「京都」と一致するもの

『メカニック:ワールドミッション』特別試写会プレゼント(9/5〆切)

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■ 提供:株式会社博報堂DYミュージック&ピクチャーズ
■ 日時:2016年9月15日(木)  
    18:00開場/18:30開映
■ 会場:大阪商工会議所国際会議ホール 
     大阪市中央区本町橋
2-8
*大阪府の条例に基づき、16歳未満の方は保護者同伴でご来場いただきますようお願いいたします。

■ 募集人数:5組10名様

■ 締切:2016年9月5日(月)


★公式サイト⇒ http://mechanic-movie.com/

2016年9月24日(土)~梅田ブルク7、TOHOシネマズなんば、T・ジョイ京都、109シネマズHAT神戸 他全国ロードショー

 


 
ジェイソン・ステイサム最新主演作!アクション映画の傑作『メカニック』続編、遂に始動!
舞台は世界、ミッションは3つ、依頼人が最大の敵――。


mechanicWM-400-1.jpg殺し屋稼業から足を洗い、平穏に暮らしていたビショップ(ジェイソン・ステイサム)のもとに、暗殺の依頼が入る。依頼主は、幼少期に暗殺者として一緒に育てられたが、ある日ビショップを裏切って逃走した兄弟子のクレイン。ビショップは断るが、何の罪もない女を人質にとられ、やむなく復帰する。ターゲットは3人、武器商人として世界を裏で操る巨大フィクサー。条件は完全な事故に見せかけて殺すこと。しかしやがて、クレインはこの世でただ一人、精密機器=メカニックと呼ばれる彼の弱点を知る男であることから、ミッションが失敗しても成功しても、自身も女も消されることに気づくビショップ。果たして、超難関ミッションの行方は?そして、クレインの真の目的とは──?

今やハリウッドを代表するアクションスターにのし上がったジェイソン・ステイサム。アクションに身を捧げた圧巻のキャリアの中でも、必見の1本と熱く支持される『メカニック』。その待望の続編となる本作では、ブラジル、タイ、オーストラリア、ブルガリア等、舞台をワールドワイドに広げ、ステイサムの新たな代表作にして集大成となるアクション超大作に。さらにキャストも、演技派俳優の重鎮トミー・リー・ジョーンズ、多彩な作品に出演するだけでなく、ブランドの経営者としても成功しているジェシカ・アルバ、007のボンドガールとしても知られ、女性アクションスターの先駆けとして活躍するミシェル・ヨーと豪華にパワーアップ。ただ1人、初めてにして最大の危機に立ち向かう伝説の殺し屋が復活する!


監督:デニス・ガンゼル
出演:ジェイソン・ステイサム、ジェシカ・アルバ、トミー・リー・ジョーンズ、ミシェル・ヨー

2016年/アメリカ/カラー/配給:ショウゲート
(C)ME2 Productions, Inc. 2016

2016年9月24日(土)~梅田ブルク7、TOHOシネマズなんば、T・ジョイ京都109シネマズHAT神戸 他全国ロードショー

 


 (プレスリリースより)

french2016-parado-550.jpgC・ドヌーヴやB・マジメル相手に大健闘!『太陽のめざめ』新人俳優〈ロッド・パラド〉 初来日インタビュー

(2016年6月23日(木) パレスホテル東京にて)

 


『太陽のめざめ』
french2016-taiyou-550.jpg■La tete haute 2015年 フランス 1時間59分

■監督・脚本:エマニュエル・ベルコ
■出演:カトリーヌ・ドヌーヴ、ロッド・パラド、ブノワ・マジメル、サラ・フォレスティエ、ディアーヌ・ルーセル
■公開:2016年8月6日(土)~シネスイッチ銀座、8月27日(土)~テアトル梅田、9月3日(土)~シネ・リーブル神戸、9月10日(土)~京都シネマ、ほか全国順次公開
公式サイト: http://www.cetera.co.jp/taiyou/
■コピーライト:(C)2015 LES FILMS DU KIOSQUE - FRANCE 2 CINEMA - WILD BUNCH - RHONE ALPES CINEMA – PICTANOVO
 

2015年 カンヌ国際映画祭 オープニング作品
2016年 セザール賞 主要8部門ノミネート、助演男優賞(ブノワ・マジメル)、有望男優賞(ロッド・パラド)受賞

2016年 リュミエール賞 有望若手男優賞(ロッド・パラド)受賞
 


 

親の愛を受けられず深く傷ついた少年の心の軌跡
決して諦めず、忍耐強く、厳しい愛情をもって見守り指導していく女性判事の存在


french2016-taiyou-240-1.jpg自堕落な生活の果て育児放棄してしまったシングルマザーから6才の少年を守ろうとした女性判事(カトリーヌ・ドヌーヴ)は、10年後、荒んだ生活を送る少年・マロニー(ロッド・パラド)と再会する。母親(サラ・フォレスティエ)の愛情を得られなくても一緒に暮らしたいと、母親をかばおうとして攻撃的になるマロニーの飢餓感は、彼の人生を大きく狂わせていた。判事は、マロニーと同じような境遇だった教育係(ブノワ・マジメル)を付けて、マロニーを更生への道へ導こうとするが…。


french2016-taiyou-240-3.jpg子供にとって、どんな親でも実の親ほどいいものはない。自分勝手な親でも愛されたい。満たされぬ想いや怒りを他者への攻撃に変えてしまう、そんな不良少年マロニーの荒んだ心の軌跡を、鋭い眼差しや繊細な感情表現で演じたロッド・パラド。その鮮烈なデビュー作となった『太陽のめざめ』を、オリジナル脚本で監督したのはエマニュエル・ベルコ。2015年のカンヌ国際映画祭で、女性監督史上2度目のオープニング作品を飾り、同時に、女優としての主演作『モン・ロワ』(2017年春公開予定)では、『キャロル』のルーニー・マーラーと共に女優賞を受賞している。


非行少年たちを見守る保護司の現状を映画化しようとリサーチを進めていくうちに、保護司には勤勉さや忍耐、辛抱強さや献身などが必要とされることに驚き、オリジナル脚本を書き上げたという。子供をとりまく環境の責任は大人にあり、罪を犯してしまった少年たちの救済もまた大人たちの責任である。大女優カトリーヌ・ドヌーヴ演じる判事が、辛抱強く見守り、厳しく指導する熱意と献身ぶりに心を熱くする感動作である。


少年マロニーを演じたロッド・パラドが、《フランス映画祭2016》に合せて初来日を果たした。日本滞在2泊3日というタイトなスケジュールの中、インタビューに応えてくれた。幸運なデビューを飾ることができた彼は、現在二十歳。本作の撮影前には完璧にセリフは入っていたようだが、心情面はベルコ監督と現場で細かく話し合いながら演技したという。役者を目指していた訳ではない17歳の少年が急におかれた環境は、さぞかし緊張の連続ではなかったのではと思われるが…? 演技派ベテラン勢を相手にした現場のことなどいろいろ訊ねてみた。
 


 

french2016-parado-240-1.jpg――― 最初役者志望ではなかったようですが、ベテラン俳優や演技派のプロの俳優たちの中で怖くはなかったですか?
怖くはなかったです。ちょっとドキドキはしたけどね。共演者と会う前は演技することに少し不安を感じていましたが、現場では私が緊張しないよう雰囲気作りをして下さったので、違和感なく演技ができました。

 
――― あなたとは全く違う環境で生きる少年マロニーをどう思いましたか?
手ごわいヤツだなと思いました。非行少年は自分で好んでそうなるのではなく、子供は生まれもって暴力的になるのではないのです。支援してくれる人がいなかったり、両親や家族など愛してくれる人が欠けていたり、何か満たされないものがあるからそうなるのだと思います。僕自身が大切な人に感じる愛情を彼も感じていて、とても愛情深い人だと思いました。


french2016-parado-240-5.jpg――― エマニュエル・ベルコ監督のオリジナル脚本ですが、監督としての演技指導は如何でしたか?
かなり正確に細かく演技指導されました。ベルコ監督と私の間の仕事量は膨大なものでした。ベルコ監督に対しては尊敬の念をもって、一緒に苦労しました。撮影の合間合間に、マロニーの心情について話し合ったり、視線の向け方など指導されたりしました。それは僕だけでなく、他のベテランの俳優も同じように細かな演技指導をされていました。

ベルコ監督はとても志が高い人ですので、監督が求めているものを自分が出し切れていない時には、「もう一度、もう一度」と何回もテイクを重ねられました。そんな時に、たまにイライラっとすることもありましたが(笑)。でも、そのイライラが真に迫った演技に繋がったと思います。


――― もろさを抱えた強い眼差しが印象的でしたが、暴力的なシーンでは感情を高ぶらせる工夫をしたのですか?
2か月間の撮影期間中、演技コーチもいましたので、みっちり役作りに集中しました。撮影初日には全てのセリフは頭に入っていました。どうしてこのようになるのか自分では判断できない点は、現場でベルコ監督に埋めてもらいました。本当に監督と共に創り上げたキャラクターでした。


――― 役者にならなかったら何になっていた?
バカンスクラブのアニメーターとか、人を笑わせることとか、接客サービスやエンタテイメント系など、人の役に立つ仕事に就いていたかも知れません。あるいは、この映画に起用されなかったら、そのまま家具職人になっていたかもね。


french2016-parado-240-3.jpg――― 完成品を観てどう思いましたか?
最初映画を観る前にポスターを見てびっくりしました。僕自身ぜんぜん気に入らなくて、まるででかい顔のETのようなエイリアンみたいで、変だ!(笑)。別の新しいポスターではETみたいな写真は消してありましたが、僕だけがニキビが目立っていました。


――― 次の作品は?
8月にクランクインする作品はエルザ・ディホンジェ監督の若者についての作品で、笑わせる役ではないのですが、恋をする若者のひとりを演じています。『太陽のめざめ』ほど号泣する作品ではありませんが(笑)。


french2016-parado-240-4.jpg――― 日本ではどこへ行きたいですか?
おみやげを買いたいです。でも、海や山や自然が美しい景勝地へも行きたいです。エアフランスの中でもらった日本のパンフレットに載っていたミニエッフェル塔?東京タワー?を物の見に行きたいです。本物のエッフェル塔はあまり好きじゃないので、是非東京タワーを見てみたいです。

 
――― 日本のどこに一番関心がありますか?
どちらかというと精神面ですね。穏やかで健全なものを持っている国民だと思います。そうしたところにとても興味があります。

 


french2016-6-24-parado-240-5.jpg【ロッド・パラド(Rod PARADOT)】

1996年サン=ドゥニ生まれ。
スタンにあるリセの職業訓練過程に在学中、本作のオーディションを受け、主役デビューを飾る。本作が2015年のカンヌ映画祭のオープニング作品でもあったため、彼の登場はセンセーションをもって受け止められ、その後、セザール賞の有望男優賞をはじめ、リュミエール賞の有望若手男優賞も受賞。


(河田 真喜子)

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アイルランド神話の不思議な世界へ冒険の旅にでた幼い兄妹が、悲しみを乗りこえ、家族の愛を取り戻すまでを描く感動のファンタジー、『ソング・オブ・ザ・シー 海のうた』が、8月27日(土)よりシネ・リーブル梅田ほかにて公開される。
 
これに先立ち、劇場公開記念トークイベント&展覧会が開催。本作を制作したのは、アカデミー賞に2度ノミネートされ、今最も注目を集めるアイルランドのアニメーション・スタジオ“カートゥーン・サルーン。その圧倒的な映像美を生み出した創作の秘密を解き明かす、ストリートボード、キャラクター設定、背景スケッチなど貴重な資料を展示する。
また8月27日(土)は、アイルランドフューシャ奈良書店の代表、荒木孝子さんによる“アイルランドの神話と民話”と題して、映画に描かれている世界を紐解くトークショーが開催される。そのほか、アイリッシュ・ミュージック・ユニットPooka(プーカ)によるアイルランド音楽の演奏も。映画の世界観を体感できるイベントだ。 
 

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★ソング・オブ・ザ・シー 海のうた展  8月19日(金)~8月27日(土)    ≪入場無料≫ 
日・月定休日/火・木・金 12:00~19:00/水・土 12:00~18:00  ※8/27のみイベントのため15:00にて営業終了
 
★ソング・オブ・ザ・シー 海のうた 公開記念イベント 8月27日(土)16:00~
TALK:荒木孝子(奈良アイルランド語研究会代表)
LIVE:Pooka 山本晴美(コンサーティーナ、フルート)、山本篤(イリアン・パイプス、ギター)
料 金:1,000円(1ドリンク付) ご予約:info@calobookshop.com ※お申込みはメールのみとなります
会 場:Calo Bookshop & Café カロ ブックショップ アンド カフェ (大阪市西区江戸堀1丁目8-24 若狭ビル5F)
 
◆◇◆荒木孝子◆◇◆ 「奈良アイルランド語研究会(通称フューシャ)」の代表。また「アイルランドフューシャ奈良書店」という小さな出版社の代表でもある。アイルランド語とアイルランドの童話と民話を研究、翻訳している。フューシャは、2015年10月にアイルランド語の童話作家コルマーン・オラハリー氏を、今年2016年2月にアイルランドの妖精物語の作家であり、世界的に有名な語り部であるエディ・レニハン氏を招聘したイベントを奈良、京都、広島、東京で開催した。現在、奈良大学非常勤講師。
 
◆◇◆Pooka◆◇◆ 山本晴美(コンサーティーナ、アイリッシュハープ、フルート他)/山本篤(イリアン・パイプス、ギター他)
イリアンパイプス、コンサーティーナ、フルート、ハープなどさまざまな楽器を2人で持ち替えながらアイルランドの伝統的なダンス曲やゆったりしたエアを演奏するユニット
 

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<作品紹介>
 
驚異の満足度99%!
アイルランド神話の不思議な世界へ冒険の旅にでた幼い兄妹が、悲しみを乗りこえ、家族の愛を取り戻すまでを描く感動のファンタジー!
【STORY】海ではアザラシ、陸では人間の女性の姿をとる妖精・セルキー。そのセルキーの母親と人間の父親の間に生まれた兄妹。妹が生まれた夜、母は家族を残して突然海へと姿を消してしまいました。そして妹シアーシャの6歳の誕生日、兄妹はおばあちゃんに町へ連れて行かれますが、そこで突然、シアーシャがフクロウ魔女マカの手下に連れ去られてしまいます。兄のベンは妹を救うため、消えゆく魔法世界へと不思議な旅に出発します…
 
『ソング・オブ・ザ・シー 海のうた』
吹替版声優: 本上まなみ 、 リリー・フランキー、  中納良恵(EGO-WRAPPIN’)/日本版テーマソング作詞・歌:中納良恵( EGO-WRAPPIN’)
監督: トム・ムーア 脚本:ウィル・コリンズ 音楽:ブリュノ・クレ、KiLA 後援:アイルランド大使館 
2014年/93分/アイルランド・ルクセンブルク・ベルギー・フランス・デンマーク合作 
©Cartoon Saloon, Melusine Productions, The Big Farm, Superprod, Nørlum 
 

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『奇跡の教室 受け継ぐ者たちへ』
マリー=カスティーユ・マンシオン=シャール監督インタビュー

~ベテラン歴史教師の情熱、歴史を“体感”することが、生徒たちを変えていく~

 
近年、移民を含む多人種の子どもたちが在籍する学校現場を題材にした力強い作品がヨーロッパから誕生している。実話を基にしたマリー=カスティーユ・マンシオン=シャール監督のフランス映画『奇跡の教室 受け継ぐ者たちへ』も、その流れの作品であるだけでなく、「歴史の継承」という大きなテーマを内在した作品だ。
 
<ストーリー>
貧困層が多く通うパリ郊外のレオン・ブルム高校に赴任した歴史教師アンヌ・ゲゲン(アリアンヌ・アスカリッド)は、落ちこぼれ学級の担任を任される。「退屈な授業はしない」と生徒たちに真摯に向き合うアンヌに対し、多人種の子どもたちが在籍するクラスでは言い争いが絶えない。歴史の奥にある真実を考えさせようとするアンヌの授業を受け、少しずつ変わってきた生徒たちを前に、アンヌは「アウシュビッツ」のことを発表する全国歴史コンクールへの参加を提案するのだったが……。
 
 

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寛容と威厳を兼ね備えたベテラン教師が、問題児呼ばわりされている生徒の集まったクラスを、「レジスタンスと強制収容についての全国コンクール」出場へ導き、生徒たちの成長を捉えた本作。ホロコーストという悲劇の歴史を、語り部として活動しているホロコーストの生存者、レオン・ズィゲル氏が証言するシーンもあり、観客も歴史の継承を体感できる。フランスの今を、クラス活動を通して描く部分も、非常に興味深く感じられるだろう。
 
フランス映画祭2016のゲストとして来日した本作のマリー=カスティーユ・マンシオン=シャール監督の上映後トーク(抜粋)と、インタビューをご紹介したい。
 

<上映後のトークより>
 
―――事実を基にした物語ですが、この題材との出会いは?
マリー=カスティーユ・マンシオン=シャール監督(以降、シャール監督):今回マリック役で出演しているアハメッド・ドゥラメさんは、高校生時代に映画の題材となっているプレテイユという街に住んでおり、映画の世界に入りたいと思い、シナリオを書いていたそうです。プロのアドバイスをもらうため、インターネットで調べ、色々な監督に連絡する中、私にも「脚本を読んでほしい」とメールが届きました。なぜこの脚本を書いたのか会って話を聞いてみると、アハメッドは「抵抗と習慣」に関するコンクールに出たことで、自分の人生が変わったと話してくれました。これは面白いと思い、一緒にシナリオを書くことになったのです。
 
 
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―――ゲゲン先生役にアリアンヌ・アスカリッドさんをキャスティングした理由は?
シャール監督:アハメッドさんと脚本を書いている時、実際にコンクールを指導していた先生に会い、アスカリッドさんと重なる部分がすごくありました。人間性豊かで、教師として皆をまとめて管理する一方、色々なことを伝えていかなくてはいけない。本物の先生はそういう立派さをもっており、それとつながる部分がアスカリッドさんにはありました。またお父様がレジスタンスで活動していたとお聞きしたので、是非ゲゲン先生役をやっていただきたいと思ったのです。
 

<インタビュー>
 
―――冒頭にスカーフを巻いた学生と先生が衝突するシーンがありますが、その意図は?
マリー=カスティーユ・マンシオン=シャール監督(以下、シャール監督): 教育委員会の方や校長先生にお話しを伺うと、毎日一番大変なことはスカーフ着用禁止に関する話し合いだそうです。宗教的なモチーフを学校に持ち込むことは禁止されているにも関わらず、生徒たちは持ち込もうとします。教育の場である学校に、宗教という教育以外のことが入ってしまう現状には、私自身も非常に驚きました。
 
今は人と人の間に宗教という障害物が介入している時代です。例えば日本では制服があり、貧富の差や宗教上の違い、社会的地位の違いなどは感じられず非常にシンプルです。残念ながらフランスの学校ではそのようなことはありませんので、教育を考える場合に、まずそのことを挿入することから始めたかったのです。
 
―――知の継承は本作のテーマの一つですが、記憶の継承で最も困難なこととは?
シャール監督:人に何かを伝える、受け継ぐという行為をするためには、まず理解をすることが必要です。遺産の場合は、家やお金を渡すだけで済むかもしれませんが、歴史の場合、そうはいきません。特にフランスの移民3世の人たちは、親もフランス生まれであるのに自分たちがフランス人だと思っていない人が多いのです。それは、彼らがしっかりとフランスの歴史を相続できていないことに問題があります。つまり移民3世の人たちとフランスの遺産を分かち合えていないのです。そういう意味でも「受け継ぐ」という行為は非常に大事です。
 
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―――子どもたちのクラスでの様子やゲゲン先生とのやりとり、大会に向けてワークショップをする様子などを、ドキュメンタリーのようなタッチで描かれていますね。
シャール監督:この映画の中で唯一ドキュメンタリーと言えるのは、(少年時代、アウシュビッツから奇跡的に生き延びた)レオン・ズィゲル氏が証言をしてくれるシーンです。ズィゲルさんに関しては、演技指導も一切しませんでしたし、台詞もつけていません。ズィゲルさん自身の言葉で語っています。それ以外は全て脚本で台詞をつけています。ただ、ドキュメンタリーのように見える手法をとった理由は、観客がクラスの他の生徒と一緒に参加するような気持ちで、映画を観てもらいたかったからです。そのため、カメラを数台使い、接写だけでなく、引いてクラス全体が見えるシーンを組み合わせ、ドキュメンタリーのような手法を使いました。ドキュメンタリーというより、真実を見せるためという意味で、このように撮影しています。
 

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―――真実を見せるという部分では、脚本を練る段階で監督自らが高校に足を運び、教育現場の今を取材されたそうですね。今の高校生は、監督ご自身が高校生だった頃と比べてどのような違いがありましたか?
シャール監督:本当に違いますね。生徒たちの話し方や、友達との関係性、男子生徒と女子生徒の関係性も違いますし、それ以上に先生に対する態度が全く違います。かつて先生は威厳のある存在で、先生の言うことは嫌でも聞かざるを得ない部分がありました。でも、今の先生は生徒が言うことを聞かないと悩んでいる人が多く、先生の発言に対して「それは違います」と生徒の反対意見がすぐに返ってきます。その状況に私は大変ショックを受けましたし、それ以上にどうして今の教育現場は先生の威厳が損なわれた状況になっているのか、どうしたら変わるだろうかという部分に自分の注意が向いていきました。その答えを、映画で表したわけです。
 
―――多人種の生徒たちが集まったクラスでのやり取りは、時には人種差別を感じさせるものもありましたが、これも教室での真実なのでしょうか?
シャール監督:子どもたちはいつの時代も残酷なもので、私も小さい頃は赤毛だということでからかわれましたが、成長の過程で起こるものと捉えています。育って成長していくうちに変わっていくでしょう。色々な違いを越えて、一つのまとまりのあるクラスになっていく。それを映画で再現することに努めました。問題を語ることは簡単ですが、それがどうすれば良くなるかを語ることは難しい。私はよく「日常のヒーローは先生だ」と話します。何でもないことでも、きちんと答えを用意してくれる。本作では、そんな先生のことを描いています。
 
―――映画の中でホロコーストの証言をしたレオン・ズィゲル氏は本作をご覧になりましたか?また、語り部として活動されているズィゲル氏は、本作に対しどのような思いを持っておられましたか?
シャール監督:本作を観てくださいました。ズィゲル氏の話をすると、感動しすぎてしまうので、驚かないでくださいね。最初、映画に出演依頼をしたとき、「なぜ録音音源やビデオ映像を使わないのか。なぜ映画に出なくてはいけないのか」と全く理解をしてくださいませんでした。元々映画をご覧にならないそうで、映画に出演する意味を感じられなかったそうです。全く相いれない感じでしたが、時間をかけて説得していきました。映画を通せばもっと多くの人にズィゲル氏が今まで語ってこられた「人生の闘い」を伝えることができる。また若い人に戦争は二度とあってはならないと伝えることもできると、私は説得したのです。
 
結局ズィゲル氏は映画を二度観てくださいました。ズィゲル氏の奥様をはじめ、息子さんやお孫さんも一緒に観てくださったのですが、その息子さんがこの映画をいかに誇らしく思うか態度で示してくださいました。また観客のリアクションからも、なぜその場面でズィゲル氏自身が登場しなくてはならなかったのかを瞬時に理解してくださいました。レオン・ズィゲル氏の体験を受け継ぐことが、この映画の中でできたのだと思っています。
(江口由美)
 

<作品情報>
『奇跡の教室 受け継ぐ者たちへ』“Les Héritiers”
(2014 フランス 1時間45分)
監督:マリー=カスティーユ・マンシオン=シャール
出演:アリアンヌ・アスカリッド、アハメッド・ドゥラメ、ノエミ・メルラン、ジュヌヴィエーヴ・ムニシュ、ステファン・バック
2016年8月6日(土)~YEBISU GARDEN CINEMA、ヒューマントラストシネマ有楽町、角川シネマ新宿、8月13日(土)~テアトル梅田、今秋~京都シネマ、元町映画館他全国順次公開
公式サイト⇒http://kisekinokyoshitsu.jp/
(C) 2014 LOMA NASHA FILMS - VENDREDI FILM - TF1 DROITS AUDIOVISUELS - UGC IMAGES -FRANCE 2 CINEMA - ORANGE STUDIO
 
 
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戦後70年の2015年夏に公開され、第89回キネマ旬報ベスト・テン「日本映画ベスト・テン」第2位、第70回毎日映画コンクール監督賞&男優主演賞をW受賞するなど好評を得た塚本晋也監督&大岡昇平原作の映画『野火』が、今夏、東京・渋谷ユーロスペースほか全国24カ所でアンコール上映される。
 
塚本監督の「『野火』を戦後70年だけで終わらせたくない」という思いと、劇場側の「終戦記念日にまた上映したい」という思いが合致して実現したアンコール上映。昨年7月25日の公開を皮切りに全国83館で上映され65館(7月15日現在)を塚本監督が行脚したが、引き続き今回も各地で舞台挨拶を行い、観客との対話を重ねていく予定だ。
 
《塚本晋也監督のコメント》
映画『野火』は、製作当初から毎年終戦記念日で上映されるような映画にしたいと思っていました。
その思いは全国各地でお客さんと接し、より一層強くなっていきました。
昨年は戦後70年とあって戦争を考える機会が多かったですが、戦後71年の夏もその熱を継続して持ち続けていただき、有意義な上映にしたいと思っています。
 
『野火』 戦後71年アンコール上映
<関西>
シネ・ヌーヴォX 、塚口サンサン劇場(8/6~8/19)
シアターセブン(8/13~8/26)
神戸朝日ホール(8/19~8/20、8/20家永知史さん舞台挨拶あり)
京都シネマ(9/10~9/16、9/10塚本監督舞台挨拶あり)
豊岡劇場(9/10~9/16、9/11塚本監督舞台挨拶あり)
 
さらに7月24日(日)には衛星放送「WOWOW」でテレビ初放映、8月5日には自主製作から自主配給に至るまでのすべてをまとめた「塚本晋也『野火』全記録」(塚本晋也・著。洋泉社・刊)も発売される。戦後71年の今年も映画『野火』を通して、戦場を”体感”し、戦争について考える機会にしてほしい。
 

【戦後71年の映画『野火』関連情報】
●WOWOWでテレビ初放送 7月24日(日)21:00、7月30日(土)1:15
 放送に合わせて『鉄男』など旧作11作を放送する「映画作家・塚本晋也特集」を7~8月に実施
 
●衛星劇場「戦争と映画2016〜戦後・70年ミニシアター精選作品〜」特集の中で放送
 8月1日(月)18:30、13日(土)13:00、18日(木)12:00
 
●Blu-ray&DVD発売中!
 BD/DVD映像特典として中篇ドキュメンタリー『野火』(監修:塚本晋也)を収録
*「SHINYA TSUKAMOTO Blu-ray SOLID COLLECTION」と題し、6月から3ヶ月連続で旧作8タイトルをニューHDマスターにより初Blu-ray化で発売中。また『野火』及びSolid Collection全作品デジタル配信中
 
●Blu-ray発売記念・オールナイトイベント
池袋・新文芸坐にて「塚本晋也の世界 ~進化する激情~」8月27日(土)22時30分〜  トーク:塚本晋也監督他
上映作品:『鉄男 TETSUO』(89)、『東京フィスト』(95)、『六月の蛇』(02)、『ヴィタール』(04)
 

●書籍「塚本晋也『野火』全記録」(塚本晋也・著)が8月5日(金)に発売
 「終戦70年で終わらせたくない。“戦争という地獄”」(塚本晋也)
 
《主な内容》ヴェネチア国際映画祭、騒然! 完全自主製作・自主配給映画のすべて
●塚本晋也超ロングインタビュー
●絵コンテ、秘蔵メイキング写真、スタッフインタビュー全網羅
●熱狂の1年! 日本全国『野火』全国劇場行脚64館全掲載 
 ・関連座談会:ミニシアターの楽しみ方 
塚本晋也×評論家・柳下毅一郎×写真家・中馬總
●『野火』を通して見つめた日本映画の今、変動する世界の映画地図
 ・ミニシアター篇座談会 
  塚本晋也×ユーロスペース・北條誠人支配人×シネマ5・田井肇支配人×シネマテークたかさき・志尾睦子総支配人
 ・海外映画祭篇座談会
  塚本晋也×市山尚三(東京フィルメックス・プログラムディレクター)×相原裕美(映画祭コーディネーター)
 
《仕様》
■A5判型:ソフトカバー■272ページ
■定価:本体2,200円+税■洋泉社:刊
 
 

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『奇跡の教室 受け継ぐ者たちへ』マリー=カスティーユ・マンシヨン=シャール監督トークショー
 
貧困層が暮らすパリ郊外の高校の問題児クラスが、ベテラン歴史教師に導かれ「アウシュビッツ」という難しいテーマの歴史コンクールに参加し、生まれ変わる様を実話を基に描いた『奇跡の教室 受け継ぐ者たちへ』。8月6日からの劇場公開を前に、6月27日フランス映画祭2016で上映が行われ、上映後はマリー=カスティーユ・マンシヨン=シャール監督によるトークショーが行われた。日本の観客の皆さんがどう観て下さるのか、感想を聞くのを楽しみにしていたというシャール監督。高校三年生だったアハメッド・ドゥラメさん(本作でもマリック役で出演)が監督に送った自らの体験による脚本が全ての始まりだったという本作のメイキング秘話や、アウシュビッツの生存者として歴史を継承する語りを行っているレオン・ジゲルさんが作品に参加したことにより生徒たちに与えた影響など、たっぷり語ってくださった。その模様をご紹介したい。
 

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―――事実を基にした物語ですが、この題材とどうやって出会い、映画化に至ったですか?
マリー=カスティーユ・マンシヨン=シャール監督(以降、シャール監督):前作で『はじめてのとき“MA PREMIERE FOIS”』という映画を撮りましたが、そこでも若い男の子が出演しています。今回マリック役で出演もしているアハメッド・ドゥラメさんが高校生の時、私の映画を観てくれました。彼は当時高校三年生で映画が大好きでしたが、この映画の題材となっているプレテイユという街に住んでおり、あまり映画文化に触れられない中、自分の中でその思いを高めていたのです。彼は映画の世界に入りたいと思い、実際にシナリオを書いていました。プロに見てもらいアドバイスが欲しいと、インターネットで調べた色々な監督にメールを出したのです。私にも「脚本を読んでほしい」とメールが届いたので、了承し読んでみました。映画で取り上げたのではないコンクールでしたが、それをきっかけに学生がポジティブに生きているという内容でした。そこで、なぜこの脚本を書いたのか会って話を聞いてみたいと思ったのです。アハメッドさんは「抵抗と習慣」に関するコンクールに出たことで、自分の人生が変わったと話してくれました。これは面白いと思い、一緒にシナリオを書くことになったのです。
 

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―――出演者のアンサンブルが素晴らしかったです。主な出演者はどのように選ばれたのですか?
シャール監督:オーディションを2種類行いました。プロの俳優用と、現場に行き学校で声を掛けるという方法のオーディションです。舞台となっている郊外のクレデイユで探しました。結果的に出演者の半分は少し経験のある若い俳優で、半分は高校生です。夏休み中に映画に出てみたいという人が含まれています。オーディションでは全員に会い、特に個々のパーソナリティーをしっかり見ました。シナリオを書いている時は、今の高校2年生を取材したのですが、それと同じ多様性のあるクラス、今の高校と同じようなクラスという形にしたかったので、それぞれのキャラクターが非常に有用でした。
 
 
―――最初にこの映画でアウシュビッツという言葉が字幕に出てきますが、フランス語ではどういう言葉を使っているのでしょうか?
シャール監督:アウシュビッツという言葉はフランス語でもきちんと使っています。今、子どもたちは色々な情報や映画、テレビ番組があるにも関わらず、ショアやアウシュビッツが本当に何なのかよく分からないのです。このコンクール(レジスタンスと強制収容についての全国コンクール)は防衛省が主催しており、毎年5万人の生徒が参加しています。若い世代にアウシュビッツを忘れてもらわないためのものです。
 
 
―――ゲゲン先生役のアリアンヌ・アスカリッドが素晴らしいですが、キャスティングの経緯は?
シャール監督:はじめからアリアンヌ・アスカリッド考えていたわけではありません。アスカリッドさんはロベール・ゲディギャン監督作品ばかりに出ており、私の作品には出てくれないだろうと思っていましたが、たまたま会い、シナリオを読んでもらうことができました。アハメッドと脚本を書いている時、実際にコンクールを指導していた先生に会い、アスカリッドさんと重なる部分がすごくあったのです。人間性豊かで、教師として皆をまとめて管理する一方、色々なことを伝えていかなくてはいけない。本物の先生はそういう立派さをもっており、それとつながる部分がアスカリッドさんにはありました。またお父様がレジスタンスで活動されていたとお聞きしたので、是非ゲゲン先生役をやっていただきたいと思ったのです。
 
 
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―――荒れていた生徒たちが真剣に取り組むようになったのは、先生のすばらしさであり、理性的な判断と学生たちの気持ちを理解する姿勢でした。特に、情緒的な人間関係の大切さを知るという意味で、ショアの生き残りの人たちの話、記念館を見ることに監督の力点があったのでしょうか?
シャール監督:今回、脚本だけでなく本作に出演したアハメッドは両親がマリ出身です。今まではフランスの学校で歴史を知っても、自分の歴史と思えなかったけれど、このコンクールを通して歴史を感じられるようになったと話してくれました。それはアハメッドだけでなく、他の生徒も感じていることです。レオン・ジゲルさんは元々高校で自分の体験を語ってくれていましたが、映画にも出演してほしいとお願いし、当時クラスで聞いたのと同じ話をしてもらいました。それによって、生徒たちが歴史を自分のものと感じることができるようになったのだと思います。
 
アハメッドはまた、コンクールに参加することにより、教室の他の人にも目を向けることができるようになったと言っていました。皆で同じプロジェクトに取り組むことで、周りと話し合い、理解をするようになるのが先生の狙いでした。レオンさんが話をすることで、歴史が本でもドキュメンタリーでもなく人間になったのです。彼は、「私があなたたちの年の頃こんなのだった。生きるとはどういうことか、仲間を大事に知るとはどういうことか。ありふれた人種差別をやめるように。肌の色や宗教で差別することをやめよう」と語ります。その話を聞いた全ての生徒が、歴史を理解することができるようになったのです。
 
 
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―――アハメッドさんとの共同作業や、彼が学んだこと、監督自身が刺激されたことは?
シャール監督:まず、アハメッドをよく知ることから始めました。文化も宗教も皮膚の色も性別、年齢も違いますから。この物語はとても面白いと思ったので、彼が体験したことをそのまま映画にしたいと思い、彼の自宅で何時間も過ごしましたし、彼が何を好きなのか、映画はどういうものを見るのか、質問、観察をし、協力し合いました。私が一つのシーンを思いついて書いたら、彼にアドバイスを求め、今の高校生がそのような言い方をするかどうかチェックしてもらい、ピンポンのようなやり取りをし続けました。アハメッドは俳優希望だったので、大学入学資格試験(バカロレア)で合格したら出演させてあげるという条件をつけました。受かるかどうかドキドキしましたが、無事合格できてよかったです。
 
 

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―――アドリブの部分をどれぐらい入れたのでしょうか?またこの映画を作るのに、どれぐらいの時間をかけたのでしょうか?
シャール監督:オーディションに6カ月、準備に8週間、撮影に8週間かけました。生徒たちが自発的に話し、イキイキした場面が重要でしたので、全くリハーサルをしなかったシーンもありました。ゲゲン先生が「コンクールに参加しましょう」と言ったときに学生たちが矢継ぎ早に質問をし、冗談を交えるシーンは、完全なアドリブです。重いテーマですが、その中にもユーモアがある彼らの様子を、検閲のようにチェックはせず、使っています。また、カメラは常に3台用意し、自発的に出てきたものを捉えるようにしています。レオン・ジゲルさん(アウシュビッツの生存者)の語りのシーンは完全に本当の講演でした。4台のカメラで1回撮りをし、高校生たちの生の反応を捉えたのです。
(写真:河田真喜子 文:江口由美)
 

<作品情報>
『奇跡の教室 受け継ぐ者たちへ』“Les Héritiers”
(2014 フランス 1時間45分)
監督:マリー=カスティーユ・マンシヨン=シャール
出演:アリアンヌ・アスカリッド、アハメッド・ドゥラメ、ノエミ・メルラン、ジュヌヴィエーヴ・ムニシュ、ステファン・バック
2016年8月6日(土)~ヒューマントラストシネマ有楽町、角川シネマ新宿、8月13日(土)~テアトル梅田、今秋~京都シネマ、元町映画館他全国順次公開
公式サイト⇒http://kisekinokyoshitsu.jp/
(C) 2014 LOMA NASHA FILMS - VENDREDI FILM - TF1 DROITS AUDIOVISUELS - UGC IMAGES -FRANCE 2 CINEMA - ORANGE STUDIO
 
フランス映画祭2016(東京会場)は、6月24日(金)~27日(月)有楽町朝日ホール、TOHOシネマズ日劇にて開催。以降、大阪、京都、福岡会場にて順次開催
 
 

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イザベル・ユペール団長を前に浅野忠信、是枝監督、深田監督も感動しきり!フランス映画祭2016、華々しく開催!
 

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今年で第24回を迎えるフランス映画祭2016が24日17時から有楽町朝日ホールで開幕し、オープニングセレモニーでは満席の観客を前に、イザベル・ユペール団長他豪華ゲストに、日本人ゲストも加わり、映画祭に向けての熱いメッセージが多数寄せられた。
 
最初に登壇したユニフランスのイザベル・ジョルダーノ代表は「今年も多種多様な映画を楽しんでいただけると思う。今回は12の新しい作品とジャック・リベットの作品をご紹介します。世界有数のキャリアを持つイザベル・ユペール団長の特別映像をまずはお楽しみください」と挨拶。特別映像で懐かしい出演作の数々を目に焼き付けてから、大きな拍手の中登壇したのは、会場もお待ちかねのフランス映画祭2016団長のイザベル・ユペール(『愛と死の谷』『アスファルト』出演)。
 
 

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深紅のジャケットに、タイトな黒のパンツ姿で登場したイザベル・ユペール団長は、「こんばんは。私とても幸せです」と日本語で挨拶した後、「次はもっと(日本語が)上手になってきます。日本で撮影すれば日本語を学ぶことになるので、ぜひ日本で撮影したいです。フランス人は日本の映画が大好きですから。24回目のフランス映画祭オープニングに来場でき、とても幸せに感じています。日本でこれだけフランス映画が好まれているのは、感受性が高く注意を向けて愛して下さる皆さんのおかげです。私は日本文化がとても好きで、日本を身近に感じています。私は溝口、黒澤、大島、小津の映画を観て育ちました。また、三島由紀夫原作の作品にも出演しています。ジョセフ・ロゼのマスという映画で、京都や富士山の近くで撮影することができた。また、河瀬、是枝監督、深田監督の作品もよく観ています。会場がこんなに埋まっていることは私にとっても、みなさんに撮ってもとてもうれしいことです。良い映画祭となりますように」と日本への関心と愛情あふれるコメントに、客席からも大きな拍手が。引き続き登壇したスペシャルゲスト、是枝裕和監督から熱い抱擁のあと花束を受け取ると、笑顔で客席からの歓声に応えた。
 
 
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是枝監督は「フランス映画祭2016開催、おめでとうございます。この場にこういう形でユペールさんに花束を渡す役を仰せつかり、とても光栄に思っています。一昨年、モロッコのマラケッシュ映画祭で大々的に日本映画の特集があり、僕が団長だったときに、壇上で僕らを迎えてくれたのがユペールさんでした。今回はその反対で、ユペールさんが日本に来て下さったので、僕が駆け付けなければ誰が駆け付ける!という気持ちで来させていただきました。フランス映画史そのもののような女優さんですが、今回上映される『愛と死の谷』はシリアスな元夫婦の話、『アスファルト』はファンタジーとコメディー色があり、どちらも彼女の存在がなければならない映画です。ぜひ皆さんもご覧ください。
 
黒沢清監督がフランスで撮った映画も公開され、映画人の日本とフランスの共同製作は増えていくべきだと考えています。僕もそういう懸け橋、お互いの映画が交流し、刺激し合い、新しい映画がどんどん生まれることを願っています。お互いの国にとって大事な時間になると思いますので、ゲストも楽しめるような素敵な時間をみんなで作っていければ」と、上映作品にも触れながら感動的な挨拶を行い、ユペール団長も感動の面持ちだった。
 
 
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引き続き、来日ゲストが紹介され、フランソワ・ファヴラ監督(『ミモザの島に消えた母』)、ローラン・ラフィット(『ミモザの島に消えた母』主演)、ウニー・ルコント監督(『めぐりあう日』)、ロッド・パラド(『太陽のめざめ』主演)、マリー=カスティーユ・マンシオン=シャール監督(『奇跡の教室 受け継ぐ者たちへ』)、ルシール・アザリロヴィック監督(『エヴォリューション』)ら、総勢12名の来日ゲストが揃い、檀上は一気に華やかさに包まれた。さらに、カンヌ映画祭ある視点部門審査員賞受賞の『淵に立つ』深田晃司監督と浅野忠信(主演)がスペシャルゲストとして登壇。

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「『淵に立つ』は日本とフランスの合作ですし、フランス映画をずっと観てきましたので、このような場に呼んでいただいたことを非常にうれしく思います。イザベル・ユペールさんは一映画ファンとして高校の時から見続けており、同じ壇上に立てるのは夢のようです。日本人はフランス映画が大好き、フランス人も日本の映画を愛してくれているが、両方がもっと近づけるはず。一つ一つの活動を通じて、よりフランスと日本の結びつきが強くなることを期待しています」(深田)
「イザベル・ユペールさんの大ファンで10年前もお会いしたのですが、今日もうれしくて。何しろイザベルさんに会えますから。是非深田監督に、ぼくとイザベルさんを起用した映画を作ってもらいたい」(浅野)と、憧れのイザベル・ユペール団長を前に個性溢れるスピーチを披露した。
 

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オープニング上映となる『太陽のめざめ』上映前には、同作のエマニュエル・ベルコ監督よりメッセージが読み上げられた。
「私はクロード・ミレール監督の『ニコラ』で日本を訪れましたが、非常に温かい歓待を受けたことを覚えています。日本の観客の皆さんにお会いできる機会を逃したのがとても残念ですが、作品を観て、主人公マロニーを愛してくださることを期待しています。マロニーを演じるロッド・パラドは(本作を日本に紹介する)最高の大使です。皆さまのことを強く思っています」
 
また、フランス本国では新世代のアラン・ドロンとの呼び声も高く、本作の大ヒットでセザール賞有望男優賞、リュミエール賞有望男優賞を受賞したロッド・パラドは「東京にきてこの映画を紹介することができ、とてもラッキーです。よい夕べになってくれたらと思います。東京に来ることが出来、本当にうれしいです」と挨拶した。
 
写真:河田真喜子 文:江口由美
 

フランス映画祭2016は、6月24日(金)~27日(月)有楽町朝日ホール、TOHOシネマズ日劇(東京会場)にて開催!
 
 
 
 
 
 
 
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