「京都」と一致するもの

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ぶっ飛び時代劇!『桜姫』青木崇高インタビュー

(2013年 日本 1時間35分)
監督:橋本一
出演:日南響子、青木崇高、麻美ゆま、平間美貴、星野あかり、七海なな、マリエム・マサリ、HIRO、クロちゃん(安田大サーカス)、野々村真、平山祐介、風祭ゆき、徳井優、合田雅吏、でんでん

2013年6月29日(土)~りヒューマントラストシネマ渋谷、テアトル梅田、アポロシネマ8、T・ジョイ京都、ほか全国ロードショー

公式サイト⇒ http://sakurahime-movie.com/#page_a

© 2013「桜姫」製作委員会


 

~時代劇が似合う長身俳優のココロ~

 

  型破り時代劇『桜姫』に主演した青木崇高が30日、舞台あいさつのため来阪、インタビューに応えた。

sakurahime-2.jpg 『桜姫』は四世鶴屋南北の「桜姫東文章」をもとに橋本一監督らが大胆に脚色した自由奔放な時代劇。京・清水を舞台に聖女・桜姫と僧・清玄の流転と堕落を描く“大南北”らしい物語。高貴な姫君が女郎に転落するお話は今ならワイドショーネタだが、映画では美少女モデル日南響子が桜姫に抜擢されて話題を呼んだ。桜姫は、一夜襲われて結ばれたワケあり稼業の権助(青木崇高)に恋心を寄せ、家を飛び出して遊女・風鈴お鈴として権助を待つストーリー。『茶々  天涯の貴妃(おんな)』など時代劇を手懸けたこともある橋本監督が、古巣・東映を離れて撮った異色時代劇。『一命』や『龍馬伝』『るろうに剣心』など時代劇での仕事が目立つ青木崇高(33)に時代劇の心得を聞いた。
 


―――立ち回りの仕草が決まっていたが。
 青木:見せ方は気を遣いました。『るろうに剣心』(12年)の前だったら違っていたけど、腰を落として体の軸を据える、という所作の基本が分かってきた。ストーリーはもちろん大事だけど、立ち回りが時代劇ですから。どうしたらいいか、監督にも聞いた。『桜姫』ももとは歌舞伎。決めるところは決めるアソぶところはアソぶ、という感じで、お客さんを混乱させる方が面白いのでは、と。
(鶴屋)南北も調べてみました。歌舞伎だから特にどうこうということはないけど、ホン(脚本)を改訂していくたびに変わっていきましたね。

―――いつから目覚めたのか?
青木: 時代劇ではないけど、所作などは朝ドラ「ちりとてちん」で着物の所作などを覚えた。時代劇は一昨年のNHK大河ドラマ「龍馬伝」で立ち回りを学んだ。東映京都撮影所のスタッフから「あれよかった」と言われてお墨付きをもらった気がした。

sakurahime-aoki-1.jpg―――橋本監督とは?
青木:初めてでした。この映画ではテレビじゃ出来ないことをやろうと撮影前に話し合った。たばこを道端に捨てることなど、もう出来ない。昔は刑事ものなどでは定番だったのに、いまでは難しくなっている。やれることをたくさんやってみようと話し合った。  言葉も急に現代風になるし、音楽も和洋折衷で全然いいんじゃないか、とか型にはまらないのは監督の考え通りです。

―――2年前に米国留学している。目的は?
青木:語学です。このまま英語しゃべれない人生を送るのか、と思ったら、どうしても行きたくなった。事務所(スターダスト)公認で半年間、専門学校に通った。向こうで日本映画を見られる、ということもありました。どれほど日本映画が興味を持たれているのか。日本で思っているほどではなかったけど、三池(崇史監督)さんの人気は凄かったですね。英語は今も続けています。

―――時代劇俳優は確かに少なくなっているので期待は大きい。これまで見てきた中で一番好きな時代劇は?
青木:ウーン、1本だけあげるのは難しい。やっぱり三船さんですね。黒澤さんの『椿三十郎』は凄かった。

(安永 五郎)

typist-d550.jpg『タイピスト!』レジス・ロワンサル監督(42歳)インタビュー

(2013年6月24日(月)東京パレスホテルにて)


 

(2012年 フランス 1時間51分)
監督:レジス・ロワンサル
製作:アラン・アタル『オーケストラ!』 
撮影監督:ギョーム・シフマン『アーティスト』
出演:ロマン・デュリス『スパニッシュ・アパートメント』、デボラ・フランソワ『ある子供』、ベレニス・ベジョ『アーティスト』、ミュウ=ミュウ『オーケストラ!』

2013年8月17日(土)~ ヒューマントラストシネマ有楽町、シネ・リーブル梅田、京都シネマ、シネ・リーブル神戸 他全国ロードショー


★作品紹介⇒ こちら
★《フランス映画祭2013》デボラ・フランソワ&レジス・ロワンサル監督トークショーのレポート⇒ 
こちら
★公式サイト⇒ http://typist.gaga.ne.jp

© 2012 – copyright : Les Productions du Trésor – France 3 Cinéma – France 2 Cinéma – Mars Films - Wild Bunch - Panache Productions – La Cie Cinématographique – RTBF (Télévision belge)© Photos - Jaïr Sfez.


 

typist-1.jpg 女の子の夢を乗せたカラフルでキュートなエンターテンメント映画『タイピスト!』で長編映画監督デビューを飾ったレジス・ロワンサル監督。彼自身相当なシネフィルらしく、ビリー・ワイルダーやヒッチコック、ゴダールやエリック・ロメール、ジャック・ドゥミといった監督作品へのオマージュが至る所に散りばめられ、映画ファンとしてはワクワクするような映画だ。主人公ローズを演じたデボラ・フランソワにも、1950年代の女優、オードリー・ヘップバーンやグレース・ケリーやマリリン・モンローなどを参考にするように言ったとか。ただし、真似するのではなく、吸収するようにと。かつて盛んに行われていたタイプライターの早打ち大会にヒントを得て脚本も手掛けたというレジス・ロワンサル監督にお話を伺った。

 

――― 最初『マイ・フェア・レディ』を思い浮かべたが、あれは調教のような関係性だったのに対し、タイプライターの早打ちコンテストを主軸にしながら、父親の支配から逃れ田舎から出てきた女の子と、「1番になれ!」と父親に言われながらも2番手に甘んじているルイとの、其々の心の葛藤を絡ませ、よりラブストーリーに深みを出していましたね?
typist-d2.jpgレジス・ロワンサル監督(以下監督):確かにこの映画を見て『マイ・フェア・レディ』を思い起こされると思いますが、その関係性は大きく違いますね。貴女の考えに私も大いに賛同します。あれは一方通行で、オードリー・ヘップバーン演じる女性は心から解放されている訳ではありません。この映画のローズは、チャンピオンにもなり、愛もゲットして、女性としてより大きく開花させています。おそらく60年代のローズはスーパーウーマンになっているかも!?(笑)

――― なぜタイプライターなのか?
監督:ある日タイプ早打ちコンテストのドキュメンタリーTVを見て、これに憑りつかれてしまったんです。クレイジーだが、タイプライターそのものは人類の歴史を語っているのではないかと魅了されました。この器械で、様々な物語を創り出すことができるし、スポーツとしての競技にもなる。勿論タイプライターは今では使われていませんが、キーボードは残っていて、我々には深い関係の存在だと思います。スポーツとしても、あまりにも超人的な競技とは違い、当時身近な器械だったタイプライターの早打ちだと、自分にもできるのでは?と、ハードルを下げて共感できたのではないかと思います。

typist-d1.jpg――― なぜ1958年なのか?
監督:1958年を選んだ理由は、60年代移行する過渡期で、これから何かが始まるという期待にあふれていたからです。僕はファッションやインテリアのデザインや色彩も音楽も大好きなんです。映画では、ヒッチコックの『めまい』、ダグラス・サークの『悲しみは空の彼方に』、ジャック・タチの『ぼくの伯父さん』、アルベール・ラモリスの『赤い風船』など、1958年の映画は傑作ばかりです。それに、小津安二郎の『彼岸花』もこの年ですね。私はあの彼岸花の色彩に圧倒されました。

――― 映画の中でも色彩の影響は大きいですね?
監督:そうなんです。私はカラフルなパレットが大好きでして、『タイピスト!』でも、衣装やインテリアは勿論ですが、表情を映すネオンの色や照明にもこだわりました。

typist-3.jpg――― ロマン・デュリスの芸域の広さに感心したが、監督は彼をどう思う?
監督:私は彼の作品をずっと見てきました。私がまだ短編を作っていた頃には、彼は既にいろんな作品に出演し、ドラマやコメディなど何でもこなしていました。それに、監督の選び方が絶妙な俳優だなと思っていました。彼の演技で好きなところは、決して声だけでなく、体全体で演技をするところがあり、ちょっとダンサーに近いものを持っています。彼がそれを意識しているのかどうかはわかりませんが、僕は体が雄弁に語るような俳優が好きなんです。それから、彼は努力家で、準備の段階からリサーチをして役作りを万全にするし、現場でも新しいことを提案してくれるし、この撮影期間中、僕等はとても意気投合して仕事ができました。

typist-2.jpg――― それは楽しい現場だったのでは?
監督:やろうとしていることはハードルが高くて、挑戦と緊張の日々でした。パリに車でやって来るシーンなど、かなりの準備が必要でした。大変なんだけど現場にはマジカルな空気が流れていたのか、スタッフもキャストも全員が全身全霊で臨んでやり遂げることができたのです。僕にとっては初めての長編映画で、生きるか死ぬかの死活問題として、スタッフ全員が理解して付いて来てくれました。キャストもスタッフも僕の仕事ぶりをリスペクトしてくれて、確かに撮影現場は楽しくてやりやすかったです。

――― 現場の雰囲気の良さが『タイピスト!』の陽気さに反映しているのでは?
監督:その通りです。でもそれは、僕自身が計算したものではありません。みんなのお蔭なんです。次はシリアスな作品になるかも知れませんよ。

――― 持ち味を活かした作品を作って頂きたいですね。
監督:私の友人も「独自の持ち味がある」と言ってくれるのですが、私自身はそれをあまり知りたくないのです。なぜなら、それに逆らって無理に違うことをしようとするからです。

――― デボラ・フランソワについては?
監督:デボラは素晴らしい女優です。僕はデボラの熱狂的ファンでもあるので、あまり客観的に言えないんですよ。撮影を一緒にやって来たのに、よく覚えていないんですよ~(笑)。


 

 子供の頃から映画少年で、特にクラシカルな映画が大好きだったとか。好きな映画について語る時の監督は、少年のように目を輝かせ身を乗り出して語る。もっとシネフィルについてお話したかった。大好きな1958年の映画が盛り込まれた『タイピスト!』は、新しい時代への息吹と、映画全盛期の勢いを感じさせてくれる。だが、クラシカルな形態をとりながら、自らの力で、自分らしく生きることの幸せを謳い、女性が社会に出て働くことが当たり前になった現代を生きる私たちに、改めて自由に人生を選択できる幸せを実感させる。

デボラ・フランソワについては、二人で登場したトークショーのレポートをご覧下さい。
《笑いと涙のトークショー!『タイピスト!』のヒロイン:デボラ・フランソアとレジス・ロワンサル監督が来日の歓びを語る》⇒ http://cineref.com/festival/2013/06/post-13.html

(河田 真喜子)

zinzin-s550.jpgzinzin-1.jpg『じんじん』企画・主演大地康雄インタビュー
(2013年 日本 2時間9分)
監督:山田大樹
出演:大地康雄、小松美咲、佐藤B作、中井貴恵、井上正大、若村麻由美、絵沢萌子、中田喜子、板尾創路、手塚理美他
2013年7月13日(土)~テアトル梅田、8月3日(土)~京都シネマ、8月10日(土)~元町映画館他全国順次公開

※2013年度ゆうばりファンタスティック国際映画祭W受賞<ファンタランド賞(作品)、人物賞(大地康雄さん)>
公式サイト⇒http://www.jinjin-movie.com/
(C) 2013『じんじん』製作委員会

 

「絵本を中心にやさしい町づくりが根付いた剣淵町、ここに日本の明るい未来を見たんですよ」

zinzin-2.jpg心底優しい気持ちになれる映画に出会えるのは、本当にうれしいものである。俳優であり『恋するトマト』で監督デビューも果たした大地康雄が、絵本で町おこしを行っている北海道剣淵町やそこで読み聞かせをする町の人たちに出会い、温めてきた企画が映画化された。先行公開された北海道をはじめ、熱い感動を呼んでいる本作は、町の人が仕事の空き時間にボランティアで行っている絵本の読み聞かせが大きな見どころだ。家族よりも芸の道を選んだ大道芸人の銀三郎と離れ離れになった娘とを結ぶ鍵としても絵本が登場し、絵本の魅力が散りばめられている。修学旅行にやってきた高校生たちが、農業研修をするうちに目を輝かせるようになったように、雄大な剣淵町の自然の中で私たちも失っていた何かを取り戻せそうな力のある作品である。

本作の企画およびコミカルな魅力を見せる主人公銀三郎を演じる大地康雄に、剣淵町と出会ったきっかけや、絵本や読み聞かせが子どもや大人に与える影響、そして剣淵町の魅力についてお話を伺った。

 


━━━絵本の読み聞かせが物語の軸となる映画であることに感銘を受けました。しかも、町ぐるみで読み聞かせをしている地域は非常に珍しいですね。
町ぐるみで読み聞かせを始めて、25年ぐらいになるそうです。25年もやっていれば、私よりも読むのがうまい読み聞かせの達人が何人もいるんですよ。何よりも剣淵町は、絵本を真ん中に置いて優しい町になることに成功しています。いいことだらけの剣淵町を是非全国に紹介したかったのが、映画を作る上での大きな動機になっていますね。

zinzin-s1.jpg━━━剣淵町のみなさんと交流することになったきっかけは?
前作『恋するトマト』を作ったのが、全部つながっています。農業がテーマの作品で、北海道で上映会を50カ所ぐらいで行ったのですが、旭川上映会後の交流会で、「大地さん、私の故郷に帰る前に寄ってくれないか」と何度も声をかけてくださる方がいました。翌日帰る予定だったのですが、あまりにも熱心に誘ってくださるので飛行機を一本遅らせて、渋々行ったんです。何があるのかとお聞きすると「絵本です」とおっしゃるけれど、その時はピンときませんでした。剣淵町に着くやいなや絵本の館に誘導され、ちょうど子どもたちに読み聞かせをしているところに出くわしました。十数名の子どもたちが床にべったり座って、どんどん絵の近くまで詰め寄り、最後のオチで全員同時に床にひっくり返って大爆笑していたのを見て、正直びっくりしました。次に農家のお父さんが『つきのよるに』(作・絵:いもとようこ)を読み聞かせると、皆泣いていて、子供たちの表情が輝いていました。絵本とはこんなに豊かな感情を育てているのか。大げさな言い方をすれば、ここ(剣淵町)に日本の明るい未来を見たんですよ。

━━━なるほど、絵本の館とは感動的な対面を果たされたのですね。
お母さんたちに、絵本を読んで日常生活にどのような変化があるのかとお聞きすると、皆さんが「読み聞かせをするようになって、思いやりのある子になりましたよ」とおっしゃいます。言語力や想像力がついたり、人の心を読みとる力がついたり、引っ込み思案で学校に行くのを嫌がっていた子が通えるようになり、友達がどんどんできて喜んでいたりしますね。絵本を読み聞かせしている大人も童心に戻って子どもと一緒に物語に入っていくことで、枯れていた感性が甦るんですよ。生き方、心の持ち方が変わってくるし、子どもの喜ぶ姿を見てこちらが元気をもらえる。だから、読み聞かせは大人の方こそ得るものが多いと聞きました。

━━━大地さんが演じる銀三郎には、モデルとなる人物がいるのですか?
毎年田植えの時期に、兵庫から田植えを手伝いにやってきて、女子高生と一緒に農業研修もやり、秋の収穫が終わってまた兵庫に帰っていくという方にお会いしました。なぜ毎年来ているのかと聞くと、「剣淵は本当に心が癒されて、元気をもらえる。剣淵は心のふるさとだ」とおっしゃっていました。この方が銀三郎のヒントになって、心のふるさとを持った男の話ができるのではないかと思ったのです。 

zinzin-4.jpg━━━劇映画としてエンターテイメント性を持たせながら、メッセージをうまく表現されていましたが、一番留意したことは? 
私は、13年間テレビドラマ『刑事・鬼貫八郎』シリーズに出演していました。人殺しの話なのですが、糖尿病なのに目を盗んでお饅頭を食べたりしていたというコミカルな部分が続けることができた秘訣だったと思います。その時の脚本家が、本作で脚本を担当した坂上かつえさんで、「いつかは人情喜劇だけの作品をやりたい」と二人で話していたので、本作の脚本を考えたとき真っ先に連絡しました。すぐに坂上さんを剣淵町に連れていき、取材してもらったら、帰ってから3ヶ月後にせりふ入りの第一稿を渡してくれたんです。驚いたことに皆この第一稿を読んで泣いたんですよ。これで一気に火がつきました。一年ぐらいで決定稿を書き上げるまでに、人もお金も集まってきましたね。

━━━脚本を担当された坂上さんが、大地さんの意図を見事に反映させ、『じんじん』の輪が広がっていったのですね。
坂上さんの上手いところは娯楽映画で育ってきたので「映画は娯楽だ」という思いが体に染み込んでいるのです。大事なことを伝えたければ伝えたいほど、面白くしなければならない。教育映画ではないので、楽しんでもらわなければいけないという点で考えが一致しました。絵本の切り札は最後に持ってきて、最初は面白い昔話をばあちゃんから聞かされたという話(実話)から始まり、剣淵町でどうして絵本の館ができたのか、農業研修なども全部取材して脚本に取り入れています。剣淵町の皆さんは飲み会でもマイ絵本を持参して、読み聞かせをしあっています。お互いにダメ出ししたり、絵本が町の人々の中に根付いています。何よりも大事なのは絵本を真ん中に置いて、やさしい町づくりができていることですね。

━━━銀三郎さんを見ていると、寅さんを彷彿とさせました。
坂上さんは私のコメディの部分を知っていますし、山田監督も『刑事・鬼貫八郎』シリーズを担当されたので、私の演技を知り尽くしています。だから鬼シリーズの集大成のようなものですね。関西は笑いに厳しいですが、この作品は関西で通用しますか?

━━━吉本新喜劇とはまた違うテイストですが、松竹新喜劇のような人情喜劇の中に泣かせるような味わいがあって、とても楽しかったです。
映画を観て、「理性をキープしながら笑えて泣けた」とおっしゃっていただきました。また、「悪人が一人もいない映画で感動したのは初めてだ」とか、「素直に泣けた」という人が一番多かったです。これは絵本の力でしょうね。私は小さい頃、映画ばかり見ていたので、新鮮でした。

zinzin-3.jpg━━━久しぶりに中井貴恵さんが映画出演され、剣淵町で生きる主婦を熱演していましたが、出演に至る経緯は?
偶然近所の病院で中井さんが絵本の読み聞かせをされると聞き、見に行きましたら『つりばしゆらゆら』(作:もりやまようこ、絵:つちだよしはる)を読まれ、本当に感動したんです。感動のあまり、その場で中井さんに会わせていただき、絵本を題材にした映画にでてほしいと直談判して、快諾いただきました。普通出演交渉はプロダクションを通しますから、後で社長にお詫びしましたし、大変失礼なことをしたとは思いますが、そういう想いは伝わるんですね。今回学んだことは、「人生は志だ」。私利私欲ではダメですが、志さえあれば、人は集まってくれるのです。

━━━絵本のお話はどうやって作っていったのですか?
ドリアン助川さんは私の釣り仲間で、ある日一緒に釣りに行った帰りに彼のライブに誘われたんです。どういうライブをするのかと聞くと、「クロコダイルとイルカ」というので見に行くと2時間語って歌って、感動ものでした。クロコダイルの気持ちになって、無骨なクロコダイルが自分が生きてきた意味や、存在価値や、愛を語っていくのです。しかもドリアンさんが絵本もあるというので、見せてもらったのが映画で登場した『クロコダイルとイルカ』でした。坂上さんもすっかりドリアンさんのファンになって、脚本に入れてくれました。

zinzin-s2.jpg━━━この映画を観ると、過疎で困っている地域の自治体の人が何かヒントを得られる気がします。年齢問わずに楽しめるのも魅力ですね。
札幌の中学生に観てもらい、100人にアンケートを書いてもらったら、ほとんどが「家族の大切さが身に沁みた」とか「愛の大切さがわかった」とか「まじ笑った、感動した」という意見を書いてくれました。子どもにもきちんと伝わったのが、うれしかったですね。
 
剣淵町も映画のロケ地になるのが初めてなものですから、最初は皆さん本当に剣淵で映画が撮れるのかと疑心暗鬼だったようですが、いざ始まると炊き出し部隊が無農薬野菜を使ったお料理を作ってくれ、本当に力をもらいました。エキストラも人口3000人の町なのに300人が必要でしたが、それでも剣淵町の皆さんが集まってくれました。

━━━関西の上映でどんな感想が聞けるか、楽しみでは?
最初笑っていただけたら、成功ですね(笑)今、日本中が心の問題をどうしたらいいか、考えていると思うんですよ。物質は豊かになったけれど、大事な心が置き去りになってしまった。東日本大震災以来、大事なことがぬけ落ちてきたと気づいている人は多いと思います。「心の忘れ物をしたときに、取りにきてほしい」。まさに剣淵の人たちがよくおっしゃるこの言葉が、映画のメッセージなのかもしれません。


「わたしはただ種を蒔いただけ。色々な方が水をやって、育ててくださった」と『じんじん』が出来るまでの過程を表現した大地康雄さん。本作は映画ではじめて総務省、全国市長会、全国町村会の後援を受けており、今後日頃映画に触れることのないような人にも観てもらえるよう上映活動を広げていくそうだ。心温まる人情劇を見て、親子や地域の子どもたちと絵本を通して共有する時間の尊さに改めて気付かされた。(江口由美)

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2012年東京・オーディトリウム渋谷で開催された濱口竜介初の大規模特集上映「濱口竜介レトロスペクティヴ」が、さらにスケールアップし、今後の活動を見据えた「濱口竜介プロスペクティヴ」として関西に登場した。第七芸術劇場(6/29~12)、神戸映画資料館(6/29~6/8)、京都シネマ(7/13~19)、元・立誠小学校特設シアター(7/8~19)、京都みなみ会館(7/13オールナイト)の京阪神5館という前代未聞の規模で一挙上映されている。

2003.年の『何くわぬ顔』(short version/long version)から、染谷将太、渋川清彦主演の最新作で、『親密さ』以来の劇映画となった『不気味なものの肌に触れる』まで特別上映を交えての全16本を一挙公開。男と女の感情の揺らぎと、一瞬の感情の爆発を見事に捉えた劇映画から、被写体に真正面から向き合い、真摯に対話する中でドキュメンタリーを超えた何かを紡ぎだす濱口流ドキュメンタリー、そして劇中映画だけでも映画を成立させてしまう劇映画の中のリアルの具現化まで、未だ体験したことのないような衝撃を味わえる濱口竜介という映像作家にぜひ出会ってほしい。

濱口竜介プロスペクティヴ in Kansai 公式サイト http://prospective.fictive.jp/

【濱口竜介プロフィール】

hamaguchi_naminooto.jpg1978年、神奈川県生。2008年、東京藝術大学大学院映像研究科の修了制『PASSION』がサン・セバスチャン国際映画祭や東京フィルメックスに出品され高い評価を得る。その後も日韓共同製作『THE DEPTHS』(2010)、東日本大震災の被災者へのインタビューから成る映画『なみのおと』『なみのこえ』、東北地方の民話の記録『うたうひと』(2011~2013/共同監督:酒井耕)、4時間を越える長編『親密さ』(2012)を監督。精力的に新作を発表し続けている。

 

 


【各劇場からのメッセージ】

hamaguchi_shinmitsusa-shotver.tif第七藝術劇場/松村厚
  映画『親密さ(short version)』で、ジャック・リベットの映画『彼女たちの舞台』やジョン・カサヴェテスの映画『オープニング・ナイト』を想起させ、映画『はじまり』という13分の短編で、相米慎二監督の長廻し撮影を想起させてくれた濱口竜介監督は、私にとって映画を観るという行為の中で<驚き>という体験をさせてくれる映画監督である。
映画誕生のリュミエールの『列車の到着』がグランカフェの観客を驚かせたように映画は原初からアメージングな体験であったのだ。濱口竜介の作品が、様々な優れた映画作家たちの影響を受けているのが明らかであろうともそれらの作品は紛れもなく濱口竜介でしか撮りえない作品であると確信している。濱口竜介が劇映画からドキュメンタリー映画までの違ったジャンルをその撮影の拠点を東京、東北と軽々とした身のこなしで移して来たように易々と<驚き>と共に乗り越えてしまう。そんな彼が今度は神戸にその拠点を移して映画的策謀を張り巡らそうとしているのだ。そのことを私たちは歓迎し、祝福するために『濱口竜介プロスぺクティブin KANSAI』を大阪、神戸、京都の5館で開催することは映画的な正しい所作だと思う。
このあまりにも映画的な快挙に私たちは喝采し、映画的な発見に身を委ねてみようではないか。

 

hamaguchi_PASSION1.tif神戸映画資料館 田中範子
  神戸映画資料館では2009年に『PASSION』を上映しましたが、その時から、この濱口竜介という監督は、すぐに次のステージに上がり日本映画界の中核として活躍されることを確信しました。的確な映画術によって生み出されるエモーション。255分もの『親密さ』を撮ったり、東北でドキュメンタリーを連作したりと、ミニシアター向け──大多数の支持は得られないが、一部の人には愛される──の映画作家と思われても無理はありませんが、そこに止まらない力の持ち主です。
神戸映画資料館は、新旧、商業非商業の区別なく上映活動を行い、“小さな”映画を大事にしています。“大きい”“小さい”に優劣は無いという立場ですが、それでも、濱口監督の作品はもっと注目され広く見られるべきだと考えています。このような映画作家はほかに思い当たりません。将来像を含めてイメージするのは大島渚監督。彼もまた、独立プロダクションを立ち上げたり、国際的な資本で撮ったりと、模索し続けた監督でした濱口監督も黙々と作品を作り続け、それを可能にする道を神戸で切り開こうとしています。
濱口竜介監督の「これから」の「はじまり」としての大特集上映にご注目いただきたいと思います。

 

hamaguchi_utauhito.tif元・立誠小学校特設シアター 田中誠一
「フィクション映画」で奇跡的な偶然=必然の瞬間を立ち上がらせ、「ドキュメンタリー映画」で劇的なエモーションを浮上させる。映画が持つ(とされている)枠組を融解させ、映画それ自体の新しい可能性を見せてくれる。しかしそれは、まったく新しいようでいて、実は映画それ自体が本来持つおもしろさなのだと、観た後に気づく。濱口竜介が現在の日本で最も優れた映画作家の一人であり、今後遠くない未来に世界の巨匠たりうる映画作家であることを私が確信しているのは、そうした理由からだ。
濱口竜介が今、必要としているのはただひとつ。彼の作品が少しでも多くの観客に観られること。観られさえすれば、この新しさと面白さに、誰もが気づくはずだ。
映画作家として充実の時期に差し掛かっているこの時期に、彼が関西に住み、活動を開始するということを、我々はこのうえない喜びと期待で受け止め、関西の観客に、濱口作品の新しさと面白さを伝えたいと強く思う。
濱口監督は現実に出会うと、ひょうひょうとした風貌に福々しい笑顔をみせる。むこう数年、我々は関西で、その笑顔の奥にある映画の未来に日常的に出会うことができるのだ。 今回の「濱口竜介プロスペクティブ」関西5館同時開催は、その喜びと期待の実現である。 みなさんもぜひ、そこに立ち会い、共有してください。切にそう願っています。

 

京都みなみ会館 吉田由利香
濱口竜介監督の作品を観終わった後、観客は何を思うだろうか。否、「誰」を思うだろうか。彼の作品には、ふっと大切な人の顔を思い起こさせる爽やかな力がある。映画の登場人物の中に、自分を発見し、自分にとっての重要な他者を発見する。語られている事は、ある意味ありふれた出来事で、役者の話す台詞の中に自分を、行動の中に他者を発見できたりする。我々は、はたっと自身を振り返る。
『親密さ』は、ここ最近観た作品の中でも、群を抜いて私の心の中に突き刺さった作品である。4時間を越えるこの大作を、当館で上映出来る事がとても嬉しい。観客が、どのような顔で劇場を後にしてくれるか、今からとても楽しみである。
京阪神、どこでもいい。是非、濱口竜介の世界に劇場で出会ってほしい。この貴重な機会の目撃者となって欲しい。そして、劇場からの帰り道、大切な人の事をそっと思い出して、すこし、やさしい気持ちになってくれたらいい。

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笑いと涙のトークショー!『タイピスト!』のヒロイン:デボラ・フランソアとレジス・ロワンサル監督が来日の歓びを語る

(2013年6月24日(月)有楽町朝日ホールにて)

 

(2012年 フランス 1時間51分)
監督:レジス・ロワンサル
製作:アラン・アタル『オーケストラ!』
撮影監督:ギョーム・シフマン『アーティスト』
出演:ロマン・デュリス『スパニッシュ・アパートメント』、デボラ・フランソワ『ある子供』、ベレニス・ベジョ『アーティスト』、ミュウ=ミュウ『オーケストラ!』

2013年8月17日(土)~ ヒューマントラストシネマ有楽町、シネ・リーブル梅田、京都シネマ、シネ・リーブル神戸 他全国ロードショー

★作品紹介⇒ こちら
★レジス・ロワンサル監督インタビュー⇒ こちら
★公式サイト⇒ http://typist.gaga.ne.jp

© 2012 – copyright : Les Productions du Trésor – France 3 Cinéma – France 2 Cinéma – Mars Films - Wild Bunch - Panache Productions – La Cie Cinématographique – RTBF (Télévision belge)© Photos - Jaïr Sfez.


 

『アーティスト』、『オーケストラ!』のスタッフ結集!
天然系キュートなヒロイン×ポップな50年代フレンチ・カルチャー×興奮と感動のスポ根!
50年代フランスを舞台に、本当にあったタイプ早打ち世界大会に全てをかけるヒロインを描く、カラフルなサクセス・エンターテインメント!

 

【STORY】
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1950年代のフランス。カトリック教徒の多いフランスでは、女性たちに良妻賢母として家にいることを理想としていたが、時代は自由民権運動に女性の社会進出と革新の過渡期を迎えていた。そんな女性たちの憧れの職業№1は「秘書」。その中でもタイプライター早打ちのオリンピックのような一大競技大会が開催され大人気を博していたとか。
 
親が決めた結婚をして田舎で一生を終えるのではなく、自分の特技(タイプの早打ち)を活かして都会で暮らしたい、と田舎から出て来たローズ(デボラ・フランソワ)は、保険会社を経営するルイ(ロマン・デュリス)の秘書に応募する。晴れて採用されるが、タイプの早打ち以外はまるでダメなローズは、一週間でクビを言い渡される。「ただし──」と、意外な提案をもちかけるルイ。
 
ローズの唯一の才能〈タイプの早打ち〉を見抜いたルイは、彼女と組んで世界大会で優勝するという野望を抱く。1本指打法から10本指への矯正、難解な文学書のタイプ、ピアノレッスン、ジョギング、心理戦の訓練etc……。ルイの特訓のお蔭でめきめきと才能を開花させていくローズ。ところが―――。


 

typist-b1.jpg 上映終了後、興奮冷めやらぬ中、映画の中のローズと同じようなヘアスタイルとメイク、それに黒のプリンセスラインのワンピースで登場したデボラ・フランソワと、シックな黒のスーツでキメたレジス・ロワンサル監督が登場すると、会場は拍手喝采!「可愛い!」という歓声があがった。

 

――― タイプライターの早打ちコンテストが実際にあったと聞きましたが、映画化のキッカケは?
レジス・ロワンサル監督(以下監督):僕も知らなかったのですが、ある日タイプ早打ちコンテストのドキュメンタリーTVを見て、これは凄い!クレイジーだ!と驚き、これは映画にでkるな!と思ったのです。3~4年かけてリサーチして、実際の早打ちチャンピオンにも会ったんです。そしてロッキーみたいなスポ根映画にできないかと考えました。
デボラ・フランソワ(以下デボラ):私は女ロッキーってこと?
監督:メンタリティではかなりのロッキーだよ。(会場笑)
 

typist-b5.jpg――― デボラさんは最初に脚本を読んでどう思った?
デボラ:何としてもこの役を演じたいと思ったわ。他のライバル女優を殺してでもね!? (会場笑)
監督:みんな怖がってたよ!

 

――― どのシーンが一番好きですか?(質問者は)ベッドで小悪魔的なポーズをとるシーンが好きでしたが。
デボラ:私もあのシーンが大好きです。あれはアドリブなんです。50年代の女性なのに、ベッドに寝転がって足をあげるなんて! でも、私がそうすると現場は大笑いだったんです。あとは、平手打ちのシーンが好き。ロマン・デュリスに仕返しをした感じです(笑)。

  typist-b7.jpg監督:ローズの誕生日にルイがちょっと変わったプレゼントをするシーンが好きです。あとはパリで二人がさよならをするシーンですね。困惑するデボラが素晴らしかった。まぶたを少し動かすだけでジュテーム(愛している)という気持ちを込められるデボラの表情がいいですね。
デボラ:(日本語で)「どうもありがとうございます、監督さん。」(会場笑)

――― タイプライターはどのようにトレーニングされたのですか?
デボラ:スタントは一切使ってないんです。6ヶ月間トレーニングをしました。週3回コーチがつき、宿題もあり1日2~3時間の自己練習も毎日行いました。監督の要求も高く、わざとチャンピオンだった人を傍に置いて私にプレッシャーをかけていました(笑)。

typist-b3.jpg――― タイプライターでターンするシーンを再現して頂けませんか?
デボラ:タイプライターと同じようにパソコンを打ってたら、もう3台も壊しちゃったわ!
監督:テニスのプレイヤーみたいに強く打ってたね(笑い)。

(実際にデボラさんがタイプを打つジェスチャーをしてくれた!)(会場拍手)

 

typist-b6.jpg――― 色々なタイプライターが出てきますが、当時のものを集めるのは大変だったのでは?美術の面での苦労は?
監督:確かに大変でした。世界各国からタイプライターを200台くらい集めたんです!あの頃のタイプライターを、しかも2台同じものを揃えるのは至難の業でした。そして見つけても、どれもとても古いので、新しく見える様に手直しが必要だったんです。1950年代という世界観は、観客が見た瞬間50年代にダイブするように細部までこだわり抜きました。
デボラ:だって、50年代って、監督のティーンエイジャーでしょう!? (会場笑)
監督:僕、そんなに古くないよう!(会場笑)

――― デボラは、ローズのタイプライターのような特技はありますか?
デボラ:フランスでは、“何かに秀でた人は役者になっていない”何でもそこそこだから役者をやっていられるんです(笑)。

――― 映画の中の色彩が印象的でした。特に最後のラブシーンとか?
監督:バスルームからローズが出てくるシーンはヒッチコックの『めまい』をオマージュしています。オリジナルのシーンを作るのはとても難しいです。
デボラ:最後のラブシーンを二人で撮っている時、ロマンは目を手で覆っていたわ。
監督:映画でラブシーンを撮るのは難しいんだよ。
デボラ:ロマンだと大丈夫でしょう!?

typist-b5-1.jpg――― 最後にメッセージを。
監督:デボラは3回目の来日ですが、私は初めての来日です。以前、私が撮った短編映画を気に入ってメールを下さった日本人がおられました。今度は、長編映画監督デビュー作となる『タイピスト!』で、日本の皆様に楽しんで頂けると嬉しいです。
デボラ:日本に戻って来られて本当に嬉しいです。3年前に神戸で『メモリーズ・コーナー』という映画のロケをしました。その直後に東日本大震災が起こりました。日本に来るチャンスはあったのですが、震災の影響でなかなか来日できなかったのです。(涙ぐみながら)またこうして、皆様にお会いできて本当に嬉しいです。


 

 満面の笑みを湛え、片言の日本語を交えながら、観客からのタイプ打ち再演要望にも応えたり、監督の話にツッコミを入れたりと、あんなにはしゃいでいたデボラが、最後は感極まって涙ぐみながら日本への思いを語ってくれた。

 彼女がまだ22歳の時にジャーナリスト役で出演した『メモリーズ・コーナー』(2010)は、阪神・淡路大震災後の孤独死を扱った作品で、冬の神戸で撮影された。共演は西島秀俊と阿部寛。その後、東日本大震災が起こり、原発事故問題などで来日が叶わなかったのだ。震災後の日本の心象風景にも溶け込み、被災者の深い悲しみにも寄り添える稀有な存在感を示していたデボラ。

typist-2.jpg 若手の中でも深い想いを秘めた眼差しが特徴の演技派女優として、シリアスな役が多かった。今年26歳になったデボラが主役を務める『タイピスト!』では、コケティッシュなキャラの中にも、屈折した人生を送る男性への深い愛情を示す辺りは、デボラならではの演技力の賜物といえる。自分のためだけではなく、愛する人のために一所懸命に闘う女の健気さに、きっと手に汗握りながら応援してしまうことでしょう。それは、あなた自身への応援歌にもなっていくはずです。

(河田 真喜子)

 

オールゲスト-550-1.jpg登壇者:(写真前列左から)エルンスト・ウンハウワー(『In the House』)、リュディヴィーヌ・サニエ(『恋のときめき乱気流』)、デボラ・フランソワ(『タイピスト!』)、エレーヌ・ヴァンサン(『母の身終い』)、ジャン=ポール・サロメ(ユニフランス・フィルムズ会長)、ナタリー・バイ(『わたしはロランス』)、カトリーヌ・コルシニ監督(『黒いスーツを着た男』)、ギョーム・ブラック監督(『遭難者/女っ気なし』)、バレリア・サルミエント監督(『ウェリントン将軍~ナポレオンを倒した男~(仮)』)、ジャック・ドワイヨン監督(『アナタの子供』)、
(写真後左から)フランソワ・オゾン監督(『In the House』)、レジス・ロワンサル監督(『タイピスト!』)、フィリップ・ベジア監督/ジャン=フランソア・シヴォディエ(『椿姫ができるまで』)、ステファヌ・ブリゼ監督(『母の身終い』)、ラファエル・ペルソナーズ(『黒いスーツを着た男』)、ルー・ドワイヨン(『アナタの子供』)、ジャン=クリストフ・デッサン監督(『森に生きる少年~カラスの日~』)、マチュー・イボー監督(短編集『からっぽの家』)


 

華やかなフランス映画祭復活!『フランス映画祭2013』オープニングセレモニー
2013年6月21日(金)17:40~有楽町朝日ホールにて

~豪華ゲストを前に歓喜にわいたオープニングセレモニー♪~

ナタリー・バイ.jpg 去年途絶えた団長制を今年は復活させ、フランソワ・トリュフォーやジャン=リュック・ゴダールに愛されたナタリー・バイ(『緑色の部屋』『勝手に逃げろ/人生』)を団長に、デボラ・フランソワ(『ある子供』『譜めくりの女』)やリュディヴィーヌ・サニエ(『スイミング・プール』『8人の女たち』)の若手美人女優に加え、アラン・ドロンの再来と謳われるラファエル・ペルソナーズ(『黒いスーツを着た男』)とエルンスト・ウンハウワー(『In the House』)の若手イケメンが揃い、さらに俳優以上に人気のあるフランソワ・オゾン監督まで登場するという、それはそれは近年にない魅力いっぱいの映画祭らしい豪華さに、有楽町が歓喜にわいたオープニングとなった。


若手3人.jpg 六本木ヒルズで開催されていた頃のようなレッド・カーペットはなかったものの、今のフランス映画界を代表するスターたちがこれほど揃う映画祭が日本で開催されて本当に嬉しい限り。4日間で13本の長編と1短編集(8作品)が上映される。今年は、大阪、京都、福岡でも一部の作品が上映される。やはり円安の影響からか、地味だった昨年に比べ今年はゲストの顔ぶれも豪華で、若い観客が多い。東京では、ゲストのインタビューはパレスホテルで行われ、朝日ホールでは上映とゲストのティーチインが開催される。

 

デボラ・フランソア.jpg 最初挨拶に立ったジャン=ポール・サロメ氏(ユニフランス・フィルムズ会長)は、『レディ・エージェント/第三帝国を滅ぼした女たち』『ルパン』『ルーブルの怪人』などの監督でもある。フランスは映画発祥の国として映画産業に力を入れているだけあって、映画を文化として捉え、人材の育成や保護にも努めている。かつては、政治的、宗教的モラルの検閲が厳しかったらしいが、今では自由な発想と表現力で、作品もバラエティに富み、客層も若返っているのが大きな特徴と言える。作品ごとに驚きと感動がある。そんなフレッシュなフレンチシネマの魅力を体感できるのがフランス映画祭だ。

 

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会長とナタリー・バイ.jpg【ジャン=ポール・サロメ氏(ユニフランス・フィルムズ会長)のご挨拶】
 

 第21回フランス映画祭を開催することができて嬉しく思っております。過去にも監督として数回日本を訪れたことがありますが、この4日間で多様性のあるフランス映画を皆様に発見して頂くことを希望いたします。コメディあり、アニメあり、サスペンスあり、ラブストーリーあり、作家性の強い作品や娯楽作品など、現在のフランスを体現している作品ばかりです。

 

オゾン監督.jpg その多様性をなぜ保てるのかというと、フランスでは文化的映画の保護政策が執られているからです。今まで様々な監督が守ろうとしてきたものを、今ではヨーロッパ全体の監督も努力して文化的映画を守ろうとしているのです。そして、それは監督に限らず、アメリカのプロデューサーも支持していることなのです。映画が終わって、少し考えて頂けるような作品を提供していきたいと思っております。

 

 

 

 

ラファエル・ペルソナ.jpg 去年は海外でも成功を収めた『最強のふたり』『アーティスト』『愛アムール』などがありました。『最強のふたり』は日本でも沢山の方に観て頂けたようです。こうして皆様が劇場に観に来て下さる事が、我々にとっては何よりのプレゼントとなるのです。だからこそ映画を撮り続けられるのです。皆様に心から感謝申し上げます。


(河田 真喜子

senkyo2-s550.jpg『選挙2』想田和弘監督インタビュー
(2013年 日本・アメリカ 2時間29分)
 監督:想田和弘
 出演:山内和彦他
2013年7月6日(土)~シアター・イメージフォーラム、第七藝術劇場、7月20日(土)~神戸アートビレッジセンター、今夏~京都シネマ他順次公開

※第七藝術劇場7/13(土)10:00回 上映後、想田和弘監督 舞台挨拶予定
 公式サイト⇒
http://senkyo2.com/
 (C) 2013 Laboratory X,Inc.


~震災直後の統一地方選挙にみる、選挙制度と日本人の「これから」~

  徹底的などぶ板選挙から、徹底的なアンチどぶ板選挙へ。前作『選挙』(07)で小泉政権の落下傘候補として自民党から出馬した山内和彦さん(通称山さん)が、震災直後の4月1日に公示された川崎市議会選挙に急遽無所属で立候補し、前回とは180度真逆の「お金をかけない」選挙戦を展開した。候補者の中で唯一反原発を明言し、「子どもたちにつけを回さない!」と現在主夫として息子を育てる山さんならではの確固たる信念を、ポスターに大きく掲げた山さん。演説も握手も封印し、日々選挙ポスターが剥がれていないか巡回しながら、古巣の自民党議員やライバル議員たちにもエールを送る。ガチガチの選挙戦とは真逆のゆるい戦いぶりだ。一方、郵便局では選挙2日前にも関わらず最後の最後まで妻とハガキを書き続けたり、1度きりの街頭演説では人気の少ない駅前裏通りながら、防護服姿で反原発を力いっぱい訴える。組織に頼らない“山さん流選挙”が、私には非常に新鮮に映った。

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  『選挙』に引き続き、再び立ち上がった山さんの選挙戦に密着したドキュメンタリー作家想田和弘監督。震災後すぐにもかかわらず粛々と通り一遍の選挙戦が行われる違和感や原発事故すら既に口外しにくい雰囲気となっていることに対する違和感など、震災直後を改めて見直すことで今の日本の問題につながる根源が浮かび上がる。また、本作では『選挙』では撮影に協力的だった保守系議員に撮影を拒否されるハプニングにも見舞われ、取材や言論の自由の解釈についても疑問を投げかけているのだ。
  キャンペーンで来阪した想田和弘監督に、想田流震災映画ともいえる『選挙2』を今提示する意義や、前作と真逆の活動を展開する山さんに密着して実感したこと、現行の選挙制度についてお話を伺った。


―――震災後開催すら危ぶまれた統一地方選挙でしたが、いつ撮影を決めたのですか?
  3月28日に山さん(山内和彦さん)のブログで出馬を知りました。前は自民党から徹底したドブ板選挙で出馬した山さんが、今度はドブ板を全部封印し、前は主張がなかったのに、今度は主張のために出馬するのです。この180度違う選挙は撮らなければと直感し、その場で撮影することを決めました。『peace』上映のため香港映画祭にいたので機材もなかったのですが、東京で急きょ撮影機材を揃えましたよ。

■奇妙なことが起きているのを実感、これは私たち日本人についての映画だ

senkyo2-s1.jpg―――2012年12月衆議院選挙が自民党圧勝でなくても、本作を作っていましたか?
 作っていなかったかもしれませんね。撮影したときにはすごく奇妙なものが撮れている実感があったものの、どう奇妙なのか分からず、編集するにも手の付けようがありませんでした。ところが2012年12月に行われた衆議院選挙の結果が、予想していたとはいえ自民党圧勝と出たとき、相当ショックを受けました。それは奇妙な結果だからです。原発事故が起きたのに、原発を推進していた自民党が圧勝したというのは、かなり難しい方程式ですよね。映画を撮る定石でいえば、原発事故が起き、それを推進している政党が選挙に負けたというシナリオは書けますが、逆は普通書けません。でも現実にはそれが起こっているわけです。

―――今回山内さんはいわゆる選挙活動らしいことはほとんどしていませんが、なぜ撮り続けたのですか?
 もし僕が観察映画ということを提唱していなければ、映画にならないと判断して撮影をやめています。しかし僕の場合は「観察映画とは目の前の現実をよく見て、それを映画にするのだから、映画にならないものはない」と言っているので、撮り続けました。いくら何もしない山さんでも、何かしらの活動はしていて、それをよく見ていけば映画になるのです。山さんが主人公ですが、僕は究極の主人公は私たち日本人であり、私たちについての映画だと思っています。

■インディペンデントで闘っても当選できる、選挙制度の“隙間”

―――かなり厳しい選挙戦でしたが、山内さんは最後まで望みは捨てていなかったのでしょうか?
senkyo2-2.jpg 山さんは当選するつもりでいましたし、身近で見ているとやりようによっては当選するのではないかと思わせられました。実際、山さんの選挙区でトップ当選したみんなの党の竹田さんは前作の『選挙』をご覧になって、「ああいうドブ板選挙はやってはダメだ」と思ったそうです。竹田さんは今回選挙カーやお金を使わず、また組織に頼らず、山さんよりも少ない予算で選挙戦を行ったのです。選挙制度はなかなか変わらないと思いますが、選挙制度にも隙間があるということが今回の映画で一つ分かりました。つまり、選挙といえば選挙カーを走らせ、お金や組織を使ってやらなければ勝てないのが常識で、実際そういう選挙制度になっています。でも実はお金をかけずにインディペンデントで闘っても当選しうるのです。

■「表現の自由」を放棄しないために必要なのは、憲法第12条「不断の努力」

―――保守系の持田さんや浅野さんから強固に撮影拒否をされるシーンをあえて使っていますが、その意図は?
senkyo2-s2.jpg 撮影拒否されることを想定していなかったので驚きました。選挙は一番取材拒否をしてはいけないものの最高峰にあるものです。山さんがいみじくも「公的なものではなく、私的なものだと思っているんじゃない」と言っていましたが、選挙運動は我々の代表を選ぶための公な活動なので、所有権は誰も主張できないはずなのです。

 折しも今憲法の問題が持ち上がっていますが、自民党の憲法案はこの第21条を骨抜きにしようとしています。つまり第二項を付け加えて、「公益及び公の秩序を害するような目的で行われた表現の自由は認めない」ということが書かれており、いくらでも恣意的に解釈できる文章なのです。表現の自由を制限しかねないことが強行されるかもしれない今、僕自身が自主規制して撮影したものを使わないということは、自分から表現の自由を放棄するようなものです。これはやはり出すしかないと思いました。憲法を改めて読むと、第12条で「このような国民の権利は不断の努力によって保持されなければならない」と書いてあります。この「不断の努力」という言葉が初めて自分の中でピンときました。今回のような局面でひるまないということが「不断の努力」です。ここで引き下がってしまうと、事実上表現の自由がなくなってしまいます。

―――『選挙』に続く2作目で、被写体が想田監督に話しかける場面も度々見られました。観察映画を提唱している想田監督としては、どういう考えで撮影されましたか?
 senkyo2-3.jpg 『精神』のときは、精神科の患者さんにカメラを向けましたが、「僕がいないようにふるまってくれ」といっても、どんどん話しかけてきました。それに対して僕が応答するやりとりの中から、面白いことが起きたのです。それを映画に残すとき「観察といっても、これは”参与観察”だ」と理論化しました。参与観察は文化人類学でよく使われる言葉ですが、観察者も含めた世界を観察するということです。観察映画とは参与観察であるとそこで理論化していたので、『選挙2』を撮るときは絶対参与観察になるだろうと予想していました。本当なら黒子になりたいところですが、なれないことは最初から分かっていたので、それを素直に出していった格好ですね。実際キャメラを向けた時、前作『選挙』ありきで皆さん反応されるし、山さんの妻さゆりさんですら、「私がラーメンを食べているときは、そっちから撮らないで」とアングルを指定してくるんです。長男の悠喜くんも「あっ、『選挙』撮った人!」と、みんな僕のことを意識しているので、もうしょうがないですね。

■主夫ライター山さんだから獲得できた「おばちゃん目線」と「反原発」への実感

―――山内さんは主夫として子育てをしてきたからこそ、原発事故のことを議論もしないような政治に危機感を覚えたのでしょうか?
 senkyo2-4.jpg 山さんは主夫になることで、おばちゃん目線を獲得したのでしょう。あとは子育てをした者ならではの実感を持てたのも大きいですね。例えば自分の子どもを戦争に行かせたい人はいないと思います。その実感を大事にすると戦争は起きようがない。ではなぜ戦争が起きるかというと、男の概念で戦争が語られ、理屈の世界で安全保障や集団的自衛権という話になってしまうからです。逆に子どもたちを戦争に行かせないためにどうすればいいかと本来は考えるべきで、順序が逆です。理屈が先にあって、そのために何かをやろうとすると実感は常に犠牲にされます。原発も放射能汚染は嫌だし、子どもに浴びせたくないと誰でも思っている訳で、その実感を大事にすれば原発を止めることになるはずです。でも物事は大体逆で、「いや経済が」とか、「エネルギー安全保障が」などの理屈が先にあるので、原発を動かす方向になってしまうのです。山さんはおばちゃん目線を持ち、息子に放射能を浴びてほしくないから、選挙にまで出馬したのでしょう。その実感を大事にして行動に移したのはすごいことだと僕は思います。

■震災から2年経ったから出てきた文脈がある

―――想田監督にとっての震災映画となりましたが、別のタイプの震災映画を撮ろうとは思わなかったのですか?
 震災映画は、作るとしても時間を置いてからと思っていました。震災という現象に対する反応だけで撮ってしまうことに対する警戒心がありましたね。結果的にはこの映画も震災の現象そのものより、それを日本人がどう受け止め、どう受け止めなかったかということに目線が向いていきました。震災から2年経ったからこういう作品になりましたが、震災直後だったらこのような編集はしなかったでしょう。ドキュメンタリーは過去を現在の視点から解釈する作業です。撮影した時は使い道が分からないようなものでも、後で文脈が出てくるのです。


 選挙のあり方だけでなく、憲法が保障する表現の自由の意味を想田監督自身の実体験から学ばせていただき、意義深く、そして笑いの絶えないインタビューとなった。2012年12月の衆議院選挙で自民党が圧勝して以降、改憲について、その危険性やなぜ必要なのか十分な議論が行われないまま7月の参議院選挙を迎えようとしている。この非常事態に待ったを叩きつけるかのようなタイミングで公開される『選挙2』から、我々は今立ち向かわなければならない大きな問題を再認識することだろう。そして、家族と過ごす個人としての実感を政治に全力投入しようとした山さんの行動は、有権者のことは二の次で他人事のように思える「選挙」を身近なものに感じさせてくれた。(江口 由美)

GIjo-f550.jpgイ・ビョンホン 福岡最強チーム隊長に任命!『G.I.ジョー バック2リベンジ』

4大都市ツアー最終地・福岡ジョー陸
「また来るけん!!」  ファン1000人大興奮!


GIjo-f1.jpg 公開に先駆け、監督を務めたジョン・M・チュウ(33歳)と前作に続き悪の組織〝コブラ〟の冷酷な暗殺者・ストームシャドーを演じるイ・ビョンホン(42歳)が、本作を引っ提げ日本にジョー陸!!  27日月曜日に東京都内で行われたジャパンプレミアに続き、全国4大都市(東京を含む、名古屋、大阪、福岡)を巡る大規模キャンペーンの最終地・福岡についにジョー陸。TOHOシネマズ 天神 ソラリア館で初となるレッドカーペット・セレモニーならびに舞台挨拶を行った。

 大阪城を席巻したジョン・M・チュウ監督とイ・ビョンホンがいよいよ福岡に登場。4大都市を巡ったジャパンツアーの最後とあって、イベント前からファンの熱気は高まるばかり。また、TOHOシネマズ 天神 ソラリア館で初めての実施となるレッドカーペット・セレモニーにはファンのみならず、九州中から多くのマスコミが集結。世界中で爆発的大ヒットを記録している本作の監督とハリウッドスター、イ・ビョンホンの来福イベントに期待感はMAX。そして、ついに監督とイ・ビョンホンがファンの前に姿を現すと、会場内は拍手と歓声に包まれ、熱烈歓迎ぶりにゲストも感激。

ジョン・M・チュウ監督とイ・ビョンホンが福岡の最強チームの仲間入り!?

GIjo-f3.jpg レッドカーペット・セレモニーの後、監督とイ・ビョンホンは舞台挨拶に登壇。満席のファンを前に「世界各国まわってきましたが、最後の地・福岡に遂に来ることができました」と挨拶をし、早速会場内を沸かせた。会場が盛り上がって来たところで、福岡を代表するサプライズゲスト、高島宗一郎福岡市長が登場。アジアの玄関口・福岡の代表として歓迎の意を表した。そして、市長から福岡を諸悪から守る最強のチーム≪NCC≫(No Crime in Chuo)が誕生したことが発表され、青栁勝喜(あおやぎかつき)福岡中央警察署長率いるNCCのメンバーが登場。青栁署長より監督とイ・ビョンホンそれぞれにNCC名誉隊長の任命書が手渡され、固い握手で結束を深めた。    

 

 最後にイ・ビョンホンが「また来るけん!」と博多弁で福岡のファンとの再会の約束をすると、会場からは「待っとうよ!」との大声援が送られ、ファンのボルテージは最高潮へ。熱気が冷めやらない中、監督とイ・ビョンホンは客席の間を通りながら、会場を後にした。


 

5月31日(金)  19:45~20:00 【ジャパンツアーin 福岡 特別上映会舞台挨拶】
会場:TOHOシネマズ天神 ソラリア館 
登壇者:ジョン・M・チュウ監督、イ・ビョンホン、高島宗一郎福岡市長、青栁勝喜福岡中央警察署長、NCCメンバー

 


――― ご挨拶
イ・ビョンホン:再び福岡に戻ってこられて嬉しい。最初から最後まで激しいアクション、隣の人を気にせずたまったストレス発散してください。
ジョン・M・チュウ監督:素晴らしい街に来れてうれしい。私の初のアクション映画を皆さんにたっぷり楽しんでもらいたい。

――― アクションシーンが多くありましたが、トレーニングで大変だったことは?
イ・ビョンホン:今作は、復讐するためにパワーアップしたストームシャドーをみせたかった。鳥肉を味付けなしで食べ続けたのが大変だった。皆さんにはお勧めしません(笑)

――― 世界で大ヒットしましたが、一番作品を作るうえで注力したことは?
監督:アクションを体感してもらえる映画を作りたかった。ブルース、ロック、ビョンホン、素晴らしいキャストが集結し、アトラクションにのるようなクレイジーな3D映画ができました。ビョンホンの腹筋も3Dで触れることができるよ(笑)

――― 会場の皆様へのメッセージ
イ・ビョンホン:名誉会長に任命してくれてありがとう。世界を周ってきましたが、こんな風に周ったのは日本だけです。今日の舞台挨拶が日本の最後の舞台挨拶。ここ福岡でみなさんにお会いできたのは本当に意義がありました。「また来るけん!!」

6月7日(金)より先行公開!(一部の劇場を除く)

★大阪城イベントレポートはこちら

★大阪プレミア上映舞台挨拶レポートはこちら

★ジョン・M・チュウ監督インタビューはこちら
 

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イ・ビョンホンが大阪ジョーを制圧!!『G.I.ジョーバック2リベンジ』大阪城スペシャルイベント

大阪城天守閣とファン1000人が青色に染まる!

「世界一熱い大阪のファンのみなさん、おおきに!!」

世界最強の刺客イ・ビョンホンが大阪ジョーを制圧!!

 

【大阪城イベント】

2013年5月29日(水)18:30~20:00 大阪城天守閣にて
登壇者:イ・ビョンホン、ジョン・M・チュウ監督、月亭八光(つきていはちみつ)

<取材来場>スチール30台、ムービー20台、記者・マスコミ関係合計100名/集まったファンの人数1000人(応募総数12000通)


 

  『G.I.ジョーバック2リベンジ』が、6月7日(金)よりついに全国で先行公開致します!

GIjo-o1.jpg公開に先駆け、前作に続き悪の組織〝コブラ〟の冷酷な暗殺者・ストームシャドーを演じるイ・ビョンホン(42歳)と監督を務めたジョン・M・チュウ(33歳)が、本作を引っ提げ日本にジョー陸!! 27日月曜日に東京都内で行われたジャパンプレミアに続き、全国4大都市(東京を含む、名古屋、大阪、福岡)を巡る大規模キャンペーンの一環として、ついに大阪にもジョー陸!悪の組織〝コブラ〟のイメージカラーでもあるブルーカーペットをひいてのセレモニー、特設ステージでは忍者が入り乱れてのアクション演出など、ハリウッド超大作に相応しいプレミアイベントが、大阪のシンボル大阪城天守閣前で行われました。

 この日、お昼過ぎに名古屋での舞台挨拶で大村愛知県知事との共演を果たしたイ・ビョンホンとジョン・M・チュウ監督は、イベント後すぐに直線距離で約130kmの移動をして大阪入り。大阪城の天守閣前では史上初めてハリウッド映画のイベント実施という事もあり、応募総数12000通の中から選ばれたファン1000名が集まり、関西ならではの熱気が会場を包んだ。
 

GIjo-o3.jpg ブルーカーペット上に登場したイ・ビョンホンは、都内で行われたジャパンプレミアとは打って変わってベージュのジャケットにタイトなデニムというラフなスタイルで登場し、早朝から待ちわびたファンからは大きな歓喜の声が。サインや写真撮影に丁寧に応じるイ・ビョンホン、ジョン・M・チュウ監督のファンサービス、さらにド派手な忍者演出に会場のボルテージは急上昇。そんな熱気を帯びた会場の特設ステージで舞台挨拶がスタートし、集まった大阪のファンへの印象を聞かれるとイ・ビョンホンと監督は「日本で最も情熱的なファンのいるところ」と答え、熱狂的なファンの熱い歓迎に感動した様子。

大阪城天守閣と、ファン1000人が"青一色"に!!

GIjo-o8.jpg そしてフォトセッション時には謎の“コブラ”スイッチが登場。会場に集まったファンが一斉に青色のペンライトを振り、「ジー!アイ!ジョー!」の掛け声と共にイ・ビョンホンがスイッチを入れると、大阪城がなんとコブラカラーの青色にライトアップされ、<大阪城が大阪ジョー>になった。壮大なその姿にはイ・ビョンホン、ジョン・M・チュウ監督共に驚きの表情を浮かべた。
 

GIjo-o2.jpg さらに先ほどド派手なアクションを披露したスネークアイズがステージに登場。しかし何か違和感が…歩き方もたどたどしく、背も小さい気が?おもむろにそのマスクを外すと、なんと前作からの大ファンで、関西を中心に活躍する月亭八光が。「イ・ビョンホンさん、こんばんは。握手させてもらってもいいですかぁ。」と突然イ・ビョンホンへ近づき、いよいよイ・ビョンホンと握手を行おうかと言うときには会場から大爆笑と悲鳴が起こった。

 大阪らしい演出が飛び出した今回のイベントでは「休むまもなくアクションが続き、スカっと出来る事間違いなし。この夏、大阪のように最も熱い作品です。」と魅力を熱く語って締めくくり、大きな拍手の中で幕を閉じた。


 

GIjo-o4.jpg――― 大阪の街や大阪のお客さんの印象は?
イ・ビョンホン:大阪、おおきに!(日本語で) 何度来ても情熱的な大阪のファンにあえてうれしいです。良い意味でクレイジーな大阪のみなさんが大好きです。
監督:イ・ビョンホンから世界で一番熱いファンのいるところと聞いていたので、そのファンの前にこうして来れて最高だよ。

――― お二人のお気に入りのシーンはどこでしょうか?
イ・ビョンホン:クールで謎めいたストームシャドーのキャラクターが解き明かされます。彼の内に潜む怒りや苦悩などバックストーリーが描かれているから、そこが一番のおすすめだよ。ぜひ楽しんでほしいよ。
監督:ヒマラヤの山腹で忍者が飛び交うシーンだね。しかも3Dだから迫力がすごいんだ。イ・ビョンホンの腹筋が触れるくらい飛び出すからお楽しみに!

――― 日本の皆様へのメッセージをお聞かせください。
イ・ビョンホン:G.I.ジョー バック2リベンジはアクション超大作です。怒濤のアクションに休む暇もありません。そして、熱い夏を吹き飛ばすような爆発や破壊なども随所にちりばめられています。大阪のファンのように熱い作品です。ぜひ劇場で会いましょう。

2013年6月7日(金)より、TOHOシネマズ梅田他にて先行公開!(一部の劇場を除く)

★大阪プレミア上映舞台挨拶レポートはこちら
★ジョン・M・チュウ監督インタビューはこちら
★福岡セレモニー&舞台挨拶はこちら


 

【作品情報】

G.I.ジョーバック2リベンジ

(原題:G.I. Joe: Retaliation)
(2013年 アメリカ 1時間51分)

監督:ジョン・M・チュウ
出演:ブルース・ウィリス、ドウェイン・ジョンソン、イ・ビョンホン、チャニング・テイタム、レイ・パーク、エイドリアンヌ・パリッキ、D.J.コトローナ

2013年6月7日(金)TOHOシネマズ梅田、TOHOシネマズなんば にて先行上映、6月8日(土)~全国ロードショー

★プレミア上映舞台挨拶レポートはこちら
★ジョン・M・チュウ監督インタビューはこちら

★公式サイト⇒ http://www.gi-j.jp/

(C)2013 Paramount Pictures. All Rights Reserved. Hasbro and its logo, G.I. JOE and all related characters are Trademarks of Hasbro and used with permission. All Rights Reserved.

    


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(撮影:河田 真喜子)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

GIjo-b550.jpgイ・ビョンホン、日本のインテリアに興味津々!『G.I.ジョー  バック2リベンジ』舞台挨拶

~イ・ビョンホン、ファンの熱烈声援にエネルギー充電!~

(2013年5月29日(水)TOHOシネマズ梅田にて)

ゲスト:イ・ビョンホン(42)、ジョン・M・チュウ監督(33)

 

(原題:G.I. Joe: Retaliation)
(2013年 アメリカ 1時間51分)

監督:ジョン・M・チュウ
出演:ブルース・ウィリス、ドウェイン・ジョンソン、イ・ビョンホン、チャニング・テイタム、レイ・パーク、エイドリアンヌ・パリッキ、D.J.コトローナ

2013年6月7日(金)TOHOシネマズ梅田、TOHOシネマズなんば にて先行上映、6月8日(土)~全国ロードショー

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GIjo-b1.jpg 例年より早い梅雨入りとなった日本列島に、爽やかな風を吹き込む『G.I.ジョー  バック2リベンジ』出演のイ・ビョンホン(42)とジョン・M・チュウ監督(33)の来日キャンペーン。東京、名古屋に続き、大阪でのイベントに登場。夕方、「大阪城、GIジョー」とダジャレに乗じた大阪城でのイベントの後、梅田の映画館での舞台挨拶が行われた。ゲストのお二人は勿論、取材陣もファンの皆さんも大阪城から梅田へ大移動。10分遅れの登壇となったが、会場のお客様は熱狂的に大歓迎♪  さすが、イ・ビョンホンの人気は桁外れだ。


 

GIjo-b4.jpg――― 最初のご挨拶
監督:皆さんお越し下さいましてありがとうございます。大阪の皆さんに映画を見て頂けてとても興奮しております。皆さん大きな声を出して喜んでおられますが、お水を沢山飲んで下さいね。とても面白い作品ですので、どうぞお楽しみ下さい。
ビョンホン: 「おおきに、大阪の皆さん!」大阪の皆さんにお会いするのは約2年ぶりくらいですね。やはり大阪の皆さんは今でも情熱的ですね(笑)。ちょっとだけ気持ちが沈んで疲れていたのですが、皆さんにお会いしてまたエネルギーが充電できたような気がします。本当に熱い声援をありがとうございます。
 

GIjo-b2.jpg――― 「おおきに」という日本語はどなたから習いましたか?
ビョンホン:以前、大阪のファンの皆様とお会いする機会があったのですが、その時にスタッフから教えてもらいました。

――― 嬉しいですね~。さて、この映画のお気に入りのシーンは?
ビョンホン:私が忍者の役で出ているから言う訳ではありませんが、本当に圧巻のシーンですので紹介したいと思います。それは、ヒマラヤ山脈を背景に多くの忍者が岩壁でロープを使って戦うシーンです。是非3Dで見られるのをお勧めいたします。この映画の原作は数十年間多くのファンに愛されてきた漫画なんですが、多くのキャラクターが登場して、それぞれ戦い方が違うんです。そのアクションを比べながらご覧になると、より楽しめると思います。
 

GIjo-b3.jpg――― スティーブン・ソマーズ監督からバトンを引き継いでプレッシャーもあったと思いますが、特に気を遣った点やこだわった点は?
監督:この仕事を頂いた時、母が喜んでくれるかと思い伝えた処、母はただただイ・ビョンホンさんに会えることに興奮していました(笑)。今回本当に楽しい経験をさせて頂いたのですが、クレイジーな凄い作品になっています。またイ・ビョンホンさんからも多くのことを学びました。彼の素晴らしい演技によるストームシャドーをお楽しみ下さい。
 

 

GIjo-bb1.jpg――― 日本の印象は?東京とか京都とか大阪とか観光する時間はありますか?
ビョンホン:なかなかプライベートな時間は持てませんが、それでもいいレストランやバーなどへ行く事ができました。私は元々インテリアに興味がありまして、日本に来ると綺麗なインテリアを見る事ができるので、どこに行っても、まずインテリアに注目して一所懸命見てしまいます。

――― 大阪で食べた中でお気に入りの物とか、行ってみたい所とかは?
ビョンホン:大阪では美味しい物を食べに行く時間がないので、いつもお好み焼きやたこ焼を食べています。時間があればお好み焼きやたこ焼き以外の美味しい物を食べに行きたいと思います。

――― ファンの皆さんも教えてあげて下さいね。(客席から、「串カツ!」の声があがる。)
ビョンホン: 「串カツ」?(笑)

――― 新世界とイ・ビョンホンさんは似合いますかね?(客席から微妙な反応…) さて、監督から「ここは見逃さないでほしい!」という処がありましたら教えて下さい。
監督:戦車で格闘するシーンや、ブルース・ウィリスさんやドウェイン・ジョンソンさん、イ・ビョンホンさんなどが登場するシーンなどです。特に、皆さんにはイ・ビョンホンさんの鍛え上げた素晴らしい肉体を見て欲しいですね。今回は3Dなので、6(シックス)パックが3倍の18パックになるのではと思われます(笑)。さらに、3Dですから、アクションに対し、除けながら見て下さいね(笑)。

――― 冒頭のシーンから、イ・ビョンホンさんが真っ白な衣装をパッと脱ぐシーンがありますのでお楽しみに。
(観客:興奮気味に「え~!!!」)

……(イ・ビョンホンと監督がバックパネルにサインを書く。)……

GIjo-bb3.jpg――― イ・ビョンホンさんから最後のご挨拶を。
ビョンホン:今日はお忙しい中お越し下さいまして、本当にありがとうございました。短い時間でしかご挨拶できずに残念です。でも、こうして来て頂いた以上は映画をご覧頂きたいです。今度いつ大阪に来られるか分かりませんが、出来るだけ早く大阪に来る時間を作りたいと思います。この映画は壮大なアクションでエキサイトできる映画ですので、どうか周りの男性の方にもオススメ頂きたいと思います。どうか楽しんでご覧下さい。ありがとうございました。
 


 

GIjo-bb2.jpg 大阪城での1時間半に及んだイベントに続いて梅田の映画館での舞台挨拶。確かに、大阪城でのイベント後半では少々お疲れ気味のイ・ビョンホンさん。映画館でのファンの熱狂的な「ビョンホンシー!!!」コールにエネルギーをもらったようで、いつものキラースマイルが戻っていた。ビョンホンファンの絶叫に近い歓声に、チュウ監督もびっくりして興奮気味。帰り際、ファンから差し出されたビョンホンうちわを監督が手に取り、「どうしてボクに?」と不思議そうな表情で会場を後にしていた。

(河田 真喜子

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