「京都」と一致するもの

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アイススケートをメジャースポーツへと押し上げ、さらに芸術の領域にまで昇華させた伝説の五輪フィギュアスケート金メダリスト、ジョン・カリーを追った映画『氷上の王、ジョン・カリー』。5月31日(金)の公開に先駆け、ジャパンプレミアを開催いたしました。


日程:2019年5月9日(木)
場所:新宿ピカデリー(東京都新宿区新宿3丁目15−15)
登壇:町田樹(慶應義塾大学・法政大学非常勤講師)、宮本賢二(振付師)
司会:蒲田健(MC・パーソナリティー)
 



「伝説のスケーター“ジョン・カリー”のノーミス演技は
『ロト6』レベルの確率」 


元フィギュアスケート選手の町田樹さんが9日、新宿ピカデリーで開催された映画『氷上の王、ジョン・カリー』のジャパンプレミアに出席。本編上映後のトークコーナーでは、カリーの魅力はもとより、競技としてだけではない総合芸術としてのフィギュアスケートのあり方や令和に向けてのヴジョンなど、自身の現役時代の経験を交えながら熱く語った。この日は、髙橋大輔さんや羽生結弦さんらトップスケーターの振付師として活躍する宮本賢二も登壇した。


iceking-550.jpg本作は、アイススケートをメジャースポーツへと押し上げ、さらに芸術の領域にまで昇華させた伝説の英国人スケーター、ジョン・カリーの知られざる素顔に迫るドキュメンタリー。アスリートとしてのカリーだけでなく、栄光の裏にあった深い孤独、自ら立ち上げたカンパニーでの新たな挑戦、そして彼を蝕んでゆく病魔AIDSとの闘いを、貴重なパフォーマンス映像と、本人、家族や友人、スケート関係者へのインタビューで明らかにしていく。

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2018年、プロスケーター引退後は研究者の道へ進み、現在、慶應義塾大学・法政大学非常勤講師を務める町田さん。かつて雑誌の連載でカリーを取り上げたことがきっかけで、今回、本作の字幕監修・学術協力として参加することに。「芸術としてのフィギュアスケート作品を考えたときに、彼の名前が頭の中にパッと閃く」というほどカリーに惚れ込んでいる町田さんは、ジュニア時代に初めて優勝した大会もイギリスで行われた『ジョン・カリー・メモリアル』だそうで、「私とカリーの関係はそこから始まっている」とニッコリ。

 

iceking-pos.jpgカリーの伝記を読んで驚嘆したという町田さんは、「1976年のインスブルック冬季五輪で、フィギュアスケート男子シングルの金メダルをノーミスで獲得しているんですが、伝記によると、その前の練習で約1ヶ月間、ずっとノーミスだったそうです。ここまで完璧なまま本番を迎え、そして金メダルを獲るなんて、『LOTO6(ロトシックス)』を当てるくらい難しい。練習に裏打ちされた結果と美、なんですよね」と独特の表現でカリーの凄さを表現した。


また先日、フィギュアスケートの専門雑誌『ワールド・フィギュアスケート』で、「町田樹セレクション・スペシャルアワード」という新たな連載をスタートさせたという町田さん。「独断で勝手に賞を贈る」という企画だそうだが、もしもカリーに贈るとしたら、町田さんは、「ポラリス賞を贈りたい」と発表。その理由として、「ポラリスとは北極星のことなんですが、不動の基点として輝いている人、つまり、カリーはフィギュアスケーターの誰もが目標とすべき指標だと思うんですね。目指すべき人であり、学ぶべき人」と惜しむことなく称賛の言葉を贈った。


iceking-ive-240-2.jpg今年5月1日、ついに新元号「令和」を迎えたが、これからのフィギュアの未来について二人は、さらなる技術の向上を期待する。「4回転半、5回転の時代は間違いなく来るでしょうね。ただ、技術を上げた分、芸術性も上げていかなければならない」と語る宮本さんに対して町田さんは、大いに共感しながらも、「考えなくてはいけないのは、『その技術を使ってあなたは何を表現したいですか?』というところだと思います」と指摘。


さらに、「今後、間違いなくAIが深く関与してくる」と断言する町田さんは、「オリンピック競技になっている以上、勝ち負け、優劣は、客観的でなければならないと思う。ただ、AIが好む演技ばかりしていると、機械的な表現になってしまうので、令和のスターフィギュアスケーターの条件は、『AIに支配されない演技ができること』と言えるんじゃないか」と持論を展開。「もちろん、テクニカルスコア(技術点)などAIが必要な部分もあるので、AIと人間の相互補完的な演技の評価システムを構築していく時代なのかなと思います」と締めくくった。
 


【プロフィール】  

◆町田樹(慶應義塾大学・法政大学非常勤講師)
1990年生まれ。2006年全日本ジュニア選手権優勝。シニア転向後はグランプリシリーズで通算4勝。2014年2月ソチオリンピック出場、団体・個人ともに5位入賞。同年3月の世界選手権では銀メダル獲得。同年12月に選手引退の後は、プロフィギュアスケーターとして自作振付による作品をアイスショーで発表し続けた。2018年10月プロ引退。一方、2015年より早稲田大学大学院スポーツ科学研究科に進学、現在は博士後期課程に在学中。専門はスポーツマネジメント、スポーツ文化論、文化経済学、身体芸術論。2018年4月より慶應義塾大学・法政大学で非常勤講師も務めている。


◆宮本賢二(振付師)
シングルからアイスダンスに転向し、全日本選手権優勝などの数々の栄冠を手にした国内トップクラスのスケーター。2006年に現役を引退してからは、振付師として羽生結弦や髙橋大輔、織田信成、町田樹、エフゲニー・プルシェンコ、荒川静香、安藤美姫、宮原知子などの国内外のトップスケーターの他、様々なアイスショーの振り付けからアニメ『ユーリ!!! on ICE』の作中の振付まで数多くの振り付けを担当。テレビ、新聞等での解説も行っている。

 



映画『氷上の王、ジョン・カリー』


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アイススケートを「スポーツ」から「芸術」へと昇華させた、
伝説の五輪フィギュアスケート金メダリスト、その知られざる光と影。


アイススケートをメジャースポーツへと押し上げ、さらに芸術の領域にまで昇華させた伝説の英国人スケーター、ジョン・カリー。彼はバレエのメソッドを取り入れた演技で、1976年インスブルック冬季五輪フィギュアスケート男子シングルの金メダルを獲得する。しかし、マスコミが真っ先に伝えたのは、表に出るはずのなかった彼のセクシュアリティだった。同性愛が公的にも差別されていた時代に、ゲイであることが公表されたメダリストの存在は、世界中を驚かせ論争を巻き起こす。しかし、彼は華麗な滑りで多くの人を魅了し続け、現在の日本人スケーターにも影響を与えている。


iceking-500-1.jpg映画はアスリートとしてのカリーだけでなく、栄光の裏にあった深い孤独、自ら立ち上げたカンパニーでの新たな挑戦、そして彼を蝕んでゆく病魔AIDSとの闘いを、貴重なパフォーマンス映像と、本人、家族や友人、スケート関係者へのインタビューで明らかにしていく。新たに発掘された、ホームビデオで撮影された彼の最高傑作『ムーンスケート』について監督のジェイムス・エルスキンは「どんなスケートより美しく心を打たれた。これをみて感動を覚えない人はいないだろう」と語っている。


これは、時代に翻弄され不当な扱いを受けながらも、屈することなく高みを目指し、人を遠ざけながらも愛に飢え、滑り、踊り続けた男の物語。



・監督:ジェイムス・エルスキン(『パンターニ/海賊と呼ばれたサイクリスト』)
・出演:ジョン・カリー、ディック・バトン、ロビン・カズンズ、ジョニー・ウィアー、イアン・ロレッロ
・ナレーション:フレディ・フォックス(『パレードへようこそ』『キング・アーサー』)
・(2018年/イギリス/89分/英語/DCP/16:9/原題:The Ice King)
・字幕翻訳:牧野琴子
・字幕監修・学術協力:町田樹
・配給・宣伝:アップリンク
・(c) New Black Films Skating Limited 2018 / (c) 2018 Dogwoof 2018

・公式サイト http://www.uplink.co.jp/iceking/
・公式twitter https://twitter.com/theicekingjp
・公式facebook https://www.facebook.com/TheIceKingJP/

2019年5月31日(金)~新宿ピカデリー、東劇、アップリンク渋谷、アップリンク吉祥寺、シネ・リーブル梅田、なんばパークスシネマ、MOVIX京都、神戸国際松竹 ほか全国順次公開


(オフィシャル・レポートより)

 

 
 
 

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(2019年4月24日(水)リーガ・ロイヤルホテルにて)



「倍賞千恵子&藤竜也+星由里子」豪華俳優映画初共演!

シニア世代に贈る、滑稽なほど不器用な“昭和の夫婦”の愛情物語

 

昭和の高度成長期を猛烈社員・仕事人間として生き抜いてきた夫と、家庭を守ることで夫を支えてきた妻。夫は家に帰っても「風呂」「飯」「寝る」としか言わず、家のことは妻に任せっきりで、妻の話に耳を傾けることもない。だが、子供も巣立ち、夫婦二人だけの生活になってくると、それまで耐えてきたことが苦痛になってくる。本作は、そんなシニア世代の夫婦のひずみによって巻き起こる騒動をコミカルに描きながら、新たな夫婦の在り様をしみじみと感じさせてくれるラブストーリーである。


hatukoi-550-2.jpg結婚50年の70代夫婦に訪れた危機をめぐる物語に、世代を超えて共感するところも多い。メガホンをとったのは、大阪十三を舞台にした映画『かぞくのひけつ』(‘06)で監督デビューを飾った小林聖太郎監督。5月10日(金)の公開を前に、「若い世代にも新たな夫婦像を見出してほしい」という小林監督にお話を伺った。
 



国民的映画『男はつらいよ』シリーズ、“寅さんの妹・さくら”でお馴染みの倍賞千恵子が久しぶりの映画主演で、藤竜也演じる亭主関白の夫・勝にかいがいしく尽くす妻の有喜子を愛らしく演じている。編み物しながら韓流ドラマ見て、愛猫のチビとお喋りするのが一番の楽しみ。ところが、ある日チビが居なくなったことで、長年連れ添った夫との関係にヒビが入る。意外にも映画初共演という二人は自宅がご近所という親しい間柄だが、撮影中はヒビの入った夫婦らしく距離を置いていたという。


――お二人の役作りについて?
実際の倍賞さんも藤さんも77歳とは思えないほどお若い。そのため、藤さんは角刈りに、倍賞さんにも役柄に合わせてメイクアップではなくダウンしています。

藤さんは初め脚本を読んだ時に「今どき、こんな人居ないんじゃないの?」と思って地元の友人たちに聞いて回ったら、「いやいや、もっと酷い夫もいるよ!」といっぱい具体例を聞かされて驚いたそうです。倍賞さんとは、私的すぎて取材では言えないような夫婦や男女のことについていろいろお話しました。


hatukoi-500-2.jpg――「倍賞さんが可愛らしすぎてつい優しくしてしまって、監督にNG出された」と藤竜也さんが仰ってましたが?
はい。優しくなった時、それから逆に、勝が不器用を通り越して無神経になったと感じた時に、その都度、少しずつ修正しながら演出しました。加減を見極めるのも監督の仕事ですから。


――作品のどこに重点をおいたのですか?
言葉のコミュニケーションが大事だ、ということでしょうか。有喜子が、「私がどんな思いをしてきたか、お父さんわかりますか!」というセリフがありますが、ずっと我慢してきているので、実はネガティブなことをあまり夫に言ってないのです。自分で抑え込まずに、もっとイヤなことはイヤとお互い言えるようだったら、危機は回避できたんじゃないかな、とも思います。


hatukoi-500-6.jpg――『若大将』シリーズの星由里子さんが、夫・勝が密かに会う女・志津子の役で出演されていますね?
映画ファンにとっては何とも豪華な顔ぶれでしょう。撮影終了2か月後の星由里子さんの訃報に本当に驚きました。撮影中はまったく不調を感じさせず、打ち上げに風邪をひいて出席できないというお電話を頂いたのが最後でした。

――勝の話に無邪気に笑って耳を傾けていたお姿がとても印象的でしたね。
       西炯子原作の同名漫画は30代女性にも人気がありますが、その世代を意識しましたか?

特にその世代に向けた何かを意識してはいませんが、有喜子さんと世代は違っても彼女の孤独には共感できるんじゃないでしょうか。あるいは共感ではなく、そんな母親にいら立ちを覚えている末娘・菜穂子(市川実日子)に気持ちを乗せられるかなと思っています。

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「この映画をどういう風に見てもらえるかな」と脚本の段階でぼんやりと考えていたのですが、長期間パートナーシップを維持してきた人、特に女性に最も共感してもらえる映画になるだろうと思いました。そして、男性優位社会や家父長制に少なからぬ違和感を持ってきた人たち。人は所属する組織や血縁・家族などに縛られず、自分のしたいようにすることを認められるべきだ、というようなことを、そう思っていてもなかなか表明できない人たちに届けて、その背中を押すことにつながればいいな、と。もちろんそんなことは全く思わず、ただ良かったわ、とか、猫可愛かったわ、と思ってもらえれば充分ではありますが……。


――今の若い世代の男性は家事を手伝うことにあまり抵抗がないようですが?
「手伝う」というのは他人ごとのようでおかしいと思います。普通に家事を分担してやっているだけです。家事をしない世の夫たちを再教育するためにもこの映画を観てもらって、「そのままやと、こんな未来が待ってるよ~!」と警鐘を鳴らせればいいかな?(笑)


hatukoi-500-1.jpg――猫が拠り所という、お茶の間の造形は?
プロフェッショナルなスタッフが脚本を頼りに美術や小道具なども頑張ってくれました。中でも、初仕事が『男はつらいよ』シリーズだった装飾の高橋光さんは、「倍賞さんとまた一緒に仕事ができる!」と、とても丁寧に作って下さいました。「編み物が好き」を軸にして、どういう年月を経て生活してきたかを、そこに座ればその人たちの生活が見えてくる、そんな家庭的な雰囲気もよく出ていたと思います。


――シニア世代を題材にした映画が増えてきたことについて?
増えているという実感はあまりないですが、もしそうだとすると、悪いことではないと思います。少なくとも高校生の色恋モノしかないよりは。他の映画がどうであるかはともかく、『チビ』は、初めに準備稿を読んだ時から名前の通り小さいけれども可愛らしい話になるのではないかなと思いました。これからも特に世代に拘らずに作品を撮っていきたいと思っています。いろんな世代の方にこの映画を観て語り合って頂ければ嬉しいです。
 



【小林聖太郎監督 プロフィール】
 1971 年 3 月 3 日生まれ、大阪府出身。大学卒業後、ジャーナリスト今井一の助手を経て、映画監督・原一男主宰「CINEMA 塾」に第一期生として参加。原一男のほか、中江裕司、行定勲、井筒和幸など多くの監督のもとで助監督として経験を積み、06 年『かぞくのひけつ』で監督デビュー。同作で第 47 回日本映画監督協会新人賞、新藤兼人賞を受賞。11 年公開の『毎日かあさん』では第 14 回上海国際映画祭アジア新人賞部門で作品賞を受賞した。その他の監督作は『マエストロ!」(15)、『破門 ふたりのヤクビョーガミ』(17)など。

 



◆出演:倍賞千恵子、藤 竜也、市川実日子、星由里子、佐藤流司
◆監督:小林聖太郎
◆原作:西炯子「お父さん、チビがいなくなりました」(小学館フラワーコミックα刊)
◆脚本:本調有香   
◆配給:クロックワークス 
◆© 2019 西炯子・小学館/「お父さん、チビがいなくなりました」製作委員会

シネルフレ作品紹介⇒ こちら
公式サイト:http://chibi-movie.com/

2019年5月10日(金)~梅田ブルク7、なんばパークスシネマ、MOVIX京都、神戸国際松竹 他全国ロードショー



(河田 真喜子)

 

 
 
 

 

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(2019年4月28日(日)テアトル梅田にて)

ゲスト:今泉力哉監督、畳野彩加さん(Homecomings) 福富優樹さん(Homecomings)


 

一途に“好き”を邁進する、非モテ系女子の可笑しみと切なさと

 

好きな男に呼び出されれば、昼夜を問わず、仕事も何もかも放り出してスッ飛んで行く。それでも恩着せがましいことは言わない。必死で「特別な彼女になりたい!」と思いつつも、執着心を見せずにさりげなく尽くす。いくらツンデレにされようが、拒否されようが、他の彼女を紹介されようが、それでも諦めきれない。テルコは今日もマモちゃんのために生きるのだ。


aigananda-pos.jpg直木賞作家の角田光代が 2006 年に発表した「愛がなんだ」を基にした、一方通行でも恋に邁進するテルコの恋する日々を、今までにない視点で描いた“実録・片思い作戦”風のラブストーリーに、男女問わず共感すること必至。テルコを演じるのは、本作が主演二作目となる岸井ゆきの。素朴な童顔ながら少女から悪女まで演じ分ける演技派として人気急上昇の若手女優である。テルコが恋焦がれるマモちゃんを演じるのは、出演作の絶えない人気俳優の成田凌(5月31日にも『さよならくちびる』の公開を控えている)。テルコを都合よく扱いながらも“心ここにあらず”の無神経男ぶりがまたカワイイ。(そう感じた人はテルコに近いかも?)


4月19日(金)に公開されて以来、若い世代を中心に注目を集め、その大ヒット御礼として2週目に入った4月28日(日)に、大阪では平成最後となる舞台挨拶が開催された。今泉力哉監督をはじめ、主題歌を担当したHomecomingsの畳野彩加さんと福富優樹さんが登壇。上映後に3人によるトークと、Homecomingsによる主題歌が演奏され、満員の観客は一段と大きな感動と余韻に浸ることができた。

以下はトークの模様をお伝えします。(敬称略)



aigananda-bu-I-240-1.jpg――大阪では平成最後の舞台挨拶ですが?
今泉監督:平成もあっという間ですね。まだ令和を迎えられる準備ができていませんが。

福富:元号が切り替わるのは始めてなので、特別な思いはまだないですね。


――Homecomingsに曲を依頼された経緯は?
今泉監督:東京で行きつけのお店の人に勧められてHomecomingsを聞いていました。劇中歌とかいつかお願いしたいなと思っていたところ、今回プロデューサーと相談して主題歌をお願いすることになりました。Homecomingsは、映画とコラボしたイベントもやっていて、是非映画好きの人に主題歌を作ってほしいと思いました。

福富:元々『サッドティー』が好きな作品だったので、本決まりの前のふんわりオファーの段階で、『サッドティー』を見直したり、原作を読んだりして準備する期間がありました。是非やりたかったので、本決まりになってとても嬉しかったです。本編を観て曲作りに入りました。《東京国際映画祭2018》での上映ではエンドロールは無音だったので、それでイメージが湧いてきました。


aigananda-bu-500-1.jpg――作品を観てからの曲作りはどのように?
福富:作詞は僕で、作曲は畳野さんです。この作品は観る人によって共感するキャラクターが違うのかなと思ったので、皆がそれぞれ自分のことを歌っているんだなと思ってもらえるように作詞しました。

畳野:Homecomingsの4人のメンバー皆がそうなんですけど、サウンドトラックを集めるのが好きなものですから、今回主題歌を提供することになってとっても嬉しかったです。歌詞ができてから曲を付けるのですが、観終わってから余韻に浸ってもらえるような曲にしたいと思いました。


aigananda-500-3.jpg――曲ができてからの作品の印象は変わってきましたか?
今泉監督:主題歌は作品にとって相当大事なもので、どんな曲が仕上がってくるのかとても楽しみにしていました。以前からHomecomingsの曲は知っていましたが、仕上がった曲がとても良かったので、「間違いなかったな!」と安心しました。特に、テルコだけの曲とか誰かに限定した曲ではないところが良かったですね。


――本作の中で好きなシーンは?
福富:ナカハラ君が餃子を食べるシーン。この映画は食べるシーンが多いのですが、食べながらお喋りをするシーンが印象的です。

畳野:私もそのシーンが好きですが、テルコとマモちゃんが明け方に居酒屋から出てくるシーンも好きです。

今泉監督:あのシーンは、実際明け方に撮ったのですが、朝3時からスタンバイしていたのに、そのうち雨が降ってきちゃって(笑)、でも、その雨のお陰で綺麗なシーンが撮れました。


aigananda-bu-F-240-1.jpg――(観客からの質問)自分に近いと思えるキャラクターは誰ですか?
福富:僕はマモちゃんかな?(笑)でも、共感したのはナカハラ君です。恋焦がれる、ぼんやりと追いかけるような存在なのかな…。

畳野:大学生の頃の私は葉子かな(笑)。人の気持ちを考えられず、周りを巻き込んで迷惑を掛けていたような気がします。

福富:(高校の時からの同級生だという)確かに…(笑)。でも告白したことはないよね?

畳野:ありますよ!今は葉子ではないけど…。

今泉監督:私はどれにも当てはまらないです。男女入れ替われるキャラクターたちですし、諦められるか、どうか?これっという人物はいませんね。そこまで恋焦がれるテルコがとても羨ましいと思いました。会社の同僚の女子が「仕事を辞めるほど好きになれて羨ましい」と言うセリフがあります。テルコは決して褒められるべき女性ではないのですが、誰か一人だけでもテルコを肯定できる人を登場させたかったのです。


最後に、Homecomingsの畳野彩加さんにより、主題歌「CAKES」が歌われた。

 

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aigananda-500-4.jpgテルコの親友・葉子とナカハラ君の関係は、テルコとマモちゃんの逆バージョンで、ナカハラ君の情けないほどの純情がせつない。最後にナカハラ君が見せた男らしさに、「ありえない相手!」とずっとナカハラ君を軽視していた葉子の心が動く辺りが、また可笑しい!――果たして、テルコの恋の行方はどうなることやら……?
 



Homecomings】
福富優樹(Gt.)、福田穂那美(Ba./Cho)、畳野彩加(Vo./Gt.)、石田成美(Dr./Cho) 京都を拠点に活動する 4 ピース・バンド。

The Pains of Being Pure at Heart / Mac DeMarco / Julien Baker / Norman Blake(Teenage Fanclub)といった海外アーティス トとの共演、3度に渡る「FUJI ROCK FESTIVAL」への出演など、2012年の結成から精力的 に活動を展開。 2016 年 2nd フルアルバム『SALE OF BROKEN DREAMS』、2017 年に 5 曲入り EP 『SYMPHONY』をリリース。同年新たなイベント「 New Neighbors」をスタート、 Homecomings のアートワークを手掛けるイラストレーター”サヌキナオヤ”氏との共同企画で彼 女たちがセレクトした映画の上映とアコースティックライブを映画館で行っている。

 



【監督】:今泉力哉 (『サッドティー』『パンとバスと2度目のハツコイ』)
【出演】:岸井ゆきの  成田凌  深川麻衣 若葉竜也 穂志もえか 中島 歩  片岡礼子 筒井真理子/江口のりこ 
【配給】:エレファントハウス  2019年/日本/123分/ヨーロピアンビスタ
 © 2019 映画「愛がなんだ」製作委員会
【公式サイト】http://aigananda.com/

4月19日(金)~テアトル梅田/なんばパークスシネマ/シネ・リーブル神戸、 4月20 日(土)~京都シネマ にて公開中


(河田 真喜子)

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​凄惨な児童虐待事件が頻発している昨今、社会情勢を喚起させる映画


『こどもしょくどう』

・原作・脚本:足立 紳
・監督:日向寺太郎
・出演:藤本哉汰、鈴木梨央、浅川 蓮、吉川 凜、常盤孝子、吉岡秀隆
2019年4月5日(金)~テアトル梅田、4月12日(金)~神戸国際松竹、4月20日(土)~京都シネマ
公式サイト⇒ https://kodomoshokudo.pal-ep.com/
・(C)2018「こどもしょくどう」製作委員会

 

トシのせいか、社会事件には鈍感になりつつあるが、この虐待オヤジの所業には震えがきた。到底許せるものではない。こんな絶望的な状況の中、映画はかつてのように、すさんだ社会情勢に一石を投じることが出来るか、興味深い。


kodomoshokudou-500-3.jpg映画「こどもしょくどう」は、一見豊かに見える日本の社会をえぐって見せる。小学5年生の高野ユウト(藤本哉汰)は食堂を営む両親(吉岡秀隆、常盤貴子)や妹と穏やかに暮らしていた。その一方、ユウトの幼なじみのタカシは育児放棄の家庭でユウトも両親もタカシを心配し、夕食を振る舞っていた。


ある日、ユウトとタカシは河原で父親と車中生活をしている姉妹に出会い、かわいそうな姉妹の姿にユウトは両親に「2人にも食事を出してほしい」と頼む。妹は「温かいごはん」を素直に喜ぶが、姉のミチル(鈴木梨央)は他人を拒否しているように見えた…。


kodomoshokudou-500-1.jpgユウト少年は先頭に立っていじめ組を止めたりしない。さほど目立つことなく、両親の食堂で食事を振る舞う。さりげない行為にユウト少年の「精一杯」が見える。彼はヒーローにはほど遠い“フツーの子”どもだった。


車中生活をする姉妹の父親があるときからいなくなり、2人の“棲み家”の車が不良少年たちに破壊される。2人は住む場所を奪われ、行き場所もなくしてしまう…。ユウトたちはもはや為すすべもなかった。


kodomoshokudou-di-1.jpg2008年作品「火垂るの墓」で知られる日向寺監督は映画は「二つの流れで描きたかった。ひとつは“子供の視点”、もうひとつはこどもしょくどうが出来るまでの“いい大人たち”の話。面白い話ではない」という。


監督は「背景には社会や世間の無関心がある」と指摘する。さらに「大人と子どもは合わせ鏡。両親もユウトのように決断出来るものでない。“社会”に共同体がなくなっている時代。虐待行為を止める親やご近所もいない。虐待を止めることが出来なくなっている土壌がある」。


殺人にまで及んだ虐待オヤジに比べたらこの映画は“まだまし”に見える。父親不在でも、オンボロ車でも住む場所があるだけでもいいかも知れない。だが保護責任者が「責任を放棄する」という大人の無責任に大差はなく、同じ最悪の結果になってもおかしくない。


kodomoshokudou-pos.jpg「おなかをすかせているこどもに食事を与える」実に基本的、素朴で人間的な心が、ひとつの運動に結びつきつつある。こどもの貧困対策として注目を集めている「こども食堂」。12年初夏から始まり、昨年には2300か所を超え、さらに広がひつつあるという。


食堂は、食材は寄付、調理は地域ボランティア。無料または数百円で食事を提供する。このネットワークにはいくつもの食堂が登録され食材や寄付金、ボランティアの情報が集まり、社会運動の頼もしいトレンドになっている、という。


映画はこの運動よりやや遅れて企画されたが、満開の時期に合わせたように全国公開される。激しい叫び声や抗議行動よりも、おなかをすかせた子どもたちの空腹感が画面に漲る映画。時の権力者の“虐待防止”の法案以上に、多くの人の心を揺り動かすかも知れない。 


(安永 五郎)

 

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(2019年3月17日シネ・リーブル梅田にて)
ゲスト:坂田 聡(ただし)さん、眼鏡太郎さん、武 正晴 監督

 

「クソ女のままじゃ終われない!」どん底女子アナの起死回生奮闘記!
新境地を見せた夏帆の熱演と、奇祭「御崎祭」の巡行シーンが見所

 

本土最南端の鹿児島県南大隅町を舞台に、どん底女子アナが1300年続く奇祭「御崎祭」の完全復活をはかる起死回生の奮闘記、『きばいやんせ!私』。「頑張れ、私」という意味だが、NHK大河ドラマ「西郷どん」でもお馴染みとなった訛り懐かしい鹿児島の伝統祭の復興と若者の再生を謳った映画である。


kibaiyanse-550.jpg監督は『百円の恋』『嘘八百』『銃』と主人公の変化を深く見つめる作風で評価の高い武正晴監督。主演は『ピンクとグレー』『ビブリア古書堂の事件手帳』『友罪』と、近年清純派からの脱却で演技派女優としての成長著しい夏帆。不倫の果てに左遷された女子アナを思い切りのいい熱演で新境地を見せる。さらに、多くの作品で存在感を示す若手の演技派俳優、太賀岡山天音らと共に、「地方で生きること」「本気で打ち込む熱意」「様々な年齢の人々と協力し合うこと」「何かを成し遂げる歓び」など、身をもって体現してくれる。“ボーっと生きている”若者に、「本気で生きよう!」と呼び掛けているような爽快な感動作である。
 



kibaiyanse-bu-500-1.jpg公開中のシネ・リーブル梅田にて舞台挨拶が開催された。ゲストの武正晴監督と役場の課長役の坂田聡さんの紹介が始まると、客席後方から町長補佐役の眼鏡太郎さんがトランペットを吹きながら入場。映画の終盤でもトランペットを吹いていた眼さんの予定外の飛び込みに、会場は笑いに包まれる。

(以下、敬称略)kibaiyanse-bu-sakata-240-1.jpg



坂田の第一声は、「夏帆じゃなくてすみません!」。眼は「今日は来る予定ではなかったのですが、トランペットを吹くためだけにやって参りました」とご挨拶。


武監督との仕事について聞かれた坂田は「監督は撮影中寝ない人なんです。いつ寝てんだろう?代わりに助監督がどんどんやせ細っていきましたが…」(笑)。普通、現場ではやせ細っていくものだが、今回はモリモリ食べて太っていったとか?「滞在中のホテルに毎晩芋焼酎が次々と出され、主に坂田さんの部屋で飲んでましたね」と眼。坂田も「製作の方々が東京へ帰してくれなくて、ずっと鹿児島で待機してましたので、沢山ご馳走を頂く羽目となりました」。


ダイナミックな祭のシーンの撮影について、武監督は「祭りのシーンは1日で撮ったのですが、山を降りてからのシーンは次の日の撮影でした。実際の祭りと同じ行程を同じ時間をかけて歩いて撮っていきました。車で行けない所はすべて徒歩。あの重たい神輿を担いで、さらに途中降ってきた雨で重くなり、ドロドロになりながら、記憶がないほど大変でした」。


俳優たちの演技については、「実際の祭でもそうなんですが、道中の村々で応援の皆さんが用意して下さったおにぎりなどを食べながら、何とか日が沈む前に最後の神社まで辿り着けました。もう太賀君も天音君もみんなヘロヘロだったので、お疲れ様と言いに行ったら、天音君はもう居ないんですよ!? 祭の撮影が終了してすぐに鹿児島空港へ3時間かけて車をぶっ飛ばして行って、東京へ飛行機で飛んで、東京の舞台挨拶に間に合った!と言ってました。それでもって、翌日の撮影にも間に合うように帰って来たんですよ。ほんと、凄いよね!」


kibaiyanse-500-4.jpg坂田は、「太賀君はあの大きな竿を持って歩いていましたが、僕は全く持てませんでした。ずっと一人で持って行ったんですよ!」と太賀の体力を絶賛。武監督も、「あれができる役者はそうは居ないと思いますよ。地元の人が「跡取りができた!」と、太賀君見て喜んでましたからね」(笑)。

さらに役者魂について、「役者は撮影のためなら何でもできちゃう!トランペットも吹くしね!鹿児島弁も喋るしね!撮影でなきゃやらないですよ!俳優さんは凄いな!」と武監督も絶賛。


神輿を担いで山を下りるシーンについて、眼は「僕は背が低いので、背の高い人に負担をかけてしまって申し訳なかったです」。武監督は「あのシーンを見直すと、坂田さんがムッとしてるんですよ。役場の優しい課長さんが怖い人になってるんですよ」(笑)。「僕の肩にグッとのしかかってきて痛かったんですよ。なのに、眼君は持ってないのに苦しい顔しやがって!」(笑)と、思い出しては眼をからかう坂田。


太賀や坂田は鹿児島弁を完璧にマスターしていたが、山越えのシーンでは、つい標準語が出てしまったことについて、「いや~演じてられない位、危険な状態でしたから~」と緊迫した撮影時を振り返る坂田。


kibaiyanse-bu-500-2.jpg1300年の歴史ある奇祭「御崎祭」について、「あの坂は映像で見るより急勾配でして、なんであんな所を神輿担いで通らなきゃいけないのか?」と武監督。「それを1300年もやってる訳ですからね、伝統とはいえ凄いですよね」と坂田が歴史の重みを強調。「道にある岩石も、人の足を乗せやすいような形状になっていて、歴史を感じさせますよね。雨が降ろうが雪が降ろうが続けて来られた訳ですから。撮影時にも雨が降らないかな~と思っていたら降ってきたり、晴れてほしいシーンでは晴れてきたりと、何だか見守られている感じがしましたね」とラッキーだったと撮影時を振り返る武監督。


そして最後のご挨拶で、武監督は「お神輿、お祭とか伝統映画のようなイメージがありますが、若者たちが仕事や働くことについて自分自身を見つめ直していくという物語にもなっておりますので、多くの方に勧めて頂ければと嬉しいです。そして、本土最南端の南大隅町の人々の力強い大らかな笑顔を胸に秘めてお帰り頂ければ幸いです。この作品を末永く大事にして頂けますようお願いいたします。今日はどうもありがとうございました」と最後を締めくくった。


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『きばいやんせ!私』

【STORY】
不倫スキャンダルで叩かれやる気を失った女子アナの児島貴子(夏帆)は、全国の奇祭を紹介する番組制作のため、九州本島最南端の町、南大隅町を訪れる。そこはかつて父と共に子供時代の一年を過ごした町でもあった。父親と共に畜産業をしている太郎(太賀)や、家業のホテルを継いだドケチの洋平(岡山天音)はかつての同級生。廃れ行く祭の復興を巡って町の人々と対立する貴子だったが、彼らの協力もあり、昔ながらの祭に挑戦することになる。


若い担ぎ手のいなくなった現代では、20㎞の距離を人力で神輿行列を敢行するのは至難の業で、一部車を利用していた。だがそれではテレビ的に絵にならない上に、伝統ある祭の継承に誇りが感じられない!と貴子が高飛車な発言をしてしまい、「このぐぁんたれが!」(この馬鹿もんが!)と御崎祭奉賛会の会長(伊吹吾郎)の怒りを買う。完全なる祭の催行を巡る対立や、子供時代の思い出は、思いがけなく貴子が忘れていた仕事への熱意を呼び覚ますことになる。「クソ女のままじゃ終われない!」、どん底女子アナの起死回生は果たせるのか?
 

・監督:武 正晴
・原作:足立 紳「きばいやんせ!私」(双葉社刊 著:工藤晋)
・出演:夏帆、太賀、岡山天音、坂田 聡、眼鏡太郎、宇野祥平、鶴見辰吾、伊吹五郎
・配給:アイエス・フィールド/2018/日本/116 分
・(C)2018「きばいやんせ!私」製作委員会
公式サイト: http://kibaiyanse.net/

・シネ・リーブル梅田、イオンシネマ京都桂川、布施ラインシネマ、にて絶賛上映中!


(河田 真喜子)

 
 

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3 月 8 日(⾦)18 時 30 分から⼤阪市北区の阪急うめだホールにて、第 14 回⼤阪アジアン映画祭(OAFF)のオ ープニング・セレモニーと、オープニング作品である日本映画『嵐電』の世界初上映が⾏われた。

オープニング・セレモニーでは、『嵐電』の鈴⽊卓爾監督、出演の井浦新さん、⼤⻄礼芳さん、⾦井浩⼈さん、 特集企画<ニューアクション!アジア>『群山:鵞鳥を咏う』のチャン・リュル監督、特集企画<Special Focus on Hong Kong 2019>『⼥は⼥である』のメイジー・グーシー・シュン監督、ミミ・ウォンプロデューサー、主演の トモ・ケリーさん、インディ・フォーラム部門『ココロ、オドル』の岸本司監督、主演の尚玄さん、同部門『WHOLE』 の川添ビイラル監督、出演の川添ウスマンさん、海・星野・サンディーさん、特別招待作品部門『ピア〜まちをつ なぐもの〜』の綾部真弥監督、同部門『いつか、どこかで』のリム・カーワイ監督、コンペティション部門『浜辺 のゲーム』に出演の⼤塚奈々穂さんが登壇。

登壇者を代表して『群山:鵞鳥を咏う』のチャン・リュル監督から「今回、初めて⼤阪を訪問しました。この 10 年間はアジアフォーカス・福岡国際映画祭に来ていました。皆さんが私の映画を気に⼊ってくだされば、私はこれ から⼤阪に 10 年、通うつもりです。映画祭の期間中、たくさんの喜びと楽しみと幸せな時間を過ごしてください」 と挨拶があった。 

 

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引き続き⾏われたオープニング上映『嵐電』の舞台挨拶では、出演の⽯⽥健太さん、窪瀬環さん、福本純⾥さん、 川島千京さん、町⽥愛さん、若井志門さん、上原優⼈さん、早川聡さん、および⾳楽のあがた森魚さんも登壇し、 チーム『嵐電』で舞台が“満員”に。

京都・嵐山を⾛る市街電⾞、通称“嵐電”を舞台に、3組の各年代に分かれたラ ブストーリーが展開するこの作品。 鈴⽊監督は、「⻄日本にあまり縁のない⼈⽣だったので、⼤阪アジアン映画祭のオープニングに⽴っているとい うことにかなり驚いています」と最初に挨拶した後、「(僕のように)京都の外からやってきた⼈間と、京都の中 にいる⼈が出会い、何が⽣まれるのかを描いたラブストーリーです。皆さんに、もっとニコニコしていただきたい という思いでつくりました」と作品への思いを語りました。

東京から京都にやってきた役者を演じた⾦井浩⼈さんは、「現実の中に突如ファンタジーが出てくるのですが、 台本を読んだ時も物語として気持ちよく⼊ることができましたし、観客の皆さんにもそう感じてもらえるのではな いかと思います。近くや遠くにいる誰かを思いたくなるような映画です」と作品について語りました。 ⾦井さんの相⼿役となる、嵐電沿線在住の⼥性を演じた⼤⻄礼芳さんは、「(京都造形芸術)⼤学時代4年間を京 都で過ごし、あちらこちらにいっぱい思い出がある街で撮影できたので、特別な気持ちになりました。在学中より もこの作品の撮影を終えた時の方が、京都のことを好きになりましたし、皆さんも、もっと京都のことが好きにな ってもらえると思います」と撮影を振り返りました。

そして鎌倉からやってきたノンフィクションライターを演じた井浦新さんは、「これから嵐電の世界を⾃由に楽 しんでいただきたいです」と話した後、「今⼀緒に登壇している両サイドの若者たちは鈴⽊卓爾監督のもとで映画 を学んでいる⽣徒で、この作品に参加しています。彼らと⼀緒にこの映画をやらせてもらえたのが⼀番の宝です」 と語り、登壇者⾃身が役名と名前を順番に紹介し、世界初上映ならではの感動的なシーンとなりました。

最後に鈴⽊監督は「⼤阪アジアン映画祭では日頃なかなか⾒る機会がない映画がたくさん上映されます。きっと 忘れられない記憶、⾃分だけの物語が⽣まれるいい機会になるはずです」と多様な映画を⾒ることの意義についても触れた。

第 14 回⼤阪アジアン映画祭は 3 月 17 日(日)までシネ・リーブル梅⽥(梅⽥)、ABC ホール(福島)などで 51 作(うち、世界初上映 10作、海外初上映6作)を上映。 チケットはチケットぴあでの前売券販売終了後は、各劇場にて順次販売。

⼤阪アジアン映画祭ホームペー ジはコチラ

  

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『映画 少年たち』 オリジナル クリアファイル プレゼント!
 

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■提供: 松竹

■プレゼント数: 3 名様分

■締め切り:2019年3月29日(金)

公式サイト⇒ : http://shonentachi-movie.jp/

                                  表     裏

2019年3月29日(金)~大阪ステーションシティシネマ、なんばパークスシネマ、MOVIX京都、神戸国際松竹 ほか全国ロードショー!



1969年の初演から50年―
伝説として語り継がれる舞台「少年たち」が遂に『映画 少年たち』となってスクリーンに登場!


(3月29日公開)ジャニー喜多川が手がけた舞台の初映像化にして初の映画総指揮作品です。心に深い傷を持ち、それぞれの事情を抱えて少年刑務所に収監された少年たちー。若さゆえに生まれる抵抗、悩み、葛藤が描き出されたストーリーが、オリジナル楽曲とダンスに乗せて描かれる日本発のミュージカル・エンターテイメントです!! 

出演はジャニーズJr.のSixTONES(ジェシー、京本大我、髙地優吾、松村北斗、森本慎太郎、田中樹)、人気・実力を兼ねそなえるSnow Man(岩本照、深澤辰哉、渡辺翔太、阿部亮平、宮舘涼太、佐久間大介)、人気急上昇のなにわ男子(西畑大吾)・ 関西ジャニーズJr.

(向井康二※1、室龍太、正門良規、小島健)というタッグ。 更に、関ジャニ∞の横山 裕、A.B.C-Zの戸塚祥太らが出演し、脇を固めます。メガホンを取ったのは『超高速!参勤交代』シリーズや、『空飛ぶタイヤ』を大ヒットさせた本木克英監督。メインのロケ地は、舞台「少年たち」のセットの元となった、明治時代に建築された「五大監獄」のひとつで重要文化財に指定されている旧奈良監獄。関係者の協力を得て、2018年の2月、7月と同地での撮影を敢行、映画ならではのリアリティと空気感を追及。ジャニー喜多川製作総指揮の下、「舞台とは一線を画した映像化」を目指し、構想を重ねた本作。初演から50年となる半世紀を経て、満を持しての初映画化となります。時代に寄り添い、姿を変えてきた

「少年たち」が、新たに映画というメディアを得てどう変わっていくのか、今年の話題をさらうことは間違いありません。どうぞご期待下さい!


『映画 少年たち』

【物語】
2012年、とある少年刑務所。ここは犯罪に手を染めた少年たちがそれぞれの事情を抱えて収監される場所。刑務所内にはいくつかの房がある。赤房と青房の少年たちは互いをライバル視して喧嘩を繰り返し、黒房はそれを面白がって傍観している。常に監視され抑圧された刑務所ではあるが、それでもシャバよりはましだ。ある日、刑務所に一人の新入りがやってくる。身寄りのない彼は誰とも馴染もうとせず、いつも独りぼっちで日記を書いていた。そんな頃、新しい看守長が赴任してくる。徹底的にお前たちを鍛えなおす、と高圧的に告げ、少年たちを暴力で支配し始める看守長。以来、地獄のような日々が少年たちを待っていた。新入りは、いじめを受けた自分を庇い、懲罰を受ける同じ雑居房の少年に心を寄せるようになっていく。いつしか二人は親友になり、仲間も増え、夢を語るようになる彼ら。しかし、看守長の圧制はいよいよ厳しさを増し、我慢の限界にきていた少年たちは団結し、密かにある計画を練るが…。


◇出演:ジェシー 京本大我 髙地優吾 松村北斗 森本慎太郎 田中 樹 / SixTONES
 岩本 照 深澤辰哉 渡辺翔太 阿部亮平 宮舘涼太 佐久間大介 / Snow Man
  西畑大吾 / なにわ男子  向井康二※1 室 龍太 正門良規 小島 健 / 関西ジャニーズJr.
  宮近海斗/Travis Japan 大西流星/なにわ男子 嶋﨑斗亜 / 関西ジャニーズJr. 
  中村嶺亜/7  MEN 侍 川﨑皇輝/5忍者
  HiHi Jets 美 少年 7 MEN 侍 5忍者 Jr.SP なにわ男子 関西ジャニーズJr.
  戸塚祥太(A.B.C-Z) 山下リオ 森口瑤子  伊武雅刀  横山 裕

◇製作総指揮:ジャニー喜多川
◇監督:本木克英 脚本:石川勝己 脚本協力:川浪ナミヲ 高見健次 
◇音楽:長谷川雅大 
◇撮影:南野保彦 照明:江川敏則 美術:須江大輔 録音:栗原和弘 松本悟 編集:川瀬功(J.S.E.) 助監督:井上昌典 振付:SANCHE
◇特別協力:法務省 企画協力:ジャニーズ事務所 制作プロダクション:松竹撮影所 配給:松竹
公式サイト⇒ : http://shonentachi-movie.jp/

2019年3月29日(金)~大阪ステーションシティシネマ、なんばパークスシネマ、MOVIX京都、神戸国際松竹 ほか全国ロードショー!


(オフィシャル・リリースより)

 
 
 

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『記者たち~衝撃と畏怖の真実~』試写会プレゼント!

 
■提供:ツイン

■日時:3月19日(火)18:00開場/18:30開映
    (上映時間1時間31分)
■会場:大阪商工会議所(大阪市中央区本町橋2-8)

■プレゼント人数: 3組 6名様

■締切日: 2019年 3月10日(日)

公式サイト: http://reporters-movie.jp/


2019年3月29日(金)~大阪ステーションシティシネマ、シネ・リーブル神戸、3月30日(土)~京都シネマ 他にて全国ロードショー!


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ロブ・ライナー監督作品  字幕監修:池上彰

真実は、誰のためにあるのか。 仕組まれたイラク戦争、

その真相を追い続けた記者たちのゆるぎない信念の物語。


ブッシュ大統領が宣言し、 大手メディアさえも“ある”と報じた「大量破壊兵器」。 ナイト・リッダー社の4人以外は―――


2002 年、ブッシュ大統領はフセイン政権の倒壊を計り、「大量破壊 兵器の保持」を理由にイラク侵攻に踏み切ることを宣言。国中記者 達が、政府の発言を追認するなか、新聞社ナイト・リッダーの記者た ちは、政府内部の匿名情報により、「大統領は嘘と偽造された情報 をもとに戦争を開始する」という、衝撃の真実に辿り着く。

記者たちに は、『スリー・ビルボード』、『ハン・ソロ/スター・ウォーズ・ストーリー』で 注目をあびたウディ・ハレルソン、『X-MEN』のジェームズ・マースデン、 アカデミー賞®俳優のトミー・リー・ジョーンズ。そして、『スタンド・バイ・ミ ー』、『最高の人生の見つけ方』など、大ヒット作を世に送り出したロブ・ライナーが監督兼俳優を務め、記者たちを束ねる支局長 を情熱たっぷりに演じている。ほかキャストには、ミラ・ジョヴォヴィッチ、ジェシカ・ビール。

「イラク戦争開戦時から構想していた」という監督の長年の想いが込められた本作、周囲からの批判と反発があっても、家族や恋 人の大切な明日を守るために、そして無意味な戦争を止めるために、仲間と共に取材を続ける記者たちの姿は、観る者の胸を熱 くする、極上の社会派ドラマが誕生した。 
 


監督:ロブ・ライナー『スタンド・バイ・ミー』、『最高の人生の見つけ方』 
出演:ウディ・ハレルソン、ジェームズ・マースデン、ジェシカ・ビール、ミラ・ジョヴォヴィッチ、ロブ・ライナー、トミー・リー・ジョーンズ他
2017/アメリカ/91 分/日本語字幕:齋藤敦子/字幕監修:池上 彰
原題『SHOCK and AWE』 
© 2017 SHOCK AND AWE PRODUCTIONS, LLC.  ALL RIGHTS RESERVED.  
公式サイト: http://reporters-movie.jp/


2019年3月29日(金)~大阪ステーションシティシネマ、シネ・リーブル神戸、3月30日(土)~京都シネマ 他にて全国ロードショー!


(プレスリリースより)

 

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この度、ドイツ敗戦直前の混乱期に起こった信じがたい実話を映画化した『ちいさな独裁者』の公開を記念いたしまして、 2月10日(日)に、元・読売新聞記者で、映画にも造詣の深い武部好伸さんを迎えましてトークイベントを行います。 他人の軍服をまとった脱走兵が巧妙な嘘で特殊部隊のリーダーに成りあがっていくという、実在の人物に基づいた驚愕の物語を 歴史的背景や映画的視点から、より深くお話しをいただきます。



開催日時:2019年 2月 10日 (日)14:00の回 上映終了後

場所:シネ・リーブル梅田 (梅田スカイビル タワーイースト4F)

★上映終了後のイベントとなりますので、トークイベントは、16:00~16:20を予定しております。

★イベント詳細は、劇場 HP(https://ttcg.jp/cinelibre_umeda/)にてご確認ください。


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映画エッセイスト 武部好伸さん 1954 年、大阪市生まれ。大阪大学文学部美学科卒。元読売新聞大阪本社記者。1995 年 からフリー。映画、ケルト文化、洋酒、大阪をテーマに執筆活動を展開している。日本ペ ンクラブ会員。関西大学非常勤講師。著作に『大阪「映画」事始め』(彩流社 2016)、『ウ イスキー アンド シネマ 2 心も酔わせる名優たち』(淡交社 2017)などがある。

 

 

 


【STORY】 
1945 年 4 月、敗色濃厚のドイツでは戦いに疲弊した兵士たちによる軍規違反が相次いでいた。部隊を脱走して 無人地帯をさまよう兵士ヘロルトは、道ばたに打ち捨てられた軍用車両の中で軍服を発見。それを身にまとって 大尉に成りすました彼は、ヒトラー総統の命令と称する架空の任務をでっち上げるなど言葉巧みな嘘を重ね、道 中出会った兵士たちを次々と服従させていく。かくして“ヘロルト親衛隊”のリーダーとなった若き脱走兵は、強大 な権力の快楽に酔いしれるかのように傲慢な振る舞いをエスカレートさせ、ついにはおぞましい大量殺人へと暴 走し始める……。  


【監督・脚本】:ロベルト・シュヴェンケ (『RED/レッド』『フライトプラン』)
【出演】:マックス・フーバッヒャー、ミラン・ペシェル、フレデリック・ラウ、ベルント・ヘルシャー、ワルデマー・コブス
【配給】:シンカ/アルバトロス・フィルム/STAR CHANNEL MOVIES
(2017 年/ドイツ=フランス=ポーランド/ドイツ語/119 分/カラー)

2019年2月8日(金)より、シネ・リーブル梅田/シネ・リーブル神戸 にてロードショー! 2月9日(土)より、京都シネマ にて

 

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子ども達の命を守る疎開保育園の保母たちに光を当てた感動作

『あの日のオルガン』平松恵美子監督インタビュー

 
太平洋戦争末期、学童の集団疎開は知っていても、小さい子ども達がどうしていたのかに思いを巡らせる人は少ないのではないだろうか。戦火を逃れ、毎日食うにも困る生活の中、後手に回る国の政策に先んじて保育所の疎開を提案し、豊かな感性を文化的に育む努力を続けた保母達がいたという事実を知る人も少ないだろう。かくいう、私もその中の一人だった。
 
53人の子ども達の尊い命を守った疎開保育園の実話を基にした感動作『あの日のオルガン』が、2月22日(金)からなんばパークスシネマ、神戸国際松竹、MOVIX京都他で全国ロードショーされる。『ひまわりと子犬の7日間』の平松恵美子監督が自ら脚本を手がけ、戸越保育所の主任保母、人呼んで「怒りの乙女」の板倉楓(戸田恵梨香)と、ドジばかりだが、子ども達を惹きつける魅力を持つ新任保母、野々宮光枝(大原櫻子)を中心にした保母達の奮闘ぶりをハツラツと映し出す。空襲が激しくなる中、皆で疎開保育園を作り上げ、子ども達を守る勇気と信念は、これから新しい時代を迎えようとしている今、時を超えて観る者に痛切に響くことだろう。
 
本作の平松恵美子監督に、映画化までの道のりや、疎開保育園で奮闘した保母達の魅力、この映画が今公開されることの意味について、話を聞いた。
 

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■現場の保母さんたちが声をあげ、小さい子どもたちの疎開を嘆願した実話、映画化までの長い道のり

―――本作は何度も映画化の話があり、実現するまで相当時間がかかったそうですが、オファーされた時の気持ちや、原作を読んだ時の感想を教えてください。
平松:1982年に出版された原作(「あの日のオルガン 疎開保育園物語」)は映画化を念頭に置いて作られましたが、当時関わっていた企画の鳥居明夫さんたちは、予算面や出演者の子どもを揃えることが難しいと判断し、映画化が一旦白紙になりました。
 
時を経て、2012年、鳥居さんの奥様が保育士であることもあり、小さい子どもたちの置かれている状況が虐待やネグレクトも含めてとても厳しいという現状に目を向けたとき、なんとか子ども達の命に光を当てる作品を作れないかと考えたそうです。そこでかつての原作を思い出し、あるご縁で私の元に原作が届いたのです。私も学童疎開のことは知っていたけれど、保育園の疎開があったことに驚きましたし、トップダウンではなく、現場の保母さんたちが声をあげ、小さい子どもたちの疎開を嘆願したということがすごいと思いました。でも、時代劇と同じぐらいセットや衣装にお金がかかる作品になるので、当時聞いていた予算では厳しい。しかも、小さい子どもがたくさん出てくる作品は大変だなと。その時も資金繰りの問題で映画化は見送られたのですが、私だったらこういう風に映画化したいというプロットを書いていたので、鳥居さんに記念のつもりで差し上げたのです。
 
―――今回は、エグゼクティブ・プロデュサーが李 鳳宇さん(『フラガール』)ですね。
平松:2014年に鳥居さんからお電話で「なんとかできそうです!」と言われ、打ち合わせでお会いしたのが李さんでした。「いい話だと思ったので、これぐらいの予算でやってくれ」と2年前の倍の予算を提示してくださったので、これなら映画化できるかなと。「以前のプロットで大丈夫なので脚本化を進めてほしい」とGOサインがでて、ようやく映画化への第一歩が踏み出せた訳です。
 

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■きちんと怒っている主人公のモデル、畑谷光代さんに魅力を感じて

―――自分なりのプロットを書いておられたとのことですが、脚本を書くにあたって、特に意識した部分、膨らませた部分はありますか?
平松:原作を読んだ時、畑谷光代さんという保母さんに非常に魅力を感じました。彼女は一度怒り出すと、顔が真っ赤になって手がつけられない。所長にも噛み付いて、しょっちゅう議論をしている様子は、はたから見ているとまるで喧嘩をしているようだったそうです。現在を顧みると、間違っていることや不条理なことに対し、きちんと怒ることができなくなっている。ヒステリーからくる暴言ではなく、「これは違うでしょ。どうして、こんなことがまかり通るのか」と怒れる人がだんだん少なくなっている。そして叱られる方も、愛情をもって叱られるということに慣れていない。もちろんパワハラというケースもありますが、そうではない時も全てパワハラ扱いにしてしまう風潮が見られます。そんな中、きちんと「怒っている」人はとても魅力的だなと思ったのです。畑谷さんは(戦争末期に)「学童は疎開させているのに、それ以外の小さな子どもたちを疎開させないのはなぜですか」と怒っています。そこから物語を追いかける形にしました。
 
 
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■新米先生を入り口に、少し風変わりな疎開保育園の世界を見てもらう

―――なるほど、映画もいきなり戸田恵梨香さん演じる保母、楓が怒っているところから始まりますね。
平松:ただ、強い人を話の真ん中に置き、その人がそのまま引っ張っていく物語にすると、単純であまり面白くない。右も左も分からない新米が、強い主人公に叱られたり、翻弄されながら成長していくという形にすると、現代の若い人たちに共感しやすいのではないか。本作で言えば、大原櫻子さんが演じるみっちゃんという新米先生を入り口として、疎開保育園の世界を見ることができるようにしようと考えました。
 
―――楓が光代(みっちゃん)を叱る時に口からでた「あんぽんたん!」は、久しぶりに聞いた言葉だなとうれしくなりました。
平松:実は、現場で急遽脚本を変えたときに考えついた言葉です。「怒りをぶちまけたいのだけれど、どういう言葉でぶちまけたらいいのかというもどかしさの中、つい、子どもを叱りつけるように『あんぽんたん!』と口から出たという風にしてください」と戸田さんにもお願いしました。
 

■戸田恵梨香に伝えたことは「楓の怒りには全て理由がある」

―――楓役を演じるにあたり、戸田さんにリクエストしたことは?
平松:楓は怒ってばかりいるけれど、全て理由があり、一つ一つの怒りが違うということをまず伝えました。ただ怒りっぽいという単純な人物ではなく、もっと深い部分があり、陰影のある人物だということは、言葉を重ねて伝えました。
 
 
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■元々持っている人間らしさや心の豊かさを守りたい 

―――楓が何度も訴えていた「現実的生活より文化的生活」は、戸越保育所の考える保育の根底に流れるキーワードですね。

 

平松:戸越保育所は当時では珍しく民主的な考え方の保育所でした。当時戸越保育所で働いていた保母さんたちは、良家の出身の方が多かったからこそ、自分の理想とするところを子ども達に伝えて育んでいきたいという真っ直ぐな気持ちを持てたと思います。疎開生活はもう少し現実的部分があり、理想ばかり追い求めてはいられません。でも、生きるために必要なことだけでは、動物と同じになってしまう。元々持っている人間らしさや心の豊かさを守りたいし、それを無くすと私たちが疎開をした意味がないという気持ちが常々あったそうです。実際にはお花を飾り、オルガンを弾いて歌を歌うとか、まかないのおとみさんの言葉を借りて言えば、「笑いがある」。そういう小さなことの積み重ねですね。
 
―――楓を中心とした保母たちが、夜な夜なその日起こったことを報告しながら、改善案を出すため喧々諤々するシーンは、笑いを誘う一方、民主的な運営を貫こうとしている姿が感じられます。特にベテランの風格すら漂うどっしりキャラの正子を演じる三浦透子さんが、素晴らしかったです。
平松:結局は、どの会議もうまくいっていないですよね(笑)そこをユーモラスに見せようと思いました。三浦さんは実年齢が若いのに、とても落ち着いて見えるんです。正子は力持ちで男勝りなキャラクターなのですが、三浦さんはとても華奢なので、衣装合わせの際にふと思いついて、「(衣装の)中に肉布団を入れてみようか」。うまくハマりました。普通なら本当にぽっちゃりした人をキャスティングするのですが、終戦直前という時代なので極端な体型の人を起用するというより、人柄から滲み出るものを重視しました。やはり子ども達がたくさん出てくる作品ですから、子ども達と向き合える人でないといけない。そういう部分はオーディションで選ぶときに大切にしました。
 
 
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■大原櫻子自身の真っ直ぐな部分が役に重なりながらも「狙ったらだめだよ」

―――光代演じる大原さんは、子ども達とのシーンが一番多く、オルガンを弾きながら様々な童謡を歌っています。平松監督の中で、印象的なエピソードはありますか?
平松:子ども達と林でチャンバラをしていて転んだ光代の上に子ども達が枯葉をかぶせるというシーンはクランクアップの日に撮ったのですが、大原さんとスタッフが大変でしたね。私はそこを綺麗なシーンにしたかったのですが、撮影は3月だったので枯葉しかなかった。そこでスタッフみんなでクラフト紙に色を塗ってから乾かし、葉の形に切って手で揉んで枯葉を作りました。それでもまだ足りないということで、しまいには色を塗っていないクラフト紙をそのまま使って、撮影所からロケ場所までの移動の車の中でチョキチョキ切っては揉んで、ゴミ袋5杯分くらい作りました。でも子ども達は元々あった枯葉や土までかけてしまうものだから、大原さんも口の中がジャリジャリになりながら頑張っていましたよ。
 
―――光代は、楓にはない子供のような心と素直さを持っています。大原さんご自身と重なる部分もあったのですか?
平松:そうかもしれません。ただ、最初大原さんに「一生懸命やっている中で、少しズレてくるのが楽しかったり、皆を笑わせたり、怒らせたりする。その部分が子ども達に好かれるので、狙ってやろうとしてはだめだよ」という話をしました。大原さん自身が真っ直ぐな人なので、そういう部分が演技にも出ていると思います。
 
 
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■童謡「この道」に、疎開場所と往復する「道」や、人生という「道」を重ねて

―――特にお好きなシーンは?
平松:全てが思い出深いですが、挙げるとすれば、よっちゃん先生(佐久間由衣演じる好子)とみっちゃん先生が自転車で二人乗りしながら「この道」を歌うシーンですね。ここでは二人でハモるようにお願いしました。私なりのこだわりがあったので、二人が歌う部分と、光代がオルガンを弾く部分を、音楽を担当いただいた村松崇継さんに依頼し、譜面に書いていただきました。
 
―――監督のこだわりで、「この道」を重要なシーンに起用した理由は?
平松:映画では「ちーぱっぱ」とか「ころころ」のように子どもらしい元気な歌詞の童謡をたくさん選んでいます。一方で、大人の先生たちが歌うときには、しっとりとしたものがいいなと思いました。「この道」の歌詞は深い意味が内在していますから、何度も疎開場所と東京を往復する道や、人生という道ともかけて選びました。

 

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■昭和時代の人たちの思いを継承しながら、私たちが次の時代へつなげる。

―――平成が終わるタイミングで、長い構想期間を経て『あの日のオルガン』が完成し、いよいよ見ていただくことに、どんな意味を感じますか?
平松:私は保母さん達を本当にリスペクトしています。彼女達が行動したから53人の子ども達が救え、その彼女達が戦後、昭和の保育界をリードする人材となっていきました。また53人の子ども達も昭和の日本の復興を支えた人になっているはずです。そのおかげで、平成という時代を日本はなんとか戦争なく終えることができた。そんな思いを継承しながら、私たちは平成から次の時代へ生きていかなければなりません。昭和の時代から今につながっている物語だと思いますし、ラストシーンもそういう気持ちをうまく表すことできたのではないかと感じています。
 

■疎開保育園も映画づくりも「皆でつくるもの」

―――平松監督は松竹撮影所で山田洋次監督のもとキャリアを積んでこられましたが、今自ら監督する中で、受け継いでいることはありますか?また、若い世代に伝えたいことは?
平松:山田さんの作品を見てから劇場を出るとき、暗い気持ちでは出ないですよね。悲しい場面はあっても最終的には表情が穏やかになる。そういう部分は私も目指したいと思います。映画を見ていただいて、明日も頑張ろうと少しでも思ってもらえたら嬉しいですね。
 
保母さんたちもこれだけの人数がいたから疎開保育園を自分たちの力でやり遂げることができた。映画づくりも同じで色々な意見がある中、皆がいるからやっていける。映画は皆の力を借りなければできませんから、自分だけではないということを大事にしてほしいです。
(江口由美)
 

<作品情報>
『あの日のオルガン』(2018年 日本 119分)
監督・脚本:平松恵美子
原作:久保つぎこ「あの日のオルガン 疎開保育園物語」朝日新聞出版
出演:戸田恵梨香、大原櫻子、佐久間由衣、三浦透子、堀田真由、福地桃子、白石糸、奥村佳恵、夏川結衣、田中直樹、橋爪功 他
2019年2月22日(金)~なんばパークスシネマ、神戸国際松竹、MOVIX京都ほか全国ロードショー
公式サイト: https://anohi-organ.com/
 (C) 2018「あの日のオルガン」製作委員会
 
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