「京都」と一致するもの

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2012年東京・オーディトリウム渋谷で開催された濱口竜介初の大規模特集上映「濱口竜介レトロスペクティヴ」が、さらにスケールアップし、今後の活動を見据えた「濱口竜介プロスペクティヴ」として関西に登場した。第七芸術劇場(6/29~12)、神戸映画資料館(6/29~6/8)、京都シネマ(7/13~19)、元・立誠小学校特設シアター(7/8~19)、京都みなみ会館(7/13オールナイト)の京阪神5館という前代未聞の規模で一挙上映されている。

2003.年の『何くわぬ顔』(short version/long version)から、染谷将太、渋川清彦主演の最新作で、『親密さ』以来の劇映画となった『不気味なものの肌に触れる』まで特別上映を交えての全16本を一挙公開。男と女の感情の揺らぎと、一瞬の感情の爆発を見事に捉えた劇映画から、被写体に真正面から向き合い、真摯に対話する中でドキュメンタリーを超えた何かを紡ぎだす濱口流ドキュメンタリー、そして劇中映画だけでも映画を成立させてしまう劇映画の中のリアルの具現化まで、未だ体験したことのないような衝撃を味わえる濱口竜介という映像作家にぜひ出会ってほしい。

濱口竜介プロスペクティヴ in Kansai 公式サイト http://prospective.fictive.jp/

【濱口竜介プロフィール】

hamaguchi_naminooto.jpg1978年、神奈川県生。2008年、東京藝術大学大学院映像研究科の修了制『PASSION』がサン・セバスチャン国際映画祭や東京フィルメックスに出品され高い評価を得る。その後も日韓共同製作『THE DEPTHS』(2010)、東日本大震災の被災者へのインタビューから成る映画『なみのおと』『なみのこえ』、東北地方の民話の記録『うたうひと』(2011~2013/共同監督:酒井耕)、4時間を越える長編『親密さ』(2012)を監督。精力的に新作を発表し続けている。

 

 


【各劇場からのメッセージ】

hamaguchi_shinmitsusa-shotver.tif第七藝術劇場/松村厚
  映画『親密さ(short version)』で、ジャック・リベットの映画『彼女たちの舞台』やジョン・カサヴェテスの映画『オープニング・ナイト』を想起させ、映画『はじまり』という13分の短編で、相米慎二監督の長廻し撮影を想起させてくれた濱口竜介監督は、私にとって映画を観るという行為の中で<驚き>という体験をさせてくれる映画監督である。
映画誕生のリュミエールの『列車の到着』がグランカフェの観客を驚かせたように映画は原初からアメージングな体験であったのだ。濱口竜介の作品が、様々な優れた映画作家たちの影響を受けているのが明らかであろうともそれらの作品は紛れもなく濱口竜介でしか撮りえない作品であると確信している。濱口竜介が劇映画からドキュメンタリー映画までの違ったジャンルをその撮影の拠点を東京、東北と軽々とした身のこなしで移して来たように易々と<驚き>と共に乗り越えてしまう。そんな彼が今度は神戸にその拠点を移して映画的策謀を張り巡らそうとしているのだ。そのことを私たちは歓迎し、祝福するために『濱口竜介プロスぺクティブin KANSAI』を大阪、神戸、京都の5館で開催することは映画的な正しい所作だと思う。
このあまりにも映画的な快挙に私たちは喝采し、映画的な発見に身を委ねてみようではないか。

 

hamaguchi_PASSION1.tif神戸映画資料館 田中範子
  神戸映画資料館では2009年に『PASSION』を上映しましたが、その時から、この濱口竜介という監督は、すぐに次のステージに上がり日本映画界の中核として活躍されることを確信しました。的確な映画術によって生み出されるエモーション。255分もの『親密さ』を撮ったり、東北でドキュメンタリーを連作したりと、ミニシアター向け──大多数の支持は得られないが、一部の人には愛される──の映画作家と思われても無理はありませんが、そこに止まらない力の持ち主です。
神戸映画資料館は、新旧、商業非商業の区別なく上映活動を行い、“小さな”映画を大事にしています。“大きい”“小さい”に優劣は無いという立場ですが、それでも、濱口監督の作品はもっと注目され広く見られるべきだと考えています。このような映画作家はほかに思い当たりません。将来像を含めてイメージするのは大島渚監督。彼もまた、独立プロダクションを立ち上げたり、国際的な資本で撮ったりと、模索し続けた監督でした濱口監督も黙々と作品を作り続け、それを可能にする道を神戸で切り開こうとしています。
濱口竜介監督の「これから」の「はじまり」としての大特集上映にご注目いただきたいと思います。

 

hamaguchi_utauhito.tif元・立誠小学校特設シアター 田中誠一
「フィクション映画」で奇跡的な偶然=必然の瞬間を立ち上がらせ、「ドキュメンタリー映画」で劇的なエモーションを浮上させる。映画が持つ(とされている)枠組を融解させ、映画それ自体の新しい可能性を見せてくれる。しかしそれは、まったく新しいようでいて、実は映画それ自体が本来持つおもしろさなのだと、観た後に気づく。濱口竜介が現在の日本で最も優れた映画作家の一人であり、今後遠くない未来に世界の巨匠たりうる映画作家であることを私が確信しているのは、そうした理由からだ。
濱口竜介が今、必要としているのはただひとつ。彼の作品が少しでも多くの観客に観られること。観られさえすれば、この新しさと面白さに、誰もが気づくはずだ。
映画作家として充実の時期に差し掛かっているこの時期に、彼が関西に住み、活動を開始するということを、我々はこのうえない喜びと期待で受け止め、関西の観客に、濱口作品の新しさと面白さを伝えたいと強く思う。
濱口監督は現実に出会うと、ひょうひょうとした風貌に福々しい笑顔をみせる。むこう数年、我々は関西で、その笑顔の奥にある映画の未来に日常的に出会うことができるのだ。 今回の「濱口竜介プロスペクティブ」関西5館同時開催は、その喜びと期待の実現である。 みなさんもぜひ、そこに立ち会い、共有してください。切にそう願っています。

 

京都みなみ会館 吉田由利香
濱口竜介監督の作品を観終わった後、観客は何を思うだろうか。否、「誰」を思うだろうか。彼の作品には、ふっと大切な人の顔を思い起こさせる爽やかな力がある。映画の登場人物の中に、自分を発見し、自分にとっての重要な他者を発見する。語られている事は、ある意味ありふれた出来事で、役者の話す台詞の中に自分を、行動の中に他者を発見できたりする。我々は、はたっと自身を振り返る。
『親密さ』は、ここ最近観た作品の中でも、群を抜いて私の心の中に突き刺さった作品である。4時間を越えるこの大作を、当館で上映出来る事がとても嬉しい。観客が、どのような顔で劇場を後にしてくれるか、今からとても楽しみである。
京阪神、どこでもいい。是非、濱口竜介の世界に劇場で出会ってほしい。この貴重な機会の目撃者となって欲しい。そして、劇場からの帰り道、大切な人の事をそっと思い出して、すこし、やさしい気持ちになってくれたらいい。

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笑いと涙のトークショー!『タイピスト!』のヒロイン:デボラ・フランソアとレジス・ロワンサル監督が来日の歓びを語る

(2013年6月24日(月)有楽町朝日ホールにて)

 

(2012年 フランス 1時間51分)
監督:レジス・ロワンサル
製作:アラン・アタル『オーケストラ!』
撮影監督:ギョーム・シフマン『アーティスト』
出演:ロマン・デュリス『スパニッシュ・アパートメント』、デボラ・フランソワ『ある子供』、ベレニス・ベジョ『アーティスト』、ミュウ=ミュウ『オーケストラ!』

2013年8月17日(土)~ ヒューマントラストシネマ有楽町、シネ・リーブル梅田、京都シネマ、シネ・リーブル神戸 他全国ロードショー

★作品紹介⇒ こちら
★レジス・ロワンサル監督インタビュー⇒ こちら
★公式サイト⇒ http://typist.gaga.ne.jp

© 2012 – copyright : Les Productions du Trésor – France 3 Cinéma – France 2 Cinéma – Mars Films - Wild Bunch - Panache Productions – La Cie Cinématographique – RTBF (Télévision belge)© Photos - Jaïr Sfez.


 

『アーティスト』、『オーケストラ!』のスタッフ結集!
天然系キュートなヒロイン×ポップな50年代フレンチ・カルチャー×興奮と感動のスポ根!
50年代フランスを舞台に、本当にあったタイプ早打ち世界大会に全てをかけるヒロインを描く、カラフルなサクセス・エンターテインメント!

 

【STORY】
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1950年代のフランス。カトリック教徒の多いフランスでは、女性たちに良妻賢母として家にいることを理想としていたが、時代は自由民権運動に女性の社会進出と革新の過渡期を迎えていた。そんな女性たちの憧れの職業№1は「秘書」。その中でもタイプライター早打ちのオリンピックのような一大競技大会が開催され大人気を博していたとか。
 
親が決めた結婚をして田舎で一生を終えるのではなく、自分の特技(タイプの早打ち)を活かして都会で暮らしたい、と田舎から出て来たローズ(デボラ・フランソワ)は、保険会社を経営するルイ(ロマン・デュリス)の秘書に応募する。晴れて採用されるが、タイプの早打ち以外はまるでダメなローズは、一週間でクビを言い渡される。「ただし──」と、意外な提案をもちかけるルイ。
 
ローズの唯一の才能〈タイプの早打ち〉を見抜いたルイは、彼女と組んで世界大会で優勝するという野望を抱く。1本指打法から10本指への矯正、難解な文学書のタイプ、ピアノレッスン、ジョギング、心理戦の訓練etc……。ルイの特訓のお蔭でめきめきと才能を開花させていくローズ。ところが―――。


 

typist-b1.jpg 上映終了後、興奮冷めやらぬ中、映画の中のローズと同じようなヘアスタイルとメイク、それに黒のプリンセスラインのワンピースで登場したデボラ・フランソワと、シックな黒のスーツでキメたレジス・ロワンサル監督が登場すると、会場は拍手喝采!「可愛い!」という歓声があがった。

 

――― タイプライターの早打ちコンテストが実際にあったと聞きましたが、映画化のキッカケは?
レジス・ロワンサル監督(以下監督):僕も知らなかったのですが、ある日タイプ早打ちコンテストのドキュメンタリーTVを見て、これは凄い!クレイジーだ!と驚き、これは映画にでkるな!と思ったのです。3~4年かけてリサーチして、実際の早打ちチャンピオンにも会ったんです。そしてロッキーみたいなスポ根映画にできないかと考えました。
デボラ・フランソワ(以下デボラ):私は女ロッキーってこと?
監督:メンタリティではかなりのロッキーだよ。(会場笑)
 

typist-b5.jpg――― デボラさんは最初に脚本を読んでどう思った?
デボラ:何としてもこの役を演じたいと思ったわ。他のライバル女優を殺してでもね!? (会場笑)
監督:みんな怖がってたよ!

 

――― どのシーンが一番好きですか?(質問者は)ベッドで小悪魔的なポーズをとるシーンが好きでしたが。
デボラ:私もあのシーンが大好きです。あれはアドリブなんです。50年代の女性なのに、ベッドに寝転がって足をあげるなんて! でも、私がそうすると現場は大笑いだったんです。あとは、平手打ちのシーンが好き。ロマン・デュリスに仕返しをした感じです(笑)。

  typist-b7.jpg監督:ローズの誕生日にルイがちょっと変わったプレゼントをするシーンが好きです。あとはパリで二人がさよならをするシーンですね。困惑するデボラが素晴らしかった。まぶたを少し動かすだけでジュテーム(愛している)という気持ちを込められるデボラの表情がいいですね。
デボラ:(日本語で)「どうもありがとうございます、監督さん。」(会場笑)

――― タイプライターはどのようにトレーニングされたのですか?
デボラ:スタントは一切使ってないんです。6ヶ月間トレーニングをしました。週3回コーチがつき、宿題もあり1日2~3時間の自己練習も毎日行いました。監督の要求も高く、わざとチャンピオンだった人を傍に置いて私にプレッシャーをかけていました(笑)。

typist-b3.jpg――― タイプライターでターンするシーンを再現して頂けませんか?
デボラ:タイプライターと同じようにパソコンを打ってたら、もう3台も壊しちゃったわ!
監督:テニスのプレイヤーみたいに強く打ってたね(笑い)。

(実際にデボラさんがタイプを打つジェスチャーをしてくれた!)(会場拍手)

 

typist-b6.jpg――― 色々なタイプライターが出てきますが、当時のものを集めるのは大変だったのでは?美術の面での苦労は?
監督:確かに大変でした。世界各国からタイプライターを200台くらい集めたんです!あの頃のタイプライターを、しかも2台同じものを揃えるのは至難の業でした。そして見つけても、どれもとても古いので、新しく見える様に手直しが必要だったんです。1950年代という世界観は、観客が見た瞬間50年代にダイブするように細部までこだわり抜きました。
デボラ:だって、50年代って、監督のティーンエイジャーでしょう!? (会場笑)
監督:僕、そんなに古くないよう!(会場笑)

――― デボラは、ローズのタイプライターのような特技はありますか?
デボラ:フランスでは、“何かに秀でた人は役者になっていない”何でもそこそこだから役者をやっていられるんです(笑)。

――― 映画の中の色彩が印象的でした。特に最後のラブシーンとか?
監督:バスルームからローズが出てくるシーンはヒッチコックの『めまい』をオマージュしています。オリジナルのシーンを作るのはとても難しいです。
デボラ:最後のラブシーンを二人で撮っている時、ロマンは目を手で覆っていたわ。
監督:映画でラブシーンを撮るのは難しいんだよ。
デボラ:ロマンだと大丈夫でしょう!?

typist-b5-1.jpg――― 最後にメッセージを。
監督:デボラは3回目の来日ですが、私は初めての来日です。以前、私が撮った短編映画を気に入ってメールを下さった日本人がおられました。今度は、長編映画監督デビュー作となる『タイピスト!』で、日本の皆様に楽しんで頂けると嬉しいです。
デボラ:日本に戻って来られて本当に嬉しいです。3年前に神戸で『メモリーズ・コーナー』という映画のロケをしました。その直後に東日本大震災が起こりました。日本に来るチャンスはあったのですが、震災の影響でなかなか来日できなかったのです。(涙ぐみながら)またこうして、皆様にお会いできて本当に嬉しいです。


 

 満面の笑みを湛え、片言の日本語を交えながら、観客からのタイプ打ち再演要望にも応えたり、監督の話にツッコミを入れたりと、あんなにはしゃいでいたデボラが、最後は感極まって涙ぐみながら日本への思いを語ってくれた。

 彼女がまだ22歳の時にジャーナリスト役で出演した『メモリーズ・コーナー』(2010)は、阪神・淡路大震災後の孤独死を扱った作品で、冬の神戸で撮影された。共演は西島秀俊と阿部寛。その後、東日本大震災が起こり、原発事故問題などで来日が叶わなかったのだ。震災後の日本の心象風景にも溶け込み、被災者の深い悲しみにも寄り添える稀有な存在感を示していたデボラ。

typist-2.jpg 若手の中でも深い想いを秘めた眼差しが特徴の演技派女優として、シリアスな役が多かった。今年26歳になったデボラが主役を務める『タイピスト!』では、コケティッシュなキャラの中にも、屈折した人生を送る男性への深い愛情を示す辺りは、デボラならではの演技力の賜物といえる。自分のためだけではなく、愛する人のために一所懸命に闘う女の健気さに、きっと手に汗握りながら応援してしまうことでしょう。それは、あなた自身への応援歌にもなっていくはずです。

(河田 真喜子)

 

オールゲスト-550-1.jpg登壇者:(写真前列左から)エルンスト・ウンハウワー(『In the House』)、リュディヴィーヌ・サニエ(『恋のときめき乱気流』)、デボラ・フランソワ(『タイピスト!』)、エレーヌ・ヴァンサン(『母の身終い』)、ジャン=ポール・サロメ(ユニフランス・フィルムズ会長)、ナタリー・バイ(『わたしはロランス』)、カトリーヌ・コルシニ監督(『黒いスーツを着た男』)、ギョーム・ブラック監督(『遭難者/女っ気なし』)、バレリア・サルミエント監督(『ウェリントン将軍~ナポレオンを倒した男~(仮)』)、ジャック・ドワイヨン監督(『アナタの子供』)、
(写真後左から)フランソワ・オゾン監督(『In the House』)、レジス・ロワンサル監督(『タイピスト!』)、フィリップ・ベジア監督/ジャン=フランソア・シヴォディエ(『椿姫ができるまで』)、ステファヌ・ブリゼ監督(『母の身終い』)、ラファエル・ペルソナーズ(『黒いスーツを着た男』)、ルー・ドワイヨン(『アナタの子供』)、ジャン=クリストフ・デッサン監督(『森に生きる少年~カラスの日~』)、マチュー・イボー監督(短編集『からっぽの家』)


 

華やかなフランス映画祭復活!『フランス映画祭2013』オープニングセレモニー
2013年6月21日(金)17:40~有楽町朝日ホールにて

~豪華ゲストを前に歓喜にわいたオープニングセレモニー♪~

ナタリー・バイ.jpg 去年途絶えた団長制を今年は復活させ、フランソワ・トリュフォーやジャン=リュック・ゴダールに愛されたナタリー・バイ(『緑色の部屋』『勝手に逃げろ/人生』)を団長に、デボラ・フランソワ(『ある子供』『譜めくりの女』)やリュディヴィーヌ・サニエ(『スイミング・プール』『8人の女たち』)の若手美人女優に加え、アラン・ドロンの再来と謳われるラファエル・ペルソナーズ(『黒いスーツを着た男』)とエルンスト・ウンハウワー(『In the House』)の若手イケメンが揃い、さらに俳優以上に人気のあるフランソワ・オゾン監督まで登場するという、それはそれは近年にない魅力いっぱいの映画祭らしい豪華さに、有楽町が歓喜にわいたオープニングとなった。


若手3人.jpg 六本木ヒルズで開催されていた頃のようなレッド・カーペットはなかったものの、今のフランス映画界を代表するスターたちがこれほど揃う映画祭が日本で開催されて本当に嬉しい限り。4日間で13本の長編と1短編集(8作品)が上映される。今年は、大阪、京都、福岡でも一部の作品が上映される。やはり円安の影響からか、地味だった昨年に比べ今年はゲストの顔ぶれも豪華で、若い観客が多い。東京では、ゲストのインタビューはパレスホテルで行われ、朝日ホールでは上映とゲストのティーチインが開催される。

 

デボラ・フランソア.jpg 最初挨拶に立ったジャン=ポール・サロメ氏(ユニフランス・フィルムズ会長)は、『レディ・エージェント/第三帝国を滅ぼした女たち』『ルパン』『ルーブルの怪人』などの監督でもある。フランスは映画発祥の国として映画産業に力を入れているだけあって、映画を文化として捉え、人材の育成や保護にも努めている。かつては、政治的、宗教的モラルの検閲が厳しかったらしいが、今では自由な発想と表現力で、作品もバラエティに富み、客層も若返っているのが大きな特徴と言える。作品ごとに驚きと感動がある。そんなフレッシュなフレンチシネマの魅力を体感できるのがフランス映画祭だ。

 

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会長とナタリー・バイ.jpg【ジャン=ポール・サロメ氏(ユニフランス・フィルムズ会長)のご挨拶】
 

 第21回フランス映画祭を開催することができて嬉しく思っております。過去にも監督として数回日本を訪れたことがありますが、この4日間で多様性のあるフランス映画を皆様に発見して頂くことを希望いたします。コメディあり、アニメあり、サスペンスあり、ラブストーリーあり、作家性の強い作品や娯楽作品など、現在のフランスを体現している作品ばかりです。

 

オゾン監督.jpg その多様性をなぜ保てるのかというと、フランスでは文化的映画の保護政策が執られているからです。今まで様々な監督が守ろうとしてきたものを、今ではヨーロッパ全体の監督も努力して文化的映画を守ろうとしているのです。そして、それは監督に限らず、アメリカのプロデューサーも支持していることなのです。映画が終わって、少し考えて頂けるような作品を提供していきたいと思っております。

 

 

 

 

ラファエル・ペルソナ.jpg 去年は海外でも成功を収めた『最強のふたり』『アーティスト』『愛アムール』などがありました。『最強のふたり』は日本でも沢山の方に観て頂けたようです。こうして皆様が劇場に観に来て下さる事が、我々にとっては何よりのプレゼントとなるのです。だからこそ映画を撮り続けられるのです。皆様に心から感謝申し上げます。


(河田 真喜子

senkyo2-s550.jpg『選挙2』想田和弘監督インタビュー
(2013年 日本・アメリカ 2時間29分)
 監督:想田和弘
 出演:山内和彦他
2013年7月6日(土)~シアター・イメージフォーラム、第七藝術劇場、7月20日(土)~神戸アートビレッジセンター、今夏~京都シネマ他順次公開

※第七藝術劇場7/13(土)10:00回 上映後、想田和弘監督 舞台挨拶予定
 公式サイト⇒
http://senkyo2.com/
 (C) 2013 Laboratory X,Inc.


~震災直後の統一地方選挙にみる、選挙制度と日本人の「これから」~

  徹底的などぶ板選挙から、徹底的なアンチどぶ板選挙へ。前作『選挙』(07)で小泉政権の落下傘候補として自民党から出馬した山内和彦さん(通称山さん)が、震災直後の4月1日に公示された川崎市議会選挙に急遽無所属で立候補し、前回とは180度真逆の「お金をかけない」選挙戦を展開した。候補者の中で唯一反原発を明言し、「子どもたちにつけを回さない!」と現在主夫として息子を育てる山さんならではの確固たる信念を、ポスターに大きく掲げた山さん。演説も握手も封印し、日々選挙ポスターが剥がれていないか巡回しながら、古巣の自民党議員やライバル議員たちにもエールを送る。ガチガチの選挙戦とは真逆のゆるい戦いぶりだ。一方、郵便局では選挙2日前にも関わらず最後の最後まで妻とハガキを書き続けたり、1度きりの街頭演説では人気の少ない駅前裏通りながら、防護服姿で反原発を力いっぱい訴える。組織に頼らない“山さん流選挙”が、私には非常に新鮮に映った。

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  『選挙』に引き続き、再び立ち上がった山さんの選挙戦に密着したドキュメンタリー作家想田和弘監督。震災後すぐにもかかわらず粛々と通り一遍の選挙戦が行われる違和感や原発事故すら既に口外しにくい雰囲気となっていることに対する違和感など、震災直後を改めて見直すことで今の日本の問題につながる根源が浮かび上がる。また、本作では『選挙』では撮影に協力的だった保守系議員に撮影を拒否されるハプニングにも見舞われ、取材や言論の自由の解釈についても疑問を投げかけているのだ。
  キャンペーンで来阪した想田和弘監督に、想田流震災映画ともいえる『選挙2』を今提示する意義や、前作と真逆の活動を展開する山さんに密着して実感したこと、現行の選挙制度についてお話を伺った。


―――震災後開催すら危ぶまれた統一地方選挙でしたが、いつ撮影を決めたのですか?
  3月28日に山さん(山内和彦さん)のブログで出馬を知りました。前は自民党から徹底したドブ板選挙で出馬した山さんが、今度はドブ板を全部封印し、前は主張がなかったのに、今度は主張のために出馬するのです。この180度違う選挙は撮らなければと直感し、その場で撮影することを決めました。『peace』上映のため香港映画祭にいたので機材もなかったのですが、東京で急きょ撮影機材を揃えましたよ。

■奇妙なことが起きているのを実感、これは私たち日本人についての映画だ

senkyo2-s1.jpg―――2012年12月衆議院選挙が自民党圧勝でなくても、本作を作っていましたか?
 作っていなかったかもしれませんね。撮影したときにはすごく奇妙なものが撮れている実感があったものの、どう奇妙なのか分からず、編集するにも手の付けようがありませんでした。ところが2012年12月に行われた衆議院選挙の結果が、予想していたとはいえ自民党圧勝と出たとき、相当ショックを受けました。それは奇妙な結果だからです。原発事故が起きたのに、原発を推進していた自民党が圧勝したというのは、かなり難しい方程式ですよね。映画を撮る定石でいえば、原発事故が起き、それを推進している政党が選挙に負けたというシナリオは書けますが、逆は普通書けません。でも現実にはそれが起こっているわけです。

―――今回山内さんはいわゆる選挙活動らしいことはほとんどしていませんが、なぜ撮り続けたのですか?
 もし僕が観察映画ということを提唱していなければ、映画にならないと判断して撮影をやめています。しかし僕の場合は「観察映画とは目の前の現実をよく見て、それを映画にするのだから、映画にならないものはない」と言っているので、撮り続けました。いくら何もしない山さんでも、何かしらの活動はしていて、それをよく見ていけば映画になるのです。山さんが主人公ですが、僕は究極の主人公は私たち日本人であり、私たちについての映画だと思っています。

■インディペンデントで闘っても当選できる、選挙制度の“隙間”

―――かなり厳しい選挙戦でしたが、山内さんは最後まで望みは捨てていなかったのでしょうか?
senkyo2-2.jpg 山さんは当選するつもりでいましたし、身近で見ているとやりようによっては当選するのではないかと思わせられました。実際、山さんの選挙区でトップ当選したみんなの党の竹田さんは前作の『選挙』をご覧になって、「ああいうドブ板選挙はやってはダメだ」と思ったそうです。竹田さんは今回選挙カーやお金を使わず、また組織に頼らず、山さんよりも少ない予算で選挙戦を行ったのです。選挙制度はなかなか変わらないと思いますが、選挙制度にも隙間があるということが今回の映画で一つ分かりました。つまり、選挙といえば選挙カーを走らせ、お金や組織を使ってやらなければ勝てないのが常識で、実際そういう選挙制度になっています。でも実はお金をかけずにインディペンデントで闘っても当選しうるのです。

■「表現の自由」を放棄しないために必要なのは、憲法第12条「不断の努力」

―――保守系の持田さんや浅野さんから強固に撮影拒否をされるシーンをあえて使っていますが、その意図は?
senkyo2-s2.jpg 撮影拒否されることを想定していなかったので驚きました。選挙は一番取材拒否をしてはいけないものの最高峰にあるものです。山さんがいみじくも「公的なものではなく、私的なものだと思っているんじゃない」と言っていましたが、選挙運動は我々の代表を選ぶための公な活動なので、所有権は誰も主張できないはずなのです。

 折しも今憲法の問題が持ち上がっていますが、自民党の憲法案はこの第21条を骨抜きにしようとしています。つまり第二項を付け加えて、「公益及び公の秩序を害するような目的で行われた表現の自由は認めない」ということが書かれており、いくらでも恣意的に解釈できる文章なのです。表現の自由を制限しかねないことが強行されるかもしれない今、僕自身が自主規制して撮影したものを使わないということは、自分から表現の自由を放棄するようなものです。これはやはり出すしかないと思いました。憲法を改めて読むと、第12条で「このような国民の権利は不断の努力によって保持されなければならない」と書いてあります。この「不断の努力」という言葉が初めて自分の中でピンときました。今回のような局面でひるまないということが「不断の努力」です。ここで引き下がってしまうと、事実上表現の自由がなくなってしまいます。

―――『選挙』に続く2作目で、被写体が想田監督に話しかける場面も度々見られました。観察映画を提唱している想田監督としては、どういう考えで撮影されましたか?
 senkyo2-3.jpg 『精神』のときは、精神科の患者さんにカメラを向けましたが、「僕がいないようにふるまってくれ」といっても、どんどん話しかけてきました。それに対して僕が応答するやりとりの中から、面白いことが起きたのです。それを映画に残すとき「観察といっても、これは”参与観察”だ」と理論化しました。参与観察は文化人類学でよく使われる言葉ですが、観察者も含めた世界を観察するということです。観察映画とは参与観察であるとそこで理論化していたので、『選挙2』を撮るときは絶対参与観察になるだろうと予想していました。本当なら黒子になりたいところですが、なれないことは最初から分かっていたので、それを素直に出していった格好ですね。実際キャメラを向けた時、前作『選挙』ありきで皆さん反応されるし、山さんの妻さゆりさんですら、「私がラーメンを食べているときは、そっちから撮らないで」とアングルを指定してくるんです。長男の悠喜くんも「あっ、『選挙』撮った人!」と、みんな僕のことを意識しているので、もうしょうがないですね。

■主夫ライター山さんだから獲得できた「おばちゃん目線」と「反原発」への実感

―――山内さんは主夫として子育てをしてきたからこそ、原発事故のことを議論もしないような政治に危機感を覚えたのでしょうか?
 senkyo2-4.jpg 山さんは主夫になることで、おばちゃん目線を獲得したのでしょう。あとは子育てをした者ならではの実感を持てたのも大きいですね。例えば自分の子どもを戦争に行かせたい人はいないと思います。その実感を大事にすると戦争は起きようがない。ではなぜ戦争が起きるかというと、男の概念で戦争が語られ、理屈の世界で安全保障や集団的自衛権という話になってしまうからです。逆に子どもたちを戦争に行かせないためにどうすればいいかと本来は考えるべきで、順序が逆です。理屈が先にあって、そのために何かをやろうとすると実感は常に犠牲にされます。原発も放射能汚染は嫌だし、子どもに浴びせたくないと誰でも思っている訳で、その実感を大事にすれば原発を止めることになるはずです。でも物事は大体逆で、「いや経済が」とか、「エネルギー安全保障が」などの理屈が先にあるので、原発を動かす方向になってしまうのです。山さんはおばちゃん目線を持ち、息子に放射能を浴びてほしくないから、選挙にまで出馬したのでしょう。その実感を大事にして行動に移したのはすごいことだと僕は思います。

■震災から2年経ったから出てきた文脈がある

―――想田監督にとっての震災映画となりましたが、別のタイプの震災映画を撮ろうとは思わなかったのですか?
 震災映画は、作るとしても時間を置いてからと思っていました。震災という現象に対する反応だけで撮ってしまうことに対する警戒心がありましたね。結果的にはこの映画も震災の現象そのものより、それを日本人がどう受け止め、どう受け止めなかったかということに目線が向いていきました。震災から2年経ったからこういう作品になりましたが、震災直後だったらこのような編集はしなかったでしょう。ドキュメンタリーは過去を現在の視点から解釈する作業です。撮影した時は使い道が分からないようなものでも、後で文脈が出てくるのです。


 選挙のあり方だけでなく、憲法が保障する表現の自由の意味を想田監督自身の実体験から学ばせていただき、意義深く、そして笑いの絶えないインタビューとなった。2012年12月の衆議院選挙で自民党が圧勝して以降、改憲について、その危険性やなぜ必要なのか十分な議論が行われないまま7月の参議院選挙を迎えようとしている。この非常事態に待ったを叩きつけるかのようなタイミングで公開される『選挙2』から、我々は今立ち向かわなければならない大きな問題を再認識することだろう。そして、家族と過ごす個人としての実感を政治に全力投入しようとした山さんの行動は、有権者のことは二の次で他人事のように思える「選挙」を身近なものに感じさせてくれた。(江口 由美)

GIjo-f550.jpgイ・ビョンホン 福岡最強チーム隊長に任命!『G.I.ジョー バック2リベンジ』

4大都市ツアー最終地・福岡ジョー陸
「また来るけん!!」  ファン1000人大興奮!


GIjo-f1.jpg 公開に先駆け、監督を務めたジョン・M・チュウ(33歳)と前作に続き悪の組織〝コブラ〟の冷酷な暗殺者・ストームシャドーを演じるイ・ビョンホン(42歳)が、本作を引っ提げ日本にジョー陸!!  27日月曜日に東京都内で行われたジャパンプレミアに続き、全国4大都市(東京を含む、名古屋、大阪、福岡)を巡る大規模キャンペーンの最終地・福岡についにジョー陸。TOHOシネマズ 天神 ソラリア館で初となるレッドカーペット・セレモニーならびに舞台挨拶を行った。

 大阪城を席巻したジョン・M・チュウ監督とイ・ビョンホンがいよいよ福岡に登場。4大都市を巡ったジャパンツアーの最後とあって、イベント前からファンの熱気は高まるばかり。また、TOHOシネマズ 天神 ソラリア館で初めての実施となるレッドカーペット・セレモニーにはファンのみならず、九州中から多くのマスコミが集結。世界中で爆発的大ヒットを記録している本作の監督とハリウッドスター、イ・ビョンホンの来福イベントに期待感はMAX。そして、ついに監督とイ・ビョンホンがファンの前に姿を現すと、会場内は拍手と歓声に包まれ、熱烈歓迎ぶりにゲストも感激。

ジョン・M・チュウ監督とイ・ビョンホンが福岡の最強チームの仲間入り!?

GIjo-f3.jpg レッドカーペット・セレモニーの後、監督とイ・ビョンホンは舞台挨拶に登壇。満席のファンを前に「世界各国まわってきましたが、最後の地・福岡に遂に来ることができました」と挨拶をし、早速会場内を沸かせた。会場が盛り上がって来たところで、福岡を代表するサプライズゲスト、高島宗一郎福岡市長が登場。アジアの玄関口・福岡の代表として歓迎の意を表した。そして、市長から福岡を諸悪から守る最強のチーム≪NCC≫(No Crime in Chuo)が誕生したことが発表され、青栁勝喜(あおやぎかつき)福岡中央警察署長率いるNCCのメンバーが登場。青栁署長より監督とイ・ビョンホンそれぞれにNCC名誉隊長の任命書が手渡され、固い握手で結束を深めた。    

 

 最後にイ・ビョンホンが「また来るけん!」と博多弁で福岡のファンとの再会の約束をすると、会場からは「待っとうよ!」との大声援が送られ、ファンのボルテージは最高潮へ。熱気が冷めやらない中、監督とイ・ビョンホンは客席の間を通りながら、会場を後にした。


 

5月31日(金)  19:45~20:00 【ジャパンツアーin 福岡 特別上映会舞台挨拶】
会場:TOHOシネマズ天神 ソラリア館 
登壇者:ジョン・M・チュウ監督、イ・ビョンホン、高島宗一郎福岡市長、青栁勝喜福岡中央警察署長、NCCメンバー

 


――― ご挨拶
イ・ビョンホン:再び福岡に戻ってこられて嬉しい。最初から最後まで激しいアクション、隣の人を気にせずたまったストレス発散してください。
ジョン・M・チュウ監督:素晴らしい街に来れてうれしい。私の初のアクション映画を皆さんにたっぷり楽しんでもらいたい。

――― アクションシーンが多くありましたが、トレーニングで大変だったことは?
イ・ビョンホン:今作は、復讐するためにパワーアップしたストームシャドーをみせたかった。鳥肉を味付けなしで食べ続けたのが大変だった。皆さんにはお勧めしません(笑)

――― 世界で大ヒットしましたが、一番作品を作るうえで注力したことは?
監督:アクションを体感してもらえる映画を作りたかった。ブルース、ロック、ビョンホン、素晴らしいキャストが集結し、アトラクションにのるようなクレイジーな3D映画ができました。ビョンホンの腹筋も3Dで触れることができるよ(笑)

――― 会場の皆様へのメッセージ
イ・ビョンホン:名誉会長に任命してくれてありがとう。世界を周ってきましたが、こんな風に周ったのは日本だけです。今日の舞台挨拶が日本の最後の舞台挨拶。ここ福岡でみなさんにお会いできたのは本当に意義がありました。「また来るけん!!」

6月7日(金)より先行公開!(一部の劇場を除く)

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イ・ビョンホンが大阪ジョーを制圧!!『G.I.ジョーバック2リベンジ』大阪城スペシャルイベント

大阪城天守閣とファン1000人が青色に染まる!

「世界一熱い大阪のファンのみなさん、おおきに!!」

世界最強の刺客イ・ビョンホンが大阪ジョーを制圧!!

 

【大阪城イベント】

2013年5月29日(水)18:30~20:00 大阪城天守閣にて
登壇者:イ・ビョンホン、ジョン・M・チュウ監督、月亭八光(つきていはちみつ)

<取材来場>スチール30台、ムービー20台、記者・マスコミ関係合計100名/集まったファンの人数1000人(応募総数12000通)


 

  『G.I.ジョーバック2リベンジ』が、6月7日(金)よりついに全国で先行公開致します!

GIjo-o1.jpg公開に先駆け、前作に続き悪の組織〝コブラ〟の冷酷な暗殺者・ストームシャドーを演じるイ・ビョンホン(42歳)と監督を務めたジョン・M・チュウ(33歳)が、本作を引っ提げ日本にジョー陸!! 27日月曜日に東京都内で行われたジャパンプレミアに続き、全国4大都市(東京を含む、名古屋、大阪、福岡)を巡る大規模キャンペーンの一環として、ついに大阪にもジョー陸!悪の組織〝コブラ〟のイメージカラーでもあるブルーカーペットをひいてのセレモニー、特設ステージでは忍者が入り乱れてのアクション演出など、ハリウッド超大作に相応しいプレミアイベントが、大阪のシンボル大阪城天守閣前で行われました。

 この日、お昼過ぎに名古屋での舞台挨拶で大村愛知県知事との共演を果たしたイ・ビョンホンとジョン・M・チュウ監督は、イベント後すぐに直線距離で約130kmの移動をして大阪入り。大阪城の天守閣前では史上初めてハリウッド映画のイベント実施という事もあり、応募総数12000通の中から選ばれたファン1000名が集まり、関西ならではの熱気が会場を包んだ。
 

GIjo-o3.jpg ブルーカーペット上に登場したイ・ビョンホンは、都内で行われたジャパンプレミアとは打って変わってベージュのジャケットにタイトなデニムというラフなスタイルで登場し、早朝から待ちわびたファンからは大きな歓喜の声が。サインや写真撮影に丁寧に応じるイ・ビョンホン、ジョン・M・チュウ監督のファンサービス、さらにド派手な忍者演出に会場のボルテージは急上昇。そんな熱気を帯びた会場の特設ステージで舞台挨拶がスタートし、集まった大阪のファンへの印象を聞かれるとイ・ビョンホンと監督は「日本で最も情熱的なファンのいるところ」と答え、熱狂的なファンの熱い歓迎に感動した様子。

大阪城天守閣と、ファン1000人が"青一色"に!!

GIjo-o8.jpg そしてフォトセッション時には謎の“コブラ”スイッチが登場。会場に集まったファンが一斉に青色のペンライトを振り、「ジー!アイ!ジョー!」の掛け声と共にイ・ビョンホンがスイッチを入れると、大阪城がなんとコブラカラーの青色にライトアップされ、<大阪城が大阪ジョー>になった。壮大なその姿にはイ・ビョンホン、ジョン・M・チュウ監督共に驚きの表情を浮かべた。
 

GIjo-o2.jpg さらに先ほどド派手なアクションを披露したスネークアイズがステージに登場。しかし何か違和感が…歩き方もたどたどしく、背も小さい気が?おもむろにそのマスクを外すと、なんと前作からの大ファンで、関西を中心に活躍する月亭八光が。「イ・ビョンホンさん、こんばんは。握手させてもらってもいいですかぁ。」と突然イ・ビョンホンへ近づき、いよいよイ・ビョンホンと握手を行おうかと言うときには会場から大爆笑と悲鳴が起こった。

 大阪らしい演出が飛び出した今回のイベントでは「休むまもなくアクションが続き、スカっと出来る事間違いなし。この夏、大阪のように最も熱い作品です。」と魅力を熱く語って締めくくり、大きな拍手の中で幕を閉じた。


 

GIjo-o4.jpg――― 大阪の街や大阪のお客さんの印象は?
イ・ビョンホン:大阪、おおきに!(日本語で) 何度来ても情熱的な大阪のファンにあえてうれしいです。良い意味でクレイジーな大阪のみなさんが大好きです。
監督:イ・ビョンホンから世界で一番熱いファンのいるところと聞いていたので、そのファンの前にこうして来れて最高だよ。

――― お二人のお気に入りのシーンはどこでしょうか?
イ・ビョンホン:クールで謎めいたストームシャドーのキャラクターが解き明かされます。彼の内に潜む怒りや苦悩などバックストーリーが描かれているから、そこが一番のおすすめだよ。ぜひ楽しんでほしいよ。
監督:ヒマラヤの山腹で忍者が飛び交うシーンだね。しかも3Dだから迫力がすごいんだ。イ・ビョンホンの腹筋が触れるくらい飛び出すからお楽しみに!

――― 日本の皆様へのメッセージをお聞かせください。
イ・ビョンホン:G.I.ジョー バック2リベンジはアクション超大作です。怒濤のアクションに休む暇もありません。そして、熱い夏を吹き飛ばすような爆発や破壊なども随所にちりばめられています。大阪のファンのように熱い作品です。ぜひ劇場で会いましょう。

2013年6月7日(金)より、TOHOシネマズ梅田他にて先行公開!(一部の劇場を除く)

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【作品情報】

G.I.ジョーバック2リベンジ

(原題:G.I. Joe: Retaliation)
(2013年 アメリカ 1時間51分)

監督:ジョン・M・チュウ
出演:ブルース・ウィリス、ドウェイン・ジョンソン、イ・ビョンホン、チャニング・テイタム、レイ・パーク、エイドリアンヌ・パリッキ、D.J.コトローナ

2013年6月7日(金)TOHOシネマズ梅田、TOHOシネマズなんば にて先行上映、6月8日(土)~全国ロードショー

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★公式サイト⇒ http://www.gi-j.jp/

(C)2013 Paramount Pictures. All Rights Reserved. Hasbro and its logo, G.I. JOE and all related characters are Trademarks of Hasbro and used with permission. All Rights Reserved.

    


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(撮影:河田 真喜子)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

GIjo-b550.jpgイ・ビョンホン、日本のインテリアに興味津々!『G.I.ジョー  バック2リベンジ』舞台挨拶

~イ・ビョンホン、ファンの熱烈声援にエネルギー充電!~

(2013年5月29日(水)TOHOシネマズ梅田にて)

ゲスト:イ・ビョンホン(42)、ジョン・M・チュウ監督(33)

 

(原題:G.I. Joe: Retaliation)
(2013年 アメリカ 1時間51分)

監督:ジョン・M・チュウ
出演:ブルース・ウィリス、ドウェイン・ジョンソン、イ・ビョンホン、チャニング・テイタム、レイ・パーク、エイドリアンヌ・パリッキ、D.J.コトローナ

2013年6月7日(金)TOHOシネマズ梅田、TOHOシネマズなんば にて先行上映、6月8日(土)~全国ロードショー

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GIjo-b1.jpg 例年より早い梅雨入りとなった日本列島に、爽やかな風を吹き込む『G.I.ジョー  バック2リベンジ』出演のイ・ビョンホン(42)とジョン・M・チュウ監督(33)の来日キャンペーン。東京、名古屋に続き、大阪でのイベントに登場。夕方、「大阪城、GIジョー」とダジャレに乗じた大阪城でのイベントの後、梅田の映画館での舞台挨拶が行われた。ゲストのお二人は勿論、取材陣もファンの皆さんも大阪城から梅田へ大移動。10分遅れの登壇となったが、会場のお客様は熱狂的に大歓迎♪  さすが、イ・ビョンホンの人気は桁外れだ。


 

GIjo-b4.jpg――― 最初のご挨拶
監督:皆さんお越し下さいましてありがとうございます。大阪の皆さんに映画を見て頂けてとても興奮しております。皆さん大きな声を出して喜んでおられますが、お水を沢山飲んで下さいね。とても面白い作品ですので、どうぞお楽しみ下さい。
ビョンホン: 「おおきに、大阪の皆さん!」大阪の皆さんにお会いするのは約2年ぶりくらいですね。やはり大阪の皆さんは今でも情熱的ですね(笑)。ちょっとだけ気持ちが沈んで疲れていたのですが、皆さんにお会いしてまたエネルギーが充電できたような気がします。本当に熱い声援をありがとうございます。
 

GIjo-b2.jpg――― 「おおきに」という日本語はどなたから習いましたか?
ビョンホン:以前、大阪のファンの皆様とお会いする機会があったのですが、その時にスタッフから教えてもらいました。

――― 嬉しいですね~。さて、この映画のお気に入りのシーンは?
ビョンホン:私が忍者の役で出ているから言う訳ではありませんが、本当に圧巻のシーンですので紹介したいと思います。それは、ヒマラヤ山脈を背景に多くの忍者が岩壁でロープを使って戦うシーンです。是非3Dで見られるのをお勧めいたします。この映画の原作は数十年間多くのファンに愛されてきた漫画なんですが、多くのキャラクターが登場して、それぞれ戦い方が違うんです。そのアクションを比べながらご覧になると、より楽しめると思います。
 

GIjo-b3.jpg――― スティーブン・ソマーズ監督からバトンを引き継いでプレッシャーもあったと思いますが、特に気を遣った点やこだわった点は?
監督:この仕事を頂いた時、母が喜んでくれるかと思い伝えた処、母はただただイ・ビョンホンさんに会えることに興奮していました(笑)。今回本当に楽しい経験をさせて頂いたのですが、クレイジーな凄い作品になっています。またイ・ビョンホンさんからも多くのことを学びました。彼の素晴らしい演技によるストームシャドーをお楽しみ下さい。
 

 

GIjo-bb1.jpg――― 日本の印象は?東京とか京都とか大阪とか観光する時間はありますか?
ビョンホン:なかなかプライベートな時間は持てませんが、それでもいいレストランやバーなどへ行く事ができました。私は元々インテリアに興味がありまして、日本に来ると綺麗なインテリアを見る事ができるので、どこに行っても、まずインテリアに注目して一所懸命見てしまいます。

――― 大阪で食べた中でお気に入りの物とか、行ってみたい所とかは?
ビョンホン:大阪では美味しい物を食べに行く時間がないので、いつもお好み焼きやたこ焼を食べています。時間があればお好み焼きやたこ焼き以外の美味しい物を食べに行きたいと思います。

――― ファンの皆さんも教えてあげて下さいね。(客席から、「串カツ!」の声があがる。)
ビョンホン: 「串カツ」?(笑)

――― 新世界とイ・ビョンホンさんは似合いますかね?(客席から微妙な反応…) さて、監督から「ここは見逃さないでほしい!」という処がありましたら教えて下さい。
監督:戦車で格闘するシーンや、ブルース・ウィリスさんやドウェイン・ジョンソンさん、イ・ビョンホンさんなどが登場するシーンなどです。特に、皆さんにはイ・ビョンホンさんの鍛え上げた素晴らしい肉体を見て欲しいですね。今回は3Dなので、6(シックス)パックが3倍の18パックになるのではと思われます(笑)。さらに、3Dですから、アクションに対し、除けながら見て下さいね(笑)。

――― 冒頭のシーンから、イ・ビョンホンさんが真っ白な衣装をパッと脱ぐシーンがありますのでお楽しみに。
(観客:興奮気味に「え~!!!」)

……(イ・ビョンホンと監督がバックパネルにサインを書く。)……

GIjo-bb3.jpg――― イ・ビョンホンさんから最後のご挨拶を。
ビョンホン:今日はお忙しい中お越し下さいまして、本当にありがとうございました。短い時間でしかご挨拶できずに残念です。でも、こうして来て頂いた以上は映画をご覧頂きたいです。今度いつ大阪に来られるか分かりませんが、出来るだけ早く大阪に来る時間を作りたいと思います。この映画は壮大なアクションでエキサイトできる映画ですので、どうか周りの男性の方にもオススメ頂きたいと思います。どうか楽しんでご覧下さい。ありがとうございました。
 


 

GIjo-bb2.jpg 大阪城での1時間半に及んだイベントに続いて梅田の映画館での舞台挨拶。確かに、大阪城でのイベント後半では少々お疲れ気味のイ・ビョンホンさん。映画館でのファンの熱狂的な「ビョンホンシー!!!」コールにエネルギーをもらったようで、いつものキラースマイルが戻っていた。ビョンホンファンの絶叫に近い歓声に、チュウ監督もびっくりして興奮気味。帰り際、ファンから差し出されたビョンホンうちわを監督が手に取り、「どうしてボクに?」と不思議そうな表情で会場を後にしていた。

(河田 真喜子

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『旅立ちの島唄 ~十五の春~』吉田康弘監督インタビュー
 

(2013年 日本 1時間54分)

監督・脚本:吉田康弘
出演:三吉彩花、大竹しのぶ、小林薫

2013年5月25日(土)~梅田ガーデンシネマ、神戸国際松竹、6月22日(土)~京都シネマ

公式サイト⇒  http://www.bitters.co.jp/shimauta/

(C)2012「旅立ちの島唄~十五の春~」製作委員会


 

~親が子を思い、子が親を思う気持ちが凝縮~


simauta-2.jpg 沖縄本島から東へ360キロ、那覇から飛行機で約1時間、船で13時間かかる南大東島。人口約1300人の島には高校がない。15の春を迎えた子ども達は、皆、家族と離れ、旅立たなければならない。“ボロジノ娘”は、島に実在する少女民謡グループ。毎年3月4日にボロジノコンサートが行われるが、中学を卒業する娘たちは、島の人達を前に「アバヨーイ(八丈島の方言で“さようなら”の意。卒業の春に父母へ贈る感謝の島唄)」という別れの唄を歌いきって、島を出ていく。主人公仲里優奈はボロジノ娘のメンバーの一人。島でさとうきび畑を営む父、優奈の姉や兄の高校進学とともに那覇に行ったまま島に帰ってこない母。15の春を迎えるまで1年間の優奈の成長を、父と娘の関係を軸に、家族の姿とともに描いていく珠玉の人間ドラマ。公開を前にキャンペーンで来阪した吉田監督からお話をうかがった。

 


 

◆映画づくりのきっかけ

simauta-s1.jpgQ:南大東島を舞台にした映画をつくることになったきっかけは?
A:プロデューサーから、南大東島のドキュメンタリー番組を観てほしいと言われ、観てみると、とても興味深く、番組の最後のコンサートで、女の子が島唄「アバヨーイ」を歌い、両親や島の人達がじっと聴いている場面があり、これは映画にできる題材だと思いました。言葉で説明しなくても伝わる、いいシーンがみえてきて、映画になるなと思い、自分で脚本を書きました。

◆主演の三吉彩花さんについて

Q:主人公の仲里優奈に三吉さんをキャスティングしたのは?
A:島の女の子ということで、繊細でナイーブな子、いまどきの子というよりは奥ゆかしく、内に秘めたタイプにしたいと思っていました。三吉さんは自分の内なる世界をきちんと持っていて、たたずまいといい、ぴったりでした。彼女が15歳の春になる瞬間の、今しかできない芝居を映したいと思い、撮影時期も、実際に彼女が中学を卒業したばかりの2012年GWになりました。

Q:ラストで島唄「アバヨーイ」を歌っている三吉さんの美しさは輝くようでした。いろんな経験を重ね、1年でどんどん美しくなっていきますが、その魅力はどうやって引き出されたのですか?
A:三吉さん自身が初めて主役をやるというプレッシャーを乗り越えていく過程と、主人公の優奈が成長していく過程がリンクしたと思います。「アバヨーイ」という唄に向き合うことがそのまま彼女にとっては役に向き合うことだったので、歌いきった時には、ひとつ壁を乗り越えたと思います。本人は、このシーンにすごくプレッシャーを感じていたようで、途中で悔し泣きをした時もあり、僕達も最後まで歌えるかなと思ったこともありましたが、十五歳なりに女優魂を発揮して、頑張ってくれました。三線(さんしん。沖縄の撥弦楽器。三味線。)も演奏して、あの独特な節回しの島唄もしっかり最後まで歌ってくれて、たいしたものだと思いました。

Q:「アバヨーイ」は一曲分丸ごと映像を使っていますね。
A:撮影の時は、1曲全部使うかどうか決めていませんでした。でも編集の時に、これは途中で切れないなと、島唄は歌詞が非常に意味深くて、一部だけを選択することはできず、全部使いました。

◆ベテラン俳優の小林薫さん、大竹しのぶさんについて

simauta-3.jpgQ:優奈の両親を演じた小林さんと大竹さんのキャスティングは?
A:小林さん、大竹さんとも、シナリオを書く前から想定していました。二人に出演を断られたら、企画自体を潔く諦めるくらいの覚悟で、シナリオがラブレターになればいいなと思って書きました。大竹さんとは前作の『キトキト!』(07年)に主演してもらいましたし、シナリオさえよければきっと出演してくれるというプロデューサーの言葉を信じて、シナリオを持って行って、感想を聞かせてくださいとお願いに行きました。

今回、僕達は、できるだけドキュメンタリーに近い、人間が匂い立つような、日々の暮らしを見つめる映画にしたいと考えていました。オーバーな表現のセリフは削除していこうという方針でやっていたのですが、役者さん向けについ見せ場を用意してしまっていて、そういうところをもっとそぎ落とせるんじゃないかと小林さんから指摘していただいたりして、僕達が目指すものをさらに背中を押してくれるような前向きなご意見をいただき、一緒に父親像をつくっていった感じです。

◆映画のテーマ「家族」について

Q:監督の前作『キトキト!』では母と息子、今回は父と娘です。監督にとって、家族は大きなテーマなのですか?
A:自分の手に届く範囲の題材として、家族というのは身近です。背伸びしたものをつくるよりは、自分が表現できるものということで、家族をテーマにした映画がたまたま続きました。今回、父と娘にしたのは、母と娘なら、母は娘に触れることができます。たとえば髪の毛を触ったり、言葉も交わしやすい。でも15歳という年頃の娘を持った父親は、娘とも距離ができ、気安く触ることもできません。そういう“言葉ではないもの”を切り取りたいと考え、父と娘の話になりました。

Q:父が娘を黙って見ているシーンが多く、心に迫ってきました。
A:言葉をできるだけ少なくして、目線とか表情で伝えることを、小林さんと一緒に模索していきました。作劇におちいらないよう、そこに父親が存在しているということを、表現できるよう徹しました。

simauta-s2.jpgQ:小林さんが、この映画について、父と娘、現代場小津安二郎を観ている気持ちになったとパンフレットでコメントされていますね。
A:全く意識していたわけではありません。でも、離島で生きている家族の姿は、家族の原点というか、今、忘れかけている家族の何かを感じさせることが多いとわかってきました。離島には、“別れ”という通過儀礼があるからこそ、相手への思いやりが極まる瞬間があります。今回、そういう家族の絆の純粋性、親と子が互いを思いやるということを題材に、描くことができました。それがたまたま、かつて日本の家族を撮った当時の映画の匂いに近かったのではないかと思います。家族への思いは、何かきっかけがないとなかなか芽生えません。今の日本でテーマにしづらいのは、今の家族にそういう場面がなくなってきているからかもしれません。

Q:大竹しのぶさんは出番が少なかったですが、母親として存在感がありました。
A:島を出たまま帰ってこれなくなった人達もいて、そういう島のネガティブな側面、「島の宿命」もきちんと描きたかったので、大竹さん演じる母親に体現してもらいました。映画の中では直接描かれてはいませんが、母親がこれまでに背負ってきた時間の流れというものも踏まえて演技していただき、難しい芝居で、大竹さんしかできる人はいないと思いました。

◆映画のもう一つのテーマ「距離感」について

Q:「距離」というのは?
A:高校生の子ども達がいる沖縄本島と、両親が暮らす島とは360キロ離れています。離島はまわりが海なので、さらに距離を感じると思います。でも、子どもが島を出て行ったことによって、逆に、親子の心理的な距離は近づいたと感じる家族もいます。毎朝、子どもにモーニングコールをしたり、なんでもない時に電話をかけて声を聞いたりしているのです。かたや、家の中にいて毎日顔をあわせても、なんだか距離のある親子、家族もあります。物理的な距離と、気持ちの上での距離とは、必ずしもイコールにはならないと思い直しました。この映画がそういう家族のあり方を見つめ直すきっかけになればいいと思います。

Q:優奈と初恋の少年とが少し距離を置いて向き合って挨拶する姿を、引いた画でとらえたショットが印象的でした。
A:あの距離感ですね。シネスコサイズの画面の端と端に人を立たせて、最初に出会った時の二人にはこんな距離感があるということを表現する意味で、そういう構図にしました。この構図のショットは、他にも何度も入れていて、姉が帰ってしまい、父と娘が台所に立っている時も、二人を画面の両端に立たせています。この映画のもう一つのテーマは“距離”です。だから、そういう構図は、意識的に使うようにしました。

◆島の風景について

Q:日本の昔の田舎の風景を観ているような感じがしました。
A:南大東島のパノラマ観をスクリーンで表現するために、できるだけ引きの絵、広い絵を見せていこうと思い、劇場で観た時に、わっと広がる感じを出したくて、シネスコサイズにしています。画面の半分は空、半分はさとうきび畑みたいなパノラマ観をできるだけ出したいと思いました。

Q:海をバックに優奈が三線を弾いている場面は、いろいろなことが煮詰まってきて初めて、優奈と海が一緒に映っているという感じがしました。
A:南大東島は地形がすり鉢状になっているので、島のまん中にいると海が見えません。どこまでも大地が続いているような錯覚がして、北海道にいるように見えます。でも、海側にいくと、北大東島は見えますが、それ以外は360度、海ばかりです。本土の沖縄と遠く離れていることを実感します。優奈が海に向かって一人で三線を弾きながら歌うシーンは、彼女がこの島を出て行くことを、卒業コンサートの直前になって、あらためて強く意識し出した頃と考えて、撮った場面です。

Q:本土の緑とは色が違うと思いましたが、島の風景は、実際にその季節に撮ったのですか?
A:南大東島は二毛作をやっているので、さとうきびの生長の違いで、一年を表現することができました。さとうきびが生い茂って高くなっている畑と、植えたばかりの丈が低い畑と、使い分けています。農家の方にお願いして、畑の一角を刈りとらずに、映画撮影のGWまで待ってもらいました。収穫時期は1月から3月初旬頃までで、早朝とともに仕事を始め日暮れた後まで、集中的に一気に刈ります。雨が降らない日はすごく忙しいです。

◆島の人達の協力について~島全体が“撮影所”~

simauta-s3.jpgQ:2週間で撮影されたというわりに、一年間がとても丁寧に描かれていて、驚きました。
A:南大東島に渡ってから、ロケ自体は2週間、那覇でもロケは5日間ほどやっています。大事なのは準備です。撮影が始まるまで、島の人達と何度もコミュニケーションを重ね、お酒も飲み交わし、一緒に映画をつくってくださいとお願いして、撮影にのぞみました。島の人達には、相当の負担をかけたと思います。

僕だけでなくプロデューサーや製作の人達も、撮影が始まる1か月前から島に住み始め、下準備をしました。僕も何度も取材を兼ねて、島にはできるだけ通わせてもらいましたが、やはり東京から来た人間ということで、最初は警戒されて、打ち解けるまでに時間がかかりました。でも、いざ味方になってくれたら、本当に心強い人達で、島の人達がいなかったら映画なんてつくれないと思いました。島全体が“ひとつの撮影所”みたいな感じでした。エキストラが急に要るとか、急に雨が降ったから家の中に入ると、その家の人も協力してくれたり、急に晴れたから屋外のシーンを撮ることになったら、エキストラの方々をもう一度電話で呼び集めてくれたり、村営放送で、予定を変更して何時から何番のシーンを撮影しますと流して、皆を集めてくれたりもしました(笑)。

Q:島を出て行く子ども達の乗った船を見送るシーンとか、島の人達に臨場感がありました。
A:毎年、島の人達が経験している場面ですから、皆よくやってくれました。島の婦人会や青年会といった人達にはできるだけシナリオをお渡しして、エキストラという扱いではなく、出演者、スタッフという考え方で接しました。島のエキストラの方々にしても、ただ座っているだけでなく、絶対何かやってくれます。というのも、映画で描いていることは、島の人達自身が経験したことのある場面ばかりだからです。実際に子ども達を見送ったことがある親御さん達は、子ども達が乗った船を見送るシーンでは本当に涙を流していました。今どういう場面を撮っているか、できるだけ説明して、ただ意味もなく座っている人は一人もいないよう、皆、主人公の仲里優奈の15年間を知っている島の人という設定ですから、島の人たちも自ら乗って演じてもらえるよう、できるだけ細かくシーンの説明をしました。撮影現場では気付けませんでしたが、編集の時になって、島の人達のいい表情にたくさん気付かされ、「このおばあ、こんな顔してたんだ」とか、「このおじい、こんなしみじみしたいい顔してくれてるな」というのがいっぱいあって、島で撮った甲斐があったと感じ入りました。

Q:島の方言そのままだと、観客にはわかりにくいですが、あえて字幕はつけなかったんですね。
A:島の方言をどこまでやるのか、字幕をつけるかつけないか、という問題は、最初にありましたが、わからなくても大丈夫、伝わるはずという自信過剰なところがあって(笑)僕は、字幕は要らないという考えです。

南大東島は、東京の八丈島からきた人達が開拓した島です。だから八丈の言葉が残っていて、それは、沖縄の人達もわかりません。島で普段しゃべっている言葉は沖縄の言葉ですが、南大東島ならではの単語が少し残っていて、そういう言葉は島唄に取り込まれて残っています。

◆「十九の春」について

Q:優奈が失恋に近いかたちで島に帰ってきたところに「十九の春」という歌が流れますね。
A:映画の副題は『十五の春』なので、「十九の春」という歌とも何かリンクするものがあり、観客の皆さんもきっとこの歌を思い浮かべるかなと思い、それならいっそこの歌を使おうということになりました。歌詞もわりと場面にリンクしていて、シナリオ段階から入れていました。「十九の春」は、元々女性と男性のデュエットの返し歌で、映画では、女性が歌う部分の歌詞しか使っていません。

Q:優奈が失恋して家に帰ってきて、お風呂に入るというのは監督の思いつきですか?
A:お風呂に入って、手の傷が水にしみて、「あぁ終わったんだな。もううまくいかないんだ、私達」と、優奈があらためて思う場面をつくりたかったんです。沖縄では、お風呂に湯をはって湯船に浸かることは滅多になく、ほとんどシャワーという家庭が多いです。沖縄の映画スタッフには、20数年間湯船に入ったことがないという人もいました。だから、浴槽に湯をはるということが、父親のさりげない優しさを伝える表現になればいいかなと思い、このシーンをつくりました。

Q:順撮りですか?
A:完全な順撮りではありませんが、たとえば、正月の初詣の帰りに、父と娘が二人並んでさとうきび畑を歩いてくるワンカットは、父親と娘の距離感を伝える大事なシーンなので、二人の間に距離感が生まれていないと撮れません。だから撮影の後半で撮りました。そういうなにげないけれど大事な場面こそ、雰囲気が出てしまうので、極力、撮影を後半に持っていきました。

Q:先行上映がされた沖縄本土の人達の印象はどうでしたか?
A:南大東島のことは、知っていても、行ったことがない人がほとんどで、沖縄でもどこか忘れられているような存在でした。他の島と比べて、地理的にも全然違う場所にぽつんとあるので、行きづらいようです。全く島のことを知らず、この映画を観て初めて知ったという意見も多かったです。

Q:最後に観客の皆さんにメッセージを一言、お願いします。
A:この映画では、沖縄の南大東島の離島で生きる小さな家族の生活を丁寧に描きました。離島で生きている人々の苦しみや喜びや葛藤を描くことによって、家族の絆を見つめた映画になっています。この映画をとおして、観客の皆さんご自身の家族のありかたを少し考えていただけるきっかけになればいいなと思います。


 娘は、島に一人で残す父のことを思い、父は、旅立っていく娘のことを思う。その思いが最後の島唄「アバヨーイ」で交錯し、凝縮する。近年、親子の関係をここまで率直にまっすぐ見つめ直した作品も、なかなかないと思う。なかでも小林薫がいい。思春期の娘を持ち、言葉をかけたくてもかけにくい。一定の距離を保ちながら、静かに娘を見守る父の深い愛情が、寡黙なありようからにじみ出る。優奈の淡い初恋、島を出た母を慕う気持ちと裏返しの嫌悪感、優奈を慕う男の子の不器用な恋、母が娘を大切に思う気持ち、いろんな人のいろんな感情が島の美しい自然の中で奏でられていく。

 親のない子はいない。親への感謝の気持ちは、誰もが抱く共通のもの。最後の「アバヨーイ」をぜひ劇場で聴いてください。吉田監督の脚本、演出の腕は見事で、今年公開予定の『江の島プリズム』も楽しみだ。

(伊藤 久美子)

 

hajimari-s550.jpg映画『はじまりのみち』日本映画界が誇る!! 原×細田×樋口3監督が映画への思いを語る

『はじまりのみち』
監督・脚本:原恵一
出演:加瀬亮 田中裕子 濱田岳 ユースケ・サンタマリア、宮﨑あおい
企画、制作、配給:松竹

201361日(土)~全国ロードショー 

★作品紹介⇒ こちら

★公式サイト⇒ http://www.shochiku.co.jp/kinoshita/hajimarinomichi/ 

(C2013「はじまりのみち」製作委員会

 『二十四の瞳』『喜びも悲しみも幾歳月』など数々の名作を生み出し、日本映画の黄金期を代表する木下惠介監督は、21才で松竹蒲田撮影所に入所し、31才で監督デビューするまでの下積み時代を、東京・蒲田で過ごしました。生誕100年を記念して製作された映画『はじまりのみち』は、木下監督の戦時中の実話をもとに母子の情愛を描いた物語。『河童のクゥと夏休み』『カラフル』といったアニメーション作品で高い評価を受け、同監督を敬愛する原恵一監督が初めて手がけた実写映画としても注目されています。

 つきましてはこの度、映画『はじまりのみち』の完成を記念し、原監督をはじめ、『サマーウォーズ』『おおかみこどもの雨と雪』などで知られるアニメーション映画監督の細田守氏、実写や特撮、アニメなどの幅広い分野で活躍する映画監督の樋口真嗣氏をパネリストに迎えた本日のシンポジウムが開催されました。



【シンポジウム概要】

 実施日:512日(日)1525 場所:東京工科大学蒲田キャンパス3号館地下1 片柳記念ホール(東京都大田区西蒲田5-23-22

パネリスト:原恵一監督 細田守監督 樋口真嗣監督(以上3名予定) コーディネーター:濱野保樹(東京工科大学メディア学部教授)



【シンポジウム内容抜粋】試写会終了後に実施 一般のお客様の前にて

濱野:細田さんと、樋口さんは原監督の初実写映画をご覧になっていかがでしたか?

hajimari-s3.jpg細田:原監督のアニメのファンでずっと見ていたのですが、実写をやると聞いて若干不安に思うところもありました。アニメとは勝手が違うため、原さん独自のテイストが無くなってしまうと思ったからです。実際に出来上がった作品を見てみると、静かだけど力がある寸分違わぬ原恵一スピリットが作品全体に漂っていて、安心しました。

樋口:僕は撮影現場を見に行った時に安心しました。スタッフが監督を愛していて、みんなで支えている感じがしたからです。見学したとき、リヤカーが出発するところのシーンだったのですが、もう少し待つと日が射すから待とう、という時の現場がとても良い雰囲気でした。贅沢な製作環境では無かったと思うが、適格な画作りと芝居がリッチで、河原でのやり取りが特に好きです。あとは、宮﨑あおいさんがとても良かった。“学校の先生”という役での、望遠での横顔が雄弁に語っているな、と思いました。

濱野:初実写映画ですが、実写を撮りたいという思いは前からあったのですか?

原:前向きにどうしても撮りたい、という感じではありませんでした。ただ、木下監督に光を当てたいとずっと思っていた自分の想いに嘘をつきたくなくて、今回引き受けました。今回の映画は、当初脚本のみでの参加予定だったのですが、やるしかないなと思い、自信は無かったのですが、自ら監督をやってみようと手を挙げ挑戦しました。

濱野:実写映画を撮影するにあたってアニメと違った点、苦労された点はどこですか?

hajimari-s1.jpg原:アニメは机に向かっての1カット1カット積み重ね。実写は大変な撮影のシーンの際に、スタッフからの要望があった時だけ画コンテを作成する、という感じでした。カット割りもカメラマンさんに頼っていました。実写はアニメと違って天候の影響も受けるので、そういう意味では大変でしたね。雨降らしも初めて体験したのですが、冬の山での雨降らしは俳優さんもブルブル震えながらの撮影で、現場は殺気立っていましたね(笑)撮り終えてからは、アニメーションと同じ作業でした。映画になっていない場合、アニメは画をイジれるけど実写ではできない。『はじまりのみち』は撮り足す必要もないくらい、ちゃんと映画になっていたので、良かったです。今回、実写とアニメの違いは本当に感じました。実写は撮影が終わるまでずっと走り続けている感じでした。 

濱野:原監督は今後も実写を撮るのでしょうか?

原:そう簡単ではないので、調子に乗って実写にも!という気持ちはありません。
細田:原監督が実写にいくと、毎年原監督の作品が見られますね!(アニメの製作期間が実写よりも長いため。) 

濱野:3人にとっての「はじまりのみち」、映画人としての挫折と再生を教えてください。

樋口:僕は、自分の仕事を俯瞰してみれないタイプ。本能で突き進む事が多いので、もう少し俯瞰してみた方が良いかなと。映画を監督するってこういう事なんだなとこの映画を見て気づかされました。映画を作るのは良い事だなと思いました。

細田:実は僕自身、劇中の映画の中と気持ち的には同じ体験をした事があります。作品を作っている最中に、母が倒れてしまい、更に諸事情で映画が出来なくなった事がありました。看病しろと言っていた母が、看病に戻ってみると一から全部無しにして実家に戻るのはありえない、と母に言われました。『はじまりのみち』の内容が自分の体験とそっくりで、当時の自分を見ているような気分になりましたね。

原:映画監督の話なので自身と重ね合わせて書いてた気もします。この仕事が出来た事も運命的。毎日ブラブラしている時にこの依頼が来ていなかったら関われていたどうかわからないですし。偶然なんだけど、違う何か運命めいたものも感じます。 

濱野:『はじまりのみち』をご覧になった会場の皆様、これからご覧になる皆様へのメッセージをお願いします。 

hajimari-s2.jpg樋口:初めて見てから2か月、思い出してもじわじわ来る。田中さんのラストシーンで空を見上げて泣くシーン等を思い出すとグッときますね。10年後見たとしても良い映画。そして明らかに10年後、20年後に残る映画だと思います。会場にいる方は試写会でタダでご覧になったという事なので、最低でも5人以上に進めてください(笑)

細田:木下惠介監督生誕100年記念映画と聞いて、ビビッている人もいるかもしれませんが、気にしなくて良いと思います。若い人や生きている中で停滞感を感じている人、モヤモヤしている人がこの映画を見てまた「はじまりのみち」へ踏み出す事が出来るかもしれない。そういった意味で若い方がたくさん見て頂くと有意義じゃないかと思います。そしてご覧になることで、木下惠介監督の映画を見たくなる、という見方で良いのではないかと思います。

原:初めて実写で監督をして、この歳でこんなにたくさん初めての経験、プレッシャーを感じる事があると思ってなかったです。やれてよかった。出来上がった作品も似たような作品が思い当たらないので、木下惠介監督作品のような過激な作品に出来たのではないかと思っています。今日の話を聞いてもう一度確かめたいと思った方は、ぜひ劇場に足をお運びください。



【パネリストのプロフィール
原恵一(はら けいいち)
1959年生まれ。群馬県出身。PR映画の制作会社を経てアニメ制作会社に入社し、「エスパー魔美」をはじめ数々のアニメの演出を手掛ける。
『クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶ モーレツ!オトナ帝国の逆襲』(01)、『クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶ アッパレ!戦国大合戦』(02)は、第6回文化庁メディア芸術祭アニメーション部門大賞や第57回毎日映画コンクール・アニメーション映画賞など多数の賞を受賞。その後も『河童のクゥと夏休み』(07)やアヌシー国際アニメーション映画祭で特別賞と観客賞を受賞した『カラフル』(10)など精力的に作品を作り続け、国内外で高い評価を得ている。『はじまりのみち』で実写初監督を果たした。

細田守(ほそだ まもる)

1967年富山県出身。91年東映映画(現・東映アニメーション)入社。アニメーターとして活躍後、演出家に転向。その後フリーとなり、『時をかける少女』(06)、『サマーウォーズ』(09)を発表。両作品とも国内外で多数の賞を受賞し、2010年ベルリン国際映画祭にも正式招待された。2011年には自身のアニメーション映画制作会社「スタジオ地図」を設立。自ら監督・脚本・原作を手掛けた最新作『おおかみこどもの雨と雪』(12)では、興行収入42.2億円、観客動員数344万人を超える大ヒットを記録し、第36回日本アカデミー最優秀アニメーション作品賞を受賞した。
樋口真嗣(ひぐち しんじ)
1965年生まれ。東京都出身。『ゴジラ』(84)に造形助手として参加。特撮監督を担当した『ガメラ 大怪獣空中決戦』(95)で日本アカデミー賞ほか数々の賞を受賞。以降『平成ガメラ3部作』すべてに携わり、絶大な支持を集める。『ローレライ』(05)で長編映画監督デビューし、大ヒットを記録。その他の監督作に『日本沈没』(06)、『隠し砦の三悪人 THE LAST PRINCESS』(08)。犬童一心監督と共同監督した最新作『のぼうの城』(12)で日本アカデミー最優秀監督賞を受賞した。

 


 

『エンド・オブ・ホワイトハウス』試写会プレゼント(5/26〆切)

eow-4.jpg・日時:2013年6月3日(月) 
    18:00開場/18:30開映
・会場:御堂会館
〒541-0056 大阪市中央区久太郎町4-1-11
    TEL(06)6251-5820(代表)
    FAX(06)6251-1868
    地下鉄御堂筋線本町駅8号出口南へ200m
    地下鉄中央線本町駅13号出口南へ50m  
・募集人数: 10組 20名様
・締切:2013年5月26日(日)

★作品紹介⇒ こちら
★公式サイト⇒ http://end-of-whitehouse.com/ 
 
2013年6月8日(土)~大阪ステーションシティシネマ、なんばパークスシネマ、MOVIX京都、神戸国際松竹 他全国ロードショー


 

  世界の中枢、地球上最強のセキュリティを誇る ホワイトハウス 陥落  

7月5日独立記念日の翌日、テロリストの陸空同時の奇襲により占拠され、そこは敵を守る【難攻不落の要塞】と化す。

一瞬にして世界の平和と人類の命が人質になった時、たった一人の男が、侵入に成功する-----

3月22日に全米公開され、『ダイ・ハード/ラスト・デイ』を凌ぐオープニング成績、2013年公開のアクション映画としては週末興行収入第1位の大ヒットスタートを記録。世界で最も安全だったはずの建物を舞台に、かつて類を見ないリアル感と臨場感をもって描かれる奇襲と攻防、そして宿命の救出。それが『トレーニング デイ』のアントワーン・フークア監督、『300/スリーハンドレッド』『オペラ座の怪人』のジェラルド・バトラー主演最新作、スペクタクル・エンタテインメント『エンド・オブ・ホワイトハウス』だ。

【鉄壁の要塞】ホワイトハウスが、たった13分で占拠され、15分後には敵を守る【難攻不落の要塞】となった。前代未聞のテロを遂行したアジア人テロリストの要求は二つ。「日本海域からの米国第七艦隊の撤収」「核爆弾作動コードの入手」。

大統領を人質に取られたうえ、特殊部隊の突入も失敗、ペンタゴン最高司令部は絶望的な苦境に立たされる。
 誰もが諦めかけたその時、一人の男が内部への侵入に成功する。かつて大統領専任のシークレット・サービスとして活躍していたが、大統領夫人の命を守れず、今やデスクワークになり下がっていたマイク・バニング。
彼に託せるのか?逡巡するペンタゴンにバニングは告げる---「必ず、救出する」“タイムリミット”が刻一刻と迫る中、ただ一人、巨大な要塞の“深部”へと向かう。テロリストに隠された真の目的がある事を知らずに・・・。


監督:アントワーン・フークア (『トレーニング・デイ』『ザ・シューター/極大射程』) 

出演:ジェラルド・バトラー(プロデューサー兼任)(『300 スリーハンドレッド』『オペラ座の怪人』)、モーガン・フリーマン (『ダークナイト ライジング』)、アーロン・エッカート( 『世界侵略/ロサンゼルス決戦』)、アンジェラ・バセット、メリッサ・レオ、アシュレイ・ジャッド、 リック・ユーン、ラダ・ミッチェル

2013年/アメリカ/原題:OLYMPUS HAS FALLEN  
©OLYMPUS PRODUCTIONS,INC

 

 

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