「AI」と一致するもの

koubezaiju-b-550.jpg『劇場版 神戸在住』完成披露試写会舞台挨拶レポート

2015年1月17日(土)より公開致します『劇場版 神戸在住』の完成披露試写会が、オールロケーションを行った街、シネ・リーブル神戸で行われ、主演の藤本泉(23歳)、竹下景子(61歳)、白羽弥仁監督(50歳)が、舞台挨拶に登壇しました。
 

★来年1月17日の公開に先駆け、完成披露試写会を神戸の街で。
 

■日程:11月25日(火) 
■場所:シネ・リーブル神戸 

■登壇者:藤本泉(23歳)、竹下景子(61歳)、白羽弥仁監督(50歳)


 
藤本泉 〔主人公・辰木桂役〕:
埼玉県出身の藤本は、本作の撮影中ずっと神戸に滞在。神戸の印象を聞かれ「本当にきれいな街というのが第一印象。中華街や異人館があって、海があり山があり…素敵な物が凝縮された美しい街ですね」と絶賛。

koubezaiju-1.jpg阪神・淡路大震災の時にはまだ3歳であった藤本は「私は桂の等身大のような気持ちでした。初めて神戸に引っ越してきた桂は、神戸の街で生きていく中で、震災の傷跡を目にしていく。私自身も撮影をしていく中で、少しずつそういう傷跡に触れていって初めて、このきれいな建物が立ち並ぶ神戸の街は、震災という悲しい過去によって造られたのか…と、過去の震災というものがあっての今なのだ、ととても考えさせられました。今まではキレイな街という印象しかありませんでしたが、この作品に出演したことによって神戸の見方、感じ方が変わりました。

この映画は、私のような震災を知らない若い世代の女の子の目線で描かれているので、若い世代の皆さんにも是非観ていただきたいです。」

 

竹下景子 〔武内真弓役〕:
「1996年からスタートした震災復興支援の「詩の朗読とメモリアルコンサート」に1999年から14年間参加し続けていますが、実は震災前の神戸はほとんど知りませんでした。ですので、心のどこかで震災前を知らない私がここにいていいのか?という思いがあって、その小さな棘を抱えたまま通い続けた神戸でした。でも、今回この映画で、今の神戸の “街” が魔法で “人” に生まれ変わったような素敵な役をいただき、神戸の街と神戸に住む皆さんに少しでも気持ちが近づけたのではないかと感謝しています。

koubezaiju-3.jpg私自身(震災から)20年と言われてもピンと来なかったのですが、こんな可愛い藤本さんが震災を知らない世代と知り、あぁ、こんなに時間が経ったんだなと、まず私自身が驚きました。一方で、桂という女子大生を通して、ドラマやフィクションを超えてとても自然に“今の神戸”が私たちに入ってくる。今の神戸の風景を通して、震災以前をご存知の方はその以前のことへ思いを馳せ、藤本さんのように震災を実際に体験していない若い方達には、この町がどういうことを経験し、ここで生きてきた方々がどういう思いでいらっしゃるかということに、思いを馳せるきっかけになればいいなと思います。ありのままの自分を振り返られる、何気ないけれど大事なものが詰まっている映画です。」

 

白羽弥仁(シラハミツヒト)監督:
koubezaiju-2.jpg「関係者ではなく一般の方に観ていただくのは今日が初めてなので、若干緊張しております。
神戸に住んでいるので毎日がロケハンみたいなものでして、この映画を撮るにあたっては、自分が熟知している場所なので、あとはもういい役者さんに存分に思い通りにやっていただければ、良い映画ができると確信しておりました。いいものができたと自負しております。明るい未来を予測できるような、明るいラストシーンになっているので、是非お楽しみください。」

 


 
「劇場版 神戸在住」は、2015年1月17日(土)より、ヒューマントラストシネマ渋谷、テアトル梅田、シネ・リーブル神戸他で全国順次公開をする。また、テレビ版を、同日の20:00より、サンテレビジョンでオンエア。
劇場公開と地上波が同日に展開されるのは、日本のメディア史上初の試みであります。

監督:白羽弥仁  脚本:安田真奈  
原作:木村紺「神戸在住」(講談社刊)

出演:藤本泉/菅原永二/浦浜アリサ/松永渚/柳田小百合/松尾貴史/田中美里(友情出演)/仁科貴/愛華みれ/竹下景子
2014年/日本/カラー/ステレオ/ビスタ/97分/G  
公式サイト⇒ http:// www.is-field.com/kobe-zaiju/

配給:アイエス・フィールド  
© 2014木村紺・講談社/サンテレビジョン

 (プレスリリースより)

『海月姫』(くらげひめ)試写会プレゼント!

kuragehime-pos.jpg
■ 提供:アスミック・エース
■ 日時:2014年12月19日(金) 
    18:00開場/18:30開映
■ 会場:御堂会館
〒541-0056 大阪市中央区久太郎町4-1-11
    TEL(06)6251-5820(代表)
    FAX(06)6251-1868
    地下鉄御堂筋線本町駅8号出口南へ200m
    地下鉄中央線本町駅13号出口南へ50m  
■ 募集人数: 5組 10名様
■ 締切:2014年12月11日(木)
■ 公式サイト⇒ http://www.kuragehi.me/

2014年12月27日(土)~大阪ステーションシティシネマ、なんばパークスシネマ、MOVIX京都、神戸国際松竹 他全国ロードショー


『海月姫』(くらげひめ)

オタク女子集団に突如降りかかった、史上最大のピンチ!
彼女たちが仕掛けた大勝負とは!?

我がオタク人生をかけて、出陣であります!
笑いと涙と萌え!【オタクすぎるシンデレラ・エンタテインメント】

 

kuragehime-2.jpg

【STORY】
月海は、イラストレーターを志すクラゲオタク女子。小さい頃、亡き母と一緒に見たクラゲのようにひらひらのドレスが似合うお姫様になれる・・・こともなく、今やすっかり腐った女の子に。男子禁制のアパート “天水館”で、「男を必要としない人生」をモットーとする “尼~ず”たちとオタク道を極めたそれなりに楽しい日々を送っていた。

ゆるい日常は、女装美男子と童貞エリートの兄弟の出現によって揺るがされる。さらに、彼女たちの住まいであり心のより所でもある「天水館」=「聖地」が奪われる危機がぼっ発!!彼女たちは聖地を守れるのか?尼~ずはバラバラになってしまうのか?そして、「男を必要としない人生」のゆくえは!?
 


出演:能年玲奈  菅田将暉/池脇千鶴 太田莉菜 馬場園梓(アジアン) 篠原ともえ/片瀬那奈 速水もこみち 平泉成/長谷川博己
監督:川村泰祐 脚本:大野敏哉/川村泰祐 
原作:東村アキコ「海月姫」(講談社『Kiss』連載)
ドレスデザイン/スタイリスト:飯嶋久美子 
音楽:前山田健一 
主題歌:SEKAI NO OWARI「マーメイドラプソディー」TOY'S FACTORY INC
製作:『海月姫』製作委員会 制作・配給:アスミック・エース 制作協力プロダクション:ギークサイト 
(C)2014『海月姫』製作委員会(C)東村アキコ/講談社

 2014年12月27日(土)~大阪ステーションシティシネマ、なんばパークスシネマ、MOVIX京都、神戸国際松竹 他全国ロードショー

interstellar-550.jpg

100sai-550.jpg

aino2.jpg

写真左より写真左より池松壮亮、高橋愛実、沖渡崇史、中村映里子、藤村駿プロデューサー、木ノ内輝エグゼクティブプロデューサー、中川龍太郎監督
 
池松壮亮イチオシの新星、中川龍太郎監督がラフマニノフの旋律にのせて描く『愛の小さな歴史』舞台挨拶@TIFF2014
登壇者:中川龍太郎監督、木ノ内輝エグゼクティブプロデューサー、藤村駿プロデューサー、中村映里子、沖渡崇史、高橋愛実、池松壮亮
 

~20代スタッフ、キャストの”情熱”がほとばしる!鮮烈で優しい”家族の再生”~

 
10月23日より開催中の第27回東京国際映画祭で日本映画スプラッシュ部門作品としてワールドプレミア上映された中川龍太郎監督の『愛の小さな歴史』。詩人としても活動している中川監督が原作、脚本も担当し、プロデューサーやメインキャストも20代というまさに若手の力が結集した作品だ。
 
aino1.jpg
幼い頃に父親からの虐待に遭い、母親亡き後親戚の家で孤独に生きてきた夏希(中村映里子)。唯一の家族である実の妹がクスリ漬けになっていることを知る借金取りの夏生(沖渡崇史)。夏希は父親(光石研)に復讐するため、夏生は妹(高橋愛実)を救うため、孤独に生きてきた2人が唯一の家族と同居し、短くて熱い夏が始まる。
 

aino5.jpg

家族だからこその衝突はとことん激しく、でも家族だからこそ分かり合える部分はとことん優しく、役者たちの情熱がスクリーンから溢れだしてくる感じは、どちらかといえば自然体の演技やさらりとした演出が多い最近の若手が作る日本映画にはない、懐かしさすら覚える。感情がぶつかり合う一方で、ふと笑わせるような演出も施したり、ラフマニノフの調べにのせて詩的に綴ってみたり、硬軟合わせながら展開する物語に思わず入り込んでいくのだ。主演の中村映里子、沖渡崇史をはじめ、妹役の高橋愛実らの体当たりの演技や、父親役の光石研が過去の大きな過ちを犯してしまい、今では社会で何もできなくなった情けない男をこれ以上ないぐらいリアルに表現。怒りを高ぶらせる登場人物たちの中で、父親の元同僚役の池松壮亮は、少ない登場シーンながら作品の中で癒しや笑いを生み出し、心憎いばかりの存在感を放つ。
 
 

aino3.jpg

10月28日の上映前には、中川龍太郎監督、木ノ内輝エグゼクティブプロデューサー、藤村駿プロデューサー、そして出演者の中村映里子、沖渡崇史、高橋愛実、池松壮亮と総勢7人が登壇。満席の観客から大きな拍手で迎えられた。最初に「中川って誰?と思われるかもしれませんが、名前だけでも覚えてもらえれば。これからも映画を撮っていくので、よろしくお願いします」(中川監督)、「20代のスタッフ、若手の役者が頑張って作った映画が東京国際映画祭で上映されることはとても意味があること」(木ノ内)、「不器用で、ヘタクソで真っ直ぐな人間たちがぶつかる様を楽しんでもらえたら」(藤村)、「パッションがものすごい映画」(中村)、「若さあふれる映画。若さを楽しんで生きるということを考えてもらえれば」(沖渡)、「辛く悲しい中に希望がある」(高橋)、「(作品は)まだ観れていないけれど、(中川監督は)イチオシの監督です」(池松)とそれぞれが作品の見どころや印象を紹介しながら一言ずつ挨拶。
 
 

aino4.jpg

司会の矢田部プログラムディレクターから、非常にタフな状況に置かれたヒロインを演じたときの心境を聞かれた中村は、「中川監督が本当に暑苦しいぐらいアツい人で、他のキャストのみなさんも情熱を持って本作に挑まれていたので、彼らに負けないように取り組みました。池松君が中川監督を紹介してくれたことがきっかけで、この映画に出演したのですが、池松君にがっかりされないようにがんばろうと思っていました」と緊張の面持ちで答えると、「緊張しすぎでしょ」と池松からフォローが。
 
 
 
 
 

aino7.jpg

一方、本作の他にも様々な監督と組み、精力的に活動している池松は、中川監督の現場についての印象を聞かれ、「本作ともう1本、中川監督と一緒に撮ったのですが、4日ぐらいしか撮影していないので、あまり分かりません」と正直すぎる答えに観客も思わず大笑い。池松のコメントを受けて、中川監督は「池松君は気を遣ってそういう風に言ってくれたと思いますが、僕の現場は空気が悪いんです。皆、言いたいことがいっぱいあると思います」と自虐コメントで笑わせた後、「今も新作を撮っており、それと同時にこのように作品をみなさんに観ていただけるのが一番いいこと。前回の舞台挨拶でネタバレしてしまい矢田部さんに怒られたので、これぐらいにしておきます。どうもありがとうございます」と舞台挨拶を締めくくった。本作はもちろんのこと、まだまだ精力的に映画を撮っていくと宣言した中川監督の今後にも大いに期待したい。
 
 
aino8.jpg
 

 
『愛の小さな歴史』
(2014年 日本 1時間20分)
監督:中川龍太郎
出演:中村映里子、沖渡崇史、高橋愛実、池松壮亮、光石研、中村朝佳他
 
第27回東京国際映画祭は10月31日(金)までTOHOシネマズ六本木ヒルズ、TOHOシネマズ日本橋他で開催中。(江口由美)
 
第27回東京国際映画祭公式サイトはコチラ
 

tensai-S-b-550.jpg福くん登場して、天才子役対決!?『天才スピヴェット』舞台挨拶レポート 《東京国際映画祭2014》
 

◆実施日:1027日(月) 
◆実施場所:TOHOシネマズ六本木ヒルズ2 SCREEN5 (港区六本木3-8-15
◆登壇者:鈴木福くん(10歳)
主演 カイル・キャトレット(12)、監督 ジャン=ピエール・ジュネ(61歳)


tensai-S-2.jpgフランス本国と日本で驚異の大ヒットを記録、観る者すべてを幸せにした『アメリ』のジャン=ピエール・ジュネ監督待望の最新作で、11月15日(土)よりシネスイッチ銀座、ヒューマントラストシネマ渋谷ほか全国順次公開となる、映画『天才スピヴェット』。

1023()31()まで開催される第27回東京国際映画祭の“特別招待作品”への選出が決定し、 本映画祭にあわせて、ジャン=ピエール・ジュネ監督と共に本作で主演を務める天才子役カイル・キャトレット君が来日、 公式上映の前に、ジュネ監督とカイル君の舞台挨拶を実施。
また、特別ゲストとして日本の天才子役・鈴木福くんが二人の来日を祝し、会場に駆けつけました!

 


tensai-S-b-3.jpgジャン=ピエール・ジュネ監督と、自身が演じたスピヴェットの格好である燕尾服を着用し髪はオールバックでキメたカイル・キャトレット君が登場すると、会場は歓声に包まれ、カイル君の可愛らしい姿には「かわいいい~!」という声が挙がりました。主人公の10歳の天才少年を演じるカイル君は、6ヵ国語を操り、3年連続「総合格闘技の世界チャンピオン」の顔も持つ、正真正銘の天才少年! この日は、その6ヵ国語を使い分けた、華麗なる自己紹介を披露!

また、スピヴェットと同い歳の10歳の日本の天才子役代表として、二人の来日祝いに駆け付けた鈴木福君は、 カイル君と同じ、燕尾服姿&オールバックヘアーで登場!カイル君は、自身が得意とするカンフーも披露し、更なる天才ぶりをアピール、一方の福君もカイル君に特技のけん玉を披露!可愛らしい”天才子役対決”に会場からは歓声と拍手が送られました。

ジュネ監督は、二人の天才子役を前にイマジネーションが駆り立てられたようで、次回作は二人がけん玉とヌンチャクで闘う映画をつくると約束!福君の世界デビューを予感させると共に、天才子役二人の可愛らしさ、そしてジュネ監督の映画さながらの小粋でエスプリの聞いたトークに会場は大いに盛り上がりました。



MC:本日は第27回東京国際映画祭 特別招待作品「天才スピヴェット」上映にようこそお越し下さいました。
それでは、本日のゲストに登場していただきましょう!

<ジャン=ピエール・ジュネ監督、カイル・キャトレットくんが登場>

tensai-S-b-6.jpgジュネ監督:日本でこうやって上映できるのがとても嬉しいです。日本に私のファンが何名かいることは知ってるよ(笑)。僕はモンマルトルのカフェの近くに住んでいるんだ。なぜならば、日本人がこのカフェにあるものを食べにくるから!『アメリ』のポスターが貼ってあるんだけど、僕が座っていると邪魔って言われることもあるんだ(笑)。彼は(カイル君)は、見ての通りちょっと小さい。映画内ではアクションシーンがいくつかあるんだけど、スタントは全部自分でこなしたんだ。しかし、タフで疲れたとは決して言わないし、真の意味で俳優なんだよ!

カイル君:<【私はカイル・キャトレットです】を、英語・ロシア語・北京語・スペイン語・フランス語・日本語で披露。会場から歓声が!>

MC:6ヶ国語ですが?!すごいですね!ありがとうございました!それでは、ジュネ監督に質問です。本作は原作を気に入られて、映画化を決めたそうですが、ご自身初の3D作品となります。なぜ、本作を3Dで撮ろうと思ったのですか?

ジュネ監督:子供の頃、ビューマスターという3D映像がみれるおもちゃが好きだったんだ。
実はこの作品の脚本は元々3Dで撮るという前提だったし、実際とても合っていると思う。
今日はハジの方の席にもたくさんお客さんが座っているけど、3Dの効果というのは本来真ん中で得られるものだから、本当の効果が得られないかも・・・だから是非もう一度真ん中でみてほしいな!

MC:カイル君は今回ジュネ監督の作品に出演されてみていかがでしたか?

カイル君:楽しかったです!素晴らしい監督です!

MC:さて、ここで本日は更にスペシャルゲストが駆けつけてくれました。日本を代表する天才子役といえばこの方、鈴木福君です!

tensai-S-b-2.jpg<燕尾服にオールバックスタイルで鈴木福君登場!花束をジュネ監督とカイル君に手渡す>

MC:福君、ようこそいらっしゃいました!福君は現在10歳ということで、スピヴェット君とまさに同い年、まさに天才子役同士でありますね。一言ご挨拶をお願いします

福君:こんにちは、鈴木福です。本日はこんな素敵な場所に呼んでいただき、 とても嬉しく思っています。映画の天才スピヴェット君をイメージした格好できました。よろしくお願いします!

ジュネ監督:映画は気に入った?!

福君:はい、とても面白かったです!カイル君はアクションシーンもかっこよかったし、映画初出演とは思えないくらい演技が上手でした。

カイル君:(日本語で)ありがとうございます!

MC:カイル君は、7歳以下の武道選手権で3年連続チャンピオンになったそうですね。 是非、武術をここで披露いただけますか?

tensai-S-b-4.jpg<カイル君、見事なカンフー(剣、ヌンチャクなど)を披露!会場からは歓声と拍手が!>

MC:福君、カイル君のカンフーはいかがでしたか?

福君:すごいですね。さすが世界チャンピオンだと思いました!かっこよかったです!

MC:では、今度はお返しに今、福君がはまっている、学校で流行っているというこちらを披露いただきます!


 

tensai-S-b-5.jpg<福君けん玉披露!いつくかの技を見事に成功させるも、大技である“野球”という技がなかなか決められず・・・失敗に終わります。>

福君:かっこいい姿をみせることができなくて・・・負けちゃいました・・・
すごく緊張しまくってヤバイです・・・

カイル君:よかったよ!

MC:ジュネ監督は二人の特技はいかがでしたか?

ジュネ監督:今度ケン玉少年の役を書くよ!ヌンチャクとケン玉で闘う映画をね!

MC:それでは最後に映画の見所をこれから観る観客の方にメッセージをお願します。

ジュネ監督:アメリカの専門誌が、”最高の3D映画”と書いてくれました!私も賛成です(笑)
3D映画なので是非真ん中の席で観てください!

カイル君:今日はありがとうござます!是非楽しんでください!

福君:驚きと発見のつまったおもちゃ箱のような映画です。若い人からお年寄りまで楽しめると思いますので是非みてください


 【STORY】
tensai-S-3.jpgモンタナの牧場で暮らす10歳のスピヴェットは、生まれついての天才だ。だが、身も心も100年前のカウボーイの父と昆虫博士の母、アイドルを夢見る姉には、スピヴェットの言動が今ひとつ分からない。さらに、弟の突然の死で、家族の心はバラバラになっていた。そんな中、スピヴェットにスミソニアン学術協会から、最も優れた発明に贈られるベアード賞受賞の知らせが届く。初めて認められる喜びを知ったスピヴェットは、ワシントンDCで開かれる授賞式に出席するべく、家出を決意する。数々の危険を乗り越え、様々な人々と出会うスピヴェット。
何とか間に合った受賞スピーチで、彼は<重大な真実>を明かそうとしていた──。


監督:ジャン=ピエール・ジュネ『アメリ』『デリカデッセン』『エイリアン4』
原作:「T・S・スピヴェット君傑作集」ライフ・ラーセン著(早川書房刊)
出演:カイル・キャトレット(新人)、ヘレナ・ボナム=カーター『チャーリーとチョコレート工場』『英国王のスピーチ』、
ジュディ・デイヴィス、カラム・キース・レニー、ニーアム・ウィルソン、ドミニク・ピノン
原題:『The Young and Prodigious T.S. Spivet』/105分/フランス・カナダ合作/カラー/シネスコ/5.1chデジタル
字幕翻訳:松浦美奈 
(c) EPITHETE FILMS - TAPIOCA FILMS - FILMARTO - GAUMONT - FRANCE 2 CINEMA

★作品紹介⇒ こちら
★公式サイト⇒ http://spivet.gaga.ne.jp/

 

marseille-ki-550-2.jpg髭剃りが大変だった!?『マルセイユ・コネクション』ジル・ルルーシュ&セドリック・ジメネス監督舞台挨拶《東京国際映画祭2014》


◎日時:2014年10月26日(日)
◎ゲスト:ジル・ルルーシュ(42歳)、セドリック・ジメネス(?)


 『マルセイユ・コネクション』
・原題:The Connection [ La French ] 
・(135分 フランス語 Color 2014年フランス=ベルギー)
・監督/脚本 : セドリック・ジメネス
・プロデューサー : アラン・ゴールドマン・ 脚本 : オードレイ・ディヴァン
・撮影監督 : ローラン・タンギー     ・美術 : ジャン=フィリップ・モロー
・編集 : ソフィー・レーヌ        ・音楽 : ギヨーム・ルセル
・出演:ジャン・デュジャルダン、ジル・ルルーシュ、セリーヌ・サレット、メラニー・ドゥーティ、ブノワ・マジメル
© LEGENDE FILMS, GAUMONT, FRANCE 2 CINEMA, SCOPE PICTURES


 
~現代の視点で描いたフランス版“フレンチ・コネクション”の醍醐味~

 
1970年代のマルセイユに実在した麻薬犯罪組織のボスと新任判事との攻防戦を描いた『マルセイユ・コレクション』。当時巨大な市場であったアメリカへの麻薬密売ルートを確立したのは、マルセイユを拠点とした“フレンチ・コネクション”と呼ばれた犯罪組織だった。ウィリアム・フリードキン監督の『フレンチ・コネクション』(71)とジョン・フランケンハイマー監督の『フレンチ・コネクション2』(75)では、まさにフランスからの麻薬ルートの取り締まりに命を懸けたニューヨーク麻薬取締官の活躍を躍動感あふれる映像で描いていた。当時、コルシカ島出身のフレンチ・マフィアと、シチリア島出身のイタリアン・マフィアの双方からアメリカへ麻薬が密売され、アメリカの若者が急激に麻薬に蝕まれていった。その後のアメリカ映画では大きな社会問題として数多くの作品で扱われるようになった。そんなマフィアが暗躍する世界を“ファミリー”の内側から描いたフフランシス・フォード・コッポラ監督の『ゴッドファーザー』シリーズはあまりにも有名。
 

marseille-550.jpgそしていま、マルセイユ出身の若き監督が、判事とマフィアのボスを両極において、それぞれの家族への想いや仕事に対する非情さを、現代の視点で細やかに物語る。特に、犯罪組織に果敢に戦いを挑み続けた判事の執念を、「勝負にこだわるギャンブラーのようだ」と語らせているところは人間臭くて興味深い。『アーティスト』(11)でアカデミー賞主演男優賞を受賞したジャン・デュジャルダンがミシェル判事役を、『この愛のために撃て』(10)のジル・ルルーシュが犯罪組織のボス・ザンパ役を演じて、なんとも豪華なW主演となった。また、数々の主演映画で日本でも大人気のブノア・マジメルがボスと敵対するマフィアの一員を、さらに今年のフランス映画祭で上映されたトニー・ガトリフ監督の『ジョロニモ 愛と灼熱のリズム』で主演したセリーヌ・サレットなど実力派が脇を固めている。

 本作を監督したセドリック・ジメネス監督と、犯罪組織のボス役を演じたジル・ルルーシュが東京国際映画祭のために初来日し、舞台挨拶を行った。
 


 

marseille-di-1.jpg――― 歴史的事件を扱っている本作の製作にあたりプレッシャーはなかったのか?
監督:プレッシャーはなかったが、責任は感じていた。私はマルセイユで生まれ育ち、父はザンパ関係者が経営していた店の隣でナイトクラブを経営していたので、子供の頃から彼等のことはよく知っていた。いつかはこの事実を物語りたいと思っていた。実在の人々に対し敬意を払いながら、マルセイユの人々に対しても裏切らないような作品を撮りたいと思っていた。


――― ハンディカメラの使用について?
監督:映画の中に観客が入り込んで、より登場人物たちを身近に感じてもらえるようにハンディカメラを使用した。人物と観客との距離感をなくして、キャストの動きに付いて行けるよう、活き活きとした映像を撮りたかった。


marseille-ji-3.jpgのサムネイル画像――― ジルは『プレイヤー』(12)でもジャンと共演して究極の遊び人をコミカルに演じていたが、今回はシリアスにガチ勝負?
ジル:ジャンとの共演作は3作品あるが、直接顔を合わせる共演は今回で2作目。長年の友人でもあるので、対決シーンでは苦労した。知らない者同士なら上手くいくところを、とにかく8時間は敵として顔を合せない、話もしない、といった具合に緊張関係を作った。そのせいで、その後心理カウンセラーを必要としたほどだった(笑)。
 

――― フレッド・カヴァイエ監督がジル・ルルーシュの印象について、「愛する妻のために東京の街を駆け巡るようだ」と言っていたが、東京の印象について?
ジル:小さい頃から東京に憧れていた。私にとって東京は『ブレーランナー』の世界のようだった。とてもユーフォニックで快楽的でワクワクするような、違うコードの街。フランスが中世に見えるくらい日本は近未来的。興味を掻き立てられる街なので、多くの監督が東京で撮りたいと思う気持ちがよくわかる。
 

ジルもジャンも体格が似ていて濃い無精ひげの印象が強かったが、本作ではスッキリ綺麗なお顔で、特にこんなハンサムなジル・ルルーシュを見るのは初めてではないかと思う。実在の人物がモデルなので、家族や関係者にリサーチして役作りをしたという。また、当時の男性は服や髪などスタイルにこだわり、いつもきちっとした格好をしていたので、ジャンとジルにもまめに髭剃りをするよう監督の指示があったようだ。「髭剃りが大変だったんだ!」とこぼすジル(笑)。
 


marseille-ji-1.jpgのサムネイル画像≪ジル・ルルーシュ≫
1972年、フランス生まれ。
演劇学校を卒業後、俳優業を開始し、『Ma vie en l'air』(未/05)でセザール賞の若手有望株賞にノミネートされる。その後、ジェロール・サム監督の『アントニー・ジマー』(未/05)、セドリック・クラピシュ監督『PARIS(パリ)』(08)、リュック・ベッソン監督の『アデル/ファラオと復活の秘薬』(10)等のヒット作に出演。また『ナルコ』(04)では出演と共に監督・脚本デビューを果たした。その他の主な出演作は、『世界で一番不幸せな私』(03)、『ジャック・メスリーヌ/フランスで社会の敵(パブリック・エネミー)No.1と呼ばれた男』(08)、『プレイヤー』(12)、フレッド・カヴァイエ監督の『この愛のために撃て』(10)と『友よ、さらばと言おう』(13)など。
 

≪セドリック・ジメネス監督≫
マルセイユ生まれ、監督兼脚本家。ニューヨークとロンドンで数年を過ごしたのち、独立系プロデューサーとしてパリで映画製作のキャリアをスタート。2011年にサスペンス『ハッキング・アイ』をプロデュース・監督し、批評家から高い評価を受け、ナポリ国際映画祭最優秀作品賞を受賞。ジャン・デュジャルダンとジル・ルルーシュが出演する本作は監督としての長編第2作である。
 


(河田 真喜子)

 

kitano-550.jpg第1回“SAMURAI(サムライ)”賞受賞記念 北野武監督スペシャルトークイベント《東京国際映画祭2014》

 

 第27回東京国際映画祭で新設された“SAMURAI(サムライ)”賞の初年度の受賞者である北野武監督を招き、「日本映画の未来と今」について語り合うトークイベントが開催されました。

日時・場所:10月25日(土)~@六本木ヒルズ49階アカデミーヒルズ内タワーホール
◎登壇者:北野武監督、トニー・レインズ(映画製作者/映画評論家/キュレーター)、クリスチャン・ジュンヌ(カンヌ映画祭代表補佐)、「PFF」各賞受賞監督、「日本学生映画祭」受賞監督

 


 
kitano-4.jpgトークショーの前半では、若手の映画監督からの質問に対し、「自分が描きたいものを自分なりに描けばいい。でも、嫌いなものも認めるという余裕も必要で、自分の好きなことを他の意見もあると思いながらつくっていけばいいんじゃないか。みんなマジメすぎるよね。余裕をもって、常に自分を客観的に見た方が追い詰められなくていいと思う」と、独自の映画論について時に冗談を交えながら、北野監督はお話しくださいました。


kitano-3.jpgトークショー後半では、日本映画に造詣が深いトニー・レインズ氏とクリスチャン・ジュンヌ氏も登壇し、北野監督の作品や日本映画について語っていただきました。日本映画に興味を持つきっかけとして、黒澤明や溝口健二、小津安二郎などの監督を挙げたレインズ氏とジュンヌ氏。最近の日本映画について、「映画の未来は今、この舞台の上にいる若い監督たちによってつくられます。かのオーソン・ウエルズ監督の有名な言葉で、“彼らは、未来を使い果たしてしまった”、というものがありますが、大会社による映画製作は終焉を迎えています。これからは若者が映画づくりの未来を担い、シネマというものをつくり上げていくと思います。映画づくりは学校でも学べますが、自分でつくることが最もよい学び方です」と、述べたレインズ氏にジュンヌ氏は同意し、「映画の未来は若手監督にあり、これは日本映画に限らず、全世界的な映画製作について言えることです。世の中の変化と共に監督も変わり、映画のメッセージもその伝え方も変わるでしょう。若手監督の皆さんが伝えたいメッセージを発信できることを願っています」と、語りました。北野監督は、「日本で作品の悪口ばかり言われていた時に初めて評価してくれたのがトニーさんで、いまだに恩義を感じている。だから若手監督のみなさんも、誰がどこで見ているか分からないので、好きな映画を撮った方がいい」と、述べました。


北野監督に興味を持つきっかけとなった作品についてジュンヌ氏は、「始めて北野監督の作品を見たのは、役者として出演した大島渚監督の1983年の作品、『戦場のメリークリスマス』でした。その後、監督作品を見たのは、『ソナチネ』でしたが、非常に印象的で、今でも北野監督の映画の中で一番好きな作品です。映画を見終わった後に残るノスタルジア、寂しさのような感情が、北野監督の作品に惹きつけられるところです」。レインズ氏は、「80年代の終わりに、『その男、凶暴につき』を見て素晴らしいと思い、バンクーバー国際映画祭で上映しました。その後の活躍は、皆さんご存知のとおりです」と、述べました。


kitano-2.jpg日本の若い監督の作品が海外で評価されるために必要なものについて、レインズ氏が、「商業映画の未来は、ごく少数の大手企業が握っています。ほとんどの若い監督は、そこに入り込みブレイクのきっかけとすることはできないでしょう。少なくとも近い将来においては、メジャーな商業映画にかかわるチャンスはさらに限られたものになっていきます。ですが別の媒体、つまりインターネットにおける配信方法を開拓するという方法があります。大きな劇場で上映されていない作品を見つけるということが、今後多くなっていくと思うのです。若手監督の皆さんは、新しい発信方法を追求すべきです。そして何よりも、良い作品をつくること。良い映画をつくれば、世界は注目します。世の中には優れた映画はそれほど多くありません。意外に思われるかもしれませんが、競争相手はそれほど多くないですよ」と、述べると、北野監督は、「何が必要かなんて、どうすれば宝くじが当たるかというような話だから、それは自分で探すしかない。参考意見としては受け止めていいけども、つくるのは自分だから。自分の世界を構築することがベストであって、自分で新しいものを見つけるかもしれない。私はがんばれとは言いません。若い芽は早く摘んでおいた方がいいですから」と、北野監督らしいコメントで、舞台上の若手監督にエールを送りました。

saigonoinochi-inta-550.jpg

生身の人間同士が触れ合う感覚を大事にしたい~『最後の命』柳楽優弥インタビュー
 

saigonoinochi-1.jpg

『最後の命』(2014年 日本 1時間50分)
監督:松本准平
原作:中村文則『最後の命』講談社文庫刊
出演:柳楽優弥、矢野聖人、比留川游、内田慈、池端レイナ、土師野隆之介、板垣李光人、りりィ、滝藤賢一他
11月8日(土)~新宿バルト9、ヒューマントラストシネマ渋谷、梅田ブルク7、シネマート心斎橋他全国公開
※NY「チェルシー映画祭」最優秀脚本賞を邦画初受賞
公式サイト⇒http://saigonoinochi.com/
(C) 2014 beachwalkers.
 

~生きる理由を探す青年がみつけた光とは?~

 
できるだけ他人と関わらないように静かに生きる青年桂人と、婦女暴行犯として追われていた幼馴染の冴木。幼い頃ある事件を目撃したことがきっかけで、運命を狂わされた二人が再会したとき、桂人の部屋で殺人事件が起きる・・・。
 
芥川賞作家の中村文則の小説『最後の命』を、『まだ、人間』で注目を集めた新鋭、松本准平監督が映画化。主演の桂人にはドラマ『アオイホノオ』他、圧倒的な存在感で観る者を魅了する柳楽優弥、桂人と対峙する冴木に蜷川幸雄の『身毒丸』で主役を演じた矢野聖人、二人の男にかかわる同級生香里に本作で映画デビューを飾った比留川游が扮し、緊迫感のあるドラマを説得力のあるものにしている。特に目線や佇まいで、桂人の抱えている過去や性への葛藤を表現する柳楽優弥の演技に惹きこまれ、まさに桂人と冴木の間に流れる空気を感じることができるだろう。
 
キャンペーンで来阪した主演の柳楽優弥に、桂人の人物像や、本作で表現したかったこと、また俳優人生の中で印象的だった現場についてお話を伺った。
 

saigonoinochi-inta-2.jpg

―――最初に脚本を読まれたとき、この作品や桂人、冴木というキャラクターに対してどんなことを感じましたか?
柳楽:まず、現代っぽいなという印象を持ちました。先に原作を読んだのですが、すごくインパクトのある小説で、どういう風に脚本化されるのだろうと思っていました。自殺や死、そして生きるということについて考えさせられる内容で、僕らや、もう少し下の世代に何か響くものがあるのではないかと。実際に脚本を読んだときは、すごく難しいと感じました。現場に入る前に頭に浮かんだのは、ショーン・ペン主演の『ミスティック・リバー』で、監督はそんな感じのことをしたいのではないかとも感じました。
 
 
―――目線や佇まいで、過去に何か重いトラウマを背負っている桂人を表現されていましたが、どういうプロセスで役作りをしていったのですか?
柳楽:桂人は言葉で人を説得するのではなく、自分の言いたいことを割と抱え込んでしまっているタイプです。そういうタイプの人は相手の目を見て話さない印象があるので、監督に目線の提案をしてみたら「いいですね、やってみましょう」とGOサインを出してくれました。目線の表現は意識して取り入れていきましたね。過去のトラウマや葛藤を抱えているような、あまりポップではない役を演じるときは、現場に入る前に少し憂鬱になることがあります。今回は作品のテーマも重いので、「よし、頑張るぞ」と気合を入れて臨みました。「撮影でどれだけ自分が闘えるか」という戦闘モードでしたね。
 
 
―――古書で埋め尽くされていた桂人の部屋も、桂人という人物を読み解くヒントになりますね。
柳楽:すごい本を読むなと思いました。(笑)高校生でドストエフスキーの『罪と罰』を読むような人物ですから。それよりもレベルの高い本が桂人の家には積まれていて、きっと本に救われて選択肢が広がっているような人なのでしょう。
 
 

saigonoinochi-2.jpg

―――子どもの頃に同じ事件に巻き込まれた桂人と冴木の間には、二人にしか分からない世界があり、観る方はその世界に引きずり込まれていく感じがしました。柳楽さんは、桂人と冴木の関係をどう捉えて演じたのですか?
柳楽:僕も小学校や中学校のときは、目立つ人や何かに長けている人を羨ましいと思うタイプだったので、桂人にとっての冴木も羨望の眼差しを向ける存在だったのではないでしょうか。監督には冴木が兄で、桂人が弟のような関係だと言われたのですが、時間が経った後に再会すると、冴木の方が追い込まれていた気がします。
 
 

saigonoinochi-3.jpg

―――冴木役、矢野聖人さんとの初共演はいかがでしたか?
柳楽:矢野さんは蜷川幸雄さんの舞台『身毒丸』に出演され、舞台慣れされているので、今回も役をかっちり組み立てて臨まれていた印象があります。僕は矢野さん演じる冴木に振り回される普通の青年役なので、矢野さんが現れた途端「冴木だ」と思え、全信頼を寄せて挑めました。とても魅力的な方でしたね。比留川さんもとても素敵な方でした。精神を病んでいく桂人の彼女役ですが、年上ながらとても親しみやすい雰囲気を出してくれ、僕は共演していて落ち着きました。
 
 
―――重いテーマのストーリーですが、最後に光射すイメージを残しますね。
柳楽:キャラクターたちが真っ暗なトンネルで出口を探しながら走っていると、エンディングでCoccoさんの歌が流れ、「出口はここだよ」と光を照らしてくれた気がします。僕はエンディングがCoccoさんの歌だと知らなかったので、初めて聞いた時いい意味で衝撃を受けました。
 
 
―――柳楽さんの目がすべてを物語る力を持っていたと思います。まさに柳楽さんあっての作品なのでは?
柳楽:やはり、監督が僕の目の力に注目してくれたことが大きいです。脚本が難しかったので、撮影前半はこちらから腑に落ちない点を監督に聞きに行くようにしていました。
 
 
―――役の幅も広がりましたね。
柳楽:本当に色々な役のオファーが来るようになりました。次は時代劇がやりたいです。最近は仕掛ける方の役が多いのですが、そちらの方は遊べるし楽しいですね。今回は俳優をはじめた頃に演じていたような、割と受け身の役です。最近の主役はどの作品を見ても受け身芝居が多い気がするので、こういう受け身の役もきちんと演じられるようになりたいです。
 

saigonoinochi-4.jpg

―――最初は受け身ですが、最後に一皮むける桂人の成長ぶりは、柳楽さんの繊細かつ大胆な演技でリアリティーがありました。傷つきあいながらもぶつかっていく主人公たちの姿に心揺さぶられます。
柳楽:『アオイホノオ』で昭和時代の芸大生を演じて以来、僕の中で昭和と平成を比べるのがブレイクしているのですが、昭和50年代は相手に対してしっかり伝えるというイメージがあります。平成は相手に対して、インサイドになるのが癖になっているイメージです。桂人はインサイドすぎる存在で、自分の意思はあるのですが、感情の爆発する方向がネガティブになりすぎている気がします。今いろいろな事故や事件が起こっている中で、自死しか選択肢がないと思わないでほしい。そういう光をこの作品から見つけてほしいです。
 
トンネルから見える小さな光や、自分がふと前向きに考えられることというのは、ふとした瞬間に声をかけられた言葉を一生覚えているような、意外と日常の中に溢れているものではないでしょうか。そんな瞬間を捉えられないぐらい鈍感になるのは個人的にはイヤで、「SNSをしすぎて、感じることに鈍感にならないで」と思います。恋愛に対してのドキドキ感や、優しくされてうれしいと思う気持ちなど、生身の人間同士がふれあう感覚を大事にしてほしいですし、「すぐに死に結びつけないで」と言いたいです。
 
 
―――柳楽さんは今年で俳優生活13年目ですが、その中で自分を変えたり、壁を越えさせてくれた作品は?
柳楽:『許されざる者』ですね。共演者の方も大先輩ばかりだし、ほとんどの若手がびっくりするような現場で、そこに参加できたことは非常に光栄でした。李監督は本当に厳しかったですが、いい意味でパンチを喰らい、成長できる現場でした。これからもいい現場に出会いたいです。
 

saigonoinochi-inta-3.jpg

―――影響を受けた俳優は?
柳楽:僕が高校生の頃は、ジョニー・デップが大ブレイクしていた時期でした。ジョニー・デップを好きな人ってみんな狂いだしますよね。アーティスティックに反逆する感じで、カリスマ性がすごいですし、僕らの世代だけではなく色々な世代の人が憧れると思います。僕はその頃にジョニー・デップ主演の『ブロウ』を観て、「ロン毛や穴あきジーパンなのに、こんなカッコいい人を見たことない!」とのめり込みました。目指す人がいるということは大事ですね。
 
 
―――最後に、役者という職業をする上で一番大事にしていることは?
柳楽:先輩たちを見ていて思うのですが、役者の方はいい人しかいないですね。柄本明さんは大好きな先輩ですが、出演される舞台にお誘いいただくこともあり、温かいし、色っぽくってカッコいいです。僕も後輩にそういう風に言われるように、頑張りたいです。
(江口由美)
 
 

tensai-S-550.jpg

  1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31 32 33 34 35 36 37 38 39 40 41 42 43 44 45 46 47 48 49 50 51 52 53 54 55 56 57 58 59 60 61 62 63 64 65 66 67 68 69 70 71 72 73 74 75 76 77 78 79 80 81 82 83 84 85 86