『舞妓はレディ』
「京都」と一致するもの
剣心の口癖「ござる」を日常生活でも使っているのかという微笑ましい質問に、「撮影中にも使っていました。『本番でござる』とか『カットでござる』」と佐藤が答えると、すかさず「そんなことあったか?」と大友監督のツッコミが入って笑いを誘う場面も。また、土屋太鳳演じる操に剣心が引っ張られていくシーンでは、佐藤の薄笑いしたカットが大友監督に気に入られて採用されたという裏話が披露され、会場から笑いが巻き起こった。
『柘榴(ざくろ)坂の仇討』
【Story】インドのとある田舎町ラールガンジに暮らす聡明な少年チュルブル・パンデー。彼は、実の母ナイニー(ディンプル・カパーディヤー)と血のつながりがない義父プラジャーパティ・パンデー(ヴィノード・カンナー)、弟マカンチャンドと暮らしていた。21年後チュルブル(サルマーン・カーン)は、ロビンフッド・パンデーの異名を持つ警察官となる。強盗から金を奪って我が物にする汚職警官ではあったが、強きをくじき弱きを助ける、正義感を持つ男だった。一方、弟のマカンチャンド、通称マッキー(アルバーズ・カーン)は定職にも就かずブラブラする生活を繰り返していた。そんななか、チュルブルは一人の女性と出会い恋に落ちる。名前はラッジョー(ソーナークシー・シンハー)。チュルブルは猛アタックをするが、すれ違うばかり。彼女にはアルコール中毒の父親(マヘーシュ・マーンジュレーカル)がいた。彼女はそんな父を心配し「父が生きている限りは結婚しない」と頑なに決意をしていたのだ。
写真左より大和田南那、高橋朱里(AKB48 チームB)、永野芹佳、太田奈緒、山田菜々美(チーム8)、岸野里香、室加奈子(NMB48 チームN)
(2014年 日本 2時間)
一方、2月に突然発表された大組閣でAKBチームAからチームBに移った高橋朱里は、「チームBは3期生の先輩やドラフト生もいて、私は16歳だけれどチームの中では中堅。先輩と後輩をつなぐ役目を果たしたい。先輩がいることでたくさん学べるし、後輩をみていると初心に戻れる」と先輩ばかりのチームAとは違う新しい体験の中、成長していることが垣間見えるコメントを披露。また大島優子からパフォーマンスが好きだと誉めてもらったことがうれしかったと、その思い出を明かした。
次に「会いに行くアイドル」をコンセプトに立ち上がったチーム8より、活動をはじめていままでと変化したことを聞かれ、「新幹線に乗る回数が増えた。周りからキャアキャア言われてVIPな気分。目指す先輩は小嶋陽菜さんです」と答えた永野芹佳。先輩たちは楽屋でマジックペンをマイク代わりに舞台挨拶の練習をしていたことを明かしながら微笑ましい表情で見つめるAKBらしい風景も見られた。高橋みなみが目標という太田奈緒は、「まだ誰にもチーム8で活動していることを話していないので、まわりの反応も変わらず、今まで通り暮らしています」とメンバーたちを驚かせた。一方、あまりの緊張ぶりに途中で深呼吸をし、周りに突っ込まれながら答えた山田菜々美は「友達には結構気付かれています。みんな応援してくれます。バラエティーが好きなので、指原莉乃さんみたいになりたい」と未来の夢を披露した。
『るろうに剣心 京都大火編』舞台あいさつ
2014年7月2日(水)大阪・御堂会館にて
(2014年 日本 2時間19分)
原作:和月伸宏「るろうに剣心-明治剣客浪漫譚-」(集英社ジャンプ・コミックス刊)
監督:大友啓史
出演:佐藤健、武井咲、伊勢谷友介、青木崇高、蒼井優、江口洋介、藤原竜也
2014年8月1日(金)~全国ロードショー
公式サイト⇒ http://wwws.warnerbros.co.jp/rurouni-kenshin/index.html?oro=mile
(C)和月伸宏/集英社
(C)2014「るろうに剣心 京都大火/伝説の最期」製作委員会
★『るろう』佐藤健、武井咲らに黄色い歓声
佐藤健、武井咲共演の時代劇『るろうに剣心 京都大火編』(ワーナー、大友啓史監督)が完成し2日夜、初試写会が大阪・中央区の御堂会館に超満員900人のファンを集めて行われた。 人気絶頂の佐藤健、武井咲の注目コンビに、今作から登場する藤原竜也と大友啓史監督が舞台挨拶を行い、会場は熱狂に包まれた。 累計5800万部を超え、国民的人気のコミックを映画化した『るろうに剣心』は映画でもブームを巻き起こし、第一作は興収30億円の大ヒット。あれから2年、ファン待望の続編は『~京都大火編』(8月1日公開)と『~伝説の最期編』(9月13日公開)の二部作になる。
初試写会は応募総数が1万3000人を超え、900人の客席はペアのため、30人に1組という難関になった。中には2日前の6月30日から並んだという熱狂的ファンもいて、会場は待ちかねたファンの熱気に包まれ、佐藤らが登場するや黄色い悲鳴、絶叫が飛び交う大騒ぎとなった。
佐藤健:お待たせしました。ついに完成しました。お会い出来て光栄です(大歓声)。
(大阪は)ウェルカム感がけた違いですね。喜んで下さってる感じが伝わってきます。皆さんの気持ちが熱くて……。楽しんでいってください。
武井咲:テレくさくて緊張してます。短い時間ですが楽しんでください。
佐藤:マイクなのに負けてる。
藤原竜也:鶴瓶さんが先日見てくれて「武井さんが大好きやねん」って言ってました。
大友啓史監督:大阪スゲーな。衝撃ですね。その衝撃に負けない映画作った。この人たち(舞台の3人)はすごい。尊敬してます。 今日はスタッフ、キャストを代表してあいさつに来ました。『るろう』を愛してやって下さい。
――2年あきましたが、この2年間で何か変わったことは?
佐藤:みんな大人になった(笑)。(武井さんは)前はパッツンだったけど、前髪を流してきました。
武井: (佐藤さんは)ブランクを感じさせない劍心でいてくれました。それらしい迫力でいてくれはりました(笑)。
大友監督: 『るろう』やるからには京都編をやらなければならなかった。
志々雄(藤原竜也)のメークも含めて。大変だったけど、これをやって『伝説の最期』編に行かなければ、と。
藤原:機嫌も気分も悪くさせるだろうし、トイレにも行けないような大変な役だった。佐藤君とは初めてだったが(彼は)この役に1年ぐらいかかっているだろうし、ある種のテンションが続いていたと思う。理解者いないだろうし、孤独を感じながら7~ 8カ月まっとうした。スゲエ人だな、と思う。打ち上げの時に言ったと思うけど、佐藤君のおかげで自分もまっとうできた。
佐藤: 『 ~ 京都大火編』もすごいけど『 ~ 伝説の最期編』になると(藤原さんは)人間でなくなっているんではないか。悪役として日本映画界に残るんじゃないかな。
――30カ所ロケに行って2万㌔移動した
大友監督:よくやりましたよねえ。もうロードムービーですよ。(3人を)誉めたげて下さい。(拍手)
――ロケでは京都、兵庫など関西も多かった。関西の思い出は?
佐藤:前作では京都はずっといた。今回は1カ月だったけど。薫(武井)と劍心の大切なシーンは滋賀。近江八幡での撮影した。
武井:今朝、たこ焼き食べました(笑)。たこは苦手なので、ちょっと残しましたけど。
――アクションシーンがすごい。
大友監督:やろうと思っても、出来る人がいないと出来ない。難しいオーダーに応えてくれたことに頭が下がる。全員、体張ってやってくれた。
――最後にひと言
大友監督:スタッフ、キャスト総勢600 ~ 800人を代表して、全員の思いを背負って来てるんで、目いっぱい楽しんでください。
武井:すごい楽しみに来て下さったと思ってうれしかった。強い映像なので、気をつけて下さい。薫ちゃんの気持にも注意して、存分に楽しんで下い。
藤原:皆さんに見ていただいて、8月1日(の公開を)待ちたい。
佐藤:こんなに来てもらって、ホントにありがとう。顔に出さない方だけど、マジでめちゃうれしい。見終わった後、次の『 ~伝説の最期』編を見たいと思っても、9月13日公開までもがき苦しむことになると思うけど、そこまで盛り上げていきたい。
(安永 五郎)
『フランス映画祭2014』を見終えて(7/1現在の感想)*随時追加予定
今年のフランス映画祭は、新作11本、フランソワ・トリュフォー監督作『暗くなるまでこの恋を』の旧作1本、計12本が上映された。記者会見でゲスト監督たちが述べたように、性描写や暴力描写が間接的な表現に止まっていることが大きな特徴といえる。それまで必ずといってもいいくらい性描写があったのが影を潜めている。それより、フランス特有のウィットに富んだ脚本で、夫婦や親子や恋人など、身近な人間関係を優しく描いた作品が多く、とても楽しく過ごせた映画祭だった。そんな中特筆すべきは、ドキュメンタリー映画『バベルの学校』。多民族国家フランスならではの社会状況を凝縮したような学校で、多くの事情を抱えて生きる外国からきた生徒を、気長に優しく受け入れ、彼らの言葉に耳を傾ける先生の寛大さに感動する。
自由・平等・友愛の国フランスならではのヒューマンドラマの数々を、是非関西でもお楽しみ下さい。
(河田 真喜子)
★シネ・リーブル梅田(7/2(水)~7/6(日))⇒ こちら
★京都シネマ(7/5(土)~11(金))&同志社大学寒梅館(7/3(木))⇒ こちら
【新作だけの感想】(勝手にオススメ順!)
★《観客賞受賞作》
『バツイチは恋のはじまり』Fly Me to the Moon
*(2014年9月20日(土)より、ヒューマントラストシネマ有楽町他にて公開)
いや~涙が出る程笑った!ダニー・ブーンがコメディアン本領発揮!クール・ビューティも破顔、こんなダイアン・クルーガー見たことない!
家系的に必ず1度目の結婚に失敗するというジンクスを抱えたイザベルが、10年も同棲している恋人との結婚を成功させるため、誰でもいいから虚偽結婚してバツイチになろうと選んだ相手がツアーガイドのジャン=イヴだった。ところが、中々離婚できずに悪戦苦闘するという物語。お話に無理があるだろうと思ってと見たら、とんでもない!パリからデンマークへ、さらにケニアやモスクワとワールドワイドのロケも成功。
特に、ケニアでのライオンのシーンや歯科診療室でのシーン、脱毛のシーンは傑作!行く先々で繰り広げられる二人の珍道中を見ているうちに、いつしか自分にとっての本当の幸せとは何かを考えさせられる。イザベルのどんな嫌がらせにも寛大に応えるジャン=イヴの一途さがいい。何と言っても、「気持ち良く心の底から笑えるのが一番」というダニー・ブーンの品のいいコメディセンスが最大限に活かされた傑作コメディ!
『間奏曲はパリで』La Ritournelle
*(フランスでも6月に公開されたばかりの新作。こんなに面白い作品なので、来年くらい公開されるのでは?)
またもやクール・ビューティの登場。とても還暦を迎えているとは思えないイザベル・ユペール。現在公開中の『ヴィオレッタ』でも、スリムでゴージャスなヴィンテージファッションを着こなし猛母を怪演。今回は彼女にしては珍しく、ノルマンディーで夫と酪農を営んでいる田舎のおばさん役を演じている。主人公のブリジットは、パリから遊びに来た若者に「綺麗だ」と言われ、ついその気になり、夫に嘘をついてアヴァンチュールを求めてひとりパリへ行く。そこでイザベル主演作『ボヴァリー夫人』(‘91)を思い出したが、本作ではヒロインは破滅へとは向かわない。
ちょっと皮肉屋の夫グザヴィエを演じたジャン=ピエール・ダルッサンがまたいい!『キリマンジャロに降る雪』や『ル・アーブルの靴みがき』などでもそうだったが、飄々としながらも滋味深い包容力を感じさせる。妻を追ってパリへ行き、妻が男と一緒だと知って、パリの学校でトランポリンを学ぶ息子を訪ねる。酪農を継がず軽業師のようなことをする息子をバカにしていたグザヴィエだったが、初めて見る息子のパフォーマンスに心を射抜かれる。階段から落ちては起き上がるというトランポリンを使ったステージだったが、そのアーティスティックで美しいパフォーマンスに、グザヴィエ同様、見ているこちらもハッとするほどの感動を覚える。その時のグザヴィエの表情がいい!
夫婦をはじめ息子やパリで出会う人物など、それぞれの関係性をウィットに富んだ会話で綴られていく物語に感服!そのよく練られた脚本を書いたマルク・フィトゥシ監督の才能に感謝したくなるほど、幸せな気分になれる作品だ。
『グレートデイズ! -夢に挑んだ父と子』
『ジェロニモ ― 愛と灼熱のリズム 』Geronimo
『友よ、さらばと言おう 』Mea Culpa
『イヴ・サンローラン 』Yves Saint Laurent
『俳優探偵ジャン』Je fais le mort
『2つの秋、3つの冬 』2 automnes, 3 hivers
『バベルの学校 』La Cour de Babel
『素顔のルル』Lulu, femme nue
『スザンヌ 』Suzanne
『Fly Me to the Moon(英題) 』『邦題「バツイチは恋のはじまり」』Un plan parfait
監督:パスカル・ショメイユ
出演:ダイアン・クルーガー、ダニー・ブーン、アリス・ポル、ロベール・プラニョル
2012/フランス/104分/シネマスコープ/5.1ch
配給:ファントム・フィルム
*2014年9月20日(土)より、ヒューマントラストシネマ有楽町他にて公開
©2012 SPLENDIDO QUAD CINEMA / TF1 FILMS PRODUCTION / SCOPE PICTURES / LES PRODUCTIONS DU CH'TIMI / CHAOCRP DISTRIBUTION / YEARDAWN
『間奏曲はパリで』La Ritournelle
監督:マルク・フィトゥシ
出演:イザベル・ユペール、ジャン=ピエール・ダルッサン、ピオ・マルマイ
2013/フランス/99分/ビスタ/5.1ch
© DR
『バベルの学校 』La Cour de Babel
監督:ジュリー・ベルトゥチェリ
出演:ブリジット・セルヴォー二
2013/フランス/89分/ビスタ/5.1ch
配給:ユナイテッド・ピープル
*2014年末から2015年年始公開
© Pyramide Films
ある教師の人生最後のクラスに集まったのは国籍がバラバラの学生たち...。
出会い、そして別れ。国境を超えた仲間愛が凝縮した感動のドキュメンタリー。
『グレートデイズ! -夢に挑んだ父と子』
監督:ニルス・タヴェルニエ
出演:ジャック・ガンブラン、アレクサンドラ・ラミー、ファビアン・エロー
2014/フランス/90分/ビスタ/5.1ch
配給:ギャガ
提供:ギャガ、カルチュア・パブリッシャーズ
※2014年8月29日(金)より、TOHOシネマズ 日本橋、新宿武蔵野館他 全国順次ロードショー
© 2014 NORD-OUEST FILMS - PATHÉ PRODUCTION - RHÔNE-ALPES CINÉMA
『最強のふたり』の感動再び!失業中の父と、車いすの息子。
凸凹親子が挑むのは、最も過酷なトライアスロン最高峰"アイアンマンレース"!
『イヴ・サンローラン 』Yves Saint Laurent
監督:ジャリル・レスペール
出演:ピエール・ニネ、ギョーム・ガリエンヌ、シャルロット・ルボン、ローラ・スメット
2014/フランス/106分/シネマスコープ/5.1ch
配給:KADOKAWA
*2014年9月6日(土)より、角川シネマ有楽町、新宿武蔵野館、シネマライズ他 全国ロードショー
© WY productions - SND - Cinéfrance 1888 - Herodiade - Umedia
<受賞歴>
2014年ベルリン国際映画祭 パノラマ部門オープニング作品
今年、創刊25周年を迎えるインターナショナルな女性誌「ELLE JAPON」は、"モード界の帝王"の「光と影」に迫るファッショナブルな話題作をお届けします。
時代を変えた、伝説のファッションデザイナー、イヴ・サンローラン。
華麗なるキャリアを築いた人生の喝采と孤独を描いた感動作
『ジェロニモ ― 愛と灼熱のリズム 』Geronimo
監督:トニー・ガトリフ
出演:セリーヌ・サレット、ラシッド・ユセフ、ダヴィッド・ミュルジア
2014/フランス/104分/シネマスコープ/5.1ch
© Film du Losange
<受賞歴>
2014年 カンヌ国際映画祭 特別招待作品
トニー・ガトリフ流『ロミオとジュリエット』☓『ウエスト•サイド•ストーリー』!
エネルギーあふれる恋愛劇をフランス公開にさきがけて上映!
『友よ、さらばと言おう 』Mea Culpa
監督:フレッド・カヴァイエ
出演:ヴァンサン・ランドン、ジル・ルルーシュ
2014/フランス/90分/シネマスコープ/ドルビーデジタル
配給:ブロードメディア・スタジオ
*2014年8月1日(金)より、新宿武蔵野館他 全国順次ロードショー
© Thomas Brémond © copyright Gaumont - LGM Cinéma
『すべて彼女のために』『この愛のために撃て』のフレッド・カヴァイエ最新作。
二人の刑事が過去と向き合いながら、家族を守るために激走する。
『俳優探偵ジャン』Je fais le mort
監督:ジャン=ポール・サロメ
出演:フランソワ・ダミアン、ジェラルディン・ナカシュ、リュシアン・ジャン=バティスト
2013/フランス、ベルギー/105分/ビスタ/5.1ch
© Diaphana Films
フランソワ・ダミアン(『タンゴ・リブレ』)とジェラルディン・ナカシュ(『プレイヤー』)の絶妙なかけあいでおくる、ジャン=ポール・サロメ監督初のコメディ!
『2つの秋、3つの冬 』2 automnes, 3 hivers
監督: セバスチャン・ベベデール
出演: ヴァンサン・マケーニュ、モード・ウィラー、バスティアン・ブイヨン、オドレイ・バスティアン
2013/フランス/90分/スタンダード/5.1ch
<受賞歴>
2013年 トリノ国際映画祭 審査員特別賞
2013年 Cinessonne(エソンヌ県ヨーロッパ映画祭) 観客賞
フレンチ・ニュー・ウェーヴの傑作!
注目度NO.1の若手俳優V・マケーニュ(『女っ気なし』)が期待通りの好演!
『素顔のルル』Lulu, femme nue
監督:ソルヴェイグ・アンスパック
出演:カリン・ヴィアール、ブリ・ラネール、クロード・ジャンサック
2013/フランス/87分/シネマスコープ/5.1ch
<受賞歴>
2013年サルラ映画祭(フランス) 女優賞
© Isabelle Razavet - Arturo Mio
『スザンヌ 』Suzanne
監督:カテル・キレヴェレ
出演:サラ・フォレスティエ、フランソワ・ダミアン、アデル・エネル
2013/フランス/94分/ビスタ/5.1ch
『アデル、ブルーは熱い色』のアブデラティフ・ケシシュ監督が『身をかわして』で見出した若き才能、サラ・フォレスティエの演技が見るものを魅了する
『フランス映画祭2014』記者会見
2014年6月27日(金)東京有楽町・朝日ホールにて、オープニングセレモニー先立ち記者会見が行われ、今年の映画祭の見所やフランス映画の傾向について語られた。
【出席者】
- ユニフランス会長:ジャン=ポール・サロメ(『俳優探偵ジャン』の監督)
- ユニフランス代表:イザベル・ジョルダーノ
- トニー・ガトリフ団長(『ジェロニモ-愛と灼熱のリズム』監督)
- セバスチャン・ベベデール(『2つの秋、3つの冬』監督)
- マルク・フィトゥシ(『間奏曲はパリで』監督) (大阪・京都でもトークショーの予定)
【ユニフランス会長:ジャン=ポール・サロメ氏】
「今年もフランス映画祭を開催することができることを誇らしく思うと同時に、多才なゲストと共に来日できることを本当に嬉しく思います。日本は世界の中でもフランス映画の良さを理解し好んで見て下さる国です。年間50作品ほど公開されています。」と日本が映画市場としても大きな国だと述べた。それも、邦画の興行成績が良く、映画館の維持が出来ているからだとも、日本の映画産業の貢献を讃えた。「自国の文化が高いからこそ、外国の門戸が開かれるのです」。サロメ氏の監督作品『俳優探偵ジャン』も本映画祭で上映される。
【ユニフランス代表:イザベル・ジョルダーノ氏】
15年間ジャーナリストとして活躍して来られたイザベル・ジョルダーノさんによると、フランス映画は近年順調に推移しており、興行収入は年平均3億ユーロで、フランス以外の観客動員数は年間500万人以上あるという。特に、2012年は『最強のふたり』や『アーティスト』が大ヒットして、素晴らしい成績を収めることができた。この5年でカンヌ映画祭のパルムドール3つとアカデミー賞2つを獲得し、順調に高い評価を得てきた。フランス映画の知名度調査をしたところ、アラン・ドロンやカトリーヌ・ドヌーヴなどのベテラン勢だけでなく、新しい世代の人気も上昇してきている。ちなみに、イザベルさんは北野武監督にインタビューできたことが一番嬉しかったと語った。
続いて、「皆様に素晴らしいプレゼントを用意しました」とゲスト監督の紹介をしてくれた。今年の団長でもあるトニー・ガトリフ監督については「自由に才能を開花させている」と、マルク・フィトゥシ監督については「フランス人の多くの人がそうであるように、イザベル・ユペールに恋して映画を作っている」と、そしてセバスチャン・べべデール監督については「新しい世代の代表で、よく扱われるテーマである恋心や微妙な心情の関係性など、若者の感性は日本の皆様にも共感して頂けるのではないかと思います」。
【トニー・ガトリフ団長】
「フランスを代表して来日できて嬉しいです。私はフランス映画を見て育ち、こうして監督になりました。今また若い才能が育ってきているのを見て、これからもフランス映画に大変期待を持っております」。トニー・ガトリフ団長の監督作『ジェロニモ-愛と灼熱のリズム』を上映。
【セバスチャン・ベベデール監督】
「フランス映画祭の代表団の一員として来日できて、本当に嬉しいです。小津安二郎監督や是枝裕和監督が好きです。フランス映画も日本映画も私にとっては重要な映画人です」。セバスチャン・ベベデール監督作『2つの秋、3つの冬』を上映。
【マルク・フィトゥシ監督】
「私も来日できて本当に嬉しいです。今年この映画祭に選ばれた作品は、幅広いジャンルを網羅し、質の高い、海外で紹介する価値のあるものばかりです。コメディを日本の皆様がどのように受け止めて下さるのか、リアクションを見るのが楽しみです」。マルク・フィトゥシ監督作『間奏曲はパリで』を上映。
――― 今年はなぜ女優や男優のゲストが少ないのですか?
サロメ氏:昨年は豪華キャストでしたが、毎年は揃えるのは難しいです。男優も女優もスケジュールの関係で来日できないことが多いのですが、来年はまた頑張ってオファーしてみます。今年も一所懸命オファーかけたのですが…その代わり、女性監督をはじめ、いろんな世代の多才な監督に来てもらいましたので、新しいクリエイターたちにフォーカスして見て頂きたいです。
――― 開催時期ははやり6月ですか?
ジョルダーノ氏:秋の東京国際映画祭でもフランス映画を紹介して頂けることになりましたので、時期的にもカンヌ国際映画祭とトロント国際映画祭の中間ということで、6月開催の予定です。
――― 暴力シーンの表現について?
ガトリフ監督:フランス映画は暴力的なものばかりではありません。人道主義的なものや多様な民族を扱った作品もあります。フランスは多様な民族がある分、言語や文化を大切にしています。戦争や暴力よりもっと語るべきことがあるのです。暴力シーンがカッコ良く美しく見えてしまい、人の心を惹きつけてしまうのは危険なことだと思います。私は暴力を無視することはないが、音楽や踊りで表現するようにしています。暴力と距離を置いて表現したい。
ベベデール監督:暴力は、多くの監督が関心のある題材ですが、私の作品では直接ではなく潜在的に描いています。例えば、経済的に闘っている人々とか…30代の若者がこの経済戦争の中、レジスタンスのように闘いながら生きている様子を描いています。本物の戦争ほど大変ではありませんが、何とか抵抗している若者を描いているのです。
フィトゥシ監督:暴力はスペクタクル的に美化して見せるものではないと思います。『素顔のルル』では家庭内暴力を描いていますが、直接描かなくても成功しています。私の監督作『間奏曲はパリで』では、わざと争うシーンを見せずに、紛争を解決する優しさを挑発的に描いています。
ガトリフ監督:暴力という意味では、インターネットの方が悪影響を与えています。映画は全く違うテクチャーで表現しているので、むしろ人間性を高めるためのもの。映画は、もっと優しい人間性と寛容さがあることを表現すべきです。
(河田 真喜子)
『フランス映画祭2014』開催!
(2014年6月27日(金)有楽町朝日ホールにて)
~映画を通じてつながる人と人――最新のフランス映画が楽しめる映画祭♪~
今年も東京有楽町の朝日ホールにて『フランス映画祭2014』が開幕しました。東京は6月27日(金)~6月30日(月)有楽町・朝日ホールにて、関西は7月2日(水)~6日(日)シネ・リーブル梅田にて、7月5日(土)~11日(金)京都シネマ、他にて開催されます。今年の団長はトニー・ガトリフ監督。例年女優が務めてきましたが、団長をはじめ他のゲストも監督が多く、俳優は『グレート・デイズ! 夢に挑んだ父と子』のファビアン・エローと、『Fly Me to the Moon』のダニー・ブーンだけとなりました。例年の華やかさには欠けますが、幅広いジャンルの作品と多才な映画人と身近に触れられる、大変貴重な映画祭であることは間違いないです。この機会に是非会場のお越しください。