「AI」と一致するもの

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『わたしたち』ユン・ガウン監督インタビュー
 

~親友が一番大事だった小学生時代のほろ苦い記憶~

 
小柄でおかっぱ頭の女子、ソンは、ドッジボールが始まるやいなや、ボールを当てられ、コート外に出る羽目となる。一度出たら、半永久的にコートの中には戻れない。だって、ボールは運動神経のいい子たちの間を行き来し、ソンには回ってこないのだから…。
 
クラス内の力関係を露わにするオープニングで一気に惹き込まれるユン・ガウン監督の長編デビュー作、『わたしたち』。自身の体験を基に、シナリオ開発段階からイ・チャンドン監督(『シークレット・サンシャイン』)が加わり、女子小学生特有の友達関係の揺らぎを丁寧に映し出す。1学期の終わりから始まり、夏休みという非日常での友情を育んだ瑞々しい思い出と、2学期が始まり、学校生活に戻った途端に訪れる現実の対比も鮮やか。おとなしいソン、転校生のジア、そしてクラスで一目置かれるボラという3人の小学4年生を中心にした物語は、現代の小学生にも降りかかる格差問題や、学校生活以上に濃密な塾生活など、彼女たちの日常をリアルに描写。両親や弟たちと共に、ソンがジアを自宅に招いて過ごす夏休みのキラキラした日々は、友情が永遠に続くように思える輝きを放つ。一方、友情にヒビが入り、二人がふたたび「わたしたち」と呼べるまでの辛い日々も果敢に描いた秀作。ドキドキハラハラしながら、在りし日の自分を重ねて見入ってしまう人も多いだろう。
 
本作のユン・ガウン監督に、本作を作るきっかけや、役に込めた思い、子どもたちと映画を作り上げる過程についてお話を伺った。
 

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■イ・チャンドン監督と1年かけて、シナリオを開発

━━━まず、このプロジェクトのきっかけについて教えてください。
ユン監督:私が卒業した韓国芸術総合学校とCJエンタテイメントが手を組んだ産学協同プロジェクトがあり、『わたしたち』は第2期の当選作品でした。私を含めて4人の卒業生が企画書を提出し、それを基にイ・チャンドン監督がシナリオ開発から指導者として加わり、1年かけてシナリオを開発しました。そのプロジェクトに私が残ったのです。まだ、その時にはイ・チャンドン監督が教授として学校に残っておられたので、授業も受けています。
 
━━━イ・チャンドン監督の授業はどのようなものだったのですか?
ユン監督:実際に映画の授業を受けたのは修士課程に通っていた頃で、卒業制作の短編映画のシナリオの指導をしていただくものでした。それ以外にも学部で演技に関する授業や、演出論も聴いたことがあります。
 
━━━イ・チャンドン監督の演出論で、映画を撮る際に取り入れたものはありましたか?
ユン監督:実践の授業ではありませんが、演技とはどういう作業を経て作られていくのかを話して下さいました。メソッド演技が誕生した背景や、演技の歴史の中でそれがどのように変化してきたのかという講義もありました。理論の紹介をしつつも、ご自身の体験や、演技に対する考えもお話してくださったので、映画を撮る際に非常に参考になりました。
 
━━━なぜ初長編でご自身の体験を基にした小学生女子の物語に臨んだのですか?
ユン監督:私の人生の中で大小様々な出来事がありましたが、中でも強烈に影響を与えた出来事が元になっています。もちろんそれは幼い頃の経験なので、人生の中で長い時間をかけて何度も修復を試みたり、気持ちの整理をしました。1年ぐらいの経験でしたが、長い間修復し、熟成する期間があった訳です。私にとっては既に慣れ親しんでいる出来事でありながら、未だに解けない問題として残っていた強烈な経験。それを初めての長編作品で描きたいと思いましたし、知っている話の方が安心して準備できるとも思ったからです。
 
 
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■一見楽しそうに見えるドッジボールで、孤軍奮闘し、生き残りたいと思っている少女の姿を描きたかった。

━━━冒頭、校庭でクラス全員参加のドッジボールの様子が映し出され、物語に入りやすくかつ、非常に印象的でした。このシーンを取り入れた意図は?
ユン監督:まず、この映画の中に体育の時間を入れたいという思いがありました。学校生活としてクラスの授業やお昼の時間、休み時間を描くのは意味があることですが、体育の時間を描くのも意味があるのではないか。シナリオをブラッシュアップさせる際も、オープニングのドッジボールのシーンは最初からずっとあったものです。日差しが照りつける運動場で、ドッジボールという一見楽しそうに見えるゲームの中に、緊張の面持ちで孤軍奮闘し、友達の中に入りたい、この中で生き残っていきたいと思っている少女の姿を描きたかった。実際、ドッジボールは韓国の子どもたちの間でとても人気のあるスポーツで、私も子どもの頃よくやりましたが、ドッジボールは苦手な記憶もありました。だから自然にこの映画の中に取り入れることができたのです。 
 
━━━子どもたちの自然な表情が魅力的でした。キャスティングやワークショップといった撮影までのプロセスは?

 

ユン監督:私とプロデューサーが、最初書類オーディションで500~600人の中から第1次面接に来てもらう子どもたちを選びました。面接では、30分ほど時間を取り、1対1で応募してきた子どもの話を聞き、どんな子か、その性格を掴んでいきました。次のステップでは私が先生、子どもたちが生徒という風にして演劇遊びをする5~6人のグループオーディションでした。体をほぐしてから即興劇をしてもらい、その後みんなで一緒に即興劇を作っていきます。彼女たちには演劇の授業に思えたでしょうが、演出部が全て撮影しており、後で彼女たちの反応を映像から分析しました。さらに第5次まで審査を重ねたのです。主要登場人物のソン、ジア、ボア、ジア ボラの友達2人という5人は、撮影の2ヶ月前から集まってもらい、週に3~4回、4~8時間の練習を重ねています。皆に仲良くなって欲しいという意図もありましたが、シーンごとに説明し、即興で演じてもらう練習をしました。映画でも、原則即興で演じています。 
 
 

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■子どもたちが繰り返す即興劇から、よく使う言葉を集めて、磨き上げていった台詞

━━━即興を重視していたようですが、元々台詞は設定されていたのでしょうか? 
ユン監督:台詞を強制したわけでもないのに、台詞と同じやりとりをしていて私が驚いたこともありました。逆に台詞と全く違うやりとりをしていた時は、私の方がシナリオを修正しました。完成した作品は、どれが私の書いた台詞で、どれが子どもたちの口から出た言葉なのか分からないぐらい、ミックスされています。 というのも、撮影に入る前、子どもたちは即興劇を繰り返す中で、よく使う言葉、言いやすい言葉をどんどん集めて磨きあげ、台詞を作っていたからです。中でも、ソンとジアが遊んでいるシーンは、ほとんど彼女たち自らが発した言葉でした。例えば「大人になったら何になりたい?」という会話で、ジアが同時通訳者になりたいと言うシーンは、ジア役のソル・ヘインさん自身の夢を語っています。また、キムチチャーハンを食べるシーンは3人とも本当に美味しそうに食べてくれ、食べながら自然と出た台詞なのです。
 
 
 
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━━━ソンの母親や弟など家族の描写が豊かですが、母親の描写でこだわったことは?
ユン監督:シナリオ段階では、映画で描かれているほど愛情表現をしない母親像にしていました。というのも、家計は苦しく、夫も様々な問題を起こしているので、当初は人生に疲れ、あまりうまく愛情表現ができないという設定にしていたのです。母親役の女優、チャン・ヘジンさんは、ご自身もソンと同じぐらいのお子さんがいらっしゃるので、母親役について色々なアドバイスを下さいました。その結果、もう少し健全で、しっかり者として描いてもいいと思いました。辛くても子どもたちには愛情を持って接する努力をするような母親像にしてみたのです。私自身も時間はかかりましたが、自分の母親がそのようなタイプの人であったことを思い出すことができましたし、私が最初書いていた母親は映画的な母親でしたが、現実の母親はとても健康で、面白くて、子どもに愛情を持ち、その反面厳格なところがあるものだと思います。
 
━━━ボラは一見いじめっ子のように見えますが、実は彼女自身も成績が一番であることを親に強いられ、追い詰められているように感じられました。
ユン監督:最初、ソンとジアとボラを描く割合を考えた時、ソンが60%で、ジア、ボラを20%で描こうと想定していました。ボラにはボラの事情があることも描こうとしていたのです。実際はソンに集中してしまったため、ボラのことがうまく伝えきれないところがあったかもしれません。ボラ役のイ・ソヨンさんとも話し合いましたが、ボラはいじめたくていじめたのではなく、彼女の事情があったのだと。おそらく両親はボラが可愛いが故に、もっと頑張って欲しいと塾に通わせ、期待をしているのでしょう。だからボラは気持ち的にいつも焦り、緊張し、その気持ちを友達に発散させていた。ボラとしては学校では、心を許して遊ぶ友達だけでいたいのに、自分たちの仲間に入ってきたがっているように見えるソンが邪魔だった。ボラは親からのストレスを友達で発散してしまったのでしょう。そしてきっとボラ自身もそのことに気付いていたのです。
 

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■主要登場人物の中で一番心の傷が大きかったジア。だからこそ、ソンのように自分が傷つけても、また寄り添ってくれる子が必要だった。

 
━━━子どもの行動は親の影響を大きく受けます。ジアも両親の離婚で環境を変えられてしまった子どもですが、夏休み中と、夏休みが終わってからとソンに対する態度を一変させます。そんなジアを通して表現したかったことは?
ユン監督:ジアは一番現実的な子だったと思います。映画を通して、三人の主要登場人物の中で、一番心の傷が大きかった。でも、自分の気持ちを表現することを学ぶ余力すらなく、とにかく生き残ることに必死でした。両親が離婚したせいで家を転々とし、ジアを取り巻く環境を知ったクラスメイトは弱点と捉えて、仲間はずれにしてしまう。それがジアの中で深い傷となって残ってしまうのです。だから早く状況を認識できるようになっていった。ソンに対する態度が夏休み後に変化するのも、生存本能からくるものです。これ以上一人ぼっちになりたくないという思いからの行動でした。最も早く現実を認識できる子なので、だからこそソンのような友達。自分が傷つけても、また寄り添ってくれる子が必要だったのです。
 
 

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■子どもたちとの作業が本当に楽しい。自分の中にある子どもの頃の気持ちを分かち合える。

 
━━━最後に、ユン・ガウン監督は今までも子どもの人間関係を描いていますが、そのテーマにこだわる理由は?
ユン監督:この質問に答えるのは本当に難しいのですが、今一番言えることは、子どもとの作業が本当に楽しいのです。一緒に作っていると私が知らないことを気付かせてくれることもありますし、映画を作る上で私は子どもたちの同伴者のようになっています。経験が豊富になり、成人した今でもまだその実感を持てないのは、子どもの頃の気持ちが残っているからだと思います。外に気持ちを出したくても出せず、理解してほしくてもなかなか理解してもらえないところがある。でも、子どもたちと作業をする事で、それを分かち合う意思の疎通ができ、私はそこに喜びを感じるのです。
(江口由美)
 

<作品情報>
『わたしたち』(2015年 韓国 1時間34分)
監督:ユン・ガウン 
出演:チェ・スイン、ソル・へイン、イ・ソヨン、カン・ミンジュン、チャン・ヘジン
※第17回東京フィルメックス観客賞、フィルマークス賞、スペシャル・メンション受賞
2017年9月23日(土・祝)~YEBISU GARDEN CINEMAにて公開中、10月7日(土)~シネ・リーブル梅田他全国順次公開
(C) 2015 CJ E&M CORPORATION and ATO Co., Ltd. ALL RIGHTS RESERVED
 

 

kanotori-bu-550-2.jpg“最低!”が褒め言葉!?『彼女がその名を知らない鳥たち』舞台挨拶レポート

・2017年9月30日(土) 梅田ブルク7にて
・ゲスト:蒼井優(32)、阿部サダヲ(47)、白石和彌監督(42)



ゲス男やクズ男に翻弄されるダメ女が“無償の愛”に目覚める時
 

kanotori-550.jpg【STORY】
昔の男を忘れられないクレーマー女・十和子と、彼女に尽くしたおす15歳年上の建設作業員の男・陣治。十和子は、陣治のわずかな稼ぎで生活しているものの、不潔で男としての魅力を感じられない陣治の愛を拒み続けていた。ある日デパートへ入れたクレームの対応に現れた水島という男に魅力を感じた十和子は、急速にその関係を深めていく。そこへ、8年前十和子に暴力を振るいゴミのように捨てた黒崎が5年前に失踪していたという報せが入り、愕然とする。陣治の異常なまでの十和子への干渉、エスカレートしていくストーカー行為、次第に恐怖をつのらせていく十和子だった……。



どんな役でも自然体で役を生きることができる蒼井優は、華奢な身体で眼力がある訳でもないが、存在感がある。しなやかな身体と空気を読み取る感性は、その場に豊かな感情を生み出すことができる。そう、設定された世界を拡げられる稀有な女優なのだ。そこに、機敏な身体能力と豊かな表情で細やかな感情表現を得意とする阿部サダヲがW主演を務める。沼田まほるか原作の同名小説の映画化は不可能とされていたが、それを『凶悪』『日本で一番悪い奴ら』と底知れぬ不気味さと容赦ない暴力をテンポよく活写するクライムービーの名手・白石和彌監督が実現。今までにないゲス男とクズ男に挑戦した二人のイケメン俳優、松坂桃李と竹野内豊の役者としての幅の広がりにも注目したい作品。


kanotori-bu-500-1.jpg10月28日の公開を前に開催された上映会の舞台挨拶に、W主演の蒼井優と阿部サダヲ、そして白石和彌監督が登壇。「共感度0%、不快度100%」の究極の愛の物語について語ってくれた。尚、この日はゲストから観客への質問コーナーも設けられ、キワどいNGトークも連発して、MCの口から質問できずに白石監督に振るシーンもあった。

―― 詳細は下記の通りです。(敬称略)



kanotori-bu-aoi-1.jpg―― “嫌な女”十和子を演じた蒼井優さんです。
蒼井:今日はお休みの日に来て下さってありがとうございます。今日は、初めて映画をご覧になった方の前でお話をさせて頂けるとあって、楽しみにしてきました。短い時間ですが、よろしくお願いいたします。

―― 十和子より15歳年上で、“不潔で下品な男”陣治を演じた阿部サダヲさんです。
阿部:今日はちょっと綺麗にしてきました。皆さんありがとうございます。観終わって、何だろうこの気持ちは?と、ザワザワしますよね? はい、今日は綺麗にしてきました(笑)。

―― 綺麗にして来て下さってありがとうございました(笑)。本格的な大人のラブストーリーに挑まれた白石和彌監督です。
白石監督:去年の10月に大阪で撮影しました。大阪の皆さんはよくご存じの場所もあると思います。ようやく1年経って観て頂けるのを嬉しく思います。大阪の皆さんにとって心の象徴でもある大阪城を、あのような場面で使ってしまって、本当に申し訳ありませんでした(笑)。


―― 完成した作品を観た感想は?
kanotori-500-4.jpg蒼井:自分が出演しているかどうか関係なく、この映画はとても好きな映画なので人に勧めたいのですが、いいところはラストしかないじゃないですか?それで今日はご覧になった方の前でお話できるがホントに嬉しいんです。

阿部:蒼井さんとのシーンが殆どで他の男二人とは会ってなかったんです。作品を観て、どうしようもない奴らだなと思い、今でも松坂桃李が好きじゃないですね(笑)。それほど松坂君は凄い役者さんだと思います。まだ好きになれないですけどね(笑)。

白石監督:宣伝では言い辛くて“究極の愛”とキャッチコピーを出しましたが、これは陣治の“無償の愛”の物語でして、僕としてはそれがとても美しく絶対に真似のできないことなので、なんとか映像化したいと思いました。観たらきっと誰かと話したくなる映画だと思うので、できれば10月28日公開初日の土日に観て頂ければありがたいです。


kanotori-bu-abe-2.jpg―― 関西弁の役について?
蒼井:難しかったです。ずっと方言指導の方に付いて頂いたのですが、その内違いが分からなくなってきました。

阿部:いや~難しかった!聞き慣れた関西弁ですが、自分で喋るのは難しかったです。ずっと付きっきりの方言指導の人も嫌いになりました(笑)。

―― この映画では嫌いな方が多かったんですね(笑)。ところで、関西弁の好きなところは?
阿部:この映画は関西弁だから助かっているところもあると思います。標準語だと手に負えないような…関西弁だから柔らかく感じる部分もあると。


―― 全編関西弁で関西ロケでしたが、改めて感じることは?
白石監督:人と人の距離が近い。標準語より本音で語り合っているような印象を持ちました。多分この二人を見ていたからだと思います。二人とも嫌ならイヤとはっきり言い合っていたので、それが気持ちいいなと感じて、ちょっと羨ましかったですね。


―― 役に対する共感度は何パーセントですか?
kanotori-500-1.jpg蒼井:最初は0%だったんですが、めんどくさい女なんですけど“澄んでいる”というか、特にラストでは無防備の部分もあり、そう感じました。絶対に賛同はできないけど、「共感した」と言ったら人として疑われるので、皆さんも今日これから飲みに行って3軒目辺りから「共感した」と本音トークができるようになると思います(笑)。

阿部:そんなに共感できるところはないですけど、直したい部分はいっぱいありました。汚い食べ方だとか、差し歯も早く治せばいいのにとか…。でもそういう役だから楽しめた部分もいっぱいありました。

 
kanotori-bu-shiraishi-1.jpg―― 陣治の身なりについてこだわりがあったようですが?
白石監督:衣装合わせをするのに綺麗な作業着しかなかったんです。「こんなんじゃダメだ!」と机をひっくり返して、「汚いの持ってこい!」と暴れ倒して、「汚せ!汚せ!」と言ってこうなりました。阿部さんだけ衣装合わせした時に、そんなシーンはないのですが立ちションする真似をしてもらいました。その後ろ姿を見て、「あっ仕上がってるな!」と思いました。それを撮影所の外でやったのですが、きっと向いのマンションからは見えてたと思いますよ(笑)。


 

 

―― 松坂桃李さんも竹野内豊さんも今までにないような役柄でしたが、共演してみて如何でしたか?
kanotori-500-3.jpg蒼井:お二人とも初めての共演だったのですが、こんな最低の役を最低のままやれるということは本当に凄いことなんですよね。松阪さんは最低な上に“薄さ”が加わって、竹野内さんの場合は、相手役の私しか見えない“悲しみ”があったりして、最低の別ジャンルを同時に見せてもらった感じです。この映画では、「最低」というのが一番の褒め言葉になると思います(笑)。

阿部:お二人とも最低さが素敵でした(笑)


―― あの最低さは狙い通りでしたか?
白石監督:ホントその通りでした。

 


★ゲストから観客に質問するコーナー

野鳥観察が趣味というちと怪しい男性がカウンターを持って登場。観客にあらかじめ配られた「かの鳥」フラッグの裏表をカウントして、YES・NOのパーセンテージを測定。

kanotori-500-2.jpg★蒼井優から質問:あんな水島でもいいと思う人?
(十和子予備軍?男性は水島に対して羨ましいのかな?)
68人→23%

★阿部サダヲから質問①:陣治が殺してるなと思った人?
(演技のダメ出しされてるような気がするなあ)。
250人→93%

★白石和彌監督から質問①:この映画に共感した人?
250人→93%

kanotori-bu-abe-1.jpg阿部サダヲから質問②:今日の僕の恰好、先程シャンプーハットに「遅れて出て来た演歌歌手みたいだ」と言われたんですが(笑)、そう思う人?
(これオーダーで作ったんですよ…「ジンジー」というブランドも立ち上げて。陣治の青の作業着をイメージした生地選び)。
268人→99%

★白石和彌監督から質問②:大阪城で“ああいうこと”をやってみたいと思う人?(笑)
(水島と十和子のシーン)
17%

★白石和彌監督から質問③:パートナーと“仲良くする”時「あ~」と言わせたい人?(笑)
(ちなみに、トロント映画祭で上映された時には「Say Aha~」と字幕が付いてました(笑)。特にゲイの方々に受けてました)。
77人→29%

 


―― 最後のご挨拶
白石監督:今日は観て頂きまして本当にありがとうございました。ゲスとかクズとか最低な人たちが前面に出てきてはいるのですが、それは表層的なもので、奥には“究極の愛”が提示できたのではと思っております。いろいろ分かってから見直すと、いろいろな世界が美しく見えてくる映画です。散らかった家庭でも美しく思えるよう、この映画を思い返して頂けたらいいなと思います。10月28日公開ですので、皆さん何卒応援よろしくお願い致します。

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阿部:愛って何だろうと考えさせられる映画です。キラキラした映画もいいですが、こんな映画もあっていいと思ったし、こんな映画に出たいと思っていました。また、これほど汚す役の映画もないと思います。見逃しておられるかもしれませんが、足の指の間にもゴミ詰めて頑張りました。また観られる時にはお見逃しなく(笑)。是非、観終えてから皆さんと話し合って頂きたい映画ですので、よろしくお願い致します。

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蒼井:
こういう映画が作れる日本映画界でありたいなと思っています。そのためにはある程度観て頂かなくてはなりません。最後のシーンに賭けたのですが、勿論合わなかった方もいらっしゃるでしょうし、受け止めて下さる方もおられると思います。私たちが玉を投げなければ勝負もできませんので、このような作品が作れる環境を、映画ファンの一人として私たち映画人も守っていけたらいいなと思っております。皆さんもそこは共犯者だと思って、応援よろしくお願いいたします。今日は本当にありがとうございました。

 


 


『彼女がその名を知らない鳥たち』

■2017年 日本 2時間3分
■原作:沼田まほかる(『彼女がその名を知らない鳥たち』幻冬舎文庫)
■監督:白石和彌(『凶悪』『日本で一番悪い奴ら』)
■出演:蒼井優、阿部サダヲ、松坂桃李、竹野内豊
■(C)2017映画「彼女がその名を知らない鳥たち」製作委員会

2017年10月28日(土)~梅田ブルク7、他全国ロードショー

公式サイト⇒ http://kanotori.com/
 


(河田 真喜子) 

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 asahinagu-bu-550.jpg“なぎなた衣裳”で颯爽と登場!『あさひなぐ』舞台挨拶

(2017年9月23日(土) TOHOシネマズなんばにて)

ゲスト:西野七瀬(23)、桜井玲香(23)、伊藤万理華(21)



凛々しさひときわ、“美の武道”なぎなたに挑む《乃木坂46》!
 

女子高生のラブストーリーに辟易しているところに、古式ゆかしい薙刀(なぎなた)部活で奮闘するスポ根ものに出会って目が覚めるようだった。想像以上の笑いと清々しい感動でウルウルしてしまった。


asahinagu-main.jpg高校進学を機に新しい自分になろうと薙刀部(なぎなたぶ)に入部した東島旭(西野七瀬)。元美術部で運動音痴でも無理なくやれるという甘言に乗り、とんでもなく悪戦苦闘することになる。先輩たちが果たせなかった夢を後輩たちが引き継ぐ。自信が持てず一歩が踏み出せない自分を奮い立たせ、それぞれ己の弱さに打ち勝ちながら、一人より皆のために支え合う友情を深めていく。


asahinagu-500-2.jpg旭の憧れの先輩、宮路真春役に白石麻衣、生田絵梨花、桜井玲香、村松沙友理、伊藤万理華ら乃木坂46のメンバーが凜とした美しさで競演!白の胴着に黒の袴姿、シュッと背筋を伸ばし薙刀を構える姿のカッコいいこと! 緊迫の試合シーンをはじめ、打たれてもめげずにぶつかっていく姿など、『チア☆ダン』にも通じる女子高生の成長を瑞々しく描いた青春讃歌の感動作。


公開2日目の9月23日(土)、乃木坂46のメンバーが2チームに分かれて全国で御礼舞台挨拶行脚を敢行!大阪では主演の西野七瀬、桜井玲香と伊藤万理華の3名が超満員の会場で舞台挨拶を行った。


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[大阪の好きな所は?]

大阪府出身の西野は「難波へよく遊びに行きましたが、道頓堀がどうなってるか気になる~」ご様子。伊藤は「小学2年生まで大阪に住んでいたので第二の故郷です。好きな場所はユニバーサル・スタジオ。行きたい!」。会場からも「行く!行く!」と歓声があがる。桜井は「元気ですかー! 大阪の人は初対面でもすぐに仲良くなれて元気なイメージです。映画見終わって隣同士でイェーイ!って盛り上がってると思いましたが…」と、可愛い3人を前に緊張気味の観客を鼓舞していた。

 

 
[薙刀(なぎなた)に初挑戦して大変だったことは?]

asahinagu-sakurai-1.jpg西野は「稽古中、中々強く打てなくて「もっと強く打って!」と注意されてばかり」だったようだが、伊藤は最初からビシバシ打っていたようだ。カットが掛かっても何度も打ってしまい「もう止めて!」と制止された程だったとか。「痛いので、あんまり強くやるもではない」と他人事のように語っていた。桜井も「先生に打たれた時の痛さは凄かった~!剣道経験者という設定の役でしたが、どっちも未経験だし、構えが真逆で練習の時に苦労しました。それと、防具が重くて装着にも時間が掛かって大変でした」。薙刀(なぎなた)初挑戦ということで苦労も多かったようだ。だが、その甲斐あって、真剣な表情で挑む彼女らのひたむきさだ感動をよんでいる。

 
[注目ポイントは?]

asahinagu-itou-1.jpg薙刀部の顧問・小林先生を演じた中村倫也のアドリブだらけの演技に笑いを堪えるのに苦労したとか。試合中、伊藤が新入部員に開会式について説明している最中にも関わらず、邪魔するように語りかけてくる小林先生。顧問なのに薙刀のことは全く無知で、いつも部員たちと嚙み合わないハイテンションぶりを見せる。さらに登場する度にいろんな小道具を自分で用意して驚かすので、部員たちのリアクションも見どころひとつだという。女子らしいと感じられたのは、撮影中の待ち時間に“お菓子パーティ”をしていたとか。中でもピスタチオが大人気で、必ず用意されていたようだが、西野は「ひと粒も食べてない!」と初告白。驚く桜井と伊藤に、「私の試合のシーンの時に食べてたのね」と、主人公の旭ちゃん同様、何となく浮いた感じの西野の天然ぶりも笑える。もっともっと、リピート鑑賞する場合の注目ポイントがいっぱいありそうだ。是非、劇場でご確認下さい。


(河田 真喜子)


『あさひなぐ』
asahinagu-500-4.jpgのサムネイル画像■2017年 日本 1時間45分
■原作:こざき亜衣(「あさひなぐ」小学館)
■監督・脚本:英 勉 (『ハンサム★スーツ』『ヒロイン失格』『トリガール!』)
■出演:西野七瀬、桜井玲香、松村沙友理、白石麻衣、伊藤万理華、生田絵梨花、富田望生、中村倫也、江口のりこ
■(C)2017 映画「あさひなぐ」製作委員会(C)2011 こざき亜衣/小学館

公式サイト⇒ http://asahinagu-proj.com/

2017年9月22日(金)~全国東宝系にて絶賛公開中!

 

 

scramble-sub1-500.jpg『スクランブル』史上初!総額数億円の高級クラシックカーに囲まれたイベント試写会

■2017年9月19日(火)
■イベント会場     GLION MUSEUM
大阪市港区海岸通2丁目6-39(大阪・赤レンガ倉庫内)
TEL:06-6573-3006
月曜定休日(祝日の場合は翌日)
http://glion-museum.jp/


 
9月22日の公開を記念して、9/19(火)に映画「スクランブル」のイベント試写会を行いました。場所は高級クラシックカー約120台を展示する、GLION MUSEUM(大阪市港区・赤レンガ倉庫)。映画にも登場するクラシックカーと同じモデルの車ももちろん展示されています。

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この日のイベントには、いま吉本の若手で大活躍中のアキナ(秋山賢太、山名文和)のお二人がゲストで登壇。

実は映画の主人公が兄弟という設定だったので、当初は兄弟漫才師のミキをゲストブッキングしようとしていたところスケジュールが合わず、車ネタを持っている和牛も無理で、イベント前日にアキナに決まるというまさに「スクランブル」登板!
 

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「昨日、急にこの仕事が決まったんです。千鳥さんとかめっちゃ売れてる人の代役ならわかるんですが、(後輩の)ミキとか(の代役)は微妙・・・釈然としないですね」とボヤいて会場は笑いの渦へ。

「映画のPRイベントは初めてなんです。運はあると思いますよ。僕らが選ばれたのは、礼儀正しいからですよ。人柄です。損したのはあの2組です」と語り、代役というスクランブル登板にも前向きに映画をしっかりとPRしてくれました。

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scramble-main-500.jpg『スクランブル』

『96時間』&『ワイルド・スピード』シリーズ制作陣最新作!
『ワイルド・スピード アイスブレイク』スコット・イーストウッド主演

<STORY>
オークション会場から搬出された世界に2台の37年型ブガッティを奪うはずだったアンドリュー (スコット・イーストウッド)とギャレット(フレディ・ソープ)のフォスター兄弟。しかし、落札したのが残忍なマフィアのモリエールだったために、兄弟は囚われの身に。命が助かる条件は、敵対するマフィアのクレンプが所有する62年型フェラーリ250GTOを1週間で盗むこと。寄せ集めチームで、犯罪史上最大の強奪作戦に挑むはずが、インターポールに追われ、アンドリューの恋人・ステファニーを人質に取られ、挙句の果てにはクレンプに計画を知られてしまう。だが、実はピンチさえも兄弟の〈計画〉だった──。


scramble-pos.jpg■2016年 フランス=アメリカ 1時間34分 ギャガ
■監督:アントニオ・ネグレ
■脚本:マイケル・ブラント/デレク・ハース(『ワイルド・スピード×2』)  
■製作:ピエール・モレル(『96時間』シリーズ)
■出演:スコット・イーストウッド/フレデリック・ソープ/ アナ・デ・アルマス
■公開日:2017年9月22日(金)~ TOHOシネマズみゆき座 他全国ロードショー
公式サイト⇒ http://gaga.ne.jp/scramble/
■© 2016 OVERDRIVE PRODUCTIONS – KINOLOGY – TF1 FILMS PRODUCTION – NEXUS FACTORY


(オフィシャル・レポートより)

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故郷と向き合うのは、髄の部分で自分に向き合うこと
『望郷』主演大東駿介さんインタビュー
 
湊かなえが故郷の因島を舞台に描いた連作短篇集『望郷』より「夢の国」「光の航路」を、デビュー作『ディア―ディア―』、今年公開の『ハローグッバイ』共に国際映画祭で高い評価を受けている菊地健雄監督が映画化。9月16日(土)より新宿武蔵野館、9月30日(土)よりテアトル梅田、京都シネマ、元町映画館ほか全国拡大上映される。
 
 
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古いしきたりを重んじる家庭に育ち、結婚後も島で暮らし続ける夢都子(貫地谷しほり)と、本土から転任で9年ぶりに島に戻ってきた中学校教師の航(大東駿介)。確執を抱えたまま生きる2組の親子が、真実を知り、未来に向かって歩むまでを二つの時代をクロスさせながら描いたヒューマンストーリー。故郷の光と闇、親子だからこそ抱く複雑な感情など、湊かなえらしい人間描写を、菊地健雄監督がさらに深く、そしてどこか温かく見つめ、役者の表情をつぶさに捉えて映し出す。
 
本作のプロデューサー辻村和也さんは本作の狙いについて、「同世代のスタッフ、本作品を共に作っていける監督、俳優をキャスティングすることを意識しました。作品の世界感を一番に考えた丁寧な作品を作り、映画ファンが多く集まるミニシアターにかけていくというのが最初に出していた方針でした」。菊地監督に関しては「助監督経験が豊富にあり、役者に芝居をつけることに定評がある事に加え、起用に作品制作に向き合えること。」また監督が動きやすいチーム編成にする事が絶対条件とも考えてました。、そして大東さんについては「演技力には定評がありながら、まだ重厚な作品で主演されるイメージがないため、そんな一面を見てみたかった」と起用の理由を語ってくれた。また、因島が舞台の全く独立した二つの話(「夢の国」「光の航路」)を、双方の主人公を同級生の設定にすることで、一つの作品になるような台本に仕上げたという。「石の十字架」で登場した十字架のある白綱山が重要なシーンで登場しているのも見どころだ。
 
キャンペーンで来阪した主演、大崎航役の大東駿介さんに、亡き父親と対峙する航役について、また初タッグとなった菊地監督との撮影についてお話を伺った。

 


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■菊地監督の島と故郷と人間を丁寧に描く姿に共感。「周りの筋肉は柔らかくて、骨だけむちゃくちゃしっかりしている感じ」が信頼感に。

―――『望郷』は『白ゆき姫殺人事件』以来の湊かなえ作品出演ですが、航役のオファーがあった時どんな印象を持ったのですか?
『望郷』は他の湊かなえさん作品とは世界観が違うとよく聞くのですが、僕はとても湊さんらしさが出ているという印象があります。湊さんの作品はミステリーでも人間性が際立っています。この『望郷』は、ミステリー要素がありながらも、菊地監督が島と故郷と人間を丁寧に描こうとされていたので、航役を是非演じたいと思いました。
 
―――菊地監督とは本作が初タッグとなりますが、一緒に仕事をして感じたことは?
菊地監督は細部まで見てくれ、信頼感があります。僕はよく現場で、信頼しあえる人間関係をどう構築していくかを考えます。映画を作る時は、毎回知らない人が集まって作っていくので、その中で信頼感はあるに越したことはない。もちろん仕事に対する熱意は、信頼を得る大きな材料ですが、ちょっとした方向性のズレが生じると衝突が生じてしまいます。菊地監督は、熱意もあり、その場で生まれて来るものに対しても柔軟なんです。逆にそれをキャッチして面白いと思ってくれる。偶発的なものも含めて、監督が描こうとしている人間や、島の現実と捉えてくれました。人を描くのに適した監督です。我がない訳ではなく、我の部分が映画の芯になる。周りの筋肉は柔らかくて、骨だけむちゃくちゃしっかりしている感じが、信頼感に繋がり、スタッフ、キャスト全員が菊地監督のためにいい作品を作ろうというスタンスになっていました。
 
―――菊地監督が曲げない部分というのは、どういう点ですか?
映画のビジョン、「こういう作品にしたい」という思いはしっかり持っていらっしゃいました。でも、こういう芝居をしてという押し付けは一切なかったですね。
 
―――菊地監督が大東さんらキャストを信頼していたのでしょうね。
僕も、衣装合わせで初めて監督に会った瞬間に信頼したんですよ。というのも僕は台本を読んで、この話は因島で撮れたらいいなと思っていたところ、監督が因島で撮りたいと強くおっしゃっていたと聞いたのです。その時点で僕は、この作品の芯を捉えている気がしました。それでいながら熱望した因島の撮影を終え、いざ出来上がった作品を見ると、島の風景はそこで育った人を構築する一部のパーツとなっていて、決して島を前面に押し出したりはしていない。『望郷』という作品にとって、因島はどういう存在なのか。あくまで湊かなえさんの『望郷』を映画化したという核から絶対にズレず、きちんと芯を捉えているところが凄いと思いました。

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■上京する時に感じていたこと、故郷に今感じることは『望郷』に似ている。

―――芯となるのは、「故郷との関係を描く」ということでしょうか?
因島は例え話で、僕も堺市出身、堺のことが大好きだけど、上京する時に感じていたことと、今感じることは『望郷』に似ています。堺のことは大好きなのだけど、本当に離れたかった。自分の未来はそこにはなかった。僕の中で、故郷はずっと居る場所ではなかったですね。役者になりたかったし、広い世界を見たかったので、最初は「やっと故郷を出れた」と思うのですが、結局いつも故郷のことを思い、故郷の居心地の良さを感じているんですよ。そことの比較で、少しずつ大人になっていっているのかなと。
 
―――航役を演じるにあたり、内面を掘り下げるために自らの故郷や父親との関係を振り返ったりもしたのですか?
もちろんこの台本を読んで自分と向き合うことが多く、父親や故郷について考えましたが、それで役を構築すると、結局航の話ではなく自分の話になってしまいます。内面を作るのは周りの人、兄弟や家族、育った環境が大きくあると思うのです。だから因島を自分の中に溶け込ませる作業、当たり前にその島にいることができる、ということもやっていきました。撮影中の空き時間は、とにかく因島で友達を増やし、路地裏もくまなく廻り、島の本当の声や、どういう時間が流れているのかをキャッチしましたね。
 

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■島の廃墟には栄えていた頃の活気が残っている。

―――映画でも沿岸部だけでなく、造船所跡など印象的な建物が登場し、因島の雰囲気が感じられました。
僕は廃墟や古い建物が好きで、よく写真を撮りに行きます。廃墟は人がいなくなった瞬間に時が止まる気がするけれど、止まってからの時間が廃墟に残っている。因島は造船が栄えた時期があり、その時の活気が建物に残っているんですよ。僕の知らない因島の時間がそこに流れていて、歩いているだけでも子どもの頃の航がいた時間を感じることができました。たまに実家に帰ると、今まであったスーパーがなくなっていて、結構ショックを受け、これが大人になっていくことかと思うのですが、この『望郷』でそういう喪失がきちんと描かれているのも菊地監督の凄いところです。
 
―――ちなみに今回初めて因島を訪れたとのことですが、島の印象は?
観光で行ったら、素直に色々楽しめると思うのですが、俳優という職業の辛いところで、役を与えられて行くと、なんとも思えないですね。十字架がたくさんある白綱山も、いつもならそういう場所が大好きなので写真を撮りまくると思うのですが、携帯を見ても一枚も写真がなくて。航にとっては当たり前の景色なので、写真を撮ろうという感覚が全くない。だから、今楽しみなのは因島に舞台挨拶に行って、「いい島やったな!」と言うこと(笑)。ただ、その分感じられる魅力は、島にいて落ち着くんですよ。自分の中でよそ者感がないので、故郷のように落ち着くし、路地裏を歩くだけでもホッとする。お呼ばれ感がないというのが、逆に言えばこの仕事の魅力かもしれませんね。
 
 
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■絶対的な存在感、父親であり教師としての存在を感じた緒方直人さんの芝居

―――父親役の緒方直人さんとは、共演シーンはほとんどありませんが、撮影現場をご覧になっていたそうですね。
緒方さんの芝居を見て、言葉に責任を持つというのは凄いなと思いました。台詞をちゃんと相手に届ける。それを当たり前に、自然にできるというのは経験値というより、器の大きさを感じます。親父の事は分からないという航が、それでも同じ先生という職業を目指してしまう絶対的な存在感であり父親像を、一役者として緒方さんに感じました。同時に思ったのは、台本を開いた時に父親と書かれていても、父親という役はないなと。父親も元々は一人の男で、父親以外の人生があるという当たり前のことを、緒方さんを見ていて感じました。父親芝居ではなく、教師としての存在がしっかりしている。緒方さんは教師として生徒に向き合っているだけですが、それが航の見ている親父なのかと思いました。緒方さんの力ですし、それをきちんと理解して切り取った菊地監督の力でもあります。
 
―――仲たがいしたまま亡くなった父親の真意をようやく知り、自殺未遂の生徒に語りかけながら、その目は遠くを見つめているシーンは、父親への気持ちも表現しています。どのような気持ちで演じたのですか?
親父がどういう人だったのかを航は理解できたと思うのです。いざ同じ問題に僕が向き合った時、僕も同じような気持ちになり、親父の偉大さを知りました。だから回想シーンで本当はその場にいなかった子ども時代の航が、親父に言われているんです。親父と同じ仕事を追いかけた時、初めて親父の言葉をもらえた。人はいつか死ぬけれど、覚えている人がいる限り、その人は永遠に死なないと思うのです。航は親父が死んだけれど、死んだのではなく、その瞬間に時間が止まったままで、親父の真実を知った瞬間に時間が動き出した。航の中で親父と共に生きていくのだろうという生命力を感じました。

 

■「死んだ親父の話をすることで、親父は生き続ける」~航の体験と重ねて

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―――父親の偉大さを知ったというのは、ご自身の体験にも重なったのですか?
今までインタビューで自分の親父の事を話したことはなかったのですが、この作品で話すようになりました。死んだ親父の話をすることで、親父は生き続けるのかと思うと、僕がこの作品に出会った意味はそういうところにもある気がします。
 
僕は小学校ぐらいから親父に会っていなくて、親父がどんな人なのか本当に分からなかった。航の気持ちがよく分かりました。3年前ぐらいに親父が見つかった時、僕は妙な意地を張って逢わなかったんです。その翌年、親父が亡くなったので結局合わずじまい。それから親父のことを親戚から聞くうちに、自分の中で今まで影だった親父に、人柄や温かさ、ぬくもりが見えてきて、生きていたときよりも温度を感じるようになりました。死んでからでも人は生きることを緒方さんの演技でも感じました。緒方さんに親父のぬくもりを感じ、それが自分の人生にも重なりました。自分も何かを乗り越えなければならない瞬間がくるような手法で撮ってくれ、人間の心理描写にこだわり抜いた菊地監督だからこそできたことだと思います。褒めすぎと思われるかもしれませんが(笑)。
 
―――最後に、これからご覧になる皆さんにメッセージをお願いします。
湊かなえさんの原作を丁寧に映像化した作品です。『望郷』というタイトルの通り、皆さんそれぞれ故郷があると思うのですが、故郷と向き合うのは、髄の部分で自分に向き合うことではないかと感じます。この作品を観てくれた方が、ちょっと地元や実家に帰ろうかなと思ってもらえると、うれしいです。
(江口由美)
 

<作品情報>
『望郷』(2017年 日本 1時間52分)
監督:菊地健雄
原作:湊かなえ「夢の国」「光の航路」(『望郷』文書文庫所収)
出演:貫地谷しほり、大東駿介、木村多江、緒方直人、森岡龍、浜野謙太、伊東蒼、川島鈴遥、片岡礼子、相島一之、白川和子他
主題歌:moumoon「光の影」(avex trax)
2017年9月16日(土)~新宿武蔵野館、9月30日(土)~テアトル梅田、京都シネマ、元町映画館ほか全国拡大上映
公式サイト⇒http://bokyo.jp/
(C) 2017 avex digital Inc.
 

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感動のTVシリーズから12年―新たに描かれるレントンとエウレカの物語『交響詩篇エウレカセブン ハイエボリューション』が、劇場3部作として待望の映画化を果たす。本作は2005年4月よりテレビ放送され大ヒットを記録した伝説のアニメ。英雄アドロックを父に持つ主人公レントンが、鬱屈な日々をおくる中、ヒロイン・エウレカと出会い、世界を知る旅に出る――というストーリーは多くの視聴者の共感を呼び、2000年代を代表する作品となった。そして、2017年。『交響詩篇エウレカセブン ハイエボリューション1』が、9月16日(土)より全国107館にてロードショーされる。
 
9月5日(火)に、『交響詩篇エウレカセブン ハイエボリューション1』の完成披露上映会がエウレカで染められた新宿バルト9で行われた。主人公・レントン役三瓶由布子、ヒロイン・エウレカ役名塚佳織の“交響詩篇コンビ”と、2005年のTVシリーズからのオリジナルスタッフ、京田知己総監督が登壇。さらに、スペシャルゲストとして、レントンの境遇と同じく伝説の父を持ち、本作で初の映画主題歌を担当した尾崎裕哉もサプライズ登壇した。本作の苦労や12年のテレビシリーズを経た今の心境など、様々なことを語っていただき、主題歌を担当した尾崎さんも主題歌『Glory Days』についての思いを語るなど、会場は大いに盛り上がった。そのイベントの模様をご紹介したい。
 

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【三瓶由布子】
<完成披露上映を迎えて>
テレビシリーズから12年経って、またエウレカセブンに携わることができてとても幸せです。収録が終わりこれから皆さんがどんな感想を持つのか楽しみです。
 
<久しぶりに交響詩篇のキャラクターを演じて>
12年前のテレビシリーズから、ゲームやアニメなど様々なものでレントンを演じさせて頂く機会がありましたが、劇場版ということで1話から12年前に演じたシーンなどを演じ直すという事に様々な思いがありました。当時19~20歳の時に演じていた私はどうだったか、2017年の今様々なことを考え、楽しみでもありつつ、かなり緊張しました。ですが、現場に入りアフレコ自体はスムーズに行うことができ、収録を無事終えることができました。本当に長い1日でした!
 
<今回映画で古谷さんが演じたレントンの父アドロックについて>
一緒に録った名塚さんが羨ましいです!私はアフレコをやっている現場は見れていないんですけど、試写で古谷さんのシーンを観させていただいて、一言目から“アドロックだ”と思って、何だか映画を観ていて涙が流れてきて、レントンとして泣いているのか、私個人として泣いているのかは分からなかったですが、感動してしまいました。レジェンドの古谷さんにアドロックというキャラを演じていただき、さらに、映画では一人の人間として描かれている本作。これだけで観る価値のあるものだと思います。
 
<最後に一言>
 初心者には少し優しくない部分もある映画ではありますが、それがエウレカらしさでもあるので(笑)、声も音楽も体感する気持ちで、ぜひ、劇場にお越しください。本当にありがとうございました。
 
 
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【名塚佳織】
<完成披露上映を迎えて>
皆さん集まっていただきありがとうございます。新たなエウレカを皆さんはどう受け止めてくださるのか、昨日は珍しく緊張してしまって、何だか眠れませんでした!
 
<久しぶりに交響詩篇のキャラクターを演じて>
他の現場などで、皆さんキャストの方とお会いすることがあっても、エウレカセブンという作品で12年ぶりに皆で集まるということに、どんな思いなのかと思っていたら。現場ではスッと役に入ることができて、それがすごく印象的でした。ブースの奥でクスクス笑っている人もいて、懐かしいなと思っていました。演じる上では、当時私は若くてただがむしゃらに演じていれば出来ていた中学生という年齢の役柄が、今、大人になって様々な経験をして、色々なことを知ってしまっているので、中学生時代や過去のことを思い出しながら、役作りをしていき演技をしていきました。長い一日でした。
 
<今回映画で古谷さんが演じたレントンの父アドロックについて>
一緒アフレコをさせていただいたんですけど、レジェンドと呼ばれる大御所の方と一緒にやれて本当に良かったです。ご本人もおっしゃられていたんですけど、映画を観る前でネタバレになってしまうので詳しいことは言えませんが、凄いシーンになっています!冒頭の新しい映像はエウレカファンも納得の物になっていると思います。
 
<最後に一言>
12年の時を経てこの作品をやれたことを嬉しく思っています。皆様の応援のおかげだと思っています。映画は少し優しくない部分もありますが、皆さん楽しんください。
 
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【京田知己総監督】
<完成披露上映を迎えて>
ここに至るまで、本当に色々ありまして、今回はもうダメかな、、と思ってしまったこともありました、キャストやスタッフの方に支えられ何とか今日にたどり着くことができました。感無量という思いと、同時に舞台挨拶に緊張するな、という思いがあってなんだか複雑な気持ちです。
 
<映画でこだわった部分について>
 手書きでのアクションシーンを作る、ということにこだわっていきました。村木靖さんを筆頭に様々なスタッフに頑張っていただき、当初目標にしていた30分間ロボットの戦闘シーンを作るここに関しては苦労もしましたし、成功しているかなと思っています。
 
<尾崎さんの起用について>
主題歌をどうしようと、脚本の佐藤大さんと考えて悩んでいた時に、iTunesを開いてみようとなって、たまたまそこに尾崎さんが出てきて、直ぐにクリックして音楽を流してみたら、本当に声やその時流れてきた音楽がピッタリだなぁと“あ、ここにいた”思って尾崎さんにお願いしたい!と思ったのですが、そこから様々なハードルをスタッフの方にかなり頑張っていただき、実現していただきました。本当に良かったと思っています。
 
<最後に一言>
冒頭にもお話しましたがここにたどり着くまで様々なものがあり、やっと皆さんにご覧いただけるという思いです。そして、もう頭の中は次の2で一杯です。スタッフ皆が2に向かって走っています。もちろん1だけでも楽しめる映画になっていますが、パート2.パート3と楽しんでいただければと思っています。まずは1を楽しんでください。
 
【尾崎裕哉】
<最初のオファーについて>
最初にお話しいただいて、“ついに、自分の時代が来たな!”と思いました(笑)
 
<映画の主題歌『Glory Days』について>
主題歌を担当させていただくことが決まり、12年前のTVシリーズと、本作のコンテなど見させていただき、その中で主人公レントンが幼いころに亡くした父親・アドロックが言っているセリフで、“ねだるな、勝ち取れ、さすれば与えられん”というものがあって、これが僕にとっても共感できる部分でした。偉大な父を持ちそれを乗り越えようとするレントンの気持ちと一生懸命な姿勢。そういったことを思って歌っています。
 
<最後に一言>
こんな風に会場に皆さんお集まりいただき、ファンに支えられている作品に携われて光栄です。この、映画からは新世界と思っていただき、ぜひ楽しんでください!
 

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『交響詩篇エウレカセブン ハイエボリューション』
レントン:三瓶由布子 エウレカ:名塚佳織
デューイ:辻谷耕史 ホランド:森川智之 タルホ:根谷美智子
チャールズ:小杉十郎太 レイ:久川 綾 / アドロック:古谷 徹
総監督:京田知己 脚本:佐藤大 キャラクターデザイン:吉田健一 アニメーション制作:ボンズ
音楽:佐藤直紀 挿入曲:Hardfloor 、HIROSHI WATANABE 主題歌:「Glory Days」尾崎裕哉(TOY'S FACTORY) 
公式サイト:eurekaseven.jp
 

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瑛太、監督との禁酒の契りを破ったことを公開懺悔『リングサイド・ストーリー』大阪舞台挨拶
(17.9.7 大阪ステーションシティシネマ)
登壇者:佐藤江梨子、瑛太、武正晴監督  
 
『百年の恋』ではボクシングに没頭する女子を描いた武正晴監督が、佐藤江梨子、瑛太を迎え、プロレスや総合格闘技の舞台裏も交えながら描く『リングサイド・ストーリー』が10月14日(土)より全国ロードショーされる。瑛太演じる売れない俳優、ヒデオと、ヒデオを養うために全く興味がなかったプロレス団体で働く佐藤江梨子演じるカナコ。オーディションに落ち続けるヒデオと、プロレス界の魅力に触れ、どんどん輝いていくカナコの対比や、すれ違い、嫉妬などラブストーリーの要素を盛り込みながらも、夢に向かってひたむきに努力するレスラーたちの生の姿を捉え、活気溢れる仕上がりになっている。ヒデオのダイジェストビデオでは、バイプレーヤーならではのチョイ役がズラリと並び、瑛太の思わぬコスプレも楽しめる。ヒモ男となってしまったヒデオは再起できるのか。どこまでカナコは我慢できるのか。息ピッタリの主演二人の演技にも注目したい作品だ。
 
 
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全国ロードショーを前に、9月7日(木)大阪ステーションシティシネマにて行われた舞台挨拶付有料試写会では、上映前に武正晴監督、主演の佐藤江梨子、瑛太が登壇。挨拶では佐藤が、「こんばんは。今日は来ていただいて。有料ですみません。ありがとうございます」と有料ながらの来場に感謝の意を示すと、瑛太は「大阪に来れてうれしいです。ちなみに今日は有料で2000円だったんですよね。だからちょっと空席が・・・普段は1800円で映画を観るので、懺悔みたいなことは200円分でしたいと思います」と公開懺悔宣言。「撮影始まってから監督とお酒を飲むかという話をすると、監督は『願掛けのためにお酒を抜いている』。僕も1滴も飲まないと言ったのですが、2週間ぐらいするとだんだん気持ち悪くなって、2~3日休みがあった時にビール1本飲んじゃったんです。本当にすみませんでした!ちなみに東京の完成披露では言わなかったんです。大阪だけ!」と、序盤からトークも飛ばし気味に。武監督も「今日はたくさんの人にきていただき、ありがとうございます。ショックでしたが、なんとか立ち直りたいと思います」と挨拶し、大きな拍手が送られた。
 
 
 
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前日に東京・新宿FACEで行われた完成披露上映会では、黒潮“イケメン”二郎、武尊ら格闘家らも登壇したという話題に。佐藤は「バブリーでした。お客さんも無料でした。だからもっと人がいてたような気も・・・」と観客を笑わせると、瑛太は「アスリートと一緒は初めてですが、普段リングで闘っていらっしゃる方なので、挨拶も丁寧でしたね。(ファイトシーンも)考えていたけれど、誰にも言えずに終わりました」と和やかな雰囲気であったことを強調。武監督も「映画を上映する場所じゃなく、リングで普段プロレスを見る場所なんです。偶然3年前『百年の恋』の試合シーンを撮った場所なので、ビックリしました」とイベントとしてのスペシャル感があったことを語った。一方、映画館での上映はこの大阪が初めてということにも触れ、「一緒に観たい」と力強く宣言した。
 
 
今回、売れない俳優のヒデオと10年来同棲し、支え続けている主人公カナコを演じた佐藤は、その感想を聞かれると「あと何回主演を演じることができるんだろうと思い、すぐにオファーを受けました」。一方、過去の栄光に固執するヒデオを演じた瑛太は「ヒモ生活で、女性の視点から見たらダメな男と感じるかもしれませんが、男性から見れば映画全体的に割と共感できる部分があると思います」と、ヒデオの気持ちが分かる様子。
 
 
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そんな瑛太を佐藤は「ヒデオが乗り移った感じ。ステキで応援していました。役者魂がものすごく強い方」。瑛太は佐藤との芝居について「ヒデオとカナコの関係が一瞬で出来上がった感じ。それはサトエリさんが持っている母性、男をどこか見守ってくれる包容力のある方だなと。気持ちよくお芝居させていただきました」と称えた。また、本作はオリジナル脚本だが、『百円の恋』で脚本を担当した足立紳氏の夫婦のエピソードにインスピレーションを得たことも明かされた。
 
 

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最後は「私は中学3年間を大阪肥後橋に住んでいて、その時の進路の先生に進路を聞かれて『私は芸能人になる』と言うたんですよ。そうしたらポカンとした顔をして、これは絶対あかんと思ったのですが、先生に『もし私が芸能人になって大阪に来たら、謝りに来てください』と言うと、何年かしてある日舞台挨拶に出ていたら、進路指導の先生が『ちゃんと謝りに来ました』と。私はなんて大きな口を叩いたのかと、その時はごめんなさいと思ったのですが、この作品を見て、夢を目指して闘ったりすることはいいんじゃないかという気持ちになりました。ゆっくり観て行ってください」(佐藤) 
 
「僕は大好きな映画の一本になりました。今から観られる方々なので・・・この映画、始まったら物凄いことになっているので、面白かったらたくさんの人に伝えてください」(瑛太)
 
「タイトルは『リングサイド・ストーリー』となっていますが、『ヒデオとカナコのストーリー』だと思うので、そういうところも楽しんでください。出てくる人たちみんなが楽しいと思います」(武監督)
と挨拶し、映画館初上映となる今回の舞台挨拶を笑顔で締めくくった。
 
プロレス、総合格闘技の裏側が垣間見え、『百円の恋』男性版かと思いきや、 そう簡単にはいかないところがよりリアルな、ヒデオとカナコのラブストーリー。ダメ男につい尽してしまう女性、過去の栄光を捨てきれない男性は必見!そして夢の先に進みたい人にも、是非観て、楽しんでほしい。
(写真:河田真喜子 文:江口由美)
 

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<作品情報>
『リングサイド・ストーリー』
(2017年 日本 1時間44分)
監督:武正晴
出演:佐藤江梨子、瑛太、武藤敬司、黒潮“イケメン”二郎、武尊、田中要次、高橋和也、前野朋哉、近藤芳正、余貴美子
2017年10月14日(土)~大阪ステーションシティシネマ、T・ジョイ京都、109シネマズHAT神戸他全国ロードショー
公式サイト⇒ http://ringside.jp/
(C) 2017 Ringside Partners
 
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