「京都」と一致するもの

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【映画】騙し合いバトル × 猛虎の逆襲【プロ野球】

3.26(金)同日開幕‼

阪神タイガースとの異色コラボポスター解禁!

 
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「罪の声」の著者・塩田武士が、俳優・大泉洋を主人公にあて書きし話題を集めたベストセラー小説「騙し絵の牙」(角川文庫/KADOKAWA刊)を『桐島、部活やめるってよ』『紙の月』の吉田大八監督が実写映画化!3月26日(金)に全国公開を迎えます。
大手出版社を舞台に、廃刊危機に陥った雑誌を巡って生き残りをかけた壮絶な騙し合いバトルが幕を開ける!主人公・速水にはもちろん、国民的人気俳優の大泉洋。さらには日本を代表する超豪華俳優陣が集結し、先の読めない逆転連発エンターテインメントが完成致しました。

そしてこの度、映画公開日と同日の “3月26日(金)”に、待ちに待った今期公式戦の開幕を迎えるプロ野球「阪神タイガース」とポスターヴィジュアルでのコラボが決定致しました!!

2021年『頂』を目指し開幕戦の火ぶたをきる「阪神タイガース」のペナントレースと、劇中のスリリングな展開、そして怒涛の痛快大逆転劇がオーバラップ!タイガースバージョンのポスターには、矢野監督を筆頭に、昨年リーグ2位の悔しさからの大逆転を狙い虎視眈々と牙を研ぐ虎の精鋭たちが揃い踏み。今期大注目の大型ルーキー “佐藤輝明” もしっかりと登場!いよいよ始まる猛虎の大逆襲劇と、クセモノだらけの仁義なき騙し合いバトルを描く本作の公開を強力アピール!
本コラボポスターは関西圏の松竹系列映画館にて3月1日(月)より掲出いたします。
 


■掲出劇場:大阪ステーションシティシネマ/なんばパークスシネマ/MOVIX京都/
神戸国際松竹/MOVIXあまがさき/MOVIX八尾/MOVIX堺 7館
■掲出期間:2021年3月1日(月)~
<ご提供素材>映画ポスター&阪神タイガースコラボポスター組み写真 1点
       ©2021[騙し絵の牙」製作委員会 ©阪神タイガース
 
<阪神タイガースメンバー>
最前列:糸原健斗 矢野燿大(監督) 梅野隆太郎
2列目:西勇輝 岩貞祐太 大山悠輔 近本光司
3列目:ロベルト・スアレス 秋山拓巳 岩崎優 青柳晃洋
最後列:木浪聖也 ジェリー・サンズ 髙橋遥人 佐藤輝明
※各列向かって左から、敬称略
 


最後に笑うのは誰だ⁉ 全員クセモノ!

仁義なき騙し合いバトル、遂に開幕!

 

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【STORY】
出版社「薫風社」に激震走る!かねてからの出版不況に加えて創業一族の社長が急逝、次期社長を巡って権力争いが勃発。専務・東松(佐藤浩市)が進める大改革で、雑誌は次々と廃刊のピンチに。

会社のお荷物雑誌「トリニティ」の変わり者編集長・速水(大泉洋)も、無理難題を押し付けられて窮地に立たされる…が、この一見頼りない男、実は笑顔の裏にとんでもない“牙”を秘めていた!嘘、裏切り、リーク、告発。クセモノ揃いの上層部・作家・同僚たちの陰謀が渦巻く中、新人編集者・高野(松岡茉優)を巻き込んだ速水の生き残りを賭けた“大逆転”の奇策とは!?
 
■監督:吉田大八 ■脚本:楠野一郎 吉田大八
■原作:塩田武士「騙し絵の牙」(角川文庫/KADOKAWA刊)
■出演:大泉洋 松岡茉優
宮沢氷魚 池田エライザ/斎藤工 中村倫也 佐野史郎 リリー・フランキー 塚本晋也 / 國村隼 木村佳乃 小林聡美 佐藤浩市
■コピーライト:©2021「騙し絵の牙」製作委員会
■配給:松竹 
■公式サイト:movies.shochiku.co.jp/damashienokiba/ 
■公式Twitter: @damashienokiba
 

2021年3月26日(金)~全国ロードショー


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骨太ヒューマンドラマ『ひとくず』がシネコンで拡大公開!上西監督、木下ほうかに「次はラスボスでがっつり!」
(2021.2.19  なんばパークスシネマ)
登壇者:上西雄大監督、木下ほうか、徳竹未夏、古川愛
 
 
 子ども時代に虐待を受けた者が、虐待する側にまわる負の連鎖に着目し、孤独な魂が寄り添い、家族になるまでの日々を人間味たっぷりに描く上西雄大監督作『ひとくず』。昨年の3月に東京公開されたものの、コロナウィルス感染拡大の緊急事態宣言で上映が中断し、京阪神での公開も10月に大幅にずれ込んだものの、作品を見て感動した観客が『追いくず』という熱烈なリピーターになり、第七藝術劇場の上映終了後もセカンドランのシアターセブンで3か月に渡るロングラン上映を続けている。今年に入って東京、神戸、京都でのアンコール上映に続き、全国拡大公開も始まり、遂にお膝元のなんばパークスシネマで上映が始まった。なんばパークスシネマ公開初日(2/19)に上西雄大監督、木下ほうかさん、徳竹未夏さん、古川愛さんを迎えて行われた舞台挨拶の模様をご紹介したい。
 
 
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 主人公の母親役の徳竹未夏さんと娘を虐待する母親役の古川藍さんの二人が司会役となった舞台挨拶では、感染拡大防止で50%の減席ながら最大スクリーンでの上映でリピート13回の『追いくず』なども含めて200人を越える満席の客席と、今までにないシネコンの巨大なスクリーンを見て上西監督は感極まった様子で最初の挨拶。その様子を見た木下ほうかは「1シーンしか出ていません。気まずい、なんで呼んだん?」と吉本新喜劇ばりの絶妙なツッコミで笑いを呼んだ。
 
 
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 そんな木下にオファーした経緯を聞かれた上西監督は、「劇団員の前で『木下ほうかさんに出てもらいたい』と言ったとき、夢のような話だと思って誰も信じなかった。ほうかさんに脚本を読んでもらい、最後に『がんばろう』と握手して言ってもらえたんです。ここまでこられたのは木下ほうかさんのおかげ」と木下に感謝の言葉を伝えると、木下も「小規模の映画で3月から上映が開始され、1年以上続いて、こんなにでっかいスクリーンで!というか画質大丈夫(笑)。次もどんどん新作撮れる、それはもっと目立つ役で!」と同作の拡大公開を心から喜びながら再タッグをリクエスト。上西監督も「次はラスボス役でがっつり!」ともはや息ピッタリのコンビぶりをみせた。
 
 
 さらに上西監督はここまでの歩みを振り返り、「一旦、コロナで劇場がロックダウンされて、上映が半年間止まっていましたが、10月から大阪で上映が再開できました。こういう状況なので、劇場で舞台挨拶出来るのは本当にありがたいし、最上段までお客さまがおられて感無量です。やっとの思いで東京でロードショーにこぎつけ、万感の思いで今日は本当に一生に残る思い出です。ここまで来れる力を与えていただいて、本当にありがとうございます』と感謝の言葉を重ねた。さらに、「虐待について知って心が壊れ、救いを求めて書いた脚本ですが、非常にたくさんの方が受け取っていただいた。映画が終わればいろんなお言葉をいただけて、その人の人生のそばに置いていただける。僕は役者として意義を持てました」と『ひとくず』がお客様に届いたことの意義を改めて語った。
 
 

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 『ひとくず』サポーターの方々から花束贈呈も行われ、感極まっているキャストたちにツッコミを入れてきた木下も「これちょっと泣きそう・・・ちょっとかっこ悪い・・・」と、ついに本音が飛び出した舞台挨拶。最後は、「『ひとくず』はこんな土砂降りの中でも、走りきれると思うし、コロナの波が終わった後まで走りきる力を持っている映画です。観ていただいて、口コミの方を広げていただいて、たくさんの方にいろんな思いを伝えられるように力添えをお願いいたします。みなさま、誠にありがとうございます』と上西監督が締めくくった。これからもまだまだ多くの人に届いてほしい、熱い思いが詰まったヒューマンドラマだ。
(江口由美)
 

<作品情報>
『ひとくず』(2019年 日本 117分)
監督・脚本・編集・プロデューサー:上西雄大
出演:上西雄大 小南希良梨 古川藍 徳竹未夏 城明男 税所篤彦 川合敏之 椿鮒子 空田浩志 中里ひろみ 谷しげる 星川桂 美咲 西川莉子 中谷昌代 上村ゆきえ 工藤俊作 堀田眞三 飯島大介 田中要次 木下ほうか
現在、なんばパークスシネマで絶賛上映中、2月27日〜元町映画館、3月12日〜京都みなみ会館でアンコール上映
公式サイト→https://hitokuzu.com/ 
 
 
 
 

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人生のロスタイムを手に入れたダメおやじの92分一本勝負!

愛と感謝と懺悔のイタリアン疾走コメディ!

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パレルモの生まれ変わった美しい街並みを映画で堪能!

 

イタリアで大ヒットしたコメディ映画『ワン・モア・ライフ!』が3月12日(金)より、ヒューマントラストシネマ有楽町、新宿武蔵野館ほかにて全国ロードショー致します。


『ローマ法王になる日まで』のダニエーレ・ルケッティ監督が贈る本作は、シチリア島パレルモの美しい街並みを舞台に、天国へ旅立つまでの92分をリアルタイムで進行させる演出で、本国イタリアで大ヒットを記録。観るものを釘付けにした。思いがけず人生のロスタイムを手に入れたダメおやじのパオロ。“幸せとは何か?そして家族とはー?” 愛と感謝と懺悔のイタリアン疾走コメディ!



かつてマフィアが闊歩したパレルモを舞台に、石畳の路地で生活する人々の日常を明るく描く


本作の舞台となっているのが、ルキーノ・ヴィスコンティ監督の『山猫』でも舞台になったシチリア島のパレルモ。昨年ヒットした『シチリアーノ 裏切りの美学』でも描かれたように、パレルモは1990年代までは犯罪組織コーザ・ノストラが牛耳る町だったが、現在ではインスタ映えする旧市街や透明なビーチ、目の前の地中海で獲れたシーフードが自慢のリストランテで話題の人気リゾート地に生まれ変わった。劇中ではパオロが不倫相手とデートするシチリア州立美術館、待ち合わせの名所プレトーリア広場やパレルモの胃袋的存在のカーポ市場、町と海を一望できるモンテ・ペッレグリーノなど、人気の観光スポットが次々と登場。生まれ変わった新生パレルモの今を見せてくれる。


なかなか海外旅行に行くことができない状況下、ぜひ映画の中で美しいパレルモの名所を巡って旅行気分を味わっていただきたい!


【STORY】

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中年男のパオロは、いつもの交差点で交通事故に遭ってしまう。死の瞬間、脳裏によぎったのは愛する妻と子供のこと。…ではなくて、恋人に告げられた深すぎる一言や、客待ちタクシーの列の謎など、取るに足らないことばかり。しかし、そんなことよりも、予想外に短い寿命に納得できないパオロは天国の入口で猛抗議。すると、前代未聞の計算ミスが発覚し、92分間だけ寿命が延長され、地上に戻れることに。傷心のパオロは、それまで勝手気ままに生きてきた自分を戒め、家族の絆を取り戻すと一念発起。92分一本勝負の人生やり直しが始まる!


監督・脚本:ダニエーレ・ルケッティ(『ローマ法王になる日まで』)
出演:ピエルフランチェスコ・ディリベルト(ピフ)、トニー・エドゥアルト
2019年/イタリア/94分/シネスコ/5.1ch/言語:イタリア語/
原題:Momenti di trascurabile felicità/英題:Ordinary Happiness
日本語字幕:関口英子/後援:イタリア大使館、イタリア文化会館
提供:ニューセレクト/配給:アルバトロス・フィルム/
© Copyright 2019 I.B.C. Movie
公式サイト: http://one-more-life.jp

2021年3月12日(金)~ヒューマントラストシネマ有楽町、新宿武蔵野館他、テアトル梅田、京都シネマ、シネ・リーブル神戸 全国順次公開


(オフィシャル・レポートより)

 

 

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「理想の死に方を提案したい」『痛くない死に方』高橋伴明監督、長尾和宏さん(原作)インタビュー
 
 在宅医療による平穏死を提唱する尼崎の開業医、長尾和宏さんの著書「痛くない死に方」「痛い在宅医」を原作に、高橋伴明監督(『赤い玉、』)が終末期医療の現実と理想を描く『痛くない死に方』が3月5日(金)からテアトル梅田、なんばパークスシネマ、神戸国際松竹、京都シネマ、イオンシネマ京都桂川、MOVIX堺、3月12日(金)から塚口サンサン劇場、豊岡劇場にて公開される。
 
 苦い経験を心に刻みながら、在宅医療の道を歩む主人公河田を、『火口のふたり』などの柄本佑が演じる他、河田の誤診から実父を苦しい死に追い込んだと後悔する娘を坂井真紀、悩める河田にアドバイスを与える先輩医師長野を奥田瑛二、全共闘世代のガン患者本多を宇崎竜童が演じている。平穏死から程遠い死に方、枯れるように死んでいく理想の死に方に家族と死について話したくなるような作品。要所要所で在宅による終末期医療で肝心なことや、自分の意思で自分の死に方を選ぶ方法もさりげなく盛り込まれている。同時期に公開される長尾さんの仕事ぶりに密着した毛利安孝監督『けったいな町医者』と合わせて観ることで、より病院や医者との付き合い方や、平穏死を迎えるために必要なことがわかるだろう。終末期医療を見事に言い当てた川柳にも注目してほしい。家族や夫婦の絆、青年医師の成長を描いたという点でも見応えのある、真面目に死を捉えたヒューマンドラマだ。
 
 本作の脚本も手がけた高橋伴明監督と、原作者で医療監修を手掛けた長尾和宏さんにお話を伺った。
 

 

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■余計な力を入れずに作った「理想の死に方の提案」(高橋)

――――「痛くない死に方」の原作者で在宅診療医の長尾先生との出会いは?
高橋:「痛くない死に方」を拝読した後、築地の本願寺で長尾先生の講演会があったんです。それが初対面でしたが、そこでいきなり歌を歌い出したので、びっくりして。この人は規格外だなと(笑)
 
――――原作を元に、どのようにして脚本を作ったのですか? 
高橋:映画の前半はまさに原作通りなのですが、それだけだと中身も辛いし、自分自身が映画にするのも辛い。長尾先生の他の本も読ませていただきましたし、他にも死に関連する本を多々読み、在宅医に関する知識を蓄えていたので、それらを取り入れながら今自分で考えられる「理想の死」を後半部分にくっつけました。理想の死に方の提案ですね。余計な力が全然入らずに作れた作品でした。
 
――――今回、高橋伴明監督によって映画化された感想は?
長尾:高橋監督の作品はずっと観ていましたし、時代の先端を行く作品を作っておられてカッコいいと思いましたし、奥様(俳優の高橋恵子)と結婚された時のことは記憶にバッチリ残っているぐらいです。そんな方が、医療ものの重いテーマのものを撮っていただけるということが、とてもうれしかったです。自分がやってきた素材を高橋監督が脚本という形で料理していただき、しかも色々な調味料を加えて、僕が言いたかったことを一点の無駄もなく入れてくださった。しかも川柳というユーモアも加えてくださった。カルタにして売りたいぐらいです(笑)
 
 
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■阪神・淡路大震災で踏ん切り、町医者になり「平穏死」を知る(長尾)

――――長尾先生に密着したドキュメンタリー『けったいな町医者』で阪神淡路大震災が勤務医から町医者、そして在宅医になるきっかけになったとおっしゃっていましたが、今一度その経緯を教えていただけますか?
長尾:芦屋市民病院で消化器医として勤務して10年目の頃、個室にいる胃ガンの患者さんに夜呼ばれ、家に帰ることと抗がん剤を止めるという二つのお願いを聞いてくれないかと頼まれました。上司に相談した結果どちらもダメだと伝えると「僕はダメな人間です。一度だけ浮気をしたんです」と泣かれたのです。驚いて声をかけて帰宅した真夜中に病院から電話があり、その患者さんが病院の屋上から飛び降りたと。僕はその患者さんを殺してしまったと思いました。その後、阪神・淡路大震災があり、今もコロナで大変ですが当時も無政府状態になっていて、自分で動かなければダメだと踏ん切りがつき、小さな雑居ビルの一角で開業医として再出発しました。当時、朝夕注射にきてくれた肝臓ガンの患者さんがいたんです。その方の具合が悪くなって自宅まで診に行くようになり、僕の初めての在宅医としての看取りとなりました。
 
肝臓ガン専門病棟で仕事をしていたこともあったので、毎日末期の肝臓ガンで血を吐いて血の海になって亡くなる姿を見ていましたが、その患者さんは手厚い治療を施されることもなく、血を一滴も吐くことなく亡くなった。肝臓ガンの患者さんでこのようなケースを見たのは初めてでした。これが平穏死なんです。在宅医もだんだん増えてきて、今は非常勤を入れて8人の医者が600人ぐらいの患者さんを診ています。規模が大きくなっても600人全員と関わるようにしているんです。
 
――――柄本佑さんは『心の傷を癒すということ<劇場版>』で阪神淡路大震災時に避難所などで被災者の「心のケア」に積極的に取り組んだ安先生をモデルにした精神科医を演じていますが、長尾先生の原作を元にした本作では苦い失敗を経て成長していく在宅医を演じています。役作りで監督から何かアドバイスはされたのですか?
高橋:今回は柄本さんに限らず、ほとんど役作りや登場人物の狙いをほとんど話していないですね。時々宇崎さんがロックンローラーになってしまうので、「ちょっと抑えて」と言ったぐらいですね。柄本さん自身も長尾さんの往診に1日同行し、患者さんとどんな接し方をしているかを見ているので、それを参考にしたのではないでしょうか。何かをきっかけに成長させるというのは、映画の王道ですから。
 
――――長尾先生をモデルにした主人公河田の先輩、長野を演じているのは奥田瑛二さんですね。
長尾:奥田瑛二さんが撮影現場で、僕が普段言っていることを言っていただけたのは、やはり全く重みが違います。俳優が語るのは、こんなに人の心に届くものなのだと思いましたし、奥田瑛二さんには感謝しかありません。
 
 
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■下元さんなら紙おむつを履いてくれると思った(高橋)

――――前半、苦しみ抜いて死んでいく老人を演じた下元史朗さんの演技が実に真に迫っていました。
高橋:死ぬ間際に過呼吸になるのですが、その呼吸の仕方は医療監修もしていただいた長尾先生がすごくこだわっておられたんです。ここはリアルにやろうと腹を決めたので延々とカメラを回しましたが、実は役者は大変なんですよ。あとは、紙おむつの姿を他の役者さんは絶対に撮らせてくださらない。他の男優は全員、「自分なら紙おむつは絶対だめだ」と。僕は下元さんなら履いてくれると思っていました。ただあの紙おむつ、もう少しシンプルにならないですか?
長尾:NHKスペシャルでもあんなシーンはないですが、みなさんが知りたいのは紙おむつの実態だとか、そういうのが知りたいんですよ。
 
 
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■リビングウィルと死の壁を描いた初めての映画(長尾)

――――ラストに「リビングウィル」が説明されていましたが、これもこの作品の一つの提案なのですか?
長尾:現在、日本でリビングウィルは3%の人しか書いていません。日本人の終末期医療は3分の2は家族、3分の1は医者が決めており、自分で決めているのは3%ということです。国際的にみれば極めて特異で、欧米では認知症にならない限り100%自分で決めます。日本は世界で唯一リビングウィルが有効であるという法律がないのですが、もう少し希望を出したり、話し合ったりしてもいいのではないか。国は人生会議という言葉を昨今使っていますが、その核となるのはやはり本人の意思です。遺言状もそうですが、紙に書くことで重みが増します。そういうこともこの映画で知っていただけるとうれしいし、高橋監督がリビングウィルを映画で扱ってくださったというのは、映画としても初めてではないかと思います。
 
また、宇崎竜童さん演じる本多が直面する「死の壁」は、亡くなる前に自然と悶えるんです。病院だと麻酔がかかっているので眠ったままになるのですが、自然の最期は死の壁があり、それを描いた最初の映画だと思います。一枚の川柳にも話せば一時間かかるぐらいの重みがありますし、映画という時間の制約がありながら、この一本の映画の中に僕が書いた10冊ぐらいの本の内容が散りばめられています。
 
――――本多が亡くなる前、河田が一緒にお酒を飲んだり、『けったいな町医者』での長尾先生の「笑うこととしゃべることがリハビリ」という言葉を聞くと、やりたいことをやれるのが一番だと思いますね。
長尾:それができるのは現時点では自宅なんです。病院も本当は変わらなければいけないので、病院のお医者さんにこの映画をぜひ見ていただいて、ディスカッションしたいです。僕は強烈なアンチテーゼで本を書いているし、『痛くない死に方』『けったいな町医者』は病院の先生が正視したくない2本だと思います。だけど正視してほしいし、市民の声を聞いてほしいと思います。
(江口由美)
 

『痛くない死に方』(2020年 日本 112分) 
監督:高橋伴明 
原作:長尾和宏「痛くない死に方」ブックマン社
出演:柄本佑、坂井真紀、余貴美子、大谷直子、宇崎竜童、奥田瑛二、大西信満、大西礼芳、下元史朗、藤本泉他
3月5日(金)からテアトル梅田、なんばパークスシネマ、神戸国際松竹、京都シネマ、イオンシネマ京都桂川、MOVIX堺、3月12日(金)から塚口サンサン劇場、豊岡劇場にて公開
©「痛くない死に方」製作委員会
 

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文化庁委託事業「ndjc:若手映画作家育成プロジェクト2020」

日本の映画界を担う若手作家3作品を一挙初上映!!

ndjc:若手映画作家育成プロジェクト2020「合評上映会」

 

特定非営利活動法人映像産業振興機構(略称:VIPO、理事長:松谷孝征、東京都中央区)が、日本における商業映画監督の育成への取り組みとして、2006年度より企画・運営する、文化庁委託事業「ndjc:若手映画作家育成プロジェクト2020」において、今年度の製作実地研修で完成した短編映画3作品の「合評上映会」が都内にて開催されました。


【日時】2月3日(水) 15:30~
【場所】丸の内TOEI ②(東京都中央区銀座3-2-17)
登壇】植木咲楽監督、木村緩菜監督、志萱大輔監督
    安田聖愛、肘井ミカ、今里真、駒木根隆介、仁科貴、遠山景織子、小林涼子、関口アナン


映像産業振興機構(VIPO)が企画・実施する「ndjc:若手映画作家育成プロジェクト2020 」で製作された短編映画3作品が、一般公開に先駆けて合評上映会でお披露目された。舞台挨拶に登壇した3人の若手監督は、今年は感染予防対策として座席数が半数に制限されているものの多くの観客で埋まった客席をみて、無事にスクリーンで作品を観てもらえることに安堵し嬉しそうな様子だった。


ndjc2020-pos.jpg上映された3作品は、監督・脚本を務めた卒業制作『カルチェ』がPFFアワード2018にて入選、第19回TAMA NEW WAVEにてグランプリを受賞し、大学卒業後は石井裕也監督のもとで監督助手を務めた植木咲楽監督作『毎日爆裂クッキング』、日本映画大学在学中からピンク映画や低予算の現場で助監督として働き、卒業制作では「さよならあたしの夜」を16㎜フィルムで制作し、現在は様々な監督のもとで助監督として働く木村緩菜監督作『醒めてまぼろし』、映像制作団体osampoを主催し、never young beachなどアーティストのMVを手がけ、監督作『春みたいだ』がPFFアワード2017やTAMA NEW WAVE正式コンペティション部門などに入選し、海外の映画祭でも出品・上映された志萱大輔監督作『窓たち』の3作品。いずれも35ミリフィルムで撮影・編集された30分の短編。


合評上映会は、文化庁梶山正司参事官の挨拶ではじまり「ndjc:若手映画作家育成プロジェクトは、日本映画の才能の発掘と育成を目的として今年で15年目となります。今回の3人の監督には、是非、国内外で活躍して日本映画界を盛り上げていってほしい」と若手監督たちへ激をとばした。


ndjc2020合評上映会-500-bakuretsu.JPG1作品目の『毎日爆裂クッキング』植木咲楽監督は、重いテーマをコミカルな様子で描いた理由ついて聞かれると「もともと食べ物をテーマにした映画を作りたいと思っていました。昨今の状況や自分の人生の中で、なにかしら罵倒されたり、不当な扱いを受けることは誰しもが経験のある事なのかなと思い、それを作品にしたら面白いかなと思って撮りました。なるべく重い空気を笑い飛ばしてしまいたいなと、個人的には思っていたので、こういったテイストの作品になりました」と明かした。

また、一番の勝負シーンを聞かれると「文が卵を割るシーンは、初めて文の本当の感情が表に出るシーンだったので、大事に撮りたいなと思ったシーンでした」と答え、主人公の文役を演じた安田も「最初は、卵を入れたかごにたまたま手が当たってしまって卵を割ってしまうという場面だったんですが、現場で急遽、文の感情が爆発して卵を割るっていう演出に変えたとき、私も文の感情がそこで爆発的に出すことができて良かったなと思えるシーンです」と述べた。

今後、どんな作品を撮っていきたいかを問われると植木監督は「なるべく誠実な映画を作っていきたいです。できれば、見過ごされてしまったり、蔑ろにされてしまいそうなもの、歳を取ったらそういったことを忘れていってしまうのではないかという危機感があるんですが、そういう経験で感じた悔しい思いや、そこから助けてもらった時の嬉しさとかを忘れないで映画を撮っていきたいと思います」と語った。また、出演者の渡辺えりからのビデオレターが届き「これからも弱い者の味方の映画を撮っていってください」という渡辺の励ましのメッセージに、感謝する様子の植木監督だった。


ndjc2020合評上映会-500-samete.JPG続いて2作品目『醒めてまぼろし』木村緩菜監督は「私自身、あまり友達や恋人的な存在もなく、拠り所というか帰るところが無いとき、自分が一人で生きていくためにはどうしたらいいだろうと思った時に書いた脚本です」と今回の作品テーマを選んだ理由を説明。

演出については「主演の小野さんとはいろいろ話し合いました。どういう気持ちでいくかということを、限りなく言語化していく作業というか、その時どういう感情であるかということを中心に沢山話し合いました」と話した。主人公・あき子の母親役を演じた遠山は「監督と話し合っていく中で、あき子の感情がただの思春期の反抗として見せたくないという軸があったし、私もあき子の気持ちに共感できるところがあったので、今日、出来上がった作品を観ていて、あき子の反抗する姿がすごく刺さりました」と初めて完成した作品を観た感想を語った。

劇中であまりBGMを使用しなかったことの理由を聞かれると、木村監督は「なるべく生の音を録って使おうとあらかじめ決めて準備していました。この作品には音楽はいらないなと、音楽である一定の感情を塗りたくることをしたくない、音楽で挽回するということをしたくなかった」とその気持ちを明らかにした。

今後撮りたい作品について聞かれると「言葉で説明できない感情をちゃんと映画にできたらいいなと思います」と次回作への意気込みを語った。


ndjc2020合評上映会-500-madotachi.JPG3作品目『窓たち』志萱大輔監督は、絶妙な男女のすれ違いを切り取ったストーリーを「ndjcに応募した脚本をいろんな人に読んでもらって意見をもらい、直して直してこの脚本になった」と話した。朝子役を務めた主演の小林は「撮影準備期間には監督とは恋バナをたくさんしました。皆さんそれぞれ、少しやましかったり悲しかったりするのが恋愛だと思いますが、男性から女性から、いろいろな視点を詰め込んだお話しなので、どんな度合いで表現するのがいいのかを話し合うため、念入りに丁寧に恋バナをさせていただきました」と撮影裏のエピソードを披露した。

印象的なラストシーンについては脚本を書き換えていくうちに少し違ったものになったらしく「一番最初の脚本では“信号が青に変わっても進めない”としか書いてなかったけれど、その後、脚本を直して別のラストシーンにしたけれど、また元のラストシーンに戻し、“点滅している”という部分を足して書き直しました。引きの映像も撮っていたけれど、場所の説明になってしまう気がして、ただ、赤と青、そして点滅だけで表現できないかなと思って最終的にこのシーンになりました」と説明した。

今後、どんなテーマに興味があるか聞かれると「映画を作ることが好きなので、それを長く続けていくというのはどういう事だろうと考えた時に、長く撮り続けていった時に、自分はどういった作品を撮っているんだろうということに興味があります」と自身の考えを表明した。


スーパーバイザーの香月純一氏は3人の若手監督それぞれに称賛のメッセージを送り、「今年のndjc2020の3本は、それぞれの作品がリンクしているようでもあり、またバラエティに富んだ作品になったと思います。今年のこの3人の監督がますます活躍していって欲しいと思います。そのためにはここにいる皆さまのご指導ご鞭撻が大事になってきます。皆さまどうぞよろしくお願いいたします」と締めくくった。会場からは監督たちへの期待を込めた温かい拍手が広がり、合評上映会は好評のうちに幕を閉じた。


2021年2月26(金)~角川シネマ有楽町を皮切りに、名古屋(3/12〜)、大阪(3/19〜)にて一般公開


(オフィシャル・レポートより)

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製作ウェイポイント・エンターテインメント×監督テレンス・マリック×撮影エマニュエル・ルベツキ

映画賞を席巻し、世界を魅了し続ける天才と豪華俳優陣が集結!

青春を引きずった大人たちが、絶望と孤独にもがきながら人生の輝きを見出していく、

エモーショナルなラブストーリー

 

「自分にとってはテレンス・マリック作品に出演するのは夢」

「皆、テレンス・マリック作品に出演したい、一緒に仕事がしてみたいと思っている」

マイケル・ファスベンダー、ライアン・ゴズリングが大絶賛!テレンス・マリック監督の魅力を語る。

 

日本での『mid90s ミッドナインティーズ』のヒットも記憶に新しく、『沈黙 ―サイレンス―』『女王陛下のお気に入り』などアカデミー賞の候補作を続々と送り出すなど、世界中の映画好きから注目の的となっている気鋭の映画スタジオ、ウェイポイント・エンターテインメントがルーニー・マーラ、ライアン・ゴズリング、マイケル・ファスベンダー、ナタリー・ポートマン、ケイト・ブランシェットら豪華俳優陣を迎えた最新作『ソング・トゥ・ソング』が12月25日(金)より、新宿シネマカリテ、ヒューマントラストシネマ渋谷ほか全国公開となります。
 


 

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アメリカで指折りの音楽の街、オースティンで、それぞれに幸せを探す4人の男女の人生が交差する。個性豊かな4人を演じるのは、ルーニー・マーラ、ライアン・ゴズリング、マイケル・ファスベンダー、ナタリー・ポートマン。主役クラスの豪華な面々が奇跡の共演を果たした。さらにリッキ・リー、イギー・ポップ、パティ・スミス、ジョン・ライドン、レッド・ホット・チリ・ペッパーズなど様々なミュージシャンが出演して多彩な音楽と共に映画に彩りを与えている。


監督・脚本を手がけたのはアカデミー賞7部門ノミネート作『シン・レッド・ライン』の他、『地獄の逃避行』『天国の日々』『名もなき生涯』といった名作を生み出してきた巨匠、テレンス・マリック。これまでアカデミー賞を3度受賞した名カメラマン、エマニュエル・ルベツキとの見事なコラボレーションも冴え渡り、魔術的とも言える映像美で4人の愛と裏切りのドラマを描き出した。人生は選択の連続。愛、友情、家族、成功……何かを手に入れるために、誰かを(時には自分を)裏切らなければならないとしたらどうする?巨匠と名優たちが「人生にとって本当に必要なものは何か」とう大切なテーマを、独創的なスタイルと圧倒的な映像で描き出した本作は、感動のラストまで見るものを捉えて離さない!


songtosong-500-2.jpgマイケル・ファスベンダー、ライアン・ゴズリングが語るテレンス・マリック監督の魅力とは!?


『ソング・トゥ・ソング』で初めてテレンス・マリック監督作品に出演したライアン・ゴズリングとマイケル・ファスベンダーが、その独特な撮影方法で知られるテレンス・マリック監督について語り、互いに監督の仕事を大絶賛し合うコメントが到着した。


テレンス・マリックとの仕事について?

マイケル・ファスベンダーは「今まで経験したことのない感じだった。とても激しく、何かに挑戦する感じで、やりがいのある、面白く、恐ろしい経験でもあった。彼は常に執筆していて、特に決まった台本があるわけではないので、台詞を短時間に覚えるのは大変だった。監督は書いたセリフを読ませてくれるが、ほとんど即興でやらなくてはいけない。作品は、監督が実権を握っている即興で成り立っている。監督は唯一無二の存在で、この国の偉大な詩人のひとり。自分にとってはマリック作品に出演するのは夢であり、学校に戻っていろいろと学び直しているような感じだった」と、そのオリジナルな撮影方法に苦労しながらも監督の仕事を大絶賛。


songtosong-500-4.jpgライアン・ゴズリングも「まったくそのとおりです。皆、マリック作品に出演したい、一緒に仕事がしてみたいと思っていて。テレンス・マリックは、作品を数秒観ただけで彼の作品だと分かる数少ない監督です。これは非常に稀有なことで、その監督作に出演するのも同じように貴重で刺激的です。ふつうの映画作りとまったく異なるやり方、アプローチで映画を作るし、常に何かを探しているというか求めていて、毎日自分がそれのお手伝いができるのが嬉しい。全く新しい未知の経験でした。例えば、突然パティ・スミスが現われて数日一緒に過ごしたり、撮影したり。ユニークな経験の連続で、今まで培ってきたものや知ったり学んだりしてきたことをすべて置き去りにして、ただただ飛び込んでいく。本当に素晴らしい経験でした」と作品に参加できて喜びを語った。
 



プロデューサーの二人が語る撮影裏話&出演者についての

『フリーダ』で第75回アカデミー賞主演女優賞など6部門にノミネート経験を持つサラ・グリーンは、本作でテレンス・マリック監督と6作品目のタッグとなる。サラ・グリーンは、音楽フェスでの撮影について「私たちは長年少数のクルーで仕事をしてきた。その撮影スタイルが音楽祭の撮影によく合っていたの。少人数で会場に入ることができたから。できるだけ人数を減らし、そっと出入りしたの。照明も当てず自然光で撮影したわ。私たちのチームは自然光を使った撮影が得意だし、撮影は成功したわ。自由なスタイルの少人数での撮影と制作が合っていたのよ」と、その撮影方法を評価した。ルーニー・マーラのキャスティングに関しては「テレンスが気に入ったのは彼女の柔らかな雰囲気だと思う。彼はこんな人物を描きたがっていた。純真そうでかわいらしいけれど、うまく自分を制御できていない女性。何かを感じたくて極度の経験をする、世界とつながるためにね。ルーニーとは何度か話し合いをしたわ。彼女は興味深い人物で非常に深みがあり、彼女自身も矛盾を抱えていた。彼女ならすばらしいキャラにできると思ったわ」と明かした。

もう一人のプロデューサー、『mid90s ミッドナインティーズ』『沈黙 -サイレンス-』『女王陛下のお気に入り』などで知られるケン・カオは、パティ・スミスの出演について「パティは独創的だ。私たちは彼女の音楽と共に育ってきた。彼女の音楽も好きだけど「ジャスト・キッズ」を読んで大好きになった。彼女と仕事ができてよかった。彼女は皆に刺激を与えたんだ。ルーニーもフェイのように影響を受けたと思う」と語った。

 

大物スター俳優たちも魅了するテレンス・マリック監督の最新作『ソング・トゥ・ソング』は12月25日より全国公開。ぜひ劇場でお楽しみください!


【STORY】
songtosong-pos.jpg音楽の街、オースティン。何者かになりたいフリーターのフェイ(ルーニー・マーラ)は、成功した大物プロデューサーのクック(マイケル・ファスベンダー)と密かに付き合っていた。そんなフェイに売れないソングライターBV(ライアン・ゴズリング)が想いを寄せる。一方、恋愛をゲームのように楽しむクックは夢を諦めたウェイトレスのロンダ(ナタリー・ポートマン)を誘惑。愛と裏切りが交差するなか、思いもよらない運命が4人を待ち受けていた…。


監督・脚本:テレンス・マリック 製作総指揮:ケン・カオ 撮影:エマニュエル・ルベツキ 
美術:ジャック・フィスク 衣装:ジャクリーン・ウェストー音楽:ローレン・マリー・ミクス 編集:ハンク・コーウィン
出演:ルーニー・マーラ、ライアン・ゴズリング、マイケル・ファスベンダー、ナタリー・ポートマン、ケイト・ブランシェット、ホリー・ハンター、ベレニス・マルロー、ヴァル・キルマー、リッキ・リー、イギー・ポップ、パティ・スミス、ジョン・ライドン、フローレンス・ウェルチ、レッド・ホット・チリ・ペッパーズ
2017年/アメリカ/128分/シネマスコープ/カラー/5.1ch/PG12
原題:SONG TO SONG 
配給:AMGエンタテインメント 提供:キングレコード、AMGエンタテイメント 
© 2017 Buckeye Pictures, LLC 

公式HP:songtosong.jp 
公式TWITTER:@SONGTOSONG_JP

2020年12月25日(金)~新宿シネマカリテ、ヒューマントラストシネマ渋谷、シネ・リーブル梅田、なんばパークスシネマ、神戸国際松竹、アップリンク京都、ほか全国公開


(オフィシャル・リリースより)

DSC04967 (2).JPG2020年12月3日(木)大阪商工会議所 国際ホールにて

ゲスト:三浦翔平、西川貴教、森川葵、田中光敏監督(敬称略)

メッセージ映像:吉村洋文大阪府知事
 


 


日本の未来を切り開いた英傑・五代友厚を三浦春馬が颯爽と快演
 

激動の幕末から明治にかけて、東の渋沢栄一、西の五代友厚と評される功績を挙げながらも、長らく歴史に埋もれていた五代友厚(ともあつ)。NHK朝ドラ「あさが来た」ではディーン・フジオカが演じて一躍脚光を浴びたが、大阪経済の礎を築いた大立役者である。才能豊かで先見の明のある薩摩藩出身の五代は、攘夷論者から命を狙われながらもヨーロッパの文化や産業を取り入れ、日本の産業革命に貢献した人物である。


tengaramon-main.jpgそんな日本の未来を切り開いた英傑・五代友厚の知られざる半生を、同時代を駆け抜けた坂本龍馬や岩崎弥太郎や伊藤博文らとの交流を交えながら描いた映画『天外者』(てんがらもん)が12月11日(金)から全国公開される。今夏、惜しくも亡くなった三浦春馬が演じる五代友厚の、青年期から49歳で生涯を閉じるまでの熱き闘いの日々を追った力作である。


公開を前に、商都大阪の基礎を作り上げた五代友厚の本拠地である大阪商工会議所の国際ホールにて、坂本龍馬を演じた三浦翔平、岩崎弥太郎を演じた西川貴教、遊女はるを演じた森川葵、そしてメガホンを執った田中光敏監督の4人による完成披露イベントが行われた。今回は、観客のいない会場での舞台挨拶となった。
 



――公開を前にした今の率直なお気持ちは?

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三浦(坂本龍馬):まもなく幕が開くということで少しだけホッとしております。全国の皆様にお届けるのを楽しみにしております。

西川(岩崎弥太郎):この作品をこのタイミングでお届けすることに大変な意味を感じております。いろんな角度でいろんな事を投げかけてくれる作品ですし、しかもこの大阪でスタートできるのを嬉しく思います。我々が勝手に初めておりますが、きっとどこかで春馬も見てくれていると思います。

森川(はる):素直に嬉しいです。来年になるかもしれないというお話もありましたので。公開を前にドキドキしながら、皆さんがどう思われるのか感想をお聴きしたいです。そして、関西で舞台挨拶できるのを嬉しく思います。

田中監督:全国公開できることは感無量です!沢山のことを乗り越えてやっとここに辿り着けたと実感しております。


――坂本龍馬と岩崎弥太郎という近代日本建設には欠かせない人物を演じたことについて?

三浦:まずは、五代友厚がいてこそ成り立った坂本龍馬であり岩崎弥太郎なので、それを演じた三浦春馬君には感謝してもしきれない思いでいっぱいです。役作りに関してはプレッシャーもあり大変でしたが、このメンバーだからやれたと思っています。

――役作りに気を付けたことは?

三浦:とにかく竜馬という人間は「自分は間違ってない!」という自信家で、そこを突いてくるのが岩崎弥太郎であり、そして同じ志を持った五代が居て、その関係性が僕たち3人にも出来上がっていました。


DSC04955 (2).JPG西川:教科書でしか知らなかった人物を演じるなんて思ってもいなかったし、そんなチャンスを頂けたことに感謝しています。僕なりの弥太郎像に挑戦させて頂いた訳ですが、そんな僕の試みを監督を始めスタッフの皆さんがどんと温かく受け止めて下さいまして、心から感謝しております。思い出すだけで胸が熱くなってくるようです。短い撮影期間でしたが、一瞬一瞬がとても楽しくて、春馬君を始め皆さんと過ごせた時間が宝物のように感じられます。

田中監督:三人(西川・翔平・春馬)はよく飲みに行ってたんですよ。

三浦:撮影が終われば、「今夜どこ行こう?」「ジム行く?」とか言ってね。ホント、毎日が楽しかった!


――劇中、食べるシーンが多かったですね?

三浦:皆で鍋料理を食べるシーンですが、リハーサルを含め、本当にあのシーンは楽しかったですね。

――本番では緊張もあったのでは?

西川:勿論、緊張もあるのですが…

三浦:緊張してた?(笑)

西川:いやいや、緊張してましたよ!でも、純粋に鍋が美味しかったんです!


――俳優さんたちは時代劇が初めて?

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田中監督:彼らが時代劇が初めてと聞いて驚きました。撮影前日に京都にやって来た三浦翔平君は、坂本龍馬のお墓へ行って、龍馬を感じ取っていたみたいで、気持ちから入る役者さんなんだと驚きました。西川君は、衣装合わせにやって来た時、少しぽっちゃりしてたんですよ。時代を経て恰幅のいい弥太郎を演じるために体重を増やしてきたんですよ。今じゃ、滋賀県を代表するボディビルダーになってますが!?(笑)

西川:違います!目指してません!(笑)

田中監督:葵ちゃんも、後半病気になっていくシーンのために、劇中で体重落としていってました。本当に皆さん、こう見えてもストイックなんです!

西川:どう見えてんでしょうか?不安ですけど…(笑)

田中監督:京都松竹撮影所の人たちも、彼らが時代劇初めてとは思えないと、口々に言ってました。それほど真剣に役に向き合ってくれたし、度胸も据わっていましたね。


――森川葵さんは、とてもお綺麗でしたね?

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森川:監督がとても素敵なシーンがあるから早く見て欲しいと仰って、私も最初見て、自分でもドキッとしました。自分で言うのもおかしいのですが、キレイに撮って頂いてとても嬉しかったです。遊女として顔を上げるシーンです。

――役作りで工夫した部分は?

森川:はるという女性を掘り下げてみると、気の強い女性から、五代さんと出会ってからどんどん変わっていく女性を意識しました。

――五代友厚もはるとの出会いで変わっていくという大事な役ですよね?

田中監督:はいその通りなんです。はるだけでなく、他の男たちとの出会いによって五代が変化し成長していく物語ですので、みんなの役柄は絶対に必要な存在だったんです。
 



五代友厚が、維新後の新政権下で、参与・外国事務局判事を経て、大阪府知事の旧職名である大阪府県判事を務めていたこともあり、本作にも出演している吉村洋文大阪府知事からコメントが寄せられた。「時代の先駆者でありながら、見返りも名声も求めなかった五代友厚さんに、今後も切れ目のない大阪の成長を見守って頂きたい」。


最後に田中監督から、「可能性のある素晴らしい俳優さんたちの本気の芝居、魅力的な芝居に僕も引き込まれました。スタッフも皆一緒に前に進むことができて、とても印象深い作品となりました。夢のある街作り、国作りをして頂きたいです。そして、このような時代だからこそ、前向きに生きて行こうという想いを感じ取って頂ければ嬉しいです」と締めくくった。

(河田 真喜子)


【ストーリー】

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江戸末期、ペリー来航に震撼した日本の片隅で、新しい時代の到来を敏感に察知した若き二人の青年武士が全速力で駆け抜ける――。五代才助(後の友厚、三浦春馬)と坂本龍馬(三浦翔平)。二人はなぜか、大勢の侍に命を狙われている。日本の未来を遠くまで見据える二人の人生が、この瞬間、重なり始める。攘夷か、開国か――。五代は激しい内輪揉めには目もくれず、世界に目を向けていた。そんな折、遊女のはる(森川葵)と出会い「自由な夢を見たい」という想いに駆られ、誰もが夢見ることのできる国をつくるため坂本龍馬、岩崎弥太郎(西川貴教)、伊藤博文(森永悠希)らと志を共にするのであった―。
 

【出演】 三浦春馬 三浦翔平 西川貴教 森永悠希 森川葵 /蓮佛美沙子 生瀬勝久 ほか
【スタッフ】 監督:田中光敏 脚本:小松江里子
【配給】ギグリーボックス
【コピーライト】Ⓒ2020 「五代友厚」製作委員会
【公式 HP】 https://tengaramon-movie.com/

2020年12月11日(金)より、TOHOシネマズ日比谷ほか全国ロードショー!

 

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2020年12月1日(火) 大阪にて



◆はぐれ者がたどる裏の昭和史


久しぶりに対面した井筒監督は少々ご機嫌斜めだった。その日、取材が立て続けだったせいもあっただろうが、先に取材した質問者から「これが100パーセントですか」と聞かれた、という。井筒監督からすれば新作公開を前にして「何ちゅうこと聞くんや」という気持ちだったんだろう。


質問者の気持ちは分からなくもない。デビュー作「ガキ帝国」(68年)以来、「岸和田少年愚連隊」(96年)、「パッチギ!」(04年)など一貫してはみ出し者、はぐれ者たちを描いてきた井筒監督が昭和を生き抜いた無頼の徒たちに焦点を当てて描きあげた一作。昭和から平成、令和と時は移っても「貧困や差別、孤立の構造は何も変わっていない」。そんな“無頼の男”を2時間20分間にわたりみっちり描いたのは井筒監督の気概=反骨精神にほかならないだろう。


burai-500-1.jpg主演に初代EILEのパフォーマーで現在は俳優の松本利夫を抜擢、並みのスターシステムにはない、新顔の投入も新たな“井筒監督の試み”。見るからに“昭和の匂い”のするキャスティング=顔ぶれもまた、井筒戦略だろう。


「世間の良識から排除された“ネガ画像”を敢えて描いてみせた僕なりの昭和史。あらゆる抑圧に対して、1歩も引かなかった無頼の彼らの生き方を通した男たちがいたことを見せたかった」。確かに、無頼派・井筒監督の集大成と言ってもおかしくない。

 

◆アウトロー映画へのオマージュ


IMG_20201201_174053 (2).jpg映画には東映任侠映画、という裏街道の輝かしい伝統、遺産がある。オールドファンには“鶴田浩二、高倉健らそうそうたる任侠スターの記憶”が色濃く残る。だが井筒監督は「まだ中学、高校の時代。俺はほとんど見てない。あの頃はアメリカン・ニューシネマに(関心が)行ってた」という。だから「無頼」は伝統の任侠映画否定でもない。


ただ任侠映画が終焉を迎える頃、深作欣二監督らによる実録映画「仁義なき戦い」には影響を受けたそうで、実際、「仁義~」に出演した松方弘樹の“素晴らしいセリフ”も「無頼」で再現される。井筒監督はわざわざ作家協会に連絡し許可も得たという。マフィア映画「ゴッドファーザー」へのオマージュといい、アウトロー映画作りに命をかけてきた異端児監督にはより深い繋がりがあるのだろう。


最近はテレビのドキュメンタリーに時間を取られていた、という。映画では沖縄を舞台にした“沖縄ヤクザ戦争”を構想、さらに次の映画として九州の炭鉱地帯を題材に、“川筋もの”の歴史をと構想を膨らませている。異端派・井筒和幸監督作品「無頼」は「100%達成」どころか、まだまだ異端の羽を伸ばして行く「予感の映画」と言えそうだ。


(安永 五郎)
 


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『無頼』

・(2020年 日本 2時間26分 R15+)
・監督:井筒和幸 脚本:佐野宜志、都築直飛、井筒和幸 
・主題歌:泉谷しげる
・松本利夫、柳ゆり菜、中村達也、清水伸、松角洋平、遠藤かおる、佐藤五郎、久場雄太、阿部亮平
公式サイト: http://www.buraimovie.jp
・配給:チッチオフィルム
・(C)2020「無頼」製作委員会/チッチオフィルム

◆映画『無頼』作品紹介(安永五郎)⇒こちら

2020年12月12日(土)~K’scinema、12月19日(土)~第七藝術劇場、12月18日(金)~京都みなみ会館、出町座 他全国順次公開

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