映画祭シネルフレ独自取材による映画祭レポートをお届けします。

2014年1月アーカイブ

「おおさかシネマフェスティバル2014」開催~ 映画ファンのための映画まつり ~
◆主演女優賞に赤木春恵さん(出席)
◆ 『ペコロスの母に会いに行く』(主演女優賞)受賞記念上映
◆『旅立ちの島唄~十五の春~』(脚本賞)受賞記念上映

春恒例の「おおさかシネマフェスティバル2014」を今年も3月2日(日曜日)に大阪歴史博物館にて開催される。前身の「おおさか映画祭」以来の恒例行事であり、当フェスティバル最大のイベント「2013年度ベストテンおよび個人賞」が下記の通り発表された。

赤木春恵.jpg主演女優賞に、芸歴75年に及ぶ日本映画界の大ベテランにして『ペコロスの母に会いに行く』で映画初主演を果たした赤木春恵のほか、主演男優賞に『横道世之介』『武士の献立』『千年の愉楽』など6本(アニメ含む)に出演し大車輪の活躍を見せた高良健吾、助演女優賞にベストテン1位の『凶悪』で印象的な演技を見せたほか、5作品に出演した演技派・池脇千鶴、『ペコロスの母に会いに行く』の原田貴和子、助演男優賞には『旅立ちの島唄~十五の春~』『舟を編む』などに出演のベテラン小林薫、新人賞には『少年H』でタイトルロールを務めた吉岡竜輝、大阪映画『ソウル・フラワー・トレイン』で鮮烈な印象を残した咲世子らの豪華な顔ぶれが勢ぞろい。

監督賞には東映京都撮影所で格調高い時代劇『利休にたずねよ』を撮った田中光敏監督、脚本賞に『旅立ちの島唄~十五の春~』の吉田康弘監督、撮影賞に『許されざる者』『人類資金』の笠松則通、音楽賞に異色の音楽映画『フラッシュバックメモリーズ 3D』のGOMA、新人監督賞には『ソウル・フラワー・トレイン』の西尾孔志ら、活躍著しい大阪および関西ゆかりの映画人、アーティストがそろった。
また、受賞記念上映として午前中に脚本賞に輝いた『旅立ちの島唄~十五の春~』を、表彰式後には主演女優賞を受賞したベストテン2位作品『ペコロスの母に会いに行く』を上映予定だ。浜村淳さんによるベストテン表彰式の受賞者とのトークも人気の、大阪・関西の映画ファンが集う春の映画祭り。授賞式も特別上映も楽しめる貴重な機会だ。チケットは2月8日(土)10:00より、チケットぴあにて販売される。詳細は以下のとおり。

●おおさかシネマフェスティバル2014開催概要
ベストテン発表&表彰式および受賞記念作品上映、多彩なゲストを迎えて開催する映画のお祭り!
■日時:2014年3月2日(日)10時スタート(9時30分開場)
■会場:大阪歴史博物館4階講堂(大阪市中央区大手前4-1-32 TEL 06-6946-5728) 
   地下鉄谷町線・中央線「谷町四丁目駅」2号・9号出口(NHK大阪放送会館隣)
■料金:1日通し券 前売2800円/当日3000円(※全指定席)
■チケット発売:2月8日(土)10時~/Pコード552-506
(電話予約:0570-02-9999 HP:
http://pia.jp/t/oaff/
■映画祭公式ホームページ:
http://www.oaff.jp
■スケジュール
09:30~ 開場
10:00~ 開演(委員長あいさつ)
10:05~ 脚本賞受賞記念『旅立ちの島唄~十五の春~』(監督・脚本:吉田康弘)上映(114分)
     (休憩60分)
13:00~ ベストテン発表&表彰式(~14:20予定)
     (休憩20分)
14:40~ 主演女優賞受賞記念『ペコロスの母に会いに行く』(監督:森﨑東)上映(113分)

     (終了16:35予定)


【ベストテンおよび受賞結果】

■日本映画部門
1位 凶悪
2位 ペコロスの母に会いに行く
3位 舟を編む
4位 かぐや姫の物語
5位 横道世之介
6位 永遠の0
6位 さよなら渓谷
8位 風立ちぬ
8位 そして父になる
10位 藁の楯

■外国映画部門
1位 ゼロ・グラビティ
2位 愛、アムール
3位 ジャンゴ 繋がれざる者
4位 ザ・マスター
5位 ゼロ・ダーク・サーティ
6位 セデック・バレ
7位 嘆きのピエタ
8位 シュガーマン 奇跡に愛された男
9位 終戦のエンペラー
10位 キャプテン・フィリップス
10位 パシフィック・リム
※日本映画は6位と8位が同得票、外国映画は10位が同得票

■個人賞(外国映画部門)
監督賞 アルフォンソ・キュアロン(『ゼロ・グラビティ』)
主演女優賞 サンドラ・ブロック(『ゼロ・グラビティ』)
主演男優賞 ホアキン・フェニックス(『ザ・マスター』)
助演女優賞 ニコール・キッドマン(『ペーパーボーイ 真夏の引力』)
助演男優賞 クリストフ・ヴァルツ(『ジャンゴ 繋がれざる者』)

■個人賞(日本映画部門)


 主演女優賞 赤木春恵 (『ペコロスの母に会いに行く』)
【受賞の言葉】おおさかシネマフェスティバルにおいて主演女優賞を頂けましたこと心から嬉しく思っております。70数年前京都で映画女優としてスタートし、ラジオ、試験放送の時代のテレビと、大阪の地には思い出がたくさん溢れるほどです。
『ペコロスの母に会いに行く』は私の原点である映画に再びめぐり逢うことのできた作品でした。映画の現場を愛する気持ちが、映画の神様に届いたのかしら!と思います。

【略歴】1924年、旧満州生まれ。40年、松竹にニューフェースとして入社、43年に大映、48年東映移籍、59年森繁劇団に参加するとともにフリーとして活動。舞台、テレビ、映画と幅広く活躍。87年、第13回菊田一夫演劇賞受賞。93年、紫綬褒章、98年、勲四等寶冠章受章。99年橋田文化財団特別賞。テレビの代表作は「3年B組金八先生」「渡る世間は鬼ばかり」など。映画は61年『宮本武蔵』、73年『野良犬』、80年『二百三高地』。昨年の『ペコロスの母~』は初主演映画。11年に舞台からの引退を公表。


 高良健吾.jpg主演男優賞 高良健吾 (『横道世之介』『武士の献立』『千年の愉楽』ほか)
【受賞の言葉】今回おおさかシネマフェスティバルで主演男優賞をいただけると聞き、嬉しいです。横道世之介で演れた事、武士の献立で演れた事、もちろんその逆も。一つ一つの現場でしか感じられない事を大切にしていきたいなと思います。やっぱ。僕は本当に役に気づかされる事が多く、役に感謝っす。横道世之介、武士の献立に関わったみんなのおかげです。代表してもらいまーす。の気持ちです。日々、精進します。ありがとうございます。

【略歴】1987年11月12日、熊本県熊本市出身。06年公開の『ハリヨの夏』で映画デビュー。07年の『M』で第19回東京国際映画祭〝日本映画・ある視点〟部門特別賞受賞。以降、映画を中心に数々の作品に出演。10年に『ソラニン』『ケンタとジュンとカヨちゃんの国』『おにいちゃんのハナビ』で第23回日刊スポーツ映画大賞・石原裕次郎新人賞受賞。11年『軽蔑』で第35回日本アカデミー賞新人俳優賞、12年『苦役列車』では同賞助演男優賞受賞。昨年は『きいろいゾウ』(声)『横道世之介』『県庁おもてなし課』『千年の愉楽』『潔く柔く』『ルームメイト』『ジ・エクストリーム、スキヤキ』『かぐや姫の物語』(声)『武士の献立』とさまざまなジャンルに出演。今後の公開作品に『私の男』『まほろ駅前協奏曲』がある。
 

池脇千鶴.jpgのサムネイル画像助演女優賞 池脇千鶴 (『舟を編む』『爆心 長崎の空』『凶悪』『くじけないで』『潔く柔く きよくやわく』)
【受賞の言葉】今回、このような賞をいただき、うれしく、そしてとても驚いています。助演賞という名に値する程の印象を残せたのだろうか? いえ、きっと違います。素晴らしい作品たちに恵まれたこと。そしてそれによって、地味だけれど大切な仕事を忘れないでいて下さったのだと思います。新人賞の時のことはさっぱり覚えていませんが(笑)、また、おおさか映画祭に行けることを楽しみにしています。本当にありがとうございます。
【略歴】1981年11月21日、大阪府出身。97年三井のリハウスガールオーディションで、市川準監督に見出され芸能界デビュー。99年、市川監督の映画『大阪物語』で沢田研二、田中裕子が演じる夫婦漫才師の娘役でキネマ旬報新人女優賞など数多くの賞を受賞。04年犬童一心監督『ジョゼと虎と魚たち』で演技派女優として高く評価され、日本映画になくてはならない存在になっている。昨年はジャンルの異なる5本の映画に出演した。2014年は『神様のカルテ2』と『そこのみにて光輝く』の公開が控えている。

 

原田貴和子.jpgのサムネイル画像助演女優賞 原田貴和子 (『ペコロスの母に会いに行く』)
【受賞の言葉】私の故郷長崎で生まれた映画『ペコロスの母に会いに行く』。たくさんの方々に共感して頂いたことをとても嬉しく思います。私自身原作を読んで、たくさんの愛と勇気をもらいました。どんなことがあっても生きていくことの大切さや命の尊さを、あらためて感じました。頂いた賞を励みにこれからも心を磨いていきたいと思います。

【略歴】長崎県長崎市出身。1986年、大林宣彦監督の角川映画『彼のオートバイ、彼女の島』で映画主演デビュー。本映画祭前身の第12回おおさか映画祭主演女優賞を受賞したほか、第8回ヨコハマ映画祭最優秀新人賞などを受賞する。妹の原田知世とも87年馬場康夫監督『私をスキーに連れてって』、93年鈴木清順監督『結婚』で共演、本映画でも20年ぶりに姉妹での共演をしている。近年の出演作品に89年長崎俊一監督『誘惑者』、06年、奥田瑛ニ監督『長い散歩』、08年、岩松了監督『たみおのしあわせ』などがある。

 

小林薫.jpg助演男優賞 小林薫 (『旅立ちの島唄~十五の春』『舟を編む』『夏の終り』)
【受賞の言葉】南大東島っていう耳慣れない島での撮影でした。絶海の孤島で船は港に接岸できません。日本三大貧乏プロデューサーの一人は「昨年度NO1の映画やで」と誉めてくれました。どちらにしても、吉田監督の人柄と執念で完成した作品です。ぜひご高覧下さい。

【略歴】1951年9月4日、京都市生まれ。71~80年まで唐十郎主宰の状況劇場に在籍。退団後、映画、ドラマ、舞台、CMなどで幅広く活躍。85年森田芳光監督『それから』で日本アカデミー賞最優秀助演男優賞、99年、滝田洋二郎監督『秘密』で同賞主演男優賞、07年松岡錠司監督『東京タワー オカンとボクと、時々、オトン』でも同賞助演男優賞を受賞。昨年は石井裕也監督『舟を編む』、熊切和嘉監督『夏の終り』に『旅立ちの島唄』と立て続けに出演した。

 

咲世子.jpg新人女優賞 咲世子 (『ソウル・フラワー・トレイン』)
【受賞の言葉】とてもとても驚いてます。こんな素敵な賞を頂けたこと、本当に光栄に思います。気付けば女優を夢見て大阪から上京し5年が経ちました。お芝居に対して悩んで立ち止まることも沢山ありました。悩みながら進んだ一つがこの作品でもあり、監督や共演者の方々と話をして悩みを埋めていき、作品を作るという楽しさを知った機会でもありました。この作品に出会えたことに心から感謝します。

【略歴】1990年7月4日生まれ。大阪府出身。10代の頃にティーンファッション誌のモデルとして活躍。上京後は女優業を軸として活動。主な出演作品は、映画『クローズZEROⅡ』(09年)、『ランウェイ☆ビート』(11年)、『ツナグ』(12年)。ドラマ「サムライハイスクール」(NTV系)、「私が恋愛できない理由」(CX系)、「ネオ・ウルトラQ」(WOWOW)ほか。清潔感あるキャラクターでのCMも活躍も目立つ。今作はオーディションでヒロイン役を射止め、自身の代表作となる。
 

吉岡竜輝.jpg新人男優賞 吉岡竜輝 (『少年H』)
【受賞の言葉】この様な栄誉ある賞をいただけてとてもうれしいです。この賞をいただけたのは、僕の力だけではなくいろいろな方々に助けていただいたおかげです。これからも、これでよしとせずに前へ一歩一歩踏み出して行きたいと思います。僕は、この映画で多くの事を学び、そして多くの初めてを体験しました。初映画、初海外、初めてクランクアップで泣いた事。これからもいろいろな初めてを体験して、成長して行きたいです。そのチャンスを僕に下さい!!(笑)

【略歴】2000年10月15日、兵庫県出身。松竹芸能所属。子役としてデビュー。舞台では07年京都・南座の「義経千本桜 すし屋」をはじめ、大阪・松竹座で09年「実盛物語」、12年「さよなら御園座 五木ひろし公演(御園座)」、13年「吉本百年物語3月公演(なんばグランド花月)」に出演。NHK朝ドラ「カーネーション」に、主人公の幼なじみ安岡勘助の少年時代を演じて注目され、翌年「浪花少年探偵団」にも出演。映画『少年H』では主役の水谷豊、伊藤蘭夫婦の息子というタイトルロールで主演。第38回報知映画賞新人賞を獲得。第87回キネマ旬報ベスト・テン。新人男優賞。第37回日本アカデミー賞新人俳優賞受賞も決まっている。

 

監督賞 田中光敏(『利休にたずねよ』)
【受賞の言葉】市川海老蔵さん、中谷美紀さんをはじめとする素晴らしい役者の方々、そして歴史を持つ京都東映撮影所のスタッフの皆さんたちと一緒に仕事をすることができ、幸せでした。素晴らしい原作と出会い、素晴らしい役者の方々、スタッフ、そしてこの映画を観て下さった多くの方々に見守られていただいた賞だと思っています。本当に嬉しい賞を有難うございました。

 【略歴】1958年、北海道出身。大阪芸術大学卒業後、電通映画社(現在電通テック)、テレビマンユニオンCMを経て、’84年(株)クリエイターズユニオンを設立。CMディレクターとして数多くの作品を手がけ、ACC賞、日本放送連盟賞など多数受賞。01年「 化粧師 」で映画監督デビュー。03年さだまさし原作「 精霊流し」で日本映画復興賞・奨励賞を受賞。09年「 火天の城」第33回日本アカデミー賞美術賞優秀賞受賞。第4作目の第140回直木賞受賞作(山本兼一著)「利休にたずねよ」を監督し、第37回モントリオール世界映画祭最優秀芸術貢献賞、第30回山路ふみ子文化賞、第37回日本アカデミー賞優秀作品賞受賞。

脚本賞 吉田康弘(『旅立ちの島唄~十五の春~』)
【受賞の言葉】映画を図るスケールが大小だけではなく、強弱もあると信じて、強い気持ちで挑みました。シナリオ創りの過程で、取材に応えて下さった南大東島の皆さまに改めて感謝します。これからもオリジナル作品に挑戦していきたいです。6年前に新人監督賞を頂き、今回は脚本賞を頂けたので、次は作品賞を目指して頑張ります。

【略歴】1979年大阪府出身。同志社大学卒業後、なんばクリエイターファクトリー映像コースで井筒和幸監督に学ぶ。同監督作品『ゲロッパ!』(03)の現場に半ば押しかけるように見習いとして参加し、映画の世界へ。助監督しての経験を積んで、07年、石田卓也、大竹しのぶ主演の『キトキト!』で監督デビューし、型破りな母子の物語として話題になった。昨年は、三吉彩花主演、大竹しのぶ、小林薫出演の『旅立ちの島唄~十五の春~』と、福士蒼汰主演の『江ノ島プリズム』を続けて公開。今年は野村周平主演『クジラのいた夏』を春に控えている。脚本家としても活躍しており、井筒和幸監督作品『ヒーローショー』(10)、『黄金を抱いて翔べ』(12)では脚本を担当している。

撮影賞 笠松則通(『許されざる者』『人類資金』)
【受賞の言葉】この度は名誉ある賞に選んで頂いてありがとう御座います。『許されざる者』は北海道の晩秋から初冬にかけての厳しい自然と戦いながら、スタッフキャストが一丸となって撮り切った感があります。決して勝ち戦ではなかったかもしれませんが、自分としてはキャメラマンとして本分を全う出来たと思っています。『人類資金』は私にとって初となるデジタルカメラでの撮影と、ニューヨーク、ロシア、タイそして国内と4カ国をほぼひと月で撮りきるという強行軍でしたが、内外の優秀なスタッフのお陰で撮影完遂出来た事を改めてこの場をお借りして感謝致します。

【略歴】1957年愛知県生まれ。80年『狂い咲きサンダーロード』(石井聰互監督、現在は岳龍)でキャメラマンデビュー。その後82年『爆裂都市』(石井岳龍監督)89年『どついたるねん』(阪本順治監督)90年『バタアシ金魚』(松岡錠司監督)では第16回おおさか映画祭撮影賞受賞。その他の作品に『夜がまた来る』(石井隆監督)『顔』『KT』『闇の子供たち』『大鹿村騒動記』(以上阪本順治監督)『青い春』(豊田利晃監督)『赤目四十八瀧心中未遂』(荒戸源次郎監督)『いつか読書する日』(緒方明監督)『東京タワー、オカンとボクと、時々オトン』(松岡錠司監督)『悪人』(李相日監督)など

音楽賞 GOMA(『フラッシュバックメモリーズ 3D』)
【受賞の言葉】映画が完成するまでの僕は人生を諦めかけていました。しかし最近はあの日があったからこそ今があるんだと人生2回目のスタート台に立つ自分がいます。大阪人としてこの賞を頂けた事本当に誇りに思います。これを励みに諦める事なくチャレンジを続けたいと思います。ありがとうございました!

【略歴】1973年大阪府生まれ。オーストラリアアボリジニの管楽器ディジュリドゥの奏者・画家。98年アボリジニの聖地アーネムランドにて開催された「バルンガディジュリドゥコ ンペティション」にて準優勝。ノンアボリジニープレイヤーとして初受賞という快挙を遂げる。09年交通事故に遭い高次脳機能障害の症状が後遺し外傷性脳損傷と診断され活動を休止。事故後まもなく突然描き始めた緻密な点描画が評価され2010年夏に初の個展を開催。2011年フジロックフェスティバ ルにて再起不能と言われた事故から苦難を乗り越え音楽活動を再開。2012年GOMAを主人公とする映画『フラッシュバックメモリーズ 3D』が東京国際映画祭にて観客賞を受賞。2013年全州国際映画祭でNETPAC賞(最優秀アジア映画賞)を受賞 www.gomaweb.net

新人監督賞 西尾孔志(『ソウル・フラワー・トレイン』)
【受賞の言葉】大阪生まれの大阪育ちに見えないと言われるほど、大阪への反抗期が長く続きましたが、30代も終りに来てコテコテ笑いと浪花節を素直に受け入れられるようになりました。この賞を頂けた事で、やっと大人の大阪人の仲間入りができた気がします。ほんまに誇りに思います!めっちゃ嬉しい!

【略歴】1974年大阪生まれ、映画監督。10代の頃に京都の撮影所で録音見習いとして働き、深作欣二ら黄金期の監督たちの現場を体験。20代からビジュアルアーツ大阪で学び、自主制作映画『ナショナルアンセム』が映画監督・黒沢清や作家の中原昌也らから高い評価を得て、シネアスト・オーガニゼーション・大阪エキシビション(略称CO2)で第一回シネアスト大阪市長賞(グランプリ)受賞。その後、数本の短編映画を撮るかたわら、CO2の運営ディレクターを4年間務め、全国的映画祭へと成長させる。現在も監督をしながら、大学や専門学校で講師を務め、関西映画シーンの育成にも情熱を傾ける。

そこにみにて光輝く.jpg

 3月7日(金)~3月16日(日)梅田ブルク7、ABCホール、シネ・ヌーヴォをはじめとした会場で開催される第9回大阪アジアン映画祭のクロージング作品に、綾野剛主演、呉美保監督作品『そこのみにて光輝く』が決定した。原作は、映画にもなった「海炭市叙景」で知られる佐藤泰志の最高傑作。4月からの全国公開に先立ち、3月16日(日)、大阪・ABCホールでワールドプレミア上映(世界初上映)される。
 「そこのみにて光輝く」は、何度も芥川賞候補に挙げられながらも賞に恵まれず、今の日本を予期したような作品群を遺し、41歳で自ら命を絶った不遇の作家・佐藤泰志が1989年に発表した唯一の長編小説。短い函館の夏を舞台に、生きる目的を見失った男と愛を諦めた女との出会い、そして底辺で生きる家族を慈しむような眼差しで描き、第2回三島由紀夫賞の候補となり、最高傑作との呼び声も高い。映画化のメガホンをとったのは、『オカンの嫁入り』で新藤兼人賞を受賞し高い評価を得てきた呉美保監督。主演を綾野剛、ヒロインを池脇千鶴、その弟を菅田将暉が演じている。

 尚、大阪アジアン映画祭では特典にオープニング&クロージング上映チケットもついてくる大阪アジアン映画祭サポーターを募集中だ(一般サポーター 10,000円/一口、応募締切1月末日)。他にも来日ゲストを迎えてのウェルカム・パーティご招待や、映画祭公式カタログ進呈、映画祭記念品進呈(1点)など特典がいっぱい。詳細、お申し込みはコチラ
 


『そこのみにて光輝く』
2014年/日本/120分/R15+ 

監督:呉美保 原作:佐藤泰志(河出書房新社刊)
出演:綾野剛、池脇千鶴、菅田将暉、高橋和也、火野正平、伊佐山ひろ子、田村泰二郎
配給:東京テアトル+函館シネマアイリス(北海道地区)
©2014佐藤泰志/「そこのみにて光輝く」製作委員会 
公式HP:http://hikarikagayaku.jp/
4月19日より、〈東京〉テアトル新宿、〈大阪〉テアトル梅田ほか全国ロードショー

<ストーリー>
ある出来事が原因で仕事を辞め、目的もなく毎日を過ごしていた佐藤達夫(綾野)は、ある日パチンコ屋で使い捨てライターをあげたことをきっかけに、粗暴だが人なつこい青年・大城拓児(菅田)と知り合う。拓児に誘われるままについていくと、そこは取り残されたように存在している一軒のバラックだった。そこで達夫は拓児の姉・千夏(池脇)と出会う。互いに心惹かれ、ふたりは距離を縮めていくが……。