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『高地戦』初日トークショー


ginpei-2.jpg笑福亭銀瓶さん、『高地戦』の見どころを語る

(2012年11月3日(土)シネマート心斎橋にて)

登壇者:笑福亭銀瓶(しょうふくていぎんぺい)

 

(2011年 韓国 2時間13分)

監督:チャン・フン 

出演:シン・ハギュン、コ・ス、イ・ジェフン、リュ・スンリョン、キム・オクビン

2012年10月27日(土)~シネマート新宿、シネマート六本木、11月3日(土)~シネマート心斎橋、11月24日(土)~元町映画館、12月1日(土)~京都みなみ会館

公式サイト⇒ http://www.kouchisen.com/

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ginpei-1.jpg【笑福亭銀瓶(落語家)プロフィール】

兵庫県神戸市出身。1988年、笑福亭鶴瓶に入門。

 

2009年、第4回繁昌亭大賞受賞。
現在は大阪・繁昌亭を中心に京阪神、東京で自身の独演会、落語会を開催。
2005年からは韓国語落語に取り組み、毎年韓国で公演を継続。
 OBCラジオ「笑福亭銀瓶のぎんぎんワイド」メインパーソナリティ。

MBSラジオ「こんちわコンちゃん お昼ですょ!」の人気コーナー

「銀瓶人語」は第3刊まで書籍化。

 


 

【作品紹介】

kouchisen-1.jpg1950年6月25日から3年1か月も続いた朝鮮戦争。いまだに社会主義国家の北朝鮮と民主主義国家の韓国の南北に分断された国家は、世界でもここだけだ。その朝鮮戦争の終結間際の、高地での戦いを描いたのが『高地戦』である。山を占拠するため日々一進一退を繰り返し、その山肌は死体で埋め尽くされ、熾烈を極めていた。「何のために戦っているのか?」……双方の兵士がその疑問を抱きつつも、ようやく訪れた停戦協定の日。やっと、やっと戦争が終わった!生き延びられた!と喜んだのも束の間、協定が実行されるのは12時間後だという。最後まで戦い抜いた時点で境界線が決まる。そのために、どれ程の人命が失われたのだろう。弾丸の飛び交う戦地と、作戦本部との大きな温度差。
 

kouchisen-3.jpg戦争がもたらす悲劇は、今までも『太白山脈』『ブラザーフット』『トンマッコルへようこそ』など様々な形の映画で表現されてきたが、本作は、南北の戦士たちの人間性を浮き彫りにすることによって、戦争の空しさ、愚かさ、非情さを、心に染み入るように訴えかけている。戦闘シーンだけではなく、人間性に焦点を当てた描写が特徴的。

 


 

11月3日シネマート心斎橋で公開初日に、落語家の笑福亭銀瓶さんが、映画を見終えたばかりの観客の前に登壇し、韓国の国民性と作品の見所を楽しく語ってくれた。

【笑福亭銀瓶さんのトーク】

今日は平均年齢高ですね~いい映画だったでしょう?(会場から拍手)寒くなかったですか?どうぞトイレ行きたい人は行って下さいね。(と観客を気遣う。)
 

ginpei-3.jpg僕、この頃映画見たら眠たくなるんですけど、この『高地戦』だけは全然眠くなかったですわ! 僕、朝4時半に起きてましてね…別に新聞配達してるワケやないですよ!(笑)ラジオ大阪で「笑福亭銀瓶のぎんぎんワイド」という番組をやってるんですけど…聴いてる人?…いやメッチャ少ない! 朝7時~9時の生放送なんです。その後映画館へ行ったりしてるんですが、予告編始まって館内が暗くなり本編始まる頃には、もうぐ~っと眠たくなるんですよ。でも、この映画は午後1時から試写室で見せてもらったんですが、いつもなら眠くなるところを、最後まで集中して見れました。


ホンマは11月2日~4日は韓国で落語をする予定でしたが、3月に延期になったんで、今日こうして皆さんとお会いできて良かったですわ。(拍手)それにまだ韓国語の落語を覚えてなかったんで、ホンマ良かった!(笑)

 


皆さん、『ワンドゥギ』も良かったでしょう?あの映画に出ていた猫背のお父さん役のパク・スヨンは私の友達なんです。舞台『焼肉ドラゴン』というお芝居では僕もパク・スヨンと一緒に出てたんですよ。彼は僕より年下なんですよ。(え~1?)老けてるけど巧いでしょう?


皆さん、韓国へ行ったことありますか? 僕行く度に思うんですが、韓国の人って、2時開演や!というても、2時から集まり出して、2時15分位にやっと揃うんですよ。食堂行っても、韓国には生ビールがないんで瓶ビール頼んで、「栓抜きちょうだい」っておばちゃんに言うても、黙って壁の方を指さすんですわ。つまり、壁に掛かってるのを自分で取って来い!ちゅうことで、使い終わったらまた指さして、今度は戻せ!という具合に、ええ加減なところがあります。でも、映画に関しては驚くほど緻密なんですよ~!

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『高地戦』のような映画は、ひと昔前までは描けなかった内容です。南北は善悪ではっきり分けられてましたが、今では友好的な物語が多くなっています。特にこの映画は、『JSA』の脚本を書いたパク・サンヨンが脚本を担当していますので、南北の兵士同士の友好的な光景がまたいいんです。主演のシン・ハギュンは、『JSA』にも出演していましたが、その時は26歳だったんですよね。いまでも情感込めたいい演技してますよね。コ・スもカッコイイし、ワニ中隊の若き大尉を演じたイ・ジェフンがまた良かったですね。仲間を守るため、この戦争を生き抜くため、非情の決断をするところなんかは泣けます。


この映画は、戦争を描いていますが、決して戦争を美化することはせず、戦争がいかにバカげているか、無駄に人の命を奪う愚かな行為であるかを痛切に描いています。停戦協定の調印とそれが実行される時間に12時間も差があるなんて、ひどい話です。やっと戦争が終わったと思ったのに、また12時間も戦うなんて……戦争がいかに無駄なことかを伝えることがこの映画のテーマなんでしょう。
 

ginpei-4.jpgとても迫力のある戦闘シーンですが、CGは殆ど使わず、俳優たちもマジで山を駆け上がったり格闘したりしていたらしいです。ひとつのシーンでも20回もリハーサルしていたというから、その撮影がいかに過酷なものだったかわかりますよね。戦闘シーンも凄いんですが、平和なシーンもこれがとても美しい! 韓国軍の兵士たちが小川で水浴びをするシーンなんて、印象的ですよね。『マイウェイ 12,000キロの真実』も見たんですが、奇跡的に再会したオダギリジョーとチャン・ドンゴンが海岸で一緒に走るシーンが綺麗でしたね~、僕あのシーンで泣いてしまいました。


日本も政治状況次第では戦争になる可能性がゼロではありません。平和な日本を持続させるためにも、このような映画が発するメッセージを真摯に受け止める必要があると思います。今日はどうもありがとうございました。



噺家らしく先ず会場をなごませ、韓国の国民性と映画製作の対称的な点を分かりやすく説明し、そして、作品の見所を一気に紹介するあたりは、さすがだ。当日のお客さんは、いい映画を見たあと、銀瓶さんの 楽しいお話も聴けて、本当にお得感のある映画鑑賞日だったことだろう。
                               
(河田 真喜子)

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