「京都」と一致するもの

aono-ran-b-550.jpg“風雲児“天海祐希参上!『ゲキ×シネ「蒼の乱」』満場の女性ファンを前に舞台挨拶

(2015年5月12日(火)18:00~梅田ブルク7にて)


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・(2015年 日本 2時間48分)
・演出:いのうえひでのり  脚本:中島かずき
・出演:天海祐希、松山ケンイチ、早乙女太一、梶原善、森奈みはる
・2015年5月9日(土)~梅田ブルク7、なんばパークスシネマ、MOVIX堺、T・ジョイ京都、MOVIX京都、神戸国際松竹、MOVIXあまがさき ほか全国ロードショー
・公式サイト⇒ http://www.aonoran.com/
・(C)2015 ゲキ×シネ「蒼の乱」/ヴィレッヂ・劇団☆新感線

 


 

★ゲキ×シネ『蒼の乱』天海祐希に女性客殺到

 

《劇団☆新感線》の舞台を映画で見せるゲキ×シネ最新作『蒼の乱』(中島かずき作、いのうえひでのり演出)で主演を務めた天海祐希が12日、公開中の大阪・梅田ブルク7で舞台挨拶を行い、女性ファンで満杯の客席から熱い声援を受けた。

aono-ran-500-1.jpg『蒼の乱』は35周年を迎えた《劇団☆新感線》が“驚愕のスペクタクル”と銘打って昨年春、大阪、東京で上演された。天海祐希のゲキ×シネ出演は4年ぶり3度目。“将門の乱”で有名な伝説の武将・平将門(たいらのまさかど)の激動の一生を描いた壮大な歴史ファンタジー。将門に新感線初参加の松山ケンイチ、大王に大ベテラン平幹二朗。天海は将門と結ばれる蒼真役で、強くて凛々しい鮮烈なヒロインを演じた。


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――― お待たせしました。天海祐希さんです! (花柄の赤いレオナールのワンピース姿で登場)

天海:『蒼の乱』を見て頂けるのは本当に幸せです。舞台を見て頂いた方も、ゲキ×シネで見て頂く方も、両方楽しんで頂けると思います。

――― 今日のお客様で昨年の舞台を見た方はどれぐらいいらっしゃいますか?
(挙手多数)天海さん、去年の公演、覚えていますか?
天海:去年の思い出…ウーン、一生懸命だった!(笑)。あとは…いか焼きをどうしても食べたくなって、1枚から届けてくれるところがあって、終演後に食べましたね。

――― それが舞台公演の楽しみ?
天海:ええ、何回か頼みました。舞台は、とにかく頑張りましたね。ゲキ×シネの映像でも、ダイレクトに(お客様に)届いてくれるでしょう。

―――「劇団☆新感線」の舞台はいかがですか?
天海:新感線の魅力は、引きで見ると、もの凄いプロ集団だけど、ちょっと近寄ると、放っといてくれない、愛すべきおせっかいな人たちです。客席で新感線見ると悔しくなります。出演していると、みんなとても頼もしいです。古田(新太)先輩は早い段階で見て下さって、“良かったよ”って言って下さいました。

aono-ran-b-3.jpg――― 相手役が“新感線”初参加の松山ケンイチさんでしたが?
天海:とてもいい意味での田舎っぽさが出ている(笑)。ほんと、いい意味なんですよ(笑)。あんなに牧歌的な大きさを感じさせてくれる、風や空の匂いを表現できる人は他にいません。それでいて、笑うと心を締め付けられるように愛おしく感じさせるんです。彼のおかげで自分の役を自然に演じられました。

――― 蒼真役と天海さんの共通点は?
天海:ありません(笑)。そんなこと考えたことありません。反乱なんかしたことありませんし。

aono-ran-b-2.jpg――― 舞台は同世代の高田聖子、森奈みはるらも一緒だったが?
天海:同い年の女の子の会話をしていましたね。最近何食べてる?とか肌の調子はどう?だとか、終わった後3人で人間ドックに入りました。みんなで“行こうか”ということで。

――― 改めて見どころというと?
天海:全部です!誇りを持って完璧だと思ってやってますから。敢えて言うと、開演からしばらくして3人で逃げるシーンがあって、そこに流れ星が流れるんです。そこは何回やっても泣きそうでした。ケンちゃんは最初、センターが分からなかったんですよ。“どういう人や!?”と思ってたけど(彼は)忘れちゃうんですよね~。

aono-ran-b-4.jpg―――ゲキ×シネの魅力とは?
天海:何でそういうこと聞くんだろう? どこ行っても聞かれる。1年前の私には、これが精いっぱいだったなあと思えたのですが、1年後に見てみると“まだまだ行ける”と。それがあるから“まだやれる”と思えるのです。完璧と思ってしまったら、それでおしまいじゃないですか。マスコミの皆さんもそうじゃないですか。
私たちの仕事が、皆さん方の潤いになるなら嬉しいですね。歌あり、踊りあり、笑いも涙もあるので、楽しんで頂けたらと思います。新感線はお稽古中で、今日は初の通し稽古だそうです。私が代表して“元気ですよ!”とお伝えに参りました。皆さんに楽しんで頂いて、また新感線と一緒に仕事出来ることを祈っています。また大阪の舞台でお会いしたいですね。

 


 【ゲキ×シネ『蒼の乱』】
aono-ran-500-2.jpg強く美しい女戦士・蒼真(天海祐希)と、坂東の草原の匂いを放つ純粋で無垢な青年・将門小次郎(松山ケンイチ)は、自由への憧憬と渇望を抱き、手を取り合って激動の時代へと飛び込んでいく。だが、国家を揺るがす大乱はすでに西海で起こりつつあった。

瀬戸内の大海賊・伊予純友(粟根まこと)は、西海と東国の二つの辺縁の地で蜂起し、都の政(まつりごと)を揺るがそうと考えていた。無垢な小次郎に惹かれる蒼真には、不安がよぎっていた。

一方、都の朝廷から海賊討伐の命を受けた弾正淑人(梶原善)は瀬戸内に向かう。東国の草原に戻った小次郎が見たのは、飢えに苦しむ民の姿。国司の妻・邦香(森奈みはる)と小次郎の叔父たちは私腹を肥やすことに精を出していた…。


 (安永 五郎)

 

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戸田恵梨香「幅広い女性に共感いただける映画」、大泉洋は「離婚したい人の後押しに」で大爆笑『駈込み女と駆出し男』舞台挨拶@大阪ステーションシティシネマ(2015.4.24)
登壇者:原田眞人監督、大泉洋、戸田恵梨香
 

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今より2倍もの離婚があったという江戸時代に、離婚を望む女たちが駈込む寺があった。政府公認の縁切り寺を舞台に繰り広げられる、新しい人生を夢見る女たちとそうはおかない男たちの運命は?井上ひさし原作の『東慶寺花だより』を『わが母の記』の原田眞人監督が映画化。原田監督が俳優として出演した『ラスト サムライ』の舞台にもなった姫路・円教寺の厳粛な佇まいや、日本の四季を織り交ぜながら、ユーモアや艶っぽさのある人情時代劇に仕立て上げた。
 
大阪ステーションシネマで行われた先行上映会の舞台挨拶には、原田眞人監督をはじめ、
主役の戯作者志望医者見習い・信次郎を演じた大泉洋と、鉄ねりのじょごを演じた戸田恵梨香が登壇。姿を現した途端、会場からは「洋ちゃん」コールが巻き起こる人気ぶりで、最初から会場に熱気があふれた。最後まで笑いっぱなしだった舞台挨拶の模様をご紹介したい。
 

 
<最初のご挨拶>

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大泉:こんにちは。大阪の皆さんのじわじわと盛り上がってくる感じがいいじゃないですか。ありがとうございます。まず皆さんに観ていただいて、大いに宣伝していただければと思います。この後、アホみたいにしゃべろうと思っていますので、どうぞ楽しんでいってください。
 
戸田:この作品は幅広い女性たちに共感していただける作品だと思います。きっと男性は「こんなことをしてはいけないんだな」とか「女性にはこうした方がいいんだな」ということが分かるし、もう少し女性が(一人で)立っていけるような時代になればいいなとこの作品を観て思いました。楽しんでいただければと思います。
 
原田監督:素晴らしいキャストとスタッフに恵まれて、初めての時代劇を本当に思い存分撮ることができました。主役の大泉さんと戸田さんに感謝、感謝です。今日は皆さんに十分に楽しんでいただきたいと思います。
 
 

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―――初めての時代劇ですか?
原田監督:出演する方では12年前に『ラスト サムライ』で悪役を演じましたが、姫路の円教寺と巡り合い、今回、東慶寺のメインの舞台として使わせていただいています。
 
―――関西を中心に撮影されたそうですね。
大泉:京都、滋賀、奈良のあたりですね。京都で撮ると聞いていたので、京都のホテルに詰めていたのですが、京都と言ってもほとんど滋賀か奈良でしたね。毎日毎日ものすごい移動でした。
 
原田監督:伸次郎の出番は奈良が多かったですね。奈良の柳生街道を歩いてもらったり。
 
大泉:あの山の中ですか?寒くて、寒くてね。京都の松竹撮影所でカツラを被って、そこから車で移動すると、だんだんズレてくるんですよ。また直さなくてはいけなくて。
 
戸田:ホテル変えてほしかったですね。
 
―――戸田さんは兵庫のご出身ですが、姫路の円教寺の撮影はいかがでしたか?
戸田:行ったことがあるかもしれませんが、記憶になくて。でも神戸にこんな素晴らしいところがあるんだと、誇らしい気持ちになりました。
 

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―――原田監督は今回大泉さんとお仕事をするのは初めてだったそうですが、実際に仕事をしてみていかがでしたか?

原田監督:今日はサービス精神が旺盛ですが、すごく真面目で天才的な俳優、芝居はすごいです。僕が彼を初めて観たとき(舞台『ドレッサー』)、楽屋へ行って、時代劇の主役を是非してほしいと伝えて、脚本を送ったのです。

大泉:びっくりしましたね。観に来ていただいてすぐに、脚本と主演のオファーをいただいたので、「私で大丈夫かしら」と。ワクワクするような江戸時代の活気に溢れた脚本で、アホみたいな長ゼリフがあって、よほど断ろうかと思いましたが(笑)。やってみると楽しくて。
 
原田監督:全てが絵になって。大泉さんの場合、NGを出すとそれが絵になって、脚本よりも良くなるんですよ。
 
大泉:それを言うと、どこがNGか分かるじゃないですか!NGを使うんですよ、この人(会場大爆笑)。堤真一さんに「(原田)監督はNG使うからな。気を付けた方がいいよ」と言われていたのですが、バッチリ使われました。ですから、どこかな?と楽しみながら観ていただければ。
 
―――戸田さんとも初めてだそうですが、原田監督から見てどんな女優さんですか?
原田監督:今回は二人の全く性格も育ちも違うヒロインがいます。もう一人の満島ひかりの方はコテコテに作っているのですが、戸田さんの場合はそのまんまの自然児で出てねとお願いしました。戸田さんは舞台『寿歌(ほぎうた)』の演技が素晴らしかった。その時の堤真一、橋本じゅんと全員が本作に出演しています。撮影している最中に、すごい目力だなと思いました。彼女の見た目で作品を作っていけるなという感覚が、途中からどんどん出てきましたね。
 
―――撮影中辛いことはなかったですか?
戸田:いやあ、寒さとの闘いでしたね。2月から4月まで撮影させてもらいましたが、着物で、しかも素足だったので、素足で冬を過ごすのは辛かったです。
 
<最後のご挨拶>

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原田監督:僕自身映画を作っていく中で、逆境を生き抜くという、辛い思いや悲しい思いをした人が生きていくドラマにすごく惹かれます。時代劇の場合は、女性は生きているだけで虐げられていた部分があります。今回大泉さんが演じる主人公は戯作者見習いとして弾圧されており、今の時代とどこか通じるところがあります。戸田さんや満島さんが演じた役も、駈込み女は本当に辛い思いをしながら、いかに自分の道を開くために努力し、女たちの連帯でそれを勝ち取っていくという話です。ですから、今を闘う女性たちや、家庭で虐げられた男性たちに共通する部分があると思います。この映画を観た後清々しい気持ちになって劇場を出て、それが自分の生きていく明日につながるような作品になってくれればと思います。是非、応援してください。
 
戸田:今日は久しぶりに家族や親せきが見に来ていて、ずっとソワソワしています。久しぶりに照れくさいなと思ってこの場に立っているのですが、時代劇といえば堅いなとか難しいというイメージがあるかもしれません。そうではなくて、もっと新しい時代劇になっていますし、楽しんでいただけると思います。今日はありがとうございました。
 
大泉:そうですか・・・。戸田さんのご家族がいると思うと、少し緊張してまいりました。おかしなことを言えないなと(会場笑)。私は大阪のことが大好きでして、今日も大阪のテレビにいっぱい出ました。「ミヤネ屋」にも出まして、「何回くるねん」と言われました。前回は1分でしたが、今回はビシッと40分も出ました。離婚特集で、夫婦離婚度チェックもやらされ、結局妻への不満を書く羽目になりましたが、宮根さんも、かなり気に入ってくださいました。先ほどは戸田さんと「マルコポロリ」に出て、ポロリバスにここまで送ってもらいました。このように、大阪では何でも出たいと頑張っております。
 
本当に見どころ満載の映画となっておりまして、今まさに、会場の中に家庭が上手くいっていない方、離婚したい方が多いでしょう(会場大爆笑)。そんな方のちょっとした後押しになればと思っております。どんどんみなさん離婚していただいて、新しい人生を目指していただければと思います。この映画を観て、たくさん宣伝してください。今日はみなさん、ありがとうございました!ありがとう!また会おう!僕のNGシーンを観て、ここだ、ここだと言わないように!
(江口由美)

 
<作品情報>

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『駈込み女と駆出し男』
(2015年 日本 2時間23分)
監督:原田眞人 
原作:井上ひさし『東慶寺花だより』新潮文庫刊
出演:大泉洋、戸田恵梨香、満島ひかり、樹木希林、山崎努、堤真一、武田真治、キムラ緑子、内山理名、陽月華他
2015年5月16日(土)~丸の内ピカデリー、新宿ピカデリー、大阪ステーションシティシネマ、なんばパークスシネマ、神戸国際松竹、OSシネマズ神戸ハーバーランド、MOVIXあまがさき、TOHOシネマズ西宮OS、MOVIX京都他全国ロードショー
公式サイト⇒http://kakekomi-movie.jp/
(C) 2015「駆込み女と駆出し男」製作委員会
 
<ストーリー>
江戸時代、縁切り寺として名高い東慶寺には、様々な事情で離縁を求める女たちが、駆け込んでくる。顔に火ぶくれを持つじょご(戸田恵梨香)や、堀切屋(堤真一)の囲われ女だったお吟(満島ひかり)は、聞き取りをする柏屋で戯作者志望の医者見習い・信次郎(大泉洋)に出会う。信次郎は、さまざまなトラブルに巻き込まれながら、訳あり女たちの人生の再出発を後押ししていくのだったが・・・。
 
 

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「めっちゃ面白いから、見てな!」永作博美が関西弁でアピール~『夫婦フーフー日記』舞台挨拶
@大阪ステーションシティシネマ(2015.4.21)
登壇者:佐々木蔵之介、永作博美
 

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17年間友だち、1年ちょっと夫婦、そして9ヶ月だけ母親だった病死のヨメが、突然現れる!?闘病ブログから生まれた清水浩司の「がんフーフー日記」(小学館刊)を、『婚前特急』の前田弘二監督が映画化。死んだはずのヨメが現れ、残されたダンナと夫婦の軌跡を振り返る設定にし、ブログでは書かれなかった夫婦の想いが溢れる、ファンタスティックかつコミカルな感動物語が誕生した。
 
 

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ヨメ亡き後、息子・ペーの子育てと仕事に一人奮闘するダンナ演じる佐々木蔵之介と、妊娠後に発覚した悪性腫瘍と闘いながら、最後まで明るく前向きに生きたヨメ演じる永作博美の掛け合いもピッタリ、アラフォー夫婦ならではの新婚なのにしっくりくる感じがいい。幻影として現れたヨメと、二人の出会いから結婚、出産までを見つめなおす過程は、思わぬ真実が明らかになったり、言えなかった想いが溢れてくる。
 
 

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そばにいるパートナーを大事にしたくなる『夫婦フーフー日記』の先行上映舞台挨拶が大阪ステーションシティシネマで行われ、ダンナ・コウタ役の佐々木蔵之介とヨメ・ユウコ役の永作博美の“フーフー”が揃って登壇。関西出身の佐々木は「大阪の観客は反応がすごく早いので、舞台をするのが楽しい。これだけ払ったから、元をとってやろうと思っているので、楽しい反面シビアだなと思う」と早速観客から笑いを誘うと、2月に大阪で舞台を行ったばかりの永作は「みんなで楽しもうと来てくださっていることが分かるので、安心してお芝居や映画を紹介できる。私もお客さんと交流できて、うれしい」と笑顔で応えた。

大阪つながりで、グルメの話題になると、突然佐々木から「IKY食べた?」と振られ、永作がキョトンとする場面も。大阪名物いか焼き(IKY)のことだと分かると、永作は「いか焼きも、たこ焼きも食べましたね。ごちそうさまでした!」と粉ものグルメを楽しんだことを明かした。

 
 
 

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闘病ブログから生まれた本作については、「闘病ブログだが、割と楽しく話が進み、落ち込むのではなく、落ちたりあがったりしながら、どんどん続いていく。日常を生きていくことを頑張ろうと思える映画」(佐々木)、「脚本を見て、泣きながら笑っていた。過去の自分に、自分たちがツッコむのも新しいし、感情のひだがたくさん隠れている」(永作)と、涙あり、笑いありの物語について語った。
 
 
 
 
 
 
 

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10年前にも夫婦役で共演したという佐々木と永作は、今回の撮影では打合せもせずに、ぶっつけ本番でお互い相手の出方を楽しんだことを明かし、佐々木は「はたから見ればどうでもいいことを、二人で一生懸命話していたところも見てもらえれば」と、長年友達として共に生きてきたコウタとユウコの絶妙な掛け合いの舞台裏話を披露。
 
一方、見どころを聞かれた永作は、「二人とも20歳から演じている。撮影当日は(佐々木を)直視しないようにし、私も鏡を見ないようにした。若い時から、最後までやりきった」と夫婦の長年の歴史を演じ抜いたことを挙げ、「めっちゃ面白いから、みてな!」と観客にアピールし、会場から大きな拍手が沸き起こった。
 
 

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最後に、「闘病日記だが、それぞれがしんどい時でも、人を思い合う気持ちが入っている作品。明日からがんばろうという気持ちになってくれたらうれしい」(永作)、「とても希望にあふれた映画。周りの人、家族、パートナーを大事にし、今を大切に生きようと思える、本当に力が湧いてくる映画」(佐々木)と挨拶し、舞台挨拶を締めくくった。
 
 
大きな目をくるくる動かし、身振り手振りを交えて関西弁で大阪ステーションシティシネマのビル屋上の話をする佐々木と、落ち着いた声で、「絶対に楽しめる」と自信をもって作品のことを語る永作を見ていると、本当にコウタ・ユウコ夫妻が目の前にいるようで清々しい気持ちになった。映画ならではの仕掛けで涙あり、笑いありの夫婦の日々は、大事な人を失って、それでも前に進む勇気を教えてくれることだろう。(江口由美)
 
 
 

 
<作品情報>
『夫婦フーフー日記』(2014年 日本 1時間37分)
監督:前田弘二 
脚本:林民夫・前田弘二
原作:川崎フーフ「がんフーフー日記」(小学館刊) 
出演:佐々木蔵之介 永作博美 佐藤仁美 高橋周平 / 並樹史朗 梅沢昌代 大石吾朗 吉本選江 宇野祥平 小市慢太郎 / 杉本哲太
5月30日(土)より 大阪ステーションシティシネマ、なんばパークスシネマ、MOVIX京都、T・ジョイ京都、OSシネマズミント神戸ほか全国公開
公式サイト:fu-fu-nikki.com  
(C)2015川崎フーフ・小学館/「夫婦フーフー日記」製作委員会
 
<ストーリー>

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作家志望のダンナ・コウタ(佐々木蔵之介)は、本好きなヨメ・ユウコ(永作博美)と出会って17年目にしてついに結婚。だが幸せだったのは束の間で、妊娠とガンが発覚し、新婚生活はあっという間に闘病生活へ変わった。ヨメの病状を報告するブログを書き続けたダンナだが、入籍からわずか493日後、ヨメは息を引き取る。悲しみに暮れるダンナにブログ書籍化の話が舞い込み、念願の作家デビューへまい進するかに見えたダンナの前に、なんと死んだはずのヨメが現れて・・・。
 

bardman-pos.jpg『バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)』
オリジナルクリアファイル プレゼント!


■ 20世紀フォックス 提供

■ 募集人員: 5 名様

■ 締切:2015年4月30日(木)

2015年4月10日(金)~TOHOシネマズ シャンテ、TOHOシネマズ(梅田、なんば、二条、西宮OS)、MOVIX京都、ほか全国ロードショー
 
★作品紹介⇒ こちら
★公式サイト⇒ http://www.foxmovies-jp.com/birdman

 


 
『バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)』


本年度アカデミー賞 作品賞・監督賞・脚本賞・撮影賞 最多4部門受賞!!
アレハンドロ・ゴンザレス・イニャリトゥ監督・脚本・製作、マイケル・キートン主演の傑作コメディ映画『バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)』が
いよいよ公開!


bardman-550.jpgかつて世界的大ヒット作『バードマン』シリーズの主演ヒーロー役で一世を風靡したリーガン(マイケル・キートン)だったが、シリーズ4作目の出演を断ってから役者としても私生活でも低迷を続けていた。そこで役者としての再起をかけたブロードウェイ公演に挑戦! その大事な公演前のナーバスな状態の中、リーガンはいつしか自分に鋭く問いかける〈バードマン〉の幻影につきまとわれる。才能ある共演者の身勝手な振る舞いや、思うように集まらない製作費や離婚した妻と暮らす娘との関わりなど、追い詰められた彼の心情をバードマンが代弁しているのか、次第に幻覚か現実か区別がつかなくなる。

このリーガンを演じるのは、かつて『バットマン』シリーズで活躍したマイケル・キートン。彼自身と重なる部分も多く、ドラマの中のキャラクターなのかマイケル自身なのか、これまた区別がつかなくなる。さらに、ハリウッドスターたちの実名がポンポン飛び出すスキャンダラスな会話や業界内のマジックなど、舞台裏をリアルタイムで見ているような迫力で惹きつける。こんな危うい主人公を実体験に基づいて演じているのか、マイケル・キートンの一世一代の役者ぶりは必見だ。

息遣いや体温までも伝わってくるような求心力で人間を描出するアレハンドロ・ゴンザレス・イニャリトゥ監督の傑作が、またしても生まれた。


BiRDMAN OR (THE UNEXPECTED ViRTUE OF iGNORANCE) 
2014年 アメリカ 2時間

監督・脚本・製作:アレハンドロ・ゴンザレス・イニャリトゥ 
撮影:エマニュエル・ルベツキ
音楽:ドラム・スコア:アントニオ・サンチェス
出演:
マイケル・キートン、ザック・ガリフィナーキス、エドワード・ノートン、アンドレア・ライズブロー、エイミー・ライアン、エマ・ストーン、ナオミ・ワッツ、リンゼイ・ダンカン他

2015年4月10日(金)~TOHOシネマズシャンテ、TOHOシネマズ(梅田、なんば、二条、西宮OS)、MOVIX京都、ほか全国ロードショー

 

 

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『地球交響曲(ガイアシンフォニー)第八番』龍村仁監督インタビュー
 

~「樹の聖霊」の声を聴く日本人のマイスターたちに迫る、深遠なドキュメンタリー~

人間の命は長い歴史の中でほんの一瞬だが、樹は何百年も、いやそれ以上に生きているものもある。「樹」の精霊の声に耳を傾けるという『地球交響曲(ガイアシンフォニー)第八番』のコンセプトは、今まで一度も『地球交響曲』シリーズを観たことがない私も躊躇することなく見たいと思わせる魅力があった。
 

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今までのシリーズでは外国人3人、日本人1人にフォーカスしてきたという構成だったそうだが、今回は樹の精霊の声に耳を傾ける日本人のマイスター3人を取り上げ、東日本大震災後、彼らが樹と共に復活の一歩を踏み出すまでが描かれる。まずは、600年間眠り続けてきた能面「阿古父尉(あこぶじょう)」を復活させる『樹の精霊に出会う』。能面打、見市泰男さんが、一刃一刃精霊と向き合いながら甦らせていく様や、奈良県吉野山中の天河神社で行われる様々な神事を通して、日本人は古来から目には見えない大事なものといかに対話を重ねてきたか実感する。

 

また、『樹の精霊の声を聴く』では、ストラディヴァリウスをまるで生き物のように扱いながら修復していく様子や、東日本大震災後、震災で倒れた樹からヴァイオリン製作者の中澤宗幸さんが「津波ヴァイオリン」を制作し、奉納演奏が行われるまでも密着。樹の精霊との対話から作り出されるヴァイオリンが、さらに奏でられる音を沁みこませ、さらなる名器へと進化を遂げていくのだ。

 
そして、『心に樹を植える』では早くから海の汚れの原因が森の荒廃にあると気づいた牡蠣養殖業者・畠山重篤さんの植林運動が、東日本大震災後の気仙沼を見事に復活させていく様子を綴る。一見関係のないように見える樹が生命の循環に大きな影響を与えていることに、改めて感謝の意を表したくなる。日本人が古来から持ち続けている精神に触れるドキュメンタリー。92年の第一番から、まさにライフワークとして『地球交響曲』を世に出し続け、東日本大震災後の作品として、「復活」につながる物語を提示した龍村仁監督に、『地球交響曲』誕生のきっかけや、初公開までのエピソード、そして、「樹」にスポットを当てようとした理由について、お話を伺った。
 

■前売り券3000枚を手売りして劇場公開にこぎ着けた、『地球交響曲』公開秘話

―――今やライフワークとなっておられる『地球交響曲』ができたきっかけは?
続けようと思って続けた訳ではありません。毎回「これで終わりだ」と思って作っているので、結果として続いているのは観てくださるお客様のおかげです。第一番を作った頃は、「こんな映画にお客さんが観に来るわけがない」と映画館は一切上映してくれませんでした。結局「3000枚の前売り券をさばいたら2週間上映してあげる」という映画館が出てきたのです。映画は観られてこそ映画です。作る人と観る人との一対一の双方向の関係の中で、映像を観ながら観客が自分の中のクリエイティブな部分を動かすことによって映画は「生まれた」と言えるのです。ですから、観られる場がなければ映画とは呼べません。
 
―――では、その3000枚を監督ご自身で売り歩いたのですか?
無理だと思うでしょうが、売ることも映画作りと頑張って売ってまわりました。初めて同窓会に顔を出して、過去を振り返るのが恥ずかしいと思う自分を克服していきました。なんとか3000枚を売りきって、はじめて映画館で上映してもらったのが92年です。1年間販売活動をしました。初日、2日目以降は一度観客が減ったのですが、次第に当日券を買う人が増えてきたのです。
 
―――口コミで作品の評判が広がっていったのでしょうか?
『地球交響曲』はどういう映画と聞かれたら、説明しにくい作品です。有名な女優もでていないし、物語もないし、トマトや象がでるぐらいです。でもなぜ売れたかというと、観た人が自分で伝えにくい感覚を、この映画を観たら分かってもらえるのではないかという思いがあるからです。「あなた(友人)が観てほしいと思っているのなら」と、チケットを買ってくれたようです。あとは感動してくれるかどうかですが、ここに描かれていることは、実は日本人として生まれ、自身の深い部分では知っていることが呼び覚まされているのです。
 

■80年代に作った3分間ドキュメンタリーシリーズで、世間のニーズを確信。自発的に映画というメディアで世に問う。

―――なるほど、まず映画館で上映され、映画として成立するまでにも一つのストーリーがあったのですね。では、自然のことを考える先駆けとなったドキュメンタリー映画を制作し始めたのはなぜですか?
高尚なことではなく、私が80年代に手がけた仕事の経験からきています。当時セゾングループが一番勢いのある頃で、女性をテーマにした単発のスペシャルドラマを1社提供していました。経営者だった堤清二さんは詩人でもありましたから、ドラマを妨げてしまうような商品CMはやりたくなかったのです。セゾングループのコンセプトだった「お手本は、自然界。」が感じられるようなものを作ってほしいというご依頼がありました。低予算でという注文だったので、ドキュメンタリーの手法で世界中の人たちを取材した3分映像を88年まで全部で52本作りました。このCMは当時非常に評判となりましたが、そこで僕が確信したのは、世間はこのような手法の映像を求めているにもかかわらず、それに値する映像がないということでした。
 
―――では、全く初めての試みではなく、ある程度観客の支持を得る自信はあったのですね。
その後、セゾングループの経営が傾いたため、CMの仕事は終わってしまいましたが、映像の仕事を続けていくなら、この延長線上で何かできないかと考えました。通常、テレビドラマや映画の仕事は、会社が企画し、こちらに発注されて作ります。映像の仕事は受け身の仕事だったのです。でもこういうドキュメンタリーの内容ですから、作り上げてから世に問うという形がとれる唯一のメディアが映画だったのです。
 
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■東日本大震災からの復活に、日本人の奥底にある樹の文化からにじみ出るものが大切。

―――そうやって続いてきた『地球交響曲第八番』では、なぜ「樹」に焦点を当てようと思ったのですか?
生命体が地球という惑星に生まれて何億年も生き続けているのは、樹のおかげだということが科学的に証明されています。地球の大気圏を作っているのも植物ですし、大気中の21%が酸素であることを人口が増えてもなお保っているのは、樹を中心とした植物のおかげなのです。この『地球交響曲』シリーズは、まず人にフォーカスして、その方の生き方と、その方でなければしゃべれない言葉で綴っていきます。1本の中に外国人が3人、日本人が1人という割合でやってきたのですが、今回は東日本大震災が起こった事が非常に大きな影響を与えています。
 
―――第八番の本作では古くから「樹」の声を聴いてきた日本人のマイスターたちに密着しています。日本の「樹の声を聴く」文化を知る、貴重な体験ができました。
地球という惑星と生命体との間で一番大切なことを、日本の宮大工さんは樹に対する畏敬の念として、自分の経験の言葉でしゃべっています。もともと日本は樹の文化ですから、樹が単なる建築材料ではないという見方が強くあるわけです。樹に潜む精霊としか言いようがないのですが、それを感じ取っていろいろな文化の原点にしていく。それが日本文化の特徴です。
 
―――東日本大震災の影響を受けたとおっしゃいましたが、震災からの復活を感じさせる様々な試みが映し出されていますね。
震災後のあれだけ大きな津波は、誰かが制御できるものではありません。東日本大震災後、日本人はこんなにひどい目に遭っているのに恨むのではなく、いい方向に協力していくことができると支援をしてくれた海外の方から評価されました。本当は宇宙的スケールの中で我々が生かされているという体感が一番重要で、日本人はそれを樹との関係において、文化として持っているのです。震災以降の苦しみは、悪い奴はあいつだから、あいつをやっつければいいという浅はかな考え方では抜けられません。人知を遙かに超えた宇宙的タイムスケールで起こっていることに気付き、そういう悲劇を乗り越えるために、樹の文化の中から、何か滲み出てくるのではないかという思いがありました。
 

■制約こそクリエイションの母、少なくとも映画を作っていれば元気。

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―――樹と会話できるヴァイオリン製作者の中澤さんや、能面「阿古父尉」の復活までの様々な神事など、まさに樹に宿る神の声を、スクリーンを通して聞いているようでした。
コンセプトとしては、目に見えない、実在することは証明できないけれど木の精霊があり、それが日本の危機の時に復活し、一番大切なことに気づかせてくれる。そう思い、木にまつわる日本人の文化を表現できる人を探しました。気仙沼の漁師でありながら、樹を植える活動を続けてきた畠山さん。ヴァイオリンの名器、ストラディヴァリウスを修理するのに、樹の精霊の声をきちんと甦らせてあげようという文化的な考え方ができる中澤さん。そこから魂や音の蘇りが生まれてくることを、素直に受け止めることができる、日本人の精神的なバックグラウンド。最後にマルティン・ルターの「りんご」の言葉、「もしも明日世界が終わるなら、私は今日リンゴの木を植えるだろう」に到達できればいいなと思って、八番を作りました。一つのシーンがあるから、次のシーンが生まれる。だから編集がものすごく重要です。
 
―――編集はどれぐらいかかったのですか?
1年ぐらいですね。制約こそクリエイションの母である。それがないと、どんどん変化するだけで完成がない。なぜ『地球交響曲』を続けたのと聞かれますが、一つ終わる度に完成がないなと思うからです。もう75歳になりますが、少なくとも映画を作っていれば元気です。
(江口由美)
 

<作品情報>
『地球交響曲(ガイアシンフォニー)第八番』
(2015年 日本 1時間55分)
監督・脚本:龍村仁
出演:梅若玄祥、柿坂神酒之祐、見市泰男、中澤宗幸、中澤きみ子、畠山重篤、畠山信
2015年3月21日(土)~シネ・リーブル梅田、近日~元町映画館、京都みなみ会館他全国順次公開
公式サイト⇒http://gaiasymphony8.com/
(C) Jin Tatsumura Office Inc.

jinu-500.jpgコメディっぽくない!? 松田龍平主演のコメディ映画『ジヌよさらば~かむろば村へ~』舞台挨拶

2015年3月13日(金)18:00~大阪ステーションシティシネマにて
ゲスト:松尾スズキ(52歳)、松田龍平(31歳)
 

(2015年 日本 2時間01分)
・原作/いがらしみきお「かむろば村へ」(小学館ビッグコミックスペシャル刊)
・監督・脚本・出演:松尾スズキ
・出演:松田龍平、阿部サダヲ、松たか子、二階堂ふみ、片桐はいり、中村優子、村杉蝉之介、伊勢志摩、オクイシュージ、モロ師岡、荒川良々、皆川猿時、松尾スズキ、西田敏行
★作品紹介⇒ こちら
★公式サイト⇒ 
www.jinuyo-saraba.com  
・©2015 いがらしみきお・小学館/『ジヌよさらば~かむろば村へ~』製作委員会

2015年4月4日(土)~大阪ステーションシティシネマ、なんばパークスシネマ、MOVIX京都、神戸国際松竹 ほか全国ロードショー

 


 

~かむろば村へようこそ!金(ジヌ)捨ててこそ掴める運もある~

 

jinu-550.jpgのサムネイル画像「あまちゃん」が舞台を山村に移して再来か!? な~んて「あまちゃん」みたいなのどかでアットホームなドラマではない。監督・脚本を手掛けた松尾スズキを筆頭に、ムッツリ松田龍平を主演に、阿部サダヲ、松たか子、二階堂ふみ、西田敏行、片桐はいり、そして「あまちゃん」で人気が全国区となった劇団「大人計画」のメンバー等々、ひと癖もふた癖もあるような面々が勢ぞろい! 銀行員なのにお金アレルギーという変な恐怖症を抱えた主人公を取り巻く、東北にあるとある山村の、これまた不思議な人々の爆笑奇天烈物語である。
 

何せ予測不能の動きを見せる超個性派揃いなので、自称「神様」というじい様が現れても全く違和感がない。そこへ東京からお金を使わない自給自足の生活を求めて山村へやって来た高見武晴(松田龍平)のズレぶりが笑いを誘う。敢えて「コメディっぽくない松田龍平を起用する方がギャップがあって面白いかな」と思った監督。その計算は見事にアタリ!
 

jinu-3.jpg原作は、松尾スズキ監督が4コマ漫画家を目指していた若かりし頃、「残酷でシュール」な作風に憧れていたという〈いがらしみきお〉の「かむろば村へ」。〈赤べこ〉伝説のある奥会津の柳津(やないず)町をロケ地に選び、〈お金恐怖症〉の主人公が不思議な雰囲気の中、あれよあれよと村人の騒動に巻き込まれながら変化していく様子を活写している。役者の特徴を十二分に理解している松尾監督ならではの演出が功を奏したのだろう。


4月4日の公開を前に開催された特別上映会の舞台挨拶に、松尾スズキ監督と松田龍平が登壇。その異色コンビによる舞台挨拶も、どことなくファンタジーっぽい奇怪さで会場を沸かせていた。

以下は、舞台挨拶の詳細です。 (敬称略)


jinu-b-550-2.jpg   【最初のご挨拶】    
松田:沢山の方にお出で頂いて嬉しいです。ありがとうございます。
松尾:8年ぶりに豪華キャストで新作が撮れて幸せです。こうしたキャンペーンも頑張って行かなければと思っています。

――― 原作がコミックと言うことですが、いがらしさんのファンなんですか?
松尾:学生の頃4コマ漫画を描いていた頃からファンです。残酷だったりシュールだったりするアナーキーなところがカッコイイなと思ってました。

――― 映画化されることになってどんなお気持ちでしたか?
松尾:私が4コマ漫画家を目指していた時期に出版社をまわると、「いがらしみきおのようなマンガは要らないんだ」と言われ、挫折した思い出があります。それが巡り巡って私が映画化することになり、感慨深いものがありました。

jinu-b-di.jpg――― 主人公を松田龍平さんに決めた理由は?
松尾:いかにもコメディっぽい人を使うのは安っぽくなると思ったので、龍平君のようなコメディっぽくない人の方が落差があっておもしろいかなと。丁度その頃『舟を編む』で評価が高まっていた龍平君に出演して欲しいなと思い、コネを頼ってお願いしました。

――― 10年前の『恋の門』以来ですか?
松尾:そうです。まだその頃二十歳くらいでしたね。

――― 松田さんはどんな風に感じてこの役を演じたのですか?
松田:お金恐怖症という役は前例がなく、ファンタジーっぽい、お金が使えないなんて大変だろうなとか、後に引けないギリギリの状態を感じて演じました。

――― 松尾監督から具体的なオーダーはあったのですか?
松田:お金恐怖症という症状について測り知れないものがあったので、監督にご指導頂いて完成しました。
(それを聞いて、居心地悪そうな松尾監督)
――― 監督どうされたんですか?
松尾:今ちょっと差し歯が割れそうでした(笑)。
――― どんな指導をされたのですか?
松尾:二人で共有するイメージというものを実感として持つために、「自分の中でのイメージをこういう風にして」と言いました。

――― 大人計画のメンバーが沢山出演されていますが、最初から予定されていたのですか?
松尾:あまり若い人が出てこない映画なので、20年来のメンバーがTVや映画で活躍し丁度いい使い処になってきて、共通認識を持ってひとつの世界観を作るのに有効かなと思いました。

jinu-b-ryu.jpg――― 大人計画の皆さんとの共演は如何でしたか?
(またもや松尾監督が不測の動きをして松田龍平を笑わす)
松田:現場ですか?どうでしたっけ?
松尾:忘れないで下さい。
松田:笑いが絶えない温かい感じでした。個性的で面白く、「素」のような感じで、ホント面白い!

――― 場所は?
松尾:ファンタジックな感じもリアルに思えるような場所は、奥会津の柳津(やないづ)町です。有名な「赤べこ」発祥の地です。赤いべこが何かを助けたという伝説があって…
松田:長くなりそうですか?「べこ」って何ですか?
松尾:牛だよ!有名な「赤べこ」だよ!伝説の「赤べこ」がいたとか、いなかったとか?

――― 町の皆さんはとても協力的だったのでは?
松尾:様々なお年寄りが分け隔てなく出てくる映画でして、お年寄りをいっぱい見られるのがポイントです。集めるのも大変なのですが、そもそもそこにいっぱい居るということがラッキーでした。

――― 大阪のイメージは?
松尾:大阪公演の際には大体京橋界隈に出掛けるのですが、朝から飲んでいるおじさんと、朝から飲んでいるおねえさんと、出勤する人々が行きかう風景を見ていて「いいな」と思いました。
――― 大阪の人はお金について細かいですからね。大阪の人にはぴったりの映画だと思いますが?
松尾:そうですね。でも、ラストには「何すんねん!」と言われそうですが!?

jinu-b-ryu-2.jpg――― 松田さんは如何ですか?
松田:大阪に来ると、無駄に緊張してしまいます。笑いに厳しいというイメージがあって、余計なことをすると「シーン」となるのでは?と。
(手拍子をする松尾監督)(笑)
――― なんですか、それ?
松尾: “ラッスンゴレライ”やってくんないかなと思って。
松田:やらないですよ!(笑) 今は楽しい雰囲気で映画を見て帰って頂けたらいいなと思います。

【最後のご挨拶】
松田:ギリギリの武晴と、個性的で面白い村人を、声を出して楽しく笑って帰って頂けたら嬉しいです。今日はどうもありがとうございました。
松尾:キャスト・スタッフの甚大な努力のお陰で、ステキな映画に仕上がったと自負しております。4月4日から公開されます。ご家族、ご親戚、卒業生、どんな卒業か分かりませんが(笑)、「面白かったよ!」と薦めて頂けたら有難いです。本日はどうもありがとうございました。

 


 う~ん、どことなく異次元にいるような松尾スズキ監督にノせられて、いつになくにこやかな松田龍平さん。大阪に来ても緊張することはないですよ。大阪の人は飾らない人を快く受け入れますよ。もっと大阪を楽しんでくださいね。     (河田 真喜子)

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~戦後70年の今、戦場にいるかのような衝撃を体感する塚本晋也監督入魂作~

 
第二次世界大戦末期、フィリピンのレイテ島での日本軍の惨劇を描いた大岡昇平の傑作戦争小説『野火』。59年に市川崑監督により映画化された『野火』が、戦後70年を迎えた今、塚本晋也監督により新たな体感型戦争映画としてよみがえる。
 
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長年同作の映画化構想を練っていた塚本監督が自主映画という形で完成にこぎ着けた、まさに入魂作だ。自ら監督・脚本・編集・撮影・製作を担当するだけでなく、日に日にやせ衰え、飢えと闘いながら原野を彷徨う主人公田村を全身全霊で演じている。また、リリー・フランキー、中村達也といったベテラン勢の中で、豹変していく青年兵、永松を演じる森優作の存在が光る。
 
オーディションで永松役を射止め、本作で本格映画デビューを果たした大阪出身の森優作さんに、塚本監督や塚本組の現場でのエピソード、『野火』撮影を通じて得たこと、同世代に伝えたいことについてお話を伺った。
 

―――森さんが、大阪出身とは知りませんでした。初インタビューをさせていただけて、うれしいです。
がっつり関西ですよ。もともと関西弁は強くないので、たまに地元に帰って友達と飯食べていると「(関東に)カブレてる」といじられます。シネ・ヌーヴォも九条もはじめてです。昔はよくアポロシネマに行っていました。定番の『ターミネーター』シリーズとか、当時は映画イコール洋画というイメージがあり、洋画ばかり観ていました。
 
―――どういう経緯でオーディションを受けたのですか?
22歳のときに古厩(智之)監督のワークショップに参加して映画『「また、必ず会おう」と誰もが言った。』(13)に出演したのが、映画と関わるきっかけになりました。事務所に所属せず、フリーで次にチャンレジする機会を探していた状態がしばらく続いたときに、ワークショップで知り合った友人が『野火』のオーディションを教えてくれたのです。それまで塚本監督の作品を観たことはありませんでしたが、実は僕と同じ古厩監督の作品で役者として出演されていたことを後から知りました。戦争という題材も興味があり、オーディションを受けることに決めた感じです。
 

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―――オーディションでの塚本監督の印象は?
緊張感をなくしてくれているのか、すごく柔らかいイメージの方でした。でもそのイメージの中に真逆の強い意志を持った目だけがありました。「この目、すげえ」と思って、とにかく監督の目だけを見て帰ろうと、ずっと目を見ていました。
 
―――オーディションを受かったときはどんな気持ちでしたか?
もちろん「やった!」という気持ちはありましたが、それ以上にオーディションの時に(森さん演じる)永松が自分に近いものがあるなとずっと思っていたので、自分が演じたいという気持ちがあり、この役をできるという喜びが大きかったですね。
 
―――永松のどういう部分が、森さんご自身に似ていると感じたのですか?
すごく孤独を抱えた人物ですし、永松の純粋さが逆に危うい部分を持っています。関わる人によっては、どんな道にも振られるし、無知な部分も多い。でも孤独だから誰かに頼りたいという思いがすごくある人物で、僕自身に似ていると思います。
 
―――オーディションに受かってから、クランクインまでに、塚本監督から役作りの準備で言われたことはありますか?
「痩せろ、日焼けしろ」と言われました。元々はすごく白いので、日焼けサロンに行ったりしました。あとは葉っぱをちぎって紙で巻くような昔の煙草の吸い方ですね。塚本監督からはレイテ島の闘いに関する資料が送られてきたので、それを読みましたが、自分から調べたりはしませんでした。まず自分が戦地に行ったらどうなるのかということをずっと頭に置いて、その上で永松の役を演じました。
 

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―――塚本監督をはじめ、共演者がリリー・フランキーさんと少人数の撮影ながら、ベテランぞろいで緊張はしなかったですか?
田村を演じているときはもちろんですが、現場にいてカメラを撮っているときの塚本監督も、日ごろとは全く違う感じでした。やはり、目が凄かったです。
リリー・フランキーさんは、とてもフラットな方ですね。リリーさんと話したことを思い出すと、クスッと笑えることが多いです。前半は埼玉の深谷で撮影したのですが、待ち時間にリリーさんと竹とんぼをしたときに、リリーさんはめちゃくちゃ上手なのに、僕はうまく飛ばせなくて「森君、めっちゃヘタクソだねー」と言われたのがすごく印象にあります。そこから1か月後の沖縄ロケまでに、僕はさらに役作りのため痩せなくてはいけなかったのですが、痩せてくると色々なことに敏感になって、すぐにイライラしたりしていると、リリーさんが「森君、めっちゃ疲れてるねー」と声をかけてくれたり。これも思い出すとクスッときますね。
 
―――塚本監督からはどんな演出をされましたか?
僕を理解した上で演出してくださったのだと思います。「それもいいですね。でも次はこっちをやってみましょうか」といった感じで、いきなりダメと言うのではなく、柔らかく演出してくれました。怒鳴られたりはしませんでした。
 
―――少人数で製作された自主映画ですが、現場では演じる以外にも何か手伝ったりしましたか?
空き時間に死体造詣を一緒に作りました。死体を黒く塗るのですが、スタッフさんに「森君、それ少し薄い」と言われながら、塗っていましたね。皆が試行錯誤で、手が空いている人は分からなくても自分で考えてやる現場でした。前の現場は小規模でしたが、周りに制作会社の方など、映画に関わるスタッフ以外の人も大勢現場にいました。『野火』はそうではありませんでしたが、作っているのは同じ映画ですし、前の現場よりは自分がみんなと一緒に作っているという感覚が強かったです。
 

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―――一番難しかったシーンは?
一番最初、リリー・フランキーさん演じる安田に煙草を売ってこいと言われ、塚本監督演じる田村に「煙草を買ってくれ」と迫るシーンがあるのですが、一番できなかったですね。塚本監督が求めるものと、自分が演じるものとの差が大きかったと思います。
 
―――逆に一番最後の恐ろしい形相のシーンは、順撮りなので魂が入った感じですか?
あのシーンは、特に「こうしてやろう」と考えてはいませんでしたが、田村演じる監督の目とばっちり合ってました。撮影が終わった後、ご飯を食べに行ったときに監督から「今日は疲れたね」と言われたことを覚えています。
 
―――出来上がった作品をご覧になっての感想は?
観るたびに悔しさが増していきますね。より見えてくるところがありますし、演じていたときにどんな気持ちなのか思い出して「もっとできたな」と思うことがすごくあります。
 
―――ベネチア国際映画祭でワールドプレミア上映されましたが、お客様の反応は?
「これは、戦争を描いているけれど、本当のリアルじゃないでしょ?」と海外の方がおっしゃっていたのが、印象的でした。色々な見方があると思いますが、この見方が世界のスタンダードなのかなと。僕も『野火』に出演したから戦争のことを考えるようになりましたが、そうでなければ、そのお客様と同じような印象を持つのではないかと感じました。
 
―――塚本監督に『KOTOKO』のインタビューをさせていただいた時から、『野火』の構想を少し話されていたのを覚えているのですが、ずっと温めてきてようやくという意気込みや、その意気込みをこえるぐらいの想いを現場で感じることはありましたか?
並々ならぬ想いをお持ちなのは重々承知していますが、それを周りに見せることは変にプレッシャーになることを分かっていらっしゃるので、あえてそれを前面に出さずに、周りの人に居心地の悪くならないように接していらっしゃいました。多分、塚本監督ご自身は、すごく疲れたのではないでしょうか。
 

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―――初めての本格的な映画出演が、塚本組での仕事だった森さんですが、仕事をしてみての感想は?
友達にもどうだったのかと聞かれるのですが、僕自身の中では言葉にしたくない、そっと取っておきたいという気持ちがあります。今の自分が言葉で表すのはすごく難しいのですが、絶対にかけがえのないものですし、映画というものへの関わり方や、芸術の一部である映画の本質的な部分を体験させていただいたので、幸せ者以外の何者でもないですね。
 
―――森さんから、同世代の皆さんにメッセージをお願いします。
戦争という題材は結構重たいイメージがあるので、観るのに勇気がいるかもしれません。僕も戦争を知らない世代ですが、この映画に関わらせていただき、戦争が起こったらどうなるかと考えたので、若い世代の皆さんも『野火』を観て、自由に捉えてもらいたいです。そして何でもいいので、観終わって心に残ったものを書き起こしたり、吐き出したりしてもらいたいです。映画のスタッフのほとんどは僕と同世代で、全く知らない戦争を試行錯誤しながら作りました。そういう部分も含めて、観ていただければと思います。
 
(江口由美)
 

<作品情報>
 
『野火』
(2014年 日本 1時間27分)
監督・脚本・編集・撮影・製作:塚本晋也
原作:大岡昇平『野火』新潮文庫
出演:塚本晋也、リリー・フランキー、中村達也、森優作
2015年7月25日(土)よりユーロスペース、今夏シネ・リーブル梅田、シネ・リーブル神戸、京都シネマ、豊岡劇場他全国順次公開。
※第71回ベネチア国際映画祭コンペティション部門入選作
※第15回東京フィルメックス特別招待作品
※第10回大阪アジアン映画祭特別招待作品
公式サイト⇒http://nobi-movie.com/
(c)Shinya Tsukamoto/KAIJYU THEATER
 
第10回大阪アジアン映画祭期間中は、3/8(日)21:10~※終了、3/11(水)21:10~ シネ・ヌーヴォにて上映。
 
第10回大阪アジアン映画祭 公式HP http://www.oaff.jp/2015/ja/index.html
 

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写真後列左から永田守プロデューサー、富森星元さん、近藤龍人キャメラマン、石井裕也監督、周防義和さん、大野裕之プロデューサー、原田佳則さん、浜村淳さん
写真前列左から呉美保監督、真飛聖さん、坂田利夫さん、池脇千鶴さん、綾野剛さん、菅田将暉さん、原田美枝子さん、野村周平さん、藤本泉さん
 
 
シネルフレ協賛の「おおさかシネマフェスティバル2015」が3月1日(日)、昨年までの大阪歴史博物館から場所を移し、大阪北区のホテル エルセラーン大阪、エルセラーンホールで満席の416人を集めて行われました。ハイライトの表彰式では主演男優賞・綾野剛さん、主演女優賞・池脇千鶴さんら豪華ゲストの顔ぶれの登場に歓声とため息、そして大爆笑が巻き起こり、まさに大盛況のうちに幕を閉じました。
 

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同フェスティバルは、今年から大阪アジアン映画祭から独立し、自主運営による開催となりましたが、サポーター制度導入など多くの観客の支援を受け、一般チケットも、発売から50分で完売する人気ぶりとなりました。午前の部は、高橋聰同委員長により新出発となった「おおさかシネマフェスティバル」の挨拶の後、午前10時10分から特別上映『劇場版 神戸在住』を上映。上映後には、神戸市灘区出身の白羽弥仁監督と藤本泉(新人女優賞)をゲストに迎えたトークショーが行われ、神戸を舞台にした同作の裏話が披露されました。


昼食休憩後、午後1時からの表彰式では、同映画祭の創立メンバーでもある大森一樹監督が「『おおさかシネマフェスティバル』は約30年前にぼくと高橋さんがはじめた映画祭。始めたときは20代。今、新作を撮影しているので、来年は受賞者で出席したい」と挨拶。総合司会の浜村淳が、スペシャルサポーターによる花束贈呈の際も、登壇する度に盛り上げ、ゲストも観客も笑いっぱなしの1時間半。手作り映画祭ならではの一体感で、満席の観客からも大きな拍手が送られました。様々な角度から受賞者に切り込む浜村トークで、受賞者の思わぬ素顔を垣間見ることができた表彰式の模様を、ハイライトでご紹介します!

  

<表彰式ハイライト>

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【主演男優賞】綾野剛『そこのみにて光輝く』『白雪姫殺人事件』

「台本の最初の3行だけで(これはという)匂いがした。池脇さんは何があっても大丈夫なので、安心して演じた。(『新宿スワン』で金髪スカウトマンを演じることについて聞かれ)やりたくない役を探す方が難しい」

 

 
 
 
 
 
 

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【主演女優賞】池脇千鶴『そこのみにて光輝く』

「(かなりハードなシーンが多かったのではという問いに)台本がすばらしかったので、このシーンがイヤとか、この描写イヤというのはいっさいなかった。呉監督と相談しながら、(千夏が着用する)下着の生地などを決めていった」
 
 
 
 
 
 
 
 

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【助演男優賞】坂田利夫『0.5ミリ』
 
「あ~りがとさん~吉本入ってから存在感を出さなければと思っていたら、相方がたまたま『おいアホ!』といったので、僕は怒らずに『アホや』と答えたら舞台でウケた。それで家を建てました。サクラちゃんはすばらしい演技者。台詞の練習をしようと言ってくれた。悲しい場面でも本当に泣いてくれと(安藤桃子監督が)言うので、人にだまされたことを思い出して(泣かずに)余計に怒ってしまった」
 
 
 
 
 

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【助演男優賞】菅田将暉『そこのみにて光輝く』『闇金ウシジマくん Part2』『海月姫』
 
「今の日本にはないようなちょっと場末に生きる人たちなので、まずは煙草を吸う練習をした。(呉監督は)すごく楽しくて、はじめて監督をミポリンと呼んだ。シリアスなシーンで明るくしてくれた。監督(ご結婚)おめでとう。」
 
 
 
 
 
 

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【助演女優賞】原田美枝子『ぼくたちの家族』『蜩ノ記』
 
「(演技について)昔は自分がほめられたいという気持ちが強かったけれど、今は役の人の気持ちをみんなに伝えてあげるねという気持ちで演じている」
 
 
 
 
 
 
 
 
 

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【新人女優賞】真飛聖『柘榴坂の仇討』
 
「宝塚歌劇時代に、侍役は演じたことはあったが、女性役で時代劇に出演するのははじめて。歩き方が侍っぽかったので、所作から監督に指導いただいた。人生半分以上を男役として生きたので、女役としては3年目、これから女子として生きたい」
 
 
 
 
 
 
 
 

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【新人女優賞】藤本泉『アオハライド』『小川町セレナーデ』
 
「『劇場版 神戸在住』ヒロインの桂は、私の性格とは全然違う内気でナイーブな女の子なので、演じるのに苦労した。現場の撮影でも関西弁が飛び交い、関西トークがとても楽しかった」
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 

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【新人男優賞】野村周平『日々ロック』
 
「結構裸になるシーンも多かったが、歌うときはアホになってました」
 
 
 
 
 
【監督賞】呉美保監督『そこのみにて光輝く』
「呉さんには性の匂いがしないと言われ、私が撮ったらどれだけ男と女のエロスが撮れるのかと思っていたときにこの話をいただいた。(絡みのシーンの演出は)内心はドキドキだが、綾野さんと池脇さんがとても情熱を込めてくださったので、おまかせだった」
 
【脚本賞】石井裕也監督『ぼくたちの家族』
「いろいろなジャンルの映画を企画している。(次回作は満島ひかるを起用するか?との浜村の問いに照れ笑いをしながら)前向きに検討する」
 
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【撮影賞】近藤龍人『そこのみにて光輝く』『私の男』
「(司会の浜村から、男前なので俳優をしてみてはと聞かれ)レンズより前にはでられない。2作とも同じ北海道が舞台だが、内容的にもテーマ的にも違う。それぞれどうやったら、そこに出てくる人たちが、見ている人たちによく伝わるのか考えた」
 
【音楽賞】周防義和『舞妓はレディ』
「現代だが、京都のお茶屋の話。大阪弁や京都弁のアクセントを気にして作った。作詞で京都出身の種ともこさんに、アクセントのところで印をつけてもらった。こんな作曲は初めてだった」
 
【新人監督賞】杉野希妃監督『欲望』
欠席のため、実弟で『欲望』音楽担当の富森星元氏が登壇
杉野希妃監督のメッセージ:このたびは新人監督賞をいただきありがとうございます。3年前、新人女優賞をいただいた時のことを思い出します。そのときに第二の故郷のような大阪で貰えて嬉しいと申し上げましたが、今も同じような気持ちです。『欲動』は、日本、オランダ、タイ、インドネシアと様々な文化背景を持つスタッフ・キャストが集まり、私を支えてくださいました。この作品に関わった全ての方々に感謝の気持ちでいっぱいです。この度は授賞式に参加できず、残念でなりません。1月末にオランダで交通事故に遭い、現在は国内で入院しております。『欲動』の内容と同様に生と死に向き合う経験をし、今後の人生、映画づくりも少し変わっていきそうな予感がしています。
 
【特別賞】『太秦ライムライト』
脚本・プロデューサーの大野裕之氏が登壇。
「チャップリンのライムライトを日本に置き換えて作ってみたいと打診があり、(チャップリンの)娘さんに聞いてみたら、あなたが脚本をかくのならいいと言われた。演技経験もあるので、内側から取材をして脚本を書いた」
 
 
【日本映画作品賞】『そこのみにて光輝く』(永田守プロデューサー:TCエンタテイメント株式会社)
「この映画が最初のプロデュース作品。(日本アカデミー賞で8冠を受賞した)『永遠の0』は素晴らしいと思うが、多くの興行館を持ち、広く大人から子どもまで感動させるジャンルの年間50本ぐらいの中から選ばれた作品。『そこのみにて光輝く』は昨年日本で製作された600本の中の1位で、非常に光栄に思う」
 
【外国映画作品賞】『6才のボクが、大人になるまで。』(原田佳則氏:東宝東和支社関西営業所長)
リチャード・リンクレイター監督のメッセージ:おおさかシネマフェスティバル外国語映画部門で『6才のボクが、大人になるまで。』が作品賞に選ばれたと聞き、非常にうれしく思います。最高のキャストとスタッフに代わりまして、皆さまに感謝いたします。ありがとうございます。
 
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 「そして、ボランティアスタッフの皆さま、ご協力下さいまして誠にありがとうございました。」

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『みんなの学校』真鍋俊永監督インタビュー
 

~子どもも大人も共に学び、不登校ゼロを目指す公立小学校。

その日々が映し出す“可能性”~

 

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すべての子どもに居場所がある学校を作り上げてきた大阪市立大空小学校。「自分が作る学校」を掲げ、常に自分で考え行動することを子どもたちに問い、先生も子どもたちの目線に立って、彼らの声に耳を傾け、子どもに合わせた声かけや指導を行っている。徹底的に生徒と向き合う大空小学校の一年に密着したドキュメンタリー映画『みんなの学校』。そこには、真の教育とは何か。様々な個性を認め合い、共に学び生きるという姿勢で大人も子どもも全力でぶつかるイキイキとした学びの場の姿がある。

 
真鍋俊永監督に、本作の狙いや映画化した意図、大空小学校が公立小学校でありながら、このようなきめ細かな生徒に寄り添った教育ができる理由について、話を聞いた。
 

 
━━━テレビのドキュメンタリー番組から映画化にいたった経緯は?
最初に企画を考えたのは私の妻(関西テレビ)で、色々おつきあいのある障がい者団体の方から大空小学校の話を聞き、2010年暮れから2011年3月にかけて取材をさせていただいたものを、ニュース番組の中の特集として放映しました。そのときは10分という長さだったので、その後1年間取材をさせてほしいとお願いし、妻から引き継ぐ形で私が担当になりました。僕は大阪府の担当記者時代に、府立高校の退学者問題で高校の取材をしていたのですが、当時は担当の責任も重く、学校へもあまり行けずに、短期間の取材で終わってしまった苦い経験があります。今回は、1年間小学校の取材ができ、比較的自由に撮らせてもらえるということで、結局取材チームとしては138日取材をしました。
 
━━━最初から映画を想定していたのですか? 
最初は、1時間~1時間半ぐらいのドキュメンタリー番組という想定でした。1年間で撮った素材が500時間ぐらいあり、その長さでは正直きつかったのですが、時間がとれないということで、まずは47分番組を作りました。その番組が、同年の芸術祭に出品されることになり、90分枠で放映する75分番組を作り、芸術祭大賞をいただきました。僕はもともと映画にしたいと思っていたので、そこから現在の長さ(106分)のものを作っていった感じですね。親御さんや先生方とも相談しながら、どこまでだったら出せるのかという割とギリギリのところで作ったつもりです。 
 
━━━テレビ版と映画版とどこが違うのでしょうか? 
私自身の受け止め方が違っています。一つ一つ作品を作って放映するなかで、それらに対する感想をシャワーのように浴び、なおかつ色々な段階で色々な方とお話をさせていただき、シーンの解釈も自分の中で変わってきました。使っているシーンは同じでも、そこに対するメッセージの入れ方や、どう受け止めてほしいというのは、3回編集するうちに理解が変わってきました。
 

■最初の3ヶ月でものすごく手応え。学校がこんなに自由に撮れることはまずない。

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━━━具体的にはどのように小学校での取材を行ったのですか?
朝8時ぐらいに学校に着いて、子どもたちにおはようと声をかけながら、「今日はおっちゃんたちが来ている日やな」とみんなに周知してもらいます。一日学校の中をカメラがうろうろしている間、僕は職員室で先生たちと話をしていたり、6年生にカメラが入っていたら、4年生の様子を見に行ったり、他の学年の様子を見に行ったりという形で、1年間取材していました。 最初の3ヶ月でものすごく手応えがありました。学校がこんなに自由に撮れるなんてまずありません。もっと早い段階で映像を出すこともできましたが、それにより周りからの声で取材の位置づけが変わってしまうのもいやだったので、周りからのプレッシャーも、気にしないようにしていました。 
 
━━━大空小学校校長先生のインタビューや、先生や生徒への指導ぶりから、「大空小学校はみんなで作る」という強い信念が感じられます。
校長先生以下すばらしい方ばかりで、すごい信念の持ち主です。校長先生がおっしゃっていることでも、最初僕は意味が全然分かっていなかったところがあると思います。学力調査の話から、100メートル泳げる子と全く泳げない子の話が出てきますが、あれは取材の最初の日に聞いているインタビューです。表面上の言葉としては受け止めているけれど、その言葉の意味をちゃんと受け止められたのは、最後に編集した昨年の夏で、初めて聞いてから2年ぐらい経っています。自分自身も受け止め方が変化しているのでしょうね。
 
━━━今の大阪の公立小学校は、支援を必要とする子どもは特別教室に分けられているのでしょうか。
学校それぞれだと思います。ただ大空小学校のように完全に普通学級で一緒に学ぶことは珍しいようです。何かの行事だけ普通学級に参加させるところが最低ラインだとすれば、いくつかの授業だけ一緒に学ばせたり、最初の段階に学校に来ないように、やんわりと断っているとか、子どもが結果的に登校できなくなる場合もあります。校長の権限はもともと強力なものがありますから、あえて分けることで子どもが落ち着いて勉強できていいと考える親御さんもいらっしゃるかもしれません。ただ、僕は大空小学校の方が好きですし、この映画もそういう映画ですよね。
 

■子どもは一人一人に向き合って見ていかないと、どういう成長をしているか分からない。

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━━━大阪市は学力調査の点数を学校ごとに開示していますが、本作でも学力調査のシーンが登場します。その狙いは?
学ぶことは学力調査の点数に出てくることだけではありません。そんなことは人生におけるほんの数分の一でしかないはずなのですが、それが測りやすいから指標としているわけです。でも子どもは一人一人に向き合って見ていかないと、その子がどういう成長をしているかどうか分からない。そのように受け止めてほしいというのが最大の願いですね。
 
━━━色々な児童のケースが取り上げられているので、観る側も様々な受け止め方ができますね。
校長先生は「ややこしい子が来ると、周りが伸びるからいいよね」とおっしゃいます。3年生に転校生が来るとき、「噂の彼が転校してきます」とおっしゃったあと、「でもいいやん。今3年生でややこしい子はいないから、ちょうどいいわ」。僕達から見れば、結構大変そうな子もいるように見えるのですが、「ちょうどいい。あんたら、もうちょっとがんばり」。そういう他校では問題児扱いされているような子が入ってくることで、他の児童たちも先生も成長する。それが人を育てていくことだという哲学ですよね。
 

■子どもが通学できるようになったのは、周りの見る目が変わったから。

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━━━校長先生の指導の下、その哲学が大空小学校では全員がその考えを実行しているからこそ、不登校児ゼロに繋がっているのでしょうか。
きちんと授業を成立して、終わらせるということを目指しているのなら、問題のある児童がいると、邪魔でしかないかもしれませんが、本当に学校で身に着けるべきことは何かを突き詰めると、その児童たちは絶対に邪魔にならない。途中で挿入される校長先生のインタビューは、2回目の75分バージョンを作るときに撮りに行ったインタビューです。他の学校では通えなかった二人がなぜ通えるようになったか分からなかったので、彼らが学校に再び通えるようになった理由を校長先生にお聞きすると、開校のときの話が始まった訳です。校長先生自身も開校時には「ややこしい子が来ると、周りが伸びるからいい」と思えていなかった部分もあるし、子どもが来られるようになるのは、周りの見る目が変わったからだといいます。だから一人一人がきちんと自分のものとして考える力をつけることを目指している学校なんでしょうね。全ての子どもに学習する機会を保証する学校をつくるというのがこの学校の理念で、当り前のことなのですが、その当たり前のことができていない学校がいっぱいあるのは事実です。
 
━━━チラシの裏には、監督の想いが書かれています。
皆が仲良くニコニコ暮らせることが人類の目的なのだとすれば、それを目指すには何をしていけばいいのかと考えると、色々なことがもっとシンプルに決まっていくような気がするんですよ。「目的と手段を間違ったらあかんよ」とすごく言われたのですが、成績を上げること自身にも目的があるはずですから。
 
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■今この子達のために何がいいかを先生も生徒も考える。マニュアル化は不可能。

━━━「目的と手段を間違ったらあかんよ」という言葉は、子どもたちと対峙するとき、常に意識して指導しておられるのでしょうね。
子どもにとって一番いいのは何かを考えると、おのずと対応は決まるとも校長先生はおっしゃいます。その時その時の状況を踏まえた上で、真っ直ぐに見つめて今何がいいか、今自分がいいと思うことをやっていくので、マニュアル化は不可能ですよね。また校長先生は「今までのことは古い。ルールは今から変わりました」と言い、毎度毎度がらりと変わったりします。社会でもそういうことはありますよね。いつか決まったような決まりを守るのではなく、今この子達のために何がいいかを先生は考え、子どもたちにもそれを求めているんですよね。何があったのかをとにかく問い直すのが「やりなおしの部屋」で、けんかの原因を解き明かしはするけれど、大人はジャッジをしない。とにかく考えさせるのです。
 
━━━テレビ放送後に、他の学校からかなりの反響があったそうですね。
テレビで放送したので、全国の学校関係者が見学に来るそうですが、皆「(大空小学校のようには)できない」と言うそうです。できない理由を探したら絶対にできないから、やりたいと思うのならできる方法を探していかなければ。少しずつ前に進んでいこうと思えると、何かが変わっていくと思います。
 

■映画を観て、どんどん「使ってほしい」

━━━学校関係者だけではなく、様々な問題を抱えるお子さんやその親御さんにも希望が持てる作品だと思います。
映画にしておくということはずっと残るし、上映会など映画館の公開が終わっても観ていただけます。関西テレビの番組としてだけでなく、アクセスしたい人がアクセスしやすい形にしたかった。また、大空小学校はあくまでもただの公立小学校ですから、「うちの子は学校に行きたいから、こういう学校にしてほしい」という権利を親はこの映画を証拠に他の学校に対しても行使できると思います。
また、マニュアル化はできないけれど、大空小学校のような学校を作るヒントはあるので、映画を観て、使ってほしいんですよね。もちろん最初は色々と感じてほしいと思いますが、それはどんどん使っていってもらえるようなものだと信じています。
(江口由美)
 

<作品情報>
『みんなの学校』
(2014年 日本 1時間46分)
監督:真鍋俊永 
出演:大空小学校のみなさん
2015年3月7日(土)~第七藝術劇場、4月18日(土)~神戸アートビレッジセンター、今春京都シネマ他全国順次公開。
※3月7日(土)12:10の回終了後トークショー「『みんなの学校』ができるまで」
ゲスト:真鍋俊永監督、大窪秋弘さん(撮影) 司会:関純子さん(アナウンサー)
 
※3月7日(土)14:30の回終了後トークショー「保坂展人さんと観る『みんなの学校』」
スカイプ出演:保坂展人さん(世田谷区長) ゲスト:真鍋俊永監督、大窪秋弘さん(撮影) 司会:関純子さん(アナウンサー)
公式サイト⇒http://minna-movie.com/
(C) 関西テレビ放送
 
 
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