「京都」と一致するもの

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3 月 8 日(⾦)18 時 30 分から⼤阪市北区の阪急うめだホールにて、第 14 回⼤阪アジアン映画祭(OAFF)のオ ープニング・セレモニーと、オープニング作品である日本映画『嵐電』の世界初上映が⾏われた。

オープニング・セレモニーでは、『嵐電』の鈴⽊卓爾監督、出演の井浦新さん、⼤⻄礼芳さん、⾦井浩⼈さん、 特集企画<ニューアクション!アジア>『群山:鵞鳥を咏う』のチャン・リュル監督、特集企画<Special Focus on Hong Kong 2019>『⼥は⼥である』のメイジー・グーシー・シュン監督、ミミ・ウォンプロデューサー、主演の トモ・ケリーさん、インディ・フォーラム部門『ココロ、オドル』の岸本司監督、主演の尚玄さん、同部門『WHOLE』 の川添ビイラル監督、出演の川添ウスマンさん、海・星野・サンディーさん、特別招待作品部門『ピア〜まちをつ なぐもの〜』の綾部真弥監督、同部門『いつか、どこかで』のリム・カーワイ監督、コンペティション部門『浜辺 のゲーム』に出演の⼤塚奈々穂さんが登壇。

登壇者を代表して『群山:鵞鳥を咏う』のチャン・リュル監督から「今回、初めて⼤阪を訪問しました。この 10 年間はアジアフォーカス・福岡国際映画祭に来ていました。皆さんが私の映画を気に⼊ってくだされば、私はこれ から⼤阪に 10 年、通うつもりです。映画祭の期間中、たくさんの喜びと楽しみと幸せな時間を過ごしてください」 と挨拶があった。 

 

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引き続き⾏われたオープニング上映『嵐電』の舞台挨拶では、出演の⽯⽥健太さん、窪瀬環さん、福本純⾥さん、 川島千京さん、町⽥愛さん、若井志門さん、上原優⼈さん、早川聡さん、および⾳楽のあがた森魚さんも登壇し、 チーム『嵐電』で舞台が“満員”に。

京都・嵐山を⾛る市街電⾞、通称“嵐電”を舞台に、3組の各年代に分かれたラ ブストーリーが展開するこの作品。 鈴⽊監督は、「⻄日本にあまり縁のない⼈⽣だったので、⼤阪アジアン映画祭のオープニングに⽴っているとい うことにかなり驚いています」と最初に挨拶した後、「(僕のように)京都の外からやってきた⼈間と、京都の中 にいる⼈が出会い、何が⽣まれるのかを描いたラブストーリーです。皆さんに、もっとニコニコしていただきたい という思いでつくりました」と作品への思いを語りました。

東京から京都にやってきた役者を演じた⾦井浩⼈さんは、「現実の中に突如ファンタジーが出てくるのですが、 台本を読んだ時も物語として気持ちよく⼊ることができましたし、観客の皆さんにもそう感じてもらえるのではな いかと思います。近くや遠くにいる誰かを思いたくなるような映画です」と作品について語りました。 ⾦井さんの相⼿役となる、嵐電沿線在住の⼥性を演じた⼤⻄礼芳さんは、「(京都造形芸術)⼤学時代4年間を京 都で過ごし、あちらこちらにいっぱい思い出がある街で撮影できたので、特別な気持ちになりました。在学中より もこの作品の撮影を終えた時の方が、京都のことを好きになりましたし、皆さんも、もっと京都のことが好きにな ってもらえると思います」と撮影を振り返りました。

そして鎌倉からやってきたノンフィクションライターを演じた井浦新さんは、「これから嵐電の世界を⾃由に楽 しんでいただきたいです」と話した後、「今⼀緒に登壇している両サイドの若者たちは鈴⽊卓爾監督のもとで映画 を学んでいる⽣徒で、この作品に参加しています。彼らと⼀緒にこの映画をやらせてもらえたのが⼀番の宝です」 と語り、登壇者⾃身が役名と名前を順番に紹介し、世界初上映ならではの感動的なシーンとなりました。

最後に鈴⽊監督は「⼤阪アジアン映画祭では日頃なかなか⾒る機会がない映画がたくさん上映されます。きっと 忘れられない記憶、⾃分だけの物語が⽣まれるいい機会になるはずです」と多様な映画を⾒ることの意義についても触れた。

第 14 回⼤阪アジアン映画祭は 3 月 17 日(日)までシネ・リーブル梅⽥(梅⽥)、ABC ホール(福島)などで 51 作(うち、世界初上映 10作、海外初上映6作)を上映。 チケットはチケットぴあでの前売券販売終了後は、各劇場にて順次販売。

⼤阪アジアン映画祭ホームペー ジはコチラ

  

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『映画 少年たち』 オリジナル クリアファイル プレゼント!
 

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■提供: 松竹

■プレゼント数: 3 名様分

■締め切り:2019年3月29日(金)

公式サイト⇒ : http://shonentachi-movie.jp/

                                  表     裏

2019年3月29日(金)~大阪ステーションシティシネマ、なんばパークスシネマ、MOVIX京都、神戸国際松竹 ほか全国ロードショー!



1969年の初演から50年―
伝説として語り継がれる舞台「少年たち」が遂に『映画 少年たち』となってスクリーンに登場!


(3月29日公開)ジャニー喜多川が手がけた舞台の初映像化にして初の映画総指揮作品です。心に深い傷を持ち、それぞれの事情を抱えて少年刑務所に収監された少年たちー。若さゆえに生まれる抵抗、悩み、葛藤が描き出されたストーリーが、オリジナル楽曲とダンスに乗せて描かれる日本発のミュージカル・エンターテイメントです!! 

出演はジャニーズJr.のSixTONES(ジェシー、京本大我、髙地優吾、松村北斗、森本慎太郎、田中樹)、人気・実力を兼ねそなえるSnow Man(岩本照、深澤辰哉、渡辺翔太、阿部亮平、宮舘涼太、佐久間大介)、人気急上昇のなにわ男子(西畑大吾)・ 関西ジャニーズJr.

(向井康二※1、室龍太、正門良規、小島健)というタッグ。 更に、関ジャニ∞の横山 裕、A.B.C-Zの戸塚祥太らが出演し、脇を固めます。メガホンを取ったのは『超高速!参勤交代』シリーズや、『空飛ぶタイヤ』を大ヒットさせた本木克英監督。メインのロケ地は、舞台「少年たち」のセットの元となった、明治時代に建築された「五大監獄」のひとつで重要文化財に指定されている旧奈良監獄。関係者の協力を得て、2018年の2月、7月と同地での撮影を敢行、映画ならではのリアリティと空気感を追及。ジャニー喜多川製作総指揮の下、「舞台とは一線を画した映像化」を目指し、構想を重ねた本作。初演から50年となる半世紀を経て、満を持しての初映画化となります。時代に寄り添い、姿を変えてきた

「少年たち」が、新たに映画というメディアを得てどう変わっていくのか、今年の話題をさらうことは間違いありません。どうぞご期待下さい!


『映画 少年たち』

【物語】
2012年、とある少年刑務所。ここは犯罪に手を染めた少年たちがそれぞれの事情を抱えて収監される場所。刑務所内にはいくつかの房がある。赤房と青房の少年たちは互いをライバル視して喧嘩を繰り返し、黒房はそれを面白がって傍観している。常に監視され抑圧された刑務所ではあるが、それでもシャバよりはましだ。ある日、刑務所に一人の新入りがやってくる。身寄りのない彼は誰とも馴染もうとせず、いつも独りぼっちで日記を書いていた。そんな頃、新しい看守長が赴任してくる。徹底的にお前たちを鍛えなおす、と高圧的に告げ、少年たちを暴力で支配し始める看守長。以来、地獄のような日々が少年たちを待っていた。新入りは、いじめを受けた自分を庇い、懲罰を受ける同じ雑居房の少年に心を寄せるようになっていく。いつしか二人は親友になり、仲間も増え、夢を語るようになる彼ら。しかし、看守長の圧制はいよいよ厳しさを増し、我慢の限界にきていた少年たちは団結し、密かにある計画を練るが…。


◇出演:ジェシー 京本大我 髙地優吾 松村北斗 森本慎太郎 田中 樹 / SixTONES
 岩本 照 深澤辰哉 渡辺翔太 阿部亮平 宮舘涼太 佐久間大介 / Snow Man
  西畑大吾 / なにわ男子  向井康二※1 室 龍太 正門良規 小島 健 / 関西ジャニーズJr.
  宮近海斗/Travis Japan 大西流星/なにわ男子 嶋﨑斗亜 / 関西ジャニーズJr. 
  中村嶺亜/7  MEN 侍 川﨑皇輝/5忍者
  HiHi Jets 美 少年 7 MEN 侍 5忍者 Jr.SP なにわ男子 関西ジャニーズJr.
  戸塚祥太(A.B.C-Z) 山下リオ 森口瑤子  伊武雅刀  横山 裕

◇製作総指揮:ジャニー喜多川
◇監督:本木克英 脚本:石川勝己 脚本協力:川浪ナミヲ 高見健次 
◇音楽:長谷川雅大 
◇撮影:南野保彦 照明:江川敏則 美術:須江大輔 録音:栗原和弘 松本悟 編集:川瀬功(J.S.E.) 助監督:井上昌典 振付:SANCHE
◇特別協力:法務省 企画協力:ジャニーズ事務所 制作プロダクション:松竹撮影所 配給:松竹
公式サイト⇒ : http://shonentachi-movie.jp/

2019年3月29日(金)~大阪ステーションシティシネマ、なんばパークスシネマ、MOVIX京都、神戸国際松竹 ほか全国ロードショー!


(オフィシャル・リリースより)

 
 
 

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『記者たち~衝撃と畏怖の真実~』試写会プレゼント!

 
■提供:ツイン

■日時:3月19日(火)18:00開場/18:30開映
    (上映時間1時間31分)
■会場:大阪商工会議所(大阪市中央区本町橋2-8)

■プレゼント人数: 3組 6名様

■締切日: 2019年 3月10日(日)

公式サイト: http://reporters-movie.jp/


2019年3月29日(金)~大阪ステーションシティシネマ、シネ・リーブル神戸、3月30日(土)~京都シネマ 他にて全国ロードショー!


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ロブ・ライナー監督作品  字幕監修:池上彰

真実は、誰のためにあるのか。 仕組まれたイラク戦争、

その真相を追い続けた記者たちのゆるぎない信念の物語。


ブッシュ大統領が宣言し、 大手メディアさえも“ある”と報じた「大量破壊兵器」。 ナイト・リッダー社の4人以外は―――


2002 年、ブッシュ大統領はフセイン政権の倒壊を計り、「大量破壊 兵器の保持」を理由にイラク侵攻に踏み切ることを宣言。国中記者 達が、政府の発言を追認するなか、新聞社ナイト・リッダーの記者た ちは、政府内部の匿名情報により、「大統領は嘘と偽造された情報 をもとに戦争を開始する」という、衝撃の真実に辿り着く。

記者たちに は、『スリー・ビルボード』、『ハン・ソロ/スター・ウォーズ・ストーリー』で 注目をあびたウディ・ハレルソン、『X-MEN』のジェームズ・マースデン、 アカデミー賞®俳優のトミー・リー・ジョーンズ。そして、『スタンド・バイ・ミ ー』、『最高の人生の見つけ方』など、大ヒット作を世に送り出したロブ・ライナーが監督兼俳優を務め、記者たちを束ねる支局長 を情熱たっぷりに演じている。ほかキャストには、ミラ・ジョヴォヴィッチ、ジェシカ・ビール。

「イラク戦争開戦時から構想していた」という監督の長年の想いが込められた本作、周囲からの批判と反発があっても、家族や恋 人の大切な明日を守るために、そして無意味な戦争を止めるために、仲間と共に取材を続ける記者たちの姿は、観る者の胸を熱 くする、極上の社会派ドラマが誕生した。 
 


監督:ロブ・ライナー『スタンド・バイ・ミー』、『最高の人生の見つけ方』 
出演:ウディ・ハレルソン、ジェームズ・マースデン、ジェシカ・ビール、ミラ・ジョヴォヴィッチ、ロブ・ライナー、トミー・リー・ジョーンズ他
2017/アメリカ/91 分/日本語字幕:齋藤敦子/字幕監修:池上 彰
原題『SHOCK and AWE』 
© 2017 SHOCK AND AWE PRODUCTIONS, LLC.  ALL RIGHTS RESERVED.  
公式サイト: http://reporters-movie.jp/


2019年3月29日(金)~大阪ステーションシティシネマ、シネ・リーブル神戸、3月30日(土)~京都シネマ 他にて全国ロードショー!


(プレスリリースより)

 

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この度、ドイツ敗戦直前の混乱期に起こった信じがたい実話を映画化した『ちいさな独裁者』の公開を記念いたしまして、 2月10日(日)に、元・読売新聞記者で、映画にも造詣の深い武部好伸さんを迎えましてトークイベントを行います。 他人の軍服をまとった脱走兵が巧妙な嘘で特殊部隊のリーダーに成りあがっていくという、実在の人物に基づいた驚愕の物語を 歴史的背景や映画的視点から、より深くお話しをいただきます。



開催日時:2019年 2月 10日 (日)14:00の回 上映終了後

場所:シネ・リーブル梅田 (梅田スカイビル タワーイースト4F)

★上映終了後のイベントとなりますので、トークイベントは、16:00~16:20を予定しております。

★イベント詳細は、劇場 HP(https://ttcg.jp/cinelibre_umeda/)にてご確認ください。


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映画エッセイスト 武部好伸さん 1954 年、大阪市生まれ。大阪大学文学部美学科卒。元読売新聞大阪本社記者。1995 年 からフリー。映画、ケルト文化、洋酒、大阪をテーマに執筆活動を展開している。日本ペ ンクラブ会員。関西大学非常勤講師。著作に『大阪「映画」事始め』(彩流社 2016)、『ウ イスキー アンド シネマ 2 心も酔わせる名優たち』(淡交社 2017)などがある。

 

 

 


【STORY】 
1945 年 4 月、敗色濃厚のドイツでは戦いに疲弊した兵士たちによる軍規違反が相次いでいた。部隊を脱走して 無人地帯をさまよう兵士ヘロルトは、道ばたに打ち捨てられた軍用車両の中で軍服を発見。それを身にまとって 大尉に成りすました彼は、ヒトラー総統の命令と称する架空の任務をでっち上げるなど言葉巧みな嘘を重ね、道 中出会った兵士たちを次々と服従させていく。かくして“ヘロルト親衛隊”のリーダーとなった若き脱走兵は、強大 な権力の快楽に酔いしれるかのように傲慢な振る舞いをエスカレートさせ、ついにはおぞましい大量殺人へと暴 走し始める……。  


【監督・脚本】:ロベルト・シュヴェンケ (『RED/レッド』『フライトプラン』)
【出演】:マックス・フーバッヒャー、ミラン・ペシェル、フレデリック・ラウ、ベルント・ヘルシャー、ワルデマー・コブス
【配給】:シンカ/アルバトロス・フィルム/STAR CHANNEL MOVIES
(2017 年/ドイツ=フランス=ポーランド/ドイツ語/119 分/カラー)

2019年2月8日(金)より、シネ・リーブル梅田/シネ・リーブル神戸 にてロードショー! 2月9日(土)より、京都シネマ にて

 

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子ども達の命を守る疎開保育園の保母たちに光を当てた感動作

『あの日のオルガン』平松恵美子監督インタビュー

 
太平洋戦争末期、学童の集団疎開は知っていても、小さい子ども達がどうしていたのかに思いを巡らせる人は少ないのではないだろうか。戦火を逃れ、毎日食うにも困る生活の中、後手に回る国の政策に先んじて保育所の疎開を提案し、豊かな感性を文化的に育む努力を続けた保母達がいたという事実を知る人も少ないだろう。かくいう、私もその中の一人だった。
 
53人の子ども達の尊い命を守った疎開保育園の実話を基にした感動作『あの日のオルガン』が、2月22日(金)からなんばパークスシネマ、神戸国際松竹、MOVIX京都他で全国ロードショーされる。『ひまわりと子犬の7日間』の平松恵美子監督が自ら脚本を手がけ、戸越保育所の主任保母、人呼んで「怒りの乙女」の板倉楓(戸田恵梨香)と、ドジばかりだが、子ども達を惹きつける魅力を持つ新任保母、野々宮光枝(大原櫻子)を中心にした保母達の奮闘ぶりをハツラツと映し出す。空襲が激しくなる中、皆で疎開保育園を作り上げ、子ども達を守る勇気と信念は、これから新しい時代を迎えようとしている今、時を超えて観る者に痛切に響くことだろう。
 
本作の平松恵美子監督に、映画化までの道のりや、疎開保育園で奮闘した保母達の魅力、この映画が今公開されることの意味について、話を聞いた。
 

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■現場の保母さんたちが声をあげ、小さい子どもたちの疎開を嘆願した実話、映画化までの長い道のり

―――本作は何度も映画化の話があり、実現するまで相当時間がかかったそうですが、オファーされた時の気持ちや、原作を読んだ時の感想を教えてください。
平松:1982年に出版された原作(「あの日のオルガン 疎開保育園物語」)は映画化を念頭に置いて作られましたが、当時関わっていた企画の鳥居明夫さんたちは、予算面や出演者の子どもを揃えることが難しいと判断し、映画化が一旦白紙になりました。
 
時を経て、2012年、鳥居さんの奥様が保育士であることもあり、小さい子どもたちの置かれている状況が虐待やネグレクトも含めてとても厳しいという現状に目を向けたとき、なんとか子ども達の命に光を当てる作品を作れないかと考えたそうです。そこでかつての原作を思い出し、あるご縁で私の元に原作が届いたのです。私も学童疎開のことは知っていたけれど、保育園の疎開があったことに驚きましたし、トップダウンではなく、現場の保母さんたちが声をあげ、小さい子どもたちの疎開を嘆願したということがすごいと思いました。でも、時代劇と同じぐらいセットや衣装にお金がかかる作品になるので、当時聞いていた予算では厳しい。しかも、小さい子どもがたくさん出てくる作品は大変だなと。その時も資金繰りの問題で映画化は見送られたのですが、私だったらこういう風に映画化したいというプロットを書いていたので、鳥居さんに記念のつもりで差し上げたのです。
 
―――今回は、エグゼクティブ・プロデュサーが李 鳳宇さん(『フラガール』)ですね。
平松:2014年に鳥居さんからお電話で「なんとかできそうです!」と言われ、打ち合わせでお会いしたのが李さんでした。「いい話だと思ったので、これぐらいの予算でやってくれ」と2年前の倍の予算を提示してくださったので、これなら映画化できるかなと。「以前のプロットで大丈夫なので脚本化を進めてほしい」とGOサインがでて、ようやく映画化への第一歩が踏み出せた訳です。
 

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■きちんと怒っている主人公のモデル、畑谷光代さんに魅力を感じて

―――自分なりのプロットを書いておられたとのことですが、脚本を書くにあたって、特に意識した部分、膨らませた部分はありますか?
平松:原作を読んだ時、畑谷光代さんという保母さんに非常に魅力を感じました。彼女は一度怒り出すと、顔が真っ赤になって手がつけられない。所長にも噛み付いて、しょっちゅう議論をしている様子は、はたから見ているとまるで喧嘩をしているようだったそうです。現在を顧みると、間違っていることや不条理なことに対し、きちんと怒ることができなくなっている。ヒステリーからくる暴言ではなく、「これは違うでしょ。どうして、こんなことがまかり通るのか」と怒れる人がだんだん少なくなっている。そして叱られる方も、愛情をもって叱られるということに慣れていない。もちろんパワハラというケースもありますが、そうではない時も全てパワハラ扱いにしてしまう風潮が見られます。そんな中、きちんと「怒っている」人はとても魅力的だなと思ったのです。畑谷さんは(戦争末期に)「学童は疎開させているのに、それ以外の小さな子どもたちを疎開させないのはなぜですか」と怒っています。そこから物語を追いかける形にしました。
 
 
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■新米先生を入り口に、少し風変わりな疎開保育園の世界を見てもらう

―――なるほど、映画もいきなり戸田恵梨香さん演じる保母、楓が怒っているところから始まりますね。
平松:ただ、強い人を話の真ん中に置き、その人がそのまま引っ張っていく物語にすると、単純であまり面白くない。右も左も分からない新米が、強い主人公に叱られたり、翻弄されながら成長していくという形にすると、現代の若い人たちに共感しやすいのではないか。本作で言えば、大原櫻子さんが演じるみっちゃんという新米先生を入り口として、疎開保育園の世界を見ることができるようにしようと考えました。
 
―――楓が光代(みっちゃん)を叱る時に口からでた「あんぽんたん!」は、久しぶりに聞いた言葉だなとうれしくなりました。
平松:実は、現場で急遽脚本を変えたときに考えついた言葉です。「怒りをぶちまけたいのだけれど、どういう言葉でぶちまけたらいいのかというもどかしさの中、つい、子どもを叱りつけるように『あんぽんたん!』と口から出たという風にしてください」と戸田さんにもお願いしました。
 

■戸田恵梨香に伝えたことは「楓の怒りには全て理由がある」

―――楓役を演じるにあたり、戸田さんにリクエストしたことは?
平松:楓は怒ってばかりいるけれど、全て理由があり、一つ一つの怒りが違うということをまず伝えました。ただ怒りっぽいという単純な人物ではなく、もっと深い部分があり、陰影のある人物だということは、言葉を重ねて伝えました。
 
 
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■元々持っている人間らしさや心の豊かさを守りたい 

―――楓が何度も訴えていた「現実的生活より文化的生活」は、戸越保育所の考える保育の根底に流れるキーワードですね。

 

平松:戸越保育所は当時では珍しく民主的な考え方の保育所でした。当時戸越保育所で働いていた保母さんたちは、良家の出身の方が多かったからこそ、自分の理想とするところを子ども達に伝えて育んでいきたいという真っ直ぐな気持ちを持てたと思います。疎開生活はもう少し現実的部分があり、理想ばかり追い求めてはいられません。でも、生きるために必要なことだけでは、動物と同じになってしまう。元々持っている人間らしさや心の豊かさを守りたいし、それを無くすと私たちが疎開をした意味がないという気持ちが常々あったそうです。実際にはお花を飾り、オルガンを弾いて歌を歌うとか、まかないのおとみさんの言葉を借りて言えば、「笑いがある」。そういう小さなことの積み重ねですね。
 
―――楓を中心とした保母たちが、夜な夜なその日起こったことを報告しながら、改善案を出すため喧々諤々するシーンは、笑いを誘う一方、民主的な運営を貫こうとしている姿が感じられます。特にベテランの風格すら漂うどっしりキャラの正子を演じる三浦透子さんが、素晴らしかったです。
平松:結局は、どの会議もうまくいっていないですよね(笑)そこをユーモラスに見せようと思いました。三浦さんは実年齢が若いのに、とても落ち着いて見えるんです。正子は力持ちで男勝りなキャラクターなのですが、三浦さんはとても華奢なので、衣装合わせの際にふと思いついて、「(衣装の)中に肉布団を入れてみようか」。うまくハマりました。普通なら本当にぽっちゃりした人をキャスティングするのですが、終戦直前という時代なので極端な体型の人を起用するというより、人柄から滲み出るものを重視しました。やはり子ども達がたくさん出てくる作品ですから、子ども達と向き合える人でないといけない。そういう部分はオーディションで選ぶときに大切にしました。
 
 
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■大原櫻子自身の真っ直ぐな部分が役に重なりながらも「狙ったらだめだよ」

―――光代演じる大原さんは、子ども達とのシーンが一番多く、オルガンを弾きながら様々な童謡を歌っています。平松監督の中で、印象的なエピソードはありますか?
平松:子ども達と林でチャンバラをしていて転んだ光代の上に子ども達が枯葉をかぶせるというシーンはクランクアップの日に撮ったのですが、大原さんとスタッフが大変でしたね。私はそこを綺麗なシーンにしたかったのですが、撮影は3月だったので枯葉しかなかった。そこでスタッフみんなでクラフト紙に色を塗ってから乾かし、葉の形に切って手で揉んで枯葉を作りました。それでもまだ足りないということで、しまいには色を塗っていないクラフト紙をそのまま使って、撮影所からロケ場所までの移動の車の中でチョキチョキ切っては揉んで、ゴミ袋5杯分くらい作りました。でも子ども達は元々あった枯葉や土までかけてしまうものだから、大原さんも口の中がジャリジャリになりながら頑張っていましたよ。
 
―――光代は、楓にはない子供のような心と素直さを持っています。大原さんご自身と重なる部分もあったのですか?
平松:そうかもしれません。ただ、最初大原さんに「一生懸命やっている中で、少しズレてくるのが楽しかったり、皆を笑わせたり、怒らせたりする。その部分が子ども達に好かれるので、狙ってやろうとしてはだめだよ」という話をしました。大原さん自身が真っ直ぐな人なので、そういう部分が演技にも出ていると思います。
 
 
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■童謡「この道」に、疎開場所と往復する「道」や、人生という「道」を重ねて

―――特にお好きなシーンは?
平松:全てが思い出深いですが、挙げるとすれば、よっちゃん先生(佐久間由衣演じる好子)とみっちゃん先生が自転車で二人乗りしながら「この道」を歌うシーンですね。ここでは二人でハモるようにお願いしました。私なりのこだわりがあったので、二人が歌う部分と、光代がオルガンを弾く部分を、音楽を担当いただいた村松崇継さんに依頼し、譜面に書いていただきました。
 
―――監督のこだわりで、「この道」を重要なシーンに起用した理由は?
平松:映画では「ちーぱっぱ」とか「ころころ」のように子どもらしい元気な歌詞の童謡をたくさん選んでいます。一方で、大人の先生たちが歌うときには、しっとりとしたものがいいなと思いました。「この道」の歌詞は深い意味が内在していますから、何度も疎開場所と東京を往復する道や、人生という道ともかけて選びました。

 

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■昭和時代の人たちの思いを継承しながら、私たちが次の時代へつなげる。

―――平成が終わるタイミングで、長い構想期間を経て『あの日のオルガン』が完成し、いよいよ見ていただくことに、どんな意味を感じますか?
平松:私は保母さん達を本当にリスペクトしています。彼女達が行動したから53人の子ども達が救え、その彼女達が戦後、昭和の保育界をリードする人材となっていきました。また53人の子ども達も昭和の日本の復興を支えた人になっているはずです。そのおかげで、平成という時代を日本はなんとか戦争なく終えることができた。そんな思いを継承しながら、私たちは平成から次の時代へ生きていかなければなりません。昭和の時代から今につながっている物語だと思いますし、ラストシーンもそういう気持ちをうまく表すことできたのではないかと感じています。
 

■疎開保育園も映画づくりも「皆でつくるもの」

―――平松監督は松竹撮影所で山田洋次監督のもとキャリアを積んでこられましたが、今自ら監督する中で、受け継いでいることはありますか?また、若い世代に伝えたいことは?
平松:山田さんの作品を見てから劇場を出るとき、暗い気持ちでは出ないですよね。悲しい場面はあっても最終的には表情が穏やかになる。そういう部分は私も目指したいと思います。映画を見ていただいて、明日も頑張ろうと少しでも思ってもらえたら嬉しいですね。
 
保母さんたちもこれだけの人数がいたから疎開保育園を自分たちの力でやり遂げることができた。映画づくりも同じで色々な意見がある中、皆がいるからやっていける。映画は皆の力を借りなければできませんから、自分だけではないということを大事にしてほしいです。
(江口由美)
 

<作品情報>
『あの日のオルガン』(2018年 日本 119分)
監督・脚本:平松恵美子
原作:久保つぎこ「あの日のオルガン 疎開保育園物語」朝日新聞出版
出演:戸田恵梨香、大原櫻子、佐久間由衣、三浦透子、堀田真由、福地桃子、白石糸、奥村佳恵、夏川結衣、田中直樹、橋爪功 他
2019年2月22日(金)~なんばパークスシネマ、神戸国際松竹、MOVIX京都ほか全国ロードショー
公式サイト: https://anohi-organ.com/
 (C) 2018「あの日のオルガン」製作委員会
 

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『この道』佐々部清監督インタビュー

(2018年12月25日(火)大阪にて)


konomichi-logo.jpg童謡誕生100年――
子供のような無邪気さでリズミカルな詩歌を作り続けた北原白秋の人物像と、
山田耕筰とのゴールデンコンビ結成秘話に迫る感動作

 

誰もが口ずさめる童謡、幼き頃の郷愁を掻き立てる詩歌に心和ませ、優しい気持ちにしてくれる。その多くは自由奔放な詩人・北原白秋の詩に、日本に初めて西洋音楽をもたらした音楽家の山田耕筰が曲を付けたものである。このゴールデンコンビによる歌は、童謡のみならず、校歌や社歌、そして、戦争へと突き進む国威高揚のための歌に至るまで実に幅広い。本作は、若い頃から次々と詩集や歌集を発表し文壇を賑わせた北原白秋の意外過ぎる人物像や、その豊かな才能が発揮される瞬間に焦点をあてた、魅力あふれる感動のヒューマンドラマである。


学校の音楽教室では教えてくれない北原白秋の人物像は、裕福な商家出身が倒産没落、隣家の美人妻との不倫の果て姦通罪で捕縛され、その後も結婚離婚を繰り返したり、泥酔しては喧嘩したりの自由奔放ぶり。3人目の妻との間に二人の子供を授かってようやく落ち着くが、関東大震災で被災し、山田耕筰との出会いから童謡の作詞を手掛けるようになる。小林一茶のように大の子供好きで、子供をあやす時に使う擬音を用いる詩は、リズミカルで唯一無二のもの。当時の文豪たちをも魅了する才能の持ち主だったようだ。


そんな北原白秋を、時代の変化を感じさせながら人間味たっぷりに描いた佐々部清監督。主役の大森南朋の個性をそのまま白秋に置き換えたという演出は、子供のようなおおらかさと無邪気さに男の色気が入り混じる、放っておけない愛すべき人物として魅了する。そんな白秋とドイツ留学経験のあるエリートの山田耕筰との対比がまた面白い。初対面での他愛ないケンカから始まる二人の関係性は、二人とも品行方正のイメージだが、実はやんちゃな熱血タイプだったようで、その人物像の膨らませ方にも佐々部監督の遊び心が感じられる。


konomichi-di-500-1.jpg「現代社会にも何かしらリンクするような作品作りをしたい」という佐々部清監督に、1月11日(金)の公開を前にお話しを伺う機会があり、下記はその詳細を紹介しています。大森南朋演じる北原白秋と共に、山田耕筰を演じたEXILEのAKIRAの熱演にも注目してご覧頂きたい作品です。


(河田 真喜子)


――本作製作のキッカケは?
生まれてから亡くなるまでを描くような偉人伝には興味を持てなかったのですが、以前ご一緒する機会があったミロシュ・フォアマン監督から伺っていた『アマデウス』のように実在の人物像を転がせるのなら、エンタメとしてクスクス笑えて感動できる作品にできるのではないかと思ました。童謡誕生100年ということで、幸いEXILEのHGH BROW CINEMAが製作について下さったので、本格的に本作りに入ることができたのです。

 

【北原白秋の人物像について】

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――リズミカルな詩の原点は子供をあやす女性の影響が大きい?
白秋は奥さんが嫉妬するほど子供好きだったのは事実です。自然児というか、女性から見て可愛らしいチャーミングな、それでいて色っぽい白秋にしたら、あのような詩が生まれたことをより理解して頂けるのではないかと思い、実話とフィクションを織り交ぜながら描いてみました。


――人物像を膨らませるポイントは?
ずっと商業映画を撮ってきたのですが、商業映画を撮りながらもどこかでリアルがいいと思っていました。ですから『東京難民』ではドキュメンタリーみたいな映画にしたいと思って撮りました。エンタメでクスっと笑わせるにはリアリティを重ねた方がいいと思うので、リアルとフィクションを丁度いい具合に盛り込めればと思っていたところ、今回、坂口理子さんという素敵な脚本家が、北原白秋の詩と山田耕筰の曲をリンクさせながら、私がやりたい世界観の話をうまく重ねてくれました。


――錚々たる近代文学の文豪たちが登場しますが?
北原白秋の弟子三羽烏は室生犀星、大手拓次、萩原朔太郎でして、高村光太郎はちょっと後輩で、石川啄木は喧嘩する相手だったようです。与謝野鉄幹・晶子夫妻のように支援してくれる先輩方もいて、皆が白秋の人柄よりも才能に惹かれていたように思います。そうでなきゃ、昼間っから酒飲んで、姦通罪で捕まって、やっと出て来たかと思えば「結婚します!」、なんて言う奴を誰も応援しませんよ(笑)。


――北原白秋の人望がうかがい知れるところですね?
でも、そうした文学者の名前を聞いてピンと来ない人も多く、そのように受け止めて下さるのはある年齢以上の方々ばかりなんです。若い人の中では「聞いたことはあるけど…」という感じですよ(笑)。


――大森南朋のキャスティングは?
大森南朋君については、一緒に仕事するのは今回が初めてだったのですが、いろいろ調べてみると、何となく“やんちゃ”そうで色っぽい俳優だなと感じました。彼を初めて認識したのは廣木隆一監督の『ヴァイブレータ』で、寺島しのぶさんが凄く評価されましたが、私は「彼女の受けを全部やれている大森君が素晴らしい!」と当時のブログに書いた程でした。それ以来、彼の名前を聞く度に一緒に仕事してみたいと思っていたのです。やんちゃそうで色っぽくお酒も飲めそうなところを白秋に活かせればと、脚本を大森君に近づけるようにしました。

 


【山田耕筰について】

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――白秋が山田耕筰と初めて出会った時に喧嘩したのは事実?
あれは創作です(笑)。地味な作品なので、どこかはじけるシーンがあってもいいかなと思っていたところ、脚本家がうまく喧嘩のシーンを創ってくれました。「殺陣師は誰にしましょう?」と言われ、「はあ?」、任侠映画じゃあるまいし血みどろになる必要はないと。本ばかり読んで育った文学者と洋行帰りの音楽家の喧嘩ですから、台所にある野菜を投げ合うところから喧嘩が始まればいいかなと思って、二人に任せてみました。するといつの間にかAKIRA君がネギを持ってましてね~(笑)。


――山田耕筰の人物像とEXILEのAKIRAについては?
山田耕筰について調べてみると、オーケストラの女性と恋仲になったり、白秋と同じく3回妻を変えたりと、かなりやんちゃなお方だったようですが、それを真っ直ぐで男気のあるAKIRA君に合わせて、白秋とは対照的な真面目な人物として描きました。バイオリンをあそこまで弾くには1年はかかるのを、ピアノの演奏や体力の要る指揮などを1か月あまりで習得できるとは、さすがはAKIRA君です。普段からの鍛え方が違いますね。彼が一番緊張したのは、由紀さおりさんと安田祥子さんの前で「からたちの花」を指揮した時だったようです。なんせあの至近距離ですからね~(笑)。


konomichi-500-2.jpg――今回特殊メイクにも挑んでいますね?
70歳の山田耕筰の役は、最初は同年齢の俳優さんにお願いするつもりだったのです。ところが、AKIRA君が「僕じゃダメなんですか? 出来れば自分がやりたい」と言うもんだから、それならと特殊メイクに挑んでもらいました。ずっと立ったまま両手を上げて指揮するのは本当に大変な作業で、70代の俳優さんでは務まらなかったと思います。

 


【映画製作を決めるポイントについて】

――映画を撮ろうと決めるポイントは?
作品の中にどこか今の社会を照らし出せるものがあるかどうか――本作は明治・大正、そして昭和初期のお話ですが、関東大震災の後、がれきの中で山田耕筰と北原白秋が手を取り合って、「曲で人々を勇気付けられるのではないか」というシーンがあります。平成の時代、多くの災害が起こりましたが、そんな時すぐに駆け付け勇気付けてくれる人って、音楽やっている人かスポーツやっている人です。あの二人のシーンがどこまで事実か分かりませんが、この映画もしっかりと現代とリンクしているので「やりたい!」と思ったのです。


konomichi-500-3.jpg――ご自身の強い想いが込められているところは?
最後の方で、与謝野晶子が戦争を危惧して「いつまでも自由に作れるといいわね、この国がどこに向かおうとしているのかしら…」と言うセリフがあります。5年前「特定秘密保護法」ができた時、自由に映画が作れなくなるのではないかと危惧して、日本監督協会から反対声明を出しました。本作でそれを声高に叫ぶつもりはないし、政治運動をするつもりもないのですが、私の思いや反戦の立場を反映できる作品作りができればと思っています。


――今までの作品の中では?
『ツレがうつになりまして。』の時は、たて続けに身近な人がうつになって自殺してしまうというショッキングなことがあって、そんな時にあの原作に出会ったのです。うつ病になってしまった人は勿論、それを支えている人々のためにも何か力になればと思って製作しました。今の社会に何らかの形でリンクできて、重いテーマでもマイナスイメージではなく前向きな姿勢で描けるかどうかが、私の映画製作を決めるポイントです。


――『八重子のハミング』の時もそうでしたか?
老々介護を扱った『八重子のハミング』の時は、映画会社はどこも地味な企画だと製作費を出してくれなかったので、自分で製作費を集めて撮りました。誰しもがこれから先直面する老人問題ですので、映画を観て、問題に向き合い、考えてもらうキッカケになればと――映画にはその力があると思っています。


――時代劇は初めて?
『出口のない海』や『日輪の遺産』は戦時中の物語でしたが、明治・大正という時代劇は初めてです。そのために今回は、いつも東京で撮っているスタッフではなく、京都撮影所のスタッフで撮りました。撮影・照明はもちろん美術も衣装もメイクも結髪もロケ場所もすべてスタッフにお任せして、職人としての巧みさを作品に活かしました。空いた時間にも素早くセット造りや撤収と、それはそれは見事な仕事ぶりでした。


konomichi-di-240-1.jpg――今の日本映画について思うことは?
どんな映画があってもいいと思っています。ただ、メジャー系の映画会社が売れ筋を狙う一様の傾向にあるのはちょっと寂しいなと、一方、賞狙いの映画は貧しくて暗い心の闇を鋭利に描くことが芸術映画みたいに思っているようなところがあります。私はその隙間を埋める“隙間産業監督”なんてね、ウチのスタッフに言われていますが(笑)。私が中学・高校生の頃には、例えば「ルキノ・ヴィスコンティの『家族の肖像』が観たい!」というように明確な目的意識を持って映画館へ行っていました。その頃の日本映画は『スター・ウォーズ』みたいな大ヒット映画の亜流ばかりかというとそうではなく、『恍惚の人』(東宝)や『花いちもんめ』(東映)という老人問題を扱った名作も作られていたのです。もっとメジャー系の映画会社が多様な映画作りをしてほしいと思っています。

 


『この道』

(2019年 日本 1時間45分)
■監督:佐々部 清   
■出演:大森南朋、AKIRA、貫地谷しほり、松本若菜、小島藤子、由紀さおり、安田祥子、津田寛治、升 毅、柳沢慎吾、羽田美智子、松重 豊
■脚本:坂口理子  音楽:和田 薫 主題歌:「この道」EXILE ATSUSHI
■配給:HGH BROW CINEMA  ©2019 映画「この道」製作委員会
公式サイト: https://konomichi-movie.jp/
2019年1月11日(金)~TOHOシネマズ梅田 他全国ロードショー

 

 

 
 

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「理想だけではなく、残酷なもの、複雑なものをそのまま表現したかった」
『夜明け』広瀬奈々子監督インタビュー
 
是枝裕和監督と西川美和監督が立ち上げた制作者集団「分福」で監督助手を務めてきた広瀬奈々子監督の長編デビュー作、『夜明け』が2019年1月18日(金)より全国ロードショーされる。
 
川辺に倒れていた身元不詳の若い男と、彼を助け、自宅に招き入れて自身が経営する木工所での仕事も与えた初老の男。疑似家族のような関係を見せながらも、それぞれの持つ過去が露わになるにつれ、二人の関係にひずみが生じていく。シンイチと名乗る謎めいた若い男を演じるのは柳楽優弥。その佇まいや目の表情で、危ういシンイチの心境がどう動くのかと最後まで観る者を惹きつける。シンイチを亡き息子に重ね、家族のように迎え入れる哲郎を小林薫が演じ、再婚予定の相手のことも上の空で、シンイチに過剰な期待を寄せる男の危うさを見事に表現。サスペンスの色合いも滲む、重厚なヒューマンドラマだ。
 
オリジナル脚本でデビューを果たし、第19回東京フィルメックスコンペティション部門スペシャル・メンションを受賞した広瀬奈々子監督に、お話を伺った。
 

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■是枝作品の企画から編集まで立ち会い、手伝いながら「口出しする」監督助手時代。

――――広瀬監督は、2014年に是枝監督や西川監督が立ち上げた制作者集団「分福」から長編デビューする初めての監督でもありますが、実際にどのようなプロセスや教育を経て、監督デビューに至ったのですか?
広瀬:まず監督助手というポジションにつき、是枝作品の企画から編集まで、ずっとそばで立ち会い、お手伝いをしつつ口出しをするのが一番の任務でした。口出しするということは現場を止めてしまうことになるので、最初は本当にできなかったです。助監督は現場では進めていく立場で、いわばアクセル的存在。一方、監督助手はブレーキ的存在なので、意見を言うと周りはザワつきますし、今は言うなという圧力も感じていました。
 
――――徹底的な現場教育ですね。気づきも必要ですし、それを現場にフィードバックさせるのはまさに監督の仕事です。でも、相当言いづらかったのは想像できます。
広瀬:それでも言い続けて採用されるようになるとうれしいですし、今では「是枝さんのあの作品、このシーンは私のものだ」と密かに思っています(笑)。もっと慣れてくると、是枝さんを通して演出を試したり、そういう現場体験を3年間やりました。ただし、3年で卒業なので、そこからは分福に所属していても、自分で仕事を作らなければ仕事はこない。だからプレッシャーはありましたし、監督助手時代からプロットや企画は10本以上出していました。『海街diary』の撮影助手の方がカメラマンデビューされた短編WebCM(6分)の監督をし、その作品を見た是枝さんに、「もう長編を撮ったほうがいいね」と言われたことが長編監督デビューのきっかけになりました。
 
 

■オリジナル脚本は、自立できない時期の自分の不甲斐なさやプレッシャーがベースに。

――――オリジナル脚本で初監督作と恵まれている一方、大変な部分も多々あったと思いますが、脚本のアイデアはどこから来たのですか?
広瀬:私は2011年に大学を卒業したのですが、漠然と演出をしたいと思っていたので、(分福に所属する以前は)就職せずに日々アルバイトをしてひたすら稼ぐ毎日でした。世の中に対してどう関わったらいいのか分からない、社会に対して自分の考え方をどう示していいのか分からない悶々とした時期でした。そういう自立できない時期の自分の不甲斐なさや、プレッシャー、モヤモヤしたものをベースにキャラクターを作ってみようと思ったのがきっかけです。
 
――――シンイチや哲郎、木工所の従業員など、男性のキャストが多いですが、男の不器用さを含め、皆、自然に描かれていて、男心が分かっているなと思いました。最初から主人公は男性と決めていたのですか?
広瀬:私は企画やプロットを書く時、なぜか男性になってしまいます。色々意識せず、自然に書けるのです。誰でも男性的な脳と女性的な脳があると思うので、私の場合は書くときに男性的な脳が働くのかもしれません。分からない部分は役者さんが補ってくれるので、そこは信頼してお任せしました。うまく感情表現できない人間が好きなので、そういうどうしようもない部分を描いてみました。
 
 

■柳楽さんをシンイチ役に想定したら、ただ受け身なだけの主人公が動き出した。

――――脚本執筆中、物語が哲郎寄りになりすぎていることがあったそうですね。
広瀬:そうなんです。やはり20代の時のことを思い出そうとしても、もう30代になってしまったので、哲郎寄りになってきてしまって。できるだけ若々しいキャラクターを書きたかったので、シンイチの部分を書く時に自分の中で補いきれない部分があれば、柳楽さんや、他の人を想像しながら書きました。
 
――――柳楽さんの名前が出ましたが、キャスティングはどの段階でされたのですか?
広瀬:最初に哲郎役の小林薫さんにオファーさせていただきました。その時点で哲郎の方が立体的になってきたのでしょう。シンイチのキャスティングを決めかねていた時に柳楽さんの名前があがり、いいだろうなと思ってはいたけれど、是枝監督が見出した人なので自分の中で少し抵抗する部分があったんです。でも、柳楽さんがシンイチ役になればどうだろうと思って書くと、ただ受け身なだけの主人公が、受けてからもがくというか、一歩遅れてから反応するようになってきてキャラクターが動き出しました。柳楽さんのエネルギーがあると、全然違うことが見える。これは柳楽さんにオファーするしかないと腹をくくりました。
 

 

■大好きな小林薫さんへのオファー、「共感できるわけではないけど、だからこそ面白い」

――――脚本が未完成の段階で、相手役も分からず最初にオファーを受けてくれた小林さんの心意気を感じます。
広瀬:今思えば恥ずかしいぐらいですが、全然脚本が固まっていない時にオファーし他にも関わらず、やって見たいとおっしゃって下さいました。「(哲郎は)共感できるわけではないけど、だからこそ面白い」と。昔から映画やドラマで小林さんの演技は拝見していましたし、森田芳光監督の作品とか、おちゃらけた軽やかな役から、ずしりとした役までできる役者さんで、本当に大好きです。撮影中は、現場でも小物に至るまでいろいろなアイデアを出してくださいましたし、スタッフにも分け隔てなく話しかけてくれ、とてもいい雰囲気を作ってくださいました。若い人との映画作りを楽しんでいらっしゃいましたね。
 
――――柳楽さんを想定すると、シンイチ像が立体的になったとのことですが、その柳楽さんへのオファーを躊躇したのは、是枝監督への遠慮があったからですか?
広瀬:柳楽さんは是枝さんが産み出した才能であることは間違いないので、そういう方を自分のデビュー作に迎えると、必ずそういう是枝印のようなものが付いてしまいます。またそういう柳楽さんへ演出することへのプレッシャーもありました。私の中で、是枝さんから離れられないように見えることへの抵抗があったんです。
 
 
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■理想だけではなく、残酷なもの、複雑なものをそのまま表現することに挑戦。

――――その葛藤を乗り越えて柳楽さんへオファーした結果、是枝監督作品では逆に見られないような、柳楽さん世代が抱える身の置き所のなさとか、焦燥感、そして頑張りきれない主人公の人間臭さが見事に表現されています。
広瀬:理想だけではなく、残酷なものは残酷なまま、複雑なものは複雑なまま表現することに挑戦しました。(敢えてわかりやすさを嫌うのは)青臭いことかもしれませんが、一作目なのでそこはひよらず、自分がダサいと思うことは素直にやらない。そう思って作りました。 
 
――――なるほど。自分の思いをしっかり反映させた脚本、そして作品になった訳ですね。
広瀬:ここまで複雑な感情の行き来がある作品になると、正直思っていなかったです。柳楽さんのおかげもありますが、自分が思っている以上に複雑な内面を抱えたキャラクターになりました。現場で柳楽さんは「(シンイチの表現が)分からない」とよくおっしゃっていましたが、分からないなりに監督の私を信じて、シンイチとしてそこにいてくれたのがありがたかったです。
 

 

■現場で、柳楽さんのなんとも言えない表情にハッとすることが何度もあった。

――――本当にセリフが少ない中、相手との関係の中で、微妙な心の動きを表現する柳楽さんから目が離せなかったです。
広瀬:現場でも柳楽さんがなんとも言えない表情をよくされていて、ハッとすることが何度もありました。ずっと色々なことに否定的なキャラクターでいながら、とても意思の強い目をしていたり、控え目なようで割と図太い部分がある。そういう両面性がすごく出ていて、見方を変えればシンイチが全然違うキャラクターに見えてくるのが、すごく不思議でした。私自身も、見るたびにシンイチの見え方が変わるんです。取材を受けている自分自身も色々な人の意見を聞かせていただく中で受け止め方が変わったり、そういう変化がとても楽しいです。
 
 

■シンイチにも、哲郎にもエゴと残酷さがある。

――――そんなシンイチの面倒をみることになる哲郎も、赤の他人でありながら、亡くなった息子を重ね、親身になって面倒を見る様子が、最初は微笑ましく描かれます。一方、期待が膨らみすぎる危うさもまた、哲郎の未熟な部分を露わにしていますね。
広瀬:最初の顔合わせの時に、小林さんが恋愛に例えて、「哲郎はどこでシンイチのことを好きになるのか」と言われ、意外なアプローチに驚きました。実際、哲郎の狂気ぶりをかなり表現したつもりでいたのですが、哲郎と同世代の方はその狂気さにはあまり気づかない。それも今回、映画を観ていただいて気づいた部分です。シンイチにも哲郎にもエゴと残酷さがあります。シンイチに共感して見ていると、シンイチのエゴには気づかないし、哲郎目線で見ると、哲郎のエゴには気づかない。そんな双方の依存についての物語でもあります。
 
 

■舞台となる木工所は、自分のやりたいことができない期間こそ大事な世界。

――――哲郎が経営している木工所は、典型的な後継者不足の現場であり、家内工業的な親密さの象徴のようにも見えましたが、最初から舞台に想定していたのですか?
広瀬:温もりのあるものを扱いつつ、縦社会がきちんとあるような厳しいコミュニティという視点で、最初の段階から木工所を思い描いていました。実際に木工所をいくつか取材させていただくと、見習いの最初2年はカンナの刃を研ぐだけという厳しい世界だそうです。自分のやりたいことができない期間こそ大事な世界なのだと分かりました。大手家具量販店が出てくる中、衰退し、跡取り難に悩む世界だからこそ、経歴にこだわらず、どんな人でも積極的に採用します。そうして採用した社員を可愛がる情に厚い親方も多く、参考になりました。
 
――――シンイチが机の納品先で、店長からバイト店員へのパワハラを目撃するシーンなど、シンイチの過去を想起させるエピソードが非常に効果的ですね。
広瀬:東京でのシーンをいくらでも作ることはできますが、いかに回想シーンを使わずに、シンイチの親子関係や、社会に出るまでの生活をシーンの中から表出させるか。そこにはこだわりました。
 
――――釜山国際映画祭でワールドプレミア、東京フィルメックスで国内初上映(スペシャルメンション受賞)と、二つの映画祭を経てのロードショーとなりますが、それぞれの映画祭に参加した時の感想や反響は?
広瀬:釜山は街自体が映画を歓迎してくれるような温かい雰囲気で、街を歩いていても「映画を見たよ」と声をかけられました。基本的に観客は20代ぐらいの若い方が多く、皆さんとても熱心に見てくださいました。主人公が精神的にとても危ういので「この動作は死を暗示しているのか」とか、こちらがなるほどと思うようなことを聞いてくださいました。東京フィルメックスは、本当にコアな映画ファンが多く、映画祭の色が濃いと感じましたし、中には見終わってすぐに出て行ってしまう方もいて、ちゃんと賛否両論あるということを実感できる場でもありました。
 
 

■暗闇を歩き続けていても、いつかは「夜明け」が来る。

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――――最後に、夜明けで始まる映画ですが、『夜明け』というタイトルに込めた思いは?
広瀬:夜の中を歩いているような映画ですが、暗闇を歩き続けていても、いつかは夜明けがくる。そんな日が来ることを祈って、このタイトルをつけました。私はダルデンヌ兄弟作品が好きなのですが、安易にわかった気にさせないし、最後まで見たら、また最初から見たくなります。そんな映画をこれからも作っていきたいです。
(江口由美)
 
 
 
 
 
 
 
 

<作品情報>
『夜明け』(2018年 日本 113分)
監督・脚本:広瀬奈々子
出演:柳楽優弥、小林薫、YOUNG DAIS、鈴木常吉、堀内敬子他
2019年1月18日(金)~新宿ピカデリー、シネ・リーブル梅田、なんばパークスシネマ、MOVIX尼崎、神戸国際松竹、MOVIX京都他全国ロードショー
公式サイト⇒https://yoake-movie.com/
(C) 2019「夜明け」製作委員会
 


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《英国ロイヤル・オペラ・ハウス シネマシーズン 2018/19》

バレエ『ラ・バヤデール』試写会(東京)プレゼント!


◎提供:東宝東和

◎日時:2019年1月15日(火)18:00
 上映時間:3時間18分(予定)

◎場所:東宝東和試写室
(〒102-8537 東京都千代田区一番町18 Kawakita Memorial.Bldg.1F)

 地下鉄半蔵門線「半蔵門」駅下車5番出口より徒歩3分
 http://tohotowa.co.jp/company/access.html

◎招待人数:5組10名様


※開映後のご入場は固くお断りさせていただきます。

◎締切日:2019年1月9日(水)

◎『ラ・バヤデール』公式サイト⇒ こちら 

2019年1月18日(金)~1月24(木)、TOHOシネマズ 日比谷、TOHOシネマズ 日本橋、大阪ステーションシティシネマ、ほか全国公開



  スクリーンに、喝采を。カーテンコールに、心からの拍手を。
夢へ誘われる、幻想的なバレエに。心を奪われる、情熱的なオペラに。

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バレエ、オペラともに世界最高の名門歌劇場、英国ロイヤル・オペラ・ハウスの人気公演の舞台映像を『英国ロイヤル・オペラ・ハウス シネマシーズン 2018/19』と題し、東宝東和株式会社配給の元、TOHOシネマズ系列を中心とした全国の映画館で今年も順次上映致します。
 

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『英国ロイヤル・オペラ・ハウス シネマシーズン 2018/19』バレエ第二弾は、エキゾチックな古典バレエ作品『ラ・バヤデール』。

 

古代インドを舞台に、一人の戦士をめぐって舞姫と藩主の娘が火花を散らし、陰謀、裏切り、毒殺、横恋慕と濃厚な恋愛ドラマが展開する。婚約式で繰り広げられる華麗な踊りの数々には酔わされ、影の王国で白いチュチュの群舞が一糸乱れぬ動きを見せる静謐で幽玄な世界にはクラシック・バレエの美の極致がある。戦士ソロルのダイナミックな踊りは男性バレエダンサーにとって高難度で、超絶技巧の限りを尽くしたもの。ソ連から亡命後国際的に活躍した偉大なバレリーナ、ナタリア・マカロワによる演出は、よりドラマ性を重視しており、『ラ・バヤデール』の決定版と言われている。

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ニキヤ役のマリアネラ・ヌニェス、ガムザッティ役のナタリア・オシポワは、世界のバレエ界でもトップの人気と実力を誇るスターで、この2大バレリーナが共演して対決する贅沢な趣向。ソロル役のワディム・ムンタギロフも、世界最高レベルのクラシック・テクニックを誇る貴公子。やはり高度な技術が要求されるブロンズ・アイドル(黄金の仏像)役には、プリンシパルのアレクサンダー・キャンベルが配役。さらに影の王国のヴァリエーション(ソロ)にプリンシパルの高田茜、ヤスミン・ナグディ、日本出身の崔由姫という、映画館中継ならではの配役。冒頭で派手な跳躍を見せる苦行僧マグダヴェーヤにアクリ瑠嘉、婚約式で華やかな踊りを披露するパ・ダクシオンに金子扶生が出演するなど、日本人ダンサーも活躍。ロイヤル・バレエの総力を結集し、滅多にない豪華キャストで贈る華麗なクラシック・バレエの饗宴となった。


 


 

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<ロイヤル・バレエ『ラ・バヤデール』作品情報>

【あらすじ】
古代インド。神殿の舞姫ニキヤと、高貴な戦士ソロルはひそかに永遠の愛を誓う。しかしラジャが娘ガムザッティとソロルを結婚させることを決め、ソロルもガムザッティの美しさに惑わされて誓いを忘れる。ニキヤに横恋慕をしている大僧正から、ニキヤとソロルの関係を聞いたラジャは、ニキヤを始末することを思いつく。ガムザッティはニキヤにソロルを諦めることを迫るがニキヤは逆上し、ガムザッティもニキヤを亡き者にしようと決意。ガムザッティとソロルの婚約式でニキヤは踊るが、ラジャ親子の策略で花籠に仕組まれた毒蛇に噛まれて息絶える。


阿片に溺れるソロルは、影の王国で踊るニキヤの幻を見る。ガムザッティとの結婚式で再びソロルはニキヤの幻影に取りつかれる。神の怒りにより神殿は崩壊。天に上ったニキヤとソロルの魂は永遠の愛の中で結ばれる。
 


【振付】マリウス・プティパ 【追加振付】ナタリア・マカロワ 
【音楽】レオン・ミンクス 【指揮】ボリス・グルージン
【出演】
ニキヤ(神殿の舞姫):マリアネラ・ヌニェス
ソロル(戦士):ワディム・ムンタギロフ
ガムザッティ(ラジャの娘):ナタリア・オシポワ
ハイ・ブラーミン(大僧正):ギャリー・エイヴィス
ラジャ(国王):トーマス・ホワイトヘッド
マグダヴェーヤ(苦行僧の長):アクリ瑠嘉
アヤ(ガムザッティの召使):クリステン・マクナリー
ソロルの友人:ニコル・エドモンズ
 

【第1幕】
ジャンベの踊り: マヤラ・マグリ、ベアトリス・スティクス=ブルネル
パ・ダクシオン:エリザベス・ハロッド、ミーガン・グレース・ヒンキス、アナ・ローズ・オサリヴァン、ロマニー・パジャック、クレア・カルヴァート、金子扶生、マヤラ・マグリ、ベアトリス・スティクス=ブルネル、リース・クラーク、ニコル・エドモンズ

【第2幕】
影の王国(ヴァリエーション1): 崔 由姫
影の王国(ヴァリエーション2): ヤスミン・ナグディ
影の王国(ヴァリエーション3): 高田 茜

【第3幕】
ブロンズ・アイドル:アレクサンダー・キャンベル

『ラ・バヤデール』コピーライト:©ROH, 2018. Photographed by Bill Cooper.
公式サイト:http://tohotowa.co.jp/roh/movie/?n=la-bayadere

2019年1月18日(金)~1月24(木)、TOHOシネマズ 日比谷、TOHOシネマズ 日本橋、大阪ステーションシティシネマ、ほか全国公開


(オフィシャル・リリースより)

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サンタクロースの国、北欧フィンランドから届いた
本国大ヒットの児童文学映画化作品 第2弾のシーズンは冬の始まり

クリスマスとこびとたちのかわいい世界
憧れと幸せの奇跡が詰まった物語


この度、『オンネリとアンネリのふゆ』が 12/15(土)よりシネ・リーブル梅田、12/22(土)より京都シネマにて公開するのを記念し、レストランKeitto Ruokala(ケイットルオカラ)」と、姉妹店「Keitto」「north object ららぽーと甲子園店の3店舗にてタイアップ企画を開催いたします。

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レストランKeitto Ruokala(ケイットルオカラ)
姉妹店「Keitto
姉妹店「north object ららぽーと甲子園店


オンネリ.jpg淀屋橋の北欧伝統料理のエッセンスをとりいれたレストランKeitto Ruokala(ケイットルオカラ)にて、鮮やかなピンク色がかわいらしい『オンネリとアンネリのふゆ』公開記念の特別メニュー “ビーツのポタージュ(単品300円)が登場!原作本「オンネリとアンネリのふゆ」と、同シリーズ「オンネリとアンネリのおうち」をご自由にご覧いただけます。


また12/7(金)には、本作公開記念「PIKKUJOULU~フィンランド流クリスマスの楽しみ方~」と題して、ピックヨウル(小さなクリスマス会)も同店舗にて開催決定。

ヒンメリ作りのワークショップから始まり、「オンネリとアンネリのふゆ」の特別映像を見たり、この日だけの特別クリスマスディナーを食べたり。フィンランドのクリスマスを楽しむ内容がたくさん!本作の映画鑑賞券や原作本などが当たるおたのしみ抽選会も!※小さなクリスマス会への参加は要予約


Keitto Ruokala(ケイットルオカラ)」はもちろん、姉妹店「Keitto」「north object ららぽーと甲子園店」店内にて映画のパネル展を開催中!北欧のインテリアに囲まれた3店舗にて、映画のキュートな世界の浸れます!

期間:2018.12.3(月)~12.25(火)

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Keitto Ruokala(ケイットルオカラ)

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Keitto=スープ、Ruokala=食堂 を意味するフィンランド語。Keitto Ruokalaは、からだと心にやさしい日々の食事を気軽に楽しんでいただきたい、そんな想いを込めて、温かみのある北欧伝統料理のエッセンスをとりいれたレストランです。

12/7(金)開催の小さなクリスマス会ピックヨウル詳細ページはこちら

https://northobject.com/events/event/finland_christmas_party_keittoruokala_osaka/

〒541-0046大阪府大阪市中央区平野町3丁目3−5NJK淀屋橋ビル1階 / TEL 06-6121-6871
HP:https://northobject.com/keitto-ruokala/
Instagram keitto_ruokala 
Facebook  https://www.facebook.com/KeittoRuokala/

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Keitto 

〒550-0014 大阪市西区北堀江1丁目23-16 堀江アージュ1F/06-4395-5648
HP:https://northobject.com/keitto/  ※12/6(木)~12/22(土)の開催


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north object ららぽーと甲子園店 

〒663-8178 兵庫県西宮市甲子園八番町1-100/ TEL 0798-39-7720
HP:https://northobject.com/north-object-koshien/  ※12/3(月)~12/25(火)開催


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『 オンネリとアンネリのふゆ 』  公式サイト⇒ https://www.onnelianneli.com/

 

フィンランドで⻑く愛され続けるマリヤッタ・クレンニエミによる児童⽂学が原作の⼩さな⼥の⼦オンネリとアンネリの物語。

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今作「オンネリとアンネリのふゆ」は本国では12週連続トップ10入りし、前作「オンネリとアンネリのおうち」を上回る成績で再び大ヒット!シリーズ3作品はのべ100万人を動員し、国民の5人に1人が観る大ヒットを記録!
冬仕様のインテリアや小物にオンネリとアンネリのおそろいの冬服もとってもキュート!誰もが幼い頃に憧れた、とびっきりかわいい幸せな世界へようこそ。

<ストーリー>
クリスマスの近づくある日、バラの木夫人から買った小さなかわいいおうちで暮らすオンネリとアンネリのもとに、プティッチャネンというこびとの一族の家族がバラの木夫人をたずねてやってきました。おうちをなくしたこびとの家族は、彼らをつかまえようとする悪い人間たちから逃げているといいます。
そこで二人は、夫人の居場所がわかるまで、二人のドールハウスに家族をかくまうことに。しかし、お金に困っているガソリンスタンド店の夫婦がこびとの家族の存在に気づいて・・・!果たして、二人は彼らを守ることが出来るのでしょうか。


12/15(土) シネ・リーブル梅田
12/22(土) 京都シネマ にて公開

監督・脚本:サーラ・カンテル  
出演:アーヴァ・メリカント、リリャ・レフト、エイヤ・アフヴォ、ヤッコ・サアリルアマ
原作 「オンネリとアンネリのふゆ」  著者:マリヤッタ・クレンニエミ 訳者:渡部翠 出版社:福音館書店
2015年/フィンランド/81分/フィンランド語/原題:Onneli ja Anneli talvi

 

 
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