「京都」と一致するもの

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★第69回ベルリン国際映画祭 銀熊賞(審査員グランプリ)受賞★

フランソワ・オゾン監督最新作!『グレース・オブ・ゴッド 告発の時』

「フランス版“スポットライト”だ」インタビュー特別映像 解禁!
 



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フランスを震撼させた、神父による児童への性的虐待事件。

トラウマを抱えてきた男たちの、人生をかけた告発のゆくえは──?

鬼才フランソワ・オゾンが挑む、衝撃の実話。

 
フランスでは今現在も裁判が進行中の「プレナ神父事件」。
一人の勇気ある告発者から端を発した児童への性的虐待事件は、結果的に80人以上もの被害者が名乗りをあげ、プレナ神父が教区を変えながら長年にわたって信者家庭の少年たちに性的暴力を働いていたという驚くべき事実が白日の下にさらされた。
 

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本作の物語は、20年、30年経っても、なお虐待のトラウマに苦しむ男たちが、告発するまでの〈葛藤〉と、告発したことによる周囲との軋轢という〈代償〉、それでも告発によって確かに生まれた〈希望〉を紡ぎ出す。あらためて男女の差なく人生を破壊する性的虐待という暴力の恐ろしさと、そこから再生していく人間の力強さ、そしてそれを支える家族の愛が描き出され、まさに人間という存在の光と闇が、ここにある。
 
出演は、若き天才グザヴィエ・ドラン監督の『わたしはロランス』で圧倒的な存在感と美しさを発揮したメルヴィル・プポー、『ブラッディ・ミルク』でセザール賞を受賞したスワン・アルロー、ヴェネチア国際映画祭で監督賞を受賞した『ジュリアン』の父親役が記憶に新しい実力派のドゥニ・メノーシェ。本作で3人揃ってセザール賞にノミネートされ、心をうがつ傷を繊細かつリアルな演技で表現したアルローが見事助演男優賞を獲得した。フランスのみならずヨーロッパを震撼させたこの衝撃の事件に、今やフランス映画界のトップにして最先端に立つフランソワ・オゾン監督が、挑む。
 

インタビュー映像解禁!⇒こちら


「実在の関係者に会って映画化の意思を伝えると、最初に出た言葉は「フランス版“スポットライト”」だ」とオゾン監督は語る。本作について「リヨンで起きた実話から、本作は着想を得ている。きっかけは偶然だった。男性のもろさを描く作品を描きたいと思っていて、題材を探す中でロビー団体のサイトを見つけた。多くの証言の中にアレクサンドル(本作の主人公)のものもあった。カトリック教徒の彼は幼少期に自分に性的虐待し、未だ活動を続ける神父を告発したという。連絡をとって彼に会うと大量の資料を見せてくれた。すぐに事件に引き込まれたよ」と、当時を振り返る。

現実の出来事に最大限に忠実であろうとしたオゾン監督は、「リアリティを重視して、語り手が変わっていく構成になっている。まずアレクサンドルが沈黙を破り、教会に訴える。フランソワが引き継ぎ、記者会見を開きメディアに訴える。そして3人目が法的手段に訴える。3人の話が次から次へと切り替わることで、連鎖反応が起こり、ドミノ効果が生まれる」と、人々が連携していく姿を描きたかったと監督の意図を明らかにしました。
 
最後に、「これは世界に議論を促す映画だ。映画には政治的側面があり、世間を変えられずとも、関心を高める力がある。本作はコミュニティや人々の葛藤を描いているので、政治的にならざるを得ない。しかし私は宣伝映画を作ったわけではない。本作を作った目的は問題提起だ。ある質問で終わることで人々に考えてもらい、物事を変える議論をしてもらいたい。小児異性愛や性的虐待にある沈黙の掟を変えてもらいたい」と本作への強い想いを語り、締めくくりました。
 
フランスでは連日テレビやラジオで報道され、誰もが知る「プレナ神父事件」を基にした本作は、公開されるやいなや91万人を動員する大ヒットを記録した。事件のあらましだけではなく、その内部に観客を導き、心揺さぶるヒューマンドラマとして魂を吹き込む。最後に映し出された男たちの瞳の中にある、オゾンからの鋭い問いかけと深いメッセージを是非劇場で確かめてほしい。
 

【STORY】

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妻と子供たちと共にリヨンに住むアレクサンドルは、幼少期に自分を性的虐待したプレナ神父が、いまだ子供たちに聖書を教えていることを知り、家族を守るため過去の出来事の告発を決意する。最初は関りを拒んでいたフランソワ、長年一人で傷を抱えてきたエマニュエルら、同じく被害にあった男たちの輪が徐々に広がっていく。しかし、教会側はプレナの罪を認めつつも、責任は巧みにかわそうとする。アレクサンドルたちは、沈黙を破った代償──社会や家族との軋轢とも戦わなければならなかった。果たして、彼らが人生をかけた告発のゆくえは──?
 
 
・監督/脚本:フランソワ・オゾン 『しあわせの雨傘』『彼は秘密の女ともだち』『2重螺旋の恋人』
・出演:メルヴィル・プポー、ドゥニ・メノーシェ、スワン・アルロー、ジョジアーヌ・バラスコ、エレーヌ・ヴァンサン
・2019年/フランス/2時間17分/カラー/ビスタ/5.1ch/原題: Grâce à Dieu / 日本語字幕:松浦美奈
・提供:キノフィルムズ 配給:キノフィルムズ/東京テアトル  G 
・©2018-MANDARIN PRODUCTION-FOZ-MARS FILMS–France 2 CINÉMA–PLAYTIMEPRODUCTION-SCOPE          
・公式サイト:graceofgod-movie.com
 

7月17日(金)ヒューマントラストシネマ渋谷、なんばパークスシネマ、テアトル梅田、アップリンク京都、シネ・リーブル神戸ほか 全国ロードショー


(オフィシャル・レポートより)
 
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本州から来た少女の目線で、ウチナーンチュの心を映し出す
『ちむぐりさ 菜の花の沖縄日記』平良いずみ監督インタビュー
 
 沖縄のフリースクール、珊瑚舎スコーレに通っていた石川県出身の坂本菜の花さん。学校に通いながら北陸中日新聞で「菜の花の沖縄日記」を連載していた菜の花さんの言葉の力、そして相手に対する思いやりと、自分が感じた驚きや疑問の奥にあるものに向き合う勇気が、観る者を惹きつける。そんな若い菜の花さんの目線で、沖縄の過去、現在を映し出す、沖縄テレビ放送開局60周年記念作品となるドキュメンタリー映画『ちむぐりさ 菜の花の沖縄日記』が、7月24日(金)より京都シネマ、7月25日(土)より第七藝術劇場、今夏元町映画館他全国順次公開される。
 
 監督は、沖縄テレビ放送でキャスターを務めながら、ドキュメンタリー番組の制作にも力を注ぎ、高い評価を得ている平良いずみ。沖縄県内、県外問わず、特に若い世代がSNSやネット記事の断片的な情報を鵜呑みにしてしまう今、沖縄に横たわる様々な問題、そこに住む人たちの暮らしが脅かされているということを、どうすれば抵抗なく観てもらえるかに心を砕いだという本作は、津嘉山正種さんの柔らかい語りと、菜の花さんの言葉で、沖縄の人たちの葛藤や生きる力を優しく紡ぐ一方、辺野古新基地反対運動の最前線、高江に足を運んでの取材、そして菜の花さんが初めて故・翁長知事と出会ったという5万人以上が参加した県民大会など、米軍基地が集中することによる被害に対する沖縄の人たちの闘いも刻み込んでいる。
本作の平良いずみ監督に、お話を伺った。
 

 
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■人間的に澄み切っていて、本当に素晴らしかった主人公、菜の花さん。

――――沖縄の情景を映し出しながら、上間綾乃さんによる、うちなーぐちバージョンの「悲しくてやりきれない」で始まり、エンディングは南アフリカで白人支配への抵抗歌として歌われた賛美歌「コシ シケレリ アフリカ」を菜の花さんたちが合唱して終わります。鎮魂歌のような2曲に包まれ、優しく心に染み入る作品になっています。
平良:本当に肩の力を抜いて、観ていただきたいという思いがありました。三上智恵監督作品(『戦場ぬ止み』他)のように、私も普段は、沖縄の人たちの基地反対への思いを直球で描いていたのですが、私のドキュメンタリーの恩師から「そろそろ変化球も覚えた方がいい」とアドバイスされたのです。だから今回は、入りは柔らかくし、その中で沖縄に横たわる問題を観ていただけるように構成しました。
 
――――本作のナビゲーターとなる坂本菜の花さんの存在感と彼女が紡ぎ出す言葉に心洗われますね。
平良:菜の花さんは人間的に澄み切っていて、本当に素晴らしかったです。また菜の花さんが通うフリースクール、珊瑚舎スコーレの星野人史校長は「人は文章を書く生き物だ」とおっしゃっておられ、自分の言葉をいかに持つかということに重点を置いた教育をされています。それもあり、菜の花さんの言葉が、直球でズシリと響くんです。
 
――――石川県出身の菜の花さんが沖縄の珊瑚舎スコーレに入学したきっかけは?
平良:菜の花さんの実家である旅館には文化人の方がよく集まり、交流があったそうなのですが、石川テレビのディレクターから珊瑚舎スコーレのことを押してもらったのがきっかけだったそうです。そのディレクターとは、菜の花さんの父親が地元の珠洲市で原発反対運動を先頭に立って30年間続けてきた関係で知り合ったそうで(結局原発計画は消滅)、菜の花さん自身も嫌なことを嫌と主張することで成功体験を得ることができることを知っているし、分断される悲しみも小さい頃から知っているのです。実際に、原発反対運動をしているがためにお客様が減ってしまった商店へ、菜の花ちゃんが遠路はるばる足を運んでいる姿を偶然目撃したテレビ局の方もいらっしゃいました。
 
 
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■「被害者意識はもうたくさん」という観る側の気持ちも受け止めなければいけない。

――――この作品を作るにあたっては、様々なジレンマがあったそうですね。
平良:沖縄のメディアに身を置いていると、無力感にさえなまれない時はないですね。伝えようと思っても、なかなか伝わらない。でも2017年12月、普天間第二小学校で体育の授業をしている時に、運動場に米軍ヘリコプターの窓が落ちたのです。一人の親として、こんな事件が起きても尚、アメリカや米軍に対して黙っているこの国は、おかしくないかという怒りがこみ上げました。保護者にインタビューをしても、怒り、不安、悲しみが押し寄せるばかりで、お互いにただただ泣いてしまって、取材にならないんです。ただ、私の仕事は伝えることですから、そこで諦めては、もし重大な犠牲が出てしまったら悔やんでも悔やみきれない。一方、「被害者意識はもうたくさん」「もうお腹いっぱいなんだよね」という観る側の気持ちも受け止めなければいけない。そういう意味で、今回菜の花さんという逸材に出会えたのは、大きな突破口になりました。
 
 

■対岸の火事ではく、住民の意思表示が簡単に踏みにじられてしまう今の国のあり方を感じてほしい。

――――テレビ版を映画化したことで、より伝えたかったことや、その狙いを教えてください。
平良:沖縄で放送したテレビ版はありがたいことに大きな反響をいただきました。年に一度、FNSドキュメンタリー大賞という系列局のドキュメンタリーを全国放送する枠があり、本作のテレビ版も深夜に全国放送されたのですが、なかなか気づいていただけない。地方のドキュメンタリストたちが届けたくても届けられない中、系列の東海テレビが映画化の道を開いてくださったので、絶対に映画化したいと思っていました。今回映画版に入っている菜の花さんの卒業後の沖縄というのは、本当に激動の時期でした。翁長知事が急逝され、県民が意思を示して、若い青年がハンガーストライキまでしてようやく県民投票が実現し、全県民がそれぞれの立場で心を砕きながら、懸命に自身の一票を投じたのです。でも翌日すぐに辺野古の埋め立てが再開してしまった。本当にこの国の民主主義は大丈夫だろうか。沖縄のことだけだろうという対岸の火事ではなく、みなさんが住んでいる所でも住民投票で意思を示したのに、それが簡単に踏みにじられてしまう今の国のあり方を感じていただきたいと思っています。
 
――――県民大会では翁長知事の掛け声とともに、県民が一丸となっている姿が映し出されますが、生前最後の県民大会は、まさに命がけで魂の言葉を遺しておられました。
平良:翁長知事は元々、辺野古推進派だったので、メディアとしては本当にこの人が辺野古反対を貫くのかという視点を持つことも必要でした。でも、亡くなる直前に参列した慰霊の日では、ご自身が余命いくばくもないことを知りながら、献花台に自らの足で花を手向け、自分が県民の代弁をするという使命感を貫かれた。あの命をかけた姿はフィルムに刻まなければという思いもありました。
 
 
 
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■「ちむぐりさ」という言葉に込められたウチナーンチュの思い。

――――タイトルになっている「ちむぐりさ」という言葉は、沖縄の人にとってどんな言葉なのでしょうか?
平良:今まで20年ぐらい、いろいろな所で取材をしているのですが、「ちむぐりさんさね」という言葉を度々聞いています。先ほどの、米軍機の窓が落下した普天間小学校取材で、お母さん方も「普天間基地は明日にでもなくなってほしいけれど、それが辺野古に移ることに関して、絶対に許せない。自分たちと同じ気持ちを、辺野古の人がするなんて、それはちむぐりさんさね」と。どうしてこんな小さな沖縄の中で、基地をたらい回しにしなくてはならないのかという思いも、この言葉には込められています。
 
――――沖縄の人たちを分断させるという国の思惑が、まさにここにありますね。
平良:映画化するにあたり、沖縄の若い人や県外の若い人たちに、沖縄が今に至る経緯をちゃんと伝えたいという思いもありました。インターネットで辺野古のゲート前に座り込んでいる人たちを見た人が、すごく嫌悪感を抱かせるような言葉をSNSに投稿したり、テレビ版を県外の大学で上映してもらった時、「なぜ国がやるということに対し、沖縄はずっと反対をしているのか」「ゲート前に座っている人たちに対し、地元ではすごく嫌悪感を抱いているのではないか」という質問が寄せられたのです。私たちの暮らしが脅かされているから悔しい思いをし、そこに座り込んでいるのだという、そこに座る人たちの怒りや、座る行為の向こう側を見せる努力を今までしてこなかったことを反省しました。切り取った映像だけで状況を判断している人たちに対し、私たちができることは何なのかを考えて、今回は作っています。
 
 
 
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■夜間中学に通う高齢者のみなさんの証言から、今に続く沖縄の問題を感じて。

――――珊瑚舎スコーレでは菜の花さんのような若い生徒と共に、若い頃戦争で学ぶことができなかった高齢者のみなさんが共に学び、劇や行事も一緒に取り組んでいる姿が、とても印象的で、沖縄の歴史がここからも垣間見えました。
平良:実はこの作品を撮るきっかけになったのは、3年前に撮った夜間中学に通う高齢者のみなさんを主人公にしたドキュメンタリーなんです。取材していたみなさんがご卒業されるのと同時に入学してきたのが菜の花さんで、彼女が書いた新聞が貼られているのを見て、目から鱗が落ちました。
 
戦後70年企画として作っていたので、最初はこちらも戦争で傷ついた方達だと思い、肩に力が入っていたのですが、実際にお会いすると、みなさんが底抜けに明るくて、「お姉さん、おいで」とか「分数分からないから、おばあに教えなさい」と声をかけてもらい、毎日楽しく取材に行っていたのです。そこから実際に若い頃のお話を聞きはじめると、学校に通っていなかったことが、これだけ人生に暗い影を落とすのかと痛感しました。字が読めないから、商売相手から騙されても泣き寝入りするしかなかったり、役所に補償金の手続きに行っても、字が書けないことで傷つけられることも多く、結局は手続きできずに帰ってきたりもしたそうです。若い人たちに、それが今も続いている問題だと少しは感じてもらえたらという気持ちで作りましたね。
 
――――菜の花さんには、観客の私たちも教えられること、目を見開かされることがたくさんありましたが、作り手の平良監督にとっては勇気付けられる存在だったのかもしれませんね。
平良:本当に勇気付けられています。今年の慰霊の日の前日も、嘉手納基地で火災が発生し、塩素ガスが発生したにも関わらずアメリカ軍はすぐに地元に通報もしないという事故が起き、日々無力感を突きつけられ、きちんと伝えられているのかと自問自答しました。そんな時に菜の花さんの言葉や、彼女が引用したガンジーの言葉を思い出し、自分を変えられないために、頑張らなくてはと思っています。今まで人に魅せられて作品を作ってきましたし、被写体に惚れ込みすぎる長所を生かして頑張りなさいと恩師も背中を押してくれたので、これからも人間賛歌を作っていきたいですね。
(江口由美)
 

<作品情報>
『ちむぐりさ 菜の花の沖縄日記』
(2020年 日本 123分)
監督:平良いずみ 
語り:津嘉山正種
出演:坂本菜の花他 
7月24日(金)〜京都シネマ、7月25日(土)~第七藝術劇場、今夏元町映画館他全国順次公開
※第七藝術劇場、7/25(土)14:45の回 上映後、平良いずみ監督、山里孫存さん(本作プロデューサー)によるリモート舞台挨拶あり
公式サイト → http://chimugurisa.net/

ichidomo-tolk-550-2.JPG 石橋蓮司、阪本順治監督 登壇!

豪華キャストが生電話でサプライズ参加!

祝!初日 『一度も撃ってません』 公開記念トークショー

 
 
4月の公開延期から2か月半、ついに7月3日に初日を迎える映画『一度も撃ってません』。日本映画界に欠かすことの出来ないスーパーバイプレーヤーの石橋蓮司(いしばしれんじ)が、『大鹿村騒動記』『半世界』などを手掛けた阪本順治(さかもとじゅんじ)監督の熱いラブコールを受けて18年ぶりの主演を務めたことが大きな話題に。
 
石橋演じる噂の【伝説のヒットマン】は、“殺し”の依頼を受けては、実は本当は“ハードボイルド小説”のネタ集めをしているだけの、ただの売れない小説家。そんな夫の秘密も知らず真面目に日々暮らしている妻役に大楠道代(おおくすみちよ)、主人公の怪しい旧友:元ヤメケン役の岸部一徳(きしべいっとく)、元ミュージカル界の歌姫役に桃井かおり(ももいかおり)と、レジェンド達の共演実現に多くの反響が寄せられた。
 
次世代の日本映画界を背負う豪華共演陣も出演する事で話題。佐藤浩市(さとうこういち)、豊川悦司(とよかわえつし)、江口洋介(えぐちようすけ)、妻夫木聡(つまぶきさとし)、井上真央(いのうえまお)など主演級の俳優陣に加え、「令和」を担う役者として柄本佑(えもとたすく)といった若手の出演にも注目だ。脚本は、『探偵物語』『野獣死すべし』などのハードボイルド作品でアウトロー主人公を描かせたら右に出る者の居ない丸山昇一(まるやましょういち)が、阪本監督とは『行きずりの街』以来4作品目のタッグとなる。
 

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このたび、本作の全国42館での公開を記念し、劇場での初日舞台挨拶ではなく、「公開記念トークショー」の形で、主演の石橋蓮司と阪本順治監督が登壇、さらに大楠道代、岸部一徳、桃井かおり、佐藤浩市、柄本佑の豪華共演者が、生電話でサプライズ参加いたしました。冗談を交えた電話先のキャストたちとの会話に、終始笑顔の石橋だったが、初日の喜びとともに時折涙を見せて、喜びを噛み締めた。
 

【トークショー概要】
◇日時 :7月3日(金) 15:45~16:15
◇登壇者:石橋蓮司、阪本順治監督
◇生電話の登場:大楠道代、岸部一徳、桃井かおり、佐藤浩市、柄本佑
◇場所:キノフィルムズ試写室 (住所:東京都港区六本木7丁目8-6 AXALL六本木3F)
 

 
壇上には石橋蓮司(以下、石橋)と阪本順治監督(以下、阪本)を囲むように、一緒に初日舞台挨拶に登壇する予定だったキャストたちから多くの花が送られ、会場にいる二人は十分な距離を保ちながら、登壇できないキャストたちと電話を繋ぎ、トークを実施した。
 

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阪本監督は「今は撮影するのも、公開するのも戦いで、延期していた映画が公開されていく中、こういう“大人な映画”が先陣を切るべきだと思っていました。石橋蓮司さんが先頭を走り、他の映画も導かれていけばいいなと思っています。」と映画業界への想いを語り、石橋は「ここまで来るのに長い時間がかかりました。このような状況でも、この作品を観に劇場へ足を運んでくださるお客さんへは頭が上がらないです。」と映画ファンへの感謝の気持ちを語った。
 
電話でのトークのトップバッターを務めたのは、桃井かおり(以下、桃井)は、「こちらL.A.の桃井かおりです。元気なの?みんな会いたいわ。今こっちは深夜ですよ。」と明るく挨拶し、石橋が「かおりと久しぶりに仕事ができて本当に楽しかった。」と話すと、桃井も「現場がすごく楽しくて、蓮司の底力をまた見せてもらいました。蓮司にお願いしたいのは、ただ長生きしてほしいということだけ!」と石橋へ想いを寄せ、阪本監督には「(劇場へ入れる)人数が限られているから、上映期間を延ばしてと、劇場に言っておいてね(笑)」と桃井節で締めくくった。
 

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また柄本佑(以下、柄本)も電話にて公開を祝福し、「通行人役でいいから出演したい!」と名乗り出て出演した本作だったが、石橋から「アクション俳優のように動けると思っていなくてびっくりした。」と言われ、柄本は嬉しそうに「本当ですか?ありがとうございます!」と返事をした。佐藤浩市(以下、佐藤)との電話は、終始リラックスして行われ、佐藤が「石橋蓮司さんを褒めればいいんですよね!」とからかいつつ、「蓮司さんはこの40年間佇まいが全く変わらないのがすごい。俺たちに対する接し方もずっと最初から一緒なことが本当に素晴らしいと思う。」と絶賛し、石橋も「(佐藤が)デビューした頃から素晴らしい俳優が出てきたと雑誌の取材などで話しちゃってさ…見られたら恥ずかしい。」と褒め返し、さらに「今回息子(寛 一 郎)とも共演して、役者としてびっくりした。君たち三世代(父・三國連太郎、息子・寛 一 郎)には本当に驚かされているよ。」と褒めたたえていた。
 

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大楠道代と岸部一徳も電話にて本作の公開を喜び、「落ち着いたら早く集まりましょう!」と石橋へ投げかけた。キャストとの電話トークが終わり、阪本は、「今日は皆さんに電話かけましたけど、やっぱりくせ者が多く出演してる映画だな、と。それがこの映画の特徴でありますけどね。」と語り、石橋は「出演してる皆が主役を務めることが出来る役者ばかりで、今回はどの場面を見ても、だてに歴史を重ねてないなと。体に染みついたものを出すことを無意識に出来る人たちがたくさん集まったなと思い、楽しい映画にしてくれて、ありがたいです。」と共演したキャストへ思いを話した。
 
最後に石橋は「映画はお客さんに観られて初めて成立するので、この状況でも劇場へ観に行って下さることは、作品を作る側として、さらに自分も作品に対して情熱を持たないと、お客さんに見放されてしまうなと。今日この作品を観に行っている方は、僕らよりずっと映画を愛していると思うので、そのことを忘れずにこれからも精進したいと思います。本当にありがとうございました。」と話し、トークショーは終了した。
 

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市川進(いちかわすすむ/石橋蓮司)、御年74歳。タバコ、トレンチコートにブラックハット…
大都会のバー「Y」で、旧友のヤメ検エリート・石田(岸部一徳)や元ミュージカル界の歌姫・ひかる(桃井かおり)と共に夜な夜な酒を交わし、情報交換をする。そう、彼は巷で噂の“伝説のヒットマン”だ。今日も“殺し”の依頼がやってきた――。
 
がしかし、本当の姿は…ただハードボイルド小説を書きたい作家、ペンネームは御前零児(オマエレイジ)。ちなみに原稿は“時代遅れ”で全く売れてない。おまけに妻・弥生(大楠道代)の年金暮らし、なんとも情けない始末。担当編集者:児玉(佐藤浩市)も、市川の“伝説のヒットマン”という噂を信じればこそ長年付き合ってきたが…実は、リアリティにこだわり過ぎた市川は“理想のハードボイルド小説”を極めるために、“殺し”の依頼を受けては、その暗殺の状況を取材しているのだった。エセ投資セミナーで金を巻き上げる守山(江口洋介)の暗殺など、過去多くの事件に関わったと噂される“なんちゃって”ヒットマン市川に、ついにツケが回ってきた。
 
本当は“一度も人を殺したことがない“市川は、敵のヒットマン(豊川悦司)に命を狙われ、妻には浮気まで疑われることに!
人生最大のピンチにばたつく”ハードボイルド気取りな小説家“の顛末を、世代を超えた豪華キャスト達で描き出す、かつてないオトナの良質エンターテイメントが誕生!
 

 
出演:石橋蓮司 大楠道代 岸部一徳 桃井かおり
佐藤浩市 豊川悦司 江口洋介 妻夫木聡 新崎人生 井上真央
柄本明 寛 一 郎 前田亜季 渋川清彦 小野武彦 柄本佑 濱田マリ 堀部圭亮 原田麻由
脚本/丸山昇一  監督/阪本順治
製作:木下グループ 配給・制作:キノフィルムズ ©︎2019「一度も撃ってません」フィルムパートナーズ
 

TOHOシネマズ日比谷、新宿蔵野館他、大阪ステーションシティシネマ、TOHOシネマズ(なんば、二条、西宮OS)、神戸国際松竹他 絶賛公開中!


(オフィシャル・レポートより)
 

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『ワイルド・ローズ』オリジナル クリアファイル プレゼント!

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本作の公開を記念して、歌手としての成功を夢見るローズのパワフルな姿を表現したポスタービジュアルのクリア ファイルをご用意させていただきました。

 

 

◆提供:ショウゲート

◆プレゼント数:名様

◆締め切り:2020年6月30(火)

◆公式HP:https://cinerack.jp/wildrose/

2020年6月26日(金)~シネ・リーブル梅田、なんばパークスシネマ、MOVIX京都、7月3日(金)~シネ・リーブル神戸全国公開

 


 

夢と家族の間でもがくシングルマザー

彼女の歌声に あなたはきっと涙する


このたび、ショウゲート配給の映画『ワイルド・ローズ』が 6 月 26 日(金)よりシネ・リーブル梅田他にて全国公開いたします。
イギリスの新進気鋭女優!ジェシー・バックリーが賞レースを席巻!アカデミー賞®ショートリストにも残った主題歌「GLASGOW」が、本年度の賞レースで音楽賞を総ナメし、ナショ ナル・ボード・オブ・レビュー<インディペンデント映画 TOP10>を始めとする世界中のインディペンデント映画賞で作品賞・主演女優賞を受賞。Rotten Tomatoes では 93%FRESH と高評価を獲得。
実在の人物をモデルに生ま れた本作で、全曲を自ら歌う主演ローズ役に挑むのは、『ジュディ 虹の彼方に』(19)での好演が光った、英国の新 鋭ジェシー・バックリー。彼女の母親役には、『リトル・ダンサー』(00)でアカデミー賞助演女優賞にノミネートされたジュリー・ウォルターズ。ローズに手を差し伸べる資産家のスザンナ役には、『ホテル・ルワンダ』(04)でアカデミー賞助演女優賞にノミネート、『プーと大人になった僕』(18)ではカンガ役を演じた実力派ソフィー・オコネドーなど、豪華キャストが顔を揃え、英国からまた 1 本の名作が誕生いたしました!
 

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【STORY】
カリスマ的な歌声を持つシングルマザーのローズは、故郷のスコットランドから、アメリ カに渡り歌手としての成功を夢見ていた。だが、不器用にしか生きられない彼女は、 夢を追い求めるあまり、愛する母親や幼い 2 人の子供たちを時に傷つけてしまう。夢か家族か、若さと才能を兼ね備え、ついにつかんだチャンスを前に、葛藤する彼女がたどり着いた答えとは?
書き下ろした初のオリジナルソング、ラスト 5 分、彼女の歌声にあ なたはきっと涙する――! 
 
■監督:トム・ハーパー  脚本:ニコール・テイラー
■出演:ジェシー・バックリー、ソフィー・オコネドー、ジュリー・ウォルターズ
■原題:WILD ROSE   
■公式サイト:https://cinerack.jp/wildrose/
■2018/イギリス/102 分/PG-12 
■© Three Chords Production Ltd/The British Film Institute 2018
■配給:ショウゲート

◆公式HP:https://cinerack.jp/wildrose/

2020年6月26日(金)~シネ・リーブル梅田、なんばパークスシネマ、MOVIX京都、7月3日(金)~シネ・リーブル神戸全国公開


(オフィシャル・リリースより)

ピカソやダリも愛したプラド美術館開館200周年記念作品!
スペイン王室が慈しんだ美の結晶の数々が!

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コロナの影響下で4月10日(金)の公開が延期となっておりました、2019年に開館200周年を迎え、世界最高峰と言われるスペインのプラド美術館の全貌に迫るドキュメンタリー『プラド美術館 驚異のコレクション』が7月24日(金)よりヒューマントラストシネマ有楽町、Bunkamuraル・シネマ、新宿シネマカリテほか全国順次ロードショーが決定致しました。
 

スペイン王室が愛した美と情熱の至宝。世界最高峰のプラド美術館。創立200年の今も輝き続ける、美の殿堂の歴史と未来に迫る——


世界最高峰の美術館の一つとされ、スペイン黄金期を後世に伝えるプラド美術館は2019年11月19日に200周年を迎えた。15世紀から17世紀にかけて太陽の沈まぬ国とも呼ばれたスペイン王国では、歴代の王族が圧倒的な経済力と美への情熱を背景に美術品を収集していた。

ナビゲーターを務めるのは『運命の逆転』(90)でアカデミー賞主演男優賞に輝いた名優ジェレミー・アイアンズ。プラド美術館全面協力のもと、栄光の時が刻まれた美術ドキュメンタリーが今、幕を開ける!

 



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改めて公開が決まった本作の日本語吹替版ナビゲーターを務めた今井翼さんからメッセージも到着致しました。

 

「歴史あるスペインの風景と美術が広がり、実際にプラド美術館に訪れたような気持ちにさせてくれる充実の映画になっています。当初よりも公開が遅れていますが、この作品を通して異国情緒をお楽しみいただける平穏な日常が戻ることを祈っております。」

 

 


[STORY]
広大な敷地に膨大なコレクションが収められたプラド美術館を案内するのは、アカデミー賞主演男優賞に輝いた俳優のジェレミー・アイアンズ。歴史物からファンタジー、サスペンスと幅広い作品で活躍する名優であり、プライベートでは400年間放棄されていたアイルランドの城を修復して暮らすという、歴史とアートを愛する知識人の一面も持つ。毎年約300万人が訪れるプラド美術館は、スペイン黄金時代に生きた王と王女が、自らの意志と審美眼で収集した唯一無二の美の殿堂。他の美術館とは明らかに趣向の異なる美の世界がここにある。


ナビゲーター:ジェレミー・アイアンズ
監督・脚本:ヴァレリア・パリシ 
脚本:サビーナ・フェディーリ 
2019年|イタリア・スペイン|英語・スペイン語|92分|カラー |
原題:THE PRADO MUSEUM. A COLLECTION OF WONDERS
配給・提供:東京テアトル/シンカ   © 2019 – 3D Produzioni and Nexo Digital – All rights reserved
公式サイト: http://www.prado-museum.com/

2020年7月24日(金)~ヒューマントラストシネマ有楽町、Bunkamuraル・シネマ、新宿シネマカリテ、シネ・リーブル梅田、MOVIX京都、シネ・リーブル神戸 ほか全国順次公開


 

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ブルース・リー生誕80周年記念

世界は今も、彼を中心に回っている。

最高の映像と最強の音声で更新された無敵の絶対聖典、

待望のリバイバル!

《ブルース・リー4Kリマスター復活祭2020》

7/3(金)~に公開延期、予告篇解禁!


   『ドラゴン危機一発』(1971)             『ドラゴン怒りの鉄拳』(1972) 

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   『ドラゴンへの道』(1972)              『ドラゴン死亡遊戯』(1978) 

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全世界が新型コロナウィルスとの死闘を続け、映画業界全体が悲鳴をあげるなか、人類に勇気と希望を与えるためにも生誕80周年となる記念すべき今年、ブルース・リーは必ずスクリーンに帰って来ます。


公開まで3ヶ月。待ちきれないというファンの声に応え、この度本上映企画の予告篇が完成いたしました。上映される4作品の名場面を、マイク・レメディオスの主題歌をバックに4Kリマスターの最高映像を使用した従来にないクリアな映像で収録してブルース・リーの本物のアクションの迫力を凝縮、さらにブルース・リーが“4K修復”という看板を持つカットや旧マスターと4Kマスターの違いが一目で分かる比較映像も加え、熱い期待をさらに盛り上げる仕上がりとなっております。


「ブルース・リー 4Kリマスター復活祭2020」上映作品は、リーが香港凱旋後に主演した「ドラゴン危機一発」(71)、「ドラゴン怒りの鉄拳」(72)、「ドラゴンへの道」(72)、そして、死から5年後 に完成した「死亡遊戯」(78)のゴールデン・ハーベスト作品4本。ブルース・リー神話の原点ともいうべきこの傑作群が4Kリマスターの最高映像でスクリーンに蘇えります


また、音声も海外ですでに発売されている4KUHDの英語版音声をそのまま使用するのではなく、4Kリマスター国際版映像にマイク・レメディオスの英語版主題歌やブルース・リーの怪鳥音など、世界最強といわれた日本初公開時の英語版を極力再現すべく、最良の音声を厳選し、アタッチしてDCP化した<世界初・日本限定バージョン>での上映となります。これはまさに最高の映像と最強の音声で更新された全映画ファン必見無敵の絶対聖典です。



★予告編は公式サイトでご覧ください: http://brucelee4k.com/ 

2020年7月3日(金)より、アップリンク渋谷、アップリンク吉祥寺、なんばパークスシネマ、アップリング京都、ほかにて興奮のロードショー!

(近日~塚口サンサン劇場、元町映画館)

◆4作品共通コピーライト:© 2010 Fortune Star Media Limited. All Rights Reserved.


 

 

阪急うめだ本店フランスフェア 2020 「フランスの国旗」の画像検索結果フランス映画の魅力トークショー実施! 

 
3月18日(水)~24日(火)に阪急うめだ本店で開催される《フラ ンスフェア 2020》。会期中の3月 20 日(金・祝)は、映画トークショーを実施いたします。 フェアのテーマであるノルマンディーを舞台にしたフランス映画と、昨年のカンヌ国際映画祭審査員賞受賞、 本年度アカデミー賞国際長編映画賞にノミネートされた最新作『レ・ミゼラブル』について、ライター・編集者・ 翻訳者・フランス語講師でもある小柳帝さんに語っていただきます。   
 

《フランス映画の魅力 トークショー》 

【実施日程】3月 20 日(金)16 時~
【場所】阪急うめだ本店 9 階 祝祭広場
【登壇者】小柳帝〔ライター・編集者・翻訳者・フランス語講師〕

※イベントは事情により中止・変更する場合がございます。


◆【トーク内容】◆
フランスフェアのテーマに合わせ、ノルマンディーを舞台にしたフランス映画を、シェルブール(『シェルブール の雨傘』)やドーヴィル(『男と女』)など、ノルマンディーの海岸線を辿りながらご紹介します。また、最新のフ ランス映画として、今年のアカデミー賞の国際長編映画賞にもノミネートされている『レ・ミゼラブル』(3/13 よりシネ・リーブル梅田ほかにて公開)についてご紹介します。 
 

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『レ・ミゼラブル』
3/13(金)~シネ・リーブル梅田、シネ・リーブル神戸 3/14(土)~京都シネマにて公開 
© SRAB FILMS LYLY FILMS RECTANGLE PRODUCTIONS 
 
 
 
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    『シェルブールの雨傘』
      3/13(金)~テアトル梅田
    《ミシェル・ルグランとヌーヴェルヴァーグの監督たち》
      内で上映 
       ©ciné tamaris 1993  

 

◆【小柳帝 プロフィール】◆
映画・音楽・デザイン・知育玩具・絵本などの分野を中心に、さまざまな媒体で執筆活動を行なってきた。主要 な編・著書に、『モンド・ミュージック』、『ひとり』、『EDU-TOY』、『グラフィックデザイナーのブックデザイン』、 『ROVA のフレンチカルチャー A to Z』、『小柳帝のバビロンノート 映画についての覚書 1・2』、また、翻訳書 に『ぼくの伯父さんの休暇』、『サヴィニャック ポスター A-Z』などがある。その他、CD や DVD の解説、映画 パンフレットの執筆等多数。
 

 
 

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上の写真、左から、
①川崎 僚 (KAWASAKI Ryo)(33)     『あなたみたいに、なりたくない。』 
②島田欣征(SHIMADA Yoshiyuki)(33) 『Le Cerveau - セルヴォ -』
③山中瑶子(YAMANAKA Yoko)(22)     『魚座どうし』


日本映画の次世代を担う新たな才能3人の監督作品とコメント紹介

 
《ndjc:若手映画作家育成プロジェクト》とは? 
次世代を担う長編映画監督の発掘と育成を目的とした《ndjc:若手映画作家育成プロジェクト》は、文化庁からNPO法人 映像産業振興機構(略称:VIPO)が委託を受けて2006年からスタート。今回も、学校や映画祭や映像関連団体などから推薦された中から3人の監督が厳選され、最終課題である35ミリフィルムでの短編映画(約30分)に挑戦した。日本映画の次世代を担う新たな才能3人の監督に作品に込めた意図や作風についてお話を伺った。
 


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■監督:川崎 僚(KAWASAKI Ryo)
■作品:『あなたみたいに、なりたくない。』
■作家推薦:シナリオ・センター 
■制作プロダクション:ダブ 
■出演:阿部純子、小島 聖、鳥谷宏之、吉倉あおい、藤田真澄
(2020年/カラー/ビスタサイズ/30分/©2020 VIPO)


【あらすじ】
ndjc2019-「あなたみたいに、なりたくない。」-sub3.jpg30歳までに結婚しようと結婚相談所に入会したOLの鈴木恵(28)は、職場の小山先輩(42)のように、「婚期を逃した孤独な女性」にはなりたくないと思っていた。だが、何人かとお見合いするも適合する相手には巡り合えず。ようやく優しく誠実そうな相手に出会えたかと思ったのだが、先々まで決めてしまう相手の積極性に臆して連絡を絶ってしまう。少しトラブルになりかけたところを小山先輩に助けられ、初めて彼女の自宅に招かれる。そこで小山先輩の意外な一面を知り、結婚について相談していく内に、自分自身について考え始める。

 
【感想】
川崎僚監督はプロット作成やシナリオライターの経験者だけあって、安定感のある構成や心を掴むセリフに、特徴を捉えたキャラクター描写に優れ、完成度の高い作品に仕上げている。タイトルの「あなたのように、なりたくない。」をキーワードにして、エッジの効いたユーモアを生み出して爽快。久しぶりにスクリーンで見た小島聖の包容力のある自然体の演技が、作品により説得力を持たせていた。誰もが共感し勇気付けられるような作風で、川崎監督の他の作品も観たくなった。
 

【インタビュー】
ndjc2019-kawasaki-1-1.jpg川崎僚監督は、自身が28歳の時に結婚相談所やアプリなどを利用して婚活していた経験を基に脚本を書いたそうだ。「いま頑張らないと!女性は20代でないと選ばれないから!と言われ焦っていたが、中々相手を選べなかった」。そして「自分はどう生きたいのか?と自分自身を見つめ直し、性別や世間の常識から解放されたい」という想いを作品に込めたという。

また、こだわった点は「足元のカット。この作品は“現代のシンデレラ”。理想の相手と巡り合うまでは慣れないヒールを履いて見栄を張っていたが、最後はラフな格好でスニーカーを履いている。様々なシーンで主人公の気持ちを足元で表現したかった」。

演出については、「ガラス細工のような阿部純子さんには、一緒に主人公を演じるような気持ちでずっと寄り添っていた。小島聖さんは、私が思っている以上の心情をセリフに込めてくれた。表現したいことを“どう伝えるか”が難しかった」。好きな映画は伊丹十三監督の『マルサの女』。「知らない世界を教えてくれるのが映画だと思っている。複雑な人間同士が意外な展開や結末を迎えるのが面白い。外連味のあるものも好き」。周囲の意見も尊重しつつ、自分の世界観を創れる監督になりそうだ。
 
【プロフィール】
1986年大分県生まれ。
早稲田大学第二文学部卒業。シナリオライターとして映画・ドラマの企画開発に携わる傍ら、ニューシネマワークショップにて映画製作を学ぶ。その後「笑女クラブ」「彼女のひまわり」等の短編映画を製作し、数々の国内映画祭に参加。2018年に初長編映画「wasted eggs」を監督し、タリン・ブラックナイツ映画祭に正式招待、イタリアのレッジョ・エミリア アジア映画祭でも上映された。
 


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■監督:島田欣征(SHIMADA Yoshiyuki)
■作品:『Le Cerveau - セルヴォ -』
■作家推薦:デジタルハリウッド大学
■制作プロダクション:東映京都撮影所
■出演:田中沙依、藤崎絢己、南 岐佐、八田浩司、上瀧昇一郎
(2020年/カラー/ビスタサイズ/30分/©2020 VIPO)
 
【あらすじ】

ndjc2019-「セルヴォ」-sub1.jpgシングルマザーの前川早弥の息子・蒼太はネオン症という奇病にかかっていた。蒼太を救うための生体移植に早弥自身の身体が適合することが分かって喜んでいた矢先、交通事故に遭う。目覚めると、見知らぬ研究所のような部屋に拘束された上に、奇妙な子供博士とボディガードが立っていた。早弥は蒼太の手術のことが心配になり脱走して病院に向かうが、自分が全くの別人に入れ替わっていることに気付き、さらに蒼太の傍には早弥そっくりの女が居てパニックになる。蒼太の病気はどうなるのか?別人になってしまった早弥は蒼太を取り戻すことができるのか?

【感想】
最愛の息子を救うため、母の強い想いが最後に選択するものとは?――島田欣征監督の専門であるデジタル技術を活かしたSFサスペンスは、突如別人になってしまった恐怖と焦りと息子を想う母の強い愛を描くことによって、人間とロボットとの相違点を浮き彫りにする。さらに、「子供のためなら他者を犠牲にしてまでも」という母親のダークな面の表現に挑戦し、人間性の本質に迫ろうとする意図が伺える。緊迫感を出すためか、全体的にぎこちない感じがした。できれば作品の中で生きるキャラクターの情景(演技や背景)に少し柔軟性を持たせてもよかったのではと思った。

【インタビュー】
ndjc2019-shimada-1.jpg「『マトリックス』や『バック・トゥ・ザ・フューチャー』『E.T.』も好きだけど、いろんなジャンルの映画が好き。SFやビジュアルや機械ものとかでサスペンスを作りたい。観終わって、“踊らされたな”という感じで観客を巻き込めるようなもの」。テーマに関しては「暗めのものが好きなので、モヤモヤを抱えた生き方や他者を犠牲にせざるを得ないキャラクターがいてもいいのではと思っている。自己犠牲が美徳という捉え方とは対照的な嫌な気分にさせるダーク路線も表現していきたい」。

撮影中苦心した点については、「未経験のことばかりで、しかも設定は空想でしかないので、そこにリアリティを持たせるのに苦労した。機械なのに人間らしい、アンドロイド系はドライという考え方ではなく人間らしく描きたかった」。作風について「技術は日々進歩するので最重要という訳ではない。時代の先を行く描写で、子供心をくすぐるような誰が見ても面白いストーリー性のあるものを作っていきたい」。人間のダークな面にも注視するユニークさといい、子供の頃に感じたわくわくドキドキ感を忘れない感性は貴重だ。

【プロフィール】
1986年 東京都生まれ。
大学時代に実写の撮影、編集、3DCGを専攻。イギリス留学中にファインアート、写真、VFX、グラフィックを学ぶ。CG制作会社、デザイン会社を数社経て2013年に独立。監督として広告映像やMVを企画・演出、CGデザイナーとしても映画やCMの制作に携わる。また一方で、CGを教える大学の非常勤講師も務める。初監督作品の短編映画『宵の棒鱈』(2016) が海外や国内の映画祭に選出・招待上映。
 


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■監督:山中瑶子(YAMANAKA Yoko)
■作品:『魚座どうし』
■作家推薦:PFF
■制作プロダクション:オフィス・シロウズ
■出演:根本真陽、外川 燎、山田キヌヲ、伊東沙保、カトウシンスケ
(2020年/カラー/ビスタサイズ/30分/©2020 VIPO)ふたりが出会う、わかってしまう。
 
【あらすじ】
ndjc2019-「魚座どうし」-sub2.jpgみどりと風太は、川を隔てた別々の町の小学校に通う4年生。なんの接点もないふたりだが、あえて言えばふたりとも大人の事情に振り回されて、子供らしく生きられないでいること。みどりの家庭は、外国へ行ったきりで帰って来ない父親のせいで笑顔が絶えてしまった母親と二人暮らし。みどりが熱を出しても、嫌々病院へ連れて行って「あなたのために生きてるんじゃないから」と吐き捨てる冷たい母親。一方、風太は、新興宗教の布教活動に余念のない柔和な表情の母親と、反抗期の姉との3人暮らし。母の活動を手伝う風太は時々怖い目に遭うこともある。そんな風太の唯一の慰めは優しい理髪店の主人だったが……。みどりの学校では異様にテンションの高い担任が何やら事件の犯人捜しを始めて……。
 
【感想】
大人になると忘れてしまうことがあれば妙に記憶に残っていることもある。子供の頃、大人の心無い言動に傷つき、それがトラウマになることもある。二人の小4の子供を通して、大人の子供への無関心や勝手な振舞いによって子供が孤独になったり抑圧されたりして、子供らしく生きられないことを映像で訴えようとする意欲作である。ただ、子供の自然な表情を捉えようとする意図は理解できるが、映像が暗くてその表情が分かりにくい。昨年公開の『存在のない子供たち』(レバノン)のように強い意志で大人に訴える訳ではなく、振り回されている状況を描くだけでは感情移入しにくいように思った
 

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【インタビュー】
山中瑶子監督は、「子供の時の学校と家の中の世界が全てだった頃、人間関係が日々変わってしまう小学校って結構残酷だなと思っていた。親や先生たち大人を1人の人間と気付き始めたのが小4か小5の頃で、その時の大人の見え方を作品に盛り込んだ」。学校のシーンでは、「子供たちの自然な表情から物語りたかったので、子供たちはコントロールしてはいけない存在だと思っていた。エキストラの扱いはかなり大変で、拘束時間も午後4時まで。スタッフともどうする?どうする?と言いながら、一番最後の学級会のシーンは10分しかない状態で1テイクで撮った。子供たちの“何が起こったの?”という感じの表情が撮れたのは良かった」。

また、山中監督は、「人間の複雑さを描いた、音がなくても観られる映画が好き」だそうで、ドラマと映画の違いについても常に考えていて、「人間性を重視しているのか?何を求めているのか?内容にこだわった、“画で見せる”作品を撮りたい」。山名監督の22歳という若い感性と吸収力で、さらなる成長が期待される
 
【プロフィール】
1997年長野県生まれ。
日本大学芸術学部中退。独学で制作した初監督作品『あみこ』がPFFアワード2017に入選。翌年のベルリン国際映画祭に史上最年少で招待され、香港、NYをはじめ10カ国以上で上映される。監督作に、オムニバス映画『21世紀の女の子』(2019)の『回転てん子とどりーむ母ちゃん』。
 


《ndjc:若手映画作家育成プロジェクト》

このプロジェクトからは、『湯を沸かすほどの熱い愛』で数々の賞に輝いた中野量太監督や、『トイレのピエタ』の松永大司監督、『ちょき』の金井純一監督、『話す犬を、放す』の熊谷まどか監督、さらに『嘘を愛する女』の中江和仁監督や、『パパはわるものチャンピオン』の藤村享平監督、『花は咲く』『ANIMAを撃て!』などオリジナル脚本で活躍中の堀江貴大監督、そして今年も活躍が期待される『おいしい家族』のふくだももこ監督などを輩出している。
 


ndjc:若手映画作家育成プロジェクト2019「合評上映会」のお知らせ
<大阪> 
期間▶3月13日(金)~19日(木) 連日18:30~ 
場所▶シネ・リーブル梅田
舞台挨拶▶3月14日(土):映画パーソナリティの津田なおみさんと、ndjc2019監督3人とのトークセッション
公式サイト▶ http://www.vipo-ndjc.jp/
 

(河田 真喜子)

 
 
 
 
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渋川清彦、松本穂香の現場での過ごし方を賞賛!
『酔うと化け物になる父がつらい』舞台挨拶付き先行上映会
(2020.2.21 シネ・リーブル梅田)
登壇者:松本穂香、渋川清彦、久馬 歩(脚本)
 
 アルコールに溺れる父を持った作者・菊池真理子の実体験に基づくコミックエッセイを、『ルームロンダリング』片桐健滋が映画化。松本穂香と渋川清彦のW主演で描く家族ドラマ『酔うと化け物になる父がつらい』が、3月13日(金)よりシネ・リーブル梅田、なんばパークスシネマ、Tジョイ京都、3月20日(金)よりシネ・リーブル神戸他全国ロードショーされる。
 
 
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 アルコール依存症で、仲間たちとついつい飲みすぎてしまう父を渋川清彦が見事な酔っ払い演技で表現すれば、母を苦しめる父に反感を覚える一方、漫画で酔っ払い父を書いたことがきっかけで、自分の新たな道を切り開いていく娘を松本穂香が説得力のある演技で魅せる。新興宗教に救いを見出す母をともさかりえが演じる他、妹を元欅坂46の今泉佑唯が熱演。また、自宅やスナックで集合する野球仲間兼飲み友達には、宇野祥平、森下能幸、星田英利らが扮し、昔こういう親父たちがいたなという凝視感が満載だ。一歩間違えれば非常にシリアスな物語だが、コメディとシリアスの間を絶妙なバランスで引っ張る異色のドラマだ。
 
 
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 2月21日にシネ・リーブル梅田で行われた舞台挨拶付き先行上映会では、主演の松本穂香、渋川清彦に加え、本作の脚本を担当した久馬 歩(お笑いユニット「ザ・プラン9」)も登壇した。大阪は松本の地元だけあり、客席にはご家族や友人の姿も。いつになくリラックスした雰囲気の松本は、「サキは、モヤモヤをずっと抱えて行きている人。重い空気を自分の中に抱え、あとは監督に任せました」と役作りを回想。一方、シラフより酔っ払った状態のシーンの方が多かった渋川は、「片桐監督は長年知り合いなので、セリフも多くないし、飲みながらやってもいいかと提案しました。でもやはり緊張するし、セリフも言わなくてはいけないしで、半分も酔えなかったですね」と見事な酔っ払い演技の舞台裏を明かした。
 
 
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 一方、最初脚本を書くのに苦労をしたという久馬は、「タイトルはポップですが、実話なので、書くときはとういう風にするべきか考えました。あまり嘘をつけないですし。自分の親父も岸和田のプチ化け物で玄関でもよく寝ていたので、その様子を思い出しながら書きました」と自身の体験を重ねながら、執筆の様子を語った。
 

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 松本と渋川は初共演だが、現場ではほとんどしゃべらなかったという。「やはり役のことを意識して、あまり話さない方がいいだろうなと思いました」と当時を振り返る松本に、「(つらいシーンが多いので)ほとんど笑ってなかったね。僕は現場の様子をよく見ているのだけど、今はスマホを見ている人が多い中、松本さんはスマホを見ないで、現場にいたので、いい居方だなと思いました」と渋川が賞賛。「ぼうっとしてました」という自然体の松本が一番印象に残るシーンは、後半サキが父に気持ちをぶつけるシーンだという。

「ピリッとしてましたね。ワンカットで気持ちがつながり、松本さんの気持ちが爆発したのが良かった。監督も撮りながら泣いていましたよ」と渋川が評すると、松本も感激しきりだった。
 
 
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 そんな撮影現場に訪れたことがあるという久馬は、「手土産に551の豚まんを持参しましたが、551があって、こんな暗い日があるのかというぐらい暗かった」とシリアスなシーンの撮影に驚いた様子。「父が“嫌い”ではなく、父が“つらい”というところが切ないですね」とタイトルからサキの気持ちを代弁した。
 
 最後に
「この映画が、いろんなことに挑んでいる人へ役に立てばうれしい」(久馬)
「いい映画なので、今は色々なことがありますが、見ている間は楽しんでいただきたいです」(渋川)
「難しい親子関係や人間関係に悩んでいる人にも、ぜひ見ていただきたいです」(松本)と結んだ舞台挨拶。待機作や出演作の多い松本だが、渋川とがっつり組んで臨んだ家族ドラマへの思いが静かに伝わってきた。お酒につい依存してしまう人も、そんな家族がいる人も、そしてお酒を飲まない人もぜひ見てほしい、異色の家族ドラマだ。
(江口由美)
 

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<作品情報>
『酔うと化け物になる父がつらい』
(2019年 日本 95分)
監督:片桐健滋 
原作:菊池真理子著「酔うと化け物になる父がつらい」秋田書店
出演:松本穂香、渋川清彦、今泉佑唯、恒松祐里、濱正悟、安藤玉恵、宇野祥平、森下能幸、星田英利、オダギリジョー、浜野謙太、ともさかりえ他
3月13日(金)よりシネ・リーブル梅田、なんばパークスシネマ、Tジョイ京都、3月20日(金)よりシネ・リーブル神戸、全国ロードショー
公式サイト → https://youbake.official-movie.com/
(C) 菊池真理子/秋田書店 (C) 2019 映画「酔うと化け物になる父がつらい」製作委員会
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どう生きたいかは「何を見たいか、そこから何を選ぶのか」
『Red』三島有紀子監督インタビュー
 
 直木賞作家・島本理生の人気長編小説を三島有紀子監督(『幼な子われらに生まれ』)が映画化した『Red』が、2月21日(金)より梅田ブルク7、なんばパークスシネマ、OSシネマズミント神戸、T・ジョイ京都他全国ロードショーされる。
 何不自由ない結婚生活を送っているように見える子持ちの専業主婦・村主塔子。かつて愛した男・鞍田と再会し、少しずつ本当の自分に気づいていき…。
 塔子を演じるのは、若手実力派女優の夏帆。自分の中に積み重なる違和感や、孤独感を余すことなく表現する。ある覚悟を持ち、塔子を全身で愛そうとする鞍田を妻夫木聡が演じる他、また塔子に興味を持つ同僚・小鷹を柄本佑、エリートサラリーマンの夫・真を間宮祥太朗が演じている。籠の中の鳥が飛び立つように、社会とのつながりを経て、人生には他の選択肢があることを実感した塔子。映画オリジナルのラストをどう受け取るのかも含め、小説とは違う世界観を味わえる大人のラブストーリーだ。
 本作の三島有紀子監督にお話を伺った。
 

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■現代的なヒロイン、塔子が、自分の中にきちんと尺度を持ち、自分の人生を生きる話になれば、価値のある映画になるのではないか。

――――原作とは設定や構成を大胆に変え、映画らしい表現が光る三島版『Red』になっていますが、三島監督が最初、原作を読んで抱いた感想は?
三島:『Red』の主人公・塔子は専業主婦で、幸せに生きていると思っている。だけど、自分の希望ややりたいことを少しずつ抑え込んで生きている事に気がついていない。自分のやりたいことを考える前に、皆が喜ぶことや気に入ることをやってしまい、世間の多くの人がいいと思うものをいいと思うようになっている。それを私は「尺度が外にある」と言うのですが、そういう日々を重ねると、だんだん自分が本当はどう生きたかったのかを忘れ、自分を見失ってしまう。今はそういう人が多い時代になっていると普段から怖いなと思っていたので、『Red』の主人公・塔子が非常に現代的に感じましたし、100年以上前に書かれたヘンリック・イプセンの戯曲「人形の家」のノラみたいだと感じたのです。大体、いつも原作を読むときは、自分がこの原作の何に反応するのかを面白がりながら読むのですが、そんな塔子が自分の中にきちんとした尺度を持てるようになり、自分の人生を生きることができるようになるという物語にすれば、きっと今を生きる皆さんに観ていただける、価値のある映画になるのではないかと思いました。自分の中に尺度があると、きちんと対話が生まれると思いますしね
 
 
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■覚悟を持って生きる人の傍らにいると、自分にも問いかけざるをえない。

――――かつて愛し合っていた鞍田との再会が、ある意味自分の尺度を取り戻すきっかけになりますね。
三島:興味深かったのは鞍田には秘密があり、それゆえ、自分の人生で何が大事か、非常に明確に見えている訳です。そういう人が10年前に深く愛した塔子と再会し、ぶつかり、「君は何を愛し、どう生きたいか」と問いかけてくる。言葉ではなく、そういう覚悟を持って生きている人が傍にいると、自分にも問いかけざるをえないですよね。そういう化学反応にとても惹かれます。
物語の後半、出張で大雪のため帰れなくなってしまった塔子を鞍田が車で迎えに来るくだりがありますが、それを読んだ時、これだ、と。非常に映像的だし、大雪という舞台が男と女を描くのに説得力があり、この雪の中の一夜を描きたいと思ったのです。夜から朝を迎えるまでを主軸として描きながら、二人が再会してから何があったのかという過去を入れ込む形にしたいという構想が、読み終わってすぐに思い浮かびました。
 
 
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■鞍田のテーマ曲・ジェフ・バックリィの「Hallelujah」が蘇らせる二人の思い出

――――一番描きたいと思われた雪の中の一夜、二人が乗る車の中で流れるジェフ・バックリィの「Hallelujah」が、雪とこだまするような余韻があり、非常に印象的でした。選曲の理由は?
三島:「Hallelujah」という曲の存在は、いつも自分に寄り添ってくれるものの一つでした。歌い方もある種エロスを感じつつ、哲学者的な深遠で美しい声で、いつも問いかけてくるものがある。そんな曲なのです。鞍田も塔子にとっては生き方を問いかけてくる存在でもあるし、鞍田のテーマとして使いたいと思っていました。一方で、鞍田のキャラクターを考えた時、建築家という職業で、古い型のボルボに乗っている…、そしたらおそらくジェフ・バックリィの「Hallelujah」が好きな人だろう。そして10年前、塔子と車の中で一緒に聴いていただろうと想像したのです。歌は歴史を一瞬にして感じさせるもので、二人が「Hallelujah」を車で聞いた時、一瞬にして10年前の思い出が蘇ってくる。そして、今どんな気持ちで二人は聴くのかを撮りたいと思ったのです。
 
――――「Hallelujah」にある種のエロスも感じるように、塔子と鞍田の情愛をどう表現するかもこの作品の大きな見どころです。
三島:最初二人が交わる時は、「鞍田が塔子を」慈しみ、塔子の存在を感じながら抱くわけです。塔子の心と体がだんだん開いていく過程を見せていくため、彼女が少し声を出せるようになる過程や、心の扉を開いていく表情の変化をつぶさに捉えていくことを心がけました。上り詰める顔ではなく、達した後にどういう顔をするかで塔子がどれだけ満たされているのか分かる。少しずつ撮るのではなく、キスして脱ぎ始めてから達した後、夏帆さん演じる塔子が観音様のような神々しい顔になるまでをワンテイクで一連の流れとして撮っていきました。そして、ラストのラブシーンは、塔子が全細胞を使って鞍田のすべてを記憶するように、「塔子が鞍田を」抱くシーンにしたいと考えました。
 

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■二人の気持ちを体感するような、体内に届く音作り。

――――吐息や二人が触れ合う音など、繊細な音が2人の体温までも感じさせるようでしたが、音作りについて教えてください。
三島:今回は2人の気持ちを体感してもらいたかったので、音を付けるときに、2人が感じている音を付けてほしいと依頼しました。2人がどんな音を聞いているのか。相手の心臓の音や、実際には鳴っていないけれど、その人には聞こえているような音など。波の音にもぜひ注目していただきたいですし、映画館でなければ体感できないような、体内に届くような声になっています。おそらく、塔子や鞍田が隣にいるような気分になれるのではないでしょうか。
 
――――塔子の夫・真は精神的に母親に依存気味のエリートサラリーマンですが、日頃はトンがった役の多かった間宮祥太朗さんの新たな一面が見えました。
三島:バラエティー番組での間宮さんを見て、単語の選び方が非常に上品だと感じていました。悪びれた野性的な役をやりたいお気持ちが大きいかもしれませんが、今回はクレバーで品のある間宮祥太朗を出してほしいとお願いしました。
 
――――一方、柄本佑さんが演じる鞍田の同僚・小鷹の身のこなしや細かい気遣いが、抜群に魅力的でした。何かアドバイスしたことはありましたか?
三島:佑さんはそもそも達観した自由さを持っているので、彼が演じれば間違いないと思って、小鷹役をお願いしました。ただ一つだけ、佑さんが「小鷹は塔子のことが好きで、でも最終的にはフラれるということでいいですよね」と聞いてきたのです。小鷹は塔子を好きだけれど、鞍田のことも尊敬していて、好きなのです。つまり塔子も鞍田も、うまくやれない不器用さや孤独さを持っており、そんな二人のことを憎めない。むしろ2人のことを一番理解していて、愛しているのが小鷹だという話をしましたね。
 

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■難しい塔子役を演じた夏帆さんを、万全の態勢で受け止める。

――――夫である真、鞍田、そして小鷹と3人の男の前で、それぞれ別の表情を見せる塔子に、女の多面性を見た思いがしました。塔子を演じた夏帆さんの目の表情が、どれも印象的でしたが、難しい表現も必要だったこの役について、どのような演出をしたのですか?
三島:みなさん、お芝居が上手な俳優ですから、環境さえきちんと整っていれば、芝居が自然と生まれると信じています。こんな空間にこういう小道具を用意しておけばこんな芝居が引き出せるとか、灰皿を向こうに用意しておけば、ここから周って行くだろう等、制作部と空間を選び、美術部と一緒にお芝居できる環境をまず整えます。そこで感じ取っていただいて、自然とお芝居になるというのが、理想ですね。
 
今回は塔子が住む豪邸で、本当は大きな窓があったのを、美術部と相談して窓を塞ぎました。そうすると、塔子はそこに立っていると自然と息苦しい気分になっていくので、自宅でのシーンはそこから演出していきました。また雪の夜、鞍田が主張先の塔子を迎えに行くシーンで、塔子が信じられないという表情で鞍田の頬を触るのですが、彼女に指示を出すのではなく、妻夫木さんに「亡霊のように立っていてほしい」とお願いしました。そうすると自然と夏帆さんが、本当にここにいるのかと思い、自然と手が出る。そういうことの積み重ねで、夏帆さんがそれらに反応していけば、自然と相手によって表情も変わり、見えている側面が変わっていったと思います。そこを目指して皆で頑張っていました。
 
――――監督の演出を受けた相手役の俳優の動きにその場で反応しながら、夏帆さんは塔子としてそこにいるような自然な演技になったのですね。
三島:それぞれの相手役に対してとても自然に反応してくれたのがよかったなと思います。ただ子持ちの専業主婦という役は夏帆さんも初めてだったので、相当悩み、もがいていました。でも主役は自分の殻を破り、新しいものを掴むために、もがく方がいいと思っているんです。理屈で分かることだけやっていても、新しいことは生まれませんから。我々キャスト・スタッフ全員で夏帆さんを受け止めるつもりでいたので、頭でわからないことでも思い切ってやってみてくれと伝えました。
 
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■どう生きたいかは「何を見たいか、そこから何を選ぶのか」

――――最後に、二人が作った家の模型の窓から見える風景や、鞍田の車のフロントガラスから見える風景など、フレーム越しの風景が象徴的に使われています。その狙いを教えてください。
三島:建築家の方と話していると、家を建てる時には、ご家族が何を見て過ごしたいかを聞くそうです。それによって、窓の方向や場所が決まるのだとか。その話に感銘を受け、鞍田を建築士に設定しました。どう生きたいかは、何を見たいか、そしてそこから何を選ぶかではないかと思うのです。『Red』は、窓越しに二人が何を見たかったのかを辿っていく映画とも言えますね。
(江口由美)
 

<作品情報>
『Red』
(2020年 日本 123分)
監督:三島有紀子
原作:島本理生「Red」中央公論新社
出演:夏帆、妻夫木聡、柄本佑、間宮祥太朗、片岡礼子、酒向芳、山本郁子、浅野和之、余貴美子ほか
2月21日(金)より梅田ブルク7、なんばパークスシネマ、OSシネマズミント神戸、T・ジョイ京都他全国ロードショー
公式サイト → https://redmovie.jp/
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