映画祭シネルフレ独自取材による映画祭レポートをお届けします。

2020年12月アーカイブ

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 今年で第28回を迎えるフランス映画祭2020。コロナ禍で従来の6月開催から延期を余儀なくされたが、12月10日より4日間、イオンシネマみなとみらい他にてフランス映画祭2020 横浜が開催される。今年のフランス代表に選ばれたのは、オープニング作品『ゴッドマザー』(ジャン=ポール・サロメ監督)に主演、フランス映画祭には2016、2017と2年連続来場している俳優、イザベル・ユペール。残念ながら来日は叶わなかったが、初日に日産 グローバル本社ギャラリーにて開催されたオープニングセレモニーではユニフランスのセルジュ・トゥビアナ会長やダニエラ・エルストナー代表、他の出品作監督と共にビデオにて同映画祭に以下のメッセージを寄せた。
 
「今年のフランス代表を務めることになり大変光栄です。フランス映画祭や日本の想い出はたくさんあります。熱心で愛情のこもった観客との出会い、ジョセフ・ロージ監督の『鱒』で初めて訪れ魅了された日本との再会は大きな喜びです。尊敬する日本の監督の方々といつかお仕事をするのが夢であるのは言うまでもありません。今年はフランスから誰も伺えない為、今年のミューズである米倉涼子さんに、ぜひ私達、監督や俳優の代わりに、映画祭期間中、フランスと日本の映画芸術をつなぐ特別な絆の象徴となってほしいと思います。今晩ご覧いただくのは、ジャン=ポール・サロメ監督のコメディ『ゴッドマザー』です。私の役は目的を達成するために嘘と変装を使いこなします。法の目をかすめるのは、友情と連帯による必然的な理由からです。友情と連帯と言えば、今晩はなおさら、日本の皆様のことを思い出します。あなた方の映画への情熱は、私たちが現在いる状況のなかで、尊敬と憧憬をもたらしてくれます。映画がいかに私たちに必要かということも。フランスでは長い休館を経てようやく映画館が再開するなか、今晩と今後3日間にわたるあなた方の存在は、フランス映画界に素晴らしい勇気をもたらしてくれます。心の底からお礼を申し上げます。近いうちにお会いできますように。親愛なる日本の皆様へ。」
 
 続いて登壇した今年のフェスティバル・ミューズ、米倉涼子は「今年は、日本だけでなく世界中でとても辛い時期を経験することになりました。そんな中で、映画というエンターテイメントは我々の希望でもあります。今年は、フランスの映画人たちが来日することは叶いませんでしたが、彼らの素晴らしい映画が来日しました。こうやって日本とフランスの文化交流が途絶えることなく、この映画祭が開催できることをとても嬉しく思っております。12月13日まで開催しておりますので会場でお待ちしております。本日から4日間の映画祭をお楽しみください」と挨拶。フィリップ・セトン駐日フランス大使、林文子市長、日産自動車株式会社の内田社長による挨拶に引き続き、高らかに開会宣言を行なった。
 
 同映画祭では、全10本の長編を劇場上映するほか、「ショートショート フィルムフェスティバル&アジア(SSFF & ASIA)」とコラボレーションしたフランスのショートフィルムをオンラインで12月18日(金)10時まで限定配信(ブリリア ショートショート シアター オンラインsst-online.jp/magazine/9184/ )。11日(金)11:00〜12:00の1時間は、フランス映画祭2020 横浜公式チャンネル(youtube.com/c/フランス映画祭2020横浜)にて、ゲストを招いて学生へ向けたオンラインの特別マスタークラスを生配信する予定だ。
 
フランス映画祭2020 横浜は、12月13日(日)までみなとみらい地区(横浜みなとみらい21地区、イオンシネマみなとみらい)にて開催。
■主催:ユニフランス
  

■フランス映画祭とは
1993年、当時のユニフランス会長で映画プロデューサーのダニエル・トスカン・デュ・プランティエにより横浜で誕生。2006年に会場を東京に移し、2011年より2016年まで、有楽町朝日ホール及びTOHOシネマズ日劇で開催。2012年からは、アンスティチュ・フランセ日本の協力により、地方での開催を実施。各地の映画ファンにも喜ばれるイベントとなった。フランス映画祭を通し、日本国内におけるフランス映画全体の活況を図ること、フランス映画を配給する各社の助けとなること、また、まだ買付のついてないフランス映画、新進の監督や俳優に日本で紹介される機会を作ることがその狙い。加えて、来日するゲストによるマスタークラスを実施し、日本の未来の映画の作り手との繋がりも重要視されている。第25回という節目である2017年には、フランスを代表する女優のカトリーヌ・ドヌーヴが団長として来日。フランスでも人気の高い北野武監督が親善大使を務めた。2018年に13年ぶりに横浜へ場所を移し、昨年には不朽の名作『男と女』の53年後を描いた『男と女 人生最良の日々』を携えて名匠クロード・ルルーシュ監督が団長として来日。フェスティバル・ミューズは中谷美紀さんが務め、2020年の今年で28回目を迎えた。