『きいろいゾウ』舞台挨拶レポート
(2012.12.23 大阪ステーションシティシネマ)
ゲスト:宮﨑あおい、向井理 サプライズゲスト:本田望結
(2012年 日本 2時間11分)
監督:廣木隆一
原作:西加奈子著『きいろいゾウ』小学館
出演:宮﨑あおい、向井理、柄本明、松原智恵子、リリー・フランキー、緒川たまき、濱田龍臣、本田望結
2013年2月2日(土)~新宿ピカデリー、大阪ステーションシティシネマ、なんばパークスシネマ、神戸国際松竹、T・ジョイ京都他全国ロードショー
公式サイト⇒http://www.kiiroizou.com/
(C) 2013西加奈子・小学館 / 「きいろいゾウ」製作委員会
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西加奈子のロングセラー小説『きいろいゾウ』が、自身も同作の大ファンという宮﨑あおいと向井理を迎えて映画化され、『軽蔑』、『ヴァイブレーター』の廣木隆一監督がファンタジーとリアルが交錯する原作を、実感ある夫婦の物語に仕立てあげた。
2013年2月の公開を前に、大阪ステーションシティシネマで行われた先行有料試写会では、上映後に主演の宮﨑あおい、向井理が登壇し、作品の余韻に浸る観客を前にツマとムコさながらのゆったりトークを展開、途中からサプライズゲストの本田望結がサンタクロース姿で登場し、会場からも歓声が沸く場面もあった。一足早いクリスマスプレゼントとなった、宮﨑あおい、向井理、本田望結による舞台挨拶をご紹介したい。
(最初のご挨拶)
宮﨑:みなさん、こんばんは。今日は見に来て下さって、本当にありがとうございます。とても大好きな原作で、この作品の中に自分が入れたことを光栄に思います。みなさんが見られてどんな感想を持たれたのかとても気になりますが、心を込めて作った作品なので、好きでいてもらえたらいいなと思います。
向井:こんばんは。ムコ役を演じさせていただいた向井理です。この映画は今年の4月に三重県で撮影していました。とてもいい所で、ロケーションの力にも助けられた作品になっていると思います。よろしくお願いします。
━━━お二人は初共演ですが、宮﨑さんが最初に向井さんにどんなイメージを持っていましたか?
宮﨑:なんかシュッとしてますよね。背が高くて、スキがないイメージがありました。でもお会いして、ツマとして時間を共有している間はシュッとした感じが全然ないんです。現場でもムコさんとしてぼぉ~っとしていて。
向井:シュッとしているのは、仕事用なんです。
宮﨑:こんなにちゃんとスキがある人なんだなと、すごく面白かったです。
━━━向井さんは最初宮﨑あおいさんにどんなイメージを持っていらっしゃいましたか?
向井:あまり誰に対しても「こういう人なのではないか」というイメージを持たないので、印象としてこんな人だと思ったことはないですね。(実際に共演してみると)面白い人ですよ。鼻歌歌っているし、変な絵を書いているし。でも芯が強いんですよ。お互い同じ場所にいるのですが、別々のことをしていて、現場で話すこともあったりなかったりで、むしろ会話は少ない方だと思います。それでも、お互いに無駄に自分たちのテリトリーを壊さないで、自分たちの距離間を保っていたので、本番でも本番じゃないときもずっと同じテンションでいられて、やりやすかったです。居心地が良かったです。
━━━映画でもファンタスティックな場面や現実的な場面が登場し、演じる上では難しいのではないかと思いましたが、宮﨑さんはツマを演じるにあたって、こうしようというイメージはありましたか?
宮﨑:こういう風にやろうというのは、いつもないですね。こういう服を着ているなとか、こういう髪型をしているなというイメージが沸くことはあります。(前髪を切ったことについて)原作を読んだときも、台本を読んでもちょっと変わっている印象があったので、自分で切っちゃった前髪といった感じかなと思いました。だんだん短くなるんですよ。ほとんど順撮りで撮っているので、前半戦は割と長めのまゆげからちょっと上がったぐらいなのですが、後半戦はムコさんがいなくなってから大変なことになっていて、前髪が全部立つぐらいになっているので、その辺を注目して2回見てください。
━━━向井さんは無精ひげをはやしていらっしゃいましたが、ムコさんはこんな感じとイメージされたのですか?
向井:監督とも相談して、物書きということもあったので、特に外見にこだわりのない人だと思ったので、髪型もボサボサですし、ヒゲもはやして、メイクもせずスッピンでした。
━━━あと、関西弁がなめらかで、全然違和感なかったですよね。
向井:大丈夫でしたか?結構不安だったのですが。(会場拍手)
━━━ツマとムコがデートするなら大阪ではどこがいいですか?
向井:どこやろね~(会場笑)彼らに対してあまりハイカラなイメージがないので。大阪はすごく近代的だから・・・食べるのが好きな二人なので、食い倒れたいです。
~本田望結ちゃんが、サンタクロースの姿でプレゼントを手に登場!~
━━━ご挨拶をお願いします。
向井:宮﨑あおいさんの子どもの役を演じた本田望結です。よろしくお願いします!
━━━映画の中で髪が短かったですね。
本田:髪の毛の短い子の役は初めてだったので、びっくりもあったし、不思議な感じもあったし、すごく楽しかったです。
━━━今日は大きな袋を下げていますが、プレゼントがあるんですか?
本田:ツマさんとムコさんの似顔絵を書きました!
~宮﨑さんと向井さんに望結ちゃんからプレゼントを贈呈~
━━━宮﨑さん、向井さん、感想はいかがですか?
宮﨑:私はよく目が離れていると言われて、魚顔だと自称しているのですが、目がちゃんと離れているのでうれしいです。ありがとうございます。
向井:すごいね。ちょうどくせ毛でいつもこうなるので、よく見てるね。髪質がそっくり。
本田:向井さんと宮﨑さんに、書くときは似てると言ってもらえたらうれしいなと思っていたけど、似てると言われてちょっとほっとしました。
━━━望結ちゃんは映画の中で絵本を読むシーンがありますが、どんな気持ちで撮りましたか?
本田:絵本の中に出てくるのは初めてだったので、楽しいのもあるし、うれしいのもあるし、向井さんと望結で二人で声を撮ったときはドキドキもあったし、楽しかったし、うれしかったし、いろんな気持ちがありました。
向井:僕はきいろいゾウ役もやっているので、あの時は本当に手をつないで撮影したもんね、監督の指示で。
宮﨑:私はその撮影の時、見学に行きました。一日だけだったので、どんな風に撮影しているのか見たかったので。二人で声を撮っているときも、はしっこでニヤニヤしながら見ていました。
━━━最後に、ご挨拶をお願いします。
向井:この映画はご覧になっていただいたとおり、これが僕たちの作った『きいろいゾウ』です。キャストもとても少なく、登場人物も少なく、人物設定も分かりやすく、こだわりのある映画になっていて、僕もこの映画をどう表現していいのか正直まだわからないところもあります。後半から全然違う映画になって、初めて見たときは2本映画を見たような、それぐらい前半のゆるい雰囲気と後半のとがったカットと、色々な要素が入った映画になっています。この映画がどんどん大きくなるのは、自分たちの力だけではできませんので、ぜひ多くの方に伝えていっていただきたいと思います。今日はありがとうございました。
宮﨑:この映画の中では心が痛くなったり、悲しくなったりするシーンがたくさんあったと思います。でもきっと自分が大切だと思う人と向き合うということは、もちろん幸せなことはいっぱいあるけれど、そういう痛い部分も必ず付いてくることで、それと一生懸命向き合おうとする夫婦のお話だと思います。ぜひ、みなさんがこの作品を広めていってくださればと思いますので、どうぞよろしくお願いします。(江口由美)