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『東京家族』山田洋次監督舞台挨拶

tokyokazoku-di-1.jpg【写真説明】京都・南座で行われた初めての一般試写会で「判決を待つ被告みたいな気持ち」と語る山田洋次監督


『東京家族』山田洋次監督舞台挨拶

(2012年 日本 2時間26分)
監督:山田洋次
出演:橋爪功 吉行和子 西村雅彦 夏川結衣 中嶋朋子 林家正蔵 妻夫木聡 蒼井優
2013年1月19日(土) 全国ロードショー
公式サイト⇒ http://www.tokyo-kazoku.jp/
(C)2013「東京家族」製作委員会


【最初のご挨拶】
山田洋次監督:この映画は去年夏、完成の予定だった。(撮影の)準備中に3・11を迎えた。その後に原発のメルトダウンもあった。私たちは原発に対する認識が足りなかった。撮影をやめるべきではないかとも考えた。いったん中止し、時間を置いて考えたが、この時代、準備したものをやめるのは大変なこと。1年後の今年3月1日にクランクインし8月に完成した。試写会は何度かやったが、一般のお客さんに大劇場で見てもらうのは初めてで、緊張しています。判決を待つ被告みたいな気持ちです。

tokyokazoku-di-2.jpg――― 小津安二郎監督の「東京物語」は今年8月にイギリスで行われた監督が選ぶ「歴代世界映画ベストテン」で1位になりました。
山田洋次監督:大変権威のある賞で、10年おきに選ばれる。「東京物語」は常連だけど2002年は5位だった。今年トップになったと8月に聞いてボクも誇りに思っている。「東京家族」はこの映画を下敷にしている。家族の問題を描いた映画は世界中で共感出来るということでしょう。

――― 今日は南座で今では貴重なフィルム上映ですが。
山田洋次監督: 映写機がなくなるのは大きな転換期。フィルム110年の歴史がなくなろうとしている。デジタルとフィルム上映はお客さんにはっきり分かるものではないが、フィルムには独特の味わいがあり、それはデジタルにはないもの。その意味で今日は大事な上映になります。映写技師さんが最高の状態で映写してくれます。ベルが鳴り、場内が暗くなる。映写機の音がする、という感覚を味わって下さい。
                   (安永 五郎)

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