映画祭シネルフレ独自取材による映画祭レポートをお届けします。

綾野剛、池脇千鶴、坂田利夫らゲストも観客も浜村トークで大笑い!「おおさかシネマフェスティバル2015」

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写真後列左から永田守プロデューサー、富森星元さん、近藤龍人キャメラマン、石井裕也監督、周防義和さん、大野裕之プロデューサー、原田佳則さん、浜村淳さん
写真前列左から呉美保監督、真飛聖さん、坂田利夫さん、池脇千鶴さん、綾野剛さん、菅田将暉さん、原田美枝子さん、野村周平さん、藤本泉さん
 
 
シネルフレ協賛の「おおさかシネマフェスティバル2015」が3月1日(日)、昨年までの大阪歴史博物館から場所を移し、大阪北区のホテル エルセラーン大阪、エルセラーンホールで満席の416人を集めて行われました。ハイライトの表彰式では主演男優賞・綾野剛さん、主演女優賞・池脇千鶴さんら豪華ゲストの顔ぶれの登場に歓声とため息、そして大爆笑が巻き起こり、まさに大盛況のうちに幕を閉じました。
 

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同フェスティバルは、今年から大阪アジアン映画祭から独立し、自主運営による開催となりましたが、サポーター制度導入など多くの観客の支援を受け、一般チケットも、発売から50分で完売する人気ぶりとなりました。午前の部は、高橋聰同委員長により新出発となった「おおさかシネマフェスティバル」の挨拶の後、午前10時10分から特別上映『劇場版 神戸在住』を上映。上映後には、神戸市灘区出身の白羽弥仁監督と藤本泉(新人女優賞)をゲストに迎えたトークショーが行われ、神戸を舞台にした同作の裏話が披露されました。


昼食休憩後、午後1時からの表彰式では、同映画祭の創立メンバーでもある大森一樹監督が「『おおさかシネマフェスティバル』は約30年前にぼくと高橋さんがはじめた映画祭。始めたときは20代。今、新作を撮影しているので、来年は受賞者で出席したい」と挨拶。総合司会の浜村淳が、スペシャルサポーターによる花束贈呈の際も、登壇する度に盛り上げ、ゲストも観客も笑いっぱなしの1時間半。手作り映画祭ならではの一体感で、満席の観客からも大きな拍手が送られました。様々な角度から受賞者に切り込む浜村トークで、受賞者の思わぬ素顔を垣間見ることができた表彰式の模様を、ハイライトでご紹介します!

  

<表彰式ハイライト>

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【主演男優賞】綾野剛『そこのみにて光輝く』『白雪姫殺人事件』

「台本の最初の3行だけで(これはという)匂いがした。池脇さんは何があっても大丈夫なので、安心して演じた。(『新宿スワン』で金髪スカウトマンを演じることについて聞かれ)やりたくない役を探す方が難しい」

 

 
 
 
 
 
 

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【主演女優賞】池脇千鶴『そこのみにて光輝く』

「(かなりハードなシーンが多かったのではという問いに)台本がすばらしかったので、このシーンがイヤとか、この描写イヤというのはいっさいなかった。呉監督と相談しながら、(千夏が着用する)下着の生地などを決めていった」
 
 
 
 
 
 
 
 

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【助演男優賞】坂田利夫『0.5ミリ』
 
「あ~りがとさん~吉本入ってから存在感を出さなければと思っていたら、相方がたまたま『おいアホ!』といったので、僕は怒らずに『アホや』と答えたら舞台でウケた。それで家を建てました。サクラちゃんはすばらしい演技者。台詞の練習をしようと言ってくれた。悲しい場面でも本当に泣いてくれと(安藤桃子監督が)言うので、人にだまされたことを思い出して(泣かずに)余計に怒ってしまった」
 
 
 
 
 

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【助演男優賞】菅田将暉『そこのみにて光輝く』『闇金ウシジマくん Part2』『海月姫』
 
「今の日本にはないようなちょっと場末に生きる人たちなので、まずは煙草を吸う練習をした。(呉監督は)すごく楽しくて、はじめて監督をミポリンと呼んだ。シリアスなシーンで明るくしてくれた。監督(ご結婚)おめでとう。」
 
 
 
 
 
 

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【助演女優賞】原田美枝子『ぼくたちの家族』『蜩ノ記』
 
「(演技について)昔は自分がほめられたいという気持ちが強かったけれど、今は役の人の気持ちをみんなに伝えてあげるねという気持ちで演じている」
 
 
 
 
 
 
 
 
 

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【新人女優賞】真飛聖『柘榴坂の仇討』
 
「宝塚歌劇時代に、侍役は演じたことはあったが、女性役で時代劇に出演するのははじめて。歩き方が侍っぽかったので、所作から監督に指導いただいた。人生半分以上を男役として生きたので、女役としては3年目、これから女子として生きたい」
 
 
 
 
 
 
 
 

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【新人女優賞】藤本泉『アオハライド』『小川町セレナーデ』
 
「『劇場版 神戸在住』ヒロインの桂は、私の性格とは全然違う内気でナイーブな女の子なので、演じるのに苦労した。現場の撮影でも関西弁が飛び交い、関西トークがとても楽しかった」
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 

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【新人男優賞】野村周平『日々ロック』
 
「結構裸になるシーンも多かったが、歌うときはアホになってました」
 
 
 
 
 
【監督賞】呉美保監督『そこのみにて光輝く』
「呉さんには性の匂いがしないと言われ、私が撮ったらどれだけ男と女のエロスが撮れるのかと思っていたときにこの話をいただいた。(絡みのシーンの演出は)内心はドキドキだが、綾野さんと池脇さんがとても情熱を込めてくださったので、おまかせだった」
 
【脚本賞】石井裕也監督『ぼくたちの家族』
「いろいろなジャンルの映画を企画している。(次回作は満島ひかるを起用するか?との浜村の問いに照れ笑いをしながら)前向きに検討する」
 
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【撮影賞】近藤龍人『そこのみにて光輝く』『私の男』
「(司会の浜村から、男前なので俳優をしてみてはと聞かれ)レンズより前にはでられない。2作とも同じ北海道が舞台だが、内容的にもテーマ的にも違う。それぞれどうやったら、そこに出てくる人たちが、見ている人たちによく伝わるのか考えた」
 
【音楽賞】周防義和『舞妓はレディ』
「現代だが、京都のお茶屋の話。大阪弁や京都弁のアクセントを気にして作った。作詞で京都出身の種ともこさんに、アクセントのところで印をつけてもらった。こんな作曲は初めてだった」
 
【新人監督賞】杉野希妃監督『欲望』
欠席のため、実弟で『欲望』音楽担当の富森星元氏が登壇
杉野希妃監督のメッセージ:このたびは新人監督賞をいただきありがとうございます。3年前、新人女優賞をいただいた時のことを思い出します。そのときに第二の故郷のような大阪で貰えて嬉しいと申し上げましたが、今も同じような気持ちです。『欲動』は、日本、オランダ、タイ、インドネシアと様々な文化背景を持つスタッフ・キャストが集まり、私を支えてくださいました。この作品に関わった全ての方々に感謝の気持ちでいっぱいです。この度は授賞式に参加できず、残念でなりません。1月末にオランダで交通事故に遭い、現在は国内で入院しております。『欲動』の内容と同様に生と死に向き合う経験をし、今後の人生、映画づくりも少し変わっていきそうな予感がしています。
 
【特別賞】『太秦ライムライト』
脚本・プロデューサーの大野裕之氏が登壇。
「チャップリンのライムライトを日本に置き換えて作ってみたいと打診があり、(チャップリンの)娘さんに聞いてみたら、あなたが脚本をかくのならいいと言われた。演技経験もあるので、内側から取材をして脚本を書いた」
 
 
【日本映画作品賞】『そこのみにて光輝く』(永田守プロデューサー:TCエンタテイメント株式会社)
「この映画が最初のプロデュース作品。(日本アカデミー賞で8冠を受賞した)『永遠の0』は素晴らしいと思うが、多くの興行館を持ち、広く大人から子どもまで感動させるジャンルの年間50本ぐらいの中から選ばれた作品。『そこのみにて光輝く』は昨年日本で製作された600本の中の1位で、非常に光栄に思う」
 
【外国映画作品賞】『6才のボクが、大人になるまで。』(原田佳則氏:東宝東和支社関西営業所長)
リチャード・リンクレイター監督のメッセージ:おおさかシネマフェスティバル外国語映画部門で『6才のボクが、大人になるまで。』が作品賞に選ばれたと聞き、非常にうれしく思います。最高のキャストとスタッフに代わりまして、皆さまに感謝いたします。ありがとうございます。
 
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 「そして、ボランティアスタッフの皆さま、ご協力下さいまして誠にありがとうございました。」