「京都」と一致するもの

hercules-550.jpg『ヘラクレス』

全能の神であるゼウスの息子として生まれた“ヘラクレス”が、数々の恐ろしい魔物との戦いを乗り越え、ギリシア神話最大の英雄へとなっていった伝説の物語を、ライブ・アクションの迫力と最新のVFX の融合によるヴィジュアルワールドで描いた、かつてないアクション・アドベンチャー超大作。

(HERCULES 2014年 アメリカ 1時間39分)
監督: ブレット・ラトナー(『X-MEN:ファイナル・ディシジョン』 『ラッシュアワー』シリーズ)
製作総指揮: ピーター・バーグ、サラ・オーブリー、ジェシー・バーガー
製作: ボー・フリン、ブレット・ラトナー
主演: ドウェイン・ジョンソン(『ワイルド・スピードMEGA MAX』『G.I.ジョー/バック2 リベンジ』)、ジョン・ハート(『インディ・ジョーンズ/クリスタル・スカルの王国』)、ジョセフ・ファインズ(「アメリカン・ホラー・ストーリー)、イアン・マクシェーン(『パイレーツ・オブ・カリビアン4』)
公式サイト⇒ http://www.hercules-movie.jp/
(C)2014 Paramount Pictures. All Rights Reserved.

2014年10月24日(金)~TOHOシネマズ日劇、TOHOシネマズ梅田ほか、3D/2D全国ロードショー!!


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森脇健児、17年ずっとピンチだった!?『ヘラクレス』公開記念特別イベント

ナニワのヘラクレスとして、美女アスリートを引き連れ登場!!
 

・日時:2014年10月14日(火)9:30~
・会場:スパワールド世界の大温泉『ギリシャ風呂』
・ゲスト:森脇健児さん、青木愛さん(北京五輪シンクロ日本代表)

 



パラマウントピクチャーズジャパン配給、映画『ヘラクレス』が10月24日(金)より、いよいよ全国公開となります。2013年、“最も興行収入を稼いだ男”ドウェイン・ジョンソンが神話最強の英雄ヘラクレスを演じ、かの有名な12の難行を成し遂げた「その後」の物語を描いた本作。

hercules-re-2.jpg公開を前に、“ナニワのギリシャ”として阿倍野にあるスパワールドのギリシャ風呂にて、公開記念イベントが実施されました。ゲストにはタレントの森脇健児さん、北京五輪シンクロ日本代表の青木愛さんが、それぞれ映画に登場する英雄ヘラクレス、女戦士アタランテに扮して登場。共にアスリート(?)目線で、【肉食系アクション】と銘打った今作についてトークを繰り広げました。 

MCの呼び込みにより会場へ入ってきたゲストの森脇健児さんと青木愛さん。森脇さんはライオンのかぶりものと言う“まさにヘラクレス!”と言ったいでたち。青木さんは弓を持ち、女戦士風のスレンダーな衣装で登場。まず衣装について尋ねられ、森脇さんは「着た瞬間、いつでも闘えると思いましたね。隣は動物園やし、この格好で外歩いても違和感ないんちゃうか!?」と言って笑いを誘うと、青木さんは「カッコイイ女性に憧れているので、この衣装はピッタリだと思います!」とテレビ番組で紹介されていた通り、男前な感想を伝えました。

続いて映画のキャッチコピー「肉食系アクション」にちなみ、それぞれの肉食系談話を披露したお二人。肉食系ですか?と言う質問に森脇さんが「青木さんは恐らく肉食系ですね(笑)」と答えると、青木さんからは「何でやねん!」とすかさずのツッコミが。「ただ食に関しては肉食ですね。焼肉が大好きで10人前くらいは全然いけます。」と答える青木さんに対し、森脇さんは「僕は鶏肉専門です。牛肉は食べないんですよ。牛肉は足が遅くなるでしょ?牛は足が遅いから。本当はチーターの肉が食べたいんですけどね!」と、先日テレビ番組のマラソン企画で入賞するなど、ランナーとしての独自の意見も交えながら至ってまじめに返答していましたが、周りからはその回答に笑いがこぼれていました。

hercules-re-3.jpg劇中、ヘラクレスがピンチに陥る場面があることに引っ掛け、二人に訪れたピンチについて聞かれると、「ピンチなんてあったかな~?」とまたも男前な発言をする青木さん。すると何か思い出したようで、「シンクロの演技で使うノーズクリップ(鼻の留め具)が試合中に外れてしまって、パニックになりました!」と現役時代に体験したハプニングを披露しました。それに対し森脇さんは「夢がMORIMORI(SMAPと共演していたテレビ番組)が95年に終了して、それから京都に戻ってきて17年間ず~っとピンチの連続です。」としみじみと語っていました。

その後映画のヒットを祈願するため森脇さん得意のシャドーボクシングを披露。「一番大事なのはボディブロウ。この映画も10月24日までガード固めておいて、公開日にボディやー!!」とテンションMAXで祈願を行いました。青木さんにもシャドーボクシングをレクチャーすると、すぐに「青木さん、一人でやってみて」とむちゃぶり。青木さんは困りながらも見事なシャドーボクシングを披露、ヒット祈願を行いイベントは終了しました。

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『トム・アット・ザ・ファーム』オフィシャルフォトブック プレゼント!



tom-pre.jpg■ アップリンク 提供

■ 募集人員: 1名様

■ 締切:2014年11月16日(日)

2014年10月25日(土)~新宿シネマカリテ、ヒューマントラストシネマ有楽町、テアトル梅田、11月8日(土)~京都シネマ、近日~元町映画館 ほか全国順次公開

 
世界中で注目を浴びるカナダの若き俊才・グザヴィエ・ドランの監督&主演作『トム・アット・ザ・ファーム』が10月25日から公開される。本作は、カナダの雄大な田園地帯を舞台に描く、息の詰まるような愛のサイコサスペンスです。公開記念といたしまして劇中の印象的なシーンやオフショット満載のオフィシャルフォトブックを作成いたしました。グザヴィエ・ドランがデザインした海外プレスを踏襲した装幀の大変貴重なフォトブックです。

★作品紹介⇒ こちら
★公式サイト⇒ http://www.uplink.co.jp/tom/

 



『トム・アット・ザ・ファーム』 

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~恐怖に絡め取られたトムの災難~ 

恋人のギョームを亡くし悲しみの中にいるトムは、葬儀に出席するために彼の故郷へ向かうが…。隠された過去、罪悪感と暴力、危ういバランスで保たれる関係、だれも訪れることのない閉塞的な土地で静かに狂っていく日常。10年に渡るメロドラマ『わたしはロランス』とは打って変わった本作は、カナダ・ケベック州在住の劇作家ミシェル・マルク・ブシャールの同名戯曲の映画化で、ケベックの雄大な田園地帯を舞台に一瞬たりとも目を離すことのできないテンションで描き切る、息の詰まるような愛のサイコ・サスペンス。

★作品紹介⇒ こちら

■監督、脚本、編集、衣装:グザヴィエ・ドラン
■原作・脚本:ミシェル・マルク・ブシャール
■出演:グザヴィエ・ドラン、ピエール=イヴ・カルディナル、リズ・ロワ、エヴリーヌ・ブロシュ
■配給、宣伝:アップリンク
(2013年/カナダ・フランス/102分/フランス語/カラー/1:1.85/DCP)

© 2013 – 8290849 Canada INC. (une filiale de MIFILIFIMS Inc.) MK2 FILMS / ARTE France Cinéma ©Clara Palardy
 


 

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 日本が誇る世界的巨匠・黒澤明監督。没後17回忌と傑作『七人の侍』誕生60周年を記念し、黒澤明監督の全30作品を上映する『黒澤明映画祭』が10月25日(土)から12月19日(金)までシネ・ヌーヴォ(九条)で開催される。デビュー作『姿三四郎』から遺作『まあだだよ』まで、そのほとんどが35ミリフィルムで上映され、黒澤作品を一気に堪能できる非常に貴重な機会となっている。
 
また、黒澤監督の生涯の片腕として、1950年の『羅生門』にスクリプターとして参加、51年の『生きる』以降の全黒澤映画に記録・編集・制作助手として活躍された野上照代さん、批評家・映画評論家の上野昂志さん、『七人の侍』が大好きと語られる原一男監督の3人が、それぞれトークショーを開催する予定だ。
 
“世界のクロサワ”と賞賛され、スティーブン・スピルバーグ、ジョージ・ルーカス、フランシス・フォード・コッポラら、現在世界の第一線で活躍する監督たちに大きな影響を与えた巨匠、黒澤明の作品は、時を経ても変わらぬ面白さや映画としての力、男同士の熱い物語を観る者に刻み込む。黒澤ファンはもちろんのこと、これを機会にぜひ若い世代の人たちにも“世界のクロサワ”の世界観を映画館で体感してほしい。
 
●上映作品
『姿三四郎』1943年
『一番美しく』1944年
『續 姿三四郎』1945年
『わが青春に悔いなし』1946年
『素晴らしき日曜日』1947年
『酔いどれ天使』1948年
『静かなる決闘』1949年
『野良犬』1949年
『醜聞(スキャンダル)』1950年(山口淑子さん主演)
『羅生門』1950年
『白痴』1951年
『生きる』1952年
『七人の侍』1954年
『生きものの記録』1955年
『蜘蛛巣城』1957年
『どん底』1957年
『隠し砦の三悪人』1958年
『悪い奴ほどよく眠る』1960年
『用心棒』1961年
『椿三十郎』1962年
『天国と地獄』1963年
『赤ひげ』1965年
『どですかでん』1970年
『デルス・ウザーラ』1975年 ※上映予定
『影武者』1980年
『乱』1985年
『夢』1990年
『八月の狂想曲(ラプソディー)』1991年
『まあだだよ』1993年 ※遺作
特別上映:『わが映画人生 黒澤明監督』1993年/日本映画監督協会編/インタビュアー:大島渚
 

■『七人の侍』誕生60周年記念 黒澤明映画祭

 ・開催時期/2014年10月25日(土)〜12月19日(金) 8週間
 ・開催場所/シネ・ヌーヴォ(大阪・九条)電話06-6373-1211
       地下鉄中央線・阪神なんば線「九条駅」徒歩3分(大阪市西区九条1-20-24)
 ・主催=日本映画大回顧展上映実行委員会
 ・共催=NPOコミュニティシネマ大阪、シネ・ヌーヴォ
 ・助成=芸術文化振興基金
 ・後援=京都国際映画祭
 ・特別協力=東宝
 ・協力=東京国立近代美術館フィルムセンター、KADOKAWA、松竹、ワーナー エンターテイメントジャパン、
  日本映画監督協会、中央映画貿易、黒澤明研究会、MARUZEN & ジュンク堂書店梅田店
 
『七人の侍』誕生60周年記念 黒澤明映画祭 公式サイトはコチラ
 

mother-550-2.jpg★2014年9月28日(日)なんばパークシネマにて
★ゲスト:楳図(うめず)かずお監督(78)、片岡愛之助(42)、舞羽美海(まいはねみみ)(27)


『マザー』
(2014年 日本 1時間23分)
監督・脚本:楳図かずお、共同脚本:継田淳
出演:片岡愛之助、舞羽美海、中川翔子(友情出演)/真行寺君枝

2014年9月27日(土)~全国ロードショー

公式サイト⇒ http://mother-movie.jp/
(C)2014「マザー」製作委員会


 

~ 関西出身3人衆による、ホラー映画爆笑PR作戦!? ~

 

mother-550.jpg楳図かずお先生のせいで、子供の頃“ヘビ女”や“クモ女”のように美しい顔が急に豹変する化け物が恐くて堪らなかった。(今でもホラーは苦手だ)「おろち」「洗礼」「漂流教室」などの恐怖マンガの巨匠かと思えば、シュールなギャグで大ブレイクした「まことちゃん」の生みの親でもあり、“グワシ!”は社会現象ともなった楳図かずお。満を持して77歳にして初監督作品となったのは、母親と息子の歪んだ愛情関係が恐怖を生むという、彼自信にしか書けない自伝的要素を多く含むオリジナル本の「マザー」の映画化である。
 

深い愛情故に母親イチエの亡霊に襲われる楳図かずおとさくらを演じた片岡愛之助さんと舞羽美海さん、そして監督初挑戦の楳図かずお監督の3人が、公開2日目の〈なんばパークスシネマ〉に登場して舞台挨拶が行われた。3人とも関西出身とあって和やかな雰囲気で悲しくて恐い映画をPRしようとするが、どうしても笑いのノリになってしまう。
 


 
mother-ume-1.jpg――― 最初のご挨拶を。
楳図監督:ご一緒に、“グワ~ッシ!”(いきなりのアクションに会場騒然!)満を持して監督しましたが、ようやく公開に辿り着くことができました。恐かったでしょう?(拍手)ありがとうございます。恐くないホラーというのはどうかな?と思いますので、恐いシーンをしっかり入れました。どうぞお楽しみ下さい。

愛之助:その「楳図かずお」を演じました片岡愛之助です。本日はどうもありがとうございます。「まことちゃん」で育ってきましたので、楳図先生の作品に出られて本当に嬉しいです。現場でもこの調子で和やかな雰囲気だったのですが、これでホラーになっているのか心配だったのですが、最後には「うわっ!」と叫ぶほど恐い映画になっていて安心しました。

舞羽:楳図先生と謎の怪奇現象に立ち向かう編集者の役を演じております舞羽美海です。エンドロール最後まで「ウメズ・ワールド」全開の映画に出演できて本当に楽しかったです。ありがとうございました。


――― 「14歳《FOURTEEN》」(‘90)以来のオリジナル作品ということですが?
楳図監督:そうなんです。やっと「マザー」に辿り着くことができました。辿り着いたら大阪なんばの劇場だったと…(愛之助:ここ笑うとこですよ!)(笑)

――― 監督デビュー作ですが、公開したという実感は?
楳図監督:ここで公開したという後悔はしてませんで…(笑)公開したという喜びに満ち満ちておりますので、ここで失敗して堪るか~!という感じです。

mother-ai-2.jpg――― とてもホラー映画の舞台挨拶とは思えない雰囲気ですが…?
愛之助:ホントですね。こんなに和気あいあいとして笑って「どうでしたか?」なんて訊くことはあまりないと思うんですが、これも監督の人柄でしょう。撮影中もいつも監督はムードメーカーでした。監督と私の共通点は、「楽しんで仕事をする」。つまりいい意味の遊びの延長で仕事ができたので、本当に楽しかったです。

この作品のマンガ本に、お風呂に入っている楳図先生の所にさくらが素っ裸で入って来るページがあって、「このマンガ、結構キワドイね。本番で出てきたらびっくりするよね?」なんて話していたら、映画の終盤でマンガを書いている僕の後ろから舞羽さんが寄って来て「あっ、私と同じ名前!」というシーンがあるのですが、その時たまたまめくったページがそのお風呂のページだったんです!二人ともびっくりしました(笑)。
舞羽:とても生々しい表情になりましたが…。
楳図監督:微妙なテンションの上がり方が面白いね!(笑)
舞羽:その時の愛之助さんの表情も見てほしいです。

mother-mai-1.jpg――― 1回見ただけでは分からないシーンがこの映画にはいっぱいあります。他にも思いつかれることは?
舞羽:さくらが初めて楳図先生のお宅に伺うシーンで、部屋の中に「まことちゃん」グッズがあちこちに飾ってあることです。人形やマグカップや隠れまことちゃんがいっぱいで、きっとマニアックな方には堪らないのでは?

――― 舞羽さんは宝塚歌劇の娘役トップでいらっしゃいましたが、ホラーは初めて?
舞羽:初めてです。意外とアクションシーンが多くて、真行寺さんをいろんな物で殴ったり、崖から落ちたりと、走り回ったり、転んだりと。

楳図監督:結構体力要る役でしたね。
 

 

mother-ai-1.jpg――― 愛之助さんは、気付かれた所はありますか?
楳図監督:愛之助さんが気付いたとこ?
愛之助:いえいえ、僕のコーナーです(笑)。僕のボーダーの幅が変わったのを気付かれましたか?赤と白のボーダーは楳図かずおのトレードマークですが、「いざ、やるぞ!」という強気の時には幅が太く、弱気になると幅が小さくなるんです。
楳図監督: (愛之助さんのストールを持って)今日は弱気という訳ではありませんが(笑)。
愛之助:今日は若干控え目という感じですね(笑)。

――― 今日お越し頂いた皆さん関西ご出身の方ですよね?
楳図監督:そうなんです!それでどうしても関西のノリになってしまうんです。
――― 関西のノリで明るかったんですか?
楳図監督:そうですね、多分そんな気がします(笑)。舞羽さんは暗いシーンなのに明るい感じに喋ってしまい、音声さんに注意されてました。関西ということがバレてましたね。

――― 楳図監督が奈良県で、愛之助さんが大阪府、舞羽さんが兵庫県ご出身ということですが…?
楳図監督:今回関西パワーも影響したのですが、血液型も影響していたんです。僕がO型、愛之助さんがB型、舞羽さんがA型、真行寺さんがAB型と、4人ともバラバラなところが面白い。特に真行寺さんは、今まで綺麗な役が多かったのですが、AB型なので綺麗な反面崩れた役もできるのでは?と考えました。あの綺麗で優しそうな表情が恐かったでしょう?
(会場シーン)
楳図監督:はい!

愛之助:監督、自問自答してるじゃないですか?(笑)
楳図監督:人間の実態を見てしまったようで、余計に恐くなると思います。

――― 撮影場所は監督の実際のお家なんですって?
mother-2.jpg愛之助:そうなんです。よく知られている赤白のボーダーの家ではでなく、監督は沢山のお家をお持ちなんで…
楳図監督:家を建てるのが趣味なんです。家も僕の作品だと思っています。赤と緑のお皿も置いてますよ。
愛之助:緑が多い素晴らしい環境の、とても素敵なお家です。

――― 楳図かずおのプライベートも垣間見れる映画にもなっているんですね?

楳図監督:そこをベースにして物語を作っていくんです。フィクションだけでなく、真実の部分も多いんですよ。例えば、愛之助さんが掌にペンを突き刺すシーンがあるのですが、本当に掌に傷があるんです。経歴や育った場所もすべて本当なんですが、全部足すとウソになってしまうんです(笑)。

――― 是非次回作も撮って下さいね。
楳図監督:ありがとうございます。そのためには皆様の後押しが必要だと思いますので、是非応援して下さい。

mother-mai-2.jpg――― 最後のご挨拶を。
舞羽:何度見ても楽しい映画だと思います。真行寺さん演じるマザーの深い部分にある愛情のゆがみ方とか、見れば見る程味が出てくる楽しいホラー映画だと思いますので、是非何度でもご覧頂きたいと思います。

愛之助:ホラー映画を見終えた後の舞台挨拶とは思えないほど和気合いあいとしていますが、監督、次は喜劇を作ったらどうですか?
楳図監督:あ~それはいいね!その時は愛之助さんはお笑いの役になっちゃうよ。
愛之助:勿論!喜んで頑張らせて頂きます(笑)。先程からお話に出てきておりますような見落とされた部分を何度でもご覧頂きたいと思います。

楳図監督:恐いだけじゃなくて、人間の心理、普段隠れている奥深い部分とか、人生の中の本能による苦悶などがしっかり裏に張り付いています。是非、ご近所、お友達などともう一度ご覧頂きたいと思います。そして、最後に「うわ~っ!」と脅かしてあげて下さい。

 


【STORY】
mother-4.jpg楳図かずお(片岡愛之助)の生い立ちを本にしようと担当編集者のさくら(舞羽美海)は初めて楳図家を訪れ、独特な「ウメズ・ワールド」グッズで囲まれた自宅の中で、母親イチエ(真行寺君枝)の不思議なパワーを感じる。調査のため楳図かずおの生まれ故郷を訪れ、イチエに関する忌まわしい過去が明らかになると同時に、楳図かずおの近親者やさくらの身辺で次々と恐ろしいことが起こっていく……。


大阪ステーションシティシネマ、なんばパークスシネマ、MOVIX京都、神戸国際松竹など、全国絶賛公開中!  

(河田 真喜子)

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『毎日がアルツハイマー2 ~関口監督、イギリスへ行く編~』関口祐加監督インタビュー

(2014年 日本 51分)

監督:関口祐加  出演:関口宏子、関口祐加他
10月4日(土)~第七藝術劇場、11月8日(土)~神戸アートビレッジセンター、今秋京都みなみ会館他全国順次公開
※第七藝術劇場10月4日(土)10:30回上映後、関口祐加監督トークショー&舞台挨拶あり
第七藝術劇場10月4日(土)より前作『毎日がアルツハイマー』も併映
(C) 2014 NY GALS FILMS
 
 

~認知症介護先進国のイギリスに学べ!介護の日々も驚くべき変化が・・・~

 
認知症の母親、宏子さんの介護の日々を、笑いたっぷりに描き、今まで私たちが持っていた認知症や認知症介護の負のイメージを取り払うパワフルさをみせたドキュメンタリー『毎日がアルツハイマー』から2年。認知症ファーストステージで、認知症になったことを自覚して苦しみ、家に引きこもっていた姿から一転し、パート2でセカンドステージに入った宏子さんは外出、入浴と何年も拒絶していた日常生活の行動を調子がいいときには再開し、関口監督と楽しそうにスーパーで買い物をする。認知症であることに慣れ、家族の励ましのもと、よりユーモラスな素顔を披露していく。
 
宏子さんの日々を追うだけではなく、関口監督が認知症ケアを調べているうちに強く興味を持ったパーソン・センタード・ケア(認知症の人を尊重するケア)の本場イギリスで取材を敢行。認知症ケア・アカデミーでのワークショップ参加の様子や、介護の様子、精神科医で認知症ケア・アカデミー施設長のヒューゴ博士との語らいを通じて、理想的な認知症ケアのあり方や、介護している関口監督自身の不安も赤裸々に語られるのだ。
 
認知症の母親との日々を介護者でありながら、映画監督として提示し続ける関口監督に、前作の反響や、セカンドステージに入った母宏子さんについて、そして今回取材したパーソン・センタード・ケアについてお話を伺った。
 

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―――前作『毎日がアルツハイマー』(以下毎アル)は大反響を呼びましたが、介護する側でもある監督ご自身にどんな変化がありましたか?
『毎日がアルツハイマー』は私が考えていた以上にみなさんにとってインパクトがあったと思います。色々な場所で上映してくださるということで、地方までくまなく上映しに回りましたし、今回パート2を作るに当たってご覧になったみなさんからの要望がすごかったです。「(2年半閉じこもった)お母さんはその後どうなりましたか?」「最後に登場したイケメン看護士はどうなりましたか?」等、続きが知りたいんですよね。この作品はご自身が認知症の家族の介護をされている方が多く観に来て下さったので、会場でのQ&Aも私との距離感が非常に近くて、まさに初めての体験でした。どうしても監督は観客から「映画を作った人間」と捉えられますが、私自身が介護者でもあるので、みなさんとフラットな関係が築け、介護者でもある私にどうしたらいいかと聞かれることも多かったですし、パート2を作ろうと背中を押していただきました。
 
―――毎アルは我々が持つ認知症のイメージを大きく変える役割を果たしましたね。
公開初期は「認知症の母親をさらけだすとはどういうことか」といった批判もありました。私の中でもう一度反芻したときに、「私は年をとることも、認知症になることもちっとも恥ずかしいと思っていない。逆に世の中は認知症になることも年をとることも恥ずかしいのか」と視点の違いに気付いたのです。私は母を観ていると、やりとりが面白くて笑えますから。
 
―――認知症に関する映像作品は続々登場していますが、毎アルでは認知症の母宏子さんをしっかり受け止め、母親の新しい一面を見つけることが喜びであるようにも映ります。
世の中の物語はたくさんあるようで、決まっていると思うんですよね。何が違うかといえは、小説もそうですが作る人間・書く人間の視点です。物の見方や切り口がどうなのか。世の中一般は「認知症になったら人生はおしまい、もう大変だ。認知症を予防するにはどうするか」という考えが占める中で、私の母への見方はそうではないという部分がすごくありました。監督として当然のことを提示したまでです。
 

■本音で生きる母から出た言葉「ギャラをよこせ!」「天職がみつかってよかったね」

―――宏子さんはご自身の姿がスクリーンに映し出され、映画が大反響を呼んだことで、何か変化はありましたか?
「ギャラをよこせ!」と言っています。好きなことは食べること、金、寝ることの3つだと常に言っていますから。先日、ヒューゴ先生から電話がかかってきて、「イギリスのBBCが本作のことを紹介し、イギリスでもお母さんは有名になったと言ってあげて」と言われたので伝えると、母は「ギャラをもっと上げろ」と。
 
―――宏子さんご本人は何が起こっているか分かっていらっしゃるんですね。
最初の頃は私が映画監督になることにずっと反対していましたが、認知症になって建前や世間体がなくなり、本音で生きているようになってはじめて、「天職がみつかってよかったね」と私に向かって言ってくれました。はじめて言われて、私もびっくりしました。あれだけ真面目で、いつも世間体を気にしていた母が、認知症の力を借りて本当に自分を解放しているのです。多分認知症を受け入れるというより、開き直っているのでしょう。ただ開き直るには家族の応援が必要で、そこが介護の一番大切なところです。
 

■「やりたいことしかやらない」ことの価値

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―――介護する側から発信するメッセージが重要ですね。
家族が「今のおばあちゃんがいい!」と言うのです。私の息子も「今のおばあちゃん、前よりずっといいよ」と言いますし、そういうメッセージを周りが伝えると、本人も「まあいいか」と思えます。そして本人も言うとおり「やりたいことしかやらない」ということのすばらしさです。逆に言えば、今まではやりたくないことを勤めとしてやらなければいけなかったことが母には多かったのです。大家族で料理をたくさん作ってきましたが、実は料理を作るのも嫌いだったみたいです。真面目に社会的規範に沿って生きてきた人は「やりたことしかやらない」ことは許せないじゃないですか。その価値が分かるのは、私自身がやりたくないことはやらないで生きてきたからです。だから生きてきた人間の器が問われますし、そこで介護者が患者とぶつかってしまうのです。
 
―――一方で、監督は家族での認知症介護は難しいとおっしゃっていますね。
今回のパート2では色々な家族にお会いしてお話を伺い、血がつながっている家族が介護をする難しさを痛感しています。子どもは自分の面倒を見てくれた親がこうなってしまったという想いが強く、親に対する期待もあれば失望も強いです。ただ、想いというのは自分の気持ちであり、自分の気持ちが最初に来てしまうのです。そういう状況下で隠れた場所での虐待や言葉の虐待もあります。でも一番辛いのは認知症になった本人だというところにシフトしていかなければなりません。私は家族が介護するのには限界があると思っていますが、厚労省が24時間体制で家族で介護という方針を出したので大きな疑問を抱いています。そこで何かオプションを考えなければと思ったときに出会ったのがパーソン・センタード・ケア(以降P.C.C)でした。
 

■「介護しやすい」状態に生じる、虐待の力関係を自覚する

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―――今回母親がセカンドステージに入り、抵抗される場面が少なくなった反面、監督はだからこそ浮き出てきた介護者としての悩みを相談されています。
母にとってはセカンドステージがあってよかったなと思える一方、はじめて介護している私自身の不安、つまり「母親を殺そうと思えば殺せるという恐怖」を覚えました。介護相手は今までとは違い、こちらの言うことを聞いてくれるようになってしまい、普通の人は「介護しやすい」と思うでしょうが、私の感受性では「怖い」と思ってしまうのです。
 
虐待はなぜ起きるのかとずっと考えていたのですが、「私は母に対して圧倒的な力を持つ立場にたっている」という、虐待の力関係が生じているのです。イギリスでお話を聞いたときも、認知症の親を虐待したのは、実はいい人だったと言われていました。介護は力関係が虐待につながることを意識していないと、プロでさえ大変なのに家族はなおさら大変です。ヒューゴ先生は、「介護している人は孤独なので、支えが必要。支えがない中で介護をすることがいかに危ないか」とおっしゃっていましたが、密室の中で行われている介護は、虐待の温床なのです。ですからパート2ではそういう危険性を引っ張り出したかったですね。私も母に精神的に頼られる重さを感じる時があるので、セカンドステージは私自身が気をつけなければと思っています。
 

■認知症にとって大切なのは、認知症の人の気持ちをどう理解するか

―――認知症のケアですが、内科、脳外科ではなく精神科の先生が登場しますね。

苦しんでいる人の気持ちを理解するのも私たちだし、それを理解できないのも私たちなのですが、認知症にとって大切なのは、認知症の人の気持ちをどう理解してあげるかです。
ヒューゴ先生もおっしゃっていましたが、認知症という病気だけは同じだが、症状は十人十色から。日本の治療法はアメリカ方式なので個別ケアではなく、脳の活性化ですよね。でも実は一般的にやるといいと言われている音楽療法も認知症の最終章で、言葉がでなくなった人のコミュニケーションツールです。P.C.Cでは最終ステージといわれている人でも絵を描いてもいいし、泣いている人もいるし、そういう違うことをきちんと容認してくれるのはとても素敵だなと思います。P.C.Cをすると何が得られるかというと、ずばり心の安定です。最終ステージになっている人にも心を寄せ、やりたくないことを強制しないことですね。
 

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―――実際に今回イギリスでP.C.C実践の現場を取材し、患者に対応している看護士の様子や患者ご自身の様子をご覧になって、どんな感想を持たれましたか?
イギリスは経済的には大変ですが、「ゆりかごから墓場まで」と言うようにP.C.Cを認知症の国家戦略に据えているというところはやはりすごいなと思います。日本もイギリスをモデルにしていると言っていますが、商売にしようとしている部分がすごくあります。イギリスは認知症ケア課程を作り、認知症の看護ができるプロをきっちりと育てています。プロになって資格をとり、経験だけではなくきちんと理論武装をするわけです。私が受けた認知症ケアアカデミーワークショップの参加者は全員自分が介護関係の仕事をしながら受けています。そういう意味でもパート2は介護士の方が参考にしたいと観に来てくださっていますね。
 

■認知症は哲学的な問いが必要

―――日本でのP.C.Cへの取り組みの現状を監督はどう捉えていますか?
日本では10年前ぐらいから紹介されており、認知症関連の書物でも必ずでてきますし、パート1に出演いただいた名古屋の遠藤先生もP.C.Cの話をしておられましたが、日本ではなかなか訳しきれていないそうです。やはり個別性を看るのが難しいのです。ヒューゴ先生もおっしゃっていましたが、日本は薬文化なんですよ。P.C.Cでは薬をなるべく使わずにできるだけ理由を探るという、探偵のような仕事もしなければなりません。一方日本の内科の先生たちは早期発見をして、アリセプト(アルツハイマー型認知症進行抑制剤)を飲ませ、初期段階をキープした方がいいというのが定説です。
 
でも実は認知症は初期が一番辛いんです。自分が認知症になりかけていると分かることはすごく苦しいし、その苦しさを長引かせることは本人にとって辛くないかと医者に尋ねても、答えがないんですね。でもそれはすごく哲学的な質問なのです。セカンドステージでできなくなることがあっても、人に頼りながら、楽しく自分の気持ちが朗らかになる。私は段階が進んだ方が母にとっては幸せであると思っています。その方が初期で閉じこもるよりいいのではないのかと。本人も完璧に「幸せ」と言っていますから。それは心の状態がいいということですが、そこに答えられる脳外科や内科の先生はいません。そこは精神科の先生でないと考えられないですよね。私たちの世界から物をみない。本人を中心に考えたときの幸せで、そこのヒントはいっぱいあります。
 

■相手が認知症でも本人が納得するまで話をするのが、尊厳のあるフラットな関係

―――日本は教育もしかりですが、個別性を汲み取ることは難しいですね。
認知症になるとやりたくないことがいっぱいあるのですが、それでも介護士さんたちは患者にやらせようとします。やらないと機能が落ちると思っているのでしょうが、逆に言えばそこしか見ていないのです。日本の教育もできないことに注目し、やりたいことを伸ばすことが難しいですよね。日本の文化の中でP.C.Cに取り組むためには、厚労省がきちんとサポートして、イギリスのような専門のアカデミーを設立することが必要だと思っています。イギリスでは百貨店の店員さんも課程を受けていますし、専門以外の看護士さんたちも対応する必要が往々に生じてきます。例えば認知症の方はよく骨折して入院してくるのですが、夜中に「家族にだまされてここにつれてこられた」と訴えてきます。実際に、家族は本当のことを言っていなかったのです。相手の状況がどうであっても騙すことはよくないですね。私は母が忘れても本人が納得するまで話します。それが尊厳のあるフラットな関係です。介護するという言葉自体が上から目線だと思うのですが、相手が認知症だということで、どうしても色眼鏡をかけて見られてしまうので、「認知症だけど関口宏子さん」ではなく、「認知症の関口宏子さん」と認識されるのです。
 

■認知症を患いながらも幸せになれるかどうかは、家族がバロメーター

―――「認知症だけど関口宏子さん」のユーモアは、前作を上回っていましたよ!
母は、下ネタ大好きでユーモアがあります。「うんこが出てよかったね」と私が言うと、「本当のクソばばあになった」と。前は父親と私が下ネタを言うと、本当にイヤな顔をしていましたが、今は自らのうんこネタで笑っています。セカンドステージなのですが、幸せになれるかどうかは家族がバロメーターです。家族が認知症を受け入れられないと嘆いているのはダメです。「認知症になった母親がいい!」と伝えると、どんどん面白いと言ってくれる方向に行くんですね。(江口由美)
 

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本場、大分県宇佐市のアツアツからあげに舌鼓!主演高橋愛、瀬木直貴監督舞台挨拶『カラアゲ★USA』(14.9.27 シネマート心斎橋)
登壇者:瀬木直貴監督、高橋愛
 

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『カラアゲ★USA』
(2014年 日本 1時間35分)
監督:瀬木直貴 
出演:高橋愛、海東健、浅田美代子、石丸謙二郎、中村ゆうじ、ダンテ・カーヴァー、プリンセス・アプラク、菜葉菜、渡辺美佐子他
9月27日(土)~シネマート心斎橋
(C) 2014カラアゲ★USA製作委員会
 
日本人で、からあげを嫌いな人はいないのではないか?皮はパリパリ、中身はジューシー。晩ごはんに、お弁当のおかずにと我が家でも大人気メニューのからあげがふんだんに登場する『カラアゲ★USA』。冗談のようなタイトルに最初は驚いたが、本作を観ればなぜそんなタイトルがついたのか、納得することだろう。舞台は日本ではじめてからあげ専門店が誕生し、日本で一番一人当たりのからあげ消費量が多い大分県宇佐市。人気店に押され、すっかり客足が遠のいたからあげ店一家に、幼少時から、からあげが苦手の娘が、アメリカ人の夫と離婚し子連れで出戻ったことから始まるコミカルかつ、からあげ愛あふれるヒューマンストーリーだ。のどかな宇佐市の風景に癒されるだけでなく、他ではお目にかかれない「からあけスタンド」や、からあげ専門店が必死になって優勝を狙う「カラアゲ・カーニバル」の模様など、観終わったら思わず「からあげとビール!」と叫びたくなる美味しいシーンもふんだんに盛り込まれている。
 

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からあげ嫌いにも関わらず、お店のために新メニューの開発に情熱を注ぐ主人公、彩音を演じるのは映画初主演となった元モーニング娘。の高橋愛だ。地元宇佐弁だけでなく、夫(ダンテ・カーヴァー)と英語での会話シーンも披露。持ち前の明るさで彩音をハツラツと演じている。映画初出演で娘役のプリンセス・アプラクと母娘仲睦まじい様子も印象的だ。
シネマート心斎橋で公開初日の9月27日(土)に開催された舞台挨拶では、宇佐市よりキャンペーンレディが来場し、本作や宇佐市の見どころを披露。引き続き登壇した瀬木直貴監督、高橋愛から、撮影秘話やご当地映画の良さについて話が展開した。その模様をご紹介したい。
 

(最初のご挨拶)
瀬木監督(以下監督):監督の瀬木でございます。今日はご来場いただき、ありがとうございます。元々京都から映画人生を始めたので、関西で映画を上映するのは非常にうれしいです。みなさん、からあげが食べたくなりましたか?
高橋愛(以下高橋):撮影したのが昨年の11月だったので、いよいよ公開されるなとすごくドキドキしていました。本当に大分県宇佐市の素晴らしいところがふんだんに盛り込まれていて、からあげが食べたくなるような映画です。私自身は初主演映画ということで緊張しましたが、瀬木監督をはじめとする皆さんに囲まれて、暖かい作品になったのではないかと思います。今日はありがとうございます。
 

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―――最初瀬木監督から『カラアゲ☆USA』の配給宣伝というお話をいただいたとき、全く内容が想像つきませんでした。
監督:東京の劇場からは「タイトルを変えてくれ!」と言われたのですが、やはり『カラアゲ』と『USA』は外せないと頑張りました。
高橋:でも、大分県の方は『カラアゲ★USA(うさ))』って言いますよね。
監督:劇場でチケットを買うときも「『カラアゲ★うさ』1枚」という感じです。大分県以外の方はまず言わないでしょうね。
 
―――オールロケですが、撮影はいかがでしたか?
監督:撮影期間は約2週間と短かったですが、高橋さんの役は英語を話し、地元の方言も完璧にこなさなくてはいけません。しかも、アメリカから帰ってきた設定なので、最初は共通弁だけど段々方言が戻ってくる感じで、方言を自分の中に入れるのが大変だったと思います。
高橋:北九州の友人がいたので、宇佐弁も少し聞き馴染みがある感じでした。日本語なので、そこまで混乱するほどではなかったですが、英語は大好きだけどしゃべれるわけではなかったので、お風呂やトイレでもとにかく聞いて覚えました。
監督:高橋さん、プリンセスちゃんと親子役の二人とも英語がしゃべれなかったのが、すごくショックだったです。プリンセスちゃんは演技も初体験だし、日本生まれの日本育ちなので、日本語がものすごく達者でした。現場でもずっと二人で話していましたね。
高橋:プリンセスちゃんは普段はよくしゃべるのに、カメラが回ると別人のようになって。楽屋のおしゃべりも、よく声が通るので本番中に何度かカメラマンから怒られてました(笑)
 
―――瀬木監督といえば、地域映画を多数撮っていらっしゃいますが、今回宇佐市で撮影して、今までと違った点はありましたか?
監督:九州では6本映画を作り、すべて福岡県で撮影していたのですが、福岡県の方は結構気が短くて、いろいろなところで喧嘩が始まることが多かったです。今回は同じ九州でも大分県宇佐市で、すごく穏やかな方が多く、撮影は非常にスムーズにできました。エキストラの方が1400人ぐらいと非常に多く、圏外からも300人ほど来てくださいました。宇佐市の方と県外の方との交流の和が広がったのはうれしいですね。
 

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―――初主演映画が、ある地域と濃い関係を作りながら撮影するということは、日頃なかなかできない体験では?
高橋:クランクイン前日に現地入りしたときは、すごく緊張していました。宇佐神宮にお参りに行った後、撮影スタッフの皆さんにご挨拶をしたとき、この映画に関わってくださる皆さんがズラリと座っていらっしゃって、皆さんの気合いを感じました。皆が同じ方向を向いている感じがして、がんばらなければと背中を押された気がしました。1年以上いろいろな人が準備を進めてくれ、ようやく撮影の日を迎えることができたので、がんばらなければという思いでしたね。
監督:僕は晴れ男なのですが、高橋さんは雨女だと撮影前日の夜に聞かされ、クランクインの早朝が豪雨だったので、「負けた!」と思いました。でも、石橋の上で智也(海東健)と再会する最初の場面を撮影するときからは、さっと晴れてきて、その後は雨知らずでした。
 
―――空揚げが宇佐市のご当地食と知り、驚きました。どこにでもあるものだと思っていたのですが。
監督:豚骨ラーメン発祥の地、福岡県久留米市で『ラーメン侍』という作品を2011年に撮ったことがきっかけで、大分でからあげをテーマにした作品を撮ってほしいと声がかかりました。からあげは全国どこでもありますが、よく調べると、新聞ではからあげを『空揚げ』と書くのです。その理由は「天ぷらには衣があるが、空揚げは粉をはたく程しかつけない。空っぽだ」ということだそうです。粉に味がついているのではなく、鶏肉をタレにつけ込んで、肉のうまみを引き出す。和食であり、日本を代表する国民食です。世界で有名な日本文化、「カラオケ」に続くのは「カラアゲ」だという想いで作りました。
 
―――宇佐市はからあげ屋のスタンドもありましたね。
高橋:からあげ専門店発祥の地ということで、私も今回初めて知ったのですが、お店によってぜんぜん味も違いますし、使用する鶏肉の部位も違います。胡椒が効いているものもあれば、醤油ベースのものもありますから。
監督:市内で35ぐらいの専門店があり、スーパーの売場も含めれば60店舗ぐらいありますから、全て食べるのは無理ですね(笑)。
 
(最後のご挨拶)
監督:からあげの映画ですが、ふるさとムービーになっています。皆さんお一人お一人の中にとても大切な場があると思います。その場と皆さんの人生との距離感をこの映画を通じて考えるきっかけになれば幸いです。また宇佐市は大横綱双葉山の出生地であり、全国四万社あまりある八幡宮の総本宮宇佐神宮がある場所ですので、ぜひ遊びに来ていただければうれしいです。
高橋:私は今回この作品に携わらせていただき、大分県の宇佐市がこんなにすばらしい場所で、からあげがソウルフードであることを初めて知りました。私のようにこの作品で宇佐市のことを知ってくださる方かたくさんいらっしゃると思います。また、監督がすごくこだわっている映像もまた観ていただけたらと思います。本日はありがとうございました。
 

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舞台挨拶後、来場のお客様に映画グッズと、からあげがプレゼントされた。ビッグステップ1階では本場宇佐市のからあげ(しかも揚げたて!)が振る舞われ、私も本場の味を堪能させていただいた。味付けは醤油ベースだそうだが、意外にあっさりとしており、思った以上にジューシー。一切れが通常のからあげの2倍ぐらいのボリュームながら、もっと食べたくなるような「おかわりしたくなる」美味しさだった。宇佐市の美味しいからあげの秘密が分かるかもしれない!?、日本のソウルフードからあげ映画『カラアゲ★USA』はシネマート心斎橋で絶賛公開中だ。(江口由美)
 
 

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山P、“超近キョリ”舞台挨拶に大阪が揺れた!『近キョリ恋愛』山下智久、小松菜奈、小瀧望が登壇@TOHOシネマズ梅田
(14.9.22 TOHOシネマズ梅田)
登壇者:山下智久、小松菜奈、小瀧望(ジャニーズWEST)
 

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『近キョリ恋愛』
(2014年 日本 1時間58分)
監督:熊澤尚人
原作:みきもと凜「近キョリ恋愛」(講談社「別冊フレンド」刊)
出演:山下智久、小松菜奈、水川あさみ、小瀧望(ジャニーズWEST)、山本美月、新井浩文、佐野和真、古畑星夏
公開日:10月11日(土)全国ロードショー
公開劇場:TOHOシネマズ梅田、TOHOシネマズなんば、TOHOシネマズ二条、T・ジョイ京都、OSシネマズミント神戸 他
配給:東宝映像事業部
公式サイト⇒ http://kinkyori-movie.jp/
Ⓒ「近キョリ恋愛」製作委員会 Ⓒみきもと凜/講談社
 
史上最強のツンデレ教師が、超クールな天才女子高生に恋をする!?累計200万部を超える大人気少女コミック『近キョリ恋愛』が満を持して実写化された。監督は『君に届け』など青春ラブストーリーに定評のある熊澤尚人。女生徒にモテモテのイケメンツンデレ英語教師、櫻井ハルカを演じるのは、3年ぶりの映画主演となる山Pこと山下智久。自分の感情を押し殺す天才少女、枢木(くるるぎ)ゆにを演じるのは、中島哲也監督最新作『渇き。』での演技も記憶に新しい注目若手女優、小松菜奈。そして、ゆにの恋を見守る切ない役どころの同級生的場竜役を、大阪出身の小瀧望(ジャニーズWEST)が演じている。
 
2人きりの補習授業、授業中のキス・・・禁断の教師と女子高生の恋を、数々の胸キュンシーンや確信犯的セリフが彩るドキドキラブストーリー。原作から抜け出てきたかのような山下智久と小松菜奈のなりきりぶりにも注目だ。
 

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TOHOシネマズ梅田で9月22日に開催された舞台挨拶付き先行上映会では、山Pが見れるとあって、コンサート会場のような熱気に包まれた。登壇した山下智久、小松菜奈、小瀧望は、声援に笑顔で応えながら、「大阪は明るくてノリがいい」(山下)と早速場を盛り上げると、好きな大阪の言葉は?という問いに「舞台袖で教えてもらった大阪出身の小瀧に教えてもらった『ホンマにホンマやで』」(山下)、「(しばらく考えて)せやな」(小松)、「女の子が『おおきに』と言うとすごくかわいい。10月8日にシングル『ジパング・おおきに大作戦』を発売します!」(小瀧)とちゃっかりPR。
 
今回ツンデレ教師という役どころを演じた山下は、「ツンデレを演じるのは初めて。少女マンガが原作なので恥ずかしかったが、やっているうちにクセになったかも」としながら、数あるツンデレ台詞の中で一番ハードルが高かった台詞「もっと体温上げてやろうか、生意気ちゃん」を披露した瞬間、女性ファンから悲鳴にも似た歓声が飛び交った。「日頃はツンでもデレでもないつまらない男」と謙遜しながらも、原作を読んで監督と相談しながら役作りをした陰の努力を明かした。
 

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一方、無表情ながら恋をすることで、どんどん自分の気持ちに正直になり、大胆な行動をとる枢木(くるるぎ)ゆにを演じた小松は「どうしても相手の台詞に反応してしまうので、何も考えないようにした」と役作りの秘訣を明かした。また、今回ジャニーズWESTメンバーから離れて、ソロでの撮影参加となった小瀧は「ただならぬ緊張感があり、撮影初日は頭が真っ白になった」と先輩山下との撮影現場でのエピソードを披露。静岡で1か月泊まり込みで撮影した現場は、「久しぶりにみんなでUNOをした」(山下)と空き時間を和気藹々と過ごし、チームワークを高めることができた様子が伺えた。撮影現場には原作者のみきもと凜も足を運び、劇中セットで使用するために描いていたホワイトボードの落書きに原作者の絵が添えられたエピソードも。
 
フォトセッション準備の待ち時間も降壇せずに舞台上からファンに語りかけた山下は、満席の観客を背に『近キョリ恋愛』ボードを持った写真撮影の後、くるりと客席側に向きをかえ、「大切な人に対する本当の優しさは何だろうと考えてほしい」と、超近キョリで観客に熱いメッセージを送り、会場のボルテージは最高潮に!!! 映画のタイトル通り、“近キョリ”で観客と触れ合う大感動の舞台挨拶だった。『近キョリ恋愛』は10月11日(土)より全国ロードショー。(江口由美)
 

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一緒にいたい人を見つけたくなる大人のラブストーリー
『がじまる食堂の恋』大谷健太郎監督、波瑠インタビュー
 

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『がじまる食堂の恋』(2014年 日本 1時間38分)
監督:大谷健太郎
出演:波瑠、小柳友、竹富聖花、桜田通、パッション屋良、ダンディ坂野、肥後克広他
9月20日(土)~シネマート新宿、第七藝術劇場、109シネマズHAT神戸、T・ジョイ京都他全国ロードショー
公式サイト⇒http://gajimaru-shokudo.com/
(C) 2014名護まち活性計画有限責任事業組合
 

~「あなたの恋人になりましょうか」

      ガジュマルの木が見守る恋~

 
水平線が広がる真っ青な海、全てを包み込んでくれるような大きなガジュマルの木。沖縄ならではの風景を観ていると、何とも言えない伸びやかな気分になれる。沖縄県名護市を舞台に、祖母が遺したがじまる食堂を一人で切り盛りする主人公みずほと、みずほの前に次々と現れる“気になる存在”との大人の恋模様を爽やかに描いたラブストーリー、『がじまる食堂の恋』。
 

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映画単独初主演の波瑠が、恋に不器用だが頑張り屋のみずほを自然体で演じ、恋に悩む大人女子の気持ちを細やかに表現。みずほの前に突然現れる旅行者・隼人(小柳友)、東京から帰省した元カレ翔太(桜田通)、翔太の絵のモデルに志願した莉子(竹富聖花)と、それぞれが秘密を抱えた4人が複雑に絡み合っていく。がじまる食堂の常連客役でパッション屋良、ダンディ坂野、肥後克広らが登場し、みずほの日常を賑やかに彩る他、本州の桜よりも色鮮やかなカンヒザクラが美しい名護城公園でのさくら祭りなど、名護らしい風景が映し出されているのも見どころだ。
 
本作の大谷健太郎監督と、主演を務める波瑠に、全編ロケで撮影された『がじまる食堂の恋』の見どころや、オリジナル脚本に込めた想い、撮影秘話についてお話を伺った。
 

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―――本作はオリジナル脚本ですが、監督のアイデアはどの程度反映されているのでしょうか。
大谷健太郎監督(以下監督):私の監督作品としては、本作でちょうど11本目になります。今まで10本撮ったので、この1本はご褒美のような気持ちで、好きなことをやらせていただけると思いました。名護の町おこしの映画を作ってほしいという依頼ではなく、20~40代ぐらいの旅行好きな女性が、この映画を観て「名護の町に行ってみたい!」と思えるようなお話を考えるとラブストーリーしかありません。自分の原点に戻って、久しぶりに撮りたいものを作ってみようと思ったのです。
 
 
―――原点回帰のラブストーリーということですが、特にどういう点をポイントにしたのですか?
監督:沖縄を舞台にするというのはどういうことなのかと考えました。女性を主人公にし、女性がヒロインに思いを重ねられるような女性目線を大事にし、脚本の永田優子さんが女性の気持ちを見事に描いてくださいました。『とらばいゆ』(02)のような四角関係で、恋愛会話劇のスタイルをとっていますが、『とらばいゆ』では都会に住んでいる男女を描いていました。女性は気が強くバリバリ仕事もしていて、恋愛に対してもアグレッシブ。一方、男性は僕の分身みたいに情けない男が登場する話でした。
 
今回は名護で生きている女性が、おばあちゃんから受け継いだ食堂を細々と一人で切り盛りし、肥後さんたちが演じる常連客を相手に日々平穏に暮らしています。そこに、非日常的に旅行者の男性が現れ、元カレが島に帰ってくるし、謎の美女が現れるしと、どんどん巻き込まれていくわけです。そういう中で自分の生き方や女である自分の恋心にもう一度目覚めていきます。観客も少しずつヒロインに気持ちを重ね合わせながら、最終的に運命の人に辿り着くというのが大人のラブストーリーとしていいのではないかと思いました。それが今までとは違う部分ですね。
 
 
―――波瑠さん演じるみずほが何度も語りかけるガジュマルの木が、作品で重要な役割を果たしていましたね。
監督:名護の大通りにある「ガジュマルの木」は樹齢が300年ぐらいあり、町の人も木に向かって拝んだり、お供えものを置いたりするような木で、都会では考えられないようなパワーを感じました。その感じを取り入れたかったし、ガジュマルの木の下でキスシーンを入れたかったのです。永田さんと、ガジュマルの木で語る台詞を考えたり、冒頭のシーンからラストシーンにうまく繋がっていくように作っていったところが一番のこだわりですね。
波瑠:ガジュマルの木の迫力は凄かったです。見たこともない木の形をしていて、根も伸びているし、枝もこんがらがるような形で圧倒されました。
 
 

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―――波瑠さんは映画単独初主演ですが、主演が決まったときの気持ちや、撮影に臨むときの心境はいかがでしたか?
波瑠:主演をいただいたからといって、特別に意識はしませんでした。TVドラマで一度お仕事したことがある大谷監督ですし、自分がこの現場を引っ張っていかなければというようなプレッシャーは全然感じなかったです。自分のやるべきことを一生懸命やっているうちに、逆に周りの方にサポートしていただいた感じでした。沖縄で2週間撮影できたことが、本当に嬉しかったです。
監督:女性が主人公のラブストーリーですから、女性に人気がある女優でなければ、なかなか観ていただけないですね。波瑠さんは幅広い層から人気がある女優なので、この人に託せば大丈夫だと思いました。以前一緒に仕事をした安心感があることに加え、映画初主演でご一緒できるのも魅力的でした。
 
 
―――波瑠さんから見て、みずほはどのようなキャラクターと捉えていますか。
波瑠:食堂を一人で切り盛りしており、非常にしっかりした女性です。でも恋愛のこととなると、途端に流されやすくなってしまったり、過去のある出来事のために恋愛に対して少し臆病になっている部分があります。恋愛の面だけ不器用になるのはとてもかわいいなと思いました。他の3人のキャラクターが濃かったので、みずほというキャラクターの表現の仕方は色々考えました。
 
 

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―――小柳友さんや桜田通さんといった男性キャストの起用の決め手は何ですか?
監督:女性に人気があることですね。僕の周りの女性は皆小柳さんを是非キャスティングしてほしいという声がありましたし、桜田さんも女性ファンが多い方です。これから日本映画を背負っていく若い俳優さんと一緒に仕事をするのが好きなのでしょうね。『NANA』(05)のときもオーディションで松山ケンイチさんと出会いましたから。
 
 
―――今回の撮影を通じて、お気に入りの場所や食べ物はありましたか?
波瑠:どこでも海があり、海や海沿いの道はきれいですね。東京では見られないです。今回は食堂の話なので、フードコーディネーターの宮城都志子先生(地元の栄養士として40年以上活躍、『沖縄発 パパッとご飯 しっかりご飯』著者)が撮影で使うご飯を出してくださったのですが、撮影スタッフにもお昼ごはんとしてヨモギ入り雑炊(ジューシー)を振る舞ってくださいました。初めての味でしたが、よもぎの香りがやさしくて、好きになりました。
監督:名護にはオリオンビールの工場があるので、工場から出来立てのビールが卸されていて、名護で飲むビールが格別に美味しいです。空港で飲んだり、本土で飲むのとはまた違います。ビール好きなら、ぜひ名護に来て飲んでいただきたいです。
 
 

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―――名護での撮影を経て、ご自身に変化はありましたか?

波瑠:普段は自分の家が好きで、地方で泊まることはあまり好きではないのですが、初めて名護に来てから毎日天気も良く、すぐに「名護、いいな」と思い、帰りたくなくなりました。帰ってからもしばらくは現実に戻れなかったですね。キャストやスタッフの皆さんと一緒にご飯を食べたりと、みんなで行動する生活に慣れてしまったので、夢から無理矢理起こされたみたいで、東京に帰ってしばらくは辛かったです。
監督:ある寿司屋でスタッフジャンパーを来たまま夕ご飯を食べていたとき、お店のご主人に声をかけていただき、ご主人の三線と奥様の踊りで私も一緒に踊りました。沖縄でしか起こらないと思っていたことを本当に体験でき、地元の皆さんにかわいがっていただきました。僕自身もまだ名護に心が置きっぱなしになっていますね。居心地がいいですし、時間の流れ方が違います。
 
 
―――最後に作品の見所を教えてください。
監督:名護は桜が日本で一番最初に咲く場所で、本作では名護の春の風景を収めています。春の沖縄を見るのは貴重なのではないでしょうか。都会で暮らしていては絶対に味わうことができないゆったりした時間や名護の人たちの暮らしを感じられますし、自然に飛び込んでいったからこそ、都会では起こり得ないようなどこか夢のようでかつ、リアルな大人の切ないラブストーリーができました。名護に足を運んでいただければ、きっと名護の皆さんが暖かく受け入れてくれると思います。映画に登場したガジュマルの木を見つけてもらえば、運命の人が手を握ってくれるかもしれませんよ。女子旅にうってつけの映画だと思います。
波瑠:名護のみなさんの協力があり、名護だから完成した映画です。とても感謝しています。その名護の気持ちいい空気の中で、私たちが演じた些細な気持ちの揺れ動きに目を向けていただき、「あのときの台詞がよかったね」という女の子同士の会話をしてもらえると嬉しいですね。
 
(江口由美)
 

batuichi-b-550.jpg『バツイチは恋のはじまり』主演のダニー・ブーン トークレポート《フランス映画祭2014》

(2014年6月30日 東京有楽町・朝日ホールにて)

《フランス映画祭2014・観客賞受賞作》
(Fly Me to the Moon 2012年 フランス 1時間44分)
監督:パスカル・ショメイユ
出演:ダイアン・クルーガー、ダニー・ブーン、アリス・ポル、ロベール・プラニョル、ジョナタン・コアン

2014年9月20日(土)~ヒューマントラストシネマ有楽町、シネ・リーブル梅田、シネ・リーブル神戸、11月~京都シネマ 他全国順次公開

★公式サイト⇒ http://www.batsu-koi.com/

(C)2012 SPLENDIDO QUAD CINEMA / TF1 FILMS PRODUCTION / SCOPE PICTURES / LES PRODUCTIONS DU CH'TIMI / CHAOCRP DISTRIBUTION / YEARDAWN


 ★ダニー・ブーン、コメディアン本領発揮!
こんなダイアン・クルーガー見たことない!クール・ビューティも破顔の爆笑コメディ!!

 
batuichi-1.jpg家系的に1度目の結婚は必ず失敗するというジンクスを抱えたイザベル(ダイアン・クルーガー)は、10年も同棲中の恋人との結婚を成功させるため、誰でもいいから偽装結婚してバツイチになろうとする。そこで選んだ相手がツアーガイドのジャン=イヴ(ダニー・ブーン)だったが、中々離婚できずに悪戦苦闘するという物語。お話に無理があるだろうと思って見たら、とんでもない!パリからデンマークへ、さらにケニアやモスクワへとワールドワイドのロケも魅力的だが、何と言ってもお人好しジャン=イヴを演じたダニー・ブーンの美女イザベルに翻弄されまくる“困ったチャン”ぶりが可笑しい!


batuichi-7.jpg特に、ケニアでのライオンに遭遇するシーンや歯医者さんでのシーンや脱毛のシーンなどは傑作!行く先々で繰り広げられる二人の珍道中を見ているうちに、いつしか「自分にとっての本当の幸せとは何か」を考えさせられる。イザベルのどんな嫌がらせにも寛大に応えるジャン=イヴの一途さがいい。「気持ち良く心の底から笑えるのが一番!」というダニー・ブーンの品のいいコメディセンスが心に響く、傑作コメディだ。
 


2014年6月30日、東京有楽町にある朝日ホールにて開催された《フランス映画祭2014》のクロージングを飾った本作は、上映後に主役のダニー・ブーンが登壇して、増々会場は大盛り上がり! 観客の質問にもジョークで切り返すあたりは、さすがだ!


batuichi-b-3.jpg――― オープニングセレモニーに登壇されなかったので、来日できないのかと心配しましたが?
フランスから日本へ車で来たものですから、ちょっと時間が掛かってしまいました(笑)

――― コメディの王様と言われているダニー・ブーンさんですが、本作への出演理由は?
やっぱダイアン・クルーガーでしょう!? 他にどんな理由があると言うんです?(笑)
とにかくシナリオが面白くて!ラブコメも好きですが、パスカル・ショメイユ監督の作品へのアプローチの仕方や映画の撮り方が好きでしたので、出演したいと思いました。それに、今回シネマスコープによる撮影だったり、フランスだけでなくケニアやモスクワへ行ったりととても大変でしたが、素晴らしく美しい映像や、エレガントなユーモアで綴られているころが良かったです。

――― お好きなシーンは?
面白かったのは歯科院でのシーンですね(笑)。顔にいっぱいメイクされましたが。ワンマンショーでは体を使って笑わせることが多いので、それを映画に取り入れることができました。それと、髪の毛を失くしてしまうシーンです(笑)。

――― ジャン=イヴみたいに、女性にどんな身勝手なことをされても平気ですか?
もし私の妻が脱毛剤を使ったら、やはり怒るかな?20年前だったら、彼みたいに優しかったけどね(笑)。

batuichi-6.jpg――― 理想とする笑いのとり方とは?
心からくる笑いが一番好きです。言葉による笑いと体によるものとを結び付けるのが重要だと思います。リアリティのある状況を演じないと心から笑えません。そのためには、心のこもった人間味を出していかなければなりません。そのシチュエーションをリアルに生きることが笑いに繋がると信じています。下品なことを言って笑いをとるのは好きではありません。子供が笑ってくれるかどうかが私の基準です。

――― ライオンが登場するシーンは?
最初ライオンと一緒に出演して下さいと言われましたが、ライオンが「イヤだ!」と言ったので別々に撮影しました(笑)。いくら調教師が優秀でも、もしもの事が起きると、テイクの度に交代の俳優を用意しなければなりませんからね(笑)。
ケニアのセレンゲティ国立公園での撮影でした。宿泊していたロッジの近くにヒョウの家族が住んでいるので注意するよう言われていたので、ダイアンにもその事を伝えたのですが、彼女は「また冗談ばっかり言って!」と本気にしなかったんです。ところが、夜ダイアンがシャワーを使おうとしたら、そこにヒョウが待っていたんです。「ヒョウに会ったら叫ばず、背中を向けるな」と教えられていたので、彼女はそのまま後ずさりして無事でした。ヒョウの方も、裸のダイアンに興味なかったようです(笑)。ボクもヒョウの前を通ったのですが、大きなネコだと思って気付きませんでした(笑)。
その後も、サファリカーが火事になったり、灌木の中で道に迷ったりと、いろんなことが起こって、大変なロケでした。

――― マサイ族の人たちについて?
セリフのあるマサイ族の酋長役の人は、フランス語ができる弁護士で、演劇学校へ行って勉強した人なんですが、彼が一番NGを出していました。言葉の通じない他のマサイ族の方が上手に演じていました(笑)。

batuichi-b-4.jpg――― 監督もされていますが、製作意欲は?また、役者として出演する時のポイントは?
監督として大切なことはアイデアを出すことです。そのためにはシナリオに時間をかけること。1年~2年ぐらいは物語やアイデアをずっと考えて温め続けています。
役者と監督との違いは、シナリオの読み手として面白いかどうかを判断できることです。自分の出番が何ページあるかと数えたりはしません、他の俳優さんのようにね(笑)。出番は少ないのにポスターでは一番前にしてくれとか、そんなことを言う俳優さんを後で教えますね(笑)。
物語が感動を与えられるか、笑えるか、監督がそれまでどんな作品を作ってきたかなどを考え、監督とシナリオの読み合いをして決めます。今まではいい監督と作品に恵まれてラッキーでした。これからも続くかどうか分かりませんが(笑)。

――― 監督経験のある役者は、物分かりが良く使いやすいとジャン=ポール・サロメ監督が仰ってましたが、ご自身は如何ですか?
監督をしてみて分かったことは、待機時間が長い理由です。待たされるからいい椅子を選んでおいた方がいいよと言われました。監督の経験があるので、自分の身を監督に任せようという気持ちになれます。さらに、編集の重要性を分かっているので、シーンとシーンの繋がりを重要視するようにもなるのです。

――― アドリブはどの程度入れるのですか?
割と沢山入れます。ジャン・ピエール=ジュネ監督の『ミックマック』の場合は、アドリブを制限されていました。クローズアップのシーンで、涙を流して下さいと言われたので流したら、監督が「反対側の頬で」と言われました(笑)。


終始冗談ばかり言って会場を沸かせていたダニー・ブーン。ダイアン・クルーガーが「ヒョウに気を付けろ」と言われても本気にしなかった理由がよくわかる。きっと撮影中もこの調子だったのだろう。毒舌で他者をけなしたり、下品なことを言ったりして笑いをとるのではなく、チャップリンのような悲哀を秘めた人物像で喜劇を演じられる役者のように感じた。心の底からこみあげる笑いで人々を魅了し、《フランス映画祭2014・観客賞》に輝いたのもうなずける作品だ。

(河田 真喜子)

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フランスを拠点としながら祖国カンボジアの人々の記憶に迫る作品を撮り続けているリティ・パニュ監督の第66回カンヌ国際映画祭 ある視点部門グランプリ受賞作『消えた画クメール・ルージュの真実』が、9月13日(土)より、十三・第七藝術劇場で公開される。
 
カンボジアで、リティ・パニュ監督自身が幼少期に体験したポル・ポト率いるクメール・ルージュによる虐殺の記憶。一瞬にして華やかな街から人々は虐殺され、生き残った者もクメール・ルージュの支配下で名前を失い、個を配して重労働を強いられる。自身も家族や友人を失い、奇跡的に収容所を脱出して映画監督になったリティ・パニュが、失われたフィルムや写真を発掘するだけでなく、失われた記憶を新たに作り出す試みを本作で行っている。多くの犠牲者が葬られた土から一つ一つ手彫りで作り上げた膨大な数の土人形たちに歴史を重ね、静かな語りによって苦しみながら生き抜こうとしたカンボジアの人々の肖像を浮かび上がらせる。一掘り一掘りに込めた想い、そして詩的にすら感じる語り口から、深い追悼の意も感じられる作品だ。
 

公開初日の9月13日(土)12:15の回終了後、5Fイベントホールにて14:10ごろよりトークショーが開催される。カンボジアでかつて起きたクメール・ルージュの真実について、改めて触れてほしい。
 
トークゲスト
川瀬 慈さん(国立民族博物館・助教)
小林 知さん(京都大学東南アジア研究所准教授)
詳細はコチラ
 
 
『消えた画クメール・ルージュの真実』公式サイト⇒http://www.u-picc.com/kietae/index.html
 
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