「京都」と一致するもの

『恋するリベラーチェ』試写会プレゼント(10/15〆切)

 

liberace-1.jpg■ 日時:2013年10月24日(木) 
    18:20開場/18:40開映■  


■ 会場:なんばパークスシネマ
  ・南海電鉄 「なんば駅」中央口・南口直結
  ・ 地下鉄御堂筋線 「なんば駅」南改札口より徒歩約7分
   ・ 地下鉄千日前線 「なんば駅」改札口より徒歩約8分
   ・ 地下鉄四つ橋線 「なんば駅」北改札口より徒歩約9分
   ・ 阪神なんば線 「大阪難波駅」東改札口より徒歩約9分
   ・ 近鉄難波線(奈良線)「大阪難波駅」東改札口より徒歩約9分                               ・・・・  
 ■ 募集人数: 5組 10名様


 ■ 締切:2013年10月15日(火)

 

★公式サイト⇒ http://liberace.jp/ 
  
2013年11月1日(金)~なんばパークスシネマ、T・ジョイ京都 他全国ロードショー


 

 

   2013年カンヌ国際映画祭コンペティション部門上映作品~ 

すべてを手にした男が、本当に欲しかったものとは――。これは、美しくも儚い真実のラブトーリー。                             
 

【STORY】

 

エルヴィス・プレスリーからレディー・ガガまで多大な影響を与え、1950~70年代にかけてラスベガスのショーなどで活躍したリベラーチェ。
「世界が恋したピアニスト」と言われ、天賦の才能を持つ斬新奇抜なエンターテイナー、そして舞台やTVでは派手な衣装に身を包むスターであった。
そんな彼の当時決して明かされることのなかった私生活と、生前に必死に隠そうとした同性愛者であるという事実、そして後に彼の愛人となり運転手を務めることとなる1977年のスコット・ソーソンとの出会いから、1987年のリベラーチェの死の床での告白までの、ほろ苦い関係に苦悩する姿を描き出した本作。
主演には、本作が彼の経歴中、最高の演技とも評されているマイケル・ダグラス。
そしてもう一人の主演には、『オーシャンズ11』などソダーバーグとは7作目のタッグとなるマット・デイモンを迎える。
監督は、本作を撮り終えた後、長期休暇に入ると宣言したアカデミー賞受賞監督スティーヴン・ソダーバーグ。
13年前から企画していたという本作について、「これが最後の作品だとは言えない。でも、もしそうなったとしてもとても誇りに思う」と記者会見で発表した。

 


 

監督:スティーヴン・ソダーバーグ 脚本:リチャード・ラグラヴェネーズ

出演:マイケル・ダグラス、マット・デイモン、ダン・エイクロイド、スコット・バクラ、ロブ・ロウ、デビー・レイノルズ

2013年/アメリカ/118分/R-15/配給:東北新社  © 2013 Home Box Office, Inc. All Rights Reserved

 

 

 

kyouaku-b550.jpg『凶悪』山田孝之、白石和彌監督舞台挨拶(2013.9.6 なんばパークスシネマ)
(2013年 日本 2時間8分)
kyouaku-2.jpg監督:白石和彌 
原作:新潮45編集部編『凶悪−ある死刑囚の告発−』新潮文庫刊
出演:山田孝之、リリー・フランキー、ピエール瀧、池脇千鶴、白川和子、吉村実子
2013年9月21日(土)~新宿ピカデリー、大阪ステーションシティシネマ、なんばパークスシネマ、神戸国際松竹、T・ジョイ京都他全国ロードショー
公式サイト⇒
http://www.kyouaku.com/
 (C) 2013「凶悪」製作委員会

~「パーティーの前には絶対に観ないで!」
山田孝之、破壊力のある主演作『凶悪』を語る~

 凶悪そのものの犯人像に肉薄する一方、ふとしたきっかけから事件にとりつかれたように真実の追求に執念を燃やす記者と、その目に光る熱意を超えた危うさが脳裏に焼き付く。実話をもとに、闇に葬り去られた犯罪を暴いた新潮45編集部のベストセラーノンフィクション「凶悪-ある死刑囚の告発-」 を『ロストパラダイス・イン・トーキョー』の白石和彌が映画化。未解決事件を一人で調べることになった記者と、事件を告白した死刑囚、死刑囚が復讐を訴える通称「先生」死の錬金術師の3人が事件の全貌と共に交錯する。お金が人を凶悪に駆り立てる現代社会が露わに映し出されると共に、3人がお互いの運命を左右していく様はスリリングで、人間のエゴのぶつかり合いにも映るだろう。

 本作の劇場公開に先駆け、なんばパークスシネマで開催された有料上映会では主人公の雑誌記者藤井役の山田孝之と白石和彌監督が舞台挨拶に登壇。満席の客席横通路から観客前を通って登場したゲスト二人に、最初から場内の熱気は最高潮となった。本年度屈指の骨太な社会派エンターテイメント作品『凶悪』の舞台挨拶の模様をご紹介したい。


kyouaku-b2.jpg(最初のご挨拶)
 山田孝之(以下山田):結構ドシンとくる作品なのですが、映画として楽しんでもらって、この映画には今社会が抱えている問題点がすごく多く提示されています。そういうところを観て、感じて、答えは出なくてもいいので、そういうことを考えるのが大事だと思います。考えるきっかけになればいいなと思っています。
白石和彌監督(以下監督):確かに観終わった後すっきりすることは何一つないです。ただ、映画の力は観た後すっきりすることがそんなに必要なのかと思っているところがあります。そういう意味では、今なかなかこういう映画が邦画の中ではないので、今まで観たことのない映画体験ができるのではないかと思っています。よく「観終わった後おもしろいと言いづらい」と言われるのですが、いや面白がっていいんです世と言いたいです。今日はありがとうございます。

 

kyouaku-b3.jpg━━━脚本を読まれて、一番感じたことは何ですか?
山田:一番というのは難しいですね。いろいろとありますから。あくまでもフィクションで、映画としてすごく面白いし、藤井というキャラクターが最初から最後まで、人としてどうなっていくのかという変化をすごく意識しましたので、その点も観てもらいたいです。この後、食事とかタイミング悪く誕生日パーティーがある人には本当に申し訳ないですが、今まで宣伝期間の間に「パーティーの前には絶対にみないでください」と注意をしてきたので、その後友達関係がどうなろうとあなた方の責任です(会場笑)。そのぐらい破壊力があるので、すごく面白いですし、意味がある作品ですし、今日はタダですし。 <有料上映会と知り>あ、ちょっと態度を改めます(会場爆笑)。試写会かと思っていました。すいませんでした。

━━━観終わった後、お友達と話を深めていただくといいですね。
山田:そうですね。こういうものを観た後で、ちゃんと話ができる関係性こそ、大事な関係だと思います。

kyouaku-b6.jpg━━━撮影のエピソードは?
 監督:リリー・フランキーさんは普段から自然体で飄々とした人なのですが、自分がやる役を「こいつ、ひどいですよね。でも淡々と面白おかしく殺せばいいですよね」と、現場でもそんな感じだったんです。でも撮影がだいぶん終わりかけたとき、「監督、昨日飲みに行ったんですけれど、マスターに『そいつぶっこんじゃえよ(殺しちゃえよ)』と言ってたんだ」と聞かされ、リリーさんでもそれだけ入り込んでいらっしゃるんだと思いました。

━━━リリー・フランキーさんとピエール瀧さんは仲がいいそうですね。
監督:20年来のお付き合いで、よくお酒を飲んだりされているそうです。撮影中も、こちらで人を殺しながら、休憩になると控え室に行って、二人で「動物の森」をやっていたそうです。
山田:僕も誘われました。 ゲームには興味がなかったのですが、一歩引いて見てみると、リリー・フランキーさんとピエール瀧さんに「動物の森」を勧められるのはすごく面白い状況だなと思って、迷いはしましたね。

 

kyouaku-5.jpg━━━撮影のとき、お二人とは離れていたのですか?
山田:いえ、三人で大部屋だったので、くだらない話をしたり、ちょうどそのとき現場でAmazonでWii Uを買ったので、「山田くんも一緒にドラクエ10やろうよ、買いなよ」と言われて。一日渋って、翌日の面会室のシーンを撮影しているときにそんな話をしたのですが、再びAmazonを見ると値段が上がっていたんですよ。ピエール瀧さんには「だから言ったじゃん、早く買わないとまた値段が上がるから、買いな」と言われてWii Uを買ったわけです。でも連絡先を交換してやろうよと言われたけどまだ一回もやっていなくて、家のインテリアになっています。

 

kyouaku-4.jpg━━━一緒に演じるという意味では、リリー・フランキーさんやピエール瀧さんと共演するのは初めてですか? 
山田:お二人とも共演するのは初めてです。今までいろいろな作品でいろいろな役者さんと共演した中で感じたことがない新鮮なものがありました。 

━━━女性陣では池脇千鶴さんと共演されましたが、いかがでしたか? 
山田:楽しかったです。芝居をやっていて、興奮しましたね。「あ~楽しい、あ~!」みたいな。

━━━大阪は山田さんにとってそんなになじみはないですか?
山田:今日は日帰りですが、大体こういうプロモーションは泊まりで、知り合いがいるので飲んだり、ミナミを歩いたこともあります。たこ焼き~とか。 

━━━やはり大阪といえば、たこ焼きですか?
山田:あまりそういうのは好きではないのですが、プロモーションで来たとき、気を遣ってたこ焼きやお好み焼きを出してくれたりすると食べてしまうし、そうするとまた違うたこ焼きも食べたくなってしまう。結局、「大阪=たこ焼き」みたいになってしまうんですね。
監督:僕も仕事で大阪に何ども来たことがありますが、食べるのは串カツですね。ソース二度づけ禁止は大阪で教えてもらいました。

  

kyouaku-b5.jpg━━━では、最後のメッセージをお願いいたします。  
監督:凄惨な事件を描きつつも、これぞエンターテイメントというつもりで作りました。確かに観終わったあと、観始めるときと自分の感情が違ったところに行くかと思いますが、その感情をどこに置いたらいいか、皆さんも観終わった後考えてみてください。今日は、ありがとうございました。
山田:人それぞれ好みがあるので、この映画を観て合わない人はいると思います。それで「これはあまり・・・」と言われたら、もしかしたらこの映画が合うかもしれない人がその評判を聞いて観に行かなくなることが出てくるかもしれません。好みが合わなければ心に留めておいて、もしかしたら好きかもという人には勧めていただけるとありがたいですね。本当にこういう作品だからこそ、多くの人に観てもらいたいので、どうかよろしくお願いいたします。
(江口由美)

Venetias-550.jpg『ベニシアさんの四季の庭』ベニシア・スタンリー・スミスさんインタビュー
(2013年 日本 1時間38分)
監督:菅原和彦
出演:ベニシア・スタンリー・スミス他
2013年9月14日(土)~シネスイッチ銀座、テアトル梅田、京都シネマ、10月~シネリーブル神戸他全国順次公開
公式サイト⇒
http://www.venetia.jp/
(C) ベニシア四季の庭製作委員会

 

~どんな時も心穏やかに過ごす、ベニシア流自然と共生する生活の極意とは?~

Venetias-s1.jpg 庭仕事も、古民家で暮らすことも、憧れはするけれど日常の手入れが大変だと、物ぐさな私はつい諦めてしまう。でも、そのエッセンスをほんの少しでも生活に取り入れられたら、リラックスできて、さらに力をもらえるかもしれないと思った。
  京都新聞での連載を経て、テレビ番組「猫のしっぽカエルの手 京都大原ベニシアの手づくり暮らし」でハーブを使用したレシピや、大原の自然と共生した暮らしが話題を呼んでいるベニシア・スタンリー・スミスさん。その暮らしぶりに憧れる女性ファンも多いというベニシアさんと家族に密着し、大原の四季を背景にベニシアさん自身の人生を浮き彫りにしたドキュメンタリーが公開される。テレビで見る以上に心癒されるベニシアさんが育て上げた庭や、丁寧に手入れをした築百年のベニシアさんの自宅をはじめ、山々に囲まれ四季折々の自然が残る大原の風景は、日本の美しさを再発見した思いがする。
  一方、テレビでは深く触れられることのなかったベニシアさん自身の生い立ちや、次女ジュリーが統合失調症を患っていること、そして夫、正との心の擦れ違いなど、家族の問題にも切り込んでいる。イギリス貴族出身のベニシアさんが日本にたどり着いてから、切り拓いてきた自らの人生を振り返る様子や彼女が作った詩が紹介され、ベニシアさんの内面に触れることができる。

 京都での合同インタビューでは、昔からの職人が作った天然素材の服に身を包んだベニシアさんに、自然のある暮らしや子育て、人生について語っていただいた。


Venetias-4.jpg━━━ご自身のことが映画になった感想は?
まだちょっと信じられません。今、日本の様々な場所から講演会に呼ばれているのですが、番組を見ていつも元気になっている方もいるし、いろんなアイデアを実行していると言う方もいらっしゃるし、皆感動してくださって、私にとってもありがたいです。そんな中で映画ができたので、「ベニシアはただいつも庭の中に座って、平和な感じでゆっくりお茶を飲んでいる」というイメージしかない人も、別の面を見てもらえるでしょう。私の人生はハプニングが多いので、映画の中にはまだ入りきらないぐらいです。小さい時に私の母は、4回結婚したんです。すると4人の父がいるわけですが、いい人ばかりで、皆から愛をもらいましたし、それぞれ違う生き方をしていることも覚えました。その経験で、男の人の考えがわかりました。人生は勉強になると思ったら、いいことでも悪いことでも何かの理由があると思います。この映画でもそんな部分がでてきますね。

Venetias-s3.jpg━━━現在お庭に150種類のハーブを植えていらっしゃいますが、元々ハーブを生活に取り入れようと思ったきっかけは?
初めて日本に来たときは、あまりハーブはなかったですね。借家にいたときには植木鉢でお料理のためにハーブを育てて使っていました。でも長男の悠仁を妊娠したとき、40歳の出産でちょっと心配だったので、妹にハーブの本を送ってもらいました。その本からハーブを使えばどんな病気でも治ることを習い、使い方もいろいろあることを知り、ハーブを使った生活をするようになりました。そこから英会話でハーブレッスンを行っています。

━━━大原のご自宅でもハーブレッスンをされていたのですか?
悠仁が小さい時は、小学校から帰ってきたときできるだけ家にいてあげたかったので、10年ぐらいハーブを自宅で教えていました。若いときの母としての経験と、年をとってからの母としての経験は違います。自分の子どもを見たら、若い頃忙しくしていたときの子どもは、今38歳になりますが、まだまだ大人になっていません。絶対に仕事をしなくてはいけないという状況でなければ、3歳までは母は家にいる方がいいと思います。自分が若い頃仕事し過ぎたので、そう実感します。日本のことわざ「三つ子の魂、百まで」は本当ですね。

━━━今回ご家族も出演されていますが、ずいぶん話し合われたのでしょうか?
1人出演を拒んだ娘はいますが、後の息子2人は応援してくれました。ジュリーは病気ですが、私がテレビにでると喜んでくれ、自分が出演するときもすごくうれしいのです。病気になっても隠したりしていません。例えば娘が統合失調症なのでお店の中でも大きな声でしゃべったりするのですが、お店に入るとき「病気を持っているから心配しないで」と声をかけています。統合失調症は今100人に1人かかっていますし、この映画で統合失調症のことも理解してもらえればと思います。

Venetias-2.jpg━━━自然と共生する丁寧な暮らしを営むベニシアさんですが、子供の頃どのような生活をされてきたのでしょうか?
私が6歳の時に、母とジャージー島の大きな家に引っ越しました。召使いはたくさんいたのですが、母は自分で庭をつくるのが好きで、私が学校から帰ると「鶏の世話をしなさい」と私たちに仕事を与えたのです。ハーブや野菜を植えている場所に水をあげたり、草を抜いたりという仕事もしました。学校から帰ってくると「宿題をしなさい」ではなく、「庭を見てきて、水をあげなさい」だったのです。だから大原で庭を造ったときも、自分の子どもに宿題をする前に庭仕事をするようにしつけました。子どもにとって、土をそのまま触るのはいい経験です。悠仁は日本で生まれたので反発しましたが「イギリスではそうしているのよ」と言うと、渋々納得していました。

━━━なぜ大原に惹かれたのですか?
絶対に田舎に住みたいと思い、一年間かけて悠仁をベビーカーに乗せて探し回りました。大原の今すんでいる家に初めて入ったのは冬だったので、暗いし、寒いし、ご先祖様の写真がたくさん飾られていて、なぜか「ここが最後の場所ではないか」というカンが働いたのです。今まで20回ぐらい引っ越しましたが、初めてそう思ったんですよね。

Venetias-s2.jpg━━━「庭は人生」とおっしゃる言葉に感動しました。
植物も春夏秋冬で変わるじゃないですか。人間も若い女の人は、水仙やチューリップのように春に咲くかわいい花です。夏の花はカラフルで赤や大柄な40歳の女性のような雰囲気で、秋になると60歳の私のような落ち着いた感じの花となります。最後、冬はおばあちゃんの髪が白くなるように雪に包まれます。私たちも春夏秋冬のように変わっていくんですね。植物にとって台風がきたら、私の庭もめちゃくちゃになってしまいます。でもそのときは、落ち込むのではなく、今までの場所がダメになったからもう一度作り直す。それが楽しいです。人生も泣きそうなことはあるけれど、そこから新しいものが始まると思います。

━━━ご主人が家を出ていって大変なときに、ベネシアさんは「祈った」そうですが、実際どのようにその状況を克服されたのでしょうか?
メディテーションをしていました。私たちは何も考えずに呼吸していますが、意識してゆっくり呼吸するのです。象はすごくゆっくり呼吸するのですが、長生きです。人間も同じで、ゆっくり息をする人の方がストレスが少なく、長生きするのです。「ひとつひとつの呼吸を意識してゆっくり呼吸すれば、長生きするよ」とインドで教えてもらったのを思い出して、イヤなことがあるとパニックにならないようにゆっくり呼吸をします。朝30分ぐらい座禅を組んでゆっくり呼吸すると、一日そのゆっくりした空気が続きます。家族のこと、庭のこと、仕事と忙しいですが、忙しい日々のチューニングのような役割を果たしているので、逆に私の家族にもいい影響を与えていると思います。

━━━なぜ旅先のインドでとどまらず、日本に来られたのですか?
小さいとき、祖父の家に博物館があり、伊万里の壷をはじめとした日本の器などがあるのを見て、日本に対して興味を持ちました。また高校生のときには尺八のレコードを聞き、その音色もすごく印象がありました。その後インドからネパールを訪れたとき出会った日本の学生から、「今学生運動をやっていて、若い人ががんばっている」と聞いたので、日本に行こうと思ったのです。鈴木大拙さんの書かれた禅の本や、桜沢如水さんの書いた玄米食の本をイギリスで読んだことも影響しています。

Venetias-3.jpg━━ベニシアさんの古いものを大事にし、ハーブに囲まれた暮らしが日本で支持されるのはなぜだと思いますか?
自宅でティーバーティーをしたときに、みなさんは英国的部分と和の部分がすごくマッチしていることに驚かれます。「古い家を持っていたのに、壊しちゃったわ」と、後悔したような感じですね。古いものに関連して言えば、古いものは自然のものでできていて、自分の使ったものが最後どうなるか考えると、土に戻せないものはゴミになってしまうのね。だから、いつも買い物をするときは、土に戻るかどうか考えます。

 

 

━━━映画の最後に、「心の贈り物は心の庭にある」と詩を読んでおられましたが、その意味は? 
自分の頭の中に考えている場所があって、呼吸すればすごく気持ちが庭みたいに静かになり、暖かい気持ちになるのです。それを私は内側の庭と呼んでいます。外側の庭がある人はいいですが、ない人も自分の心の中に庭はあるのです。
(江口由美)

 

『夏の終り』 “特製てぬぐい” プレゼント

natuowari-p.jpgクロックワークス提供

・募集人員: 3名様

・締切:2013年9月20日(金)

★公式サイト⇒  http://natsu-owari.com/ 

 

2013年8月31日(土) ~テアトル梅田、シネマート心斎橋、京都シネマ、シネ・リーブル神戸  ほか全国ロードショー


 

 瀬戸内寂聴原作

ひとりの女とふたりの男の、センセーショナルな愛の物語

 

映画『夏の終り』の公開を記念し、本作の中で満島ひかりが演じる、型染め染色で生計を立てている主人公にちなみ、、劇中でも使用された型デザインを使用した“特製てぬぐい”をご用意いたしました。

本作は、発表以来これまでに100万部を超えるロング・セラーとなっている瀬戸内寂聴の代表作で、自身の体験をもとに書いた小説「夏の終り」を、出版50周年となる節目の年に映画化した作品です。熊切和嘉監督が男女の三角関係を描いたラブストーリーに初めて挑み、重厚で静寂な中に溢れ出るような登場人物たちの情熱を見事に描き出しました。

 

【STORY】

年上の男との包み込むような穏やかな愛の生活———

年下の男との激しい愛欲———

natuowari-1.jpgどちらも私を満たし、そして心を乱す妻子ある年上の作家・慎吾と、長年一緒に暮らしている知子。慎吾は妻のいる家と知子の家を週にきっちり半々、行ったりきたりしている。妻と別れて欲しいと考えたこともなく、知子はこの平穏な生活に、自分が満足していると思っていた。しかしある日、木下涼太が訪ねてきて、知子の生活は微妙に狂い始める。涼太は、昔、知子が結婚していた頃、どうしようもなく恋に落ち、夫と子供を捨て駆け落ちをした男だった。知子は慎吾との生活を続けながら、涼太と再び関係を持ってしまう。そして涼太の知子を求める情熱はやがて、知子が心の底に仕舞い込み、自分自身も気づいていなかった本当の気持ちを揺さぶり起こしていく。

出演:満島ひかり 綾野剛 / 小林薫
監督:熊切和嘉 脚本:宇治田隆史
原作:瀬戸内寂聴「夏の終り」(新潮文庫刊)
(2012年/日本/アメリカンビスタ/114分)
配給:クロックワークス  ©2012 年映画『夏の終り』製作委員会

2013年8月31日(土) ~テアトル梅田、シネマート心斎橋、京都シネマ、シネ・リーブル神戸  ほか全国ロードショー

 

 

rikyu-550.jpg『利休にたずねよ』

yurusarezaru-b550.jpg豪華舞台挨拶!『許されざる者』主演3人&監督に浪花っ子も大感激!!!

(2013年8月30日(金)19:10~御堂会館にて)

ゲスト:渡辺 謙、柄本 明、佐藤浩市、李相日監督

 

(YURUSAREZARU MONO 2013年 日本 2時間15分)

監督・アダプテーション脚本:李相日(リ・サンイル)(『フラガール』『悪人』)

出演:渡辺 謙、柄本 明、柳楽優弥、忽那汐里、小池栄子、近藤芳正、小澤征悦、三浦貴大、滝藤賢一 / 國村 隼、佐藤浩市

 

2013年9月13日(金)~大阪ステーションシティシネマ、なんばパークスシネマ、MOVIX京都、OSシネマズミント神戸 他全国ロードショー

 

★作品紹介⇒ http://cineref.com/review/2013/08/post-226.html

★公式サイト⇒ http://wwws.warnerbros.co.jp/yurusarezaru/index.html

© 2013 Warner Entertainment Japan Inc.

 


 

 

~近年稀に見ぬ日本映画の傑作!
黒澤明監督作『用心棒』のリメイク『荒野の用心棒』で一躍ブレイクしたクリント・イーストウッドのアカデミー賞4部門に輝いた『許されざる者』を、さらに日本の最高のキャストとスタッフでリメイク~


 

 yuru-3.jpg 明治維新後、かつて官軍の討伐隊を皆殺しにして“人斬り十兵衛”と恐れられた男(渡辺 謙)が、アイヌの女性と出会って「別な生き方がある」と改心、妻亡き後も幼い2人の子供を育てながら、貧困の中人里離れた荒野を耕していた。そこへ、かつての仲間の金吾(柄本 明)が賞金稼ぎの話を持ち込んでくる。子供たちのために妻との誓いを破り、再び剣を持つ十兵衛。金吾と途中加わった若者・五郎(柳樂優弥)との三人で、女郎を切り刻んだ開拓民を打つべく鷲路の宿場へと向かう。宿場では暴力で絶対的な支配を誇る一蔵(佐藤浩市)が賞金稼ぎたちの前に立ちはだかる。

  クリント・イーストウッド監督・主演の『許されざる者』('93)を、明治維新後の北海道を舞台にアレンジした、とても日本映画とは思えない完成度の高い映画。リメイクということもあり安定したロジックに、日本ならでは明治維新後の官軍と旧幕府軍という構図に、アイヌの人々への差別や、厳しい環境の北海道で生きる開拓民の悲哀。あらゆる要素をひとりひとりのキャラクターに肉付けして、オリジナル以上にヒューマンドラマとしての深みを感じさせる。

 yuru-2.jpg 特に、“人斬り十兵衛”を演じた渡辺謙は、表情だけで周囲に物語を伝えられるほどの存在感だ。さらに、十兵衛を追い詰める冷血な一蔵を演じた佐藤浩市も、狂気を秘めた表情に凄みを感じさせる。「本当はお前が恐かった」と朴訥と語る金吾役の柄本明は、孤独と弱さを内包した男の哀しみを滲ませる。その他、柳樂優弥や忽名汐里などの若手も、ベテラン勢の重厚な演技に新風を吹き込んでいた。

 


 

 この日の御堂会館は、徹夜組も含め熱気にあふれていた。豪華ゲストに期待して蒸し暑い中集まった多くの観客。公開前全国キャンペーンの最後の地が大阪とあって、ゲストにも余裕があるようだ。いよいよ、豪華ゲストによる舞台挨拶の始まりです!

 

(大歓声と大喝采の中登場!)【最初のご挨拶】

yurusarezaru-b1.jpg渡辺:前の晩から並んで下さった方もおられるとか。また本日残暑厳しい折、並んでお出で下さった方々にこの作品を届けることができて、本当に嬉しく思います。

佐藤:本日はありがとうございます。皆さんには大変感謝しておりますが、僕が登場する頃にはビールを飲みたいと思っております(笑)。最後まで楽しんでください。

柄本:本日はご来場ありがとうございました。え~と、見て下さい(笑)。

李監督:早くから並ばれた方、おそらく前の方の席に座っておられると思いますが、この映画はもう少し後に座って見た方がいいと思います(笑)。

渡辺:身も蓋もないじゃないですか~!?(笑)

李監督:とても圧力のある方々が3Dのような圧力をもって迫ってくるので、もう少し後の方がいいかなと思いました(笑)。

 

――― 渡辺さん、これからご覧になる皆様に、まず言っておきたいことは?

yurusarezaru-watanabe-1.jpg渡辺:阪神3連敗しちゃったのですが、(笑)…この映画とても強い映画です。ある種の圧力もって息詰まるような映画ですので、今の内に深呼吸して下さい。

――― クリント・イーストウッド監督とはお話する機会はあったのでしょうか?

渡辺:イーストウッド監督も次回作に掛かっておられて、直接お話する機会はなかったのですが、本作については、製作についても快諾を頂いたうえに、とても丁寧なお手紙を頂戴しました。その中で印象的なことは、黒澤明監督の『用心棒』を彼が『荒野の用心棒』でリメイクし、そして今度は、彼の『許されざる者』を我々がリメイクすることになりました。映画を作ろうとする魂がいろんな価値観を超越して生き続けていくんだということを、改めて強く感じました。参加できて本当に良かったと思いました。

――― 十兵衛という役にいろんな反響があるようですが?

渡辺:私もよく分からないんですよ。とてもやっかいな人物なんで、分かろうとしなくてもいいと思います。登場人物ひとりひとりに寄り添うように見て頂ければいいかなと思います。

――― 今日は関西弁は聞かせて頂けないのですか?

渡辺:役が役なものですから、あまり喋りたくありません。いっそのこと僕の存在を一切消して頂きたい位ですので、すみません。

 

――― 佐藤浩市さんは今までいろんな役を演じて来られたと思いますが、今回一蔵役で心に止めたものとは何ですか?

yurusarezaru-satou-1.jpg佐藤:(一蔵になりきって)「そんなものはねえ!」(笑)。単純に正義や暴力とは何かを自分自身に問い掛けながら演じてました。ひたすら痛覚を鈍感にさせないと生きることができなかった。「人斬り十兵衛」という人間の対極にあるような人物です。暴力でもって自分の存在をより大きく強く見せようと、どんどん暴力に敏感になっていったような感じです。

――― 今回渡辺謙さんとは初共演ですが?

佐藤:渡辺謙さんの方が大人に見えるでしょうが(笑)、ほぼ同世代です。研鑽してきたものは違うがお互いの仕事を見てきたので、現場で改めて感じるというより、自分が知っている立ち居振る舞いの渡辺謙がそこに居るという感じでした。

――― 渡辺さんは如何ですか?

渡辺:この役で出会えて良かった。信頼して体ごとぶつかることができて幸せでした。

 

――― 柄本明さんにとって挑戦し甲斐のある映画だったのでは?

yurusarezaru-emoto-1.jpg柄本:そうですね…李監督が名作をリメイクする勇気があって、こうして出演させて頂きました。また、上半身裸になって、零下10℃以下の所で吊り下げられ、李監督には心から感謝しております(笑)。

――― 李監督とは3度目のお仕事ですが、今回の監督は如何でしたか?

渡辺:よく懲りないね!?

柄本:しつこいです(笑)、相変わらずしつこいです。

 

yurusarezaru-ri-2.jpg――― 李監督のロケ地のこだわりは?

李監督:確かに北海道で撮っています。CGで作ったような風景はありません。地元の人でも知らないような、地図を見ても緑色の部分しかないような、そして人工物がまったく無いような奥地に分け入って探しました。

 

――― 今だから言えるような撮影中のエピソードは?

渡辺:秋から冬にかけてロケしたのですが、北海道の天候は不安定で三日間雨が降り続いて、1カットも撮れない時がありました。そこで、監督に電話して、「こういう時は肉を食うのが一番!」と、焼肉屋を貸し切って、100人で焼肉大会をやりました。撮影に入って既に1か月経っていましたが、初めてみんなの笑顔を見ました。それぐらい大変な現場でした。

 

――― 大阪のみなさん、関西の皆さんへのメッセージをお願いします。 

yurusarezaru-ri-1.jpg李監督:今ここで聞いたことは全て忘れて下さい(笑)。すみません、勝手なことを言って。ヒットする映画がいい映画と見られる中で、この映画はどちらかというと、ヒットすることより、映画の世界でしか生きていけない我々が、映画で思いを伝えたい、発信していきたいと思って作った映画です。既にタイトルを聞いてお気付きだとは思いますが、優しい映画ではありません。厳しい映画ですが、とても切ない映画だと思います。どうか最後まで全身で受け止めて下さい。本日はどうもありがとうございました。

柄本:いろんな意見があると思いますが、とても分かりやすい映画だなと思います。映画というものは、作り手側だけで成立するものではなく、これから育てていかなければなりません。この映画を大きく育てるためにも、皆様のご協力をお願いしたいと思います。

 

yurusarezaru-satou-2.jpg佐藤:クリント・イーストウッドのオリジナル版を見られた方はどれ位いらっしゃいますか?(客席からパラパラと手が挙がる)よく「オリジナルとは別物と思って見て下さい」と言われると思いますが、(大きな声で)「堂々と見比べて下さい!」(笑)。そして、なるほど!ちょっとしか変わってないのに、こんなにも日本的なオリジナリティが出せるのか!と感じて頂けるはずです。我々は自信を持って皆様にお届けします!あれ?これは監督が言うセリフだ?!(笑)俺が言うことじゃないな(笑)。どうか今日はお楽しみ下さい。

 

 

yurusarezaru-watanabe-2.jpg渡辺:高い高い山を前にして登山をしようと決めました。しかも、李相日監督という難しいルートを選んで。今やっと9合目までやってきました。これから皆様のお力を借りて更に頂上を目指して行こうと思います。険しく高い山なので途中で息苦しくなるかもしれません。でも、最後には今までに見たことがない世界を見られると思います。どうか最後までお楽しみ下さい。本日はどうもありがとうございました。

 


 

 クリント・イーストウッドが、師匠であるドン・シーゲル監督とセルジオ・レオーネ監督に捧げた、アカデミー賞4部門受賞の『許されざる者』('92)。彼の作品の中でも金字塔に輝く作品をリメイクするとは……さらに、それを上回るような映画に仕上げてしまうとは……まだ39歳という李相日監督の大胆さと能力の高さには驚かされる。他の日本の監督が本作を見てどう思うだろうか?実に興味深い。

(河田 真喜子

 

 

 

  STAR TREK-A-550-1.jpg『スター・トレック イントゥ・ダークネス』来日キャンペーン!!!①②③

 

原題:STAR TREK INTO DARKNESS 

(2013年 アメリカ 2時間12分)

監督・製作:J.J.エイブラムス

製作:ブライアン・バーク、デイモン・リンデロフ、アレックス・カーツマン、ロベルト・オーチー

出演:クリス・パイン、ザッカリー・クイント、ゾーイ・サルダナ、ベネディクト・カンバーバッチ、ジョン・チョウ、サイモン・ペッグ、カール・アーバン、ピーター・ウェラーほか

配給:パラマウントピクチャーズジャパン

2013年8月23日(金)~全国超拡大ロードショー

公式サイト⇒ http://www.startrek-movie.jp/index.php

© 2012 PARAMOUNT PICTURES. ALL RIGHTS RESERVED. STAR TREK and related marks and logos are trademarks of CBS Studios Inc.

 


 スタトレレポート①【“夏祭り” ジャパンプレミア開催】


 

  

 

  

STAR TREK-A-550-2.jpg夏だ!祭りだ!!スタトレだ!!!

エンタープライズ号の“キャプテン”J.J.監督&クルーが、“祭り男”オリエンタルラジオ藤森慎吾と和太鼓でスタトレテーマ曲演奏に挑戦、大賑わい!テーマ曲を“和太鼓”でコラボ演奏

 

<主演クリス・パイン、ザッカリー・クイント、アリス・イヴ、栗山千明他>

 日程|8月13日(火)

会場|TOHOシネマズ六本木ヒルズ(東京都港区六本木6-10-2)

ゲスト(予定)│J.J.エイブラムス(監督)&クリス・パイン(カーク役)&ザッカリー・クイント(スポック役)&アリス・イヴ(キャロル役)

日本語吹替え版声優:栗山千明(ウフーラ役)&お祭りMC:藤森慎吾(オリエンタルラジオ)

 

 

 8月13日、大ヒットに向けJ.J.エイブラムス監督を筆頭に、エンタープライズ号のクルー、主演キャプテン・カーク役のクリス・パイン、副長スポック役のザッカリー・クイント、才色兼備の科学者キャロル役のアリス・イヴ、プロデューサーのブライアン・バークの5名が集結。TOHOシネマズ六本木ヒルズで夏祭りジャパンプレミアを行った。

舞台挨拶前に行われたファングリーティングは熱気に溢れ、劇場に設営されたレッドカーペットならぬ“ホワイトカーペット”に日本中から駆けつけたファン350人へ、サインや写真撮影などのファンサービスを行った。その後の舞台挨拶では、オリエンタルラジオの藤森慎吾さんが、夏祭り男として盛り上げ役の使命を預かり、祭り男の姿(スタトレのハッピ姿)で元気よく登場。

J.J.エイブラムス監督が登壇すると、「温かい歓迎を受けて大変感謝しております」と挨拶。観客からは割れんばかりの拍手が沸き起こった。次にJ.J.から来日メンバーの紹介で、ブライアン・バーク、アリス・イヴ、ザッカリー・クイント、クリス・パインと次々に登壇すると、会場のスター・トレックファンからはこの豪華顔ぶれにさらなる大歓声と拍手が沸き起こり、会場全体が来場者全員に配られた特製スター・トレック団扇で埋め尽くされ、スター・トレックカラー一色となった。

主演クリス・パインは「再び日本に戻ることが出来て嬉しいです。何度もこの映画を観て欲しい!」と繰り返し猛アピール。

ザッカリー・クイントは「(日本の本作の公開日を)世界の国々で1番最後になってしまい申し訳なかったけれど、楽しみにしていて!」と挨拶すると、スポックファンから歓声が沸き起こった。

“祭り男”藤森さんは、J.J.エイブラムス監督に「(僕と)似ていますか?」と唐突に尋ね、「メガネは似ているね」とのJ.J.の返答に大感激。

日本語吹き替え版で美しき通信士・ウフーラ役を演じた栗山千明さんも会場に駆け付けた。残念ながらウフーラを演じたゾーイ・サルダナは今回の来日キャンペーンに参加できなかったものの、「監督とキャストの皆さんが日本にお越し頂いたことが嬉しく、このような大作に携われたことが光栄です。」と、エンタープライズ号のクルー達と会えたことに大喜び。

舞台上では日本の夏祭りを再現。全国で活躍する和太鼓演奏グループ「和太鼓破魔」のメンバーがスタトレクルーのカラーにあわせ、『赤・黄・青・黒』のハッピ姿で登場、スター・トレックのテーマ曲を太鼓の生演奏で披露すると、その迫力に来日メンバーは驚いたが、目の前で繰り広げられる日本古来の美しく力強い和太鼓演奏に興味津々で聴き入った。

藤森さんが夏祭り男として張り切って音頭をとり、全員で和太鼓演奏に挑戦!バチが配られると、各々が和太鼓破魔さんの説明に聞き入り、脚を広げて腰を落とすといった独特のスタイルで気合十分。J.J.エイブラムスは青いハッピを自ら着用し、気合十分!音楽が始まるとリズムをとるのに少々とまどいながらも、来日キャスト達はノリノリで太鼓を叩いた。見事に初めての和太鼓セッションが終わると、ハグをしあったり和太鼓の方々に和風のご挨拶をした。会場全体が大賑わいとなった。

最後に、J.J.エイブラムス監督から今日のジャパンプレミアに駆け付けてくれたスター・トレックファンの皆さんに「日本が大好きで、また来ることが出来て本当に感謝しています。これから楽しんでくださいね!」と挨拶し、今週末から始まる先行公開に先駆け、スタトレの“熱い”夏を十分に予感させる舞台挨拶となった。

 


 

■J.J.エイブラムス監督

日本に引っ越ししたいぐらい日本が大好き。今日も子供たちを連れてきました。日本でも今後撮影したいです。太鼓も本当に楽しかった!ずーっと叩いていたいです。(笑)

■クリス・パイン

日本はとても素晴らしい街で、尊敬できる人々がたくさんいます。仕事でもプライベートでもいつでも戻ってきたいです。J.J.がコメントする通り、お世辞ではなく本当に素敵な街です。

■ザッカリー・クイント

今回は超イケててぶっとんだスポックが登場します。肉体的というより体を使って走ったりするシーンが多く頑張りました。そんなところも楽しみにしていてください。

■アリス・イヴ

この作品に携われたことは全てが特別でした。言葉や文化の壁を越えて世界中でこの作品を観て頂けることは感慨深く、そのおかげで日本にも初めて来ることが出来ました。続編も楽しみにしています。

■ブライアン・バーク

この作品は日本でキャンペーンをキックオフして、世界中を回って大ヒットさせて、最後の地が日本となります。日本は特別な国であり、お気に入りの場所であり、住みたいと思うほど素晴らしいところなので、大ヒットさせたいです。

■栗山千明

皆さんとお会いするのは初めてなのでドキドキしています。スター・トレックの面白さをみなさんにも味わって頂きたいなと思います。

 

 


 スタトレレポート②【LIVEストリーミング転送会見】


 STAR TREK-B-550-1.jpg

 

J.J.監督も「じぇじぇじぇ!」

会見史上初の90秒クイッククエスチョンに、J.J.エイブラムス&エンタープライズのクルーが大興奮!!!

マスコミ&ファンが生中継で制限時間の質問責め !

 

日程|8月13日(火)

会場|ニコファーレ(東京都港区六本木7-14-23セントラム六本木ビル地下1F)

ゲスト(予定)│J.J.エイブラムス(監督)&クリス・パイン(カーク役)&ザッカリー・クイント(スポック役)&アリス・イヴ(キャロル役)

 

 

全世界で大ヒットを記録している、この夏の大本命『スター・トレックイントゥ・ダークネス』がいよいよこの夏日本上陸。そしてこの度、7月のベネディクト・カンバーバッチの来日に続き、ファンが待ち望んだエンタープライズのクルー達と、本シリーズのキャプテンともいえるJ.J.エイブラムス監督が遂に来日した。

会見スタートと共に場内が暗転し、辺り一面が漆黒の宇宙空間に包まれた。AI(人工知能)が英語で今回のミッションがJ.J.監督とエンタープライズ号のクルー達への尋問であることを告げると、お馴染みのスター・トレックのテーマソングと共に、巨大なUSSエンタープライズ号が映し出され、ワープ航法に入った。辺りが一瞬静寂に包まれ、AI(人工知能)の秒読みが開始。すると映画の演出さながらに、宇宙よりJ.J.エイブラムス監督が会見場に転送されてきた。

エンタープライズ号の艦内そっくりの会見場に、「こんな素敵な会見場は今までに見たことごない!セットにいるような気分です!」と大興奮。本会見の目玉である90秒の制限付きクイッククエスチョンでは、“最近覚えた日本語は?”との問いに「ジェジェ!」と答え、思わぬ『あまちゃん』と監督とのコラボに大いに会場が沸いた。同時配信でこの模様を見ているファンからも“じぇじぇじぇ~”と書き込みが殺到。その反応を見た監督は、手を叩いてと大喜びし、コメントを書いてくれる方々にお礼意を言いたい、「ありがとう!」と日本語で発言。すると会場がまたもや“JJJJJJJ”の嵐となった。

続いて本作の主人公キャプテン・カークを演じるクリス・パイン、カークと並んでスター・トレックの顔ともいえるMr.スポックを演じたザッカリー・クイント、そして本来来日の紅一点で、才色兼備の女性科学者キャロル・マーカス役を演じたアリス・イヴが登場。他に類をみないクイッククエスチョンという形式に、多少焦りながらも、そこはやはりハリウッドスター。最初の数問でリズムを掴み、小気味よく質問に答えるクルー達。

クリスへ、“映画と同じモテキャラですか?”との質問に力強く「イエス!」と答えると、ザッカリーとアリスがあきれ顔で苦笑い。ザッカリーへ“久々に再会したクリスとの再会は?”の質問に「んーまあまあかな」と答えるとクリスからすかさず突っ込みが。久々の再開にも関わらず、大変中の良いエンタープライズ号のクルー達に会場から暖かい拍手が送られた。一般からの抽選によって選ばれた特派員クルー達が、緊張しつつ質問すると、J.J.やキャスト達は彼らの言葉に真剣に耳を傾け、一つ一つ真摯に答えた。その姿に、いい人!真面目!紳士的!と絶賛の書き込みで会場は溢れた。

会見後、会場の外では約200人のファンが集まっていたが、J.J. とキャスト達は一人一人にサインや握手、そして写真を撮るなど、夏の酷暑をものともせず、丁寧にファンサービスをしつつ会場を後にした。

 


 

■J.J.エイブラムス監督

「この大ヒットは、素晴らしい脚本と、人間性溢れるキャラクター、そして最高の俳優達によって完成されました特に、新キャラクター“ジョン・ハリソン”は人類最大の敵でありながら、共感できるという素晴らしキャラクターです。“ジョン・ハリソン”を演じたカンバー・バッチも素晴らしかったです。」「プレッシャーは常に感じています。家族と離れて過ごすチームのメンバーの為に彼が報われるような作品を撮りたいと常に思っています。しかし、全てのファンを満足させられてないことも分かっています。僕のスター・トレックは、新しいファンも楽しめるように作っています。気にいって貰えなかったらゴメンなさい。」「僕は元々スター・トレックのファンではありませんでしたが、今はヘビーなファンです(笑)オリジナルを作り直すのではなく、その精神や、キャラクター、ユーモア、そして対立や自己犠牲などの重要なテーマを引き継ぎながら、今日に置き換えるよう努力しました。SFの偉大なところは、様々な事象を比喩的に表現できる事です。それは政治や様々なことに当てはめることができる。だから不変なのです。」

STAR TREK-B-550-2.jpg■クリス・パイン

「素晴らしい会場を作ってくれてありがとうございます。このような大きなシリーズに関わることができて大変光栄です。好きなキャラクターはスポックです。スポックは熱い情熱や、感情を内に秘めながら、それをなかなか出すことのできない難しい役です。そのような難しい役をザッカリーはとても良く演じたと思います。自分の弱点は・・・ラーメンに対する愛です(笑)」

■ザッカリー・クイント

「また日本に来れて嬉しいです。4月からスタートしたキャンペーンの最後の地に、日本を訪れることが出来て光栄です。映画の枠を超え、ポップカルチャーにまでなってる本作に携われることはとても幸せです。どのキャラクターを選ぶかは大変難しいです。それはジーン・ロッテンベリが作った多様と協調の重要性を本作が教えてくれるからです。僕の弱点は集中力のなさです(周りのコメントを眺めながら)」

■アリス・イヴ

「日本に来るのは初めてです。母国イギリスの雰囲気に似ています。皆の力を一つにして、作品を作り上げるのは素晴らしいし、それを世界中の人々と分かち合えるのはとても光栄です。私の好きなキャラクターはスコッティです。彼はシリアスな状況でもユーモアを忘れないし、本作の重要な場面でヒーローになるのです。私の弱点は・・・やはり愛ですね。恋は人をモンスターにしてしまうから」

 

 

 


 

 スタトレレポート③【史上初!ギャラクシーカーペットイベント】

 


 

STAR TREK-C-550-1.jpgJ.J.監督とエンタープライズ号クルーらが 宇宙飛行士:毛利衛と惑星探査!

 

8月14日(水)19:00~20:30【ギャラクシーカーペットイベント】

<取材来場>スチール50台、ムービー30台、記者・マスコミ関係合計200名

会場|日本科学未来館(東京都江東区青海2-3-6)

ゲスト(予定)│J.J.エイブラムス(監督)、ザッカリー・クイント(スポック役)アリス・イヴ(キャロル役)

スペシャルゲスト:毛利衛(日本科学未来館館長・宇宙飛行士)

 

 

8月14日、公開に先駆けJ.J.エイブラムス監督を始め、副長スポック役ザッカリー・クイント、才色兼備の科学者役アリス・イヴ等エンタープライズ号のクルーらが登壇し、日本科学未来館で映画としては初めてのコラボが実現。世界初のギャラクシーカーペットや、巨大な地球ディスプレイ[ジオ・コスモス]を活用したギャラクシーイベントが開催されました。

STAR TREK-C-240-1.jpgこの日、暗闇の中浮かび上がる[ジオ・コスモス]の姿と壮大なオープニングでスタートしたギャラクシーイベント。応募総数2000通の中から選ばれたラッキーなファン500人と集まったマスコミがかたずを飲んで見守る中、オーバルブリッジに特設されたギャラクシーカーペットにゲスト達が登壇。待ちわびたファンからは大きな歓声が上がり、サインや写真撮影に丁寧に応じるJ.J.エイブラムス監督とクルー達。そして、会場が暗闇に包まれると、[ジオ・コスモス]の後ろの巨大スクリーンに次々と惑星の映像が映し出され、宇宙を思わせる美しい演出に会場のボルテージが急上昇すると、宇宙空間を感じさせる会場の特設ステージで舞台挨拶がスタート。美しい[ジオ・コスモス]に感激したゲスト達は「アメイジング!来日キャンペーンの締めくくりをこのような素晴らしい空間で迎えられて大変嬉しく思います!」と熱い歓迎に感動した様子。

さらに、本イベントに全面的な協力をした最先端科学技術と社会をつなぐ拠点、日本科学未来館の館長であり、宇宙飛行士の毛利衛さんが登場し、地球の未来と平和を願ってJ.J.エイブラムスとクルー達へ[ジオ・コスモス]を模した地球儀と、毛利さんが参加した宇宙のプロジェクトでしか作られていない記念ワッペンを贈呈。エイブラムスは「実際に宇宙に行ったことのある毛利さんにお会いできて光栄です!素敵なプレゼントにも感激しました!」とコメントするなど感動した様子。

お返しにJ.J.エイブラムスからは本作の製作会社であるBAD ROBOTのフィギュアが贈られた。毛利衛さんも「まるで皆さんと一緒に宇宙に行った気分になりました。今回の作品は心の問題を大切に扱っています。それはこの日本科学未来館のテーマでもあるので、作品とのつながりを深く感じました。今回来日してくださった皆さんに感謝します。」とコメントし、『スター・トレックイントゥ・ダークネス』と来日ゲスト達を絶賛。

最後に、サプライズプレゼントとして毛利衛さんからJ.J.エイブラムスへ[ジオ・コスモス]のコントローラーがプレゼントされ、月、そして今回がNASAから届いたばかりの初公開となる水星・金星の映像が映し出されると、お茶目に唸りながら触れるエイブラムスを始め、エンタープライズ号のクルー達も惑星を回転させたりと、さながら惑星探査をしているかのように大興奮! J.J.は「あたたかく迎えてくれてありがとうございます。惑星をいじったり動かす経験もさせてもらいました。日本大好きです!また必ず戻ってきます!ドウモアリガト!」と最後は日本語で締めくくり、大きな拍手と歓声の中で 来日キャンペーンの幕を閉じた。

 


 

■来日キャンペーンの締めくくりが日本科学未来館で行われる印象は?

J.J.エイブラムス:今回の来日キャンペーンで、日本に来るのを一番楽しみにしていました。日本大好き!キャンペーンが終わってしまうのは少し寂しいですが、この場所でこんな素晴らしい最後を迎えられて感激しています。

■スポックを演じるにあたって苦労した点は?

ザッカリー:「チョウジュトハンエイヲ!」(長寿と繁栄を)覚えたての日本語でバルカン人の挨拶に挑戦してみました。

(ファンからバルカンサインを掲げられる一面も)今回は戦闘シーンもあり、肉体的な稽古を沢山しました。スポックの動きもどこか省エネ的に見えるような動かし方を意識しました。作った私たちが楽しんだ同様、皆さまにも楽しんでもらいたいです。

STAR TREK-C-240-2.jpg■今回は初来日となりましたが、日本の印象はいかがですか?

アリス:日本は文化や文明のありかたなど、私の祖国イギリスにとても似ていて驚きました。食事も日本が世界で一番おいしいと思いますし、これから日本を堪能するのでとても楽しみです。

■宇宙飛行士から見た『スター・トレックイントゥ・ダークネス』の感想は?

毛利衛:今までの「スター・トレック」とは違い、今回は私たちの地球が舞台になっています。エイブラムス監督が今回扱っている“心の問題”は、日本科学未来館でも大切にしていることですので、「スター・トレック」との共通性を感じます。来日してくださった皆さまに感謝します。

■日本のファンへメッセージ

J.J.エイブラムス:映画はまるでジェットコースターに乗っているような楽しさがあります。素晴らしい映像はもちろんのこと、一番大事にしたのは「ハート」です。是非、映画館で楽しんでください!

 

 

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ぶっ飛び時代劇!『桜姫』青木崇高インタビュー

(2013年 日本 1時間35分)
監督:橋本一
出演:日南響子、青木崇高、麻美ゆま、平間美貴、星野あかり、七海なな、マリエム・マサリ、HIRO、クロちゃん(安田大サーカス)、野々村真、平山祐介、風祭ゆき、徳井優、合田雅吏、でんでん

2013年6月29日(土)~りヒューマントラストシネマ渋谷、テアトル梅田、アポロシネマ8、T・ジョイ京都、ほか全国ロードショー

公式サイト⇒ http://sakurahime-movie.com/#page_a

© 2013「桜姫」製作委員会


 

~時代劇が似合う長身俳優のココロ~

 

  型破り時代劇『桜姫』に主演した青木崇高が30日、舞台あいさつのため来阪、インタビューに応えた。

sakurahime-2.jpg 『桜姫』は四世鶴屋南北の「桜姫東文章」をもとに橋本一監督らが大胆に脚色した自由奔放な時代劇。京・清水を舞台に聖女・桜姫と僧・清玄の流転と堕落を描く“大南北”らしい物語。高貴な姫君が女郎に転落するお話は今ならワイドショーネタだが、映画では美少女モデル日南響子が桜姫に抜擢されて話題を呼んだ。桜姫は、一夜襲われて結ばれたワケあり稼業の権助(青木崇高)に恋心を寄せ、家を飛び出して遊女・風鈴お鈴として権助を待つストーリー。『茶々  天涯の貴妃(おんな)』など時代劇を手懸けたこともある橋本監督が、古巣・東映を離れて撮った異色時代劇。『一命』や『龍馬伝』『るろうに剣心』など時代劇での仕事が目立つ青木崇高(33)に時代劇の心得を聞いた。
 


―――立ち回りの仕草が決まっていたが。
 青木:見せ方は気を遣いました。『るろうに剣心』(12年)の前だったら違っていたけど、腰を落として体の軸を据える、という所作の基本が分かってきた。ストーリーはもちろん大事だけど、立ち回りが時代劇ですから。どうしたらいいか、監督にも聞いた。『桜姫』ももとは歌舞伎。決めるところは決めるアソぶところはアソぶ、という感じで、お客さんを混乱させる方が面白いのでは、と。
(鶴屋)南北も調べてみました。歌舞伎だから特にどうこうということはないけど、ホン(脚本)を改訂していくたびに変わっていきましたね。

―――いつから目覚めたのか?
青木: 時代劇ではないけど、所作などは朝ドラ「ちりとてちん」で着物の所作などを覚えた。時代劇は一昨年のNHK大河ドラマ「龍馬伝」で立ち回りを学んだ。東映京都撮影所のスタッフから「あれよかった」と言われてお墨付きをもらった気がした。

sakurahime-aoki-1.jpg―――橋本監督とは?
青木:初めてでした。この映画ではテレビじゃ出来ないことをやろうと撮影前に話し合った。たばこを道端に捨てることなど、もう出来ない。昔は刑事ものなどでは定番だったのに、いまでは難しくなっている。やれることをたくさんやってみようと話し合った。  言葉も急に現代風になるし、音楽も和洋折衷で全然いいんじゃないか、とか型にはまらないのは監督の考え通りです。

―――2年前に米国留学している。目的は?
青木:語学です。このまま英語しゃべれない人生を送るのか、と思ったら、どうしても行きたくなった。事務所(スターダスト)公認で半年間、専門学校に通った。向こうで日本映画を見られる、ということもありました。どれほど日本映画が興味を持たれているのか。日本で思っているほどではなかったけど、三池(崇史監督)さんの人気は凄かったですね。英語は今も続けています。

―――時代劇俳優は確かに少なくなっているので期待は大きい。これまで見てきた中で一番好きな時代劇は?
青木:ウーン、1本だけあげるのは難しい。やっぱり三船さんですね。黒澤さんの『椿三十郎』は凄かった。

(安永 五郎)

typist-d550.jpg『タイピスト!』レジス・ロワンサル監督(42歳)インタビュー

(2013年6月24日(月)東京パレスホテルにて)


 

(2012年 フランス 1時間51分)
監督:レジス・ロワンサル
製作:アラン・アタル『オーケストラ!』 
撮影監督:ギョーム・シフマン『アーティスト』
出演:ロマン・デュリス『スパニッシュ・アパートメント』、デボラ・フランソワ『ある子供』、ベレニス・ベジョ『アーティスト』、ミュウ=ミュウ『オーケストラ!』

2013年8月17日(土)~ ヒューマントラストシネマ有楽町、シネ・リーブル梅田、京都シネマ、シネ・リーブル神戸 他全国ロードショー


★作品紹介⇒ こちら
★《フランス映画祭2013》デボラ・フランソワ&レジス・ロワンサル監督トークショーのレポート⇒ 
こちら
★公式サイト⇒ http://typist.gaga.ne.jp

© 2012 – copyright : Les Productions du Trésor – France 3 Cinéma – France 2 Cinéma – Mars Films - Wild Bunch - Panache Productions – La Cie Cinématographique – RTBF (Télévision belge)© Photos - Jaïr Sfez.


 

typist-1.jpg 女の子の夢を乗せたカラフルでキュートなエンターテンメント映画『タイピスト!』で長編映画監督デビューを飾ったレジス・ロワンサル監督。彼自身相当なシネフィルらしく、ビリー・ワイルダーやヒッチコック、ゴダールやエリック・ロメール、ジャック・ドゥミといった監督作品へのオマージュが至る所に散りばめられ、映画ファンとしてはワクワクするような映画だ。主人公ローズを演じたデボラ・フランソワにも、1950年代の女優、オードリー・ヘップバーンやグレース・ケリーやマリリン・モンローなどを参考にするように言ったとか。ただし、真似するのではなく、吸収するようにと。かつて盛んに行われていたタイプライターの早打ち大会にヒントを得て脚本も手掛けたというレジス・ロワンサル監督にお話を伺った。

 

――― 最初『マイ・フェア・レディ』を思い浮かべたが、あれは調教のような関係性だったのに対し、タイプライターの早打ちコンテストを主軸にしながら、父親の支配から逃れ田舎から出てきた女の子と、「1番になれ!」と父親に言われながらも2番手に甘んじているルイとの、其々の心の葛藤を絡ませ、よりラブストーリーに深みを出していましたね?
typist-d2.jpgレジス・ロワンサル監督(以下監督):確かにこの映画を見て『マイ・フェア・レディ』を思い起こされると思いますが、その関係性は大きく違いますね。貴女の考えに私も大いに賛同します。あれは一方通行で、オードリー・ヘップバーン演じる女性は心から解放されている訳ではありません。この映画のローズは、チャンピオンにもなり、愛もゲットして、女性としてより大きく開花させています。おそらく60年代のローズはスーパーウーマンになっているかも!?(笑)

――― なぜタイプライターなのか?
監督:ある日タイプ早打ちコンテストのドキュメンタリーTVを見て、これに憑りつかれてしまったんです。クレイジーだが、タイプライターそのものは人類の歴史を語っているのではないかと魅了されました。この器械で、様々な物語を創り出すことができるし、スポーツとしての競技にもなる。勿論タイプライターは今では使われていませんが、キーボードは残っていて、我々には深い関係の存在だと思います。スポーツとしても、あまりにも超人的な競技とは違い、当時身近な器械だったタイプライターの早打ちだと、自分にもできるのでは?と、ハードルを下げて共感できたのではないかと思います。

typist-d1.jpg――― なぜ1958年なのか?
監督:1958年を選んだ理由は、60年代移行する過渡期で、これから何かが始まるという期待にあふれていたからです。僕はファッションやインテリアのデザインや色彩も音楽も大好きなんです。映画では、ヒッチコックの『めまい』、ダグラス・サークの『悲しみは空の彼方に』、ジャック・タチの『ぼくの伯父さん』、アルベール・ラモリスの『赤い風船』など、1958年の映画は傑作ばかりです。それに、小津安二郎の『彼岸花』もこの年ですね。私はあの彼岸花の色彩に圧倒されました。

――― 映画の中でも色彩の影響は大きいですね?
監督:そうなんです。私はカラフルなパレットが大好きでして、『タイピスト!』でも、衣装やインテリアは勿論ですが、表情を映すネオンの色や照明にもこだわりました。

typist-3.jpg――― ロマン・デュリスの芸域の広さに感心したが、監督は彼をどう思う?
監督:私は彼の作品をずっと見てきました。私がまだ短編を作っていた頃には、彼は既にいろんな作品に出演し、ドラマやコメディなど何でもこなしていました。それに、監督の選び方が絶妙な俳優だなと思っていました。彼の演技で好きなところは、決して声だけでなく、体全体で演技をするところがあり、ちょっとダンサーに近いものを持っています。彼がそれを意識しているのかどうかはわかりませんが、僕は体が雄弁に語るような俳優が好きなんです。それから、彼は努力家で、準備の段階からリサーチをして役作りを万全にするし、現場でも新しいことを提案してくれるし、この撮影期間中、僕等はとても意気投合して仕事ができました。

typist-2.jpg――― それは楽しい現場だったのでは?
監督:やろうとしていることはハードルが高くて、挑戦と緊張の日々でした。パリに車でやって来るシーンなど、かなりの準備が必要でした。大変なんだけど現場にはマジカルな空気が流れていたのか、スタッフもキャストも全員が全身全霊で臨んでやり遂げることができたのです。僕にとっては初めての長編映画で、生きるか死ぬかの死活問題として、スタッフ全員が理解して付いて来てくれました。キャストもスタッフも僕の仕事ぶりをリスペクトしてくれて、確かに撮影現場は楽しくてやりやすかったです。

――― 現場の雰囲気の良さが『タイピスト!』の陽気さに反映しているのでは?
監督:その通りです。でもそれは、僕自身が計算したものではありません。みんなのお蔭なんです。次はシリアスな作品になるかも知れませんよ。

――― 持ち味を活かした作品を作って頂きたいですね。
監督:私の友人も「独自の持ち味がある」と言ってくれるのですが、私自身はそれをあまり知りたくないのです。なぜなら、それに逆らって無理に違うことをしようとするからです。

――― デボラ・フランソワについては?
監督:デボラは素晴らしい女優です。僕はデボラの熱狂的ファンでもあるので、あまり客観的に言えないんですよ。撮影を一緒にやって来たのに、よく覚えていないんですよ~(笑)。


 

 子供の頃から映画少年で、特にクラシカルな映画が大好きだったとか。好きな映画について語る時の監督は、少年のように目を輝かせ身を乗り出して語る。もっとシネフィルについてお話したかった。大好きな1958年の映画が盛り込まれた『タイピスト!』は、新しい時代への息吹と、映画全盛期の勢いを感じさせてくれる。だが、クラシカルな形態をとりながら、自らの力で、自分らしく生きることの幸せを謳い、女性が社会に出て働くことが当たり前になった現代を生きる私たちに、改めて自由に人生を選択できる幸せを実感させる。

デボラ・フランソワについては、二人で登場したトークショーのレポートをご覧下さい。
《笑いと涙のトークショー!『タイピスト!』のヒロイン:デボラ・フランソアとレジス・ロワンサル監督が来日の歓びを語る》⇒ http://cineref.com/festival/2013/06/post-13.html

(河田 真喜子)

zinzin-s550.jpgzinzin-1.jpg『じんじん』企画・主演大地康雄インタビュー
(2013年 日本 2時間9分)
監督:山田大樹
出演:大地康雄、小松美咲、佐藤B作、中井貴恵、井上正大、若村麻由美、絵沢萌子、中田喜子、板尾創路、手塚理美他
2013年7月13日(土)~テアトル梅田、8月3日(土)~京都シネマ、8月10日(土)~元町映画館他全国順次公開

※2013年度ゆうばりファンタスティック国際映画祭W受賞<ファンタランド賞(作品)、人物賞(大地康雄さん)>
公式サイト⇒http://www.jinjin-movie.com/
(C) 2013『じんじん』製作委員会

 

「絵本を中心にやさしい町づくりが根付いた剣淵町、ここに日本の明るい未来を見たんですよ」

zinzin-2.jpg心底優しい気持ちになれる映画に出会えるのは、本当にうれしいものである。俳優であり『恋するトマト』で監督デビューも果たした大地康雄が、絵本で町おこしを行っている北海道剣淵町やそこで読み聞かせをする町の人たちに出会い、温めてきた企画が映画化された。先行公開された北海道をはじめ、熱い感動を呼んでいる本作は、町の人が仕事の空き時間にボランティアで行っている絵本の読み聞かせが大きな見どころだ。家族よりも芸の道を選んだ大道芸人の銀三郎と離れ離れになった娘とを結ぶ鍵としても絵本が登場し、絵本の魅力が散りばめられている。修学旅行にやってきた高校生たちが、農業研修をするうちに目を輝かせるようになったように、雄大な剣淵町の自然の中で私たちも失っていた何かを取り戻せそうな力のある作品である。

本作の企画およびコミカルな魅力を見せる主人公銀三郎を演じる大地康雄に、剣淵町と出会ったきっかけや、絵本や読み聞かせが子どもや大人に与える影響、そして剣淵町の魅力についてお話を伺った。

 


━━━絵本の読み聞かせが物語の軸となる映画であることに感銘を受けました。しかも、町ぐるみで読み聞かせをしている地域は非常に珍しいですね。
町ぐるみで読み聞かせを始めて、25年ぐらいになるそうです。25年もやっていれば、私よりも読むのがうまい読み聞かせの達人が何人もいるんですよ。何よりも剣淵町は、絵本を真ん中に置いて優しい町になることに成功しています。いいことだらけの剣淵町を是非全国に紹介したかったのが、映画を作る上での大きな動機になっていますね。

zinzin-s1.jpg━━━剣淵町のみなさんと交流することになったきっかけは?
前作『恋するトマト』を作ったのが、全部つながっています。農業がテーマの作品で、北海道で上映会を50カ所ぐらいで行ったのですが、旭川上映会後の交流会で、「大地さん、私の故郷に帰る前に寄ってくれないか」と何度も声をかけてくださる方がいました。翌日帰る予定だったのですが、あまりにも熱心に誘ってくださるので飛行機を一本遅らせて、渋々行ったんです。何があるのかとお聞きすると「絵本です」とおっしゃるけれど、その時はピンときませんでした。剣淵町に着くやいなや絵本の館に誘導され、ちょうど子どもたちに読み聞かせをしているところに出くわしました。十数名の子どもたちが床にべったり座って、どんどん絵の近くまで詰め寄り、最後のオチで全員同時に床にひっくり返って大爆笑していたのを見て、正直びっくりしました。次に農家のお父さんが『つきのよるに』(作・絵:いもとようこ)を読み聞かせると、皆泣いていて、子供たちの表情が輝いていました。絵本とはこんなに豊かな感情を育てているのか。大げさな言い方をすれば、ここ(剣淵町)に日本の明るい未来を見たんですよ。

━━━なるほど、絵本の館とは感動的な対面を果たされたのですね。
お母さんたちに、絵本を読んで日常生活にどのような変化があるのかとお聞きすると、皆さんが「読み聞かせをするようになって、思いやりのある子になりましたよ」とおっしゃいます。言語力や想像力がついたり、人の心を読みとる力がついたり、引っ込み思案で学校に行くのを嫌がっていた子が通えるようになり、友達がどんどんできて喜んでいたりしますね。絵本を読み聞かせしている大人も童心に戻って子どもと一緒に物語に入っていくことで、枯れていた感性が甦るんですよ。生き方、心の持ち方が変わってくるし、子どもの喜ぶ姿を見てこちらが元気をもらえる。だから、読み聞かせは大人の方こそ得るものが多いと聞きました。

━━━大地さんが演じる銀三郎には、モデルとなる人物がいるのですか?
毎年田植えの時期に、兵庫から田植えを手伝いにやってきて、女子高生と一緒に農業研修もやり、秋の収穫が終わってまた兵庫に帰っていくという方にお会いしました。なぜ毎年来ているのかと聞くと、「剣淵は本当に心が癒されて、元気をもらえる。剣淵は心のふるさとだ」とおっしゃっていました。この方が銀三郎のヒントになって、心のふるさとを持った男の話ができるのではないかと思ったのです。 

zinzin-4.jpg━━━劇映画としてエンターテイメント性を持たせながら、メッセージをうまく表現されていましたが、一番留意したことは? 
私は、13年間テレビドラマ『刑事・鬼貫八郎』シリーズに出演していました。人殺しの話なのですが、糖尿病なのに目を盗んでお饅頭を食べたりしていたというコミカルな部分が続けることができた秘訣だったと思います。その時の脚本家が、本作で脚本を担当した坂上かつえさんで、「いつかは人情喜劇だけの作品をやりたい」と二人で話していたので、本作の脚本を考えたとき真っ先に連絡しました。すぐに坂上さんを剣淵町に連れていき、取材してもらったら、帰ってから3ヶ月後にせりふ入りの第一稿を渡してくれたんです。驚いたことに皆この第一稿を読んで泣いたんですよ。これで一気に火がつきました。一年ぐらいで決定稿を書き上げるまでに、人もお金も集まってきましたね。

━━━脚本を担当された坂上さんが、大地さんの意図を見事に反映させ、『じんじん』の輪が広がっていったのですね。
坂上さんの上手いところは娯楽映画で育ってきたので「映画は娯楽だ」という思いが体に染み込んでいるのです。大事なことを伝えたければ伝えたいほど、面白くしなければならない。教育映画ではないので、楽しんでもらわなければいけないという点で考えが一致しました。絵本の切り札は最後に持ってきて、最初は面白い昔話をばあちゃんから聞かされたという話(実話)から始まり、剣淵町でどうして絵本の館ができたのか、農業研修なども全部取材して脚本に取り入れています。剣淵町の皆さんは飲み会でもマイ絵本を持参して、読み聞かせをしあっています。お互いにダメ出ししたり、絵本が町の人々の中に根付いています。何よりも大事なのは絵本を真ん中に置いて、やさしい町づくりができていることですね。

━━━銀三郎さんを見ていると、寅さんを彷彿とさせました。
坂上さんは私のコメディの部分を知っていますし、山田監督も『刑事・鬼貫八郎』シリーズを担当されたので、私の演技を知り尽くしています。だから鬼シリーズの集大成のようなものですね。関西は笑いに厳しいですが、この作品は関西で通用しますか?

━━━吉本新喜劇とはまた違うテイストですが、松竹新喜劇のような人情喜劇の中に泣かせるような味わいがあって、とても楽しかったです。
映画を観て、「理性をキープしながら笑えて泣けた」とおっしゃっていただきました。また、「悪人が一人もいない映画で感動したのは初めてだ」とか、「素直に泣けた」という人が一番多かったです。これは絵本の力でしょうね。私は小さい頃、映画ばかり見ていたので、新鮮でした。

zinzin-3.jpg━━━久しぶりに中井貴恵さんが映画出演され、剣淵町で生きる主婦を熱演していましたが、出演に至る経緯は?
偶然近所の病院で中井さんが絵本の読み聞かせをされると聞き、見に行きましたら『つりばしゆらゆら』(作:もりやまようこ、絵:つちだよしはる)を読まれ、本当に感動したんです。感動のあまり、その場で中井さんに会わせていただき、絵本を題材にした映画にでてほしいと直談判して、快諾いただきました。普通出演交渉はプロダクションを通しますから、後で社長にお詫びしましたし、大変失礼なことをしたとは思いますが、そういう想いは伝わるんですね。今回学んだことは、「人生は志だ」。私利私欲ではダメですが、志さえあれば、人は集まってくれるのです。

━━━絵本のお話はどうやって作っていったのですか?
ドリアン助川さんは私の釣り仲間で、ある日一緒に釣りに行った帰りに彼のライブに誘われたんです。どういうライブをするのかと聞くと、「クロコダイルとイルカ」というので見に行くと2時間語って歌って、感動ものでした。クロコダイルの気持ちになって、無骨なクロコダイルが自分が生きてきた意味や、存在価値や、愛を語っていくのです。しかもドリアンさんが絵本もあるというので、見せてもらったのが映画で登場した『クロコダイルとイルカ』でした。坂上さんもすっかりドリアンさんのファンになって、脚本に入れてくれました。

zinzin-s2.jpg━━━この映画を観ると、過疎で困っている地域の自治体の人が何かヒントを得られる気がします。年齢問わずに楽しめるのも魅力ですね。
札幌の中学生に観てもらい、100人にアンケートを書いてもらったら、ほとんどが「家族の大切さが身に沁みた」とか「愛の大切さがわかった」とか「まじ笑った、感動した」という意見を書いてくれました。子どもにもきちんと伝わったのが、うれしかったですね。
 
剣淵町も映画のロケ地になるのが初めてなものですから、最初は皆さん本当に剣淵で映画が撮れるのかと疑心暗鬼だったようですが、いざ始まると炊き出し部隊が無農薬野菜を使ったお料理を作ってくれ、本当に力をもらいました。エキストラも人口3000人の町なのに300人が必要でしたが、それでも剣淵町の皆さんが集まってくれました。

━━━関西の上映でどんな感想が聞けるか、楽しみでは?
最初笑っていただけたら、成功ですね(笑)今、日本中が心の問題をどうしたらいいか、考えていると思うんですよ。物質は豊かになったけれど、大事な心が置き去りになってしまった。東日本大震災以来、大事なことがぬけ落ちてきたと気づいている人は多いと思います。「心の忘れ物をしたときに、取りにきてほしい」。まさに剣淵の人たちがよくおっしゃるこの言葉が、映画のメッセージなのかもしれません。


「わたしはただ種を蒔いただけ。色々な方が水をやって、育ててくださった」と『じんじん』が出来るまでの過程を表現した大地康雄さん。本作は映画ではじめて総務省、全国市長会、全国町村会の後援を受けており、今後日頃映画に触れることのないような人にも観てもらえるよう上映活動を広げていくそうだ。心温まる人情劇を見て、親子や地域の子どもたちと絵本を通して共有する時間の尊さに改めて気付かされた。(江口由美)

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