映画祭シネルフレ独自取材による映画祭レポートをお届けします。

華やかなフランス映画祭復活!『フランス映画祭2013』オープニングセレモニー

オールゲスト-550-1.jpg登壇者:(写真前列左から)エルンスト・ウンハウワー(『In the House』)、リュディヴィーヌ・サニエ(『恋のときめき乱気流』)、デボラ・フランソワ(『タイピスト!』)、エレーヌ・ヴァンサン(『母の身終い』)、ジャン=ポール・サロメ(ユニフランス・フィルムズ会長)、ナタリー・バイ(『わたしはロランス』)、カトリーヌ・コルシニ監督(『黒いスーツを着た男』)、ギョーム・ブラック監督(『遭難者/女っ気なし』)、バレリア・サルミエント監督(『ウェリントン将軍~ナポレオンを倒した男~(仮)』)、ジャック・ドワイヨン監督(『アナタの子供』)、
(写真後左から)フランソワ・オゾン監督(『In the House』)、レジス・ロワンサル監督(『タイピスト!』)、フィリップ・ベジア監督/ジャン=フランソア・シヴォディエ(『椿姫ができるまで』)、ステファヌ・ブリゼ監督(『母の身終い』)、ラファエル・ペルソナーズ(『黒いスーツを着た男』)、ルー・ドワイヨン(『アナタの子供』)、ジャン=クリストフ・デッサン監督(『森に生きる少年~カラスの日~』)、マチュー・イボー監督(短編集『からっぽの家』)


 

華やかなフランス映画祭復活!『フランス映画祭2013』オープニングセレモニー
2013年6月21日(金)17:40~有楽町朝日ホールにて

~豪華ゲストを前に歓喜にわいたオープニングセレモニー♪~

ナタリー・バイ.jpg 去年途絶えた団長制を今年は復活させ、フランソワ・トリュフォーやジャン=リュック・ゴダールに愛されたナタリー・バイ(『緑色の部屋』『勝手に逃げろ/人生』)を団長に、デボラ・フランソワ(『ある子供』『譜めくりの女』)やリュディヴィーヌ・サニエ(『スイミング・プール』『8人の女たち』)の若手美人女優に加え、アラン・ドロンの再来と謳われるラファエル・ペルソナーズ(『黒いスーツを着た男』)とエルンスト・ウンハウワー(『In the House』)の若手イケメンが揃い、さらに俳優以上に人気のあるフランソワ・オゾン監督まで登場するという、それはそれは近年にない魅力いっぱいの映画祭らしい豪華さに、有楽町が歓喜にわいたオープニングとなった。


若手3人.jpg 六本木ヒルズで開催されていた頃のようなレッド・カーペットはなかったものの、今のフランス映画界を代表するスターたちがこれほど揃う映画祭が日本で開催されて本当に嬉しい限り。4日間で13本の長編と1短編集(8作品)が上映される。今年は、大阪、京都、福岡でも一部の作品が上映される。やはり円安の影響からか、地味だった昨年に比べ今年はゲストの顔ぶれも豪華で、若い観客が多い。東京では、ゲストのインタビューはパレスホテルで行われ、朝日ホールでは上映とゲストのティーチインが開催される。

 

デボラ・フランソア.jpg 最初挨拶に立ったジャン=ポール・サロメ氏(ユニフランス・フィルムズ会長)は、『レディ・エージェント/第三帝国を滅ぼした女たち』『ルパン』『ルーブルの怪人』などの監督でもある。フランスは映画発祥の国として映画産業に力を入れているだけあって、映画を文化として捉え、人材の育成や保護にも努めている。かつては、政治的、宗教的モラルの検閲が厳しかったらしいが、今では自由な発想と表現力で、作品もバラエティに富み、客層も若返っているのが大きな特徴と言える。作品ごとに驚きと感動がある。そんなフレッシュなフレンチシネマの魅力を体感できるのがフランス映画祭だ。

 

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会長とナタリー・バイ.jpg【ジャン=ポール・サロメ氏(ユニフランス・フィルムズ会長)のご挨拶】
 

 第21回フランス映画祭を開催することができて嬉しく思っております。過去にも監督として数回日本を訪れたことがありますが、この4日間で多様性のあるフランス映画を皆様に発見して頂くことを希望いたします。コメディあり、アニメあり、サスペンスあり、ラブストーリーあり、作家性の強い作品や娯楽作品など、現在のフランスを体現している作品ばかりです。

 

オゾン監督.jpg その多様性をなぜ保てるのかというと、フランスでは文化的映画の保護政策が執られているからです。今まで様々な監督が守ろうとしてきたものを、今ではヨーロッパ全体の監督も努力して文化的映画を守ろうとしているのです。そして、それは監督に限らず、アメリカのプロデューサーも支持していることなのです。映画が終わって、少し考えて頂けるような作品を提供していきたいと思っております。

 

 

 

 

ラファエル・ペルソナ.jpg 去年は海外でも成功を収めた『最強のふたり』『アーティスト』『愛アムール』などがありました。『最強のふたり』は日本でも沢山の方に観て頂けたようです。こうして皆様が劇場に観に来て下さる事が、我々にとっては何よりのプレゼントとなるのです。だからこそ映画を撮り続けられるのです。皆様に心から感謝申し上げます。


(河田 真喜子