(左から、山田孝之、桃果、石橋義正監督、武田玲奈、アオイヤマダ)
日時:2023年9月16日(土)16:20~
場所:るり渓高原
(るり渓温泉 ポテポテ広場=京都府南丹市園部町大河内広谷 1-14)
ゲスト:石橋義正監督、山田孝之、アオイヤマダ、武田玲奈、桃果
石橋義正監督10年ぶりの最新作『唄う六人の女』のロケ地となった京都府南丹市にて、9月16日にONE NANTAN CINEMA FESTAが開催され、同作の世界初上映を前に、石橋義正監督、出演の山田孝之さん、武田玲奈さん、アオイヤマダさん、桃果さんが登壇し、スペシャルトークを開催した。
(南丹市の西村良平市長から特産物詰め合わせの贈呈を受ける石橋義正監督(左))
京都出身で、現在も京都市立芸術大学で教鞭をとっている石橋監督は、南丹市美山町の芦生原生林で撮影、映画を撮ることになったきっかけについて、「自ら作りたいと思った作品をできるだけたくさんの人に見て伝えるには映像というメディアがふさわしいと思い、オリジナル脚本の映画を作りました。京都はものづくりに携わる人たちがすごく多いので、クリエイティブなことに対することへの理解が高い。(保護されている場所だが)原生林で撮影したいとお願いし、特別に許可を取りました」と明かした。
原生林での撮影や南丹市の自然の中で、今回挑んだテーマは「自然」。そのテーマについて聞かれると、「自然とどう生きていくかがテーマで、ずっと悩んでいました。人間とは何のために生まれてきたのか。今も答えを探している最中で、その気持ちをこの映画にぶつけました。人間は自然のサークルからはみ出し、生きていくと自然破壊をしてしまうが、なぜこういうことになるのに生まれてきたのか。その理由は共生進化で、時間はかかるかもしれないが、前向きにみんなで考えていくべきではないかと思ったんです」と語った石橋監督。
12年前の前作『ミロクローゼ』で、一人三役の難役をフルパワーで演じた山田に対し、絶大な信頼を寄せていたそうで「ファンタジックな映画でリアリティーを持たせるために山田さんに演じてもらいたかった。見事に演技もアクションも素晴らしいパフォーマンスを見せてくれました」と本作での演技を絶賛した。
一方、映画の企画段階からオファーを受け、撮影後もプロモーション企画などに尽力している山田は「脚本を読んだとき、面白いし、伝えなければいけないメッセージが深いと思いました。撮影に入るまですごく憂鬱で、今回は、この人(宇和島)にはなりたくないという気持ちがすごくあった。自分の感覚と全く違い、自然の中で感謝するという気持ちを全部捨てて、憎たらしいという気持ちに持っていくのがしんどかったが、そこを全力でやらなければ(作品のメッセージが)伝わらない。いざ撮影に入ったら、ちゃんと仕事をしたと思います」と本作の鍵となる役を演じたときの葛藤を表現した。
石橋監督が「6人それぞれの個性が必要なので、お客さまにこの人のことが頭から離れないという魅力を出していただける人にオファーした」と語った、唄う女たちを演じた3人は、
「自然のあるところに育ったので、自然の中で撮影できるのが楽しみでした。どんな感じの役になるのか掴みきれなかったけれど、不安ながらもワクワクしながら撮影に臨みました」(武田)
「セリフがない役ははじめて。どんな風にできあがるのかワクワクしました。撮影では、セリフがないことを忘れるぐらい綺麗に撮っていただきました。純粋で無垢で少女のような役だったので、その場で起きたこと、興味を感じ取り、いろんなことを考えずに見つめることを心がけました」(桃果)
「石橋義正監督の作品が大好きで、新作を作るときき、ぜひ出演したいと思いました。鮎が美味しかったので、夫にお土産で鮎の佃煮を買って帰りました。今日はそれを入れたお弁当をプリントしたワンピースを着てきました」(アオイヤマダ)
とそれぞれの撮影時のエピソードを披露。
豊かな南丹市の自然の中での撮影は、登壇したみなさんにとって宝のような時間になったようで、石橋監督は「早く撮影が終わると、ゆっくりと美山の景色を日頃飲まない日本酒を飲みながら、ゆっくり考えることができたのは、とても貴重な時間でした」と語れば、山田も「宿の横に川があって、日中鮎を獲っているので食べさせてもらうと、本当に美味しかった。都会の方で食べるのとは味が違う」と絶賛。アオイヤマダは竹野内豊が撮影中に人生で初めて頭皮が動いたと話していたことを披露しながら、自然の中にいることの効果を語り、笑いを誘う一幕もあった。そんな竹野内からもサプライズで動画メッセージが到着。「森での撮影を、毎日穏やかに取り組むことができました。子供の頃は自然の中で遊んでいたので、芦生の森の風景は今でも心の中に残っています」と撮影時の思い出と芦生の森への思いを明かした。
最後に、
「思いやりを感じる作品です。自然と人間をわけるのではなく、何に対しても思いやりを持てばコミュニケーションを取り続けられると思います」(アオイヤマダ)
「全身でこの映画を自然とともに感じていただけたら嬉しいです」(武田)
「自然があるからこそ人がいると思っているので、そういう大切さを改めて感じ取っていただければ」(桃果)
「スタッフ、キャストももう一度再認識しなければという気持ちで作ったので、まずは見ていただきたいという気持ちがあります。こういう映画があると伝えていただきたい。そこから人間たちはそれぞれの役割を考えていくのではないか。そういうきっかけになればと思います」(山田)
「世界初の上映会を、素直に楽しんで、最後までゆっくりと観ていただければと思います」(石橋監督)
と、心地よい風や、虫の音が聞こえる自然の中での世界初上映に向け、観客にメッセージを送った。
撮影した自然の中で、世界初上映を行う新しい形の映画の楽しみ方は、映画の新しい可能性をも感じさせる。わたしたちは自然の中でより感性が豊かになれることにも気づかせてくれる。それだけにこの自然をなくさないためにはどうすれば良いのかを静かに問う石橋監督の最新作。サスペンスやアクション、そして唄う六人の女たちの幻想的な美しさや身体表現にも注目したい。
舞台挨拶も終わろうかという時に突然、「山田さんのSP」と名乗る男が登場! SPというより、むしろ怪しさ全開の男の正体は……YouTuberの”はじめしゃちょー”!!!
「今夜は山田さんを無事に家まで送り届けます!」とミッションを口にすると、「いやいや、今日は家に帰んないし…」と山田。お二人とも普段から仲良しとのことで、こんな山奥まで応援に来てくれたのでした。
<作品紹介>
『唄う六人の女』
(2023年 日本 112分)
監督・脚本:石橋義正
出演:竹野内豊、山田孝之、水川あさみ、アオイヤマダ、服部樹咲、萩原みのり、桃果、武田玲奈
制作協力:and pictures
配給:ナカチカピクチャーズ/パルコ
(C) 2023「唄う六人の女」製作委員会
公式サイト:https://www.six-singing-women.jp/
2023年10月27日(金)~全国のTOHOシネマズ系、大阪ステーションシティシネマ、京都シネマ OSシネマズ神戸ハーバーランド 他全国ロードショー
日時:2023年8月24日(木)豊中市先行上映会
場所:豊中市立文化芸術センター
ゲスト:山田洋次監督、北山雅康(巡査役)*敬称略
『男はつらいよ』シリーズや『家族』『幸せの黄色いハンカチ』など時代に翻弄されながらも愛情をもって生きる市井の人々を描いては、日本の家族の在り方を問い続けてきた山田洋次監督。『たそがれ清兵衛』や『武士の一分』などの時代劇でも、武家社会の理不尽さに抗う人々を清廉に描いてきた。正に日本映画界を代表する巨匠の1人である。そんな山田監督は今年92歳を迎え、監督作90作品目となる『こんにちは、母さん』が9月1日に公開される。サラリーマンの宿命ともいうべきリストラ問題や家族の崩壊に悩む中年息子と、日々素直な気持ちで一所懸命に生きる母親の姿を通して新たな家族の情景を活写して魅了する。
東京は下町を舞台に、吉永小百合が珍しく老齢の母親を演じ、その息子役に今や超人気俳優の大泉洋をキャスティング。もうそれだけで話題になる作品である。公開を前に豊中市立文化芸術センターで開催された先行上映会に、山田洋次監督と山田組の常連俳優の北山雅康が舞台挨拶で登壇し、撮影現場の様子や今回新たに加わった俳優について語った。山田監督は、観客の入りを気にしてか登壇前に舞台袖から会場をちょっとのぞき込み、超満員の熱気に驚くお茶目な一面を見せていた。
吉永小百合については「顔立ちだけでなく人間として品格のある女優」と評し、今回山田組に初出演となる大泉洋を「主演スターとして通用する実力派俳優」と絶賛、宮藤官九郎については「監督としても俳優としても一流の宮藤官九郎君が脇役を快く引き受けてくれて、僕の注文にも誠実に応えてくれた」と好感を示し、現場でもムードメーカーだったYOUについては「とても楽しい人、是枝監督の言う通り、監督の意図を理解して演技してくれる人だった」と大絶賛。キャスティングの妙にも大満足のご様子。
老齢の母親の恋愛に戸惑う中年息子の物語に新たなキャラクターが加わった今回の作品は、これまでの山田組の盤石さを感じさせる懐かしさと、次世代へのエールが込められた人間讃歌に満ち溢れているようだ。戦中派の監督が少なくなった今、山田洋次監督の時代の変化を反映しながら人々の心の変容を映し出す作品と、それを丁寧に語る言葉を聴くことができたとても貴重な舞台挨拶となった。
〈以下、舞台挨拶の詳細〉
――最初のご挨拶
山田監督:テレビでこの暑さのことを“危険な暑さ”と言っていましたが、この危険な暑さの中を僕の映画を観に来て下さるなんて、しかもこんなに沢山の方に来て頂けるなんて、ホント日本中いろんな所へ行ってますが、こんな超満員になるのは初めてですよ。びっくりしてます。本当にありがとうございます。
――監督作90作品目ということですが?
山田監督:数が多いというのは決して自慢じゃありませんよ。ただ沢山作ったというだけでね。巨匠と言われる人たちはそんなに沢山作るもんではないんです。
――今回は山田監督作品に初出演という方が多かったですね。大泉洋さんに宮藤官九郎さん、YOUさんなど…中でも大泉洋さんは今や大人気で超売れっ子ですが、起用された理由は?
山田監督:テレビや映画などで彼の演技は観てましたけど、力のある大した役者さんだと思いました。主演スターとして通用する数少ないスターの1人ですね。
――大泉洋さんが出てくるだけで明るくなったのでは?
山田監督:そこは大事なところですね。パアッと明るくなる。明るくならない俳優も沢山いますからね(笑)。吉永小百合さんがいて、息子は誰がいいか?…息子が決まらないとこの企画は進まないのでね。僕は早い時期から息子は大泉洋がいいと思っていたんです。
――宮藤官九郎さん、YOUさんについては?
山田監督:宮藤官九郎という人は喜劇の監督としても役者としても一流の人で、そんな人が脇役として登場してくれるのかと思っていたら、「喜んでやります!」と言ってくれたので嬉しかった。ああいう形で参加してくれて、現場でもとても真面目というか、僕の注文に誠実に応えてくれてとても好感を持ちました。
YOUさんは変幻自在の人だと思っていたら、一緒に仕事していてとても楽しい人でした。どんな注文でもどんどんこなして消化してくれる人なんです。是枝監督が撮影を見に来てくれたことがあって、YOUさんは是枝監督によって見い出された俳優さんですから、「YOUちゃんはいい役者だね」と言うと、是枝監督が、「彼女は監督が自分に何を要求しているのか、よく理解できる役者ですよ」と言っていました。それは僕にもよく理解できましたね。
北山:YOUさんはとてもいいムードメーカーでしたよ。YOUさんが居ると、監督も皆が和やかな雰囲気なってましたね。
(ここで突然自己紹介が始まって…)すみません!私は向島の巡査役を演じてました北山雅康と申します。今日はようこそお出で下さいました。ありがとうございます!(笑いと拍手)僕は『男はつらいよ』シリーズで「とらや」の店員で三平役をやらせて頂いてから山田監督作品に出させて頂いてますので、山田監督とは35年もお世話になっております。
山田監督:北山君は大阪に来ると急に関西訛りになるんですよ(笑)。
北山:もうダメです。堰を切ったように関西弁が出るんです。出身が京都なもんで。
――撮影現場で大変だったことは?
北山:皆さんお気付きですか?私は向島の巡査役で出ていたんですよ。特に、[言問橋(ことといばし)]のシーンは大変だったんですよ!あそこは向島と浅草を繋ぐ橋でして、普段から交通量の多い所なんです。そこを「ちょっと待って下さいね」と通行止めしながらの撮影でした。
山田監督:夕景をワンカットで撮ろうと180度以内の通行を止めなきゃいけなかったんです。
北山:終いには怒り出す通行人の方もおられて、私が巡査の格好で立ってるもんですから「お前巡査やろ、なんとかしろ!」と怒られて、エライ目に遭いました(笑)。「あの人に言うて下さい、あの人に!」と本物の巡査の方を指差してましたわ。カメラが私たちを捉えて撮って下さる時、監督はモニターの前におられるのが普通なんですが、山田監督はカメラと一緒に動いておられました。
――共演者との印象は?
北山:やはり吉永小百合さんですね。わたしにとっても憧れの女優さんです。吉永さんが演じておられる神崎福江さんのお宅へ訪ねるシーンもありましたので、初めてゆっくりとご一緒させて頂いたのですが、普段からピリッとしたオーラのある方ですよね。福江さん役で皆さんと和やかに話しておられても、やはり他の女優さんとは違いますよね。是非、本物の吉永小百合さんに会って頂きたいです。(拍手)
――山田監督からご覧になって吉永さんの魅力とは?
山田監督:う~ん、(少し間をおいて)品の良さというと常識的な言い方になりますが、とにかく品がいい、顔立ちだけでなく、人間としてね。とても真面目な方で、世界の問題とか人類の課題とかにも関心を持って勉強もよくされています。特にあの人は原爆反対に明確な意思を持って取り組んおられるし、非常に知的な人で、人間としてしっかりとした人ですね。バカバカしい冗談を言ってゲタゲタ笑うようなタイプではないんですけど、女性として立派な人だと思いますね。
――そんな吉永さんが演じられた“お母さんの恋”について?
山田監督:「お母さんが恋をしたらどう思う?」と40~50代の中年男に聞くと、みんな顔をしかめます(笑)。「とんでもねえよ」とか「イヤだよ」とかね。確かにお父さんが生きている場合はとんでもないことですが、「お母さんが独りだったら?」、「それでもイヤだよ」って言うんです。一人の女性として恋をしてもいいと理屈では解っていても、イヤなようです。女性と男性では受け止め方も違うようですが、はやり母親に対して神聖視しているというか、聖なる存在なんですよ、母親は。恋をするということはどうしてもセックスと繋がっていて、母親を女として考えたくないというのが、息子たちの本音のようです。でもそれはしょうがないことなんです。それを超えて人間は生きていく訳ですから、男の子は諦めるしかないんです(笑)。
――これを見ている中年男性は、少し大らかな気持ちでいて欲しいですね。
山田監督:そう思います。
――山田監督は91作目の構想とかはおありですか?
山田監督:終わったばかりで今はあまり考えられませんね。でも、監督になってから60年以上になりますが、いつも2つや3つはやりたい構想は持っているもんなんですよ。それが漬物みたいなもんで、そろそろ食べ頃かなと出してみる。今でもいくつかの企画は持っています。できたら実現したいなと思っていますが、いつかは僕にも限界が来るでしょうから、ここでは言えませんね。
――それは楽しみですよね?北山さんは次はどんな役で出たいですか?
北山:私ね、現場に1週間位居るような役しかないんですよ。次の作品ではもう少し長く現場に居られるようにして頂きたいなと思ってます。
――今回の息子役のような?
北山:とんでもない!そこまで言ったら怒られてしまいます。ご辞退いたします(笑)。
(長内繁樹豊中市長(左)も加わっての記念撮影)
――ここで山田監督にお願いがあるのですが、次回作では是非この豊中市でロケをして頂きたいなと思っているのですが?(場内から拍手が沸き上がる)
山田監督:「わたくし、生まれも育ちも、豊中は岡町という所でございます!」(笑) 私が生まれた家がまだ残っているんですよ。あの家を映すようなロケーションができたらいいなと思っています。
――楽しみです~!(観客からも拍手!)是非よろしくお願いいたします!
『こんにちは、母さん』
(2023年 日本 110分)
監督:山田洋次
原作:永井愛
脚本:山田洋次、朝原雄三
音楽:千住明
出演:吉永小百合、大泉洋、永野芽郁、YOU、桂元萌、宮藤官九郎、田中泯、寺尾聡他
公式サイト: https://movies.shochiku.co.jp/konnichiha-kasan/
2023年9月1日(金)より全国ロードショー
(河田真喜子)
『ミッドナイトスワン』の内田英治監督と『岬の兄妹』『さがす』の片山慎三監督、二人の監督がタッグを組み、ドラマやCM・舞台等にも引っ張りダコな伊藤沙莉を主演に迎えた『探偵マリコの生涯で一番悲惨な日』の完成披露舞台挨拶を5月31日(水)に実施いたしました!
本作は、新宿ゴールデン街にある小さなバー「カールモール」のカウンターに立つ女マリコ(伊藤沙莉)が、さまざまなワケあり常連客の相手をする一方、実は「新宿探偵社」としての顔も持っており、ある日FBIを名乗る3人組から「歌舞伎町に紛れ込んだ宇宙人を探してくれ」という依頼をうけ、恋人の自称忍者MASAYA(竹野内豊)の協力のもと宇宙人に迫ってゆく、ブラックユーモア溢れる、過激で少しだけアダルトな異色の探偵エンタテインメントになっております。
イベントには、主演・マリコ役の伊藤沙莉、MASAYA役の竹野内豊をはじめ、主題歌「ハイボールブギ」の作詞作曲も担当したDa-iCE 工藤大輝がスペシャルゲストとして登壇。さらに、内田英治監督、片山慎三監督の両監督も登壇し語りました!
■日時:5月31日(水) 18:20 ~ 18:55 ※上映前イベント
■場所:テアトル新宿(東京都新宿区新宿3-14-20 新宿テアトルビルB1)
■登壇者:伊藤沙莉 (主演・マリコ役)、竹野内豊 (MASAYA役)
主題歌「ハイボールブギ」作詞作曲 Da-iCE 工藤大輝
内田英治監督 、片山慎三監督 (敬称略)
(左から、内田英治監督、工藤大輝、伊藤沙莉、竹野内豊、片山慎三監督)
『ミッドナイトスワン』の内田英治監督と『さがす』の片山慎三監督がタッグを組んだ奇想天外な映画『探偵マリコの生涯で一番悲惨な日』(6月30日公開)の完成披露舞台挨拶が5月31日に都内映画館で行われ、伊藤沙莉、竹野内豊、内田英治監督、片山慎三監督 工藤大輝(Da-iCE)が参加した。
歌舞伎町のBAR「カールモール」のバーテンダーで探偵のマリコを演じた伊藤は「企画立ち上げから長い時間をかけてやっと実現した作品なので、作品に入れることが嬉しかった」と喜び「スナックのママがやりたかったので、役を通してやらせていただく職業として嬉しかった」と喜色満面だった。
マリコの恋人で自称忍者のMASAYAを演じた竹野内は「現代劇なのに忍者!?どういう意味?と思った。僕自身がビックリ」と奇抜オファーに驚きながら「なんといっても日本映画界で当代きっての個性派監督であるお二人がタッグを組んで映画を作る。それだけでワクワクする気持ちがあった」と内田監督&片山監督のタッグに期待を持っていた。
竹野内=忍者という発想について内田監督が「雑談の中での悪ノリかな?」と言えば、片山監督は「言い出したのは僕です。役と合っていました」と太鼓判。伊藤は「やることなすこと可愛くて、竹野内さんがこれをやるんだ?というギャップを楽しみました」とニヤリ。当の竹野内は「衣装合わせの時に片山監督がゲラゲラ笑っていた」と照れながら明かしていた。
東京の新宿歌舞伎町を中心にロケ。伊藤は「歌舞伎町ならではの何かしらの渦巻いている感じがあって、その空気感の中で撮れたのが嬉しかった。自分もよく来る街なので思い入れのある分、そこが舞台になるのが嬉しかった」と撮影を回想。竹野内も「新宿は日本のみならず、世界中から色々な文化や人種、エネルギーが集結する街。個性派監督の2人がそこでどんな映像を作り上げるのか興味深かった」と振り返った。
片山監督は新宿での撮影について「カメラのルックも外国人のカメラマンが歌舞伎町を撮ったような画にしたかった。新宿は色々な時代を映す場所なので、現代の新宿を描きたかった」と狙いを明かし、内田監督も「伊藤さんと竹野内さんは歌舞伎町にはいなそうなイメージなのに、役者として歌舞伎町を歩くとメチャメチャ歌舞伎町にいそうな感じになった」と手応えを得ていた。
日本に先駆けて世界の国際映画祭で上映され、ブリュッセル国際ファンタスティック映画祭では、主要部門のひとつ「ホワイト・レイヴン・アワード」を授賞。ポルト国際映画祭では「観客賞」を受賞。多忙ゆえに海外の映画祭に参加できない伊藤は「全部行けていない…」と残念がるも、「脚本を読んだ段階で海外に行きそうだという期待感がありました。実際に作品が世界に旅立って評価されるのは嬉しい」と誇らしげ。唯一海外の映画祭に参加した内田監督は「ポルトガルの映画祭では劇場のドアを開けたら人が沢山いた。すごく盛り上がっていたので自信を持ちました。ウケを狙っていない冒頭シーンからドカンと笑いが起きていたりして、ここで笑いが生まれるんだと日本とは違う反応が面白かった」と海外オーディエンスの新鮮なリアクションを報告した。
さらに本作の主題歌「ハイボールブギ」の作詞作曲を担当した工藤がスペシャルゲストとして登壇。「映画からはポジティブなカオスを感じたので、楽曲を作る上ではカオスな楽曲にしたくて曲調を変調にしたり、歌詞もカオスを感じられるようにした」とこだわりを明かした。主題歌「ハイボールブギ」について伊藤は「めちゃくちゃ素敵で聴いたときに痺れました。好きな曲調で先の読めない感じも好き。聴いていて単純に気持ちも上がりました。作品への愛を感じた」とお気に入りだった。
ちなみにDa-iCEといえば昨年、楽曲「スターマイン」がSNSで5億回再生されたことが大きな話題に。援軍を得た形に片山監督も「映画もヒットすること間違いなし!」と饒舌だった。
最後に竹野内は「今日が本作の初お披露目ということなので、多くの方々にSNSなどを使って感想を伝えてほしい」と観客に期待。伊藤も「自分にとって大切な作品です。色々なフィクションをかき集めるとこんなにノンフィクションな雰囲気が作られるんだと思った。どんな感想が皆さんから生まれるのか、私はエゴサーチ魔なので皆さんの感想はひたすらに追っています。口コミ等々でこの作品が広まるといいなと思っています」と反響を楽しみにしていた。
『探偵マリコの生涯で一番悲惨な日』
出演:伊藤沙莉
北村有起哉 宇野祥平 久保史緒里(乃木坂46)
松浦祐也
高野洸 中原果南 島田桃依 伊島空 黒石高大
真宮葉月 阿部顕嵐 鈴木聖奈 石田佳央
竹野内豊
監督:内田英治 片山慎三
脚本:山田能龍 内田英治 片山慎三
音楽:小林洋平
主題歌:Da-iCE 「ハイボールブギ」
製作:「探偵マリコの生涯で一番悲惨な日」製作委員会
(東映ビデオ S-SIZE Alba Libertas 吉野石膏)
制作プロダクション:Libertas
配給:東映ビデオ
©2023「探偵マリコの生涯で一番悲惨な日」製作委員会
公式サイト: detective-mariko-movie.jp
(オフィシャル・レポートより)
日時:2023年5月29日(月)
会場: スターライズタワースタジオ(東京都港区芝公園 4-4-7 東京タワーメディアセンター内)
登壇者:あのちゃん、ヒコロヒー、ミーガンガールズ
『ソウ』『死霊館』や『アナベル』シリーズで知られる巨匠ジェームズ・ワンと、 『ハロウィン』『透明人間』のジェイソン・ブラム率いるブラムハウスが待望の再タッグを組み、心に傷を負った少女の親友になるようプログラムされた AI 人形 <M3GAN>の行き過ぎた愛情と狂気を描く、制御不能サイコ・スリラー『M3GAN/ミーガン』。全米興収9,504万ドル〈約131億円〉、全世界興収 1 億 7,611 万ドル〈約 243 億円〉突破(2023 年 5 月 25 日現在)の大ヒット作がついに、6月9日(金)より全国公開!
交通事故で両親を亡くし、悲しみからふさぎこんでしまった9歳の少女ケイディ。おもちゃメーカーの才気あふれる研究者ジェマは、この姪を引き取ることになるが、仕事ひと筋の独身者にとって育児はハードルが高い。そこで彼女は研究段階の AI 搭載の人形 M3GAN(ミーガン)を、実験を兼ねてケイディにあたえる。ケイディは“彼女”との交流によって笑顔を取り戻していった。ケイディが親しめば親しむほど、彼女によかれと思えることを次々と実行していくミーガン。しかし彼女の中に芽生えたケイディへの愛情は、やがて狂気へと変わり、とてつもない惨劇を引き起こす......。
この度、あのちゃんとヒコロヒーさん、そしてミーガンガールズが本作の魅力をアピール!公式アンバサダー就任イベントを実施いたしました! イベントでは、全世界で話題沸騰の“ミーガンダンス”を、可愛くも不気味な「ミーガンガールズ」たちが披露!そして本作の公式アンバサダーに就任した、歌手・モデル・タレント・そして俳優とマルチに活躍するあのちゃんが 、先日解禁された特別動画(5/26(金)解禁)でも披露した“ブロンド”ヘア&ミーガン衣装で共に華麗に登場しました!
さらに、ミーガンのお友達になりたい代表ゲストとしてお笑い芸人のヒコロヒーさんも会場にかけつけ、作品の魅力、そしてこじらせ気味なお友達 AI 人形ミーガンに因み、“最近こじらせてるなと思うこと”をフリップトークしたりと、このイベントだからこその熱い女子トークを繰り広げました!
<以下、レポート文>
イベントの開始とともに音楽に併せて、キュートなブロンドヘアでミーガンの格好に扮したあのちゃんと、彼女を取り巻くようにミーガンガールズが登場。そして「ミーガンとお友達になりたい代表」ゲストとして、ヒコロヒーさんも参戦。「ミーガンとお友達になりたい一心でここにきました!」と挨拶を述べた。このままミーガンガールズも並んで立ったままなのかと思いきや、あのちゃんからの「座ってもらって見ていてください!」という指示に従い、自分たちで椅子をもって後ろに移動。「僕の言うことは聞くの」と話すあのちゃんに、ヒコロヒーさんは「いや、段取りやろうけどなぁ」と冷静にツッコんだ。ヒコロヒーさんもミーガンガールズに指示を出してみるが聞いてくれず、どうやら、あのちゃんのお願いにだけ反応する様子を窺わせた。
ミーガンガールズたちの目線が気になる中、質疑応答へ。あのちゃんは「不気味で怖かったけど…ケイディを守ろうとして、どんどん狂気的になっていったから嫌いじゃなかった。それに今 AI が進歩して世界中の人が色々やってるじゃん。だから未来が怖くなった」、ヒコロヒーさんは「ミーガンというキャラが個性的でしたよね!突然踊ったりとか突拍子もない行動をしだすのが不気味でありながら面白かったですね」と各々本作の感想を述べ、後ろでトークを聞くミーガンガールズたちも納得のジェスチャー。
何をしでかすかわからないミーガンの個性が可愛さでもあり怖さでもある本作。ミーガンのもつ魅力について聞かれると、あのちゃんは「手元に置いておきたくなる。守ってくれるってめちゃいいと思って。人間よりも頭の能力が高いから頼りがいがある」これにはヒコロヒーさんも「確かに。あのちゃんの横にいてくれたら、今言いたいこととか言ってくれるよね」と共感。くわえてあのちゃんは「僕より喋るのが上手くて尊敬してます。歌も上手で。それに不気味なのが凄く趣味にあいました!」と語る。
ヒコロヒーさんも「何をしでかすかわからない。例えばダンスとか、突然なんでそういうことをするの⁉という可笑しさもあり、人知を超えたという意味で、何なんだこのキャラは!?みたいなところもあってそこが魅力だと思います」とミーガンの魅力に言及した。
このイベント冒頭で披露されたミーガンガールズのダンスは、劇中でミーガンが踊る通称<ミーガンダンス>で、海外でも「コワかわいい」と、大きな話題に。あのちゃんは先日、この劇中シーンをイメージした特別映像にも出演した。ここで改めてその映像を観ることに。丁度ステージ上のモニターがミーガンガールズで隠れてしまったため、あのちゃんが「どいて!そっちに行って。そう、ベストポジションです」と指示を出した。
映像終了後、開口一番あのちゃんが「どう?すごいキレあったでしょう」とヒコロヒーさんに問うと「すごいキレなかったよ…?(笑)」と返答。劇中シーンに挑戦したこのダンス映像は限られた時間の中でかなり頑張ったとのことで、「直前にたくさん教えてもらった。やっぱりミーガンダンスは難しいからやりがいあると思う。人間にはできない関節の動きが力を抜けばできると思ってたからそこが難しかった」とあのちゃんは撮影時を振り返った。
アイコニックな衣装に関しては「本当に可愛い。ヒコロヒーさんもミーガンみたいなロン毛似合いそう」と比較的髪の長いヒコロヒーさんへ言うと「え、私の髪型、坊主にみえてる?」とツッコミ。再び笑いが巻き起こった。あのちゃんは「僕は元々黒髪ボブなので、このミーガンの髪型は自分じゃないみたいで違和感。普段の髪型はもう長いのでもう飽きました(笑)」と続け、新鮮さを感じていた様子だった。
ミーガンはお友達 AI 人形で、対象を守るために行動するキャラクター。そんなミーガンがもし家にいたら一緒に何をしたいか?もしくは何を頼みたいか?との質問には、まずあのちゃんが「冷蔵庫からお茶とかとってほしい。あとは…サウナとか一緒に行きたい。友達がいなくて、サウナに興味あっても一歩踏み出せないから、ミーガンだったら一緒に行ってくれると思う」「温度とか湿度とか、結構気をつけなきゃいけなさそうだけど…?」とのヒコロヒーさんの疑問には「多分、余裕だと思う」と返した。ヒコロヒーさんは一緒にしたいことして「人にお金借りる時に一緒についてきて欲しいですね(笑)太もも見せてもらったり。色仕掛けで」と述べ、あのちゃんから「最低ですね…」と突っ込まれた。
絶叫映画界のニューヒロイン「ミーガン」の魅力をミーガンの“お友達”として伝えるなら、どんな推しポイントでアピールする?という質問には、あのちゃんは「友達として推しポイントを紹介するなら、歌が歌える子なので友達になって以来、一緒にアコースティックライブしてます!と言います」と独特な回答。これにはヒコロヒーさんも思わず「もう一発売れたくて、変な嘘つきだした!?(笑)」と反応した。対して、ヒコロヒーさんは「今一番言ってほしい言葉を言ってくれるみたいなところは推したいですよね!すごく気が利く発言をしてくれる感じ。友達として紹介するなら、金髪のすごい奴がおんねん!一緒に麻雀やろうや!という感じでやりますね(笑)」と回答。
本作では、ミーガンのケイディに対するこじらせぶりが狂気を生んでゆく事にちなみ、「私、こじらせているなぁ…」と思うことについてフリップトークをすることに。あのちゃんはこじらせていることについて【歯鑑賞】と回答。「人の歯を観るのがすき。歯磨きしてるときに YouTubeで歯の治療動画をみながら歯を磨いたり、自分の歯が抜けたら、収集したり。歯に執着というこじらせ。がちゃがちゃの歯がすきで。永遠と何時間もみちゃう」と続ける。「前は、さらば青春の光の森田哲矢さんが好きって言ってたけど今は?」というヒコロヒーさんの質問には「今はウエストランドの井口浩之さんです。墓場みたいな歯。東野幸治さんも歯の隙間がスゴイからよく見てみてください」と謎のこだわりを覗かせた。
続けてヒコロヒーさんは【言いがかりをつけてしまう】と回答。「最近、物事の悪い面がみえてしまうというか。この前、ソファーを買いに行こうと見に行った時に、なんでこのソファー偉そうやねん!と思ってしまって、座布団を買って帰りました。座布団の方が謙虚で可愛らしかった…(笑)」と独特なこじらせをアピールした。
続くミーガンとの相性を図るための〇×テストでは――
一問目、【親友が浮気をされていたら、平和的な解決策をアドバイスする?】という質問に対し、あのちゃん、ヒコロヒーさん共に×をあげた。「平和に終わったら、復讐とかできないから」とあのちゃんが答えた。
二問目、【買い物中、残りひとつとなっていたお目当ての商品に手を伸ばした瞬間、他の買い物客も同時に手を伸ばしてきました。その商品を譲る?】との質問にはあのちゃんは〇、ヒコロヒーさんは×と意見が分かれた。「絶対、うわってなって手をひっこめちゃう。タクシーとかも、急に後から来て止めた人へ譲っちゃう。譲ったきっかけから譲り続けてしまって交通整備にまわってしまう…」と意外な一面を語り、笑いを誘った。
三問目は、【恋人の様子がなんだかおかしい…?こっそりスマホを覗いてみる…?】という問いにはあのちゃん、ヒコロヒーさん、共に×をあげ「みていいことないでしょ!こわいです」と両者、同意見を述べた。
○×質問を終え、ヒコロヒーさんはミーガンの性格に近しい回答を答えることができたため、ミーガンと友達になれそうな雰囲気に。あのちゃんは「ヒコロヒーさんはもはやミーガンになれるんじゃない?相性ばっちりだと思います。ミーガンガールズのみなさんはどうですか?」とガールズに問うと、手で大きな〇を作り、お近づきになれたことをアピール。
イベントの締めくくりにはまずヒコロヒーさんが「本当に、サイコ・スリラーとして期待通りの部分もあるし、そんな感じでくるんだ!?という意外な部分もある。ユーモア、ユニークあり、きっちりおっかない部分もある色んな意味で面白い作品だと思います!」続けてあのちゃんが「ミーガンが可愛いって思って観たら、怖い部分もありますし、どんどん狂気的になる姿は痛快でした。そして、怖いんだけど面白いところも沢山あって、ミーガンに惹かれていきましたので皆さんも是非みてください」と述べ、本イベントを締めくくった。
【STORY】
おもちゃ会社の優れた研究者であるジェマ(アリソン・ウィリアムズ)は、子供にとって最高の友達であり、親にとって最大の協力者となるようにプログラムした、まるで人間のようなAI人形<M3GAN(ミーガン)>を開発している。ある日、交通事故で両親を亡くし孤児となった姪のケイディ(ヴァイオレット・マッグロウ)を引き取ることになったジェマは、ミーガンに対し「あらゆる出来事からケイディを守るように」と指示し、力を借りる事にするが、その決断は想像を絶する事態を招くことになる―。
◆キャスト:アリソン・ウィリアムズ(『ゲット・アウト』)、ヴァイオレット・マッグロウ、ロニー・チェン(『シャン・チー/テン・リングスの伝説』『クレイジー・リッチ!』)他
◆監督:ジェラルド・ジョンストン、
◆脚本:アケラ・クーパー(『マリグナント狂暴な悪夢』)
◆製作:ジェイソン・ブラム(『パラノーマル・アクティビティ』シリーズ、『ハロウィン』、『透明人間』)、ジェームズ・ワン(『ソウ』、『死霊館』、『アナベル』シリーズ)
◆配給:東宝東和
◆©2023 UNIVERSAL STUDIOS. All Rights Reserved.
◆公式サイト:https://m3gan.jp/
◆公式twitter:https://twitter.com/m3gan_JP
◆公式Instagram:https://www.instagram.com/universal_eiga/
(オフィシャル・レポートより)
全世界累計興行収入9000億円突破の超人気カーアクション大作、待望の最新作『ワイルド・スピード/ファイヤーブースト』が大ヒット上映中!!これまで日本は、全米公開後の公開となっていたが、記念すべき10作目では全世界同時公開を予定!日本のワイスピファミリーには堪らない超スピード公開、さらに本作はシリーズ最終章の始まりということもあり、世界中が“ワイスピ”一色に染まることは必至だ!!
【日時】 5月22日(月)
【会場】 キラナガーデン豊洲 (東京都江東区豊洲6丁目5−27)
【登壇者(敬称略)】 池田美優(みちょぱ)、大倉士門、なかやまきんに君
<イベントレポート>
全世界累計興行収入9000億円突破の超人気カーアクション大作、待望の最新作『ワイルド・スピード/ファイヤーブースト』が5月19日より大ヒット上映中。この度、そんな本作の公開を記念してバーベキュー場・キラナガーデン豊洲にて大ヒット記念イベントを実施!イベントが始まるとワイスピ“レジェンド”サポーターの池田美優(みちょぱ)、そしてみちょぱのファミリーでもあり、筋金入りのワイスピファンでもある大倉士門が登場!
初めに、みちょぱは「今回”レジェンド”サポーターをやらせていただいております。みちょぱです。2人で公の場にでるのが結婚してから初めてなので変な緊張感があります。よろしくお願いします!」、大倉は「うちの妻、(みちょぱ)レジェンドサポーターのファミリーであり、ワイスピのファミリーでもありますので、好きなことを存分に話せればと思います。よろしくお願いします!(みちょぱがワイスピの仕事をするときに)いつも俺のほうが好きちゃう?と家で何回も言っていました。」と仲睦まじく挨拶。
さらにMCの呼び込みにより、本作からワイスピ“ファイヤー”サポーターに就任したなかやまきんに君も登場!きんに君は「よろしくお願いいたします!ワイスピ”ファイヤーーーー”サポーターのなかやまきんに君です!パワーーーー!天気もすごくいいですし、アツくアツく盛り上げていければと思います。」とらしさ全開で挨拶!
前作に続き今作でも吹替に参加したみちょぱは「前回の『ジェットブレイク』に引き続き、今回はあのポール・ウォーカーさんの実の娘さんメドウ・ウォーカーさんの声(の吹替)をやらせていただきました。大事な役割だったのでとても心配だったんですが、意外と(自分の演技を)見た方からは気づかなかったと言われました。」と安堵した様子で回答。妻の演技について大倉は「自然と役に入りきっていて、全然違和感なく素晴らしいと思います。言葉こそ短かったかもしれないけど長く感じました!」と絶賛するとみちょぱも「嬉しいです。大好きな作品に関われて」と改めて笑みをこぼした。続いて“ファイヤー”サポーターとしてワイスピファミリー入りを果たした気持ちを問われたきんに君は「めちゃくちゃ嬉しいです。正直いままで(シリーズを)ちゃんと見ていなかったのですが、今回しっかりと見させていただいて、とんでもない作品だなと。驚きました!」と回答。絶賛放送中のきんに君が出演している本作のTVCMについてみちょぱは「CMの声のやつめっちゃいいですね!めっちゃみますもん!しっかり宣伝してくれてると思って。」と称賛。それに対し、「僕ができるのは“ヤー”と叫ぶこと。誰よりも自信があります。これまで23年近くやってきてますので!1年目から“パワー”と“ヤー”しかやってないんで、この“ヤー”だけは是非見てください!」とアピール!
今回、ワイスピシリーズのキャラクター風の衣装で登場した登壇者たち。黒のタンクトップにロザリオを首からかけたドム風の出で立ちに、短パンを履いてきたきんに君に対して、みちょぱと大倉は「こんな短パン履いてるドムみたことないですよ!」とツッコミ。きんに君は「衣装もそうですが、筋肉もしっかり仕上げておりますので、そこも含めて見ていただきたい。先程(みちょぱ)が音声の吹替と言われていましたが、僕は筋肉の再現でだれだれの筋肉のこの角度がもう一回撮り直しとなったときに代わりに行ける準備をしておきます!」と発言。自身が大好きなブライアン(ポール・ウォーカー)を意識した、上下デニムの衣装を着た大倉に対しみちょぱは「意外といい。普段見ないんでこの格好は。」と惚れ直した様子。ドムのパートナー・レティ(ミシェル・ロドリゲス)風の衣装を纏ったみちょぱは「こういった格好いい服の感じをワイスピのキャラクターたちはしているので意識してみました。」と回答。
また本作の感想についてみちょぱは「過去一。初期のワイスピ感もあるし伏線回収もすごくある!」、大倉は「夕方くらいまで時間貰わないと語りきれない。全部詰まってる!」と興奮気味に回答。さらに「今回のワイスピ、全てのジャンルが詰まってます!」と話が止まらない大倉に対し、きんに君が思わず「すみません、僕もしゃべらせてもらってもいいですか?」と参入。「僕目線で言わせてもらいますと、とんでもないマッチョたちが出てくる!全員首と腕が太い!このときは筋肉がパンプアップしてるなとかわかります本当に!筋肉好きの方たちは是非チェックしていただきたい!アクションも迫力あって、(見ていると)力入るじゃないですか。見る筋トレですよ!終わったあとに慌ててプロテインのみました!」と思い思いの感想を披露! また本作での推しキャラについて聞かれたみちょぱは「ドムの弟・ジェイコブです。本作では意外な姿がみれて。前回は怖い表情しかなかったんですが、今回は笑顔とかみれるので!」と回答。
ワイスピと言えば毎回ファミリーたちが外で食卓を囲んでバーベキューをするシーンがお馴染み。本シーンはファミリーの絆を表すようなシーンといえるが本イベントではそのシーンを再現!きんに君用に特別に用意された、ささみとブロッコリーの串には思わず「減量中のボディビルダーでもいけるものになっていますね!」と興奮!テーブルには豪華な食材が並ぶ中、サラダのみまだ未完成な模様…。見かねたきんに君が「このままだと寂しいんで僕流にアレンジさせてもらってもいいですか?」と言うと、スタッフが粉チーズを用意!粉チーズを渡されたきんに君はおもむろにタンクトップを脱ぎ捨て肉体美を披露!そして「ミュージックスタート!」と叫ぶとボン・ジョヴィの「It's My Life」が流れ出し、お馴染みの流れがスタート!みちょぱ夫妻に見守られながら見事筋肉サラダ!?が完成!
夫婦揃っての映画イベントへの登壇は初となるみちょぱと大倉。もしも二人が主催でバーベキューを開催するなら誰を呼びたいかという質問に大倉は「ダウンタウンの浜田さん!プライベートで可愛がっていただいたり、お仕事でお世話になったり、僕らの婚姻届の証人の欄を書いていただいたので。」と驚きのエピソードを披露!きんに君はMCからの突然の「バーベキューをするなら、海派or川派?」という質問に「おい俺の筋肉!さあ、聞かれてますよ・・・バーベキューは海派なのかい川派なのかい?どっちなんだい!?・・・・カワーーー!!!」と絶叫!
続いて本作のタイトル『ファイヤーブースト』にかけて、最近一番ファイヤーしたこと(熱くなったこと)ついて聞かれると、大倉は「人生で3本の指に入るくらいの大金を使いました。1つ目は車、2つ目は婚約指輪。そして今回、リクガメを2匹家にお迎えしました!その時はファイヤーしたなと。」、みちょぱは大倉が断りもなくリクガメを買ってきたことに対しファイヤーしたようで、大倉は「リビングから僕の部屋までファイヤーブースト!」と発言。きんに君はプライベートジムを作る計画があることを披露。自分だけの夢でしたので、(筋トレが)いつでもできるのでテンションがあがります。」大倉に「僕ら行っちゃだめですか?」と聞かれると「全然来てもらっていいですけど4時間はトレーニングしてもらいます!」と笑いを誘った。
最後に本作の見どころについてみちょぱは「本当にワイスピならではのカーアクションは勿論なんですけど、ファミリー愛をさらに感じられるので、まだ(シリーズを)見たことない方も見てる方も是非劇場で見てください!」、きんに君は「とんでもなくアツい作品になってます。注目していただきたいポイントは筋肉です!」大倉は「ここまで全世代全ジャンルの人に刺さる映画はないんじゃないでしょうか?この映画、間違いなくワイスピを全部見返したくなります。劇場で絶対見てほしいです。いままでの僕の人生30年かけてこの映画程見てほしい映画は他にないです!」とそれぞれ回答。終始晴天の中で実施されたワイスピらしさ全開の本イベントは惜しまれつつも大盛況のうちに幕を閉じた。
シリーズ最新作『ワイルド・スピード/ファイヤーブースト』
【STORY】
ドム(ヴィン・ディーゼル)とそのファミリーは世界の至るところで幾多のミッションを、絶体絶命!不可能!と思われるいかなる状況下でも敵の裏をかき、勇気と愛、そして仲間との絆で乗り切ってきた。そして、最新作『ワイルド・スピード/ファイヤーブースト』ではシリーズ史上最も凶悪なヴィランと対峙することになる。最狂の敵の名はダンテ(ジェイソン・モモア)。なんと10年もの時をかけてドミニク達ファミリーへの苛烈な復讐計画を練っていたのだった…。さらに、謎に包まれた新キャラクター・テス(ブリー・ラーソン)は敵か味方か?ブリー・ラーソンは『ルーム』(2015)でアカデミー賞主演女優賞を受賞し、MCUのキャプテン・マーベル役でもお馴染み。『ワイスピ』シリーズの大ファンであることを公言する彼女の活躍にも要注目!また、今作よりデッカード・ショウ(ジェイソン・ステイサム)がシリーズ本格復帰を果たすなど、新旧キャラの活躍に期待で胸が躍る!!
出演:ヴィン・ディーゼル、ミシェル・ロドリゲス、タイリース・ギブソン、クリス・“リュダクリス”・ブリッジス、ジェイソン・モモア、ナタリー・エマニュエル、ジョーダナ・ブリュースター、ジョン・シナ、ジェイソン・ステイサム、サン・カン、ヘレン・ミレン、シャーリーズ・セロン、ブリー・ラーソン
監督:ルイ・ルテリエ
脚本:ジャスティン・リン、ダン・マゾー
提供:ユニバーサル・ピクチャーズ
配給:東宝東和
© Universal Studios. All Rights Reserved.
公式サイト:wildspeed-official.jp
公式 Twitter:https://twitter.com/WildSpeed_jp
公式 Facebook:https://www.facebook.com/Wild.Speed.jp
公式 Instagram:https://www.instagram.com/WildSpeed_official/ #ワイルドスピード #ワイスピ
(オフィシャル・レポートより)
映画『雄獅少年/ライオン少年』は、昨年日本で限定上映されるや否や、中国アニメへの意識を変えるほどの驚愕の作品力が絶賛され、今年改めて日本語吹替版で全国公開されることになった。中国では2021年に公開されて大ヒットし、作品の映画満足度ランキング第一位となる。ビジュアルや技術面では世界のトップを行く中国アニメだが、人間性を重視した奥深い物語性に欠けるのかいまひとつ大きな感動までには至らなかった。だが、本作は違う! 格差社会の底辺で取り残されそうな少年が獅子舞と出会い、境遇脱却のため熱い“獅子舞バトル”に挑む姿を活写! その大迫力の獅子舞バトルは勿論、少年の成長を繊細に捉えたビジュアルや「今を変えよう!」とする強い意志を笑いと涙で綴り、観る者の心を衝き動かす傑作アニメとして誕生したのである。
5月26日(金)からの全国公開に先駆けて、大阪で一般試写会が開催された。上映前に神戸の南京町を活動の場とする、神戸で最も古い獅子舞団体《神戸華僑總会 舞獅隊》が特別ゲストとして登場! 映画の大ヒットと共に、試写会会場である4月に梅田ブルク7から名称を変更した 《 T・ジョイ梅田 》の千客万来を祈願し、本場の獅子舞を披露してくれた。
獅子舞はインドを起源として、中国、日本へも伝わったとされている。霊獣や神として崇められていたライオンをモチーフに、「邪気を払い、幸福をもたらす」象徴として古くから神事として舞われてきた。中国では「舞獅」と呼ばれ、太鼓やシンバル、ドラを打ち鳴らし、二人の舞い手が大きな獅子頭を持つ着ぐるみの中で、時にアクロバティックな動きで獅子の躍動感を表現し、大きな目の動きで無邪気さと優しさを表現。その豊かな表情に魅了されては幸福感に浸れる、まさに芸術的「舞踏」のひとつだと思う。
本作の主人公チュンは、広東省の村で祖父と暮らすひ弱な少年。両親はチュンの進学費用を稼ぐため遠い都会へ出稼ぎに行ったきりで長いこと帰って来ていない。まさしく、苦労して子供を大学へ行かせても就職できない今の中国社会を反映しているようだ。そんなチュンが春節で出会った同じ名を持つ獅子舞の雄姿に圧倒され、今よりも強い自分になろうと獅子舞を志すが、……仲間集めや師匠との交渉に獅子舞バトルへの挑戦など、コメディタッチの単なるアクロバティックなサクセスストーリーではない。度重なる不幸に見舞われながらも、自らの力で乗り超えようとするチュンの成長する姿がまぶしい程に清々しいのである。
これは是非劇場でお楽しみ頂きたい逸品です!
【神戸華僑總会 舞獅隊】
1979年に結成された神戸で最も古い歴史をもつ中国獅子舞チーム。神戸在住の華僑青年が中心となって組織されていて、日本の文化交流に貢献したとして、兵庫県より「ともしび賞」を受賞。5代目隊長の盧健良(ろけんりょう)を中心に、年齢や性別が異なる多様なメンバーが、太鼓やシンバル、ドラを打ち鳴らし、ダイナミックな舞を披露する。華僑として、かつては祝いごとに欠かせなかった伝統文化を継承している。
・Facebook:https://www.facebook.com/bushitai1979/?locale=ja_JP
・Youtube:https://www.youtube.com/watch?v=NBfTvUqPsP4
『雄獅少年/ライオン少年』
原題:雄獅少年 I Am What I Am 2021年 中国 1時間44分
監督:ソン・ハイポン
声:花江夏樹、桜田ひより
公式サイト: https://gaga.ne.jp/lionshonen/
配給:ギャガ、泰閣映畫、面白映画、Open Culture Entertainment
©BEIJING SPLENDID CULTURE & ENTERTAINMENT CO.,LTD (C)Tiger Pictures Entertainment. All rights reserved.
(河田 真喜子)
(ドミトリー・メドヴェージェフ、ウラジーミル・プーチン)
ロシア連邦初代大統領ボリス・エリツィンの後を継ぎ、2000年に第2代大統領に就任したウラジーミル・プーチン。当時の憲法上の制限から2期で退いたものの、2012年の大統領選で復帰。実質的に、プーチン政権は20年以上にわたり続いている。プーチンはいかにして権力を握り、現在の統治国家を築き上げたのか。
ヴィタリー・マンスキー監督は、引退を宣言したエリツィンの指名を受け1999年12月31日、プーチンが大統領代行に就任してからの1年間を追った貴重な映像を編集して、1本のドキュメンタリー『プーチンより愛を込めて』を完成させた。
大統領選挙活動では控えめな印象のプーチンだが、徐々にベールの奥に隠されていた本性が見えてくる。その過程はまさに心理スリラーの様相。自身の後継者としてプーチンを20人の候補者から選んだエリツィンだが、やがて自分が利用されていることに気が付き、丸1年後の自宅でのインタビューでは、プーチンについて「赤」と断言するまでに……。
大統領就任後、第二次チェチェン紛争、五輪のドーピング、ウクライナ侵攻が始まったほか、プーチンに逆らった人々の亡命、投獄、死もあった。今だからこそ新たに気づくことがある、若き日のプーチンを映した、カルロヴィ・ヴァリ国際映画祭 最優秀ドキュメンタリー賞受賞作。
この度、4月21日(金)より池袋シネマ・ロサ、アップリンク吉祥寺ほかにて全国順次公開されるのを前に、ヴィタリー・マンスキー監督のオフィシャルインタビューが届いた。
(左2人目からナイーナ・エリツィナ、ヴィタリー・マンスキー、ボリス・エリツィン、タチアナ・ユマシェワ)
――本作制作の経緯をお教えください。最後のナレーションで「自分はただの証人と甘く見た代償を払った」と言っていますが、それが、本作を作った理由でしょうか?
はい、その通りです。この映画は、黙って同意して犯罪の目撃者になったすべてのロシア国民の個人的責任も、集団的責任の認識もあったからこそ、制作しました。
透明な民主的選挙の代わりに、あるグループが代替手段なしでロシア大統領の後継者を提案することを決定したとき、ロシア国民は、最初の犯罪を目撃し、これを小さな問題と見なしました。しかし、ご存知の通り、この「後継者」という作戦は、最終的に現在のウクライナでの戦争につながり、すべての人に関わる大規模な核戦争の危険につながったことがわかりました。
私も 1 億 4500 万人のロシア国民の一人として、沈黙した証人でした。私は当時メディアで働いていて、公人だったので、私の責任ははるかに大きかったと思います。
その罪の意識で私は苦しんだり、 悩んだりして、悲しみでいっぱいだったので、本作を作りました。
――本作は、いつ撮影したんですか?
私が 国立テレビチャンネルのドキュメンタリー映画部の部長だった時に(2000年)、撮影を始めました。「後継者」作戦は秘密裏に準備されていたので、私がプーチンが大統領代行に選ばれたことを知ったのは他の国民と同じ1999年12月31日でした。ロシアでは、12月31日から1月13日まで、どこもお休みになります。しかし、私はプーチンについての資料を探して、撮影を開始するように命じました。当時は、ロシアは自由で、危険やリスクがなかったので、私は直属の上司とさえ調整なしにプーチンについての撮影をはじめました。 それは私の立場としては、当然すべき仕事だったんです。
(ウラジーミル・プーチン、先生)
――プーチンの元教師の訪問の様子がプーチンのPR動画に使われたというエピソードがありますが、どのような経緯だったんですか?
インタビューで、彼の元教師であるヴェラ・ドミトリエヴナ・グレヴィチは、プーチンの学生時代について非常に生き生きと語っており、彼の人格の形成に大きな影響を与えたことは明らかでした。おそらく彼の両親よりも大きな影響を与えたでしょう。しかし、彼女は非常に悪い環境で生活していました。壁の向こうに犬がいて、吠えて眠れない位でした。そのため、もしかしたら、彼女の現実的な日々の悩みをプーチンが解決してくれるかもしれない、そんな思惑から私は、このテープを渡したんです。
そしてプーチンは、そのビデオテープを見て、私が所属していたテレビ局の局長との面会に私も招待しました。その時、私は初めてロシア大統領の事務所に行きました。そしてプーチンは、「あなたは誰を取材したか、誰が何を言ったのか」と尋ねました。非公式の会話でした。そして、そこで私は彼に元教師の家での撮影を提案しました。このシーンは非常に感動的で、メロドラマチックなシーンになりました。そして、その時の会話で、誰もプーチンを知らないので、プーチンを撮影したいと提案すると、彼は3〜4日間検討する必要があると言い、その後、OKと答えました。このようにして、映画の撮影を始めました。
私が2000年に撮影したこの映画は、プーチンがすでに約1年半にわたって権力を握っていた2001年6月12日にテレビで放送されました。
――冒頭、ご自身の家族のシーンを入れた理由を教えてください。
一つは、一般的な人々の考えは様々であるというのを見せたかったからです。もう一つとして、プーチンがエリツィンの後継者として選ばれたことは、国民全員にとって予想されたことではなかったし、みんながみんな受け入れられることではなかったということをお伝えしたかったからです。
――プーチンの大統領としての1年目に、「見過ごしてしまうような小さな変化が起こっていた」とありますが、そういう小さな変化についてメディアは取り上げていたんでしょうか?
プーチンは大統領に就任して1年目に、全ての独立系のメディアを根絶してしまいました。なので、独立系のメディアは声を失っていました。
(9前列(左から2人目緑)グレブ・パブロフスキー、クセーニャ・ポナマロワ、リュドミラ・プーチナ、ウラジーミル・プーチン、ドミトリー・メドヴェージェフ、(右から2人目)ワレンチン・ユマシェフ、タチアナ・ユマシェワ、(右後ろ長身)ウラジスラフ・スルコフ)
――監督はエリツィンのご家族には受け入れられているような印象を受けましたが、プーチンは監督のことをどう思っていたと思いますか?
私はプーチンの信頼を得たとは思わないです。 プーチン大統領にとって、特に撮影の第 2 期では、私はかなり予想外の人物だったと思います。大統領になって最初の数ヶ月で、最もありふれた問題からさらに根本的な問題まで、あらゆる問題について彼に異議を唱えることができる人がいなくなったことをよく覚えています。プーチン大統領をゼロから大統領にした人を含めてです。
当時私は、今そうしているように、それを解読し、それを定式化できるほどは怖かったわけではなかったです。しかし、当時、私はある種の違和感を感じました。
彼らはプーチンのイメージを完全に作りました。セーターや犬のような単なるイメージではなく、より広い意味で、です。 つまり、彼は何をすべきか、何を言うべきかについてテキストが書かれ、彼はそれに従いました。
そして突然、ほんの数か月後、彼らは皆、従順な手先に変わりました。 すごく奇妙でした。
そして、自分だけだったとは言いたくないし、私自身をヒーローにしたくないですが、私は、いろいろなことに関する自分の意見を言い続けてきた人間でした。そしてもちろん、私は国家の状況に非常に不安を感じていました。
(ウラジーミル・プーチン)
本作の特徴は、すべて2000年から2001年に撮影されたもので、質問もすべて当時のものだということです。当時、私は何度かプーチンと議論しようとしました。彼の視点を共有していない、または議論の余地のないものとして受け入れていない人がいることにプーチンが驚いたのはその時でした。それで、彼は時々突然私を呼んで、再度その話をしました。 彼は正しいことを示したかったかのようで、議論の余地のないのようでした。
今のロシアでは、このような映画を作ることができる人物や状況を想像することはできません。独裁者から独立した裁判所も、独立した報道機関も、独裁者と何らかの形で議論できる社会もないからです。
――本作を発表するにあたり、ご自身の身に危険はありませんでしたか?
この映画の製作中と公開された時の、私自身や私の愛する人たちにとっての危険について話したくないし、私自身をヒーローにしたくはありません。 特に今は、戦争で大勢の人が公然と死んでいるので。しかしもちろん、ロシアでは、一見無害に見えることでさえ命が危険にさらされています。たとえばロシア軍がマリウポリの劇場を爆撃したというニュースをFacebookでシェアした人は、8年間投獄される可能性があります。オリジナルの投稿ではなく、単なるシェアで8年間刑務所に送られるのです。ロシア連邦大統領の地位にあるプーチン大統領の存在の正統性、正体、人物そのものに疑問を投げかけるこの映画について、私たちは何を言うことができるでしょうか。もちろん、非常に危険なことですが、2014年にロシアによるクリミア併合のプロセスが始まった時に、私はロシアを去りました。
しかし、当時全世界がこの戦争の事実を認識していたわけではありません。私はすでにロシアから独立していたラトビアに移住し、この映画を作りました。なので、私にはある種の保証があったと思います。この映画を製作し、世界の多くの国で公開した後に、何度かロシアに行きましたが、ご覧のとおり、今ベルリンで話しているということは、無事にロシアから出国することができたということです。
――読者にメッセージをお願いします。
日本を含め、世界のどこにも独裁の影響を受けないと保証される国はないです。そういう国は存在しません。 自由は美しくデリケートな花で、絶え間ないケア、直射日光からの保護、水やり、風からの保護が必要です。自由は非常にデリケートで傷つきやすい生物であり、注意深く監視することが必要です。そのため、自由を守ってください。自由がなければ人生に意味がないので、注意深く、慎ましく自由を庇護してください。
私は北朝鮮に関するドキュメンタリーを撮ったことがあります。韓国にも北朝鮮にも同じように韓国民族が暮らしていますが、方や非常に自由な国であり、もう一方は非常に不自由な国です。つまり、どの国であっても、どの民族であっても、自由と民主主義が保証されているわけではないと強く申し上げておきたいです。
<ヴィタリー・マンスキー監督 プロフィール>
1963年、ウクライナ・リヴォフ生まれ。全ソ国立映画大学(VGIK)メジンスキー・スタジオ卒。現代ロシアのドキュメンタリー映像作家/製作者のなかで最も高い評価を受けるひとり。
1作目の映画は1989年に発表され、以後30を超える作品を撮っている。1996年以降、ソ連時代(30~90年代)に撮られたアマチュア・ホームムービーのアーカイヴ制作プロジェクトに取り組む。ロシアで最古のドキュメンタリー映画専門のウェブマガジン(www.vertov.ru)の発行人。ロシアの最優秀ドキュメンタリー映画にあたえられる国内の賞LAVROVAYA VETV(月桂樹の枝)の設立者であり、モスクワ・ドキュメンタリー映画祭ARTDOKFESTの会長も務める。山形国際ドキュメンタリー映画祭2001と2007では、『青春クロニクル』(1999)、『ワイルド・ワイルド・ビーチ』(2006)が上映された。
<あらすじ>
1999年12月31日、この日、ロシア連邦初代大統領ボリス・エリツィンが辞任した。彼は自身の後継者としてウラジーミル・プーチンを指名、3ヶ月後に行われる大統領選挙までの間、ロシアの新しい憲法、国旗は若き指導者に引き継がれた。ヴィタリー・マンスキー監督は、大統領選挙への出馬表明をせず、公約を発表しないまま、名目は違えど“選挙運動”を展開するプーチンの姿を記録していく。ロシア各地へ足を運び、諸問題の解決、第一次チェチェン紛争の"英雄"たちへの慰問や恩師との再会を"演出"したプーチンのPRチームは、国民が抱く彼のイメージを「強硬」から「親身」へと変化させる。マンスキー監督は、ソ連時代の旗や国歌が使用されていることに不安を覚え、プーチンに直接斬り込んでいく。2000年3月26日の開票日当日と2000年の大晦日の、エリツィン元大統領の自宅での貴重映像を辿ることで、プーチンの本当の姿が炙り出されていく。
監督・脚本・撮影・出演ナレーター:ヴィタリー・マンスキー
出演:ウラジーミル・プーチン、ミハイル・ゴルバチョフ、ボリス・エリツィン、トニー・ブレア、アナトリー・チュベイス、ベロニカ・ジリナ、ライサ・ゴルバチョフ、ミハイル・カシヤノフ 、ミハイル・レシン、ドミトリー・メドヴェージェフ、グレブ・パブロフスキー、クセーニャ・ポナマロワ、ウラジスラフ・スルコフ
2018年/ラトビア・スイス・チェコ・ロシア・ドイツ・フランス/1時間42分/カラー/1.85:1/5.1ch/ロシア語/原題:「PUTIN’S WITNESS」/監修:岡部芳彦
配給:NEGA
公式サイト:https://fromputinwithlove.jp
公式twitter:https://twitter.com/fmputinwithlove
公式Facebook: https://www.facebook.com/fromputinwithlove
(オフィシャル・レポートより)