「京都」と一致するもの


oioui-9.21-550.JPG(左から、大谷亮平、髙橋海人、長澤まさみ、永瀬正敏、大森立嗣監督)


日程:9月21日(火)12:30~13:10

場所:TOHOシネマズ新宿

登壇者:長澤まさみ、永瀬正敏、髙橋海人、大谷亮平、大森立嗣監督(敬称略)



oioui-9.21-nagasawa-1.JPG映画『おーい、応為』(10月17日公開/東京テアトル・ヨアケ共同配給)の完成披露上映会が9月21日(日)、TOHOシネマズ新宿で行われ、主演の長澤まさみ、共演の永瀬正敏、髙橋海人(King & Prince)、大谷亮平、そして監督・脚本を務めた大森立嗣が登壇した。満員御礼の会場に大きな拍手が響く中、キャストと監督が登場し、それぞれ挨拶。

 
主人公で天才絵師・葛飾北斎の娘、応為(お栄)を演じた長澤は「応為を演じたあの時間がとても大切な思い出になったので、今日はその気持ちを込めて応為っぽい着物で来ました。少しの時間ですが楽しい時間を過ごせたら」と挨拶。MCから髪型も応為っぽいと褒められ、照れながら笑顔を見せた。


応為の父であり、破天荒な天才絵師・葛飾北斎を演じた永瀬は「やっと皆さんに観ていただけます。北斎として生きた日々は自分にとってかけがえのない時間でした」としみじみ語った。

 

oioui-9.21-takahashi-1.JPG北斎の門下生で、応為と兄弟のように絵を描き合う善次郎(渓斎英泉)を演じた髙橋は「京都での撮影から2年ぶりにこのメンバーと顔を合わせて身が引き締まります。さっき出番前に監督から“ちゃんとボケてね”と言われたんですけど、ボケられる空気を作れるか不安ですが(笑)、善次郎らしく楽しみたいです」と笑いを誘った。

 
応為が淡い恋心を寄せる初五郎(魚屋北渓)役の大谷は「つい最近本編を観たんですが、とても素敵な作品でした。今日観る皆さんもぜひ楽しんでください」と呼びかけ、会場から温かい拍手が送られた。


初めて時代劇に挑んだ大森監督は「この作品は殺陣のある時代劇ではないので、俳優たちをひたすら素直に見つめるつもりで撮影を進めました。緊張もありますが、とても前向きで楽しい映画になったと思います」と作品への手応えを明かした。


――撮影を終えての今の気持ちを問われ

長澤が「一昨年の秋に撮影したのですがあっという間に時間が経ち、もう皆さんのもとに届くんだなと少し寂しい気持ちもあります。親子の日常を覗き見するような映画になったので、世界観に没入してもらえたら嬉しいです」とコメント。応為については「200年前の女性とは思えないほど肝が据わっていて自由。私自身もやりたいことに向かう心意気を学びました」と語った。

大森監督も「長澤さんの生き様がそのまま応為に乗っかっているようで、彼女を肯定することで映画が生きてくる気がした」と絶賛した。

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永瀬は「これまでの作品は“画狂老人”としての北斎像に比重があるものが多かったと思います。今回大森監督がやろうとされたのは“人間・北斎”であって、応為との人間としての関係性だと感じました」とコメント。「だからこそ、どう人間として、どう親子として生きたかを出していくかが大切だった」と語り、北斎像へのアプローチを振り返った。

大谷は「お栄さんとの2ショットの真っ暗なシーンで沼に落ちたんですよね」とおどけたエピソードも。「この作品の中では勝気なお栄さんなので珍しい表情を隣で拝見できて役得だなと思いました」とコメントし、応為とのシーンの裏話を披露して会場を沸かせた。

髙橋は、念願の時代劇出演について「現代じゃない時代の作品に出ることが夢だったので、自分が絵が好きということもあり、絵にゆかりのある方の作品に出ることができて嬉しかったです」とにっこり。さらに「キャスティングの名前を拝見した時に錚々たる方々が並んでいて、“怖いな、大丈夫か俺は”と思いましたが、せっかく出演させていただくなら、自分は戦に出る気持ちで、不安に気づかれないように少ない経験を全部背負って京都に向かおうと思いました」と率直に明かすと、長澤が「そんなふうに思ってたんですか!」と驚き、会場は笑いに包まれた。


oioui-9.21-500-2.JPG――長澤との共演について?

髙橋は「応為という役の奥に長澤さん自身の力強さや色気が滲み出ている気がしました。お芝居って誰かに憑依するものだと思っていたけど、その人の人生がにじむ瞬間が一番素晴らしいんだと気づかせてもらった。この映画にはそういう瞬間がたくさんあって、一観客として楽しめました」と語った。

続けて永瀬も「撮影初日が出戻りのシーンだったんですけど、長澤さんが“帰ったぞ”と一言発した瞬間に北斎像が決まった気がしました。僕が考えていた北斎像よりもさらに高いレベルに引き上げてもらった感覚があって、今回は北斎を作ってくださった方のひとりは確実に長澤さんだと思います」と感謝を述べた。これに長澤が思わず「いやもう恐縮です。皆さまのおかげで応為が演じられたと思っています」と謙遜し、「現場ではそれぞれが役への思いを力強く注いでいたからこそ、キャラクターたちの血が通ったように生きて見えた。映画はやっぱりみんなで作るものだと日々感じていました」と撮影を振り返った。


oioui-9.21-500-1.JPG――主要キャスト3人が吹き替えなしで挑んだ絵を描くシーンについて?

長澤は「初めての持ち方で練習が大変でしたが、稽古部屋にこもってひたすら練習しました。その成果が映像に出ていると思います」と語り、髙橋も「3人で同じ小屋にこもって、一言も話さずにただ描き続ける日々でした」と現場の空気を振り返った。永瀬は「長澤さんと髙橋さんがあまりに上手いから、見て“やばい”と思ってまた練習する…の繰り返しでした。普通の線一本引くのも大変で、波を引くだけでも太くなったり細くなったりしてしまうんです」と語り、さらに「大森組は撮影がとにかく早く終わるので、その分たっぷり練習時間が取れたのもありがたかった」と付け加えた。髙橋は、急きょ追加された絵を描くシーンについて「筆に触れることで善次郎を理解できた気がしました。セリフを言いながら描くのは本当に難しかったです」とコメントした上で、「僕、聖徳太子じゃないので一度にいろんなことができないんです。(笑)だからひたすら練習して、しゃべりながら描くことを何度も繰り返しました」と明かし、会場から笑いが起きた。監督も「絵を描きながら別のセリフを話すワンカットが本当に良かった」と絶賛した。長澤も「現場ではさらっと描いているように見えるかもしれませんが、練習の成果です」とにっこりし、観客からは大きな拍手が送られた。


――北斎が晩年になっても“猫一匹満足に描けない”と言い、常に高みを目指したその探求心にちなんでキャストの“極めたいこと”について?

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長澤は「休日の過ごし方を極めたい。仕事と休息のバランスをもっと上手にとりたい。どうやって自分を安心させてリラックスできるかを探求すれば、仕事でも集中力が高まると思うので」と語り、緩急を意識したいと明かした。

永瀬は「うちの猫を息子だと思っているんですけど、彼の行動や気持ちを極めたい」と笑いを誘い、「こうしてほしいって思ってるんだろうな、というのが裏目に出ることもあるので、もっとちゃんとコミュニケートして気持ちをわかってあげたい」としみじみ。作品に登場する犬のサクラについても「毎朝誰よりも早く挨拶に行っていました。本当に可愛い子で癒やされました」と振り返り、長澤も「抱っこされるのが好きな子で、ずっと抱っこしていました」とほほ笑んだ。

髙橋は「やっぱり長生きしたいなと思っています。毎日お風呂で潜水していて、最高記録は2分。肺活量を鍛えて、老後も元気にやりたいことをたくさんやりたい。北斎が90歳まで生きたように、自分も長生きして楽しい時間を増やしたい」と語った。

大谷は「毎朝食べている納豆の食べ方を極めたい。青ネギとジャコ、いい出汁醤油で150回混ぜるのがマイベストです」と笑いを誘った。大森監督は「今年初めて梅干しを漬けたんです。梅雨明けに何日干すか、とか季節を感じる作業がすごく楽しい。季節感が失われつつある今だからこそ、天候不順に抗ってでも季節を感じ続けることを極めたい」と語り、会場から温かい拍手が送られた。

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イベントの最後に大森監督は「本当に素直に楽しめる作品になったと思います。登場人物たちを見つめていると運が上がりそうな気がして、皆さんにとってお守りのような映画になると思います。見終わったあと心の奥にしまって、大切なものにしていただけたら」と呼びかけた。続いて長澤は「淡々と進んでいく日常の中で、絵師たちの心意気を感じながら進んでいく物語です。どうぞ最後まで楽しんでください」と笑顔で締めくくり、盛大な拍手に包まれながらイベントは幕を閉じた。
 


 


監督・脚本:大森立嗣 
キャスト:長澤まさみ 髙橋海人 大谷亮平 篠井英介 奥野瑛太 寺島しのぶ 永瀬正敏
原作:飯島虚心 『葛飾北斎伝』(岩波文庫刊) 杉浦日向子 『百日紅』(筑摩書房刊)より「木瓜」「野分」
配給:東京テアトル、ヨアケ
©︎2025「おーい、応為」製作委員会 
公式サイト:https://oioui.com
[X] https://x.com/oioui_movie
[Instagram] https://www.instagram.com/oioui.movie
推奨ハッシュタグ:#おーい応為 

2025年10月17日(金)~ TOHOシネマズ日比谷ほか全国ロードショー


(オフィシャル・レポートより)

 
 
 
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 村上春樹の短編連作『神の子どもたちはみな踊る』にオリジナル設定を加えて映像化した『アフター・ザ・クエイク』が、10月3日(金)よりテアトル梅田、なんばパークスシネマ、イオンシネマ茨木、MOVIX堺、MOVIX八尾、ユナイテッド・シネマ岸和田、アップリンク京都、イオンシネマ京都桂川、イオンシネマ久御山、シネ・リーブル神戸、MOVIXあまがさき、イオンシネマ草津他全国公開される。
 監督は、NHK連続テレビ小説「あまちゃん」や大河ドラマ「いだてん~東京オリムピック噺~」をはじめ、劇場版にもなった『その街のこども』の演出を務め、天災を描き続けてきた井上剛。阪神・淡路大震災から30年を迎えた今、この30年の日本やこれからの日本を見つめる本作を作り上げた井上剛監督に、お話を伺った。
 

 

■阪神・淡路大震災から15年後が舞台の『その街のこども』を振り返って

――――井上監督の手がけた『その街のこども』は今でも毎年上映が続き、阪神・淡路大震災のその後を描いた映画の代名詞になっていますが、この作品が末長く上映され続けている理由をどのように分析されていますか?
井上:この作品は震災の映像が出てきませんし、震災で家族を失ったお話というわけでもなく、一見すると悲惨さを訴えている物語ではない。誰でも(自分の震災体験について)しゃべりたくなるようなリアリティーがあるからではないかと思っていますし、実際、作るときに心がけていたことでもありました。その描き方は本作にも通じるところがあります。
 
――――というのは?
井上:『その街のこども』は阪神・淡路大震災から15年後の話で、佐藤江梨子さんが演じた美夏は友人を亡くし、森山未來さんが演じた勇治は知り合いに亡くなった人はいなかったけれど、震災時に父親が周りの人から不名誉な扱いを受けたことがトラウマになっているという設定です。15年ぐらい経ち、少し時間や距離を置いたからこそ、たまたま出会った二人がたまたま語り出した。この“たまたま感”が良かったのだと思います。
 
――――拝見した当時、こういう視点での震災の描き方があるのかとすごく新鮮でした。
井上:タイトルに「こども」を入れたのも、こども時代の話を大人になった主人公二人がしているというのが、観客のみなさんに寄り添いやすかったのではないでしょうか。お互いの記憶の違いがあるので、会話をしていて通じるところもあれば、そうでないところもある。そういう日常の会話で起こりそうなことが映画の中で繰り広げられるので、観客のみなさんが自分ごととして捉えていただけたのかもしれません。
 
――――夜の街を歩きながら話すというシチュエーションが非日常感を出していたのでは?
井上:1995年、被災した当時の神戸は描けないけれど、夜のシーンにすることで、当時被災した街に住んでいた人は想像することができるでしょうし、そうでない人は会話に集中していただける。震災を扱った題材ですが、若い男女の話でもあり、鑑賞する敷居が低かったように思います。
 
 
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■95年、同時期に地下で起きた天災と人災を捉えた原作『神の子どもたちはみな踊る』

――――『その街のこども』製作時、『神の子どもたちはみな踊る』を読んでおられたそうですが、その魅力や、参考になった点は?
井上:NHK大阪放送局にいた頃で、「震災のドラマを作ってほしい」というオファーに対し、どういう題材で、どういう人に何を届ければいいのかを悩んだのです。そこで出会った本が村上春樹さんの『神の子どもたちはみな踊る』でした。95年に自分の故郷(芦屋)が震災で壊されてしまったことだけでなく、同年3月の地下鉄サリン事件と、同時期に天災と人災がいずれも地下で発生しているわけです。その二つが作家ならではの想像力で捉えて表現されており、着眼点や考え方がとても参考になりました。
 
――――時を経ての映画化は、阪神・淡路大震災から30年というタイミングを意識して作られたのですか?
井上:『その街のこども』以来になりますし、神戸で撮影をさせていただいたので、何か震災から30年のタイミングで自分にできることはないかと思い、『その街〜』のプロデューサーだった京田光広さんに企画を相談していたところ、同じタイミングで本作のプロデューサー、山本晃久さんが『神の子どもたちはみな踊る』を映像化したいと声をかけてくれました。
『その街のこども』も、ある不幸をどうやって乗り越えるのかと二人で語りかけるシーンで脚本の渡辺あやさんが「工夫するしかないんだよ」というセリフを書いていますが、阪神・淡路大震災からの30年は地震だけではなく、様々な不幸な出来事が起きました。繰り返される天災だけでなく、人間の無意識下、地下にある黒々としたものが全く衰えていないし、分断が起き、世の中が本当に良くなっているのかと考えたとき、話のスタートを95年においてはどうだろうかと考えたのです。だから神戸のことを思っての一面と、今に向けて作るにあたり、話のスタートのタイミングとして設定した面と両方の側面があります。
 
 
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■かえるくんは徹底的に善であり、揺れない存在

――――原作の中で銀行員片桐の前にかえるくんが登場する「かえるくん、東京を救う」は印象的ですが、本作ではその部分はナレーションにし、映画オリジナル部分で新たなエピソードとして二人を登場させています。その狙いは?
井上:登場人物たちのテーマはみんな「からっぽ」なんです。1995年の小村(岡田将生)は本当に頭の中がからっぽですが、2025年の片桐(佐藤浩市)はからっぽなのだけど、想像力で目の前のことが豊かに見えることもある。だから片桐にはかえるくんが見えるんです。
かえるくんは徹底的に善であり、揺れない存在です。ひょっとしたら(闘う羽目になる)みみずくんとも仲が良かったかもしれない関係性の象徴でもある。神の化身のようでもあり、いろいろなことを想像させるかえるくんが、ナレーションだけではなく実物で、コミカルに登場し、片桐とユーモラスなやりとりをし、戯れ、そして冒険するかのように日本を救うストーリーはファンタジックで面白いと思ったんです。
95年の第1章から共通しているのは地下に潜るということで、それまで意識の地下に潜っていたのが、25年の第4章では実際の地下に片桐とかえるくんが潜っていき、お互いに無意識の中に入って何かと闘っていく。闇に飲まれていくかえるくんは、人間の善なのか、失くしてしまったものなのか、いろいろと想像できるかえるくんを具現化してみたいと思ったのです。
 
――――今回、このかえるくんの声をのんさんが演じていますね。
井上:さきほど言及したかえるくんのイメージと重なりますが、イノセンスなものであってほしいという想いがあり、のんさんにオファーしました。少年のようでもあり、違うようでもあり、悪意がなく、でもコミカルなことができて、何よりもイノセンスな感じが出るといいなと思ったのです。
 
 
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■ドキュメンタリー的な要素を取り入れた第2章

――――登場人物はみな、孤独を抱えた人たちですが、そこに何かの仕掛けがあることで、見知らぬ者同士が胸の深い想いを打ち明けられるということが描かれた2011年のエピソードが印象的でした。
井上:2011年の第2章は舞台装置的には海岸がメインで、とにかくシンプルかつナチュラルにやることがテーマでした。ほかの3つの章とは一番演出スタイルが違い、ドキュメンタリー的な要素を取り入れました。大江崇允さんの脚本では「順子は地に足がついていない」と書かれていたのでその感じを掴みたくて、順子(鳴海唯)が電車に乗っているシーンは実際の京王線で撮っていますが、なんども何時間も彼女の佇まいを近くから、時に遠い距離から長回しで撮影し、キャラクターをみんなで探りました。
 
――――「地に足がついていない」のも、キャラクターに共通することですね。
井上:地面がとても大事なお話なので、どういう立ち方をするのかをどの章も大事にしました。第2章は毎日海辺で、関西弁の男・三宅(堤真一)が焚き火をするのですが、その火だけが厳然とそこにあり、でもいつかは消えるという当たり前のことが人生のようでいいなと思っていました。また僕たちは現在からの視点で見ているので、いずれはその浜に東日本大震災による津波が押し寄せることもわかっているので、「アフター・ザ・クエイク」と言いながら「ビフォア・ザ・クエイク」であることも表現しているのです。堤さんも、ご自身は阪神・淡路大震災での被災経験はないそうですが、震災についての話をせずとも、現場では当時神戸市東灘区で被災した三宅としてその場におられた。すべてナチュラルに撮影が進んだ感じがありました。
 

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■「からっぽ」を表現する難しさ

――――一方95年の第1章は、登場人物の「からっぽ」感が非常に出ているエピソードですが、小村を演じた岡田将生さんをはじめ、妻、未名役の橋本愛さん、北海道で出会うシマオ役の唐田えりかさんと、それぞれが独特の存在感を示していました。
井上:俳優のみなさんは、演じるのが難しかったと思います。答えのない内容の難しさだけでなく、本当にこの演じ方で、「からっぽ」な感じを観客に受け取ってもらえるのかどうか。岡田さんをはじめ、みんないくばくかの「からっぽ」感を抱えたキャラクターの表現について、悩まれていました。
 また第1章だけ、意図的に小説の言葉遣いを用いているのですが、それでも不自然になることなく、言葉をしゃべっているのに、とてもスカスカな感じとか、不穏さを感じとっていただくにはどうすればいいのかと。岡田さんや唐田さんが見事に演じていましたね。橋本愛さんはセリフのない役でしたが、未名を演じてもらうためにお呼びしました。
 
――――セリフがないというのも、逆に生々しい感情が伝わりますね。
井上:同じ震災を体験しても、感じ方は人それぞれです。小村のように、それでも日常を歩んで行く方に意識を置く人と、未名のようにそこで留まって動けなくなってしまう人と。震災に限らず何かの局面が訪れたとき、どこか空虚な気持ちを抱えてしまうことはよくあると思うのですが、それを演じるのは難しいですね。
 
 
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■祈りと神の存在について考える第3章

――――表題作「神の子どもたちはみな踊る」を2020年に置き換えた第3章は、祈ることがテーマでもあります。地下鉄サリン事件以降、宗教や祈ることへ否定的な見方も多くなったのではないかと。
井上:地下鉄サリン事件を引き起こしたオウム真理教はカルトで胡散臭いと捉えられてきましたが、2020年ごろに宗教二世の問題が大きく報じられ、何が正しいのかと考えていくと、陰謀論も含めて何が正しくて、一体どこに向かっていくのかと誰もが思っているでしょう。みんなが聡明で正しければ戦争はないわけで、そうでないから戦争が各地で起こっている今、神と呼ばれる存在は一体何をしているのか。宗教二世の善也を演じた渡辺大知さんが発したセリフは、よくわかる。一方で宗教指導者の田端(渋川清彦)が「それでも祈る」というのは、人間の業が出ている気がします。
 
――――太古の昔から人々は神に祈りを捧げてきた事実があり、確かに祈るだけで戦争は終わらないけれど、そこで武器を手にして良いのかと、いろいろと考えを巡らされますね。
井上:95年から第1章がはじまり、20年近く経った第3章で改めて祈りとは何かを問う。辛い時があったとき、どうすればいいのか。本作では現場でギターの大友良英さんが弾いてくれている中、渡辺さんに善也として踊ってもらいましたが、善也が動きたくなった理由も自分で見つけもらうようにしました。
 
 
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■神戸の地下に潜る撮影で「スタート地点に戻ってきた」

――――2025年の第4章は、片桐を含め、どのように設定を考えていったのですか?
井上:今、もう一度かえるくんが現れて、意識の底に向かっていったとき、95年からの30年を片桐がどのように生き、何に責められたり、何と闘っているのかを想像するところからスタートしました。また村上春樹さんの『世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド』や『ねじまき鳥クロニクル』などの冒険譚を映像でやってみたいという想いもありましたので、第1章から続いてきた意識下に入ることを実際に地下に潜ってやること、最後は(地上/通常)に戻るという構成で大江さんに脚本を書いていただきました。
 
――――その地下のシーンは、非常にスペクタクルで迫力がありましたね。
井上:あの地下のシーンは神戸で撮影したんですよ。神戸の地下にこんな場所があるなんてと感動しました。15年前の『その街のこども』は神戸の地上の話でしたが、スタッフ・キャストと神戸の地下に潜り、本当に真っ暗で恐怖すら感じる中で撮影できたのは、スタート地点に戻ってきた感覚で良かったです。
 
――――ありがとうございました。95年から30年後の今、この作品を届けるにあたり、メッセージをお願いします。
井上:震災を経験してきた日本が、95年からどのように歩み、また人の心はどうなってきたのかを考えて作りました。あの揺れは時や場所が変わったとしても、今でもどこかで揺れています。大事な地面が揺れると人の人生に当然影響してくると同時に、ただ想像することもできる。想像することで人と人とが繋がっていければと思っています。
(江口由美)
 

<作品情報>
『アフター・ザ・クエイク』
2025年 日本 132分 
監督:井上剛  脚本:大江崇允
原作:村上春樹『神の子どもたちはみな踊る』(新潮文庫刊)
出演:岡田将生、鳴海唯、渡辺大知、佐藤浩市、橋本愛、唐田えりか、吹越満、黒崎煌代、黒川想矢、津田寛治、井川遥、渋川清彦、のん、錦戸亮、堤真一 
10月3日(金)よりテアトル梅田、なんばパークスシネマ、イオンシネマ茨木、MOVIX堺、MOVIX八尾、ユナイテッド・シネマ岸和田、アップリンク京都、イオンシネマ京都桂川、イオンシネマ久御山、シネ・リーブル神戸、MOVIXあまがさき、イオンシネマ草津他全国公開
(C) 2025 Chiaroscuro / NHK / NHK エンタープライズ
 


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主演・長澤まさみ、共演に永瀬正敏、髙橋海人を迎え、大森立嗣が監督を務めた映画『おーい、応為』が、2025年10月17日(金)に東京テアトル・ヨアケ共同配給にて全国公開。


破天荒な天才絵師・葛飾北斎の娘であり、弟子でもあった葛飾応為。美人画は北斎を凌ぐと評され、数少ない女性絵師として江戸の男社会を駆け抜けた先駆的な存在。本作は、豪胆で自由、そして絵にまっすぐに生きた応為の知られざる姿を、長澤まさみ主演で描き出す。


この度、主演・長澤まさみをはじめ、永瀬正敏、髙橋海人らキャストの熱演の裏側や、監督の演出風景を収めた現場レポートとメイキング写真が解禁!


oioui-makimg-oumorikantoku.JPG 2023年10月から11月、京都を中心に行われた本作の撮影。主人公・葛飾応為を演じた長澤まさみは、本作が初の時代劇主演。順撮り(*物語の順番通り)となった撮影初日は夫と大喧嘩の末に家を飛び出す場面から始まり、特報でも使用されていた「北斎の娘で悪かったな!」という怒声が現場の空気を一変させていた。大森立嗣監督は啖呵を自ら実演し、役者を煽りながらすぐに本番へ切り替えるなど、初日から熱を帯びた現場となっていた。


北斎の門人・善次郎役のKing & Princeの髙橋海人は、本作で初の大森組にして、時代劇初挑戦。長髪で崩れた色気を漂わせつつも、応為にとっては弟分のように描かれる役どころ。初日からドラマで共演経験があった長澤と笑顔で会話を交わし、監督の「弟っていうより、手下くらいの感じでいってみて」という演出にも自然体で応えるなど、瑞々しい存在感を発揮。食事シーンでは思わず食べすぎてしまい、「すみません!普通に食べちゃってました」と照れ笑いする場面もあり、現場を和ませていた。


oioui-makimg-nagase.jpg一方、応為の父であり、弟子たちからも破天荒な天才絵師として畏れられた葛飾北斎を演じたのは永瀬正敏。散らかった長屋で一心不乱に絵を描く姿を全身で体現。絵以外には無頓着な親子だが、愛犬・サクラを溺愛するなど、親しみやすい一面も見せた。そんな現場でもアイドル的存在だったサクラと戯れる永瀬の優しい眼差しからも、撮影合間の和やかな空気が垣間見えていた。長澤は、撮影を振り返り、「凄まじい情熱を持って生きた父娘の姿を温かい目で見てもらいたい。そんな映画になっていると思います」と語っている。天才絵師・北斎の側で、豪胆に、自由に、そして不器用ながらも絵に向き合い続けた応為。その知られざる生き様をスクリーンでぜひご覧ください。映画『おーい、応為』は2025年10月17日(金)より全国公開。
 


監督・脚本:大森立嗣  
キャスト:長澤まさみ 髙橋海人 大谷亮平 篠井英介 奥野瑛太 寺島しのぶ 永瀬正敏
原作:飯島虚心 『葛飾北斎伝』(岩波文庫刊) 杉浦日向子 『百日紅』(筑摩書房刊)より「木瓜」「野分」
配給:東京テアトル、ヨアケ 
©︎2025「おーい、応為」製作委員会  
公式サイト:https://oioui.com 
映画SNS:[X] https://x.com/oioui_movie 
映画SNS:[Instagram] https://www.instagram.com/oioui.movie
推奨ハッシュタグ:#おーい応為

2025年10月17日(金)~TOHOシネマズ梅田ほか全国ロードショー


(オフィシャル・レポートより)

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・日時:2025年9月14日(日)14:10~(上映後)

・場所:大阪ステーションシティシネマ

・ゲスト:伊藤沙莉(さいり)(31)(主演) 芳賀(はが)薫監督(52)  MC:津田なおみ(敬称略)


 

「どうせダメだから…と諦めたらそこで終わる。

やるからには覚悟をもって臨むべし!」

 

本作は、サトウキビを原料とするラム酒の美味しさに惹かれた若い女性が、南大東島特産のサトウキビを使ったラム酒作りに挑戦、紆余曲折を経て派遣社員から社長になったという実話を基にした小説「風のマジム」(原田マハ著)を映画化した作品。


kazenomajimu-pos.jpg主演は子役の頃から活躍している芸歴22年、映画だけでなく、舞台「首切り王子と愚かな女」(2021)やNHK連続TV小説「虎に翼」(2024)などで突出した演技力で存在感を示している伊藤沙莉華奢な体格からは想像もつかない繊細かつダイナミックな表現力で観る者を圧倒する稀有な俳優である。そんな彼女が、沖縄の人々の家族愛や特有の風土に溶け込みながら、沖縄の方言で「真心」を意味する「まじむ」という名にふさわしく、謙虚で素直で真っ直ぐ、落ち込んでもすぐに前向きになれる主人公を、説得力をもって清々しく生きている。


孫の計画を応援しようと叱咤激励する酒好きな“おばあ”役の高畑淳子がまた円熟味のある演技で魅了する。女優魂を見せるようなメイクダウンした様相から“おばあ”になり切って、一つ一つの格言を重みをもって心に響かせる。娘を優しく見守る母親役に富田靖子、協力を惜しまないバーテンダー役に染谷将太、誠実な醸造家役に滝藤賢一など信頼できる俳優陣で、「何事も真心で取り組む姿勢こそ大事!」と、混迷の時代を生きる私たちを勇気づけてくれる感動作である。


芳賀薫監督は、長編映画初監督とは思えない簡潔で巧妙なカットワークやキャラクターの魅せ方で、より印象深い作品に仕上げている。それもそのはず、PVやCMディレクターとしてのキャリアも長く、世界でも高い評価を得ている大ベテランなのだ。主演の伊藤沙莉へは作品のテーマや想いを熱く綴った手紙でオファー。伊藤沙莉も、監督の情熱やパワーを感じて、一緒に頑張ることができるのではないかと引き受けたという。キャストの個性や特徴を活かした演出や見せ方はさすがだ。


9月12日(金)からの全国公開を記念して、主演の伊藤沙莉と芳賀薫監督が、9月14日(土)に大阪ステーションシティシネマにて開催された舞台挨拶に登壇。以下にその詳細を紹介いたします。



――大阪へは久しぶりですか?

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伊藤:いえ、6月に家族で来ました。大阪に来る度にアメリカ村のお洋服屋さんを回ったり、良さげな居酒屋などのお店を探しては行ってみたりしています。大阪グルメが大好きで、以前『パラサイト』の舞台でお父さん役の古田新太さんから教て頂いた「さきイカ天」がめちゃくちゃ美味しくて、それを見つけては食べてます。

芳賀監督:完全にのん兵衛のためののん兵衛グルメですね(笑)


芳賀監督:私は1年ぶりです。普段CMなどのお仕事をしておりまして、何度も大阪に伺うことがあります。大阪は笑いに厳しいというイメージがあり、打ち合わせに遅れてきたらひとネタやらないと場が和まないという雰囲気があって、めんどくさいな~と(笑)ウソです!


――大阪のファンのイメージは?よく言われることや、すぐ触ってくるとかありませんか?

伊藤:(笑)ちょっとちょっとお姉さんだと接触されたりしますが、それは暖かく受け取らせて頂いてます。大阪の方は普通に喋っていても面白いから、私には大阪の言葉が優しく感じられて好きなんですよ。キツイとか言われることもありますが、逆に温かみを感じています。


――温かみといえば、この映画も温かみを感じられる素晴らしい作品ですよね。(会場に向かって)皆様は如何でしたか?

*会場から拍手が沸き起こる!

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芳賀監督:ありがとうございます。まず沖縄で先行公開されて、沖縄の言葉がちゃんとしているのか、それが気になっていたのです。でも、沖縄の方も「自然に観られる」と仰ってくださったので安心しました。伊藤沙莉さんをはじめ、キャストの皆さんが普段使わない方言を頑張って喋ってくださいました。東京でも評判が上々で、大阪でも皆さんがとても和やかな表情をされていますので、ひと安心です。


――伊藤さんは沖縄の言葉についてどう感じましたか?

伊藤:いろんな地方の役をやらせて頂いてますが、沖縄の言葉が群を抜いて難しい!特にイントネーションの使い方意外なところで上がったり下がったり、自分の中でチューニングするのが大変でした。それと優しい言い回しが多く、感情の乗せ方が難しかったです。方言指導の方の指導を受けながら勉強になったし、やっていてとても楽しかったですね。私にとって新しい挑戦となりました。


kazenomajimu-itou-2.jpg――特に印象に残っている方言は?

伊藤:意外と難しかったのは「ありがとうございます」です。さりげなく聞こえるのかと、最後までずっと気になっていました。


――撮影後も方言が残っていたりしますか?

伊藤:日常でポロっと沖縄弁が出ることはあります。先日滝藤賢一さんにお会いしたら、めちゃくちゃ沖縄弁でした(笑)。「全然抜けない」って言ってました。


――伊藤沙莉さんを主役にした理由は?

芳賀監督:伊藤さんは素晴らしい役者さんなので、勝手に長文を送らせて頂いてオファーしました。この「まじむ」という役は、キメ台詞あったり、尖った才能がある訳ではないので、自分の意志をちゃんと表現したり、何となく周りの人たちのことを聞いて行動するような女の子なので、「受けの演技」というか、会話の中だったり人との関係性の中で次の行動が出来ている人がいいなと思っていたので、是非にとお願いしました。伊藤さんに決まってからは脚本もそういう想定で進めていきました。


――伊藤さんは監督からのお手紙をご覧になって如何でしたか?

伊藤:凄いパワーを感じました。物作りを一緒にするチームのリーダーがこのような情熱をもっている方なら、一緒に熱く頑張れるなと思いました。スタートから気持ち良く頑張れたので、とても感謝しております。


――最後に伊藤さんの満面の笑顔が出てくるというサプライズがありましたが?

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芳賀監督:それは撮影中に思い付きました。この物語は主人公一人が頑張った訳ではなく、“おばあ”が大切なことを伝えてくれたり、周囲の人々が協力してくれたからこそ最後まで到達できたのですから、協議を重ねながら脚本を変えていきました。でも、これで良かったと思っています。(会場へ向かって)皆さんはどうでしょう?

*会場から賛同の拍手が沸き起こる!

芳賀監督:ありがとうございます!


――伊藤さんも最初脚本になかったことでびっくりされたでしょう?

伊藤:びっくりしましたね。3回ぐらい撮ったシーンだったので、使わないんだ~(笑)でも返って斬新で面白いと思います。


――沖縄ロケの期間は?

芳賀監督:沖縄だけだと2週間です。

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――ロケで一番楽しかったことは?

伊藤:ナマ・マングース!最後のさとうきび畑のシーンで、さとうきび畑の間を駆け抜けて行きました。スタッフの方と私だけが実際に見ていて、凄く可愛かったです!


――もし沖縄に1か月、休暇で行けたらどうしますか?

芳賀監督:泡盛飲んで、ゆし豆腐食べて、踊って、深く眠ってまた飲む?仕事なんかしませんよ(笑)劇中のお豆腐屋さんは大人気のお店でして、お豆腐買いに来られた方々も撮影中だと知ると、「そう、頑張ってね」とか声を掛けてくださって、本当に地域の方々の優しさに助けられました。また、沖縄の役者さんは勿論、地域の方にも出演してもらっています。


伊藤:今回海へ行けなかったので、海へ行きたいですね。海の中に潜って魚を見たりして、とにかく、ゆっくりと何も考えずに過ごしたいです。それを許してくれる空気感が沖縄にはあります。


――ある女性のサクセスストーリーですが、沖縄の文化や信仰深い姿やお豆腐など沖縄まるごと感じられるところは、監督の意図したことですか?

芳賀監督:古い家には今でも家の中心に仏壇(祭壇)があって、その前を通る度に手を合わせているんです。それだけご先祖様が近いから家族も繋がっているのだと思います。そうした沖縄ならではの家の風景に郷愁を感じて頂けたら嬉しいですね。


kazenomajimu-itou-4.jpg――とっておきのシーンは?
伊藤:“おばあ”が早朝に豆腐作りを見せながら「一番大切なことを忘れちゃならんど!」とまじむに教えるシーンは凄くくらうシーンでした。あの高畑さんが“おばあ”の顔で言うシーンで、高畑さんの斜め後で見ていたお豆腐屋さんの店主が号泣してました(笑)。ましてや高畑さんの真正面にいる私には直撃!…斜め後にいた店主を号泣させる高畑さんてヤバいな!と思いました(笑)凄い女優さんなんだなと改めて感じたシーンでした。


芳賀監督:あれは凄いシーンでした。あの中にいたみんなが打たれてましたね。


――伊藤さんご自身のシーンでは如何ですか?

伊藤:バーのシーンとかは前向きな気持ちとか発展していくことが多かったので、わくわくする気持ちでした。お酒も好きなので、お酒を飲むお芝居は絶対的な自信があります(笑)まるでビールのように飲むシーンはとっても楽しかったです。


――本作のテーマでもある「真心」エピソードについて?

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芳賀監督:芳賀監督:「真心」って何だろう?中々難しい言葉だなとこの作品を作るようになって思うようになりました。ある種の厳しさも伴うので、ただの優しさでもなければ親切でもない、そもそも持っている心根みたいなことかなと…ずっと向き合って考え続けるテーマかなと今では思っています。皆さんも、「ふと、今のは真心かな?」と思うことがあったら、それは「風のマジム」の瞬間かも知れませんよ。


――対立するような人でも実は真心を感じさせるような映画ですが?

芳賀監督:この映画には根っからの悪人は出てきません。対立する人でも、立場によっては主人公と違う考え方をするのは当然のことで、決して間違ったことを言っている訳ではないんです


――伊藤さんの「真心」エピソードは?

伊藤:家族からはいつも暖かく見守ってもらったり、教えてもらったりと真心を感じています。それは人生の中でかなり大きなことです。真心と言われて思い浮かべるのは、母や叔母や姉とか、義理兄とか、ですかね。


kazenomajimu-bu-500-1.jpg――最後に。

伊藤:改めまして、本日はお越し下さいまして誠にありがとうございます。気に入って頂けましたら、是非SNSなどで多くの方におススメ頂ければ嬉しいです。昨夜、エゴサーチしていたら、「好きなことは諦めなくていいんだね」と書いてくださった方がいて、その伝わり方は凄く素敵で、とても嬉しかったです。「諦めるな!」とか「追及し続けろ!」じゃなくて、「諦めなくていいよ」というメッセージ性が丁度いいのかなと、本当に嬉しかったです。何か感じて頂けたらSNSなどに書き込んでください。私100%見ますので。誰のメッセージでも必ず掬い取って見ますので、よろしくお願いいたします。


芳賀監督:この物語の主人公のまじむは、特別な才能があったり、めちゃくちゃ一人で頑張ったり強い女性ではないと思うんです。だけど、自分で何かやりたいことがあったら、周囲の人や関係者にきちんと伝え、何か教えられたらちゃんと受け答えしながら、少しずつ成長するし、何となくやりたかったことが具現化へ繋がっていくと思うんです。それは観る人自身にも置き換えられるし、あるいは、近くに頑張っている人を慮ることにもつながり、優しさが広がっていくのかなと思います。そんな気持ちを持ち帰って頂けたら嬉しく思います。本日はどうもありがとうございました。
 


【STORY】

那覇で豆腐店を営む“おばあ”カマル(高畑淳子)と“おかあ”サヨ子(富田靖子)と暮らす伊波まじむ(伊藤沙莉)は、派遣社員として通信会社で働いていたが、未だ自分の未来像を描けずにいた。ある日、酒好きの“おばあ”と一緒に飲んだラム酒の美味しさに魅了され、その原料がサトウキビだと知ると、沖縄でもラム酒を作れないかと発案。そこで、南大東島産サトウキビを原料としたラム酒製造の企画を社内ベンチャーコンクールに応募。やがて家族や友人、会社、南大東島の島民をも巻き込む一大プロジェクトへと発展していく。

出演:伊藤沙莉、染谷将太、尚玄、シシド・カフカ、眞島秀和、滝藤賢一、富田靖子、高畑淳子
原作:原田マハ(小説「風のマジム」講談社)
監督:芳賀薫 
脚本:黒川麻衣
主題歌:森山直太朗「あの世でね」
配給:コギトワークス、S・D・P
© 2025映画「風のマジム」
2025年製作/105分/G
公式サイト:https://majimu-eiga.com/

大阪ステーションシティシネマ、なんばパークスシネマ、MOVIX京都、kino cinema神戸国際、MOVIXあまがさき ほか全国にて絶賛公開中!
 


(河田 真喜子)


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(左から、真利子哲也監督、西島秀俊、グイ・ルンメイ)

ニューヨークで暮らすとあるアジア人夫婦。ある日、息⼦の誘拐事件をきっかけに夫婦が抱える秘密が浮き彫りとなり、崩壊していく家族を描いたヒューマンサスペンス『Dear Stranger/ディア・ストレンジャー』(英題:『Dear Stranger』)が9月12日(金)より全国公開中です。
 

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主演は、米アカデミー賞で最優秀国際長編映画賞に輝いた『ドライブ・マイ・カー』や、A24製作のシリーズ『Sunny』など国際的な活躍の場を拡げる俳優・西島秀俊。その妻役には、ベルリン国際映画祭の最優秀作品賞を受賞した『薄氷の殺人』や『鵞鳥湖の夜』に出演するなど、人気と実力を兼ね備えた、台湾を代表する国民的女優のグイ・ルンメイ。日本と台湾、それぞれの国を代表する俳優2人が夫婦役で共演します。


監督は、社会問題を鋭くえぐり、予測不可能な展開で観客を魅了する映画監督・真利子哲也。2016年に『ディストラクション・ベイビーズ』 でロカルノ国際映画祭の最優秀新進監督賞を受賞。同作は2022年、『宮本から君へ』 とともにフランスで劇場公開され、好評を博しました。


新作が待ち望まれていた真利子監督の6年ぶりの最新作となる本作は、全世界に向けて各々の文化圏の人々に届く濃密なヒューマンサスペンス。撮影は、多国籍のスタッフが集結し、2024年11月~12月末までオールNYロケを敢行。ブルックリンを中心に、チャイナタウンやハーレム等、リアルなNYの日常を映しています。


【日程】 9月12日(金) 14:00 ※上映後

【場所】 TOHOシネマズシャンテ SCREEN1(千代田区有楽町1-2-2)

【登壇者】西島秀俊、グイ・ルンメイ、真利子哲也(敬称略)


<以下、レポート全文>

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本日9月12日に公開初日を迎えた『Dear Stranger/ディア・ストレンジャー』。まず西島は「お足元の悪い中ありがとうございます。今日はルンメイさんも来ているので、たくさんお話したいと思います」と笑顔であいさつ。8月の完成報告会見に引き続き来日したルンメイは「新しい作品を携えて皆さんにお会いできてとてもうれしいです。皆さんの感想をお聞きするのがとても楽しみ」と声を弾ませ、真利子監督も「大変な挑戦だったので、今日上映できることが本当にうれしい。仲間を一人ずつ見つけながら、ようやくこの日を迎えられた」と感慨深げに言葉を重ねた。


初日を迎えた心境について、西島は「本当に嬉しいです。しかもこの劇場(TOHOシネマズシャンテ)でいうのがとても嬉しい。先月もここに映画を観にきたんですが、ちょうど『Dear Stranger/ディア・ストレンジャー』の予告編も流れていて」と話し、ルンメイは「まるで学生が宿題をようやく提出したような気持ちです。もし気に入っていただけたら、ぜひ周りの方々にお薦めしてほしいと思います。」と呼びかけた。日本・台湾・アメリカの合作で、オリジナル脚本かつ日本人監督がニューヨークで全編ロケを行ったというチャレンジングな制作で公開を迎えたことについて真利子監督は、「どうなるかわからないスタートではあったので、西島さん、ルンメイさんをはじめキャストが集まってくれて、ようやくこうやって上映ができることになって本当に嬉しく思っています」と振り返った。


Dear Stranger-9.12-真理子哲也監督.jpg本作は「言語の壁」が物語のテーマの一つとなっている。その理由を問われると、真利子監督は「自分が見てきた映画や生活などいろんなことが糧となり、この映画に至ったと思います。1年ほどアメリカに滞在していて、帰国した直後にコロナによる非常事態宣言が出て、日常が一変してしまいました。でもアメリカにいた友人とコミュニケーションを取り合って作っていきました。本作で大事にしていたのは賢治とジェーンの関係性。肉体的な暴力や激しい出来事ではなく、日常の中で積み重なる小さなズレを描きたかった。」と語り、西島も「日常にある小さな感情の波、相手への思いやりと苛立ちが混ざり合う瞬間、誰もが経験するような感覚が脚本に詰まっている」と共感を込めて話した。ルンメイも「脚本の中の哲学性というものをすごく感じました。お互いに愛し合っているという前提のもとで、言語が通じない、コミュニケーションが取れない中で、どうやってこの関係を維持していくかということが大きなテーマになっていると思います」と振り返る。


また約9割が英語のセリフという本作について、西島は「監督は決して英語を綺麗に発音することを求めていたわけではなく、感情があふれて、うまく言えないところを喜んでくれたのが印象的でした。またルンメイさんが目の前でリアルな感情を表現してくださるので、自然と自分の内面的なものが引き出されました」と語る。それに対してルンメイは「西島さんは私にすごく大きなエネルギーを与えてくれて、そのおかげで演技というものに対する考え方が大きく変わったと思っています。私にとって西島さんは大きな木のような存在でした。私はその下で転ぶのも恐れずに楽しく遊んでいる子供のような感覚でした。」とユーモアを交えて語ると、西島は少し照れた様子で会場に笑いが起きた。


Dear Stranger-9.12-グイ・ルンメイ様.jpg続いて本作のタイトル“Dear Stranger”=直訳すると“親愛なる他人”に込められた想いをどう解釈するかという質問について、西島は「1番愛情を持っている人だからこそ、自分自身の愛情も見失ってしまう瞬間というのはあると思うんです。つまり最も身近な人だからこそ、全くの他人のようなわからない存在という意味なのかなと思いました」と語り、ルンメイは「たとえ親子や夫婦、親しい友人同士でも、心の奥に隠した秘密や言えない言葉は存在し、完全に分かり合うことはできない。しかし愛の力によって関係をつなぎ、新しい愛を育む環境を作ることは可能で、“Dear Stranger”という言葉には、親しみと他者性の両面が含まれているのだと思っています」と話した。


さらに本作は釜山国際映画祭と台北金馬映画祭への出品のほか、台湾とフランスでの上映も決定している。西島は「日本だけでなく海外の観客にも観てもらえるのはとても嬉しいです。観客の皆さんが鑑賞することで完成する映画だと思っているので、どんなふうに感じてもらえるか楽しみです」と期待を寄せた。またルンメイも「いろんな国や文化を持った観客の皆さんが、どんなものを持って帰ってくれたか、どんな感覚を持ったかが気になりますし、それこそが映画を撮る上で1番素晴らしいところだと思います」と話し、真利子監督は「この作品を通して、いろんな方に触れ合えるのが自分の中でとても楽しみです」と笑顔を見せた。


そしてトーク終盤。劇中で夫婦が抱えてきたある“秘密”が明らかになる展開にちなみ、「今まで秘密にしてきたことは?」という質問に対して、西島は「最近は、けん玉にハマってます」と話すと、「ぜひルンメイさんにもプレゼントしたいので、釜山映画祭に持って行きます」と宣言し、会場からは拍手が。ルンメイも「楽しみにしています」と喜びを露わにした。一方のルンメイは、撮影中の西島の“秘密”を暴露。「西島さんは現場でずっとおやつを食べていて、机の上にいっぱいお菓子が置いてあるんです。しかも劇中の引き出しの中にもお菓子を隠してました」と暴露し、会場は大きな笑いに包まれた。


最後に西島は「深い愛情は必ず試される瞬間があると思います。悩みや苦しみを乗り越えた先にまた新しい試練が訪れる。そんな経験をしている方にこそ、この映画を観てほしいです。ラストに残るわずかな光や希望を感じてもらえたら嬉しいです」と観客に呼びかけ、ルンメイは「この映画は私の人生の中でも、素晴らしい思い出と経験を残してくれました。皆さんも本作を観ていろんな考えを持って、生活の中で素晴らしい反応を起こしてくれることを期待しています」と語った。真利子監督は「ようやくこの場所に辿り着けたという心境です。本作はやるべきことを丁寧にやった映画。ラストシーンでは皆さん思うところがそれぞれあると思いますが、答えは1つではなく、何かが間違っているわけでもない。映画を観た後に誰かと喋って楽しめる経験にしていただけたらいいなと思います」と深々と頭を下げ、大盛況の中初日舞台挨拶は終了した。
 


【物語】

ニューヨークで暮らす日本人の賢治(西島秀俊)と、台湾系アメリカ人の妻ジェーン(グイ・ルンメイ)は、仕事や育児、介護と日常に追われ、余裕のない日々を過ごしていた。ある日、幼い息子が誘拐され、殺人事件へと発展する。悲劇に翻弄される中で、口に出さずにいたお互いの本音や秘密が露呈し、夫婦間の溝が深まっていく。ふたりが目指していたはずの“幸せな家族”は再生できるのか?

【作品情報】
作品タイトル:『Dear Stranger/ディア・ストレンジャー』 (英題:『Dear Stranger』)
公開日:9.12 Fri TOHOシネマズ シャンテほか 全国ロードショー
出演: 西島秀俊 グイ・ルンメイ
監督・脚本:真利子哲也
配給:東映
公式サイト: https://d-stranger.jp/   
公式Xアカウント: @d_stranger_mv   
公式Instagram:@d_stranger_mv

2025年9月12日(金)~ TOHOシネマズ シャンテ、大阪ステーションシティシネマ、なんばパークスシネマ、京都シネマ、シネ・リーブル神戸ほか 全国ロードショー


(オフィシャルレポートより)


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●日時:2025年8月30日(土)15:00~

●場所:大阪・関西万博2025関西パビリオン

●登壇者:菊川怜、篠原哲雄監督、斎藤元彦兵庫県知事(敬称略)



菊川怜の女優としての新たな魅力に注目!

篠原哲雄監督は兵庫県担当!?

シリーズ2度目の舞台となった兵庫県の斎藤元彦知事も登場!

 

皆の心に幸せの種をまく旅人――日本各地の第一次産業に携わる人々の人生に寄り添い、諸々の問題を解決して去っていく、まるで「シェーン」のような農林水産省の役人の活躍を描いた映画『種まく旅人』シリーズは本作で5作目となる。しかも淡路島が舞台となるのはシリーズ第二作『種まく旅人~くにうみの郷~』(2015)以来2回目で、引き続き篠原哲雄監督がメガホンをとったオリジナル企画。前作では養殖海苔と玉ねぎ生産に従事する兄弟の物語だったが、今回は伝統的な酒造技術の継承や経営に苦労する親子の物語。淡路島の美しい自然や豊潤な銘酒の香りが安らぎを与える心温まるヒューマンドラマである。


tanemakutabibito5-pos.jpg久しぶりのスクリーン復帰となった菊川怜が農林水産省の役人となって淡路島にある酒蔵の危機を救う。熱く日本酒を語り美酒に浸るシーンや、本気で酒造りを学ぼうと低姿勢で臨む姿、また、確執を抱えた親子に割って入っては壁を取り除こうとする姿など、エリート官僚という役柄ながら、以前の菊川怜のイメージを覆すような熱意ある人間臭さに親しみを感じた。篠原監督をして「菊川怜の女優としての新たな魅力に注目してほしい」と言わしめるほどの変貌ぶりに驚かされた。


10月10日(金)からの公開を前に、8月30日(土)に大阪・関西万博2025内の関西パビリオンでイベントと記者会見が開催された。主演の菊川怜と篠原哲雄監督の登壇に加え、淡路島を2度も舞台にしてくれたお礼にと兵庫県の斎藤元彦知事が駆けつけて、映画と兵庫県の豊かさのPRにつとめた。


〈詳細は下記の通りです〉


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―なぜ再び淡路島が舞台になったのか?

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篠原監督:『種まく旅人』シリーズは、日本の第一次産業を応援するために農林水産省の役人が各地へ赴き、そこでの問題点を見つけるのが第一目的として物語が始まります。淡路島は海の幸山の幸が豊富で、僕はこのシリーズの第二弾『種まく旅人~くにうみの郷~』でも撮っています。その時に淡路島に「千年一酒造」という古き良き素晴らしい酒造屋さんがあるの知って、今度はお米からお酒が造られる過程を丁寧に撮りたいと思っていたのです。兵庫県はその原料となる酒米の山田錦の重要な産地だったので、農産物に結び付く映画が作れるんじゃないかということで、今回も淡路島を舞台に撮らせて頂きました。

 

――何年前からの企画ですか?

篠原監督:10年前に淡路島の海苔と玉ねぎ生産者の物語を撮った時から、「千年一酒造」のことは印象に残っていました。また淡路島に行けるんだったら是非撮りたいと思っていたのです。その間『種まく旅人』シリーズは各地で撮られていたので、今回の企画自体は10年前からということになりますね。

 

――昨年9月の2週間に及ぶ撮影時の印象やエピソードは?

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菊川:淡路島はとても有名な所ですが、今回初めて撮影で訪れました。自然が素晴らしさは勿論ですが、とにかく居心地が良くて、安らぐというかホッとするというか、ちょっとわくわくもしつつ…そういう環境で撮影できたことは映画の中でも反映されていると思いますし、とても嬉しいことでした。

今回は日本酒の製造過程も丁寧に描きたいという監督のこだわりもあって、「千年一酒造」さんの本物の酒蔵で撮影できたことにとても感謝しております。本物の材料を使って本物の発酵をリアルに見て感動しました。本当に素晴らしい体験でした。

苦労話といえば、とても狭い醗酵室にキャストやスタッフがひしめき合って撮っていた時は、とても暑かったですね。でも、そんな中でも皆の結束力が高まったかなと思います。氷嚢を当てながら演じてました。

 

――とても美味しそうにお酒を飲んでおられましたが、お酒はお好きなんですか?

菊川:元々大好きで、お酒が飲める年齢になって大学の先輩に渋谷のお店に連れていって頂いた時にいろんなお酒を試させて頂きました。お酒ってこんなに味がバラエティ豊かで違うんだと初めて知りました。初めての体験でした。それ以来ずっとお酒は大好きで、日本各地のロケへ行く楽しみのひとつになっています。

 

――そんなにお酒がお好きなら撮影中わくわくされたのも無理もありませんね?

菊川:でも撮影中お酒は飲めないので残念でしたね。お酒を飲むシーンでは水を飲んで、普段のお酒の味を思い出しながら演じていました

 

――斎藤兵庫県知事をお迎えしております。

斎藤知事:このような素晴らしい映画を撮って頂いて改めてお礼申し上げます。兵庫県はお酒の原料となる山田錦の発祥の地であり最大の産地でもあります。日本酒は地場産業のひとつでもありますので、それをテーマに撮って頂いて光栄です。『種まく旅人』シリーズで淡路島を舞台にされるのは2回目ということで、前回は水産業と農業に従事する人々の苦労を題材にしておられましたが、今回は酒造りという兵庫県にとっても大切なものを撮って頂いています。地方は人口減少で産業も深刻な問題を抱えており、こうして映画に取り上げて頂くことは、各地の皆さんにとっても大変励みになります。多くの方に観て頂けるよう我々も頑張ります。

 

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――映画の感想は?

斎藤知事:「千年一酒造」を舞台に酒造りや米造りの大切さ、そして官僚という視点から兵庫県の代表的産業の一つでもある日本酒に焦点を当てて頂き本当にありがたいなと思いました。

 

――兵庫県の酒造りについて?

斎藤知事:私もお酒は大好きです。兵庫県は灘の酒が有名ですが、酒米の王者である山田錦の一大産地である播磨や、淡路島但馬兵庫北などの各地の酒蔵で心をこめて生産しております。それを是非多くの皆さんに知って頂きたいです。

 

――菊川さんの一番印象に残ったシーンは?

菊川:『種まく旅人』の第一産業を応援するというとても意義深いテーマの作品に携わらせて頂き光栄に思っております。とてもやりがいのある作品でした。そして、改めて食べるということは凄い喜びだし、凄いエネルギーだし、それが明日への活力になるということを、自分自身が原点に立ちかえって認識しました。普段私たちがお店や家庭で飲んでいるお酒ですが、そこに至るまで沢山の人々の手間暇かけて、愛情込めて、美味しく作られていることに想いを馳せて頂くことでより美味しくも感じられるし、感謝の気持ちも生まれるし、これらを守って続けてほしいという願いにも繋がっていくと思いました。

食を通していろんなことが学べるなと思ったので、それをメッセージとして感じて頂けたら嬉しいです。

 

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――淡路島滞在中に食べた物で特に美味しかった物は?

菊川:過密スケジュールで朝昼晩ロケ弁当ばかりだったのですが、早目に撮影が終わった時に美味しい魚介類を食べられるお店に行きました。淡路島の美味しい海の幸を堪能したり、道の駅へも食べに行ったりしました。

 

――今度また兵庫県で映画を撮るとしたらどこがいい?

篠原監督:兵庫県はとても広いので、北には城崎温泉がありますし、日本海側のお話もできるんじゃないかなと思っています。でもこのシリーズは各地を回って映画を撮っているので、直ぐには無理でしょうが、僕は兵庫県担当なんで(笑)、また兵庫県が舞台となれば是非撮ってみたいです。

今回酒造所で代々継承している父親の世代と息子の世代で作り方の違いでいろいろ確執が生じていくのですが、そこには親子の断絶があって、父親にはこういう語り方、息子にはこういう語り方でと、彼等に対する菊川さんの話の機微が面白くて、菊川さんのこれからの女優さんとしての魅力が表れているのではないかと、僕なりに思っているところです。その辺りも是非観て頂きたいです。

 

――監督から兵庫県には素晴らしい所がいっぱいあるというお話がありましたが、それについて知事は?

斎藤知事:素晴らしいお言葉、どうもありがとうございます。兵庫県は東西南北とても広い県で、それぞれに魅力あふれる県でもありますので、もしまた情報発信して頂けるなら、是非にお願いしたいと思います。

 

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――最後に。

篠原監督:この映画は10月10日から全国公開されます。兵庫県ではかなり多くの映画館で公開されると決まっております。農林水産省のお役人のお話で結構硬そうなイメージがあるかも知れませんが、実はエンタテイメントな心温まるお話になっておりますので、是非お楽しみ頂きたいです。

菊川:タイトルの『種まく旅人~醪のささやき~』とありますが、種をまくのは私が演じた役・理恵なんですね。理恵はどういう風にしてその土地の人々と交流して、どういう風にして心に種をまいたのか、そしてどういう形で実ったのか、心温まるヒューマンドラマとしてエンタテイメントに仕上がっておりますので、その辺りを楽しんで頂けたら嬉しいです。
 


監督:篠原哲雄
エグゼクティブプロデューサー:北川淳一
出演:菊川怜、金子隼也、清水くるみ、朝井大智、山口いづみ、たかお鷹、白石加代子、升毅、永島敏行
製作:北川オフィス
制作プロダクション:エネット
配給:アークエンタテインメント
©2025「種まく旅人」北川オフィス

公式サイト: https://tanemaku-tabibito-moromi.com/

2025年10月10日(金)~大阪ステーションシティシネマ、TOHOシネマズ(なんば、二条、西宮OS、くずはモール)、イオンシネマ(京都桂川、加古川、明石)、元町映画館 ほか全国ロードショー


(河田 真喜子)

 
 


kowlongr-0829bu-550.jpg(左から、花瀬琴音、梅澤美波(乃木坂46)、⻯星涼、吉岡里帆、水上恒司、栁俊太郎、フィガロ・ツェン、池田千尋監督)



累計発行部数 160 万部超え、「恋は雨上がりのように」の眉月じゅん最新作にして人気漫画「九龍ジェネリックロマンス」(集英社 / ヤングジャンプ連載)がアニメ化に続き、待望の実写映画化!! 本作の舞台となる、かつて香港に存在した美しくも妖しい街“九龍城砦”。その風景を再現するため、狭く雑多な路地裏の商店など、誰もがなぜか懐かしさを感じるような古い街並みを残す台湾にて真夏のロケを敢行。ノスタルジーに溢れる世界で、切ないミステリーと極上のラブロマンスが描かれる。


kowlongr-pos.jpg鯨井令子役には、映画『正体』(24)で第 48 回日本アカデミー賞最優秀助演女優賞を受賞した吉岡里帆、工藤発役に『あの花が咲く丘で、君とまた出会えたら』(23)で第 47 回日本アカデミー賞優秀主演男優賞を受賞した水上恒司の配役で W 主演を果たす。巨大製薬会社の社⻑・蛇沼みゆき役に⻯星涼、喫茶店・金魚茶館の店員タオ・グエン役に栁俊太郎、靴屋の店主で令子の親友になる楊明役に乃木坂 46 の梅澤美波、九龍のあらゆる店でアルバイトをしている小黑役に花瀬琴音、蛇沼と行動を共にし、九龍の街を調べるユウロン役にフィガロ・ツェンら豪華俳優陣が集結!


この度、映画の公開を記念し8月29日(金)に初日舞台挨拶を実施いたしました!イベントには、W 主演の吉岡里帆、水上恒司をはじめ、⻯星涼、栁俊太郎、梅澤美波(乃木坂46)、フィガロ・ツェン、花瀬琴音、池田千尋監督ら豪華キャストが登壇!初日を迎えての喜びを語ったほか、本作で重要なキーワードである「過去」にちなみ、キャスト陣が忘れられない大切な過去を明かしました。
 


【日時】 8月29日(金)17:10〜17:50 ※上映後イベント

【会場】TOHO シネマズ 日比谷 スクリーン 12 (東京都千代田区有楽町 1-1-3 東京宝塚ビル地下 1F)

【登壇者】吉岡里帆、水上恒司、⻯星涼、栁俊太郎、梅澤美波(乃木46)、フィガロ・ツェン、花瀬琴音、池田千尋(監督)



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九龍の街で働き、先輩社員・工藤に恋をするも過去の記憶がないことに気づく鯨井令子を演じた吉岡。華やかな着物姿で登壇して、初日を迎えられた喜びを口にしながら「この夏は終わらない、をスローガンに本作をより多くの方にお届けできたら」と大ヒットを祈願。令子の先輩社員で九龍の街を誰よりも愛しながらも、誰にも言えない過去を抱える工藤発を演じた水上も「実年齢よりも9つ上の工藤を生きた時間は大切な財産です。無事に初日を迎えられてホッとしています」と封切りを喜んだ。先日行われた香港国際映画祭での上映に立ち会った池田監督は「2回の上映共に満席で、現地の沢山の方が気に入ってくれて、沢山の感想や質問を頂きました」と海外での手応えを報告した。


 

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映画本編内でも物語の核心を突くシーンで『田園』を熱唱している水上。撮影地・台湾での思い出を振り返って、「撮影がはじまってすぐに僕と栁さん、池田監督たちとカラオケスナックに行きました。僕も下手なりに歌っていざ最後に栁さんの歌う番になったら、栁さんはカウンターの中に入って僕らに背を向けてブルースを歌われた。先輩ながらもその哀愁漂う姿が可愛らしかった」と思い出し笑い。

 

 

 

 

 

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栁が人前で歌うのは珍しいそうで、竜星が「それは奇跡に近い!」と驚くと、栁は「海外に行った開放感があって歌っちゃった。酔っていたから、何を歌ったのか?覚えていない。」と羽目を外し過ぎたと反省していた。一方、竜星の思い出もカラオケにあるようで「撮影初日にご飯屋さんに連れて行ってもらって、その流れで池田監督と吉岡さん達とカラオケになった」と報告し、吉岡は「あの時の竜星君は凄かった!矢沢永吉さんを歌ってくれて、『ここで竜星涼の生き様が見られるのか!?』と嬉しかった」と盛り上がっていた。


 

 

 


kowlongr-0829bu-フィガロ様.jpgそんな中、フィガロは「台湾では今日が旧暦の七夕で、恋人たちの記念日として大切な人と過ごす日です。そんな日に、皆さんと本作の初日を迎える事が出来て嬉しいです」と明かし、吉岡は「素敵!ロマンチック!」と大喜びしていた。


「過去」が重要なキーワードになっている本作にちなんで「大切に思っている忘れられない過去」をそれぞれ発表。花瀬は「お母さんの手作り焼きそば」、梅澤は「舞台公演中に弟からサプライズでもらった手紙」、フィガロは「20年前の初来日の際に食べたラーメンの味」、栁は「小学生の時に観戦したワールドカップ」と答えた。

 

 

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kowlongr-0829bu-竜星様.JPG竜星は、とある撮影の際に宿泊したホテルで起きた「人生初の怪奇現象」と言い「部屋のライトがチカチカして、怖くなって栁君に僕の部屋まで付いてきてもらいました。すると今度は栁君が『僕も怖くて帰れない』と言い出した。仕方がないのでシングルベッドに大きい男二人で寝ました」と爆笑をさらい、まるで蛇沼とグエンのような仲睦まじいエピソードを披露した。


水上は「小学校4年の夏休みに経験した野球の練習風景が、僕の努力の始まりのような感触があります」と振り返った。吉岡は「現地スタッフさん達とのカラオケ」と言い、竜星から「カラオケ好きだね~!」と笑われながら「私たちへのおもてなしとして日本の曲を歌ってくれて、感動しました」と現地スタッフの気配りに感謝。


kowlongr-0829bu-監督.JPG最後に池田監督は「謎の多い作品。その謎は人と近づくことで深まっていくし、わからないこともたくさんあるけれど、諦めずに進んでほしい。その先に人を好きなることを愛おしいと思っていただけたら嬉しいです。」と作品の魅力を語り、主演の水上は「多くの方々の力のお陰で、このように無事に初日を迎えることが出来ました。本作を鑑賞した方の中には、人を好きになる気持ちっていいなと思ってくださったら嬉しいです。今後も本作を応援してください」とPR。吉岡も「原作漫画は今も続いていてミステリーとして読み応えがありますし、映画は映画としての解釈があって皆さんに楽しんでいただけるよう一生懸命作りました。多くの方に届くよう、これからもお力添えを宜しくお願いいたします」と呼び掛けていた。
 


『九龍ジェネリックロマンス』

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【STORY】過去を明かせば、想いは消えるー。

懐かしさで溢れる街・九龍城砦の不動産屋で働く鯨井令子は先輩社員の工藤発に恋をしていた。工藤は九龍の街を知り尽くしており、令子をお気に入りの場所に連れ出してくれるが、距離は縮まらないまま。

そんな中、九龍で靴屋を営む楊明、あらゆる店でバイトをする小黒らと意気投合。令子は、九龍でゆっくりと流れる日常にそれなりに満足していた。しかしある日、工藤と立ち寄った金魚茶館の店員タオ・グエンに工藤の恋人と間違われる。さらに、令子は偶然1枚の写真を見つけるのだが、そこには工藤と一緒に自分そっくりの恋人が写っていた。困惑する令子の元に大企業の社長・蛇沼みゆきと謎めいた男ユウロンが現れる。思い出せない過去の記憶、もう 1 人の自分の正体、九龍に隠された秘密。核心に迫る令子は、工藤が抱える切ない過去を知ることになるー。


キャスト:吉岡里帆 水上恒司 
      栁俊太郎 梅澤美波(乃木坂46) 曾少宗(フィガロ・ツェン) 花瀬琴音
                諏訪太朗 三島ゆたか サヘル・ローズ 
                関口メンディー 山中 崇 嶋田 久作
      竜星涼
原作:眉月じゅん「九龍ジェネリックロマンス」(集英社「週刊ヤングジャンプ」連載)
監督:池田千尋
脚本:和田清人 池田千尋
音楽:小山絵里奈
主題歌:Kroi「HAZE」(IRORI Records / PONY CANYON INC.)
制作プロダクション: ROBOT
制作協力: さざなみ
企画・配給: バンダイナムコフィルムワークス
©眉月じゅん/集英社・映画「九龍ジェネリックロマンス」製作委員会

原作情報
原作「九龍ジェネリックロマンス」眉月じゅん(集英社「週刊ヤングジャンプ」連載)
単行本1巻〜11巻好評発売中。

︎TVアニメ情報
Blu-ray BOX 全1巻が2025年9月29日(金)に発売!
各種プラットフォームにて全13話配信中!

作品公式サイト&SNS
公式サイト:https://kowloongr.jp/
公式X:https://x.com/kowloongr_jp
公式Instagram:https://www.instagram.com/kowloongr_jp/
 公式TikTok:https://www.tiktok.com/@kowloongr_jp
ハッシュタグ:#九龍ジェネリックロマンス  #九龍GR

2025年 8月29日(金)~全国ロードショー!


(オフィシャル・レポートより)


meisoukazoku-bu8.26-550-2.jpg(前列左から、永野宗典、戸田菜穂、三浦理奈、秋庭悠佑、後列左から、坂東さかえ、熊切和嘉監督、金田敬監督)


■日時 :8月26日(火)18:00~18:30 

■会場 :テアトル梅田(大阪市北区大淀中1丁目1−88 3・4階)

■登壇者(敬称略):戸田菜穂、永野宗典、三浦理奈、秋庭悠佑、熊切和嘉監督、金田敬監督

■MC :坂東さかえ



三部構成からなる『メイソウ家族』は、母親が完璧な家庭を維持する緊張がキレたように迷走していく「YUI」、家族に構ってもらえず愛されることを求める一方の娘の迷走が思わぬ遭遇で変化していく「MONOS」、喪失感と孤独感で失声症になった少女がほのかな恋心で変化していく「UMI」と、“愛の渇望”が通底にある家族の物語である。しかも3篇は全く異なる情景で展開されながらもある繋がりを見せていくという、実にユニークな迷走ぶりで観る者を惹き込んでいく。


meisoukazoku-pos-550-2.jpg8月29日(金)からの全国公開を前にテアトル梅田にて先行上映舞台挨拶が行われ、『メイソウ家族』のキャスト、戸田菜穂、永野宗典、三浦理奈、秋庭悠佑の4人と、熊切和嘉監督、金田敬監督が登壇して、作品への想いや撮影中の秘話について語ってくれた。タイトル同様、撮影現場でもかなりのメイソウぶりを見せていたという現役芸大生の秋庭悠佑のハイテンションに会場が笑いに包まれる一方、かつてないクレイジーさで度肝を抜いた戸田菜穂や永野宗典のベテラン俳優の落ち着いた語りが作品への関心をさらに高める舞台挨拶となった。


本作は、大阪芸術大学が映像企業との産学協同で作られた作品で、4年に一度制作されており、映像学科だけでなく他の学科からもキャストやスタッフとして参加。今回は全国公開となり、映画制作だけでなく宣伝や興行についても学ぶ機会となっている。学生が書いた100本以上の脚本の中から選ばれた3本をさらに脚色し、大阪芸術大学の卒業生でもある熊切和嘉監督(『658km、陽子の旅』『ゼンブ・オブ・トーキョー』)と、金田敬監督(『校庭に東風吹いて』)の二人が監督。「YUI」「UMI」は熊切監督が、「MONOS」を金田監督が担当しているが、脚本の完成度が高かった「YUI」については両監督が取り合いになったという。

(詳細は以下の通りです。)
 


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――脚本を初めて読んだ感想は?

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熊切監督3本とも面白い脚本だったのですが、特に「YUI」が元々『メイソウ家族』というタイトルの脚本で、とても完成度が高くて、実は金田監督と取り合いになった程でした。でも、あまりにもまとまり過ぎていたので、逆に破綻させたいという思いで撮りました。「UMI」は元々あまり完成度は高くなかったのですが、うまく直していったらシンプルでいい映像作品になるのではと思いました。


金田監督「YUI」は先に熊切監督に獲られちゃったんで(笑)…「MONOS」はちょっと変わった話で、自分では絶対に選ばない企画でしたが、この機会にチャレンジしようと思いました。また、大阪芸大の客員教授で世界的造形作家であるスクリーミング・マッド・ジョージ先生が造形を担当されることもキッカケにはなりました。


meisoukazoku-bu8.26-toda-240-1.jpg戸田:不思議な台本。不思議な人も登場しますし、どういう映画になるのかなと思いました。とてもエキセントリックでハイになるシーンもあり、実際そういう風になって恐ろしいなと感じました。


永野:歯車が咬み合わなくなってきた家族の様子がとても丁寧に書かれているなと、素直に面白いと感じました。先ほど熊切監督が破綻させたと仰ったので、原型はどうだったんだろうと気になりまた。普段コミカルな役が多いのですが、今回はそうじゃないので、役に集中しようと思えるような魅力的な脚本でした。


三浦:とても不思議な物語。撮影が進むにつれてどんな風な作品かと分かってきました。最初台本読んだだけでは、頭がはてな(?)でした。特に「MONOS」はパンチが効いていて、演じながらわくわくした気持ちでいっぱいでした。


秋庭:芸大らしいなと思いました。僕はミュージカル学科の4回生で芸大大好き“芸大ラブ”なんですよ。僕は「MONOS」しか出てませんが、こういう変わった作品にも出たいなと思っていたので、この役は僕に似ている部分が多くて、やりがいがあると思いました。

永野:映画の中でも疾走感ありますよね。立ってても疾走感があり、凄い存在感でしたね。(笑)


meisoukazoku-bu8.26-nagano-240-1.jpg――大阪芸術大学の学生とのコラボについて?

戸田:撮影中はアシスタントやメイクも学生さんにしてもらって、天王寺駅から学生さんと一緒に電車に乗って大学へ通っていたので、とても楽しくて新鮮な気持ちになれました。私がエキセントリックになるシーンでも真剣に見てくれて、とても嬉しかったです。


永野:他の現場と変わらない快適さだったので、普段からの学習や経験が活かされていたと思います。ただ一点違うのは、スタッフの瞳のピュアさでしょうか。目の奥がキラッと未来を見据えている瞳でしたね。共演したキャストもアドリブ的呼吸も合っていて、とても頼もしく感じました。


三浦:皆さんとても真剣に取り組んでおられて、それが刺激的で自分ももっと頑張ろうと喝が入りました。


――現役学生の秋庭さんは、全国公開となったお気持ちは?

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秋庭:天にも昇る気持ちです。入学時、自分の名前が大学に残るような4年間を過ごそうと思っていたので、実現できて凄く幸せです。僕の口癖は「芸大楽しい!」なんで、それが体現できて嬉しかったです。撮影中、スタッフに「じっとしといてください!」と言われたり、スタッフや金田監督にいっぱい迷惑かけちゃいました(笑)。監督の目から湯気が出てるぐらい熱気が凄かったです。その熱気で演じ切ることができました。


金田監督「MONOS」は全部大学内で撮り終えてます。それは秋庭君がどこ行くか分からないので、大学内でやる必要があったのです(笑)。もう顔見知りの学生がいると、いちいち「ワ~!」って興奮するんで、それを抑えるのが大変でした。お芝居がどうのこうのより、「とにかく落ち着け!」と、動物の調教師になったみたいでしたわ(笑)。でも、いざスイッチが入ると、さすがに舞台芸術学科の本領を発揮してくれました。迷惑は掛けられたけど、楽しい現場でした。


meisoukazoku-bu8.26-kaneda-240-1.jpg秋庭:金田監督から学んだことは、テストでは60~70%の力でいいと…ケガするから。

金田監督君はテストで150%出してきてどんどん興奮してくるから、「抑えて抑えて、60%どころか40%でええし!本番でパーンとやってくれたらいいから…」(笑)


――熊切監督は大阪芸大での撮影は如何でしたか?

熊切監督もう30年位前になりますが、僕が学生の時は毎日のように自主映画を撮っていたので、その頃撮り損ねていた場所で今回撮影できて良かったです。学生とのコラボは普段より時間はかかりますが、一生懸命やってくれるんで、僕も負けじと頑張れました。


――見どころについて?

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秋庭:「MONOS」での三浦さんとの掛け合いがとても自然な感じのカップル感が出ていると思います。最後にあっと驚くような仕掛けがあるんで、それもお楽しみに!

金田監督:あんまりハードル上げんなよ!(笑)

三浦:自分に足りないものを満たしたいと思う時迷走しまいがちだけど、それでもどこかで繋がるんだなと思いました。ずっと役に集中して取り組んできたので、多くの人に観て頂きたいです。

永野:ともすれば自分にも身内にも実際に起こり得る話で、三話の関連性を探しながら観るのも楽しいかなと思います。それと、現在大ヒット中の日本映画『○○』でも登場するロケ地で撮影されています。どこだか気を付けてご覧ください。

戸田:家族であってもそれぞれが大切に思っていることや考えの違いがあることを改めて実感しました。学生さんたちの映画愛にあふれた作品です。是非ご覧ください。

 


◎監督『YUI』・『UMI』:熊切 和嘉、『MONOS』:金田 敬  
◎脚本『YUI』: 三田村 裕真(メイソウ家族) 、『MONOS』: 阪上 彰馬(モノス) 、『UMI』: 幸田 遼太朗(UMI)  
◎脚色『YUI』: 菊田 涼乃、『MONOS』: 村岡 楓太、『UMI』: 長瀬 南海  
◎撮影監督:佐々木原 保志 
◎音楽:池永 正二(あらかじめ決められた恋人たちへ)
◎出演
『YUI』:戸田 菜穂、永野 宗典、三浦 理奈、高村 佳偉人 、
『MONOS』:三浦 理奈、秋庭 悠佑、
『UMI』:西岡 奏、木村 了  
◎特別出演 :久保田 磨希、タージン、島田 珠代、真凛、板東 さえか、谷村 美月
配給:日活
製作総指揮:塚本 邦彦  製作統括:田中 光敏
エグゼクティブプロデューサー:濱名 一哉
協賛:大成建設株式会社  日本電設工業株式会社
企画:大阪芸術大学  芸術学部  映像学科  製作吉著作:大阪芸術大学
©︎大阪芸術大学

公式 HP: https://www.osaka-geidai.ac.jp/topics/meisoukazoku
公式 X:@meisou_movie

2025年8月29日(金)~ヒューマントラスト渋谷、テアトル梅田、アップリンク京都、ほか全国順次公開!


(河田 真喜子)

 


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累計発行部数 150 万部超え、「恋は雨上がりのように」の眉月じゅん最新作にして人気漫画「九龍ジェネリックロマンス」(集英社 / ヤングジャンプ連載)がアニメ化に続き、待望の実写映画化!!

本作の舞台となる、かつて香港に存在した美しくも妖しい街“九龍城砦”。その風景を再現するため、狭く雑多な路地裏の商店など、誰もがなぜか懐かしさを感じるような古い街並みを残す台湾にて真夏のロケを敢行。ノスタルジーに溢れる世界で、切ないミステリーと極上のラブロマンスが描かれる。鯨井令子役には、映画『正体』(24)で第 48 回日本アカデミー賞最優秀助演女優賞を受賞した吉岡里帆、工藤発役に『あの花が咲く丘で、君とまた出会えたら』(23)で第 47 回日本アカデミー賞優秀主演男優賞を受賞した水上恒司の配役で W 主演を果たす。巨大製薬会社の社⻑・蛇沼みゆき役に⻯星涼、喫茶店・金魚茶館の店員タオ・グエン役に栁俊太郎、靴屋の店主で令子の親友になる楊明役に乃木坂 46 の梅澤美波、九龍のあらゆる店でアルバイトをしている小黑役に花瀬琴音、蛇沼と行動を共にし、九龍の街を調べるユウロン役にフィガロ・ツェンら豪華俳優陣が集結!


この度、8月14日(木)に「夕涼み試写会」と称し、公開直前イベントを実施いたしました!W主演の吉岡里帆、水上恒司が浴衣姿で登壇!作品の魅力を語るほか、本作の内容にちなみ事前に募集した“恋の悩み”にキャストがアドバイスするコーナーや、大ヒットを記念してスイカ割りに挑戦する企画も!
 


【日時】8月14日(木)18:30〜19:00  ※上映前イベント

【会場】国際フォーラム ホールD7

    (東京都千代田区丸の内3丁目5番1号)

【登壇者】吉岡里帆、水上恒司



kowlongr-0814_yoshioka.jpg九龍の街で働き、先輩社員・工藤に恋をするも、過去の記憶がないことに気づく鯨井令子役の吉岡は「見ていただいてもいいですか?」とくるっと一回転し、金魚がデザインされた浴衣をキュートにお披露目。「TVアニメ『九龍ジェネリックロマンス』で(金魚の)サクセス役の声を担当させていただいている縁で金魚柄にしてみました。そして頭には朝顔、背中にはバラが咲いて…。咲き乱れている人になっています」と照れながら紹介。令子の先輩社員で九龍の街を誰よりも愛しながらも、誰にも言えない過去を抱える工藤発役の水上もくるっと一回転したものの「涼やかではあるけれど、吉岡さんの浴衣姿を見たスタイリストさんから『吉岡さんが華やかだから水上さんが質素に見える』と言われた。いやいやこの浴衣、あなたが持って来たんでしょう(笑)?と。」とぶっちゃけると会場は笑い声に包まれました。


吉岡と水上は初共演吉岡について水上は楽な道を決して選ばず、あえて自分がこれだと思う道を突き進む様は先輩として頼りになるし、素敵だなと思ってずっと見ていました」とリスペクト。吉岡も水上について「青年としての美しさや凛としている繊細な感じが印象的でしたが、一緒に撮影をしていくとどんどん頼りがいのある所を見せてくれた。年齢差はあるけれど前に進む原動力を与えてくれるような。初めは『私がお姉さんとして引っ張っていくぞ!』という気持ちで現場入りしたけれど、結果的には私の方が引っ張ってもらったと思います」と頼りがいある後輩だと称えていた


kowlongr-0814_mizukami.jpg撮影は、かつて香港に存在した“九龍城砦”の風景を再現するため、昨年夏に台湾で行われた。水上は吉岡ら撮影チームをオススメの水餃子屋に連れて行ったというが…。吉岡は「撮影初日にみんなで食べに行って、本当に美味しい水餃子で感動していたら、水上君が真顔で食べていた。どうしたのかな?と思ったら『最初食べた時のような感動はないっすね…』と言っていました。自分で誘ったのに〜(笑)!」と回想。これに水上は「毎日長蛇の列ができるくらいの美味しい店で、僕が初めて台湾に行った時も2、3度行っていて、そこに皆さんをお連れしたものの、真夏の暑さもあったのか僕が色々とマヒしており、無になっていましたね」と理由を説明し、吉岡は「そのリアクションが面白くて。水上君は表裏一体な感じがある人なのかなと。そんな姿が垣間見える瞬間でした」と思い出し笑いだった。
 

恋に悩む鯨井と工藤にちなんで、SNSに寄せられた恋のお悩み相談を実施。

これに吉岡は「悩み相談は聞くけれど、その人がすでに答えを持っている事があるので、答えたところで『…違う』と切り捨てられないか心配です」と苦笑いし、水上も「確かに…。僕らの回答は話半分で聞いてください」と言うものの、いざ悩み相談が始まると想定外の盛り上がりを見せた。


「最近小中の同級生の男の子と頻繁に会ってデートしています。わたしも好きだし、ほぼ確実に向こうも好きだと思うのですが、お相手がなかなか告白してくれません。どうしたら告白してくれるでしょうか?」このお悩みに吉岡が「それは確実に男性側が好きなのかな?」と疑問を呈すると、水上は「好きだと思う。ただその状況に男が甘えているだけ。まさに工藤のように現状に甘んじているので、そこは女性の強さで『おら!』と行かなくちゃ」と女性側からのアプローチを熱弁。これに吉岡が「いやいや水上君、相談内容を聞いていましたか?告られたい派なんですよ?」と意見すると、当の相談者が客席にいる事が判明!会場にはいない意中の男性に向かって、水上は「お前、何をやっているんだ!?(恋は)男が決めないといけない瞬間がある!」、吉岡は「男を見せた方が良いんじゃない?伝えられる時に伝えないと後悔しますよ?」とエールを送っていた。


kowlongr-0814_スイカ割り.jpg令子の大好物として本作に登場するスイカにちなんで、最後は大ヒットを祈願して夏の定番・スイカ割りに挑戦

水上はアイマスク装着で5回回転し、吉岡のアシストを頼りに「行きますよ!」と大きなスイカに見事一撃を喰らわせた。吉岡は「良い振り切りでした」と絶賛するも、クールな水上は割れたスイカを見て「普通に切って食べた方が美味しい」と言い、吉岡から「そんな元も子もない事を言わないで!!」と笑顔を魅せた。最後に水上は「本作はなかなかないミステリーラブロマンスになっているので、どなたでも楽しめるはずです」とPR。吉岡は「映画を観れば、恋とは理屈ではないという気持ちになってもらえるはずです。人を愛するのはその人が目の前にいるからこそできることで、好きな人がいる事、好きだと伝えるチャンスがある事は本当に素敵な事だと思います。映画の世界にどっぷり浸かっていただけたらと思います」と呼び掛けていた。
 


『九龍ジェネリックロマンス』

【STORY】過去を明かせば、想いは消えるー。

懐かしさで溢れる街・九龍城砦の不動産屋で働く鯨井令子は先輩社員の工藤発に恋をしていた。工藤は九龍の街を知り尽くしており、令子をお気に入りの場所に連れ出してくれるが、距離は縮まらないまま。

そんな中、九龍で靴屋を営む楊明、あらゆる店でバイトをする小黒らと意気投合。令子は、九龍でゆっくりと流れる日常にそれなりに満足していた。しかしある日、工藤と立ち寄った金魚茶館の店員タオ・グエンに工藤の恋人と間違われる。さらに、令子は偶然1枚の写真を見つけるのだが、そこには工藤と一緒に自分そっくりの恋人が写っていた。困惑する令子の元に大企業の社長・蛇沼みゆきと謎めいた男ユウロンが現れる。思い出せない過去の記憶、もう 1 人の自分の正体、九龍に隠された秘密。核心に迫る令子は、工藤が抱える切ない過去を知ることになるー。


キャスト:吉岡里帆 水上恒司 
      栁俊太郎 梅澤美波(乃木坂46) 曾少宗(フィガロ・ツェン) 花瀬琴音
                   諏訪太朗 三島ゆたか サヘル・ローズ 
                   関口メンディー 山中 崇 嶋田 久作
      竜星涼
原作:眉月じゅん「九龍ジェネリックロマンス」(集英社「週刊ヤングジャンプ」連載)
監督:池田千尋
脚本:和田清人 池田千尋
音楽:小山絵里奈
主題歌:Kroi「HAZE」(IRORI Records / PONY CANYON INC.)
制作プロダクション: ROBOT
制作協力: さざなみ
企画・配給: バンダイナムコフィルムワークス
©眉月じゅん/集英社・映画「九龍ジェネリックロマンス」製作委員会

原作情報
原作「九龍ジェネリックロマンス」眉月じゅん(集英社「週刊ヤングジャンプ」連載)
単行本1巻〜11巻好評発売中。

︎TVアニメ情報
Blu-ray BOX 全1巻が2025年9月29日(金)に発売!
各種プラットフォームにて全13話配信中!

作品公式サイト&SNS
公式サイト:https://kowloongr.jp/
公式X:https://x.com/kowloongr_jp
公式Instagram:https://www.instagram.com/kowloongr_jp/
 公式TikTok:https://www.tiktok.com/@kowloongr_jp
ハッシュタグ:#九龍ジェネリックロマンス  #九龍GR

2025年 8月29日(金)~全国ロードショー!


(オフィシャル・レポートより)


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ニューヨークで暮らすとあるアジア人夫婦。ある日、息⼦の誘拐事件をきっかけに夫婦が抱える秘密が浮き彫りとなり、崩壊していく家族を描いたヒューマンサスペンス『Dear Stranger/ディア・ストレンジャー』(英題:『Dear Stranger』)が9月12日(金)に公開いたします。


Dear Stranger-pos.jpg主演は、米アカデミー賞で最優秀国際長編映画賞に輝いた『ドライブ・マイ・カー』や、A24製作のシリーズ『Sunny』など国際的な活躍の場を拡げる俳優・西島秀俊。その妻役には、ベルリン国際映画祭の最優秀作品賞を受賞した『薄氷の殺人』や『鵞鳥湖の夜』に出演するなど、人気と実力を兼ね備えた、台湾を代表する国民的女優のグイ・ルンメイ。日本と台湾、それぞれの国を代表する俳優2人が夫婦役で共演します。


監督は、社会問題を鋭くえぐり、予測不可能な展開で観客を魅了する映画監督・真利子哲也。2016年に『ディストラクション・ベイビーズ』 でロカルノ国際映画祭の最優秀新進監督賞を受賞。同作は2022年、『宮本から君へ』 とともにフランスで劇場公開され、好評を博しました。


新作が待ち望まれていた真利子監督の6年ぶりの最新作となる本作は、全世界に向けて各々の文化圏の人々に届く濃密なヒューマンサスペンス。撮影は、多国籍のスタッフが集結し、2024年11月~12月末までオールNYロケを敢行。ブルックリンを中心に、チャイナタウンやハーレム等、リアルなNYの日常を映しています。
 


【日程】 2025年8月5日(火) 16:00 ※上映・観客無し

【場所】 丸の内TOEI① (中央区銀座3丁目2−17)

【登壇者】西島秀俊、グイ・ルンメイ、真利子哲也(敬称略)


<以下、レポート全文>

2025年7月27日に閉館を迎え、すでに営業が終了した丸の内TOEI。本作では主人公が「廃墟」を研究していることから、「廃墟」さながらの会場で会見が行われ、主演の西島秀俊、台湾から来日したグイ・ルンメイ、そして真利子哲也監督が登壇した。


Dear Stranger-8.5bu-西島秀俊様.JPG登場した西島は「力強い作品が完成しました」と堂々たる挨拶をし、監督は「西島さんとルンメイさんと日本でこうして舞台に立てることが嬉しい」と感動を表現。そしてルンメイは「みなさんこんにちは、私はルンメイです、どうぞよろしくお願いします」と流暢な日本語で挨拶をして会場を驚かせた。


本作のオファーを受けた時の印象、出演の決め手について聞かれた西島は「真利子監督のファンだったのでとにかくご一緒したいと思いました。脚本を読んで、文化の衝突や家族の関係の難しさという、今社会が直面している問題、だけど解決方法が見つかっていないというテーマが多く含まれていて、自分自身もこの作品と向き合ってみたいという思いが生まれました」と、本作への強い熱意を明らかにし、ルンメイは「監督からオファーがあった時に光栄に思いました。今回の脚本には、廃墟というモチーフや、人形を用いて登場人物たちの内面を特別な方法で表現しようとしている素晴らしさを感じました。二人は国籍も言葉も違うけれども愛があるから結ばれた。しかしそこには隔たりがあって、どう向き合っていくのか、乗り越えていくのかというところにとても心惹かれてこの作品に参加したいと思いました。」と、二人ともが監督と作品への信頼を示した。


Dear Stranger-8.5bu-真利子哲也監督.JPGさらに、三人は初タッグであったことについて、真利子監督は西島に対して「西島さんは好きな俳優さんだったのでオファーさせていただいたのですが、映画に対する愛情がすごく強いという印象で、信頼できる方だと感じていました。ボロボロになる役が似合う印象があって、言語が何であっても、言葉に頼らず役を生き抜いてくれる印象がありました」と印象を語り、ルンメイに対しても「ルンメイさんも一映画ファンとして映画にご出演されるところを見て、繊細なことができる女優さんであり、強さも持っていらっしゃるのでお願いしたいと思った」と想像しながら、実際に撮影した際には「何事にも感謝して過ごしている方だと思いました。全てのことに献身的で全力でやってくれる、何もかも空っぽで挑んでくれるすごい俳優さんです」と映画ファンとして、監督としての感謝を伝えた。

また、西島のことを「追い込まれてボロボロになる役が似合う」と評する真利子監督だが、本作でも追い込まれていく西島の姿について「共に同年代で、同じように映画を観てきた信頼できる相手ということで、“どこまでいけるか”ということを西島さんと共有できました。信頼関係があったからできたことですが、そもそも英語の脚本なので、最初から追い込んでいる自覚はありましたが…(笑)そういう負担はあるだろうと思っていたので、西島さんともルンメイさんともコミュニケーションは取るように努めましたが、二人とも普通にそれをお芝居として成立させていたのはさすがでした。」と撮影の様子を振り返った。


Dear Stranger-8.5bu-グイ・ルンメイ様.JPGまた西島は共演したルンメイの印象を聞かれると「(ルンメイさんは)アジアを代表する素晴らしい俳優さんだと思います。とにかく全てを作品に投げ出す方で、1ヶ月半の撮影期間中、休みの日も含めて準備を丁寧にやっていらっしゃっていました。こんなにナチュラルに演技をする方がいるんだと感動しました。何度テストや演技をやっても集中力を切らさない方で、改めて自分がどういう演技が、どういう俳優が理想だったのかということを、見つめ直す機会を与えてくださった、本当に素晴らしい俳優さんです」と感謝と尊敬しきり。

それを受けルンメイは「そのようにおっしゃってくださってありがたいです。西島さんとご一緒することはとても光栄なことでした。西島さんはとても落ち着いていて冷静なのですが、心の中には無尽の情熱が渦巻いていると思うんです。例えば、芝居自体は変わっていないんですが、演技やリアクションが毎回微妙に違うんです。西島さんは大きな木で、その下で私は思う存分遊ぶことができる。毎回異なるエネルギーを受けさせていただいて、俳優として共演ができることはとても幸せです。だから私は準備を万全にして、現場ではエネルギーを浴びながら自由に演技させていただいたんです」と西島の俳優としての度量を褒め称えた。


続いて真利子監督の現場について西島は、「人間の根源的なエネルギー、本能みたいなものを突き詰めていて、それが哲学的に感じる瞬間がありました。監督は、今作では今まで描かれてきた肉体のぶつかり合いや暴力ではなく、社会のようなものにぶつかって向かったんだなと思いました。またもっと先へ進んでいくんだろうなと思います。また現場ではテストを繰り返して全てが揃う形を望んでいるのではなく、常に何か新しく生まれる、生々しい瞬間を捉えようとしていると感じました」と監督との仕事を述懐し、ルンメイは「監督は素晴らしい耳を持っていると思いました。今まで様々な監督とご一緒しましたが、我々が喋っているトーンや体現して成長しているところを監督はどこかでわかっている。“違うやり方でやって”と言われることもあって、その時は私たちの発しているセリフから人間の情感の表現を全部感じ取っている。こういう調整を通して我々の演技を引き出してくれるやり方は新鮮でした」と稀有な存在であったことを語った。


Dear Stranger-8.5bu-ビックカイ.JPG本作が生まれたきっかけを問われた監督はコロナ禍になって世界が一変して、全てが失われて変わった経験をみなさんされていると思うんです。それをきっかけに夫婦を通して『愛』を描きたいと思った」と本作のテーマを語った。さらに本作で描かれる象徴的な廃墟と人形劇に関しては、「様々な場所をロケしながら、西島さん演じる賢治が、廃墟が自分の過去と紐づくことで惹かれていくところに絡めたいと思いました。さらに、滞在時に大きな人形で演じる大人向けの人形劇がカルチャーショックでした。身体的な表現が素晴らしいルンメイさんなので、ぜひ取り入れてみたいと思ったんです」と自身の経験から生まれた設定を明かした。


そして、全編NYロケという撮影に関して西島は「雪が降っているシーンは本当に降っていて、寒さが想像以上でした。皆さんがイメージするNYとは違って、片隅で一生懸命生きる家族の姿、古いチャイナタウンなど、人がかつて生きていた、これからは忘れ去られていくであろう場所でロケをしていたのは非常に印象深いです」と語り、ルンメイは「るつぼのような街。なんでも受け入れるような街だと思いました。でもその反面、人間一人一人が孤独なんだと思います。この夫婦ふたりもそうなんだなと思いました。NYを舞台にして英語を共通語として話しますが、心のコミュニケーションはなかなか取れない、そういう意味でロケーションとしてはピッタリだったと思います。」と振り返った。


さらに、全編ほぼ英語でのセリフを選んだ経緯について真利子監督は「夫婦の中でお互いの思いやりがすれ違ってしまうという関係を描きたくて、その中で第三ヶ国語を入れることによって、その少しのすれ違いを描くのに有効でした。」と明かした。そんな英語での演技について西島は「研究が評価されてNYに呼ばれている役なので、ネイティブである必要がなかったこともありますが、目の前にルンメイさんがナチュラルな感情のままにいてくださったので、現場に入った瞬間に不安はなくなりました。内面に集中してその後に言語がついてくる感じになりましたし、“映画を撮る”という共通言語があってそれは世界中変わらない。みんなが監督をリスペクトして撮影する、同じ方向を向いていたので、改めて海外の企画で様々な国の人が集まることは挑戦のしがいがありましたし、豊かで分かり合える時間が過ごせるんだと思いました」と国境や言語の壁を超えた作品作りがあったことを明かした。ルンメイは「英語の脚本を読んでいたのですが、そもそも日本語からの英訳なので元々の日本語の意味などをお伺いしたんです。日本語はニュアンスが微妙な表現、行間の表現を重んじる表現だと思いますので、監督の本当に言いたかった内容をキャッチして英語の中に溶け込むようにさせていたと思います。」と、言葉の奥深くまで理解をする努力を語った


Dear Stranger-550.jpg最後に監督は「アメリカという地で、西島さんもルンメイさんも素晴らしい演技でやりきってくれました。不思議なことに観る人の立場によって印象が変わる映画なので、観た人と一緒に語り合ってくれると嬉しいです。自分の中でもラストが震える映画になっていますのでどうぞお楽しみください」と語り、ルンメイは「久しぶりの来日で、集まってくださった日本の皆さんに感謝します。本作での二人の関係性において様々な課題、問題を提起して崩れても、結局は愛がある。それぞれの立場から見て感じ取っていただけたらと思います」と伝えた。西島は「過去に囚われてなかなか抜け出せない人、自分が生きていくうえでかけがえのないものが周りから理解されない人、やりたいことと実際の生活のバランスが取れない人。今、懸命に生きている人にぜひ観ていただきたいです。ある人には希望の光に見えるかもしれないし、ある人には何も解決しないように見えるかもしれないけれど、ラストは不思議な爽快感がある映画だと思います。映画の中での登場人物たちも生々しく生きて、困難を乗り越えていきます。ぜひ劇場に足を運んでそんな姿をご覧になって欲しいです。」と締め括った。
 


【物語】

ニューヨークで暮らす日本人の賢治(西島秀俊)と、台湾系アメリカ人の妻ジェーン(グイ・ルンメイ)は、仕事や育児、介護と日常に追われ、余裕のない日々を過ごしていた。ある日、幼い息子が誘拐され、殺人事件へと発展する。悲劇に翻弄される中で、口に出さずにいたお互いの本音や秘密が露呈し、夫婦間の溝が深まっていく。ふたりが目指していたはずの“幸せな家族”は再生できるのか?

【作品情報】
作品タイトル:『Dear Stranger/ディア・ストレンジャー』 (英題:『Dear Stranger』)
公開日:9.12 Fri TOHOシネマズ シャンテほか 全国ロードショー
出演: 西島秀俊 グイ・ルンメイ
監督・脚本:真利子哲也
配給:東映
公式サイト: https://d-stranger.jp/   
公式Xアカウント: @d_stranger_mv   
公式Instagram:@d_stranger_mv

2025年9月12日(金)~ TOHOシネマズ シャンテ、大阪ステーションシティシネマ、なんばパークスシネマ、京都シネマ、シネ・リーブル神戸ほか 全国ロードショー


(オフィシャルレポートより)
 
 
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