レポートインタビュー、記者会見、舞台挨拶、キャンペーンのレポートをお届けします。

2024年3月アーカイブ

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(左から、斎藤元彦兵庫県知事、江口のりこ、中条あゆみ)


■日時:3月25日(月) 16:30 ~ 17:00

■場所:兵庫県公館 3F
     兵庫県神戸市中央区下山手通4丁目4番1号

■訪問者:江口のりこ、中条あやみ (MC:松井 愛)(敬称略)



尼崎市全面協力で完成した映画『あまろっく』。

オール関西人によるネイティブ関西弁が心地いい、

笑って感動して泣けるハートフルコメディ!


「俺は尼ロック(街を守る尼崎閘門)なんや」と家ではゴロゴロ、職場でも外をウロウロするだけの父親が連れてきた再婚相手は、なんと20歳!? リストラされて実家暮らしのプータロー・アラフォー娘はびっくり仰天!


amarock-pos.jpg尼崎市を舞台に、問題だらけの家族のドタバタを、笑いと感動でテンポよく紡ぎ出し、予想以上に胸が熱くなる映画『あまろっく』。父親役の笑福亭鶴瓶の再婚相手が中条あやみ!?「ありえへん!」とツッコミ入れながら、「ええことも、悪いことも、楽しまにゃ損や!」が口癖の能天気な父親と、真面目で優秀な娘との丁々発止のバトルトークに大爆笑。今年の大阪アジアン映画祭では観客賞を受賞した、誰もが笑顔になれる映画『あまろっく』が、いよいよ4月12日(金)より兵庫県で先行公開され、4月19日(金)より全国公開される。


兵庫県と尼崎市の全面協力のもと完成したお礼に、主役の江口のりこと中条あやみが兵庫県知事を表敬訪問。出迎えた斎藤元彦知事は、先達て〈MOVIXあまがさき〉で開催された試写会に参加して、本作を絶賛! 来年の大阪万博で計画されている兵庫県のフィールド・プロジェクトと映画『あまろっく』との関連性にも触れ、そのPRに大いに役立つことに感謝。そこで、斎藤知事手作りのアカデミー賞のオスカー像ならぬ“ヒョスカー像”を記念に贈呈。今朝30分で作ってきたという段ボール製のヒョスカー像に意表を突かれたお二人。斎藤知事の歓びと映画『あまろっく』に掛ける期待の大きさがうかがえる。


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兵庫県公館の外に用意された屋台の前で。劇中、優子が愚痴をこぼしに通うおでん屋さん。)


それにしても、安易に同調することもなければ愛想笑いをすることもない江口のりこ。そんな江口に代わり、支えてくれた街の人々の温もりが作品にも反映されていると、一所懸命に感謝を述べる中条あやみ。その温度差は劇中の若い継母とアラフォー娘との関係性そのまんま! 地でいくのはこの二人だけではない、笑福亭鶴瓶もおでん屋の駿河太郎も皆が尼崎の人々そのものだ。街を歩けば聞こえてきそうな飾らない会話に、きっと心癒されることだろう。


(会見の詳細は以下の通りです)


 

amarock-3.25-500-1.jpg江口:この度は映画『あまろっく』の撮影に協力して頂きまして誠にありがとうございました。

中条:撮影では、尼崎の街の皆様にとてもよくして頂きまして、尼崎の良さが沢山詰まっている映画だと思います。よろしくお願いいたします。

知事:映画『あまろっく』の完成、誠におめでとうございます。コロナ禍の影響で完成が少し延びたようですが、皆さんの想いがいっぱい詰まった素晴らしい映画だと思いました。お二人からもビデオメッセージを頂きました……

江口:そうですか…

中条:(江口のそっけない返事に、笑いながら)二人で撮ったビデオですよね。

知事:笑いあり、感動あり、涙あり、尼崎閘門(あまがさきこうもん:通称“尼ロック”)を舞台に尼崎の色んな名所での撮影もPRして頂いて、心温まるロックな映画になったと思います。これから全国へ向けて兵庫県からも盛り上げていきたいと思いますので、どうぞよろしくお願い致します。


amarock-500-1.jpg――先達て〈MOVIXあまがさき〉で開催された試写会での反響は?

知事:凄く良かったです!兵庫県の関係者や尼崎市の関係者など沢山の方々と一緒に見せて頂いたのですが、観終えてから皆さん口々に「いい映画だったねぇ」と仰ってましたので、皆さんの心に響いたのではないのでしょうか。


――関西出身の俳優陣ということもあり、関西弁がハートを直撃したと思いますが…?

知事::日常生活の場で繰り広げられる様々な出来事をテンポよく見せてくれたと思います。特に、ハラハラするようなドラマチックな展開をコメディー要素たっぷりに楽しませてくれて、とても面白かったですね。


amarock-500-6.jpg――江口のり子さんは姫路ご出身ということですが、尼崎弁との違いは?

江口:ざっくり関西弁で、ということでしたので、特に尼崎弁で演じていたというつもりはなかったですね。

知事:特有の言い回しがあって、例えば「どたまかち割ったろか」とか「しばきまけるぞ」とか(笑)

中条:「しばきまけるぞ」という言葉を使う人が周りに居ないので、これって本当に使われる言葉なのかと一度議論になったことはあります。それぐらい尼崎弁って強いってことなんですよね。


――関西弁の中でもいろんな違いがあって面白いですね。それでは、主演のお二人に知事から質問はございますか?

知事:観光大使というお立場から見た兵庫県のイメージは?

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中条:三和商店街で撮影させて頂いたのですが、フルーツ屋さんやキムチ屋さんから差し入れして頂いたりとか、撮影のために商店街を通行止めにさせてもらったりとか、色々ご協力して頂きました。リアルな街中で撮影できたことが、映画の中の温かみに繋がっていると思います。皆さんにはとても感謝しております。

尼崎の街も古き良き所もあったりしてとても綺麗な街でした。江口さんと鶴瓶さんの3人で定食屋さんへ行ったらとっても美味しいお食事を出して下さいました。神社で出会った清掃ボランティアの方が、「私がこの神社を守っていかなあかんねん」と仰ってて、尼崎の人々皆さんで「街を守っている!」という気持ちが強くて、それが温かみのある人情に繋がっているんだなと思いました。


――商店街の中では、劇中だけでなく実際にもいろんな方に声を掛けてもらっていたんですね?

中条:この映画は「家族」がテーマです。街全体でこの家族を見守ってくれているんだなぁと、人と人との距離の近さに温もりを感じました。


――江口さんは「尼ロック」を実際にご覧になった感想は?

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江口:「尼ロック」って初めて聞いたんですけど、尼崎の人も知らない人が結構いて、実際行ってみると思ったよりこじんまりしてて(笑)「ああ、これか…」という感じでした。正直、尼崎というと柄の悪いイメージでしたが、今回初めて行ってみたら、駅前はお花畑だし、ちっちゃい公園もいっぱいあるし、住みやすいし、めっちゃ綺麗ないい街だなぁと思いました。

――小学生のあの優子ちゃんの成長を育んだ街ですよねぇ。

知事:主人公の優子は一所懸命勉強して出世したのにリストラされて出戻ってきますが、それからの再起の様子がドラマチックですよね。


――尼崎城でデートするシーンがありましたが、尼崎城の印象は?

江口:めちゃめちゃ綺麗な所でした。

中条:私は映画でしか見ていませんが、尼崎城を初めて知りました。

――いろんな所でデートするシーンがありましたが、おススメのデートスポットは?

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江口:うどん屋さんです(と意外な回答)。すごく美味しかったんですよ。

知事:行ってみたいですね。

江口:(すかさず)行って下さい。

知事:尼崎のちゃんぽんしか知らなかったですね。

江口:ちゃんぽんですか!?1か月いたけど、ちゃんぽんは知らなかったです。

知事:姫路の焼きそばと同じくらい有名ですよ。

江口:是非、今度行ってみます!


――来年はいよいよ関西万博ですが?

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知事:会場は夢洲なんですが、兵庫県は万博会場の外でいろんなプログラムを提供させて頂こうかなと考えております。農業だったり地域の地場産業だったり街づくりだったり、現場をパビリオンにして2年前から「体験型のフィールド・パビリオン」というプログラムで準備中です。民間で活動しておられる200位の団体に手を挙げて頂いて、実はその中のひとつに「尼ロック」もあるんですよ。船で水路をクルージングして「尼ロック」も見学して、そこでよく獲れるようになった魚を食べたり、子ども食堂への提供などを体験して頂くプログラムです。そのタイミングで映画『あまろっく』が公開されるということで、とてもいいPRになっていると喜んでおります。


――それでは最後のご挨拶を。

江口:この映画は尼崎の街が隅から隅まで映っていますので、最初に尼崎の方や兵庫県の方に観てもらって喜んでもらうのが一番嬉しいことだと思っております。私自身、兵庫県で生まれて育ってきた大好きな場所なので、こうして兵庫県を舞台にした映画で来られてとても嬉しいです。映画のヒットと同時に、万博のイベントも大成功することを心から祈っております。

知事:ありがとうございます。

中条:尼崎の皆さんに協力して頂いて完成した映画ですので、尼崎の皆さんに喜んで頂けると嬉しいなと思います。これから全国の皆さんにも、人と人の繋がりや家族の良さを感じて頂けたらいいなと思っております。

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知事:素晴らしい映画ですので全国での大ヒットを願っております。是非来年のアカデミー賞を獲って頂きたいと思いますが…(微妙な表情の江口のりこと中条あやみ)そこで、私が独自に《兵庫県フィールド・パビリオン・アウォード》と題しまして、ここにオスカーならぬヒョスカー(兵庫県のトロフィーという意味で)・トロフィーを差し上げたいと思います。私が今朝30分かけて手作りしたトロフィーです。どうぞ!

江口:あれまぁ、段ボールでできてますよ~。

中条:究極のSDGsですね(笑)

知事:怒られるかなと思いましたが…(笑)

江口:いや、嬉しいです。ありがとうございます。

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(フォトセッションでは「ヒョスカー」を手に、はいポーズ!)


『あまろっく』

尼崎発、オール関西人による「生きとったらなんとかなる!」の応援歌♪


amarock-550.jpg巨大な閘門”尼ロック”によって水害から守られている街・尼崎。「俺は“尼ロック”やねん」と家でゴロゴロしてばかりの父親(松尾諭)と優しい母親(中村ゆり)に大切に育てられた優子は、何事にも真面目で優秀に育ち、上京して出世もするが、周囲に軋轢を生みリストラされてしまう。そんな娘・優子(江口のりこ)を「リストラおめでとう!」と、母亡きあとヤモメになっても「ええことも、悪いことも、楽しまにゃ損や!」が口癖の父親(笑福亭鶴瓶)が迎える。娘も実家でのんびりプータロー生活を送っていると、なんと父親が再婚するという。しかも相手は二十歳!?

若くて可愛い継母に戸惑いながらも、家族団らんを夢みるその健気さと一所懸命さに優子の気持ちも変化していくが……。


〈 尼崎を守る「尼ロック」とは?〉

兵庫県尼崎市にある尼崎閘門(あまがさきこうもん)。英語で閘門は Lock Gate(ロックゲート)であることから尼ロックという愛称で呼ばれる。 船舶が通航できる巨大な閘門で、尼崎市の「ゼロメートル地帯」に海水が流れ込むのを防いでいる。


■出演:江口のりこ 中条あやみ / 笑福亭鶴瓶
松尾諭 中村ゆり 中林大樹 駿河太郎 紅壱子 久保田磨希 浜村淳/後野夏陽 朝田淳弥 高畑淳子(特別出演) 佐川満男
■監督・原案・企画:中村和宏
■脚本:西井史子
■音楽:林ゆうき 山城ショウゴ
■主題歌:「アルカセ」ユニコーン Sony Music Labels Inc./ Ki/oon Music
■文化庁文化芸術振興費補助金(映画創造活動支援事業)独立行政法人日本芸術文化振興会
■特別協賛:阪神電気鉄道株式会社 ■特別協力:兵庫県/尼崎市
■協賛:TC 神鋼不動産 中島商店 レンゴー
■製作:「あまろっく」製作委員会
■製作幹事:MBS ハピネットファントム・スタジオ
■制作プロダクション:MBS 企画
■配給:ハピネットファントム・スタジオ
©2024 映画「あまろっく」製作委員会
2024 年/日本/119 分/カラー/シネスコ/5.1ch/G
※本作の撮影は2023 年 3 月 24 日~4 月 30 日にかけて行われました。

■公式サイト: https://happinet-phantom.com/amalock/

2024年4月12日(金)~兵庫県先行公開、4月19日(金)~全国公開
 


(河田 真喜子)

 

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ヒューゴー賞受賞SF小説「三体」原作者による同名短編小説を基に豪華キャストで映画化した『流転の地球 -太陽系脱出計画-』が、3月22日(金)より、TOHOシネマズ 日比谷ほか全国公開となります。

ウー・ジン、アンディ・ラウら中国豪華キャストが集結!


流転の地球0-sub1.jpg本国でシリーズ累計2千万部を超える超ベストセラーとなり、SF界のノーベル文学賞と呼ばれるヒューゴー賞をアジア人として初受賞した、今春Netflixドラマシリーズが配信されるSF小説「三体」。その原作者リウ・ツーシンによる同名短編小説を基に、中国映画界が誇る才能を結集して映像化。
 

圧倒的なスケール感、精緻な映像美と、練り込まれたストーリー

ハリウッドをも唸らせた、メガヒット中国SF超大作が日本上陸!


流転の地球0-sub2.jpg精緻な映像美で描かれる練り込まれたストーリーに、ドラマティックに描かれるさまざまな人間模様。さらに圧倒的なスケール感で繰り広げられるパニック描写など、3.2億元(約65億円)の製作費を費やし、ハリウッド大作も圧倒する究極のSFエンタテインメント超大作が誕生した。中国本土で初登場第一位に輝き、興収40億2900万元(約815億円)を突破し、歴代興行収入ベストテン入りを果たすメガヒットを記録! さらに、北米でも大ヒットとなり、世界興収は約6億米ドル。第96回アカデミー賞国際長編映画賞中国代表作品選出され、すでにシリーズ3作目の製作も決定するなど、社会現象となっている。
 


【グオ・ファン監督インタビュー】


――監督が続編ではなくエピソード0を描くことにした理由とは?

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前作『流転の地球』は中国初のブロックチェーンSF映画として2019年春節シーズンに公開された。続編を製作することになったグオ監督は、続編のプロットとして物語の続きを描くのではなく、「前日譚」を描くことを選択した。その理由に『流転の地球』では物語の世界観や背景、登場人物たちがどんな経験をしてきたのかを描写するエピソードが不十分であったこと、そして多くの観客がウー・ジン演じる主人公の宇宙飛行士リウ・ペイチアンの復活を望んでいたことを挙げている。


――ウー・ジンは前作の製作に全財産を投じた監督のため、ノーギャラで出演するだけでなく、自ら出資するなど、全力で映画を支援。

グオ監督は、そんなウー・ジンに対し、「『流転の地球 -太陽系脱出計画-』の製作は、前作でのウー・ジンの献身に対する製作陣の感謝の表れだ。ウー・ジンは撮影時、数えきれないほどの無私の支援を提供してくれた。だから私も彼を続編に登場させるべきだと思った。しかし『流転の地球』での結末から考え、リウ・ペイチャンを復活させることは明らかにナンセンスで、そうはしたくなかった。そこで物語の続きではなく、エピソード0を描くことにした」と語っている。


流転の地球0-sub3.jpg――『流転の地球 -太陽系脱出計画-』は、人類が過去の不和を乗り越えて地球連合政府を結成し、地球を太陽系から移動させる「移山計画」を実行していく過程を描いている。

宇宙での新天地を探して家族と共に別の恒星に向かって旅立つ『流浪の地球』のプロットとは異なり、本作では登場人物たちの内面への探求を主題としている。


現在『流転の地球』はNetflixにて放送されているが、前作を観ずとも前日譚『流転の地球 -太陽系脱出計画-』を観ても全く問題ないどころか、本作を観てから前作『流転の地球』を観たほうがより楽しめそうだ。
 


<STORY> 
そう遠くない未来に起こりえる太陽系消滅に備え、地球連合政府による1万基に及ぶロケットエンジンを使って、地球を太陽系から離脱させる巨大プロジェクト「移山計画」が始動!人類存亡の危機を目前に、各国の思惑や、内紛、争いが相次ぐ中、自らの危険を顧みず立ち向かった人々がいた。亡き妻への想いを胸に、宇宙へと旅立つ飛行士・リウ(ウー・ジン)。禁断のデジタル技術によって、事故死した娘を蘇らせようとする量子科学研究者・トゥー(アンディ・ラウ)。そして、大きな決断を迫られる連合政府の中国代表・ジョウ(リー・シュエチェン)。多くの犠牲を払いながら、地球と人類の存亡、そして希望を懸けた最終作戦が始まった!


監督:グオ・ファン(「流転の地球」) 製作総指揮・原作:リウ・ツーシン
出演:ウー・ジン、アンディ・ラウ、リー・シュエチェン、シャー・イー、ニン・リー、ワン・ジー、シュ・ヤンマンツー
2023年/中国/中国語・英語/173分/カラー/シネスコ/5.1ch/DCP/
原題:流浪地球2/英題:THE WANDERING EARTH Ⅱ/字幕翻訳:神部明世/字幕監修:大森望
配給:ツイン  
公式サイト:https://rutennochikyu.jp/
COPY RIGHT©2023 G!FILM STUDIO [BEIJING] CO., LTD AND CHINA FILM CO., LTD. ALL RIGHTS RESERVED.

2024年3月22日(金)より、TOHOシネマズ日比谷、大阪ステーションシティシネマほか全国ロードショー


(オフィシャル・レポートより)

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 第19回大阪アジアン映画祭が10日間の上映を終え、3月10日に閉幕した。授賞式後、クロージングセレモニーが開催され、海外初上映されるクロージング作品『東京カウボーイ』で出演の井浦新、藤谷文子、マーク・マリオット監督、ブリガム・テイラープロデューサー、脚本のデイヴ・ボイル、編集の井上ヤスが登壇した。
 
 『東京カウボーイ』は、喧騒の東京から、大自然が広がる米・モンタナの牧場へやってきた効率至上主義のサラリーマンが、カウボーイ文化に触れて人生を見つめ直すヒューマンドラマ。『男はつらいよ』の現場経験もあるマーク・マリオット監督のもとに、藤谷文子、デイヴ・ボイル(Netflixシリーズ「忍びの家 House of Ninjas」の脚本・監督)、國村隼らグローバルな才能が集結している。
 
 まず最初に
「みなさん、こんばんは。楽しんでください」(ブリガムプロデューサー)
「大阪にいることと、この映画をみなさんにお見せできることが嬉しいです。映画をお楽しみください」(マーク監督) 
「まずは受賞者のみなさん、おめでとうございます。そして審査委員のみなさん、お疲れさまでした。映画祭を支えてくださるスタッフのみなさんも、開催期間中どうもお疲れさまでした。ありがとうございました。そして、この映画祭へ映画を観に来てくださったみなさん、ありがとうございます。『東京カウボーイ』は海外プレミアです。ぜひ楽しんでください」
(井浦)
「久しぶりに大阪に来ました。みなさんに会えて嬉しいです。私が大阪アジアン映画祭に来るのは3度目ですが、今回は脚本という形でも参加しました。日本とアメリカで作った映画で、今日は日本で初めて観ていただくので、楽しんでもらえたらと思います」(藤谷)
「初めて日本に来た時は、この大阪アジアン映画祭(OAFF2010『ホワイト・オン・ライス』)でしたので、自分の中での日本は大阪です。是非楽しんでいただきたいです」(デイヴ) 
「大阪のお客様は日本一厳しいと聞いていますので、少し緊張していますが楽しんでいただければと思います」(井上)
と挨拶。
 
 まず井浦の印象を聞かれたマーク監督は、開口一番日本語で「上手!」と一言。客席が湧いた後、英語で「本当に(演技が)上手ですし、素晴らしい人物であり、役者としても素晴らしい方だと思っています。新さんが持っているご本人の資質を役にきちんと加えてくれました。この映画に参加してくれたこと、また素晴らしい演技に感謝しております」と絶賛した。
 
 
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 そんな井浦は、アメリカ初主演となった本作の撮影を振り返り、「アメリカのモンタナ州、イエローストーン国立公園近くの小さな町を拠点に、雄大な自然の中で一カ月撮影が行われました。毎日単身で現場に向かい、英語もロクにできない自分をアメリカのクルーの皆さんはどう扱うか大変だったと思いますが、藤谷さんをはじめ、現地の日本語を勉強しているボランティアスタッフなどみんなが、マーク監督やブリガムプロデューサーが作り出す温かい組にみんなが吸引されていき、本当に家族のようなチームになりました。みんなに支えられ、毎日がとても刺激的で新しい発見がある撮影期間でした。マーク監督のもと日本(東京)で撮影すると、いつも見る街並みがまた新しく見えるような体験もしました」と監督が作り上げたチームの温かさやサポートに感謝した。
 
 最後に、本作では共同脚本にも挑み、井浦が演じるヒデキの上司であり恋人である女性役で出演している藤谷は「共同脚本自体が初めてだったので、(デイヴと)喧嘩してしまうかと思いましたが喧嘩はしなかったですね。不安要素がありながら、実際に製作や撮影が始まると、本当に朗らかに日本とアメリカの文化が混ざっていく瞬間が日々あり、それが映画に現れています。それを今日はリラックスして、心配事も忘れて、楽しんでもらえたらと思います」と撮影を振り返り、観客にメッセージを送った。
 
『東京カウボーイ』は6月7日から全国順次ロードショー。
 
写真右より、ブリガム・テイラープロデューサー、マーク・マリオット監督、井浦新、藤谷文子、デイヴ・ボイル、井上ヤス
Photo by OAFF
 


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【日 程】 3月9日(土)上映後舞台挨拶

【会 場】 渋谷ホワイトシネクイント(東京都渋谷区宇田川町15−1 渋谷パルコ8階)

【登壇者】 富田健太郎、森山未來、さとうほなみ、小泉今日子、マヒトゥ・ザ・ピーポー監督



3月9日(土)渋谷ホワイトシネクイントにて、映画『i ai』(読み:アイアイ)の公開記念舞台挨拶が行われ、主演の富田健太郎、共演の森山未來、さとうほなみ、小泉今日子、そしてマヒトゥ・ザ・ピーポーが登壇した。


aiai-main-500.jpgGEZANのフロントマンで、音楽以外でも小説執筆や映画出演、フリーフェスや反戦デモの主催など多岐にわたる活動で、唯一無二の世界を作り上げるマヒトゥ・ザ・ピーポーが初監督を務め、第35回東京国際映画祭<アジアの未来部門>に正式出品され話題を呼んだ映画『i ai』は、マヒト監督の実体験をもとに、主人公のバンドマン・コウと、コウが憧れるヒー兄、そして仲間たちが音楽と共に過ごした日々を綴った青春映画。


2021年夏に撮影し、ようやく迎えた劇場公開の感想を訊かれたマヒト監督は、「3年間、自分たちの中で大事にしてきたものは、羽ばたいていく。親鳥のような、いってらっしゃいっていう気持ちで、本当に嬉しいです」と笑顔。3,500人の大規模オーディションから抜擢され、映画初主演を務めた富田は、満員の客席を見て、「この景色を忘れないと思います。『i ai』に出逢えたことは宝物です」と喜びを噛み締めた。


iai-bu-500-3.jpg本作はクラウドファンディングで製作を開始し、当初より「共犯者になってください」と呼びかけていたマヒト監督。「自分ひとりの書いた脚本から始まったものなんですけど、いろんな人の力やエネルギーが重なって、立体的に組み上がっていく過程を撮影中の現場でも見ていました。映画は完結しているんですけど、それがお客さんの前に手渡されて、その人の中の血に溶けてこれから始まっていくんだなとも同時に思っています」と今後に期待を込めた。


aiai-making-240-1.jpgマヒト監督の「共犯者」としてこの映画に参加した役者陣。出演理由について森山は、「台本という名前もまだつけてあげられない状態というか、私小説的な、純文学的な状態のものをマヒトから受け取ったときに、こんなにピュアに届けたい言葉がある、伝えたいことがあるということに特化した物の書き方に久しぶりに出会った感覚があって」と振り返ると、「まだ脚本にはなっていないけど、これをどうやったら(映画に)できるだろう?というところから始まったんですけど、そのうちに、直筆の赤い手紙をいただいて。でも、そこに何が書いてあったか内容は思い出せないんですよね」と笑いながら明かした。続けて、「地元が神戸なんですけど、この作品が神戸であり明石の作品であるということは、海と空の話でもある。それは血として違う海で撮るというのは僕の中ではなかった」と断言。「やっぱり瀬戸内海特有の色味や霞みというのは、太平洋にも日本海にもない。それを撮れないなら、参加できないと言いました」と撮影地へのこだわりを見せた。


aiai-koizumi-240.jpg小泉は、「私はカメラマンの佐内(正史)さんとも昔から何度もお仕事していて、佐内さんもマヒトくんも独特の自分の言葉を持っていて、写真を撮ったり、音楽を作ったりして表現しているんだけど、そんな2人が組んだときにどんなことが起こるんだろうって。2人のセンスは元々好きなので、これはプラスしかないんじゃないか、すごい良い化学反応が起こるんじゃないだろうかと思い参加しました」と説明。

 

主人公コウや仲間たちが集うライブハウスの店長を演じた小泉。その役どころについて「ライブハウスに夢や憧れをもって集う若者たちは今でもたくさんいると思うんですけど、その中で音楽を生業にして生きていけるひとって本当にすごく少ないと思うんですよね。でもそういう人たちが置いていった夢の“墓守”のようなそんな気持ちで演じさせていただいた」と明かした。


aiai-satou-240.jpg一方ヒー兄の恋人るり姉役で、ほないこか名義でミュージシャンとしても活動するさとうは、「私も10年以上バンドをやっていて、売れない時期とかライブハウスでやっていた時もあるし、色々な人が諦めて会社員になったりだとか、もうバンドをやっていなかったりとか、そういう人たちの魂も込めて、ライブハウスにはあるもんだろうな」と吐露。


マヒト監督が紡ぐ詩的な“ことば”と映像美が魅力の本作。小泉は「本当に、30年ぐらいの時間の中で一番好きな日本映画でした」と話すと、森山は「この体験、色彩、音。映画館で体験するために作られたもの。この空間設計だからこそ、届く言葉。劇場に足を運んでもらうことに、こんなに意味のある映画はないと思います」と呼びかけた。


aiai-tomita-240.jpg最後に観客に向けて、富田が「僕はコウとして生きることができて幸せでしたし、この『i ai』という大きな赤い風船がどこまでも飛んでほしいと思っていますし、僕は心から信じています。この映画を皆さんとどこまでも飛ばしていきたいなと思っています」と語り、マヒト監督は「『i ai』は“別れ”が真ん中にあるお話だと思うんですけど、“生きる”についての話だと思うんですよね。みんなが当事者の話で、必ず訪れる自分の大切な人だったりとか、自分自身もまたこの世界からいなくなるときがくる。誰ひとり部外者がいないストーリーで、映画が終わったあともずっと続いていくものだと思うんで、これからもよろしくお願いします。これからもというか、これからがよろしくお願いします」とメッセージを送り、締め括った。
 


【STORY­­】
兵庫の明石。期待も未来もなく、単調な日々を過ごしていた若者・コウ(富田健太郎)の前に、地元で有名なバンドマン・ヒー兄(森山未來)が現れる。強引なヒー兄のペースに巻き込まれ、ヒー兄の弟・キラ(堀家一希)とバンドを組むことになったコウは、初めてできた仲間、バンドという居場所で人生の輝きを取り戻していった。ヤクザに目をつけられても怯まず、メジャーデビュー目前、彼女のるり姉(さとうほなみ)とも幸せそうだったヒー兄。その矢先、コウにとって憧れで圧倒的存在だったヒー兄との突然の別れが訪れる。それから数年後、バンドも放棄してサラリーマンになっていたコウの前に、ヒー兄の幻影が現れて……。


出演:富田健太郎 / さとうほなみ 堀家一希
    イワナミユウキ KIEN K-BOMB コムアイ 知久寿焼 大宮イチ
         吹越 満 /永山瑛太 / 小泉今日子 / 森山未來
監督・脚本・音楽:マヒトゥ・ザ・ピーポー
撮影: 佐内正史  劇中画: 新井英樹
主題歌: GEZAN with Million Wish Collective「Third Summer of Love」(十三月)
プロデューサー: 平体雄二 宮田幸太郎 瀬島 翔
製作プロダクション:スタジオブルー  配給::パルコ
©STUDIO BLUE(2022年/日本/118分/カラー/DCP/5.1ch)
■公式サイト:https://i-ai.jp 
■公式X:https://x.com/iai_2024
■公式Instagram:https://www.instagram.com/i_ai_movie_2024/

2024年3月8日(金)~渋谷ホワイトシネクイント、シネ・リーブル神戸、3月22日(金)~大阪ステーションシティシネマ、アップリンク京都 ほか全国公開!


オフィシャル・レポートより

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