「AI」と一致するもの

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フランスを拠点としながら祖国カンボジアの人々の記憶に迫る作品を撮り続けているリティ・パニュ監督の第66回カンヌ国際映画祭 ある視点部門グランプリ受賞作『消えた画クメール・ルージュの真実』が、9月13日(土)より、十三・第七藝術劇場で公開される。
 
カンボジアで、リティ・パニュ監督自身が幼少期に体験したポル・ポト率いるクメール・ルージュによる虐殺の記憶。一瞬にして華やかな街から人々は虐殺され、生き残った者もクメール・ルージュの支配下で名前を失い、個を配して重労働を強いられる。自身も家族や友人を失い、奇跡的に収容所を脱出して映画監督になったリティ・パニュが、失われたフィルムや写真を発掘するだけでなく、失われた記憶を新たに作り出す試みを本作で行っている。多くの犠牲者が葬られた土から一つ一つ手彫りで作り上げた膨大な数の土人形たちに歴史を重ね、静かな語りによって苦しみながら生き抜こうとしたカンボジアの人々の肖像を浮かび上がらせる。一掘り一掘りに込めた想い、そして詩的にすら感じる語り口から、深い追悼の意も感じられる作品だ。
 

公開初日の9月13日(土)12:15の回終了後、5Fイベントホールにて14:10ごろよりトークショーが開催される。カンボジアでかつて起きたクメール・ルージュの真実について、改めて触れてほしい。
 
トークゲスト
川瀬 慈さん(国立民族博物館・助教)
小林 知さん(京都大学東南アジア研究所准教授)
詳細はコチラ
 
 
『消えた画クメール・ルージュの真実』公式サイト⇒http://www.u-picc.com/kietae/index.html
 

ive-tai-550.jpg『イヴ・サンローラン』主演のピエール・ニネ待望の初来日レポート

(2014年 フランス 1時間46分)
監督:ジャリル・レスペール 
出演:ピエール・ニネ、ギョーム・ガリエンヌ 、シャルロット・ル・ボン、ローラ・スメット、ニコライ・キンスキー 

2014年9月6日(土)~角川シネマ有楽町、新宿武蔵野館、シネ・リーブル梅田、シネ・リーブル神戸、T・ジョイ京都 他全国ロードショー

★作品紹介⇒ こちら
★ジャリル・レスペール監督トークレポートはこちら
★公式サイト⇒ 
http://ysl-movie.jp/
(C)WY productions - SND - Cinefrance 1888 - Herodiade - Umedia


 21世紀フランスを代表するイケメン、ピエール・ニネ待望の初来日! 

世紀の天才デザイナー、イヴ・サンローランを完璧に演じ、美貌と実力を兼ね備えたスターの誕生にヨーロッパが騒然!

 

ive-pos.jpg揺るぎなき地位を築いた一流ブランドの創始者にして、世界で最も有名な伝説のファッションデザイナー、イヴ・サンローラン。彼の輝かしいキャリアと人生の、その光と影を描いた感動作『イヴ・サンローラン』は、今年1月本国フランスで公開するや、アカデミー賞を賑わせた『ゼロ・グラビティ』や『あなたを抱きしめるまで』を抜いて、初登場NO.1の大ヒットを記録しました。その主役となったのが、完璧な演技でイヴ・サンローランになりきったピエール・ニネです。

また、本作はイヴ・サンローラン財団所有のアーカイブ衣装の貸し出しの許可も得て制作された、ブランド初公認の本格伝記映画としても話題となっております。

サンローラン役に抜擢されたのは、国立劇団コメディ・フランセーズ在籍のピエール・ニネ。卓越した演技力で酷似した容姿と繊細なキャラクターを見事に再現し、フランスの全国民を圧倒させました。目を見張る演技力にプラスして美しい容姿をもつ彼の人気は沸騰し、いまや大スターに!日本の女性誌もこぞって取り上げるなど、いま最も注目を浴びている若手俳優です。

この度、日本初来日になるピエール・ニネを囲み、サロン会見を開催致しました。超満員のマスコミの熱気に感動したピエール・ニネは「監督に、こんなにたくさん取材に来てくれたよ!と写真を送りたいので、皆さんの写真を撮ってもいいですか?」と25歳らしい無邪気な面もみせ、場を和ませる一面も。多くの質問が飛び交い。会見は予定の1時間をオーバーし、大盛況の中終了致しました。



【イヴ・サンローラン』 ピエール・ニネ サロン会見 概要】

 実施日:2014年8月8日(金) 14:20~
会場:ザ・ペニンシュラ東京(東京都千代田区有楽町1-8-1)
登壇者:ピエール・ニネ


 【サロン会見 内容】

ive-tai-1.jpg■ピエール・ニネからの挨拶
「皆さん今日はお集まりいただいてありがとうございます。この映画に皆さんが興味を持ってくださってとても嬉しいです。世界中をプロモーションで回りましたが、僕にとっても日本は大切で、美しいものについての美学がある国だと思いますが、生前のイヴ・サンローランが愛した国でもありました。今日はよろしくお願いします」

 

■初来日の日本の印象は?
「日本の人たちは互いを重んじて、リスペクトする国、礼儀正しい国だと聞いていたのですが実際に来てみると、本当にそうで、皆さんのふるまいにエレガンスがあって感動しました。サンローランにとってもエレガンスはテーマでしたが、日本にもそれを感じます。僕はしばらく東京に滞在してあと、日本の伝統も見てみたいと思っていますので、京都に行きます」

 

ive-tai-3.png■イヴ・サンローラン役を演じたきっかけは?
「僕にとって思いもよらないオファーだったんです。僕はコメディ・フランセーズに所属しているのですが、パリで舞台の稽古中にジャリル・レスペール監督から電話が来て、ビールを飲まないかと誘われてかけて行ったら、『世紀のラブストーリー、世紀のクリエイションについての映画を撮る、イヴ・サンローランの映画を撮るんだ』と言うので、僕はもちろんすぐに出演をお受けして、『ところで僕は誰を演じるの?』 と聞いたら『イヴ・サンローランだ!』と。こんなに伝説的で鮮烈で魅惑的な役のオファーがあることはないので、自分はとても幸運だと思いました。そして準備することがたくさんあったので、すぐに準備に入ることになりました」

 
 

■映画の世界的ヒットについてはどう思いますか?
「フランス国内で興行的に成功したことで、様々な国が興味をもって下さり、プロモーションでベルリン、ニューヨーク、ブラジルなど様々な国に行きました。世界的にグローバルに受け容れられたのですが、皆さんが興味をもってくださるのは、イヴ・サンローランというブランド帝国の背後にいたのは誰なのか、それはどういう人物だったのか、ということに対する興味なのではないかと思います。映画はイヴ・サンローランという偉大な人物の裏側も描いていますが、サンローランという人は、時代を先読みする鋭い感受性を持っていたがゆえに心が痛み、極端な行動に走る一面もあったのです」

 

ive-tai-4.png■今回の役作りについて教えてください。
「撮影前に5ケ月の期間があったのですが、ipodに彼の本当の声を入れて、1日3、4時間くらい聞いて勉強したほか3人のコーチにもついて勉強しました。1人目のコーチはデッサンで、2人目はフィジカルコーチで、経年によって変わる体のシルエットについてコーチを受けました。3人目はデザインとファッションのコーチで、ファッション業界の様々な専門用語などや布の遣い方触り方、クチュールのアトリエでの仕事の仕方を学びました。実際に練習して撮影現場ですぐに使えるまでもっていきました。役を作りにあたり、僕は最初自分とサンローランの共通点を探そうとしました。聖人のような人物を演じるわけですが、彼だって人間なのだから、と自分との公約的な部分を探したのですが、結果的には全く違う人物なのだと思い至りました。唯一の共通点を言えば、スケールは全く違いますが若くしてクリエイションの道に入った、若くして自分の道が定まったというところだけは共通しているかもしれませんね。ですから役作りはとても必要でした。」

 

■まだ25歳のあなたにとって生まれていない時代のことを演じるのは大変だったのではないですか?
「僕の世代が直接知らないことを学ぶこは大変面白かったです。イヴ・サンローランの歴史はフランスの歴史に通じるんです。彼は時代を先取り先読みしていた人でしたから、ミリタリーを洋服として着る人がいなかった時代に、ミリタリー・ルックを打ち出したりしましたし、70年代のヒッピー文化の時代については僕自身歴史を再体験するようで面白い経験でした。」

 

ive-tai-5.jpg■この映画はイヴ・サンローラン財団の初公認映画ですが、彼の衣装を目にした時の印象は?
「彼は時代を先読みするビジョンと頭脳の明晰さを行使して、人々は何を好きになるかということを先取りして読むことができる能力がありました。とても印象的だったは、撮影現場モンドリアンのドレスが運び込まれてきた時でした。係員の方が、美術品を扱うように手袋をして触っていたのです。もちろん着用したモデルさんは座っても駄目、食べ物や飲み物も駄目という制限の中で撮影しました。最後に手袋なしでこのドレスを触ったのは、イヴ本人だったのかもしれないと考えたら、とても感銘を受けました。」

(角川映画リリースより)

 

JB-550.jpg『ジャージー・ボーイズ』

terrorlive-550.jpg『テロ,ライブ』

maikohalady-550.jpg『舞妓はレディ』

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iida-550.jpg『イーダ』

『南風』 - 映画レビュー

nanpu-550.jpg『南風』

2-automnes-3-hivers-main.jpg『2つの秋、3つの冬 』2 automnes, 3 hivers

監督:セバスチャン・ベベデール
出演: ヴァンサン・マケーニュ、モード・ウィラー、バスティアン・ブイヨン、オドレイ・バスティアン
2013/フランス/90分/スタンダード/5.1ch

 


 
2-automnes-3-hivers-sub2.jpg 33歳、美術学校卒、独身。定職につけずに暮らすアルマン。ジョギング中に知り合ったアメリと親しくなりたいが、なかなか思いは届かない。そんなとき、思わぬ事件が起こり、2人は恋人同士に……映画は、2組のカップルの恋物語とその周辺の人々の、さまざまな日常が描かれる。登場人物の独白(モノローグ)や、50章ほどのチャプターに分かれて展開される。主演のひとりがヴァンサン・マケーニュ。昨年のフランス映画祭2013の『遭難者』『女っ気なし』で好演した注目の若手男優だ。

2-automnes-3-hivers-d1.png 監督は、セバスチャン・ベベデール。撮影に、16ミリとデジタルといった複数の種類のカメラを使用したり、物語を2-3分ほどの短いエピソードに分けていくという実験的な手法を本作で取り入れている。013年トリノ国際映画祭では審査員特別賞を、同年の”Cinessonne”(エソンヌ県ヨーロッパ映画祭)では観客賞を受賞。その斬新な試みはヨーロッパの観客のみならず、日本の観客をも夢中にさせたようだ。フランス映画祭2014の初日、午後9時という遅い時刻の開演でありながら、客席は多くの映画ファンでにぎわった。上映終了後の、ベベデール監督とのQ&Aを楽しみにしていた人も少なくなかったに違いない。


上映の翌日、ベベデール監督に、本作への思い、少年時代の思い出などについて話を伺った。


 
――― 短いエピソードを積み重ねて創り上げるという、実験的な手法がおもしろいですね?
全部で50章あります。始めから50章にしようと意識したわけではありません。各章は2分から3分ぐらいでしょうか。何かを伝えようとした場合に必要な時間を考え、この2−3分という長さがちょうどよかったのです。

――― 少年時代の思い出について?
出身は南フランス、ピレネー山脈の(Les Pyrénées)あたりです。17歳ぐらいまで暮らしていました。小さい頃はよく森で遊んでいたのを覚えています。小屋を建てたりとか……

――― 2つの秋、3つの冬では山のシーンが出てきますが、とても自然に美しく撮れていましたね?
映画の中に、山を訪れるシーンがどうしても必要だと思い、撮影しました。アメリが突然泣き出すシーンがありますが、彼女が泣くことができたのは、目の前に山があったからです。

 ――― 心が素直になれた、ということでしょうか?
はい。都会ではないあのような景色に触れることで、普段はおさえている本当の感情が表に出やすくなると思うのです。

2-automnes-3-hivers-d2.jpg――― 映画で描かれる「山」の存在は、あなたのこども時代とつながっているのですね?もし、あなたが「海」を描いたら、そこには違う展開があるのかもしれません。
実は、今書き終わったばかりの脚本では、海に囲まれる島が出てきます。登場人物の生き方に海は不可欠で、彼らを山に連れていくことはできなかったので…。

――― 次回作は?
『2つの秋、3つの冬』同様、コメディとメランコリックなトーンがほどよく混ざり合った作品。でも、今回のように細かくチャプター(章)が分かれているわけではありませんが、現段階の脚本では大きく3章に分かれています。

――― 本作では、低予算の中、尽力したと聞いています。50章という短いエピソードを重ねたのは、低予算ゆえ用いた手法だったのでしょうか?
この手法は、予算とは関係ありません。ただ、低予算だったというのは本当です。出資額が多いと、その分、多くの意見を取り入れなければならなくなります。私は、自由に映画を撮りたかったので、あえて低予算という選択を取りました。

2-automnes-3-hivers-d3.jpg――― カメラ目線のモノローグ(独白)といった試みもなされていますが、小津安二郎監督のことを思い出しました。
そう言っていただけるととても嬉しいです!影響を受けたかどうかはわからないのですが、私は小津映画が大好きで、よく観ていましたから。

こどもの頃、スティーヴン・スピルバーグ監督の映画『E.T.』に感動した少年セバスチャンは、いつしか映画監督をめざすようになり、はかり知れない数の映画を観るようになる。自国フランスの映画はもちろん、小津安二郎監督の『東京物語』等も、彼の栄養となった。

――― Bonsai(盆栽)やNinja(忍者)という言葉が出てきますね。また、日本出身の女性も登場しますが?
今から6−7年前に、『日本の映画監督がフランスで撮影をする』という作品を撮ったことがあります。そのとき、日本の俳優さんから、日本についていろいろなことを教えてもらいました。

 ――― ベベデール監督が、若者たちに伝えたいことは何でしょうか?
”希望”です。今は決して楽しい時代ではないかもしれません。それでも、私たちは、“生活”という現実を通して幸せになれるし、楽しいという気持ちを持ちながら、理不尽な社会と闘うことができるのではないでしょうか。


 フランスに住む30代の人々の揺れ動く気持ちを描くため、ベベデール監督は撮影手法そのものに変化をつけた。16ミリカメラとデジタルカメラの併用、細かい章立て、クローズアップの多用、カメラ目線でのモノローグ、ストーリーの脱線(脇道にそれる展開)etc.…… そこには、今の世の中に挑もうとする「小さなレジスタンス」の精神がしっかりと刻まれていた。

(田中 明花)

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