映画祭シネルフレ独自取材による映画祭レポートをお届けします。

2013年6月アーカイブ

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笑いと涙のトークショー!『タイピスト!』のヒロイン:デボラ・フランソアとレジス・ロワンサル監督が来日の歓びを語る

(2013年6月24日(月)有楽町朝日ホールにて)

 

(2012年 フランス 1時間51分)
監督:レジス・ロワンサル
製作:アラン・アタル『オーケストラ!』
撮影監督:ギョーム・シフマン『アーティスト』
出演:ロマン・デュリス『スパニッシュ・アパートメント』、デボラ・フランソワ『ある子供』、ベレニス・ベジョ『アーティスト』、ミュウ=ミュウ『オーケストラ!』

2013年8月17日(土)~ ヒューマントラストシネマ有楽町、シネ・リーブル梅田、京都シネマ、シネ・リーブル神戸 他全国ロードショー

★作品紹介⇒ こちら
★レジス・ロワンサル監督インタビュー⇒ こちら
★公式サイト⇒ http://typist.gaga.ne.jp

© 2012 – copyright : Les Productions du Trésor – France 3 Cinéma – France 2 Cinéma – Mars Films - Wild Bunch - Panache Productions – La Cie Cinématographique – RTBF (Télévision belge)© Photos - Jaïr Sfez.


 

『アーティスト』、『オーケストラ!』のスタッフ結集!
天然系キュートなヒロイン×ポップな50年代フレンチ・カルチャー×興奮と感動のスポ根!
50年代フランスを舞台に、本当にあったタイプ早打ち世界大会に全てをかけるヒロインを描く、カラフルなサクセス・エンターテインメント!

 

【STORY】
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1950年代のフランス。カトリック教徒の多いフランスでは、女性たちに良妻賢母として家にいることを理想としていたが、時代は自由民権運動に女性の社会進出と革新の過渡期を迎えていた。そんな女性たちの憧れの職業№1は「秘書」。その中でもタイプライター早打ちのオリンピックのような一大競技大会が開催され大人気を博していたとか。
 
親が決めた結婚をして田舎で一生を終えるのではなく、自分の特技(タイプの早打ち)を活かして都会で暮らしたい、と田舎から出て来たローズ(デボラ・フランソワ)は、保険会社を経営するルイ(ロマン・デュリス)の秘書に応募する。晴れて採用されるが、タイプの早打ち以外はまるでダメなローズは、一週間でクビを言い渡される。「ただし──」と、意外な提案をもちかけるルイ。
 
ローズの唯一の才能〈タイプの早打ち〉を見抜いたルイは、彼女と組んで世界大会で優勝するという野望を抱く。1本指打法から10本指への矯正、難解な文学書のタイプ、ピアノレッスン、ジョギング、心理戦の訓練etc……。ルイの特訓のお蔭でめきめきと才能を開花させていくローズ。ところが―――。


 

typist-b1.jpg 上映終了後、興奮冷めやらぬ中、映画の中のローズと同じようなヘアスタイルとメイク、それに黒のプリンセスラインのワンピースで登場したデボラ・フランソワと、シックな黒のスーツでキメたレジス・ロワンサル監督が登場すると、会場は拍手喝采!「可愛い!」という歓声があがった。

 

――― タイプライターの早打ちコンテストが実際にあったと聞きましたが、映画化のキッカケは?
レジス・ロワンサル監督(以下監督):僕も知らなかったのですが、ある日タイプ早打ちコンテストのドキュメンタリーTVを見て、これは凄い!クレイジーだ!と驚き、これは映画にでkるな!と思ったのです。3~4年かけてリサーチして、実際の早打ちチャンピオンにも会ったんです。そしてロッキーみたいなスポ根映画にできないかと考えました。
デボラ・フランソワ(以下デボラ):私は女ロッキーってこと?
監督:メンタリティではかなりのロッキーだよ。(会場笑)
 

typist-b5.jpg――― デボラさんは最初に脚本を読んでどう思った?
デボラ:何としてもこの役を演じたいと思ったわ。他のライバル女優を殺してでもね!? (会場笑)
監督:みんな怖がってたよ!

 

――― どのシーンが一番好きですか?(質問者は)ベッドで小悪魔的なポーズをとるシーンが好きでしたが。
デボラ:私もあのシーンが大好きです。あれはアドリブなんです。50年代の女性なのに、ベッドに寝転がって足をあげるなんて! でも、私がそうすると現場は大笑いだったんです。あとは、平手打ちのシーンが好き。ロマン・デュリスに仕返しをした感じです(笑)。

  typist-b7.jpg監督:ローズの誕生日にルイがちょっと変わったプレゼントをするシーンが好きです。あとはパリで二人がさよならをするシーンですね。困惑するデボラが素晴らしかった。まぶたを少し動かすだけでジュテーム(愛している)という気持ちを込められるデボラの表情がいいですね。
デボラ:(日本語で)「どうもありがとうございます、監督さん。」(会場笑)

――― タイプライターはどのようにトレーニングされたのですか?
デボラ:スタントは一切使ってないんです。6ヶ月間トレーニングをしました。週3回コーチがつき、宿題もあり1日2~3時間の自己練習も毎日行いました。監督の要求も高く、わざとチャンピオンだった人を傍に置いて私にプレッシャーをかけていました(笑)。

typist-b3.jpg――― タイプライターでターンするシーンを再現して頂けませんか?
デボラ:タイプライターと同じようにパソコンを打ってたら、もう3台も壊しちゃったわ!
監督:テニスのプレイヤーみたいに強く打ってたね(笑い)。

(実際にデボラさんがタイプを打つジェスチャーをしてくれた!)(会場拍手)

 

typist-b6.jpg――― 色々なタイプライターが出てきますが、当時のものを集めるのは大変だったのでは?美術の面での苦労は?
監督:確かに大変でした。世界各国からタイプライターを200台くらい集めたんです!あの頃のタイプライターを、しかも2台同じものを揃えるのは至難の業でした。そして見つけても、どれもとても古いので、新しく見える様に手直しが必要だったんです。1950年代という世界観は、観客が見た瞬間50年代にダイブするように細部までこだわり抜きました。
デボラ:だって、50年代って、監督のティーンエイジャーでしょう!? (会場笑)
監督:僕、そんなに古くないよう!(会場笑)

――― デボラは、ローズのタイプライターのような特技はありますか?
デボラ:フランスでは、“何かに秀でた人は役者になっていない”何でもそこそこだから役者をやっていられるんです(笑)。

――― 映画の中の色彩が印象的でした。特に最後のラブシーンとか?
監督:バスルームからローズが出てくるシーンはヒッチコックの『めまい』をオマージュしています。オリジナルのシーンを作るのはとても難しいです。
デボラ:最後のラブシーンを二人で撮っている時、ロマンは目を手で覆っていたわ。
監督:映画でラブシーンを撮るのは難しいんだよ。
デボラ:ロマンだと大丈夫でしょう!?

typist-b5-1.jpg――― 最後にメッセージを。
監督:デボラは3回目の来日ですが、私は初めての来日です。以前、私が撮った短編映画を気に入ってメールを下さった日本人がおられました。今度は、長編映画監督デビュー作となる『タイピスト!』で、日本の皆様に楽しんで頂けると嬉しいです。
デボラ:日本に戻って来られて本当に嬉しいです。3年前に神戸で『メモリーズ・コーナー』という映画のロケをしました。その直後に東日本大震災が起こりました。日本に来るチャンスはあったのですが、震災の影響でなかなか来日できなかったのです。(涙ぐみながら)またこうして、皆様にお会いできて本当に嬉しいです。


 

 満面の笑みを湛え、片言の日本語を交えながら、観客からのタイプ打ち再演要望にも応えたり、監督の話にツッコミを入れたりと、あんなにはしゃいでいたデボラが、最後は感極まって涙ぐみながら日本への思いを語ってくれた。

 彼女がまだ22歳の時にジャーナリスト役で出演した『メモリーズ・コーナー』(2010)は、阪神・淡路大震災後の孤独死を扱った作品で、冬の神戸で撮影された。共演は西島秀俊と阿部寛。その後、東日本大震災が起こり、原発事故問題などで来日が叶わなかったのだ。震災後の日本の心象風景にも溶け込み、被災者の深い悲しみにも寄り添える稀有な存在感を示していたデボラ。

typist-2.jpg 若手の中でも深い想いを秘めた眼差しが特徴の演技派女優として、シリアスな役が多かった。今年26歳になったデボラが主役を務める『タイピスト!』では、コケティッシュなキャラの中にも、屈折した人生を送る男性への深い愛情を示す辺りは、デボラならではの演技力の賜物といえる。自分のためだけではなく、愛する人のために一所懸命に闘う女の健気さに、きっと手に汗握りながら応援してしまうことでしょう。それは、あなた自身への応援歌にもなっていくはずです。

(河田 真喜子)

 

natali-t550.jpg『わたしはロランス』出演女優、ナタリー・バイ トーク<フランス映画祭2013>

(Laurence Anyways  2012 年 カナダ=フランス 168分 )
監督:グザヴィエ・ドラン
出演:メルヴィル・プポー、スザンヌ・クレマン、ナタリー・バイ 他
2013年秋、全国順次公開
公式サイト⇒ 
http://www.uplink.co.jp/laurence/

2012年カンヌ映画祭 ある視点部門正式出品 最優秀女優賞受賞
2012年 トロント国際映画祭 最優秀カナダ映画賞受賞


〜モントリオールで繰り広げられる、性別を超越した愛の物語〜

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 「ロランス・アリア、あなたは何を求めているの?」
 その問いに主人公は答える。「私が発する言葉を理解し、同じ言葉を話す人を探すこと」
 

わたしはフロランス-2.jpg  30歳の誕生日を迎えた国語教師のロランス(メルヴィル・プポー)は、美しい恋人フレッド(スザンヌ・クレマン)に打ち明ける。「僕は女になりたい。この体は偽りなんだ」。驚き、怒り、ロランスを激しく非難するフレッドだったが、ロランスの最大の理解者となる決心をする。メイクをし、スカートをまとい、女性としての生活を始めた後も、ロランスはフレッドを愛し、フレッドもロランスの恋人として生活するが、周囲の嫌悪感と好奇に満ちた視線が二人をむしばみ、フレッドはうつ状態に陥ってしまう。

わたしはフロランス-4.jpg  数年後。他の男性と結婚し、一児の母となったフレッドのもとにある日、1冊の詩集が送られる。そこには、変わることのないフレッドへの思いが、ロランスの言葉によって紡がれていた。フレッドは、封印してきた思いを解き、1通の手紙をロランスに送るが…… フレッドを演じるスザンヌ・クレマンは、2012年カンヌ国際映画祭のある視点部門において、最優秀女優賞に輝いた。

 監督は、カナダ、モントリオール出身のグザヴィエ・ドラン。本作の撮影中に23歳の誕生日を迎えた。「生き急いでいる」かのような勢いで撮影された本作品には、ドラン自身の少年時代の体験、愛する映画へのオマージュ、母への思いが凝縮されている。

  心身ともに傷つき、無防備に泣きじゃくるロランスが電話をかけた相手は恋人ではなく、母親のジュリエンヌ(ナタリー・バイ)だった。本編を通して語られるもうひとつのテーマ「親子(母娘)の愛」もまた、もどかしくもいとおしい。(田中 明花)


 映画上映終了後、本年映画祭の団長であり、本作で主人公ロランスの母親を演じたナタリー・バイさんが登壇。笑いのある和やかな雰囲気で、観客とトークを交えた。
 
まず、ユニフランス・フィルムズ東京支局長、バレリ=アンヌ・クリステンさんから質問があった。

natali-t1.jpg―――主人公の母親の役作りはどのように?
母親のジュリエンヌについては、シナリオに細かくしっかりと描かれていました。私からの質問にも、ドラン監督はシンプルに明確に答えてくれました。この作品がドラン監督にとって第3作となりますが、彼は前作(2作品)でも母親との関係を描いているので、それらも参考になりました。私が解釈するジュリエンヌは、夢や希望を持っていたけれど、必ずしも自分の望みどおりにいかなかった女性です。夫との生活は満たされず、息子もまた性別の悩みを抱えて苦しみ、それを見ている自分も苦しむ。しかし、息子が女性として生きることを受け入れるようになっていくと、ジュリエンヌにも変化があらわれてきます。そこに感動を覚えました。

 

 

 (その後、観客からも多く質問が寄せられた。)

わたしはフロランス-5.jpg――― 若手のドラン監督とのお仕事はいかがでしたか?
ドラン監督は、監督だけでなく、シナリオを書き、衣装も担当しました。前作では俳優としても出演する、小さな天才です。俳優たちへの指導も非常に上手く、撮影チームとの関係もよかった。才能溢れる天才肌の方ですから、撮影のときは気まぐれがあるのではないかと思っていましたが、そんなことはなく、とても気持ちよく撮影を終えました。次回オファーをいただいたらぜひOKしたい監督ですね。 

 
――― ドラン監督のような若手を世界に送り出す大きな力が、フランス映画にはあると思います。フランス映画の強みは何でしょう?
フランスは、多様な映画をみることができる国です。日本、アフリカ、インド、台湾、オーストラリア…… さまざまな国から届けられる映画が、フランス人の映画生活を楽しませてくれます。監督たちもこのような環境の中で、自分の作品をつくるので、その結果、フランス映画は多様性に溢れています。それが他の国の人たちにも好まれるのだと思います。

natali-t3.jpg――― 私にも主人公と同じようなトランスセクシャルの友人がいます。日本ではこのような問題(セクシャルマイノリティ、LGBT)に対してまだ閉鎖的ですが、フランスではどうなのでしょうか? ナタリーさん自身のお考えも聞かせてください。
少しずつ変わってはきていますが、フランスでもまだ多くの人にとって恥ずべき話題のようです。私にもゲイの友人がいますが、両親とはそのことについて語らないそうです。実情を知る人がもっと増え、当人も周りの人もそのことを語りやすくなってほしいと思います。
私がこの映画で初めて知ったのは、性転換をした後もロランスのように、性的な趣向は変わらないことがあるということです。ロランスは女性となりましたが、その後も同じ女性を愛し続けました。

 

わたしはフロランス-3.jpg――― 主演のお二人との印象的なエピソードを教えてください。
髪の毛が長く、メイクしたメルヴィルが私に近づいてきたときは、かなり動揺してしまいました!また、足や腕の毛を全部剃ってしまったので、とても痒かったようで、メルヴィルがよく体を掻いている姿をみました。
スザンヌに関しては、監督から「普通ではない」感じを要求され髪をパンク風にしたりと、それを受け入れるのに戸惑っていたようですね。80年代のコスチュームは、ちょっと変な感じがしたものの、一緒に撮影していくうちに、ドラン監督の情熱が伝わり、細かいことを気にせずに幸せな気持ちで撮影できるようになったようです。


 

オールゲスト-550-1.jpg登壇者:(写真前列左から)エルンスト・ウンハウワー(『In the House』)、リュディヴィーヌ・サニエ(『恋のときめき乱気流』)、デボラ・フランソワ(『タイピスト!』)、エレーヌ・ヴァンサン(『母の身終い』)、ジャン=ポール・サロメ(ユニフランス・フィルムズ会長)、ナタリー・バイ(『わたしはロランス』)、カトリーヌ・コルシニ監督(『黒いスーツを着た男』)、ギョーム・ブラック監督(『遭難者/女っ気なし』)、バレリア・サルミエント監督(『ウェリントン将軍~ナポレオンを倒した男~(仮)』)、ジャック・ドワイヨン監督(『アナタの子供』)、
(写真後左から)フランソワ・オゾン監督(『In the House』)、レジス・ロワンサル監督(『タイピスト!』)、フィリップ・ベジア監督/ジャン=フランソア・シヴォディエ(『椿姫ができるまで』)、ステファヌ・ブリゼ監督(『母の身終い』)、ラファエル・ペルソナーズ(『黒いスーツを着た男』)、ルー・ドワイヨン(『アナタの子供』)、ジャン=クリストフ・デッサン監督(『森に生きる少年~カラスの日~』)、マチュー・イボー監督(短編集『からっぽの家』)


 

華やかなフランス映画祭復活!『フランス映画祭2013』オープニングセレモニー
2013年6月21日(金)17:40~有楽町朝日ホールにて

~豪華ゲストを前に歓喜にわいたオープニングセレモニー♪~

ナタリー・バイ.jpg 去年途絶えた団長制を今年は復活させ、フランソワ・トリュフォーやジャン=リュック・ゴダールに愛されたナタリー・バイ(『緑色の部屋』『勝手に逃げろ/人生』)を団長に、デボラ・フランソワ(『ある子供』『譜めくりの女』)やリュディヴィーヌ・サニエ(『スイミング・プール』『8人の女たち』)の若手美人女優に加え、アラン・ドロンの再来と謳われるラファエル・ペルソナーズ(『黒いスーツを着た男』)とエルンスト・ウンハウワー(『In the House』)の若手イケメンが揃い、さらに俳優以上に人気のあるフランソワ・オゾン監督まで登場するという、それはそれは近年にない魅力いっぱいの映画祭らしい豪華さに、有楽町が歓喜にわいたオープニングとなった。


若手3人.jpg 六本木ヒルズで開催されていた頃のようなレッド・カーペットはなかったものの、今のフランス映画界を代表するスターたちがこれほど揃う映画祭が日本で開催されて本当に嬉しい限り。4日間で13本の長編と1短編集(8作品)が上映される。今年は、大阪、京都、福岡でも一部の作品が上映される。やはり円安の影響からか、地味だった昨年に比べ今年はゲストの顔ぶれも豪華で、若い観客が多い。東京では、ゲストのインタビューはパレスホテルで行われ、朝日ホールでは上映とゲストのティーチインが開催される。

 

デボラ・フランソア.jpg 最初挨拶に立ったジャン=ポール・サロメ氏(ユニフランス・フィルムズ会長)は、『レディ・エージェント/第三帝国を滅ぼした女たち』『ルパン』『ルーブルの怪人』などの監督でもある。フランスは映画発祥の国として映画産業に力を入れているだけあって、映画を文化として捉え、人材の育成や保護にも努めている。かつては、政治的、宗教的モラルの検閲が厳しかったらしいが、今では自由な発想と表現力で、作品もバラエティに富み、客層も若返っているのが大きな特徴と言える。作品ごとに驚きと感動がある。そんなフレッシュなフレンチシネマの魅力を体感できるのがフランス映画祭だ。

 

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会長とナタリー・バイ.jpg【ジャン=ポール・サロメ氏(ユニフランス・フィルムズ会長)のご挨拶】
 

 第21回フランス映画祭を開催することができて嬉しく思っております。過去にも監督として数回日本を訪れたことがありますが、この4日間で多様性のあるフランス映画を皆様に発見して頂くことを希望いたします。コメディあり、アニメあり、サスペンスあり、ラブストーリーあり、作家性の強い作品や娯楽作品など、現在のフランスを体現している作品ばかりです。

 

オゾン監督.jpg その多様性をなぜ保てるのかというと、フランスでは文化的映画の保護政策が執られているからです。今まで様々な監督が守ろうとしてきたものを、今ではヨーロッパ全体の監督も努力して文化的映画を守ろうとしているのです。そして、それは監督に限らず、アメリカのプロデューサーも支持していることなのです。映画が終わって、少し考えて頂けるような作品を提供していきたいと思っております。

 

 

 

 

ラファエル・ペルソナ.jpg 去年は海外でも成功を収めた『最強のふたり』『アーティスト』『愛アムール』などがありました。『最強のふたり』は日本でも沢山の方に観て頂けたようです。こうして皆様が劇場に観に来て下さる事が、我々にとっては何よりのプレゼントとなるのです。だからこそ映画を撮り続けられるのです。皆様に心から感謝申し上げます。


(河田 真喜子

FFF2013-pos.jpgフランス映画祭 2013~今年の団長はナタリー・バイ!【6/21~】
Festival du Film Français au Japon 2013

~有楽町で、フレンチシネマに恋する4日間~

1993年から毎年新しいフランス映画を日本に紹介してきたフランス映画祭が今年で21回目を迎える。東京は今年も有楽町マリオンをメイン会場に開催されるほか、久々関西でも開催が決定。例年以上にフランス映画が脚光を浴びること間違いない。

FFF2013-NB.jpg毎年フランス映画祭の顔となる団長だが、今年はフランソワ・トリュフォーやジャン=リュック・ゴダールなどの巨匠たちに愛された女優 ナタリー・バイに決定!グザヴィエ・ドラン監督作品『わたしはロランス』のティーチインに参加する予定だ。オープニング作品にはフランソワ・オゾン監督の最新作『In the House (英題)』が登場。『アメリ』から10年、オドレイ・トトゥがひとりの女性のダークサイドを熱演する『テレーズ・デスケルウ』や、世界の巨匠ラウル・ルイス監督最後のプロジェクト『ウェリントン将軍~ナポレオンを倒した男~ (仮)』他見応えのあるラインナップだ。来日ゲストもフランソワ・オゾン監督やリュディヴィーヌ・サニエなどフランスを代表する映画人が勢揃いする。ぜひ6月の東京でフランス気分を味わってほしい。


≪ 東京会場 ≫
■ 会 期
:2013年 6月21日(金)~ 24日(月)
■ 会 場 (有楽町マリオン内)
:有楽町朝日ホール
TOHOシネマズ 日劇 (レイトショーのみ)
■来日ゲスト (予定)
ジャン=フランソワ・シヴァディエ 、フランソワ・オゾン、エルンスト・ウンハウワー、
ステファヌ・ブリゼ、エレーヌ・ヴァンサン、レジス・ロワンサル、デボラ・フランソワ、
ギヨーム・ブラック、カトリーヌ・コルシニ、バレリア・サルミエント、ジャン=クリストフ・デッサン、ジャック・ドワイヨン、ルー・ドワイヨン、リュディヴィーヌ・サニエ (順不同)
■上映作品
 【オープニング作品】『In the House (英題)』Dans la maison(原題)
 FFF2013-1.jpg2012年 サン・セバスチャン国際映画祭 最優秀作品賞&最優秀脚本賞 受賞
2012年 トロント国際映画祭 国際映画批評家連盟賞 受賞
個人授業は、いつしか息詰まる心理戦に変わる――。
フランソワ・オゾン監督史上最高傑作、ついに日本解禁。
監督:フランソワ・オゾン
出演:ファブリス・ルキーニ、クリスティン・スコット・トーマス、エマニュエル・セニエ、ドゥニ・メノーシェ、エルンスト・ウンハウワー、バスティアン・ウゲット
2012年/フランス/105分/ビスタ/5.1ch 配給:キノフィルムズ
2013年秋、ヒューマントラストシネマ有楽町、Bunkamuraル・シネマ他 全国順次公開

『わたしはロランス』Laurence Anyways(原題)
2012年 カンヌ国際映画祭 ある視点部門正式出品作品 最優秀女優賞 受賞
2012年 トロント国際映画祭 最優秀カナダ映画賞 受賞
彼は、女になりたかった。彼は、彼女を愛したかった。
弱冠23歳のグザヴィエ・ドラン監督が描く“スペシャル”な、愛の物語。
監督:グザヴィエ・ドラン
出演:メルヴィル・プポー、スザンヌ・クレマン、ナタリー・バイ
2012年/カナダ=フランス/168分/スタンダード/5.1ch 配給:アップリンク
2013年秋、新宿シネマカリテ他 全国順次公開

『Populaire (原題)』
2013年 セザール賞 5部門ノミネート
“ローズの夢は、パリ、ニューヨーク、そして世界をつかむことー。”
50年代フランスを舞台に、タイプライター世界大会に全てをかけるヒロインを描く、
カラフルなサクセス・エンターテインメント!
監督:レジス・ロワンサル
出演:ロマン・デュリス、デボラ・フランソワ、ベレニス・ベジョ
2012年/フランス/111分/シネマスコープ/5.1ch 配給:ギャガ
2013年8月、ヒューマントラストシネマ有楽町他 全国順次公開

『母の身終い』Quelques heures de printemps(原題)
2013年 セザール賞 4部門(主演男優賞・主演女優賞・監督賞・脚本賞)ノミネート
不治の病に自分の最後の日を決めようとする母親と出所したばかりの一人息子。
永遠の別れに直面した母と息子の絆を静かな眼差しで描いた感動ドラマ。
監督:ステファヌ・ブリゼ
出演:ヴァンサン・ランドン、エレーヌ・ヴァンサン、エマニュエル・セニエ
2012年/フランス/108分/ビスタ/ドルビーデジタル 配給:ドマ/ミモザフィルムズ
2013年晩秋、シネスイッチ銀座他 全国順次公開

『黒いスーツを着た男』Trois mondes(原題)
2012年 カンヌ国際映画祭 ある視点部門 正式出品作品
本年度 パトリック・ドベール賞受賞、新星ラファエル・ペルソナーズ主演作日本初上陸。
犯すつもりのなかった罪を背負った美しき犯罪者と二人の女の運命を描く本格派サスペンス。
監督:カトリーヌ・コルシニ
出演:ラファエル・ペルソナーズ、クロチルド・エスム、アルタ・ドブロシ、レダ・カテブ
2012年/フランス=モルドヴァ/101分/スコープ/5.1ch 配給:セテラ・インターナショナル
2013年8月31日(土)より、ヒューマントラストシネマ渋谷他 全国順次公開

『椿姫ができるまで』Traviata et nous(原題)
2012年 ニューヨーク映画祭 公式招待作品
名作は舞台の度に生まれ変わる。
世界最高峰のオペラ歌手ナタリー・デセイの創り上げる「椿姫」の世界
監督:フィリップ・ベジア
出演:ナタリー・デセイ、ジャン=フランソワ・シヴァディエ、ルイ・ラングレ
2012年/フランス/112分/ビスタ/ドルビーデジタル 配給:熱帯美術館
2013年秋、シアター・イメージフォーラム他 全国順次公開

『遭難者 (仮)』Le Naufragé(原題) /『女っ気なし (仮)』Un monde sans femmes(原題)
『女っ気なし』(仮)
2011年 フランス批評家組合 最優秀短篇賞 受賞
2012年 AlloCinéスタッフ部門 年間ランキング第1位
シルヴァンを巡る2つの物語。
フランスで注目される若手、ギヨーム・ブラック監督のデビュー作。
『女っ気なし』(仮): © Année Zéro - Nonon Films - Emmanuelle Michaka
フランスでロングランとなり、エリック・ロメールやジャック・ロジエを引き合いに出され高い評価を得た、新人ギヨーム・ブラック監督初の劇場公開作。
『遭難者』(仮)出演:ジュリアン・リュカ、アデライード・ルルー、ヴァンサン・マケーニュ/2009年
『女っ気なし』(仮)出演:ヴァンサン・マケーニュ、ロール・カラミー、コンスタンス・ルソー/2011年
フランス/83分/ビスタ/5.1ch 配給:エタンチェ
2013年秋、ユーロスペース他 公開予定

『アナタの子供』Un enfant de toi(原題)
2012年 ローマ国際映画祭コンペティション部門 正式出品作品
情熱は戦争よ、でもいつも闘っているわけじゃないわ。
ジャック・ドワイヨン監督が愛娘ルーと共に作り上げた愛すべきラブコメディ。
監督:ジャック・ドワイヨン
出演:ルー・ドワイヨン、サミュエル・ベンシェトリ、マリック・ジディ、オルガ・ミシュタン
2012年/フランス/136分/ビスタ/ドルビーDTS

『ウェリントン将軍~ナポレオンを倒した男~ (仮)』Linhas de Wellington(原題)
2012年 ヴェネチア国際映画祭コンペティション部門 正式出品作品
世界の巨匠ラウル・ルイス監督最後のプロジェクト。
超豪華キャストで贈る美しき“戦争絵巻”。
監督:バレリア・サルミエント
出演:ジョン・マルコヴィッチ、マチュー・アマルリック、カトリーヌ・ドヌーヴ、ミシェル・ピコリ、イザベル・ユペール、キアラ・マストロヤンニ、メルヴィル・プポー
2012年/フランス=ポルトガル/152分/16:9/ステレオ 配給:アルシネテラン
2014年、シネスイッチ銀座ほか 全国順次公開

『恋のときめき乱気流』Amour & turbulences(原題)
忘れたい男と偶然、飛行機で隣り合わせになってしまったら!?
等身大のフランス女性を演じるリュディヴィーヌ・サニエと、本作や『プレイヤー』の脚本も手がける俳優ニコラ・ブドスの2人が繰りひろげる、ロマンチックなラブコメディ。
監督:アレクサンドル・カスタネッティ
出演:リュディヴィーヌ・サニエ、ニコラ・ブドス、ジョナタン・コーエン、アルノー・デュクレ
2012年/フランス/96分/スコープ/ドルビーデジタル

『テレーズ・デスケルウ』Thérèse Desqueyroux(原題)
2012年 カンヌ国際映画祭 クロージング作品
自由を模索する女の運命―
『アメリ』から10年、オドレイ・トトゥがひとりの女性のダークサイドを熱演。
監督:クロード・ミレール
出演:オドレイ・トトゥ、ジル・ルルーシュ、アナイス・ドゥムスティエ
2011年/フランス/110分/シネマスコープ/ドルビーステレオ

『森に生きる少年 ~カラスの日~』Le Jour des Corneilles(原題)
森の奥深く、父との孤独な暮らし。
そこから飛び出し、初めて触れる街の生活で、少年が探し求め、
監督:ジャン=クリストフ・デッサン 原作:ジャン=フランソワ・ボーシュマン
声の出演:ジャン・レノ、ローラン・ドゥーチェ、イザベル・カレ、クロード・シャブロル、シャンタル・ヌーヴィルト
2012年/フランス/90分/シネマスコープ

【クラシック作品】『ローラ Lola(原題)』
2012年 ボローニャ復元映画祭 上映(デジタル修復完全版)
 


主催:ユニフランス・フィルムズ
運営;ユニフランス・フィルムズ、東京フィルメックス
一般お問い合わせ ハローダイヤル:050-5541-8600 (8:00~22:00)
公式サイト http://unifrance.jp/festival/2013/