『黄金を抱いて翔べ』舞台挨拶
(2012年11月1日 大阪中之島公会堂)
登壇者:井筒和幸監督、妻夫木聡
(2012年 日本 2時間09分)
監督:井筒和幸
出演:妻夫木聡、浅野忠信、桐谷健太、溝端淳平、チャンミン(東方神起)、西田敏行
2012年11月3日(土)~全国ロードショー
http://www.ougon-movie.jp/
© 2012「黄金を抱いて翔べ」製作委員会
~舞台となった中之島で、本物の黄金を手に緊張!~
大阪を舞台にした高村薫原作の映画「黄金を抱いて翔べ」(松竹、11月3日公開)の完成披露試写会が1日夜、大阪・中之島の中央公会堂で行われ、主演の妻夫木聡と井筒和幸監督が舞台あいさつ、約1000人のファンを前に絶妙トークで会場を沸かせた。
原作は90年に発表され、日本推理サスペンス大賞を受賞した高村薫のデビュー作。大阪の町を舞台に、6人の男たちが銀行の地下に眠る240億円の金塊強奪を目論むクライム・サスペンス。井筒監督は受賞作を収録した「小説新潮」を長年持ち歩き、映画化を期していたという。
長年の夢を果たした井筒監督と、念願の井筒組出演の夢がかなった妻夫木は夕暮れ迫る中之島へ豪華リムジンで乗り付け、レンガ造りの中央公会堂前の“ゴールドカーペット”を歩き壇上に上がる凝った演出で、待ち受けたファンの歓声に応えた。
妻夫木:今年のはじめごろ、この中之島辺りで撮影していたので、今日もまだ撮影が終わってないような気がした。
井筒監督:ようお越し。以上!(爆笑)。
―――監督は本は読んだら捨てる主義と聞いていますが、原作が収録された「小説新潮」はずっと持っていたそうですね。
井筒監督:そうやね。本は捨てるけど、これは持ってた。面白かったしカッコいい小説だった。当時は全然力及ばず、手の付けようがない、と思っていた。スケール感大きいし、お金もかかる。他の者に映像化されるのはイヤやけど、誰かがするやろなと思ってた。
―――初の井筒組で主演というのは?
妻夫木:井筒組は楽しかった。ずっと仕事したいと思っていて、念願だった。ハードボイルドやるという時に呼んでもらえてうれしかった。(井筒監督が)厳しいのは聞いていた。山田(洋次)組か井筒組かというぐらい。でも、井筒監督は愛情がある人なので…。人間が描かれていて、どんな小さな役でも見ていてくれる。その姿を見ていると、日本映画は楽しいと思えます。
―――妻夫木さんの起用は?
井筒監督:見事に合っている、から。彼はこの映画のために撮影の2か月前に大阪に潜入していた(笑)。
妻夫木:2月前というとずいぶん早いように思いますが、12月から撮影開始の予定が延び延びになっただけなんです。おかげでそこらへんを歩いていました。吹田とか相川何かへも行きました。
井筒監督:(行きつけのレストラン)「明治軒」も教えた。けど、彼は役に入り込んでたようで行ってないみたい。
妻夫木:「5本くしセット」がうまい、聞いてましたが…。
―――大阪・中之島の銀行が舞台なので、銀行へ視察に行ったとか?
井筒監督:行ってへん、行ってへん。そんなこと言われへんがな。
―――キャッチが『札束より欲しいもの、おまえにはあるか』なので、本日は1キログラムの金塊を用意しました(2人に手渡し)。
妻夫木:(落としかける格好で)見かけよりずっと重いですね。じゃこれで、今日はありがとうございました(笑)(金塊を持ったまま立ち去りかける)。
井筒監督:庶民が持てるもんやないなあ。1グラム4600円か。撮影当時はもっと安かった。社会がキナ臭くなればなるほど金は上がる。(妻夫木を見ながら)ホンマ色男やね(笑)。
―――大阪では最初で最後の試写会。3万通を超える応募から選ばれたハッピーな皆さんに一言を。
妻夫木:今日はありがとうございます。先日、私ももう1回見ましたが、本当にハラハラドキドキする。小さい頃に見ていたようなこういう映画は最近、本当に少ない。それが自分の出演映画というのが嬉しかった。1人1人の生き様に惚れてしまう映画です。格好いいの作ったねえ、井筒さん!って感謝したい。見どころはいっぱいあって、特に大阪の方は十分楽しんでもらえるでしょう。
井筒監督:僕もハラハラドキドキしました。この映画は男をダマすいい機会。(女性ファンの皆さん)ぜひ出来るだけ多くの友人にツイッターでも出しまくって下さい(笑)。
(安永 五郎)