「京都」と一致するもの

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【日時】10月28日(土) 舞台挨拶/1154

【場所】新宿シネマカリテ(新宿区新宿3-37-12 新宿NOWAビルB1F)

【登壇者】倉悠貴、芋生悠、前田弘二監督 



変わり者のトワと、変わり者の園子。二人にしか分からない世界。

二人にしか分からなくていい関係を作り出すラブストーリー。


『まともじゃないのは君も一緒』の監督・前田弘二と脚本・高田亮が贈る〈おかしな二人の物語〉第二弾『こいびとのみつけかた』が、いよいよ全国公開いたしました。


koibitonomitukekata-pos.jpgコンビニで働く女の人・園子に片想いをしている植木屋でトワは、毎日植木屋で働きながら、彼女がどんな人か想像している。なんとか話したいと思った彼がついに思いついたのは、木の葉をコンビニの前から自分がいる場所まで並べて、彼女を誘うことだった。二人は言葉を交わすようになり、周囲にはよく理解できない会話で仲を深めていくのだが、園子にはトワにうまく言い出せないことがあり…。
 

世の中に馴染めない、ちょっぴりエキセントリックな2人が繰り広げる、〈可笑しくピュア〉なラブストーリー。


世の中の〈普通〉に馴染めない、おかしな二人のおかしな会話の応酬で繰り広げる『まともじゃないのは君も一緒』の監督・前⽥弘⼆×脚本・⾼⽥亮コンビの最新作。主演に『夏、至るころ』(20)、『OUT』(23)と主演作が続く倉悠貴、ヒロインに『ソワレ』(20)、『ひらいて』(21)の芋生悠を迎え、成田凌、宇野祥平らが脇を固める。また、川瀬陽太、奥野瑛太、高田里穂、松井愛莉らも名を連ねる。
 

 



映画『こいびとのみつけかた』の公開を記念して10月28日(土)、東京・新宿のシネマカリテにて舞台挨拶が行われ、出演者の倉悠貴と芋生悠、前田弘二監督が登壇した。

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“世になじめない、ちょっと変わった”男女の姿を描いた『まともじゃないのは君も一緒』に続く、前田監督と脚本家・高田亮のコンビによる本作だが、前田監督は「『まともじゃないのは――』が出来上がって、高田さんと初めて一緒に見た時、『次、どうしようか…?』という感じで、おかしな2人の話をもう1回、メロドラマというかラブストーリーみたいな形でやってみたいなと思いました。『まともじゃないのは――』が2人の掛け合いの映画だったので、もう少ししっとりした感じの話ができないかと」と本作の着想の経緯を明かす。


koibitonomitukekata-500-1.jpgその言葉通り、本作のオープニングではわざわざ「これはメロドラマである」という宣言(?)が映し出される。倉さんは「僕はメロドラマが何なのかよくわかんなかったけど(笑)、あそこまで定義されたので『あぁ、メロドラマなんだな…』と思いながら見ました。もちろん、恋愛話ではあるけど、僕としては人間の生き方を描いたヒューマンドラマなんじゃないかと思いました。僕のメロドラマデビューがこれなので、これがメロドラマなんだなと(笑)」と語り、芋生さんも「私もメロドラマがちょっとよくわかってなくて(笑)、これを見て『メロドラマってこれなんだ!』と思いました」と率直な思いを口にする。


前田監督はこのメロドラマ宣言が当初から台本に書かれていたことを明かしつつ、その真意について「(普通のメロドラマは)こういう2人ではないというか、あんまり変わった2人じゃない話が多いですが、ある種のギャグというか『これのどこがメロドラマだ?』と思わせておいて、最終的にメロドラマになっていく――どこかヘンテコだけど、そこに着地していくのが面白いなと思いました」と語る。ちなみに、タイトルを全てひらがなにした意図についても前田監督は「漢字を入れると洋画のロマンチックコメディの邦題みたいだなと思って、それはキライじゃないんですけど、ちょっとひねってみました」と説明。芋生さんは「わかります!」と納得した様子で深く頷いていた。


koibitonomitukekata-500-2.jpg劇中、倉さん演じるトワが、黄色く色づいた葉っぱを道に並べていくシーンが印象的だが、倉さんは「僕もあのシーンは好きです!」と明かしつつ「並べる時に、間違えたことがあって…。(まとめて葉っぱを並べるのではなく)いちいち丁寧に(1枚ずつしゃがんで)置くというやり方をしてしまって、しんどかったです。ハードな1日でした(苦笑)」と撮影での苦労を明かしたが、前田監督は「それが良かったです」と語り、芋生さんも「あの姿、あのほうが絶対に良いです!」と同意。このシーンは初日に撮影され、風で葉っぱが飛んでしまうことが心配されたが、前田監督は「奇跡的に無風だったんです。8日間の撮影でしたが、天候に恵まれました」とニッコリ。ちなみに、葉っぱは前田監督が自ら拾ってきたものだそうで「すぐに色が変わってしまうので、当日の採れたてじゃないとダメで、朝早く起きて、懐中電灯を持って近くの神社で集めました」と明かした。


園子を演じた芋生さんは、お気に入りのシーンとして、トワと園子が公園で餃子とケーキを食べるシーンを挙げ「2人の空気感が、誰も入れない感じがあって、無言でも全然いい! ただ食べているだけでいい! という感じが好きです。あの日は、すごく良い陽気で、公園が気持ちよくて、2人とも風を感じたり、日が暮れてきて『気持ちいいな。ポカポカするな」という感じでした」と心地よい撮影をふり返る。前田監督もこのシーンについて「『餃子とケーキ、どっちが好き?』と聞かれて、食べて、『おいしいね』、『おいしいね』という2人だけで成立しちゃう感じ――2人にしかわからなくて良い感じで、気の利いた言葉とかを全て排除しても成立しちゃう2人が良いなとグッときました」と倉さんと芋生さんが作り出した絶妙な空気感を称賛する。


koibitonomitukekata-500-3.jpgトワと園子が演奏と歌を披露するシーンは、実際に倉さんも芋生さんも楽器を演奏し、歌っているが、倉さんは「一発で撮ってOKになりました。リアルに人前で歌って、緊張して声が震えたり、周りのみんなの顔が温かいから、自然と笑顔になったりしました。『この瞬間は大切にしたいな』と思えるシーンでした」と充実した表情を見せる。これまで楽器の経験がなかったという芋生さんは「難易度が高かったです」と苦笑を浮かべつつ「あの曲、すごく好きなんです。途中でラップも入るし、感情が乗りました」と楽しそうに明かしてくれた。


本作のトワの人物像には、前田監督自身が投影されている部分が大きいようで、倉さんは監督とつながる部分を感じるか? という問いに「つながるどころか、(前田監督は)トワって感じです」と即答し「現場でもいつもニコニコしてて、こんなピュアな人いるのかと思った」と述懐。芋生さんも「(前田監督は)リアル・トワです」と即答し「私たちが歌っているところをモニタで見ながら揺れてました(笑)。かわいすぎません?」と愛らしそうに語る。前田監督は「みんな、トワ的なところってあると思います」と照れくさそうに笑みを浮かべていた。
 

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舞台挨拶の最後に前田監督は「つらい現実や厳しい日常があったり、世の中、おかしなことばかり起きたりして、そこへの不安もあると思います。そういうところからのガス抜きや疲れた日常の筆休みになればと思ってこの映画を作りました。映画を観て、ちょっとでも気持ちが楽になっていただけたらありがたいです」と語る。


芋生さんも「ひとりではどうしようもないくらい、しんどくなったり、つらくなったり、生きづらさを感じる瞬間があると思いますけど、そういう時にこの映画を観ると、自分だけで抱え込まないで、誰かともっと外の世界に飛び出してみようかなと思えたり、そういう人に対して周りも『逃げてる』じゃなく『生きようとしてるんだ』と捉えられて、周りももっと優しくなれたり、そういう優しい世界を望んでいる映画だなと思います。たくさんの人に観ていただき、多くの人を助けられたらいいなと思っています」と呼びかける。


最後に倉さんは「この映画は、悪い人が出てこない温かい作品で、たぶん、僕自身も数十年後とかに観てホッとする気持ちになる映画だと思っています。もしそういう気持ちになれる人がいたら、僕もこの映画に携われてよかったなと思います。まだ公開がスタートしたばかりなので、たくさん広めていただければ幸いです」と語り、温かい拍手の中で舞台挨拶は幕を閉じた。
 


◆監督:前田弘二 脚本:高田亮  音楽:モリコネン
◆出演:悠貴 芋生悠 成田凌 宇野祥平 川瀬陽太 奥野瑛太 高田里穂 松井愛莉
◆2023年/日本/99分/5.1ch/スタンダード 
◆©JOKER FILMS INC. 
◆公式サイト:http://koimitsu.com
◆制作プロダクション:ジョーカーフィルムズ、ポトフ 
◆企画・製作・配給:ジョーカーフィルムズ

2023年10月27日(金)~新宿シネマカリテ、シネ・リーブル梅田、アップリンク京都、出町座、シネ・リーブル神戸 ほか全国公開中!


(オフィシャル・レポートより)

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これまで日常に潜むグレーゾーンに光を当ててきた森達也監督が自身初の劇映画を監督した作品『福田村事件』。

9月1日に日本公開をし、昨日までの観客動員数は15万人を超え15万1051名、興行収入は2億円(2億255万6千542円)を超えこれまで133劇場で上映をしている。


そして、10月4日に開幕した第28回釜山国際映画祭にて本作はコンペディション部門の一つである、ニューカレンツ部門に選出され、オープニングセレモニーでは主演の井浦新、田中麗奈と向里祐香、プロデューサーの井上淳一がレッドカーペットを歩いた。

そして、本日10月13日に行われた授賞式で、ニューカレンツ賞(ニューカレンツ部門 最優秀作品賞)を受賞いたしました!

 

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受賞式にて森監督は「21年前にこの事件を知ってから、何とか作品にしたいとテレビ局や映画会社に働きかけたけれど、結果的にはすべてダメでした。でも三年前に今のチームと出会い、多くの方からクラウドファンディングで資金協力をしてもらい、さらには素晴らしい俳優たちも参加してくれて、ようやく映画にすることができました。

この映画の重要なポイントは、当時の大日本帝国と、植民地化されていた朝鮮です。その二つの国で公開することができ、多くの人に観てもらっている。とても幸せです。ありがとうございます。」とこれまでを振り返り、喜びのスピーチを行った。
 



また、今回の受賞を受けて主演である井浦新、田中麗奈からも祝福のコメントが届きました!


fukudamura-pusan-iura-240-1.jpgのサムネイル画像◎井浦新 コメント

この作品が立ち上がった一番最初、俳優部は私ひとりだけでした。多様な考え方があるので、もしかしたらキャストが集まらないかもしれない、撮影まで辿り着けないかもしれない、不安はありましたが動き出したら猛者たちが集う素晴らしい組が出来上がりました。

しかし、やはり撮影は過酷で、各部魂を擦り減らし生きている実感を味わいながら皆んなで夢中になって、無事にとはいかないけれどなんとか撮り終えることができました。

今では全国のミニシアターで満席が続き、ご好評をいただけてるだけでも、それだけでも充分ありがたく光栄な事なのに、作品がこのような賞を受賞する事ができ、大変嬉しく思います。 この作品に関わって下さった方々、観て下さった方々、選んで下さった方々に、心から感謝を申し上げます。ありがとうございます。

 

 

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◎田中麗奈 コメント

 

最初にこの朗報を聞いた時、嬉しさと同時に驚きもありました。それは韓国の方にこの作品がどのように受け止めて頂けるのか、、。少し不安もあったからです。ですが、映画という芸術の世界できっと伝わるはずだという希望を抱き、淡い期待も持っていたのも本音です。

この作品は、大正時代、朝鮮の方々が日本に移り住み踏ん張って暮らしている中、関東大震災という未曾有の事態での混乱の後に起きた出来事。この事実を、韓国の方と共有出来たこと。どんな意見だとしても、私はそれがとても価値のある事だと思います。

一人の俳優として、この映画に参加できたことを誇りに思います。これからも、私たちは映画というフィールドを通して何かを起こせる。そう実感できた、大きな受賞だと思います。釜山からの素晴らしいお知らせをありがとうございました。

 



fukudamura-pusan10.13-240-1.jpg本作は同映画祭開幕前より、韓国内での関心度はとても高かったようで、会期中3度の上映を行い、いずれも大盛況で森監督が上映後Q&Aに参加した10/9、10/11はどちらも満席となり映画祭内でも大きな話題となった。Q&Aでは比較的若い観客の方々から手が上がり、映画製作過程についての質問を投げかけられると小林は「関東大虐殺100周年の2023年9月公開を目指して3~4年前から動いていたが本作に賛同し援助をしてくれる会社と出会うことは困難だったとし「クラウドファンディングを通じて資金を集め2400人以上の方が支援をしてくださり、3千500万円以上集まった。これは歴代映画関連クラウドファンディングで最も多い募金額で、この支援者の方々がいてくれたからその後本作に支援をしてくださる会社が増え、今を迎えられた」と応えた。
 

また、森監督は「人は失敗と挫折を繰り返しながら成長します。それを忘れたり、忘れたふりをして自分の成功だけを覚え続ける人がいたら、その人がどうなるか想像してみてください。 いまの日本は失敗と挫折は完全に忘れて、成功した経験だけを覚えています。本来であれば教育やメディア、そして映画も。どんな失敗と挫折をしたのか、加害行為を犯したのか、負の歴史をしっかりと見てもらえればと思っています。」と不幸だった歴史に直面するというのは韓国にも、日本にも重要なことだとして、今後の韓国での劇場上映がかなえば、と強い期待の言葉を残した。
 


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<作品情報>

『福田村事件』

(2023 日本 136分)
監督:森達也
出演:井浦新、田中麗奈、永山瑛太、東出昌大、コムアイ、松浦祐也、向里祐香、杉田雷麟、カトウシンスケ、木竜麻生、ピエール瀧、水道橋博士、豊原功補、柄本明他
2023年9 月1日(金)よりシネ・リーブル梅田、第七藝術劇場、MOVIX堺、京都シネマ、京都みなみ会館、9月8 日(金)よりシネ・リーブル神戸、元町映画館、シネ・ピピア、以降出町座で順次公開
公式サイト→https://www.fukudamura1923.jp/
(C) 「福田村事件」プロジェクト2023  

 


(オフィシャル・レポートより) 

 

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◆実施日時:10月12日(木)17:25〜17:55

◆会  場:MOVIX京都 シアター12(京都市中京区桜之町400 新京極商店街内

◆登壇者:くるり 岸田繁、佐藤征史、森信行 ※MC:野村雅夫


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くるり初のドキュメンタリー映画『くるりのえいが』が、いよいよ明日10月13日(金)より、なんばパークスシネマ、MOVIX京都 他全国劇場3週間限定公開&デジタル配信を開始いたします。1996年に結成して、多彩な活動を通じて日本のロック・シーンで異彩を放ってきたくるり。今回新作アルバム制作のために岸田繁と佐藤征史が声をかけたのは、オリジナルメンバーの森信行だった。結成当時のプロモーション映像、ライヴ映像を交えながら、なぜ今、またこの3人による曲作りを選択し、どのように曲が生み出されていったのか、くるりの創作の秘密に迫るドキュメンタリー映画が誕生しました。本作の監督を務めるのは細野晴臣のドキュメンタリー映画『NO SMOKING』、『SAYONARA AMERIKA』を手掛けた佐渡岳利監督。バンドのひたむきな創作の情熱から、音楽を奏でることの面白さを再発見できる必見の作品です!

この度、公開に先駆け10月12日(木)に『くるりのえいが』先行上映会 in 京都を実施いたしました。

くるり・オリジナルメンバーの3人が、彼らのホームである“京都”にて本作の撮影秘話をたっぷりと語りました。
 


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東京に続き、公演前2回目の舞台挨拶となったのは、くるりの地元である京都。この日行われた2回の先行上映会では、150席がそれぞれ完売ということで、人気を伺わせた。10月4日(水)に発売された14枚目のアルバム「感覚は道標」に収録されている「California coconuts」をBGMに、岸田繁、佐藤征史、森信行の3人が登場すると、会場は大きな拍手に包まれる。まず岸田が「こんにちは」と挨拶。舞台挨拶はなかなか慣れていないと断りつつ、「見た目以上に緊張してます」と笑わせると、改めて「ご覧いただきありがとうございました」と会場に感謝を伝えた。


kururi-bu-240-satou.jpg佐藤もまずは感謝のコメント。そしてこの会場に来るのはトム・ハンクス主演の『クラウド アトラス』をメンバーと一緒に観に来て以来10年ぶりくらいと明かすと、岸田が「『クラウド アトラス』越えやね」とツッコミ。佐藤は、「その次(にここへ来たの)が『くるりのえいが』を見てくれた人の前っていうのが、なんか感慨深い感じです」と笑顔を見せた。


森はまず「オリジナルメンバーの森信行です」と挨拶。「僕がいた頃のくるりを知ってる人は?」と会場に問いかけると、8割ほどの観客が挙手する様子に「あ〜、うれしい!」と笑顔を見せつつ、「知らない方もいらっしゃると思うので、それも含めて楽しんでいただければ」と話した。


司会から撮影を通して印象的だったエピソードを聞かれた岸田は、作中に出てきたエビフライに言及。「大きいのが1人3尾ついてたんですわ。その他にもあの日はエビフライと湯豆腐、メインが2つ出てくるんです。それですかね」ときっぱり。岸田は「食べることが大好き」と話すと、ライブやレコーディングの現場でもお弁当などが置いてあるが、「あんなに食事も充実しているレコーディングはしたことがないですよ、ホンマに」と、これまでのバンド歴の中でもかなり印象深かったことを告白。佐藤も、レコーディング中は朝ごはんの味噌汁が何かが一番の楽しみだったと話し、「今日取れたメカブやワカメがごちそうになる伊豆、最高でした」と伊豆レコーディングを振り返った。


kururi-bu-240-kishida.jpgそのレコーディングが合宿形式で行われたことについては、岸田が「同じ釜の飯を食うという言葉があるけど、久しぶりに集まって同じご飯を食べて、同じところに寝て、おはようってレコーディングする、それが音に反映した」とあまり日常的でない感覚が作品に影響を与えたことを示唆。森も合宿だったことは大きかったと振り返ると、「くさい言い方になるかもしれないけど」と断りを入れつつ、「感動を共有するみたいな、リフレッシュで伊豆の海に行って風が気持ちいいな、海がきれいだな、今日は暑いな、ご飯がおいしいな、そういう感覚を共有できるのがチームワークにつながるような気がしていて、それが映画の中に入ってる気がします」と話した。


「コロナ禍ではリモートで音楽制作をしていたこともある」と岸田。3人でセッションしたことについては「3人で集まって、貴重というか、懐かしくもあるんやけど、人と集まって音楽作るのが楽しいなっていう気持ちでした」と改めてバンドで音を出すということのよさを実感した様子。森も3人いっしょにモノを作ることについて「インスピレーションの仕掛けあいも、こう来たらこう出てみたいなやりとりがすごい楽しかったですね」と振り返った。そして「久しぶりに制作して(昔と)いっしょやなというところもあるし、すごく成熟している新しい形も見られて、それは新鮮な体験でした」と心境を吐露。オリジナルメンバーである森に関して佐藤は「瞬発力のすごい人やな」と評すると「4小節だけのギターリフのイントロが流れただけで、自分のなかの道筋を作って、疑いなくこれ正解ですというのが出てくる、だから曲が進んでいく」とベタ褒め。そして以前は話したことのなかったという、ドラムに対してどういう気持で臨んでいるのか、といった話もしたと明かした。レコーディングについては、曲が生まれた瞬間からレコーディングまでがむちゃくちゃ短かったと話し、「曲の良さをみんなが忘れてないうちに、じゃあ録ってみようってできたっていうのが一番良かったのかなと思います」と、やはり3人が顔を合わせてのスピード感、ライブ感が今回のレコーディングで大きなウエイトを占めていたことを話した。


kururi-bu-500-3.jpgニューアルバムの「感覚は道標」の反響について岸田は、SNSなどでいろんな声を見聞きして、「ありがとうございますというのがいっぱいある」と明かすと「曲は少しずつ育っていくものだと思うので、最初にすごく祝福していただいた感覚」と笑顔。作中でも登場する拾得でのライブについて話題が及ぶと、そのライブに行っていたという観客が多数挙手するひと幕も。岸田が「いっぱいいっぱいではあったんですけど、楽しんで演奏したと記憶しています」と話すと、佐藤も「最近のライブの平均よりBPM20くらい上がってたんちゃうかな」とうなずいていた。


kururi-bu-240-mori.JPG森は今後について「映画のなかでできたものはオギャーと生まれた瞬間の感じ、その瞬間が映画に映っているのでそれをまず楽しんでいただいて、アルバムに入っているのは実はちょっとそこから青年くらいに成長してる、次はツアーで大人になった曲が見られるかもしれない」と、曲が生き物であることを伝えると、岸田が「グレんようにしないと」と合いの手。森も「ぜひツアーに足を運んでいただいて」とアピールした。佐藤は「森さんといい付き合い方をしていけたらと思ってる」と笑わせ、過去に森と共にした「チミの名は。」というツアーを挙げると、それ以上に楽しんでいければと期待を込めた。


ここで森からツアー名が発表されることに。しかし森は「えっとなんやったっけ……」と一旦ボケてからハードにキマる!つやなし無造作ハッピージェル》というツアー名を明かすと、岸田から「どういう意味なんですか、それは?」とツッコミが。その岸田は、今後についてたまに考えると話すと、「ケセラセラでございます」。さらに「さっきもっくん(森)も言うてはりましたけど、オギャーから成長の過程で、作者である自分たちが得ていくものもあると思うんで、見守りながら育てながら、ケセラセラ、ですかね」とさらり。最後に改めて会場に感謝を伝えると「この映画は音楽作品でもあるので、繰り返し見ていただくといろんな発見があるんちゃうんかな、長く付き合ってください」と締めくくった。
 


『くるりのえいが』

出演:くるり 岸田繁 佐藤征史 森信行
音楽:くるり 主題歌:くるり「In Your Life」 オリジナルスコア:岸田繁
監督:佐渡岳利 
プロデューサー:飯田雅裕 
配給:KADOKAWA 
公式サイト:vb-eigaeigyo@ml.kadokawa.jp 

2023年10月13日(金)より全国劇場3週間限定公開&デジタル配信開始


(オフィシャル・レポートより)

 
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 20世紀を代表する建築家で、母国フィンランドのみならず、世界中に「アアルト建築」と呼ばれる建築を作り上げてきたアルヴァ・アアルトと、彼と共に建築、内装、家具の分野で多大な貢献をしてきたアイノ・アアルトの人生やその仕事を描くドキュメンタリー映画『アアルト』が、10月13日(金)よりシネ・リーブル梅田、シネ・リーブル神戸、アップリンク京都にて公開される。
 アルヴァとアイノが手がけてきた建築や家具たちも続々と登場。ドイツのバウハウスなど、建築に新しい風が吹いていた時代、万国博覧会のフィンランド館を手がけたことから時代の寵児となり、アメリカでも人気を博していく様子や、戦争による復興需要により、新しいまちづくりに取り組んでいく姿は、建築家が果たす役割の大きさを実感させられる。人たらしで、パトロンを得て外での仕事を楽しむアルヴァと、家具の会社の経営から子育て、そして自身のクリエイティブワークまで黙々とこなしていたアイノ。50代でアイノが病死し、アトリエで勤めていたエリッサと再婚してから、人生の最晩年までアルヴァの老いもしっかりと見つめた稀有なドキュメンタリーだ。
 本作のヴィルピ・スータリ監督にお話を伺った。
 

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■小学校時代に通ったアアルト設計の図書館は「特別だった」

――――スータリ監督は小学校時代からアアルトがデザインした図書館が好きで訪れていたそうですが、その当時その場所でどんな気持ちを抱いたのでしょうか。
スータリ監督:幼いからこそ世界が新鮮に見えるし、幼い時の記憶ほど長く自分のなかに残るものです。子どものころ、アアルトがデザインした図書館は日常の生活に何気なくあるものでしたが、なぜわたしがそんなに特別だと思ったのかを追求したいという気持ちが、この映画を作るきっかけになったと思います。当時、わたしの故郷の冬はマイナス30度ぐらいまで気温が下がり、とても寒かったのですが、とても特殊な形をした図書館の取っ手を引いて中に入ると、素晴らしい空間が広がっていたのです。ここはまさにわたしのリビングルームだと感じました。アアルト&アイノの作品は触らずにはいられなくなるような感覚に訴えてくる美しさを備えており、レンガの壁を触ってみたり、革張りの椅子に座ってみたり、真鍮のランプが照らす中読書をしたりと、リビングのように過ごしました。
 
――――それは特別な体験ですね。
スータリ監督:でも当時のわたしには、何が特別なのかを理解することができなかった。映画を撮るということは、当時毎日触れているものが、なぜそんなに特別だったのかを解き明かすという試みでもあったのです。アルバート・アアルトは、わたしの父母世代は建築家として敬愛していました。
 
 
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■アアルト夫婦の間で取り交わされた書簡をみつけ、映画化を確信

――――なるほど。他にも本作を作る動機になったことはありますか?
スータリ監督:当時、わたしの故郷は戦争によって完全に焼け落ちてしまい、本当に醜い状態でした。そこで復興を急ぐため、アアルトら建築家が招聘され、都市計画を立てて、新しい建築物を作り、焼け出されてしまった人たちの尊厳を取り戻したのです。そんないろいろなことがわたしの頭の中にあり、この作品を作ろうと思ったのです。それまでにドキュメンタリー作家として30年のキャリアを積んでいたので、わたしは建築家ではありませんが、建築家アアルトの作品になぜ感銘を受けたのかを語っていこうと思いました。実際に、彼がどんな人物であったかを具体的に知らなかったのですが、取材を通じて妻、アイノ・アアルトという非常に興味ふかい人物を見出しましたし、ふたりの間で取り交わされた書簡をみつけたことで、映画が作れると確信したのです。
 
――――まずは調査が必要ですが、まずはどんなことから始めたのですか?
スータリ監督:4年間製作に携わり、2年間はフルタイムでかかりっきりとなって、大量の資料を形にするわけですから思い出すのも大変なぐらい(笑)。調査を進める中で、100名以上の人間が関わってくる、一種の前世紀の文化研究に近いリサーチが必要だったのです。ロックフェラー財団所有の資料や、国連が持っている資料など世界中の資料保存場所にアクセスしましたし、家族が保管している手紙や写真も一番大事でした。そこで重要だったのは、人と人との研究者同士のネットワークを、網の目のように広げ、背景についてインタビューしたことで、それも大きな仕事でした。様々な人の解釈を組み上げていくのは大変でしたが、ゆっくりと時間をかけて取り組むというアプローチをとり、アアルトの家族からの信頼も時間をかけて築き上げていきました。ちなみに編集のユッシ・ラウタニエミさんは、フィンランド版アカデミー賞の編集賞を受賞したので、苦労が報われたと思いますよ。
 
 
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■記録映画ではないシネマ性を出すことを意識して

――――それは、おめでとうございます。ちなみに編集では特にどんな点に苦労したのでしょうか?
スータリ監督:建物はそもそも動かないし、家具も動かない。登場人物も亡くなっている方ばかりで、生きて動いているものが一つもない状態で撮影するのは、非常に難しかったです。フィルムの中で物語の流れを感じさせ、有機的かつイキイキとした感じを出すのが大変で、編集も大変でした。記録映画ではないシネマ性をきちんと出すことを意識しましたね。専門家や関係者のインタビューを出すのではなく、たくさんの人の話を取り入れながら、ひとりのナレーターが話をする形にしました。そういう考えのもと、アルヴァやアイノをいきいきと描くことに心を砕いたのです。
 
 
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■フィンランド人でも知らなかった建築家、アイノ・アアルトに光を当てる

――――アルヴァ・アアルトを調べるうちに、アイノ・アアルトという興味深い人物に出会ったとおっしゃいましたが、スータリ監督はアアルトをどんな人物と捉えたのですか?
スータリ監督:アイノに、今スポットライトを当てるべきだと思ったのです。フィンランド人でさえ、彼女のことを知りませんでしたから。ただアイノはアルヴァと若い時に知り合い、いろんなことを一緒に発見するなど対等な立場にいましたし、ドイツのバウハウス運動にも関わり、有機的なモダニズムを一緒に生み出していました。アアルトの世界観の土台はふたりで作り上げたもので、その上にアルヴァが建築していったのです。実際、アルヴァの建築の内装は、ほとんどアイノが手がけており、バウハウス運動のように建物も含めた全体性としてのアートを成し遂げる上で、非常に重要な役割を果たしていました。ですから、映画の中でも、まずアイノが建築家であることを盛り込みたいと考えていたのです。
 
――――日本でも展覧会「アイノとアルヴァ 二人のアアルト フィンランド-建築・デザインの神話 AINO and ALVAR AALTO: Shared Visions」でアイノのことを知った人も多かったと思います。
スータリ監督:アイノは並々ならぬ審美眼を持っており、アルヴァは自分が何かを作る際はまずアイノに見せて、意見を求めていたそうで、そういう点でも全幅の信頼を置かれていました。ただアイノは寡黙で、いつも周りの観察しているような人だったのに対し、アルヴァはとても外交的で誰とも友達になれる魅力的な人物でした。ふたりは愛し合っていたので良いと思うのですが、わたしがアルヴァを夫にすることは、あり得ないですね。アイノの死後に再婚した若いエリッサに対し、自分の好きな髪型や服に変えさせるような束縛的なことをしていたこともありましたから。ただ、アルヴァの魅力にわたし自身が恋をした部分もあるのです。でもそれ以上に100年前の女性でありながら、現在にも通じるようなアイノの建築家や大工としてのスキルを持ち、家具会社の運営をし、ふたりの子どもを育て、何よりも扱いが複雑な夫アルヴァの世話をする、とても先進的かつエネルギッシュな女性でしたから、大きなインスピレーションを得ることができました。ちなみにアルヴァの声を演じたのはわたしの夫ですが、彼はアルヴァのような「ありえない」夫ではないことを付け加えたいです(笑)
 
 
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――――晩年はお酒で身を滅ぼすような部分もあったアルヴァですが、いずれにせ、アルヴァのあらゆる部分を描き出していましたね。
スータリ監督:アルヴァが人として抱えていた問題を、しっかりと映しだそうと思っていました。彼は晩年になると若い世代とコミュニケーションが取れなくなり、恐竜の生き残りのように扱われました。昔は先鋭的な建築家だったのに、最後は自分の殻の中に閉じこもり、余計にアルコールのせいで悪循環を招いてしまったのです。ドキュメンタリーで人物を描くにあたり、フォーカスする人物を聖人君主化はしません。人としてのアアルトを出していくわけです。最後に、アルヴァは、「人は悲劇と喜劇との組み合わせである」と語っていたのですが、まさにそれを映画に反映させたかったのです。
(江口由美)
 

<作品情報>
『アアルト』”AALTO”(2020年 フィンランド 103分) 
監督・脚本:ヴィルピ・スータリ 
出演:アルヴァ・アアルト、アイノ・アアルト他
2023年10月13日(金)よりシネ・リーブル梅田、シネ・リーブル神戸、アップリンク京都にて公開 
配給:ドマ
公式サイト https://aaltofilm.com/
(C) FI 2020 - Euphoria Film
 
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 『ミロクローゼ』で山田孝之とタッグを組み、独自の世界観を強烈に印象付けた石橋義正監督の12年ぶりとなる最新作『唄う六人の女』が、2023年10月27日(金)より大阪ステーションシティシネマ、京都シネマ、OSシネマズ神戸ハーバーランド他全国ロードショーされる。
 父親の訃報を受け、山奥の生家に帰った萱島(竹野内豊)は、幼少期に両親が離婚して以来疎遠だった父親が、毎日山で何かを探していたことを近所の人から聞く。父から相続した山を買うために訪れた東京の開発業者、宇和島(山田孝之)との契約を済ませ、宇和島に最寄り駅まで送ってもらう途中、事故に遭ってしまう。ふたりが目覚めると、森の奥で六人のミステリアスな女性たちに監禁されてしまい…。
ふたりの男を森の中で監禁する六人の女性たちを演じるのは、水川あさみ、アオイヤマダ、服部樹咲、萩原みのり、桃果、武田玲奈。それぞれの魅力を活かし、艶っぽさやスリリングさを感じさせると同時に、身体表現の美しさにも心を奪われる。女性たちの正体は?そしてその狙いは何なのか。京都府南丹市の原生林をはじめ、豊かな自然の森の中で繰り広げられる壮大なミステリーだ。
濡れる女を演じたアオイヤマダさん、見つめる女を演じた桃果さんにお話を伺った。
 

■セリフがない役にワクワク、ドキドキ(桃果)

  大好きな石橋義正ワールドで、自ら挑みたい役を直訴

(アオイヤマダ)

――――ホラーの要素が強いのかと思いきや、観終わると実写版ジブリではと思わせる壮大なテーマを感じました。おふたりのオファーをいただいたときのことや脚本を読んで、どのように解釈したかを教えてください。
桃果:最初からセリフがない役だと伺い、ずっとどういうことなのか考えていたので、脚本を読み、六人の女たちが皆セリフをしゃべらないことに、むしろワクワクする感覚がありました。現場に入る前は、セリフがない分、表情や仕草で伝えなければとドキドキしましたね。
 
アオイヤマダ:普段ダンサーとして活動しており、日常的に体を動かして表現しているので、言葉がないことにはあまり抵抗はなかったです。わたしは石橋義正ワールドが大好きで、オファーをいただいたときは、やらせてくださいと即答したのですが、一方で何か壁にぶち当たりたい気持ちがありました。どんな役があるのかを監督に聞くと、水で泳ぐ役があることを知り、「どうしてもやらせてください。水に潜らせてください」と自分からお願いしました。水に慣れた人にオファーする方が、演出側もリスクは少ないと思うのですが、石橋監督に特訓をさせてほしいとお願いし、大阪のプールで指導の先生をつけてもらい、通って水中での練習を重ね、本番に挑みました。
 
――――アオイヤマダさんが石橋ワールドを好きになったきっかけは?
アオイヤマダ:『バミリオン・プレジャー・ナイト』をYoutubeで拝見したとき、そこに『唄う六人の女』があり、わたしはその世界観が大好きでした。ちょっと毒があり、今の世の中でNGすれすれの表現を恐れずにやる反骨精神や、人間が本来持っている欲のようなものを常に映している作品で、音楽もいい。だから、『唄う六人の女』が長編映画化されるとは、一体どういうことになるのかと驚き、期待を胸に今回演じさせていただきました。実際に完成した映画は、観終わると素直に自然と向き合える作品になっていると感じました。わたしが好きだと思う石橋義正ワールドとは違うけれど、おっしゃったように実写版ジブリとも言える、自然と人との関係について考える壮大な世界観になっていますね。
 
 
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■特殊なキャラクターを演じる上で、インスピレーションを得たものは?

――――唄う六人の女のひとりとして、どのように役作りを行ったのですか?
桃果:セリフがない特殊なキャラクターという設定だったので、どれぐらい感情を持てばいいのか悩みながら撮影に挑んだのですが、山田孝之さんが演じる宇和島とのシーンで、宇和島が何か話すと、どうしても表情で反応してしまうんです。石橋監督からは、とにかく相手をひたすら見つめ、瞬きもこらえて表情には出さないようにとの演出がありました。宇和島に対して興味は持っているけれど、細かな感情は持たないように心がけました。
 
アオイヤマダ:濡れる女という特殊なキャラクターなので、その気持ちがわかるのだろうかと撮影前はいろいろ考えていたのですが、撮影で山田孝之さんと初対面だったのでご挨拶し、ちょっと緊張した雰囲気が流れた瞬間、わたしの手にバッタが止まったんです。人間はいきなり距離を詰められると拒絶してしまうけれど、虫は人間に対して距離感がなく、勝手に体にまとわりつくことだってある。いきなり距離感ゼロの感じが、竹野内豊さんとの初めて一緒に演じるシーンで役立ちました。だから、撮影中はバッタだけでなく、実際に森にいた生き物たちからインスピレーションをいただいていましたね。普通に生活していたらタブーとされることを一度取り払い、どのようにアクションを起こすかを集中して考え、役に反映させていきました。
 
――――アオイヤマダさんの場合、日頃ダンサーとして活動する中で、いろいろなものからインスピレーションを得ることが習慣づいているのでは?
アオイヤマダ:わたしが踊っているときに好きなのは、地位や権威、肩書きが全て外れる瞬間です。踊ることでその空気、空間だけが移動している。そこに魅力を感じているので、バッタからインスピレーションを得たのも、日頃の習慣と言えるかもしれません。
 
――――濡れる女が水中で美しい動きを見せるシーンは、本作の大きな見どころです。
アオイヤマダ:水中では重力がないのでなんでもできるけれど、物理的に呼吸ができない。陸の上で踊るときは呼吸を意識しないと体が堅くなってしまうのですが、水中で呼吸を止めながら伸び伸び動くことは、実際難しいんです。それに加えて、「死ぬかも」と常に思いながら動いていることが、逆に「生きたい」につながるのです。生と死の間で踊るというのも、わたしにとっては貴重な経験でした。
 
――――桃果さんが演じる「見つめる女」は、山田孝之さんが演じる宇和島とのハードなシーンもありましたね。
桃果:わたしはお芝居をする上で、ハードなシーンでも手加減はあまりされたくないし、むしろ「来るなら来い!」ぐらいのタイプなんです。実際、そのシーンでちょっと擦り傷ができたとき、その傷を山田さんが見たら少し気にしてしまうかなと思い、こっそり傷口を洗っていたのですが、結局山田さんに気づかれ、絆創膏をいただきました。(笑)。それぐらい山田さんも本気で向かってきてくださったので、わたしもすごく演じがいがありましたし、いい経験になりました。
 
 
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■森での撮影で感じた自然の力

――――京都府南丹市の森の中での撮影でしたが、撮影を通して、どんなインスピレーションを得たのでしょうか?
桃果:通常、撮影ではキツいと思うことも多いのですが、森の中で撮影している間、すごく楽しかったんです。ストレスもなく、むしろ癒される感じで、自然があるから、自分たち人間も生きられると思いますね。あと、わたしは虫が大嫌いだったのですが、見つめる女を演じながら、森の生き物や虫と向き合うようにしていたんです。おかげで、虫に対する苦手意識が減りました。
 
アオイヤマダ:わたしは長野県生まれで、幼少期は家の近くには川があり、虫とも遊ぶような自然の中で育ちました。でも15歳で上京してから、自分のことに一生懸命で自然のことは他人事になっていたんです。今回、森の中の撮影で、わたし自身が元気になり、やる気もでて、何かに取り組もうと前向きな気持ちになりました。それはやはり自然の力なんです。自然というと漠然としてしまいますが、周りの環境に目を向けられるようになると、周りの人にも目を向けることができ、優しい気持ちになれる。これからもそういうことは大事にしていきたいですね。
 
――――石橋監督にもふたりの森での撮影の感想をぜひお伝えしたいですね。
アオイヤマダ:石橋監督の作る世界観を掴む上で、監督自身のことを理解したいという思いがあり、でもどこかずっと腑に落ちていない部分があったんです。昔から女性を艶っぽく描くのが特徴だと思っていたのですが、打ち上げのとき、いつから女性へ関心を持ったのかをお聞きすると「3歳です」と即答されて(笑)。でもこの答えを聞いて、わたしの中で、全ての点が繋がりました。3歳から女性像を俯瞰してみることができておられたのかと。
 

 

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■六人の女、それぞれの美に衝撃(桃果)

 思いやりのある世界観を描く(アオイヤマダ)

――――ありがとうございました。最後に、唄う六人の女というのはどんな存在と言えるでしょうか。
桃果:現場でご一緒する機会はあまりなかったのですが、完成した作品を観ると、みなさんそれぞれのエロスや女性らしさがあり、それぞれの美を描いていて、わたしは衝撃を受けました。
アオイヤマダ:わたしは思いやりを持つことだと思うんです。自然対人間という二者択一にするのではなく、思いやりがあれば、自然や人間とコミュニケーションを取り続けられるのではないでしょうか。石橋監督ご自身が思いやりがある方なので、そういう世界観を描けるのだと思います。
(江口由美)
 

 
<作品情報>
『唄う六人の女』(2023年 日本 113分)
監督・脚本:石橋義正
出演:竹野内豊、山田孝之、水川あさみ、アオイヤマダ、服部樹咲、萩原みのり、桃果、武田玲奈 
2023年10月27日(金)より大阪ステーションシティシネマ、京都シネマ、OSシネマズ神戸ハーバーランド他全国ロードショー
配給:ナカチカピクチャーズ/パルコ
© 2023「唄う六⼈の⼥」製作委員会
 

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これまで日常に潜むグレーゾーンに光を当ててきた森達也監督が自身初の劇映画を監督した作品『福田村事件』。

本作で10月4日に開幕した第28回釜山国際映画祭に主演の井浦新・田中麗奈、そして向里祐香、プロデューサーであり脚本の井上淳一がレッドカーペットとオープニングセレモニーに出席した。


4名はシックでありながらも品のある存在感あるブラックコーデで統一感ある衣装を身にまといながら、とても和やかな雰囲気に包まれつつも終始笑顔でフォトコールに応じるなど、現地メディアと観客からの歓迎に笑顔で応えた。


また、セレモニーの翌日(10月5日)は、井浦、田中、向里は釜山国際映画祭と世界的ファッション誌「マリ・クレール」が共同主催をするマリ・クレール アジア・スター・アワード(BIFF with Marie Claire Asia Star Awards)にも参加し、井浦新はアジアで活躍するスターを表彰する「アジア・スター賞」受賞、向里祐香は今後のアジアでの活躍が期待される俳優に送られる「フェイス・オブ・アジア賞」受賞をした。


fukudamura-pusan-500-1.jpg本作はコンペティション部門の一つであるニューカレンツ部門に選出され、主演の井浦新・田中麗奈、そして向里祐香がレッドカーペットとオープニングセレモニーに参加。監督を務めた森達也はクロージングに参加をする予定だ。

つきましては、以下にて3名のコメントもお送りいたします。


◇井浦新コメント

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韓国を始めアジアやヨーロッパの映画人が集まり、クオリティの高い良質な映画がセレクトされる釜山国際映画祭。今回は5年ぶり5回目の参加になりました。たくさんの観客もそうですし、開催期間中は街が映画愛に溢れるこの映画祭が大好きです。映画祭の運営サイドも観客サイドにも、映画や文化への成熟された深い深い愛情を感じます。 釜山国際映画祭のmarie claire ASIA STAR AWARDS 2023では、錚々たる韓国の俳優陣の中で、映画【福田村事件】で共演をしている向里祐香さんが【FACE OF ASIA】賞を、そして私は【ASIA STAR】賞とW受賞でいただくことができました。


『福田村事件』はクラウドファンディングによってご支援を賜り、参加している各俳優の事務所が出資して下さり。映画作りのプロたちが集まって作り上げた自主制作映画です。小さな小さな映画ですが、大切なテーマ性と大きな大きなひとりひとりの人間力で作り上げました。このような映画が、国境を超えて素直な目で観ていただき評価されることは、大変光栄です。 個人賞ではありますが、この賞はクラウドファンディングで支えて下さった皆さん、いつもサポートしてくれている事務所の皆さん、そして勇気をくれる仲間たちと大切な家族の皆んなで頂くことができた受賞だと思っています。

 

田中麗奈コメント

今回、由緒ある釜山国際映画祭のレッドカーペットを歩くことができ、大変光栄でした。現地の方だけではなく世界中から映画を愛す皆さんが集まって映画祭の開幕を祝う姿はとてもエネルギッシュで印象的でした。関係者だけではなく、観客全てが映画人という空間はとても素敵な事だと思います。

『福田村事件』が韓国の方々にどのように感じていただけるのか不安もあるのですが、どんな意見でも伺えれば嬉しいですし、またそれを日本の皆さんとも共有出来たら、とても意義のある事になるのではないかと思います。日本での上映もまだまだ続くので、まだご覧になってない方も是非劇場で観てくださると幸いです。

 

fukudamura-pusan-yuka-240-1.jpg向里祐香コメント

『福田村事件』という作品が国内だけでなく海外でも評価して頂けて本当に光栄ですし、そのような作品に携われた事を有り難く感じております。1人でも多くの方に、この作品が届きますように。

また賞を頂くのは今回が初めてで、それも国内ではなく海外の韓国でアワードを頂けるなんて想像もしておりませんでした。FACE OF ASIAに相応しい役者でいられるように、これからもお芝居と誠実に付き合って行こうと思います。


 


<作品情報>

『福田村事件』(2023 日本 136分)
監督:森達也
出演:井浦新、田中麗奈、永山瑛太、東出昌大、コムアイ、松浦祐也、向里祐香、杉田雷麟、カトウシンスケ、木竜麻生、ピエール瀧、水道橋博士、豊原功補、柄本明他
2023年9 月1日(金)よりシネ・リーブル梅田、第七藝術劇場、MOVIX堺、京都シネマ、京都みなみ会館、9月8 日(金)よりシネ・リーブル神戸、元町映画館、シネ・ピピア、以降出町座で順次公開
公式サイト→https://www.fukudamura1923.jp/
(C) 「福田村事件」プロジェクト2023  


(オフィシャル・レポートより) 

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『ミロクローゼ』の石橋義正監督が10年ぶりに山田孝之とタッグを組んだ最新作『唄う六人の女』が、10月27日(金)より大阪ステーションシティシネマ、TOHOシネマズなんば、京都シネマ、OSシネマズ神戸ハーバーランド他全国ロードショーされる。


W主演の竹野内豊と山田が、森の中で六人の女性たちに監禁される男を演じる本作。個性豊かな六人の女を演じる水川あさみ、アオイヤマダ、服部樹咲、萩原みのり、桃果、武田玲奈が、森の中でそれぞれの魅力を活かし、ふたりの男と不思議な体験を繰り広げる。京都府南丹市の原生林をはじめ、豊かな自然の森の中で繰り広げられる壮大なミステリーだ。

 本作の石橋義正監督山田孝之さんが語った本作への想いをご紹介したい。

 


■人間の嫌な部分を際立たせる役(山田)

―――10年ぶりに新作を作るに至った経緯は?

石橋監督:前作以降は、舞台や展覧会活動をしていたのですが、5年前から本作のシナリオに着手しました。ある程度それが出来上がった段階で、山田孝之さんに見てもらい、そこから1年ほどかけてシナリオを修正し、撮影に臨んだわけです。


utau6-9.16kakomi-yamadai-240.JPG山田:石橋監督と本当にしばらくぶりにお会いして、新作を山田さんと竹野内さんにお願いしたいとオファーされた数日後に、竹野内さんとバッタリお会いしたんです。もともとご近所に住んでいたのにそれまで全くお会いすることなかったので、これはご縁があるということなのかなと思い、出演を正式に決めました。人間の欲がとても強く出ている役で、欲を追いすぎるとこうなるという象徴にならなければいけなかった。人間の嫌な部分を際立たせ、そこを痛感してもらう必要がありました。


―――山田さんはプロデューサーも担当されていますね。

山田:撮影をしているときは芝居をするだけですが、映画ができあがってから、どんなイベントをやるか、どういう打ち出し方をしているかは、いつも通り監督と話し合いながらやっています。今回はロケ地である京都府南丹市の自然の中で上映しましたし、屋内で上映するときも自然を感じてほしいと思っていたところ、香りを使ってはどうかという提案をいただき、特別イベントとして現在進めているところです。


■山田さんは、オリジナルを作ることが難しい中、実現のため力を貸してくれた(石橋)

―――実際に10年ぶりに映画でタッグを組んでの感想は?

石橋監督:『ミロクローゼ』は全然違うキャラクターを一人三役で演じわけてくださいました。演技だけでなく、多彩なパフォーマンスを要求される中で、殺陣のシーンも僕が思っていたイメージを超える動きをやってくれました。山田さんでなければ絶対に作れない作品でした。今回も、ファンタジーの中でリアリティーを持たせるためには、山田さんの鬼気迫る演技が活きているし、企画段階から本作が実現するように尽力いただいた。普通にタッグを組むという部分だけでなく、オリジナルを作ることが難しい中で、それを実現できるように力を貸してくださっていることに、本当に感謝しているし、山田さんしかできなかったことだと思います。


―――山田さんや竹野内さんへはどんなディレクションをしたのですか?

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石橋監督:山田さんに説明はしましたが、あとは自分で考えて役を作ってくださいました。竹野内さんとは、時間をかけてこの映画のテーマをお話しさせていただく時間を作りました。共感していただいたからこそ、ひとつひとつの萱島の心情や精神的な状態を説明しました。シナリオを読むだけではわからないような、わたしの中で設定している裏テーマやさまざまなレイヤーがあるので、どのレイヤーを伝えると演者にとっていいのかを考えて、竹野内さんに伝えました。撮影中も竹野内さんとやりとりを多く重ねましたね。


―――『唄う六人の女』というタイトルですが、女たちはしゃべらないのが印象的でした。

石橋監督:声を全く発しない方が、逆に強いメッセージになり、伝わるのではないかと思いました。もう一つは本作を音楽劇にしたかったんです。劇伴は40曲ほど作りましたし、夜の儀式のシーンでは、自分で劇伴を作り、編集をしたりと同時進行し、その後プロの方にアレンジしてもらう形をとりました。自分の記憶に残っている映画は音楽が非常に重要なので、今回の作品もそうしたいと思いました。


■最初は昔話みたいな映画にしたかった(石橋)

―――ファンタジーであり、とても寓話的だと思いましたが、何かインスピレーションを受けた昔話などがあれば教えてください。

石橋監督:最初のプランを考えるときに、何か懐かしさがある昔話みたいな映画にしたいというアイデアはありました。「食わず女房」という昔話があるんですよ。よく働く女と結婚したのだけど、全然食べない。おかしいなと思って外出したふりをして天井裏から覗くと、女の頭が割れて、そこが口になってご飯を山盛り食べていた。そんな話なんだけど、見た目とのギャップという意味で、ひょっとしたらこの作品に影響しているかもしれませんね(笑)


utau6-main-550.jpg―――原生林での撮影についてや、それを経てより自然に対してどんな考えを抱くようになったのかを教えてください。

石橋監督:最初、東京でもそれっぽく撮れるのではと思いましたが、実際に芦生の森に入ってみると、そんな撮り方では絶対に伝わらないと感じました。芦生の森に入ったときの感動や、気持ちを伝えて撮影をお願いしたときの感動が、すごく作品に影響しているし、そのことをスタッフと共有しなければいけないと思いました。現在、本作を漫画化していますが、著者にも丸一日芦生の森へ一緒に入ってもらい、いろんなところを回りました。やはり五感で感じないとわからないですから。森は空気がきれいで気持ちいい一方で、何が起こるかわからない緊張感がある。ヒルに噛まれるかもしれないし、そういうことも含めて生き物とともにいるのが森なんです。

 

(江口 由美)


『唄う六人の女』

(2023年 日本 112分)
監督・脚本:石橋義正
出演:竹野内豊、山田孝之、水川あさみ、アオイヤマダ、服部樹咲、萩原みのり、桃果、武田玲奈
制作協力:and pictures
配給:ナカチカピクチャーズ/パルコ
(C) 2023「唄う六人の女」製作委員会
公式サイト:https://www.six-singing-women.jp/

2023年10月27日(金)~全国のTOHOシネマズ系、大阪ステーションシティシネマ、京都シネマ OSシネマズ神戸ハーバーランド  他全国ロードショー

 


 

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10 月 14 日(土)より、京都文化博物館で開催する「ぴあフィルムフェスティバルin 京都 2023」のプログラムが決定しました。9 月 22 日(金)に各賞が発表されたばかりの、自主映画コンペティション「PFF アワード 2023」の入選 22 作品に加え、招待作品部門「イカすぜ!70~80 年代」の 6企画 20 作品を一挙上映する 8 日間です。
 



◎映画祭「ぴあフィルムフェスティバル in 京都 2023」

■日程:2023 年 10 月 14 日(土)~22 日(日) ※月曜休館

■会場:京都文化博物館(京都市中京区三条高倉)

【公式サイト】https://pff.jp/45th/kyoto/
 



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【コンペティション「PFF アワード 2023」】

 

 

557 本の応募作から選ばれた、22 作品を一挙上映します。

現在、京都芸術大学に在学中で、審査員特別賞を受賞した『鳥籠』立花遼監督や、大阪芸術大学&立命館大学出身で大阪在住の『ハーフタイム』張曜元監督ら、入選監督も来場予定です。

また、観客の皆さんに投票いただく「京都観客賞」を実施します。ぜひ投票してください!

 

 

投票はこちら⇒(https://pff.jp/45th/award/competition.html


【招待作品部門「イカすぜ!70~80 年代」】

① 大森一樹監督再発見 

   10/14(土) 11:30~/14:00~、
   10/15(日) 11:00~

京都府立医科大学在学中に制作し、一躍その名を轟かせた『暗くなるまで待てない!』をはじめ、貴重な自主映画時代の 8 ミリ&16 ミリの全 9 作品を 3 プログラムに分けて上映します。貴重な 70 年代の京都の街並みを背景にした作品も含まれています。

かつて大森監督の助監督をつとめた緒方明監督が、東京開催に続きすべての回で、アフタートーク。貴重なエピソードを披露します。さらに、15 日(日)のプログラムには、大森監督自主映画時代の主演俳優である、南浮泰造さんに来場いただき、緒方監督との対談が実現します。


② 斎藤久志監督再発見

10/14(土) 17:00~

斎藤久志監督のプログラムでは、自主映画時代から斎藤監督作品に出演し、現在は京都芸術大学で教鞭をとる鈴木卓爾監督が来場。秘蔵映像&数々のエピソードで、斎藤久志監督の映画術をお話いただきます。

 

 

③ 日比野幸子プロデューサー再発見

10/17(火) 15:00~
10/19(木) 15:00~

PFF スタート時から審査員として参加した日比野幸子さんは、海外へとその視点を拡げ、80 年代にはまだ誰も注目していなかったアジアや東欧の新鋭を紹介し続けました。今回は、ホウ・シャオシェン監督、イ・チャンホ監督の 2 作品を紹介します。

 

④ 山中瑶子『あみこ』への道

10/17(火) 18:00~
10/18(水) 15:00~/18:00~

東京でも好評を博した、山中瑶子監督のプログラムを京都でも実施!『あみこ』+『おやすみ、また向こう岸で』の山中監督トーク回に加え、山中監督が衝撃を受けた 2 作品を上映します。

 

⑤ 鶴岡慧子監督セレクト

10/15(日) 13:45~

早逝したバーバラ・ローデン監督の初長編作品に衝撃を受けた鶴岡監督が、デビュー作の創作について伝えます。現在、神戸芸術工科大学で助教を務める鶴岡慧子監督の初長編である PFF グランプリ作品『くじらのまち』も同時上映!

 

⑥ 驚異の傑作!

10/20(金) 15:00~

山川直人監督&石井聰亙監督による、70~80 年代を代表する伝説の自主映画を 2 本立て上映。8 ミリ作品を修正したデジタル版での上映です。

 


【チケット情報】

10 月 3 日(火)朝 10 時より、チケットぴあにて発売!(P コード:553-389)

<PFF アワード> 一般(シニア含む):1,000 円/障がい者・友の会:500 円/学生:500 円

<招待作品部門> 一般(シニア含む):1,500 円/障がい者・友の会:1,000 円/学生:500 円
 


(オフィシャル・リリースより)

 
 
 
 


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【日時】9月19日(火) 舞台挨拶/19:00

【場所】伝承ホール(渋谷区桜丘町23-21渋谷区文化総合センター大和田6F)

【登壇者】倉悠貴、芋生悠、成田凌、前田弘二監督 



変わり者のトワと、変わり者の園子。二人にしか分からない世界。

二人にしか分からなくていい関係を作り出すラブストーリー。

 

『まともじゃないのは君も一緒』の監督・前田弘二と脚本・高田亮が贈る〈おかしな二人の物語〉第二弾『こいびとのみつけかた』が、10月27日(金)より、新宿シネマカリテほか全国公開となります。


koibitonomitukekata-pos.jpgコンビニで働く女の人・園子に片想いをしている植木屋でトワは、毎日植木屋で働きながら、彼女がどんな人か想像している。なんとか話したいと思った彼がついに思いついたのは、木の葉をコンビニの前から自分がいる場所まで並べて、彼女を誘うことだった。二人は言葉を交わすようになり、周囲にはよく理解できない会話で仲を深めていくのだが、園子にはトワにうまく言い出せないことがあり…。


世の中に馴染めない、ちょっぴりエキセントリックな2人が繰り広げる、〈可笑しくピュア〉なラブストーリー。

世の中の〈普通〉に馴染めない、おかしな二人のおかしな会話の応酬で繰り広げる『まともじゃないのは君も一緒』の監督・前⽥弘⼆×脚本・⾼⽥亮コンビの最新作。主演に『夏、至るころ』(20)、『OUT』(23)と主演作が続く倉悠貴、ヒロインに『ソワレ』(20)、『ひらいて』(21)の芋生悠を迎え、成田凌、宇野祥平らが脇を固める。また、川瀬陽太、奥野瑛太、高田里穂、松井愛莉らも名を連ねる。


映画『こいびとのみつけかた』の完成披露上映イベントが9月19日(火)、都内で開催され、主演の倉悠貴、ヒロインを務めた芋生悠、共演の成田凌、前田弘二監督が上映前の舞台挨拶に登壇した。


成田さんが主演を務めた『まともじゃないのは君も一緒』に続いて、前田監督と脚本家の高田亮のコンビによる本作だが、企画の成り立ちについて、前田監督は「『まとも――』の初号試写を見て、(成田さんと)『もう1回やりたいね』と盛り上がって、ちょっとメロドラマな静かな空気で、変わり者の2人の話ができないか? というところから始まりました」と明かす。


koibitonomitukekata-550.jpg『まとも――』にも出演していた倉さんは、本作で主人公のトワを演じたが、前田監督からのオファーについて「前田さんから『どうしても撮りたい映画があるんだ。倉くんにピッタリだと思うんだよね』とおっしゃっていただいて、そんな熱量をいただけると思っていなくて、脚本を読んだら面白くて『ぜひお願いします!』と言いました」と明かし、倉さんの事務所の先輩でもある成田さんは「倉が主演と聞いて、自分もテンションが上がって、勝手に嬉しかったのを覚えています」と明かす。ヒロインの園子を演じた芋生さんは、故郷の熊本の復興チャリティイベントを通じて前田監督と面識があったことを明かし「(監督の)映画が好きだったし、前田さんも好きだったので嬉しかったです」とふり返る。


koibitonomitukekata-500-2.jpg倉さんと芋生さんは初共演となったが、倉さんは「ゆるかったですよね、雰囲気が(笑)」と述懐し、芋生さんも「2人のシーンがひたすら楽しかったです」と笑顔を見せる。成田さんも現場の様子について「監督が柔らかい方なので、現場はほっこりするし、しかも主演が倉となると、それは優しい、優しい空間だなと。ほこほこした気持ちでいました。素晴らしい空気感でした。『良いもの見ているな』という感じでした」と同意する。前田監督は、今回の俳優陣について「理想のキャスティングでした」とニッコリ。「トワと園子の話ですけど、この2人なら間違いないと思ってお願いしたら、想像以上に素敵でした」と倉さん、芋生さんが醸し出す空気感、関係性を絶賛する。


劇中、トワと園子がそれぞれ、ピアノの弾き語りを披露するシーンがあるが、実際に倉さん、芋生さんが練習を重ねて本番でも自ら演奏&歌唱し、一発OKが出たという。芋生さんは「曲が良いんですよね」と頷き、倉さんは歌詞についても「一見、シュールですけど、芯を食っていて、メッセージ性があります」と語り「グッとくるシーンになっています」と自信をのぞかせていた。

 

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改めて、本作で描かれる、“変わり者”の登場人物たちの人間模様や、メッセージについて、前田監督は「『こいびとのみつけかた』とあるように、恋の話ではあるけど、母性の話でもあるなと思ったし、つらい現実からの逃避の話でもあると思います。世の中、おかしなことばかり起きていて、つらい現実に対してとかいろんなメッセージが詰まってて『いま撮らなきゃダメだな』と思い『どうしても撮りたい』とプロデューサーに頭下げて撮りました」と語る。


成田さんは「監督も高田さんも、いろんなこと考えるなぁ…というのが率直なところです。こんなことばっかり考えて、生きているんだなと(笑)。(トワと園子は)変わり者の2人かもしれませんが、倉くんはわりと普段から変わっているので(笑)、すごくなじんでたと思います。変わり者を演じようとすると限界があると思うけど、浮かずになじんでいて素晴らしかったと思います」と大絶賛(?)。


koibitonomitukekata-500-4.jpgちなみに成田さんは、自身が間近で見た、倉さんの変わり者エピソードとして「2人で鉄板焼きを食ったんですよ。(鉄板焼きは)自分のテリトリーがあるじゃないですか? 先輩(成田さん)が一生懸命、もやしとかを作っていたんですけど、しゃべりながら、普通に(倉さんが)俺のテリトリーから食べ始めて…。これは変わってますよね? 先輩が大切に育てていたもやしを…。これは僕がなめられているのか(笑)?」と明かし、会場は笑いに包まれていた。


最後にこれから映画を観る観客を前に、前田監督は「この映画が、みなさんのガス抜き、厳しい日常の中での筆休みになってくれたら」とアピール。成田さんも「つらいことがあっても、毎日は進んでいくわけで、変わっていても、変わってなくても、毎日、同じ時間があるんだなと思います。単純に、いま思っているのは、みなさん、いまからこの映画を観られるのが羨ましいなと。素敵な映画ができましたんで、ぜひ楽しんでください」と呼びかける。


koibitonomitukekata-500-1.jpg芋生さんは「夫婦とはこうあるべきとか、友達や恋人はこうあるべきとか、そういう形にとらわれず、生きづらさを感じている人たちが、自由にいろんな形を変えて、人と関わることができたらいいなと思いますし、その当事者を取り巻く周りの人たちの目線がもっと温かくなってくれたら良いなと思っています。そういうことが感じられる映画になっていると思います」と力強く語る。


そして、倉さんは「僕にとって、この映画は宝物のような映画になりました。自信をもって素敵な作品と言えます! 誰と観ても、どんな年齢、性別の人とでも楽しめる映画です。観終わった後、温かい気持ちで帰れることを望んでいます」と語り、会場は再び温かい拍手に包まれた。
 


◆監督:前田弘二 脚本:高田亮  音楽:モリコネン
◆出演:悠貴 芋生悠 成田凌 宇野祥平 川瀬陽太 奥野瑛太 高田里穂 松井愛莉
◆2023年/日本/99分/5.1ch/スタンダード 
◆©JOKER FILMS INC. 
◆公式サイト:http://koimitsu.com
◆制作プロダクション:ジョーカーフィルムズ、ポトフ 
◆企画・製作・配給:ジョーカーフィルムズ

2023年10月27日(金)~新宿シネマカリテ、シネ・リーブル梅田、アップリンク京都、出町座、シネ・リーブル神戸 ほか全国公開


(オフィシャル・レポートより)

 
 
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 『クリスマス・ストーリー』(2008)、『あの頃エッフェル塔の下で』(2016)など監督作が高い評価を得ているフランスのアルノー・デプレシャン監督最新作『私の大嫌いな弟へ ブラザー&シスター』が、シネ・リーブル梅田、京都シネマで絶賛公開中。シネ・リーブル神戸でも9月22日から上映される。
 舞台女優の姉、アリスを演じるのは、デフレシャン監督初期代表作『そして僕は恋をする』にも出演のフランスを代表する女優、マリオン・コティヤール。詩人の弟、ルイを演じるのは、ジャック・ドワイヨン、エリック・ロメールからフランソワ・オゾン、グザヴィエ・ドラン、ミア・ハンセン=ラヴら名監督からのオファーが絶えず、『クリスマス・ストーリー』にも出演のメルヴィル・プポー。このふたりが演じる姉弟の葛藤ぶりやぶつかり合い、事故に遭い命が危ぶまれる両親たちが若い頃二人にもたらした影響など、他人事とは思えない、デプレシャン流家族物語だ。
 9月18日(月・祝)、シネ・リーブル梅田で、上映後に行われたアルノー・デプレシャン監督ティーチインの模様をご紹介したい。(司会は配給ムヴィオラ代表の武井みゆきさん、通訳はアンスティチュ・フランセ日本映画主任の坂本安美さん)
 

 

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■メルヴィル・プポーとマリオン・コティヤールのキャスティング秘話

本編後にルイ役のメルヴィル・プポーより、日本滞在時に、新宿ゴールデン街のバー、ラ・ジュテでデプレシャン監督と語り合ったことが本作に繋がったと思い出深く語った動画メッセージが上映されたティーチイン。その後登壇したアルノー・デプレシャン監督は来日経験は何度かあるものの、初めて大阪を訪れることができたことを喜び、「今まで東京に閉じ込められていたが、はじめて解き放たれた」と観客に向けて、ユーモアを交えながらご挨拶された。
 
 本作はなんといってもメルヴィル・プポーとマリオン・コティヤールのキャスティングが魅力だが、デプレシャン監督は「メルヴィルは、エリック・ロメールの代表作『夏物語』
で完璧な美青年だったが、年月と共に人間的にも深みが増し、今回は幼い息子を亡くすという役を演じてもらった。ルイはたくさんの弱点を持つ人間で、アル中だし、暴力的で粗野だけれど、全ての弱点が彼を魅了的にしている。ルイを演じるにあたっては、ジャック・ニコルソンの『ファイブ・イージー・ピーセス』を参考にしたそうだ」とメルヴィル起用の狙いを解説。
 
さらにマリオン・コティヤールについては、「アリスは、暗い感情を抱く女性だが、映画で彼女をジャッジするのではなく、解放したいと思った。そういう感情を演じられるフランスの女優を探し、マリオンに脚本を読んでもらったら、『彼女に何が起こったの?』と聞かれたので、『それはこの映画の中で君が探求することだ』と。マリオンはどんな役でも、その役を享受する力を持っているし、信じがたいほど複雑な人間をすごくシンプルに演じることができる女優です」と複雑な内面を持つアリス役オファーの裏側を明かした。
 
 
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■映画の力で故郷、ルーベを再発見

 
 観客とのQ&Aでは、まずデプレシャン監督の出身地であり、本作の舞台にもなっているルーベはどんな意味がある場所なのかという質問が寄せられた。デプレシャン監督いわく、フランス北部のルーベは、もっとも貧しく、朽ちて、荒れた暮らしをしている人が多かったという。若い頃にパリへ出たときは、パリジャンになろうとしてルーベの訛りを捨てようとした時期もあったという。監督デビュー作の『二十歳の死』で自然とその地に戻ったデプレシャン監督。そこには映画の力があったのだそうだ。
「見捨てられたような朽ちている場所でも、魔法のように輝く場所にできる。『クリスマス・ストーリー』では、雪が降り、街が輝いたし、本作でルイが空を飛ぶシーンがあるが、空からルーベを眺めることで、私自身もこの場所を再発見できたのです」
 
 
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■詩人のルイは影のような存在だが、どこかで姉に挑戦を挑んでいる

 
 詩人の観客から、アリスに向けてルイが彼女に宛てた手紙をポエトリーリーディングのように読むシーンもあるが、詩人をどんな存在として描いているのかという質問も寄せられた。デプレシャン監督は「アリスは著名な女優だが、詩人は秘められた、影のような存在。ルイも詩人の生活を続けるため、教師をしながら田舎に住んでいる。最初にルイが姉、アリスへの手紙をカメラ目線で読むシーンがあるが、あのシーンを作るのがとても大事で、どこか姉をからかい、恋い焦がれている、もしくは挑戦を挑んでいるようでもあるメルヴィンの演技は素晴らしかった」とその存在の意味を説明。ちなみに、ルイが最後に学校で生徒たちに読んで聞かせる詩は、監督の友人でもある詩人、ピーター・ギズィのもので、評価はされているものの、彼は他の詩人同様目立つ存在ではないが、ある日、有名画家のジャスパー・ジョーンズから突然、詩に対するお礼として絵が送られてきたという、突然評価されたルイの境遇と重なるエピソードも披露した。
 
 映画のタイトルが示す通り、憎しみ合う姉弟の物語だが、「どうしてあそこまで確執を持つ設定にしたのか」という質問にはデプレシャン監督が、ふたりの関係を表すシーンを示しながら説明。「アリスが楽屋で、自傷行為を行い『弟が(著書で)わたしの名前を盗んだ』と叫ぶシーンがあるが、アリスとルイは強烈な競争関係であるし、あまりにも愛し合っているからこそ憎み合うのか、親を取り合う子どものような姉弟関係と言える。ふたりは大人のふりをしているけれど、不幸な子どものようであり、逆に最後はようやくふたりとも大人になったから、子どものような気持ちになれたのでは」。さらに映画監督には2種類あり、ロベール・ブレッソンのように自分の映画しか興味がない人と、自分のように映画における影響を隠すことなく見せる人がいるとし、「映画は人間をより良いものにすると信じています。舞台に上りたがらない女優を描くとなれば、ジョン・カサヴェテスの『オープニング・ナイト』を想起しないではいられないでしょう。また、ルイが空を飛ぶシーンは、メルヴィルからシャガールのように飛ぶのかと聞かれたので、『マトリックス』のようにと伝えたんです」
 
 
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 家族だからこそ、自分の奥底にある感情をかき乱されてしまう。そんな愛と憎しみの間で苦しんでいるきょうだいは、決してアリスとルイだけではないだろう。両親の事故が、長年会うことも口を聞くこともなかったふたりを引き寄せていく、凝縮された家族の物語。お互いに気持ちがボロボロになり、人間臭さを滲ませるふたりだが、デプレシャン監督は決してそんなふたりを見捨てない優しさがあった。
(江口由美)
 
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<作品情報>
『私の大嫌いな弟へ ブラザー&シスター』“FRERE ET SOEUR”
(2022年 フランス 110分)
監督・脚本:アルノー・デプレシャン  脚本:ジュリー・ペール
出演:マリオン・コティヤール、メルヴィル・プポー、ゴルシフテ・ファラハニ、パトリック・ティムシット、バンジャマン・シクスー
公開中:シネ・リーブル梅田、京都シネマ、9/22(金)〜シネ・リーブル神戸にて
(C) 2022 Why Not Productions - Arte France Cinema
 
<特集上映>映画批評月間 フランス映画の現在をめぐってvol.5 アルノー・デプレシャンとともに
アルノー・デプレシャン レトロスペクティブ
10/27(金)〜出町座
10/28(土)〜シネ・ヌーヴォ
 
 
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