「京都」と一致するもの

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 鯨が見えた途端、手作りの舟から大きな銛を持った男が飛び上がって鯨に一撃を食らわせる。鯨と命がけの戦いを繰り広げる男たち、そしてなんとかして逃げようと全力でもがく鯨の迫力ある対決に思わず目を奪われる。インドネシア、レンバタ島ラマレラ村で今でも行われている伝統的な鯨漁とそこからつながる命の循環を見事な映像美で描くドキュメンタリー映画『くじらびと』が、9月3日(金)よりなんばパークスシネマ、シネ・リーブル梅田、神戸国際松竹、MOVIXあまがさき、京都シネマ にて絶賛公開中だ。
 
監督は、初監督作品『世界でいちばん美しい村』で2015年に起きたネパール大地震の震源地近くにあるラプラック村と、そこに生きる人たちの絆、祈りを描いた写真家、石川梵さん。写真集「海人」をはじめ、ライフワークの一つとしてインドネシアのラマレラ村の人々やそこで行われる鯨漁に密着してきた石川さんが、ドローン撮影も駆使しながら、銛一本で突く伝統的な鯨漁や村人たちの暮らしをまさに体当たりで撮影。迫力ある映像と共に描かれるのは、捕獲した鯨を村の皆で分け合う和の文化や、村で代々受け継がれてきた信仰だ。
 
 「大いなる命の循環、大いなる営みを叙事詩のように表現したかった」という本作の石川監督に、ラマレラ村との関わり、鯨漁の撮影や映像で残す意義についてお話をうかがった。
 

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■秘境を探してたどり着いたラマレラ村、鯨獲りの根っこにある信仰に惹かれて

―――命がけで鯨を獲る舟に撮影で同乗することが許されるというのは、信頼関係が築かれていないとできないことだと思いますが、その経緯を教えてください。
石川:80年代以降、僕は誰も見たことのないような秘境に行く写真家として世界中を回っていました。当時ニューギニアでレンバタ島のことを聞き、インターネットもなく何の情報もない中、91年に初めて現地に向かいました。舟で迎えに来てもらったのですが、鯨の匂いがぷ〜んとして、1槽だけ壊れた舟があるのでどうしたのかと思ったら「鯨にやられたんだ」と。ついにそんなところに来たんだなと思いましたね。
 
大自然の中に生きる人や、その中で自然に生まれる信仰というのは僕の大きなテーマなのですが、このラマレラ村も知れば知るほど、鯨を獲ることの根っこにある信仰に惹かれていきました。
鯨獲りの舟にはお金を出せば旅行者も乗せてもらえます。ただ、漁が始まると下がれ!と相手にしてはもらえませんが。
 
 
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■4年かかった鯨獲りの撮影

―――初めて鯨が撮れたのはいつですか?
石川:毎年行ってもなかなか鯨が出ない。猟期以外は、朝から舟を出して、延々と待つんです。赤道直下の中、毎日8時間ぐらい待って帰るとうくとを大体3ヶ月ぐらい繰り返しますから、だんだん気が遠くなっていきますよ。そこまで長くいると、「おまえ、漕げ」と言われるぐらいにまでなっていました。
 
実は2年目、僕が来る直前に鯨が獲れたんです。本来なら間に合うはずだったのに飛行機が遅れてしまって。3ヶ月粘っても出ないので帰ったふりをしようかと言いながら戻ると、宿の主人から「おまえが帰った翌日に出たよ」と。その時は神さまが意地悪しているのかと思いました。結局、4年かかったんですよ。鯨漁は勇壮に見えますが、そのほとんどが待っている時間です。延々と待ち続けることが実は、鯨漁の本質です。時々マンタが獲れることもありますが、1年何も獲れないこともある。それぐらい非効率な漁なんです。
 
―――そこまでして鯨漁にこだわるのは村独自のシステムがあるからですね。
石川:鯨を獲ると、未亡人や貧しい人にまで鯨が行き渡るのです。先住民の長、トゥアン・タナが最初に鯨乞いの儀式を行い、鯨が獲れるとその一部をお礼としてトゥアン・タナに捧げる習わしもあります。舟にエンジンを導入した2000年ごろ、その儀式を辞めた時期があったのですが、途端に鯨が獲れなくなってしまった。結局再び儀式を行っていますが、まさに神話的世界ですね。
 
―――当時石川さんが取材し、写真を撮ったのが伝説のラマファ、ハリさんでした。
石川:取材で「誰が一番優れたラマファか?」と聞いても、みなが素晴らしいという人たちなので取材する側としてはやりにくく、彼らにとっては和を乱さないという考えがあるわけです。そこで取材をしたのがハリさんでした。撮影時で70歳を過ぎていましたが、手足が本当に大きく、筋骨隆々の体つきをされていた。当時から映画を作りたいと思っていたので、撮影素材を『くじらびと』に取り入れることができてよかったです。
 
 
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■鯨漁をする側の視点だけでなく、鯨側の視点で見ることにより獲得した普遍性

―――くじら獲りの際、水中での撮影がとても迫力がありましたが、どのように撮影したのですか?
石川:実は一番安全なのは鯨の背中。鯨が弱って動かなくなってきたとき、僕が鯨の背中に捕まって撮りました。僕が撮りたかったのは鯨の目で、なぜ目かといえば、先ほどの4年目に初めて鯨が獲れたとき、陸揚げされた鯨が泣いたんです。断末魔の叫びのような声で、もうびっくりしました。今までは海の上の人間の物語ばかり撮ってきたけれど、海の中の鯨の物語も撮らなければいけないと気が付いたのです。鯨の感情がどこにあるかといえばやはり目で、この映画自体も「目」がキーワードになっています。目をつむる、目を開けるという鯨自身の目だけでなく、途中で鯨を獲る時に「目を見るな」という話も挿入されます。捕鯨の映画は概して一面的ですが、鯨漁をする側の視点だけでなく、鯨側の視点で見ることにより、ある種の普遍性をこの物語は獲得すると実感しました。
 
―――舟作りの名人、イグナシウスの息子、ベンジャミンが漁で事故死という悲劇は映画でも大きな転換点となります。
石川:2018年、クルーを入れて本格的に撮影を始めてからです。僕のビザが切れ、一時的に現地を離れた時にその事故が起きてしまった。他のクルーは現地に残っていたけれど、気を遣って撮影をしていなかったので、ここは撮りに行かなければダメだと促しました。僕もすぐ駆けつけ、僕が撮るならとご家族も了承してくださった。東日本大震災でも同じですが、その時には複雑な思いがしても、後々撮影したことを感謝してくださる。どこまで人と人との付き合いを通してフォローができるかですね。
 
 
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■村の未来を象徴する少年、エーメン

―――とても笑顔の素敵なエーメン君は最初主役になるように見えましたが、どのように出会ったのですか?
石川:最初は前作の『世界でいちばん美しい村』のように子どもが主人公で、子どもの目線で見るような形にしようと、エーメン君が主人公だと思って追いかけていたんです。でもドキュメンタリーって思い通りにならないもので、ただ先ほどのベンジャミンの事故が起こってから、だんだん主人公がベンジャミンの兄、デモに変わっていくわけです。
この村自身も他の地域と同様にグローバル化や変化の波が押し寄せ、危機に直面しているのです。映画でもエーメンが鯨捕りになりたい一方で、両親は大学への進学を勧めようとしますが、エーメンのような子どもたちの未来は、村の未来を象徴しています。反捕鯨の動き以上に、グローバリズムによって取り去られようとしている村の文化や信仰がある中、エーメンはただ映画にとって癒しの存在だけではなく、ラストで村の未来を象徴し、群像劇の意味ができたと思っています。
 
実は今後、エーメンを主人公にした続編を考えています。3年後の15歳にエーメンは進路を選択しなくてはならない。もう一人、エーメンと同年代で、有名な名ラマファの孫がいるので、この二人を対比させて村の未来を考えていける作品にしたい。やはり文化の多様性は必要ですし、地域の文化はグローバリズムの中で消えていくなら、大きな損失です。貴重な文化の終焉を見届けるという思いと、そうならないでほしいという思いを込めて撮っていきたいですね。
 
―――後半、デモが父イグナシウスから舟作りを習い、村民が協力して新しい鯨舟を作るシーンが非常に印象的です。冒頭、まさかこの舟で鯨を獲るのかと思っていましたが、この作業を見ると、舟に込められた魂のようなものを感じますね。
石川:近代的な船を作ったら逆に鯨の一撃で壊れてしまうでしょう。左右非対称というのも知恵ですし、「舟は生きている」という考えがあり、それを伝え続けるイグナシウスがいる。彼は伝統の権化のような人で、編集をしていくと彼の語りが素晴らしいので、気がつくとイグナシウスがナレーションと言ってもおかしくないぐらいに登場してもらっています。彼のような人がいなくなると、村の伝統は薄まってしまうかもしれません。
 
―――後半の鯨漁は息もつかせぬ緊迫感と、それぞれの役目を果たす人たちの連携ぶりが見事でしたが、その中で撮影するのは至難の技では?
石川:待ち時間が長いのでずっと頭の中でシミュレーションをしていました。まず、鯨がドンときた時に振り落とされないようにする。また舟ごと水の中に持っていかれることがあるので、どうやってカメラを守るかもシミュレーションしました。もう一つ、鯨がきた時にカメラを守ると撮れないので、水を浴びたらカメラがダメになるけれど、タイムラグを利用してとにかく撮る。1番舟は鯨を突くとやることがなくなるので、2番舟に移るのですが、僕も水に飛び込んで泳いでいって。その舟は再建するために僕も援助をした舟で、乗組員とも仲がよかったので、仕方ないなと乗せてくれ、僕も前に行って鯨の頭を撮ったり、自由にやらせてくれたんです。綱を避けなければ、足を大怪我したり、命を落とすこともあるのですが、誰も危ないと注意してくれない。「梵なら大丈夫だろう」って(笑)
 
 
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■作品が世代を超え、現地に還元できる

―――この作品は、現地の方に観ていただいたのですか?
石川:まだこれからですね。僕が最初に行った頃は誰も行ったことがないですが、最近は日本のテレビからBBCまで多くのメディアが入って撮影するだけ、誰も再訪しないので撮り逃げ状態です。それは良くないので、今回行った時も過去の映像を見せると、「亡くなったおじいちゃんが映ってる」とか「若い頃の知り合いがいる」とみんな喜んでくれるんですね。また2010年現地を訪れたとき、反捕鯨の動きがあり、外部からの揺さぶり(網漁やクジラウォッチングの症例)もあり、随分村が揺れていたのです。ラマデラ村はそれに抵抗し、存続したのですが、その時、村の古老に「お前が昔撮った村の映像を見せてやれ。今は自分だけがいいという風潮になっているが、昔は皆が村のためにと一つになっていた」と言われたのです。僕は日本や世界に、ラマデラ村のことを紹介するつもりで映像や写真を撮っていたけれど、僕の作品が世代を超え、現地に還元できると気づき、衝撃を受けました。
 
やがてはなくなるかもしれない鯨漁を、現地で世代を超えて残せるのではないかということは、今回映画を作るモチベーションになりました。だから丹念に取材しましたし、時間もかけましたが、この映画だけでなく、この映画の裏にある映像資料も含めて、現地の方にとっても貴重なものになると思います。
(江口由美)

<作品情報>
『くじらびと』(2021年 日本 113分)
監督・撮影・プロデューサー:石川梵 
出演:エーメン、イナ、ピスドミ、アガタ、フレドス、イグナシウス、デモ他
2021年9月3日(金)~なんばパークスシネマ、シネ・リーブル梅田、神戸国際松竹、MOVIXあまがさき、京都シネマ にて絶賛公開中。
 
公式サイト⇒https://lastwhaler.com/  
(C) Bon Ishikawa
 

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 2021年11月オープンの 《TOHOシネマズ セブンパーク天美》に、2つの関西初サウンドシアターが誕生します。

“プレミアムシアター”&“轟音シアター” 導入決定!

 

TOHOシネマズ株式会社は 2021 年 11 月に「セブンパーク天美※」内に出店する「TOHOシネマズ セブンパーク天美」において、関西初となる“プレミアムシアター”“轟音シアター”の導入を決定しました。

「セブンパーク天美」は、株式会社セブン&アイ・ホールディングスが大阪府松原市にオープンする売場面積 4.5 万㎡を誇る南大阪エリア最大級の商業施設です。
(所在地:大阪府松原市天美東 3 丁目 500 番地)



関西初 TOHOシネマズ独自規格の“プレミアムシアター”

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ハイスペックな 3 つの要素(プレミアムラージフォーマット、プレミアムサウンド、プレミアムシート)を兼ね備えたTOHOシネマズ独自規格のハイパフォーマンスシアターです。東京 3 劇場、熊本 1 劇場に続く 5 番目の導入劇場として決定しました。

 


天美-premiam-240-1.jpg① 独自規格のラージスクリーン “TCX®”

TOHOシネマズ独自規格による「TCX®」は、左右の壁いっぱいまで拡大された巨大スクリーンです。大迫力の映像を巨大スクリーンに映し出すことで映画館ならではの圧倒的な映像体験を実現します。
 


② カスタムオーダーされたプレミアムスピーカーシステム

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TOHOシネマズセブンパーク天美のシアター形状に最適化した形でスピーカーをカスタマイズすることで、コンサートホールのようなプレミアムサウンドを実現します。国内有数のホールにカスタムスピーカーの納入実績を持つ㈱イースタンサウンドファクトリーと㈱ジーベックスのコラボレーションが良質な音響空間を創り出します。


③ 映画鑑賞を格上げするプレミアシート

TOHOシネマズセブンパーク天美では、当社初の試みとなる特別席の導入を計画しています。プライベート空間が確保された広々とした座席は、ラグジュアリーな非日常を演出し、映画への没入感をより高めることになります。
 


 

関西初 空気を震わせるサウンド体験 “轟音シアター”

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「音の体感・迫力あるサウンド」を意識したシアターです。スピーカーユニットを向かい合わせで駆動させることで通常の 1.5 倍~2 倍のパワーを発揮するアイソバリック方式を採用したサブウーハーを導入します。TOHOシネマズ以外では体験できない、空気を震わせる体感型サウンド・シアターを実現します。TOHOシネマズ池袋(東京都豊島区)、TOHOシネマズ立川立飛(東京都立川市)に続く 3 番目の導入劇場として決定しました。


天美-pos-550.jpgオープニングポスター

「呪術廻戦」初の映画化となる「劇場版 呪術廻戦 0」(12 月 24日(金)公開)とTOHOシネマズセブンパーク天美のコラボレーション・オープニングポスター。当劇場で導入される関西初の“プレミアムシアター”と“轟音シアター”。プレミアムな映画体験か、身体に響く衝撃体験か、ここでしか体験できない「劇場版 呪術廻戦 0」があります。


新型コロナウイルス感染予防措置について

TOHOシネマズでは営業に際し、お客様と従業員の安全を確保するため、感染予防に向けた取り組みを徹底し、安心して映画をお楽しみいただける環境づくりに努めてまいります。


(オフィシャル・リリース)

 
 

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『岬のマヨイガ』オリジナル《そえぶみ箋》プレゼント!

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◆提供:アニプレックス

◆プレゼント数:5名様

◆締め切り:2021年8月31(火

公式HP: https://misakinomayoiga.com/

 

2021年8月27日(金)~全国ロードショー


 


 

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居場所を失った 17 歳の少女・ユイ。彼女がたどりついたのは、どこか懐かしさと共にあたたかみを感じさせる、海の見える古民家“マヨイガ”だった。それは、岩手県に伝わる“訪れた人をもてなす家”というふしぎな伝説。血のつながりがない新しい家族たちとの、ふしぎだけど温かい共同生活が“岬のマヨイガ”で紡がれていく。

主人公・ユイを演じるのは自らも 17 歳になる国民的女優・芦田愛菜。映画史に残る傑作『千と千尋の神隠し』の原案となった『霧のむこうのふしぎな町』の著者・柏葉幸子が描き出す、心が優しく包み込まれる、ノスタルジック・ファンタジーがいま始まる―。


misakinomayoiga-sub-500-1.png.jpg<STORY>
ある事情で家を出てきた 17 歳のユイと、両親を事故で亡くしたショックで声を失った 8 歳のひより。居場所を失った二人は、ふしぎなおばあちゃん・キワさんと出会い、海を見下ろす岬に建つ、ふしぎな古民家“マヨイガ”に住むことに。なりゆきでキワさんについて来てしまった二人だったが、訪れた人をもてなす伝説の家“マヨイガ”、そしてキワさんの温もりに触れ、それぞれ傷ついた心は次第に解きほぐされていく。

そんなある日、“ふしぎっと”と呼ばれる優しい妖怪たちがキワさんを訪ねてきた。彼らは町で相次ぐ怪奇現象を調べるため、キワさんに力を貸しにきてくれたのだった。ふしぎっとの存在と共に、キワさんは昔からこの地に伝わる伝説“アガメ”のことを語り出す。人々の悲しい思いを糧に大きくなっていくという“アガメ”と、人々を陰から守る存在“ふしぎっと”。新しく見つけた居場所と、自分のまわりの優しい人々を決して傷付けたくないと強く思うユイ。ユイとひより、そしてキワさんは、それぞれの過去を乗り越え、大切な居場所を守ることができるのだろうか―。
 



【原作】「岬のマヨイガ/柏葉幸子」(講談社)※2016 年野間児童文芸賞受賞作
【監督】川面真也(「のんのんびより」「サクラダリセット」)
【脚本】吉田玲子(「のんのんびより」「SHIROBAKO」「若おかみは小学生!)
【キャラクター原案】賀茂川(京都市交通局「地下鉄に乗るっ」プロジェクト)
【音楽】宮内優里(「リトル・フォレスト」「グッド・ストライプス」)
【主題歌】羊文学「マヨイガ」
【アニメーション制作】davidproduction(「ジョジョの奇妙な冒険」「はたらく細胞」「炎炎ノ消防隊」)
【配給】アニプレックス  【製作幹事】フジテレビョン
【コピーライト】©柏葉幸子・講談社/2021「岬のマヨイガ」製作委員会
【公式サイト】https://misakinomayoiga.com/

2021年8月27日(金)~全国ロードショー


(オフィシャル・リリースより)

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■日時:7 月24 日(土) 10:00の 回(上映終了後30分間)

■登壇者: 阿部寛(あべ・ひろし/57)、リー・シンジエ(マレーシアよりオンライン/英語名:アンジェリカ・リー/45)、トム・リン監督(台湾よりオンライン/45)
※オンラインでの参加でスクリーンに映し出された状態です。リアルの登壇ではございません。

■場所:ユーロスペース(東京都渋谷区円山町1-5 KINOHAUS 3 階)


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三つの時間軸からなる幻想的でミステリアスな歴史ラブストーリー

大阪アジアン映画祭のオープニングを飾り、

上映後には拍手が鳴り響いた話題作がついに公開


2020年の大阪アジアン映画祭のオープニング作品を飾り、上映後には客席から拍手が巻き起こったマレーシア映画『夕霧花園』がついに日本国内にて本公開を迎えます。

日本ではあまり語られることのない第二次世界大戦におけるマレーシアの歴史と共に、一組の男女の切ない恋が紐解かれていきます。

1950年代、イギリスの植民地となったマラヤ(現在のマレーシア)で、不穏な空気が流れる中、亡き妹の夢である日本庭園造りに挑んだヒロイン・ユンリンと日本人庭師・中村が出会ったことで物語は動き出す。マレーシアのキャメロンハイランドの美しい景色を舞台に、第二次大戦中、後の1940年代・1950年代と近代の1980年代の三つの時間軸からユンリンを通して描かれていく。

この度、初日舞台挨拶がユーロスペースにて開催され、作品にかける思いを主演の阿部寛さん、リー・シンジェさん、トム・リン監督の3人がオンラインでの出演で語ってくれました。その模様を下記にてご紹介いたします。
 



Q:まずはご挨拶と初日を迎えての感想を一言ずつしますお願いいたします。

阿部寛さん 「オリンピックも始まってお忙しいなかご来場ありがとうございました。この作品は3年前にマレーシアで撮影しました。暑い中、9ヶ国のキャストとスタッフが集まって集中して作りました。いよいよ日本で公開されるということでうれしく思っています」


リー・シンジエさん 「(日本語で)はじめまして、こんにちは。(阿部に対して)こんにちは阿部さん、お元気ですか。観客の皆さん映画を観に着て頂いてありがとうございました」


トム・リン監督 「ご覧になっていただいた観客の皆さんに感謝します。この作品がどういうメッセージを伝えようとしているのかご覧なればわかると思います。とにかくポジティブでプラスのエネルギーを皆さんにお伝えしたいと思います。」

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Q:本作が皆さんにとって初のタッグだったかと思いますが、過去作・過去の出演作などからそれぞれ他のお2人の印象はどんなものでしたか?また、実際にお会いしてみてその印象はかわりましたか?

阿部寛さん 「トム・リン監督は人間を深く描いていて優しさに満ち溢れている作品を撮られて、本作も形は違って戦争の話しですけども。シンジエさんは、現場で緊張すると思ってご本人の作品は見ないでいました。現場では気を使っていただいてさし入れもたくさんもらいました。監督も集中力と特別なこだわりを持って撮影に挑んでいる姿が印象に残っています」


リー・シンジエさん 「お二人と会ってほんとうにラッキーで、すごく期待していました。日本の俳優さんとお仕事をしたこともなかったですし、ほんとうに貴重な機会をいただきました。みんなで同じ方向を向いて、まるで事前の了解があったかのようでした」

 

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Q:映画では秘密を守り通す有朋の姿が印象的でした。皆さんが秘密にしていることはございますか?

阿部寛さん「そうそう、マレーシアで撮影していてそれも夜だったんですが、監督に言ったら怒られるかも知れないんですが。大きな照明をたいていたら、マレーシアは昆虫が多くて、大きなカブトムシが飛んできて、それを何匹か捕まえて控室に連れて行ったんです(笑)」


リー・シンジエさん「そうですね。撮影で休憩を取っていたら、阿部さんのマネジャーが来てと言うので阿部さんのところに行ったらカブトムシがいたんですね。わたしは昆虫が苦手で、肌の上にカブトムシがいるのはちょっと…(笑)」

 

Q:阿部さんからご来場の皆様に最後にメッセージをお願いいたします。

阿部さん「この映画を観てどう感じましたでしょうか? ほんとうに戦争は悲しいものだなと実感しました。戦争自体がむなしいものであってどちらかが加害、被害というのはないのが戦争なんだと思います。いま様々な形で社会が分断されている状況ですが、この映画を観て深く何かしら深く考えていただければと思います」
 



監督:トム・リン
yugirikaen-pos.jpg出演:リー・シンジエ 阿部寛 シルヴィア・チャン ジョン・ハナー ジュリアン・サンズ デビッド・オークス タン・ケン・ファ セレーヌ・リム
製作:Astro Shaw & HBO Asia
原作:タン・トゥアンエン 脚本:リチャード・スミス
撮影:カルティク・ビジェイ 美術:ペニー・ツァイ・ペイリン
衣装:ニーナ・エドワーズ
ヘアメイク:ニッキー・グーリー、ビビー・チャウ
特殊メイク:カレン・タン、グレース・チョン
編集:スー・ムン・タイ 音楽:オン・サン
2020/マレーシア/120分/カラー/ビスタ/5.1ch
提供:マクザム、太秦 配給:太秦
後援:在京マレーシア大使館 協力:大阪アジアン映画祭
字幕:川喜多綾子 字幕監修:山本博之
ⓒ2019 ASTRO SHAW, HBO ASIA, FINAS, CJ ENTERTAINMENT  ALL RIGHTS RESERVED
公式サイト:http://yuugiri-kaen.com

2021年7月24日(土)~渋谷ユーロスペース、8月13日(金)~シネ・リーブル梅田、近日公開~京都シネマ、元町映画館 ほか全国順次公開
 


(オフィシャル・レポートより)

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 保護犬を助けるために奔走する“犬バカ”な若者たちを描く篠原哲雄監督(『影踏み』)の最新作『犬部!』が、7月22日(木・祝)よりTOHOシネマズ梅田、TOHOシネマズなんば、OSシネマズミント神戸、MOVIX京都他全国ロードショーされる。
 
 片野ゆかのノンフィクション小説「北里大学獣医学部 犬部!」(ポプラ社刊)を原案に、「犬は愛情を食べて生きている」(光文社)をはじめ、犬と猫の命をテーマにした映像作品・書籍を数多く手がける山田あかねが脚本を担当。
動物保護活動を行う大学の「犬部」創設メンバーで、一匹の犬も殺したくないと獣医学部の生体を使った外科実習を拒み、卒業後は動物病院で診療の傍ら保護犬を救う道を選ぶ颯太役に、林遣都。犬部の部員で颯太とは違い、犬にとって最悪の場所である動物愛護センターを変えることで保護犬を救う道を選ぶ、同級生の柴崎役に中川大志が扮し、それぞれの道で保護犬と向き合う様子を暖かくもリアルに映し出す。
同級生の犬部メンバーに大原櫻子、浅香航大が扮し、学生時代と、社会人になり、それぞれの現場で壁にぶつかりながらも、新たな犬部のようなつながりを作り上げていくさまは、人との関係が希薄になっている今、希望の光にも映る。保護犬の実情や、現場の疲弊ぶりもつぶさに捉え、改めて人間と動物との関係、飼うことを選んだ人間の責任を考えたくなる、今ここにある題材に目を向けたとも言える作品だ。
本作の篠原哲雄監督にお話を伺った。
 

 

 

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■犬との思い出と颯太のモデル、太田快作さん

――――篠原監督ご自身も若いころ、犬や猫を飼っていたそうですね。
篠原:僕が高校時代から飼っていたのは、ロクという黒い犬で、自主映画時代の題材はロクの散歩中に考えていました。今から思うと、毎晩必ずやっていたロクとの散歩は自分をリセットしたり、物を考える貴重の時間になっていました。どんなに遅くなろうとも必ず家に帰っていたし、ロクも僕が帰ってくるのをずっと待っていましたね。
 
――――まさに青春時代を共に過ごした相棒だったんですね。今回映画の原案本や、颯太のモデルになった太田快作さんにお会いになり、どんな印象を受けたのですか?
篠原:犬を飼っていたのは1980年代で、犬は庭につないで飼うのが当たり前だし、番犬がわりという時代でした。僕は家の中で飼うことに違和感があり、庭で飼うのがちょうどいい距離感でしたが、太田さんを見ていると、治療中も飼い犬のハナコがそばにいて治療を見ているんです。そう考えると、犬というのはかなり濃密に付き合わなければいけない動物なのかなと思いますし、常に犬と一緒に生きている太田さんは凄いなと。
 
――――映画では獣医学部の颯太が外科実習を拒否するシーンもありました。
篠原:太田さんは大の犬好きですが、今のような活動をするに至ったきっかけは、獣医学部時代に外科実習をなぜしなければいけないのか。なぜ生きている犬を殺さなければいけないのかと思ったことなのです。映画でも描いたように、外科実習用に託された犬が逃げたところを林くん演じる颯太が保護したものの、一度学校の人に引き取られてしまい、その犬を渡してしまったことを後悔し、でもその犬が颯太のもとに戻ってきたので、大学の教授も特例として手続きを踏んだ上で颯太が飼うことができたというエピソードは原案にもありますが、太田さんの自伝(著者は本作の脚本、山田あかねさん)「犬は愛情を食べて生きている」にも書かれています。脚本で山田さんが書いたエピソードは彼女が過去に携わったさまざまな犬に関する調査などで得た見識や実例からうまくチョイスしてくれています。一方、中川大志くんが演じた柴崎は外科実習もやらざるを得ないと思っていた人ですが、ドラマとしてバディを狙っていたので同級生という設定になりました。でも柴崎のような苦悩を背負った人物も確かに存在していたようです。
 
――――映画では犬部結成時の大学時代と、現在の2つの時代が描かれますが、これは映画オリジナルですか?
篠原:プロデューサーの近藤あゆみさんから『犬部』映画化を企画するにあたり、2003年の犬部結成が過去の回想ではなく、現在と過去をそれぞれブロックで脚本に組み込んでいく狙いでいきたいと聞きました。学生時代と現在を地続きのように描写していくことに興味を覚えましたね。
 
 
 
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■林遣都、中川大志の役へのアプローチは?

――――林遣都さんが演じる颯太、中川大志さんが演じる柴崎、ともに本当に犬を愛している様子が伝わってきましたが、キャスティングの経緯は?
篠原:クランクインは2020年7月でしたが、2019年終盤に林遣都くんのキャスティングがまず決まり、これでちゃんと映画になるなと思いました。それまでは本当に撮れるのか、いつスタートするのか決まっていませんでしたから。林くんが決まり、相手役で真っ先に候補に上がったのが中川大志くんでしたが、彼も本当に忙しく、スケジュール調整が難しかった。でも林くんとは同じ事務所の先輩後輩で、ふたりともこの作品をやりたがっているということで、多分お互いにスケジュールを調整してくれたのでしょうね。奇跡的にふたり一緒に撮影できる日程を抑えることができました。もし中川くんが無理だったら、全然違う映画になっていたでしょう。
 
――――ふたりの役へのアプローチが真逆だったそうですね。
篠原:林くんは「犬を一匹も殺したくない」と保護活動に入り込む役、中川くんは同じことを目指すにしても違うアプローチをしていく役ですが、ふたりの俳優としての資質で言えば、二人ともそれぞれにアグレッシブですが、中川君の役作りにおいてはエキセントリックに入りこむ場面があり、そこは自分を鼓舞するくらいの集中力が必要。林くんも自分の信念を貫く役柄ですので、かなり自分を追い込んでいったと思いますが、どこか自分を客観視しているクールさを感じました。中川くんにも自分を客観視するものはもちろんありますが、そういうアピローチの違いが垣間見れて面白かったですね。
 
 
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■リアリティを求める俳優と、試行錯誤を重ねた現場

――――犬を一匹でも多く助けるという目標は同じでも、真逆の方法を選んだふたりが対峙するシーンも見どころです。
篠原:今回は林くんと中川くんのふたりの芝居が多く、学生時代の青森県十和田市で撮影したものも多かったのですが、俳優としての資質として、ふたりは設定の背景にあるものを考えたり、彼らなりにリアリティを欲するのです。例えば卒業式のあと、颯太が「一緒に動物病院をやらないか」と柴崎を誘いますが、「違うアプローチをするよ」とわかれていく大学時代のある種の決別シーンがあります。どんな状況でそんな話をするのか考えてみると、卒業式で後輩たちが祝ってくれているなか、肝心の話をしなくてはならないわけで、当初の脚本では「犬部控え室で犬を世話しているときに」と書かれていました。「世話」というのはどんなことをするのか、それが演出に求められることで、最終的には颯太と柴崎、それぞれが犬をと散歩し、颯太は柴崎が帰ってくるのを待つという設定に落ち着いたものの、そこに到るまで結構いろいろなことをふたりと話しているんです。最初僕は、ワンカットで二人が歩きながら話をするのを流れるように撮りたいと言っていたのだけど、やりだすと、やはりきちんと止まって話をする必要性を感じ、設定自体をきちんと見直したりしながら、現場で試行錯誤を重ねていましたね。
 
――――犬たちの名演技と、犬と共にいる林さん、中川さんの自然な演技が作品にリアリティを与えていますね。
篠原:一番最初に秋田が逃がしてしまった犬、ミックは元野良犬で、まさに爪を立てて怯えていたんです。林くんは青森に先行して入り、まずミックと戯れる時間を作ってくれたので、林くんだけに懐くようになっていました。中川くんも少しはコミュニケーションを取ってくれたけれど、林くんほど懐かないようにうまくふたりで計算してくれているんですね。犬に関わる役を演じるという時点で、演じる上でのスタンスが普段とは違っていたのだと思います。犬を通して役に入り込むことが大事だったので、そこをきちんとやってくれているなと思って見ていました。颯太と柴崎がバディであるだけでなく、それぞれが自分の飼い犬とバディであるということを、すごく忠実に演じてくれましたね。
 
――――映画では颯太たちが行う保護犬の譲渡会のシーンもありましたが、篠原監督は参加したことがありますか?
篠原:何度か行ったことはありますし、行くと飼いたくなるのですが、犬を託す側は犬の個性をきちんと教えてあげなくてはいけないし、託される側も本当にきちんと飼えるかどうかを見られるわけです。だから、実際に譲渡する前に何度か対面するというシステムなんですね。保護犬や保護猫を飼うのはいいことだけど、それを今の自分の環境できちんとできるかどうかは別問題なので、諸条件をまずは整えていくことができなくてはいけないのだろうなと思います。
 
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■ある種の現実を切り取ることが大事な作品

――――私自身、ペットを飼ったことはありませんが、人間と動物との関係や、自分が正しいと思ったことを貫く力など、いろいろな気づきを与えてくれる作品ですね。
篠原:僕も最初オファーを受けるとき、単に犬や猫を愛でるような映画だったらイヤだなと思ったんです。この作品は、犬が人間に尽くしまくるような献身的な姿を描くことである種の感動をもたらせるという映画ではありません。たまたま犬の題材ですが、世の中の矛盾や違和感に対して異を唱えていく若者の話だと捉えることもできるでしょう。映画は時に、ある種の現実を切り取ることが大事であるということに自分自身が気づく作品になったとも思っています。
(江口由美)
 

<作品情報>
『犬部!』
(2021年 日本 115分)
監督:篠原哲雄 
原案:片野ゆか「北里大学獣医学部 犬部!」(ポプラ社刊) 
出演:林遣都、中川大志、大原櫻子、浅香航大、田辺桃子、安藤玉恵、しゅはまはる、坂東龍汰、田中麗奈、酒向芳、螢雪次朗、岩松了
7月22日(木・祝)よりTOHOシネマズ梅田、TOHOシネマズなんば、OSシネマズミント神戸、MOVIX京都他全国ロードショー
公式サイト → https://inubu-movie.jp/
(C) 2021『犬部!』製作委員会
 

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2021年7月10日(土)  会場:梅田ブルク7

ゲスト: 茂木欣一(FISHMANS・リーダー)、手嶋悠貴監督
 



梅田ブルク7他にて絶賛公開中の『映画:フィッシュマンズ』の公開記念舞台挨拶が、7月10日、大阪・梅田ブルク7で行われ、FISHMANS・リーダーの茂木欣一、監督を努めた手嶋悠貴が登壇した。(以下敬称略)


満席の会場から溢れんばかりの拍手に迎えられた茂木は、「ありがたいことに満席にもなって、本当に胸がいっぱいです。今日はこの会場に来てくださってありがとうございます。」と挨拶した。


fishmans-bu-500-1.jpg大阪の印象を尋ねられた茂木は、「東京スカパラダイスオーケストラでは何度も大阪へは来てますが、2019年9月の” OTODAMA'18-'19~音泉魂~”がFISHMANSとしては、お客さんと直に触れ合った最新のライブでした。ライブ会場にいたよ~って方いますか?」と尋ねると、客席から多くの方の手が上がった。「あの記憶が鮮明にまだ残っているので、大阪の皆さんと会えてすごく嬉しいです。」

手嶋監督も「もしかしたら映画で使うかもしれないと思い会場でカメラを回していました。」とライブへ参加していたことも明かした。


fishmans-bu-240-2.jpg自身もクラウドファンディングに参加した司会の土井コマキ(FM802 DJ)から、「クラウドファンディングで資金を集めて映画を作るのは、なかなか思い切った決断では」と尋ねられた茂木は、

「ファンの人たちやFISHMANSを気になっている人たち、その期待にこらえられる映画を作ればいいんだなと思った。本当に作りたいFISHMANSの映画を作る事ができるという場所だと思っていたけど、ただどれくらいの資金が集まるのかもわからなかった。それでも本当にたくさんの協力があって、こうして今日を迎えれてただただ嬉しくてしょうがない。ただ、自由にやれるんだという意味では責任もすごく大きかった。監督は製作するにあたってFISHMANSの歴史を、半年ぐらいかけてすべて勉強してくれた。いま一番フィッシュマンズに詳しい人(監督)が関係者へインタビューしているという、その絶対的な信頼関係が、この映画を作る事に関して大きかったですね。」と思いを告げた。

 

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それを受け、どのような映画になって欲しいかと尋ねられた手嶋監督は「僕と同じようにFISHMANSの後追い世代の方たちがいるかもしれないですが、次10年後、20年後にFISHMANSに出会った人たちが「どういうバンドなんだろう?」と思った時に、この映画が残っていれば、また次の世代の人たちもFISHMANSに出会えるんじゃないのかと思って作っていました。」

 

最後に、手嶋監督は「クラウドファンディンクから約3年、たくさんの皆様にお待たせする形になりましたが、大阪の皆様にも本作を届けることができて感謝しております。」と感謝を述べ、

茂木は「FISHMANSの映画でありつつ、みんなの映画であるように思います。これからもFISHMANSの音が皆さんの生活の中で響いていくような感じで、この映画も響いていったらいいなと感じています。本当に胸がいっぱいです。ありがとうございます。」と締めくくった。
 


 

 『映画:フィッシュマンズ』 

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2021年製作/172分/G/日本
監督:手嶋悠貴
企画・製作:坂井利帆
撮影:山本大輔
配給:ACTV JAPAN、イハフィルムズ
(C)THE FISHMANS MOVIE 2021

公式サイト:https://fishmans-movie.com/

 

 梅田ブルク7、T・ジョイ京都、アップリンク京都 ほか絶賛公開中!


(オフィシャル・レポートより)

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公開記念舞台あいさつのご報告

駒井蓮 感極まる!
 


・2021年6月26日(土)  

・グランドシネマサンシャイン 池袋(豊島区東池袋一丁目30➖3キュープラザ池袋)

【登壇者】  駒井蓮(20)豊川悦司(59)横田真悠(21)中島歩(32)古坂大魔王(47)

       ジョナゴールド(20)、横浜聡子監督(43)



大ベストセラー『陽だまりの彼女』の作者である越谷オサムによる同名の青春小説を原作とし、駒井蓮と豊川悦司が父娘役で出演する『いとみち』が公開記念舞台あいさつが、全国公開翌日6月26日(土)に行われました。

9ヶ月間の猛練習の末、津軽三味線の演奏シーンを演じきった主演の駒井蓮(青森県平川市出身)を始め、豊川悦司、横田真悠、中島歩、古坂大魔王(青森市出身)、ジョナゴールド(りんご娘※弘前のダンス&ボーカルユニット)、横浜聡子監督(青森市出身)の7名が登壇しました。

監督、駒井、古坂、ジョナゴールドの4人が生粋の青森県人でもあり、津軽弁トークでわきあいあい。

また、最近起きた「わいは!」(津軽弁で驚いた)な出来事をフリップに書いて発表しました。
 


 

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<トークリポート>

 

 

9ヶ月間の猛練習の末に津軽三味線の演奏シーンに挑んだ駒井は「すごく難しくて、途中でやめてやろうと思ったときもありました。でもなんとか諦めずにできた」と熱演報告。父親役の豊川から「演奏シーンは三味線の熱量がガンガン響いてきた。音楽の力、音色の強さ、それに改めて驚きました」と称賛されると、「照れます。豊川さんは本当のお父さんのように接してくれました」と初共演を喜んでいた。

 

 

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豊川には津軽弁セリフはないが「あるシーンのセリフで『なまっている!』と思った」と青森出身の駒井がいうと、古坂も「あの豊川悦司ですよ?港区にしかいてはいけないような人です。豊川さんが津軽弁を喋るというのは、トム・クルーズが日本語を喋ることと同じ」となまりのあるセリフに驚き。無意識だったという豊川は「かつて青森弁で芝居をしたことがあり、津軽弁を聞くと当時のことが思い出された。リズム的は好きな方言です」とその理由を推察していた。

 

 

 

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横田は「撮影中に駒井さんのご両親がリンゴジュースを差し入れてくれて、それが本当に美味しかった。どこに売っているのかを聞いたら撮影地の近くのスーパーに置いてあったので、すぐに買って自宅に送りました」と嬉しそう。中島は「女性陣の方々が仲良くしてくれて、この撮影は今までの仕事で一番楽しかった。駒井さんは青森時代にリンゴを齧りながら田んぼ道を自転車で走っていたというエピソードを聞かせてくれたり、横田さんは韓国のコスメ事情を教えてくれたりしました」と和気あいあいの撮影を回想。

 

青森出身の古坂は「幼少期からお笑い芸人を目指していたので、地元でもほとんど標準語で過ごしていました。なので津軽弁での芝居の方法がわからなかった。でもいざやってみたら自然な感じでできたので今後はすべての仕事を津軽弁でやります!僕はウソをつきません!」と謎の宣言で笑わせた。長編映画初出演のジョナゴールドは「普段はメンバーがいて常に4人でいるのが当たり前だったので、一人での現場は心細かった。自分が人見知りであることを初めて知りました」と慣れない環境に照れ笑い。

 

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地元・青森を舞台にするのはこれで4度目の横浜監督は「青森は人も優しく、どこを歩いても面白い。撮影時期もリンゴの季節だったので、どこを切り取っても絵になった。その景色をそのまま飾らず、ナチュラルな形で撮ろうと思った」とこだわりを明かした。

 

また出演者の一人である黒川芽以からはビデオレターが届いた。「(駒井の)役なのか自分自身なのかわからないくらい頑張る姿を間近で見ていたので、撮影中はずっと応援したい気持ちでいました」と黒川から打ち明けられた駒井は「私が主演とはいえども、皆さんに支えていただいた。それをふと思い出しました」と思わず涙していた。

 

また「わいはな出来事」(驚いた出来事)について聞かれた駒井は「ライブシーンで演奏する曲が決まったのは撮影の1週間前。撮影中も滞在先のホテルで自主練をしました」と根性報告。その駒井の三味線演奏が「わいはな出来事」という豊川は「駒井さんが素晴らしい!」と再び絶賛していた。

 

最後に主演の駒井は、念願の全国公開に「素敵な方々と作り上げることのできた作品。青森を舞台にした映画ではありますが、どの故郷にもあるような景色が映っている映画。全国公開を機に大きく広がるように頑張ります」と大ヒットに期待を込めていた。
 


【ストーリー】

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主人公の相馬いとは、津軽三味線が得意な青森・弘前市の高校生。津軽三味線を弾く時に爪にできる糸道に名前の由来を持つ。濃厚な津軽弁訛りにコンプレックスを持ち話すことが苦手で友人も少ないが、芯はじょっぱり(意地っ張り)。一大決心をして津軽メイド珈琲店でのアルバイトをはじめたことをきっかけに、祖母、父、バイト仲間たちに励まされ、16歳のいとは成長していく。

 

監督・脚本:横浜聡子 
原作:越谷オサム『いとみち』(新潮文庫刊) 
音楽:渡邊琢磨
エグゼクティブプロデューサー:川村英己 
プロデューサー:松村龍一 
撮影:柳島克己 美術:布部雅人 塚本周作 
照明:根本伸一 
録音:岩丸恒 編集:普嶋信一 音響効果:渋谷圭介 
スタイリスト:藪野麻矢 ヘアメイク:澤田久美子 
助監督:松尾崇  制作担当:大川哲史
協力:青森県弘前市 青森県北津軽郡板柳町 青森県平川市 
企画協力:新潮社 制作プロダクション:ドラゴンロケット 
宣伝:Lem 配給:アークエンタテインメント
製作:アークエンタテインメント 晶和ホールディング 日誠不動産 RAB青森放送 東奥日報社 ドラゴンロケット
ⓒ 2011 越谷オサム/新潮社 ⓒ2021『いとみち』製作委員会 上映時間:116分  
公式サイト:www.itomichi.com

6月25日(金)よりテアトル梅田、イオンシネマシアタス心斎橋、京都シネマ、26日(土)より元町映画館にて公開中!


(オフィシャル・レポートより)

 

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昭和の劇場を彩った「⼀週間の芸術」!

⼤阪の映画絵看板を映画館マップ・作品解説ともに紹介!


株式会社トゥーヴァージンズ(東京都千代⽥区)は、2021 年 6 ⽉ 16 ⽇(⽔)に、昭和の映画絵看板を作品解説とともに総覧できる『昭和の映画絵看板 〜看板絵師たちのアートワーク〜』を全国の書店にて発売します。
 


★いまや貴重な写真 1,000 枚の中から、選りすぐりの 300 作品を掲載!

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映画全盛期の昭和 30 年代を中⼼に、かつて映画館や劇場街には巨⼤な「⼿描きの絵看板」が掲げられていました。⼀週間ほどで掛け替えられる絵看板は、その華やかさと儚さから「⼀週間の芸術」とも⾔われていましたが、映画があまりにも⽇常的であったためか、現存する記録写真は僅かしかなく貴重な資料となっています。


本書は、⼤阪の通称「ミナミ」と呼ばれる難波、道頓堀、千⽇前周辺で絵看板を⼿がけていた⼯房「不⼆⼯芸」で奇跡的に残されていた貴重なアーカイブから、国内外の名作絵看板写真を紹介! 保存されていた 1,000 枚にものぼる記録写真から、厳選した300 枚を全作品解説つきで掲載。映画絵看板の写真を通して戦後の映画史を展望することができます。

(【シェーン』(1953)スバル座)


昭和史と映画作品を⼀望できる年表、昭和 35 年の⼤阪・千⽇前のマップなど、多彩なコンテンツが満載!

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激動の時代・昭和を、映画史とともに年表化! 社会情勢と映画が相互に影響を与えあっていた戦後から昭和末期の時勢が理解できるだけでなく、⽂化的観点からも当時の⽇本を⼀望できます。ほかにも、かつて看板絵師として活躍していた職⼈へのインタビューや昭和 35 年の⼤阪・千⽇前の「タイムスリップマップ」を収録。映画が最⼤の娯楽であった当時の⼈々の⽣活を、多⾓的な視点から眺めることができます!

(『東京オリンピック』(1965)東宝敷島劇場/敷島シネマ)


是枝裕和監督の映画ポスター制作でも知られる、葛⻄ 薫⽒がアートディレクションを担当!

本書のアートディレクションは、是枝裕和監督「海よりもまだ深く」の宣伝制作や「サントリーウーロン茶」などの広告制作で知られる、⽇本を代表するアートディレクター・葛⻄ 薫⽒が担当しています。⼈の⽬を惹きつける要素をふんだんに詰め込みデザインされた映画絵看板とは対照的に、その芸術がもっとも引き⽴つように、緻密に整えられたシンプルなデザインが魅⼒の本書。時代を超えたクリエイティブのヒントやアイデアを豊富に得られる⼀冊です。
 


《作品紹介例》

○第1章 昭和 20 年代の映画看板 1947-1954

『シンデレラ姫』『別離』『硫⻩島の砂』『若草物語』『凸凹海軍の巻』『ジャンヌ・ダーク』など

○第2章 昭和 30 年代の映画看板 ① 1955-1959

『⼗戒』『⽇本誕⽣』『べビイドール』『標⾼ 8125 メートル マナスルに⽴つ』『エデンの東』など

○第3章 昭和 30 年代の映画看板 ② 1960-1964

『太陽がいっぱい』『⻄部に賭ける⼥』『敵は本能寺にあり』『キングコング対ゴジラ』『マイ・フェア・レディ』など

○第4章 昭和 40 年代の映画看板 1965-1972

『東京オリンピック』『メリー・ポピンズ』『パリは燃えているか』『ドリトル先⽣不思議な旅』『⾵と共に去りぬ』など

○第5章 昭和 50 年以降の映画看板 1975-1987

『男はつらいよ 寅次郎⼣焼け⼩焼け』『007/ムーンレイカー』『⾥⾒⼋⽝伝』『スター・ウォーズ』など
 


《書籍情報》

『昭和の映画絵看板 〜看板絵師たちのアートワーク〜』

監修:岡⽥ 秀則
企画:貴⽥ 奈津⼦
アートディレクター:葛⻄ 薫

発売⽇:2021 年 6 ⽉ 16 ⽇(⽔)
定価:本体価格 2,700 円(+税)

仕様:A5/並製/モノクロ 320P・カラー32P
ページ:352 ページ

ISBN:978-4-908406-62-1


《企画情報》

貴⽥ 奈津⼦(きだ なつこ)

主に⽇仏間でアーティストのエージェント業務に携わり、広告や出版の仕事が多い。訳書に『フィリップ・ワイズベッカーの郷⼟玩具⼀⼆⽀めぐり』(⻘幻舎)、著書に『絵本のつくりかた〈2〉 ―フランスのアーティスト 10 名が語る創作のすべて』(美術出版社)などがある。


《武部好伸のシネマエッセイ番外編!『昭和の映画絵看板~看板絵師たちのアートワーク~』紹介はこちら》


 

(オフィシャル・リリースより)

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