監督自ら演技してみせる場面もあったそうですね。
平田:必ずこうしなければいけないと押しつけることもなく、自然と「こうだったらいいな」とか「こういう雰囲気だよ」というの優しく教えてくれる感じです。演技して「こうだよ」と見せてくれたときは、あまりにもお上手なので、私そんなに上手に出来んだけど・・・とちょっと焦りもしました。
竹中: 『自縄自縛の私』というタイトルですから、縄が大事なので、その縄を大切に愛でるというシーンがあって・・・(実演してみせた姿に会場爆笑)。

━━━ワンカット長回しのシーンで、平田さんは実際に自縄自縛をされていますね。
平田:長回しでワンカットで撮るシーンが何回かあったので、4種類ぐらい縛れるようになりました。1か月半ぐらいひたすら家で練習しました。百合亜が縛って一晩過ごすシーンがあったので、一度自分も緩めに縛って一晩過ごしたことがあったのですが、たまたま次の日の朝、大きめの地震がきて、目が覚めたときすごく揺れていたのに動けなくて、一瞬命の危険を感じました。怖かったです。

jijyojibaku-2.jpg━━━共演の方々も個性派揃いですが、中でもピースの綾部さんは女性に人気があるのは分かるような気がしましたが、どういう視点でキャストに選ばれたんですか?
竹中:自分の理想をやってほしかったんですよ。女性と目と目が合ったらすぐに唇を奪うという。そういう男になりたいと思っていたのですが、年をとって出来なくなってしまったので、綾部君にやってもらいました。(演技面で)何を言ってもすぐにやってくれました。登場のシーンも普通にやったらつまらないから、スローモーションでやってくれとお願いしたら「追いつけるかな~~~」とスローモーションで(笑)。

━━━実際に綾部さんと共演された平田さんはいかがでしたか?
平田:以前一回映画で共演させていただいたことがあり、撮影前お会いしたときに綾部さんから「キスシーンがあるよ、薫ちゃん」といわれて、そのときちょうどキスシーンがなくなったときだったので、「キスシーンなくなりましたよ」と伝えたら、すごくがっかりされていたんです。その話を監督に伝えたら、キスシーンが復活して(笑)。
竹中:自分の理想を映像で撮るのはちょっと恥ずかしかったのですが、綾部君がすごく残念そうだったので「じゃあ、復活させよう」と。復活するからにはただ単純な小さなキスではダメなので、「長回しにするから、延々吹いつくしてくれ!」と言って本番に入りましたね。

jijyojibaku-3.jpg━━━お二人にとって誰にも言えない歓びや、人には言えない趣味はありますか?
平田:人に見られたくないストレス解消法なのですが、お酒を飲むのが大好きで、ちょっと溜まってきて次の日が休みとなったら、500mlのビール6缶を買って、ワインを買って、家で飲みます。一人でベロベロになるので、ストレス解消できるのですが、テレビに向かって一人でしゃべったり、醜態をさらしています。
竹中:僕はフィギュアのマニアです。ダークナイト・ライジングのアン・ハザウェイのフィギュアが出ないかと楽しみにしています。ヤバいですね。ヒース・レジャーのジョーカーのフィギュアとか何台も持っています。昔からずっと集めていたので、フランケンシュタインとか大好きです。ブルース・リーのフィギュアもたくさん持っています。それを愛でるのが好きで、ブルース・リーの『燃えろドラゴン』の時のフィギュアなんか、たまらないです。自分の映画を見れる部屋に飾ってあるのですが、地方に行くとき、ブルース・リーのフィギュアだけは持っていき、それを部屋に置いて、写真を撮るんです。

jijyojibaku-s3.jpgここで平田薫から竹中監督へのサプライズプレゼントとして、竹中監督に宛てた手紙が朗読され、竹中直人監督が感動の面持ちで聞き入る一幕も。
 竹中監督へ こうして完成披露するとみなさんに観てもらえる喜びと、撮影からもう一年経ったことに驚きます。おととしのクリスマス、初めて監督との顔合わせがありました。初めてお会いしたときは、私でいいのかなという不安と大先輩に初めて会う緊張で、正直あまり覚えていません。その後、ロケハンに連れて行ってもらえると知り、さらに緊張が高まりました。当日、監督やスタッフのみなさんと合流したとき、竹中組に当たり前のように受け入れてもらえたこと、その空気がとても心地よかったです。みなさんの百合亜という役への想い、愛情を知って、心を全開に開いて信じてついていくことができました。「現場でちゃんと見ているからね。心配しなくていいよ」と声をかけて下さった時、本当に心強かった。いつも安心して、リラックスしていられました。監督と出会えたこと、竹中組のみなさんと出会えたこと、監督に見守られながら百合亜でいられたことが本当に幸せでした。私の一生の宝物です。私はこの撮影の日々を思い出したら、どんなときも百合亜が強くなったように、自信を持って頑張れる気がします。私を百合亜にしてくださって。本当にありがとうございました。いつか監督と一緒にお芝居をしたいという秘かな目標があります。時間がかかってしまうかもしれないですが、実現するようにがんばります。本当にありがとうございました。これからもよろしくお願いします。

jijyojibaku-4.jpg(最後のご挨拶)
 竹中:本当に僕の大好きな俳優たちがいっぱい集まって、この映画に出てくれました。僕は自分の映画は客観的に観れる方なのですが、帰るころにはとても美しい青春映画になっているのではないかと思います。最後までゆっくり楽しんでいってください。今回私が出ていないので、すっきり映画を観ることができると思います(会場笑)。よろしくお願いします。今日はお忙しい中ありがとうございました。(江口 由美)

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