「AI」と一致するもの

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「自転車だけでなく、ちゃんと映画に出てくれるんだ」佐藤浩市、先輩火野正平との共演に感謝『Fukushima 50』完成披露舞台挨拶
(2020.2.10なんばパークスシネマ)
登壇者:佐藤浩市、火野正平
 
 2011年3月11日午後2時46分に発生した東日本大震災。それから間もなく、テレビで目を疑うような光景を目撃し、日本のみならず、世界中が危機感を募らせた福島第一原発事故の衝撃を今でも忘れられない人が多いのではないだろうか。今まで語られることのなかった現場の惨劇と、その最中、命がけで福島第一原発を守ろうと奮闘した作業員たちや、関係者たちの姿を、とことんリアルにこだわり描いた超大作『Fukushima 50』が、3月6日(金)より全国ロードショーされる。
 

 原作は、福島第一原発事故の関係者90人以上への取材をもとにした門田隆将渾身のノンフィクション作品「死の淵を見た男吉田昌郎と福島第一原発」(角川文庫刊)。官邸や東京の東電本社からの指示に対峙しながら、刻一刻と状況が変化する現場の指揮を執る吉田昌郎所長を渡辺謙が、福島第一原発1機、2機の当直長、伊崎利夫を佐藤浩市が演じる他、日本の実力派俳優が集結、海外のメディアからFukushima50(フィフティ)と呼ばれ、その勇気と行動力を賞賛された、作業員たちの決死の奮闘ぶりを、目の当たりにすることだろう。

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 2月10日、なんばパークスシネマで開催された『Fukushima 50』舞台挨拶付き先行上映会では、上映前、出演の佐藤浩市、火野正平が登壇。佐藤は原作を読む前に、監督とプロデューサーから本作のオファーがあったことを明かし「正直、時期尚早ではないかとか、プロパガンダになるのは嫌だという思いもありましたが、ほぼ現地雇用が多かったという職員の方を中心に描きたいと監督に思いを告げられ、そういうことなら最後まで一緒に走りたいと伝えました」と回想。火野も「俺たちがやった役は、逃げられないなら戦おうぜという人たち。多分あそこにいた人はそうだったんだろうなと思って。まあ、見てちょうだい」と他の共演者の気持ちを代弁しながら、自身のベテラン作業員役を振り返った。
 
 

■71歳の火野正平、控え役に気付かず、酸素ボンベを担いで吹き替えなしの熱演。

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 映画では震災後の5日間の福島第一原発の中での職員たちの奮闘が事実に沿ってリアルに描かれるが、実際に日が経てば立つほど、作業員役の俳優たちの疲れ具合が如実に表れている。震災後から時系列で撮っていったという佐藤は「皆ノーメイクで、どんどん人の顔が変わっていく。それは映画的には非常に良かった」と言えば、火野は「3週間ぐらい、一つのセットで男たちばかり50人もいてごらん…」と心底ウンザリした様子。さらに重い酸素ボンベを持ち、率先して現場に入る役を演じ、「ずっと隣に控えの人が待機していたのに、全部自分でやっちゃって、最後の日まで気づかなかった」と71歳とは思えない体力で吹き替えなしの名演を見せたという。
 時には電源が落ちて、真っ暗になるシーンもあり、現場ではスタッフたちが頭を抱えることも多かったというが、「防護服を着てしゃべるので、セリフも不明瞭でわかりにくいし、専門用語が飛び交いマイナス要素ばかり。でも、それが妙にリアルに聞こえたり、いいふうに転換していく気がして、映画の神様がいましたね」。
 
 

■人が一人もいない町に対する複雑な思いは、映画に映ってくれていると思う。

 火野は現在NHK-BSで日本全国を自転車で回る「にっぽん縦断こころ旅」に長年出演中だが、「日本はどこ行っても元被災地だから。そういう国に住んでいるという自覚がある日本人って強いなと思う。福島は被災後2年目に行って、僕が(福島の人に)頑張ってと思っていたのに、火野さんがんばって!と言ってくれた。日本人って美しいな」と、福島でのエピソードを語った。佐藤は、クランクアップ後、ラストシーンとなる数年後の桜のシーンを撮りに行ったとき、「何も終わっていない。下手すれば、始まっていないかもしれない」と痛感したという。「帰還困難区域で、人が一人もいない、生活の匂いが全くしない町が日本にあることを、どれぐらいの人が知っているんだろうという複雑な思いで見ていました。僕自身と役(伊崎利夫)と必ずしも一致はしないけれど、そういう複雑な思いは映画に映ってくれていると思います」(佐藤)
 
 

■一回り上の先輩でも、撮っているときは仲間。作業員たちの雰囲気を映画でも映し出せた。

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 終始リラックスムードの火野を前に、最初の緊張感がほぐれてきた佐藤は火野との長年の付き合いを振り返り、「かなり古いんです。僕より一回り上だけど、先輩後輩があるにせよ、僕らの世界で撮っているときは仲間です。30数年前にご一緒して、死ぬほど飲まされて、今では正平ちゃんと呼んでいます」。今回は、火野をはじめ、平田満らベテラン勢も佐藤が演じる伊崎の元で作業する仲間として加わり「自転車だけでなく、ちゃんと映画に出てくれるんだと思いました(笑)。本当に先輩が現場にいると、助かります。福島第一原発で前線の当直室にいた作業員は地元の人で、学校の先輩後輩もいました。その雰囲気が映画の中でも実現して、本当にうれしかったです」と、危機に直面した当直室の撮影に思いを馳せた。
 
 最後に「とにかくたくさんの人に見てもらいたい。よろしくお願いします」(火野)
「映画の最後に桜を見ながら僕は一言つぶやきますが、桜は自分たちのために実を作り、花を咲かせて生きている。人間は勝手にその桜に思いを馳せる。人は色々なことを自分で考えることができます。災害は深い爪痕しか残さないけれど、負の遺産にせず、少しだけ考えて、次の世代に渡したい。そう思える映画だと思います」(佐藤)と結んだ舞台挨拶。

Fukushima 50には「50人」と「50歳以上」というダブルミーニングがあり、映画の中でも未来のある若い世代は作業に行かせず、年配の作業員が率先して危険な作業に向かった事実も明かされる。真実を知るのに遅すぎることはない。まだ記憶に新しい福島第一原発事故に改めて向き合い、日本の進むべき道を考えるきっかけにしてほしい。

(江口 由美)
 

 

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<作品情報>
『Fukushima 50』
(2019年 日本 112分)
監督:若松節朗
原作:「死の淵を見た男吉田昌郎と福島第一原発」門田隆将(角川文庫刊)
出演:佐藤浩市、渡辺謙、吉岡秀隆、緒形直人、火野正平、平田満、萩原聖人、吉岡里帆、斎藤工、富田靖子、佐野史郎、安田成美
3月6日(金)より大阪ステーションシティシネマ他全国ロードショー
公式サイト→https://www.fukushima50.jp/
 (C)2020『Fukushima50』製作委員会

 

 
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  今年で第15回となる大阪アジアン映画祭(OAFF2020)が、3 月 6 日(金)から15 日(日)まで、梅田ブルク 7、ABC ホール、シネ・リーブル梅田他で開催される。3 月 6 日(金)梅田ブルク7で上映されるオープニング作品に、リー・シンジエ(李心潔)主演、阿部寛出演でおくるマレーシア映画『夕霧花園(原題)』(英題:The Garden of Evening Mists)が決定した。監督は『九月に降る風』、『星空』(OAFF2012)、『百日告別』と全長編作品が日本で劇場公開され、OAFF2014でコンペティション部門の国際審査員を務めた台湾映画界の俊英、トム・リン(林書宇)。マレーシアを舞台に現地華人女性の日本人庭師への秘めた思いを描くヒューマンドラマを日本初上映する。
 
 
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 また、3 月 15 日(日)、ABC ホールにて上映されるクロージング作品は、松林うらら出演・プロデュース、中川龍太郎監督、穐山茉由監督、安川有果監督、渡辺紘文監督による連作スタイルの⻑編映画『蒲田前奏曲』が決定した。最新作『静かな雨』が釜山国際映画祭上映、東京フィルメックス観客賞受賞など、国内外の注目を集める中川龍太郎、『Dressing Up』(第 8 回 CO2 助成作品、OAFF2012)で日本映画プロフェッショナル大賞新人監督賞受賞の安川有果、⻑編デビュー作『月極オトコトモダチ』が MOOSIC LAB グランプリ受賞、東京国際映画祭上映の穐山茉由、最新作『叫び声』が東京国際映画祭日本映画スプラッシュ部門監督賞に輝いた渡辺紘文(大田原愚豚舎)が務める。『飢えたライオン』で主演を務め、舞台、TV ドラマなどでも活躍する松林うららが自身の地元である蒲田を舞台にプロデュースし、自らも出演。また、伊藤沙莉(『タイトル、拒絶』)、瀧内公美(『火口のふたり』)など、旬の俳優が名を連ねる。日本映画界の若手実力派監督が集結した話題作を世界初上映。作品全ラインナップの発表は、今週末の予定だ。
 

■チケット発売:2 月 23 日(日)から
ABC ホール、シネ・リーブル梅田上映分:全国のぴあ店舗、セブン-イレブン
梅田ブルク7上映分:KINEZO 及び劇場窓口にて販売
前売券:1,300 円、当日券:1,500 円、⻘春 22 切符:22 歳までの方、当日券 500 円
■公式ホームページ:http://www.oaff.jp
 
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初演技で主演の佳山明、「みなさんの愛に包まれました」と感謝
『37セカンズ』舞台挨拶
(2020.2.2 大阪ステーションシティシネマ)
登壇者:HIKARI監督、佳山明、大東駿介 
  
 脳性麻痺で体が不自由な女性、ユマが、母の束縛や親友に依存される環境から抜け出し、新しい可能性に向かって歩み出す姿を描き、第69回ベルリン国際映画祭パノラマ部門にて日本人初の観客賞と国際アートシネマ連盟賞パノラマ部門をW受賞した感動のヒューマンドラマ『37セカンズ』が、2月7日(金)より大阪ステーションシティシネマ、なんばパークスシネマ、神戸国際松竹、MOVIX京都他全国ロードショーされる。
 
 
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 2月2日、大阪ステーションシティシネマで行われた舞台挨拶付き先行上映会では、HIKARI監督、佳山明、大東駿介が登壇。「明ちゃん!」と客席から声援が飛び交い、大阪出身者が勢揃いした舞台挨拶ならではの温かい雰囲気に包まれた。
 
 

■真夏の45日間の撮影、「みなさんの愛に包まれました」(佳山)

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 クランクインは2018年7月。まずは非常に暑い中45日間撮影したことを振り返り、「(オーディションで)明ちゃんに会ったのは真冬だったので、体力が持つか心配しましたし、初長編映画で長い撮影にどうなるかと思いましたが、素敵な俳優たちと一緒で楽しくて仕方なかった。順撮りで、2日目にお風呂場シーンを撮影し、最初に服を脱ぐ演技をさせてしまったけど、頑張ってくれ、明ちゃんの愛に包まれました」とHIKARI監督が讃えると、佳山も「天気はものすごく暑く、みなさんも熱く、暖かかったです。みなさんの愛に包まれました」と回想。佳山演じるユマを支える介護福祉士の俊哉を演じた大東は「明ちゃんを抱っこしているとTシャツがビショビショになりますが、霧吹きではない本物の汗が(映画に)残っています。フィクションだけど、いかに本当の状態を残せるか。監督もすごくそれを見ていたし、求められました。毎日、感慨深い現場でした」
 
 
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■カメラの位置にこだわり、「ユマの考えていること、体験していることを観客も一緒に体験する」(HIKARI監督)

 高校卒業後渡米し、南カリフォルニア大学院(USC)映画芸術学部にて映画・テレビ制作を学んだHIKARI監督。特に撮影には強いこだわりがあったという。
「求めているものがある、とても明確な方なので、現場がとても健康的だと思います。プロのカメラマンが作ったアングルを平気で変えるのですが、本当にどう切り取りたいというものが見えているんです」と大東が撮影へのこだわりを明かすと、HIKARI監督は、「車椅子女子の物語で、普通は障害者のことを壁を1枚隔てて見てしまいますが、(映画では)カメラの位置はユマの位置で進みます。最初は第三者的ですが、気がついたら彼女のそばにいて、考えていること、体験していることを観客も一緒に体験する。私もカメラマンなので、そこはこだわり、1cm単位でカメラ位置を上げることもありました」と、車椅子に乗るエマの目線で描く狙いを語った。
 
 

■「ユマから本物の心や魂が飛んできたので、今も現場では本物を常に意識している」(大東)

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 本作のオーディションを受け、初めて演技をしたという佳山は、「わからないことだらけからのスタートでしたが、監督筆頭に、みなさんにたくさん支えていただいた現場があり、この映画があり、今がある。それを改めて思います」と監督や俊哉役の大東をはじめとするキャストに感謝を伝えた。オーディションを振り返ったHIKARI監督は、「すごくピュアなところが魅力的。(演技を)何もやったことがないところに、すごく新鮮さを感じました。どう反応したらいいかわからないぐらい計算がない。そのままの明ちゃんをユマとして映画に映したいと思いました」と、一目惚れだった様子。
さらに大東は、「現場で(演じる上で)助けてあげたいと思っていましたが、結果的にものすごく救われました。初日、一緒に芝居をしたときに、グッと引き締まる気がしました。映画はその人の心の奥が写りますから、脚本の芝居をしようとすると浮くような違和感があるんです。作品に入る前に俊哉に近づける準備をしていましたが、(ユマから)本物の心や魂が飛んできたので、今も現場では常に意識しています。本物を作る作業は絶対手を抜いてはいけないですね」と、佳山との共演から大きな影響を受けたことを明かした。
 
 

■「NHKのテレビバージョンでは、映画では見えない俊哉の姿が見える」(HIKARI監督)

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 介護福祉士の俊哉役の大東とは、園子温監督に招かれた会で知り合った飲み友達だというHIKARI監督。直接電話し、俊哉役のオーディションに声をかけたという。そんな俊哉の物語について「撮影したものを全部つなげると3時間45分あるのですが、削る編集の中で、俊哉が抱えているものがすごくカットされています。その中で、大東君は微妙なニュアンスをすごく丁寧かつ不器用な感じで演じてくれました。最終的にはユマのストーリーにフォーカスして編集していますが、NHKのテレビバージョンでは、映画では見えない俊哉の姿が見えます。俊哉も過去に家族を失い、次に進みたいけれど進めない。ユマが前に行くのをサポートする中で、気がつけば自分も進んでいたのです」とバックストーリーを披露。一方、大東は「『気持ちの面で作っている表現はわかるけれど、体がまだ俊哉になれていない』と、ど直球の怒られ方をし、2日寝込むぐらいの衝撃を受けました」。
 
 
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最後に、
「この作品に参加して、映画ってすごいなと思いました。映画体験を経て劇場を出たら、少し世界が変わっている。劇場を出た後の世界にすごくいい影響を与える作品です。僕自身もすごく影響を受けましたし、希望に満ちた明日に向かっていければと心から思います」(大東)
「本日は見ていただいてありがとうございます。役者のみなさん、スタッフのみなさんに支えてこの作品があります。色々な思いがありますが、温かく愛していただけたらうれしいです」(佳山)
「脚本を書き始めて4年ぐらい。アイデアは色々なところから拾って書き進めました。毎年脚本を書いては、また書き直し、この作品は7版目ですが、これは絶対に外に出さなくてはと腹をくくりました。私の中では、一人の女性の成長期です」(HIKARI監督)
 
と挨拶し、再び大きな拍手で包まれた舞台挨拶。愛に包まれた撮影から生まれた、愛と勇気と冒険に満ちたヒューマンドラマの撮影現場の熱気に触れることができた時間だった。ユマと過保護すぎる母親との関係や、ゴーストライターに甘んじるしかなかった立場からの脱却を目指す姿、障害者女性の性についても描写し、それらと向き合う中で成長していくユマの姿を、ぜひ劇場で目撃してほしい。
(江口由美)
 

<作品情報>
『37セカンズ』
(2019年 日本 115分)
監督:HIKARI
出演:佳山明、神野三鈴、大東駿介、渡辺真起子、熊篠慶彦、萩原みのり、
宇野祥平、芋生悠、渋川清彦、奥野瑛太、石橋静河、尾美としのり、板谷由夏 
2月7日(金)より大阪ステーションシティシネマ、なんばパークスシネマ、神戸国際松竹、MOVIX京都他全国ロードショー
公式サイト → http://37seconds.jp/
 
 
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日本初、刑務所で行われている新しい更生プログラムとその受講生に密着した『プリズン・サークル』坂上香監督インタビュー
 
 『ライファーズ 終身刑を超えて』(04)、『トークバック 沈黙を破る女たち』(13)とアメリカの刑務所内部や、受刑者、元受刑者を取材したドキュメンタリー作品を発表し続けている坂上香監督。その最新作『プリズン・サークル』は、初めて日本の刑務所にカメラを入れ、処罰から回復へと変わろうとしている新しい刑務所の取り組みや、そこで自分の過去や罪と向き合い、新しい価値観を身につけていく受刑者たちを映し出す秀作ドキュメンタリーだ。
 
 

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 舞台となるのは、島根あさひ社会復帰促進センター(以下、島根あさひ)。施設運営の一部を民間事業者に委託し、犯罪傾向の進んでいない男性受刑者を対象にした刑務所だ。この島根あさひでは、セラピューティック・コミュニティ(以下、TC)の中でも世界的に知られるアミティのTCユニット(更正に特化したプログラム)を日本で初導入している。受刑者の中から希望者が面接やアセスメントを経て受講を許可され、30〜40名が半年〜2年にわたって、週12時間程度のTCユニットを受けている。刑務所内では受講者や担当スタッフとの会話すら禁じられる中、4名の受刑者への定期的なインタビューと、TCユニット活動を通じて、受刑者たちが自己と向き合い、コミュニケーションや信頼関係が生まれることで、封じ込めていた過去やトラウマを語り、しいては自分が犯した罪について真摯に省みるようになる。日常の刑務所生活や、出所したTC受講生OBがスタッフと集まり、実社会での体験を語り合う様子も映し出され、実社会に戻ってからも居場所があることの意義が伝わってくる。
 
 2月8日(土)から第七藝術劇場、京都シネマ、3月7日(土)から元町映画館で公開されるのを前に、本作の坂上香監督にお話を伺った。
 

 

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■『ライファーズ』が新しい更生プログラム導入のきっかけに。

―――坂上監督の『ライファーズ 終身刑を終えて』がきっかけで、島根あさひに日本初となるTCユニットが導入されたそうですが、作品の内容や導入経緯を教えてください。
坂上:アメリカのセラピー的コミュニティーやプログラムがいくつかある中で、刑務所内の更生プログラムとして民間団体「AMITY(アミティ)」が、TC/セラピューティック・コミュニティ(回復共同体)を実施しています。出所した人が一時身を寄せる場もあり、そこから社会復帰をしていくケースもありますし、刑務所にいた人が、今度はスタッフとして刑務所で働き、更生プログラムに携わるという循環もあります。『ライファーズ 終身刑を終えて』はそれらを描き出した、当事者やスタッフが主人公の映画でした。これから新しく作る刑務所プロジェクトに加わっておられた民間企業の方が、偶然この映画をご覧になり、大きな衝撃を受けたそうです。
 
個人的には、日本の刑務所は規律が行き届きすぎているので、TCユニットで大事な「語る」ことが、本当に心の底をさらけ出すところまで到達しないのではないかと懸念していました。まずは一般社会でTCをスタートさせ、ある程度の結果が出てから、刑務所のプログラムに取り入れた方がいいのではないかと思っていたのです。一方、企業の方は、イギリスやフランスなど他国の刑務所プログラムとアミティのプログラムを比較したり、実際に関係者がアミティのプログラムのトレーニングを受けた結果、日本でもできると判断されたそうです。
 
―――日本でいきなり刑務所からアミティのプログラム、TCユニットをスタートさせるということは、相当画期的なことだったのですね。
坂上:やはり民間の方が入ってこられたのは大きかったと思います。2009年、島根あさひを3日間見学させていただき、民間スタッフの方がとても頑張っておられ、受刑者と対等に接していますし、こんなことができるのかという驚きが大きかったです。スタッフのミーティングにも参加させてもらう機会があり、驚きが確信に変わり、社会の人にも知ってもらいたい、何があっても頑張るという気持ちが湧き上がりました。
 
さらに驚いたのが、受刑者が刑務所に入所した時、最初のプログラムが『ライファーズ』を観ることだったのです。TCユニットを見学させてもらった時も、今まで顔も見せてもらえなかったのに、皆、顔を出していて、私が受刑者のグループに入ると「質問があります」と手が上がったのです。映画の主人公が釈放されたかどうかという問いでした。私も本当に驚き、言葉に詰まりながら「釈放・・・されました」と答えると、大きな拍手が起きたのです。受刑者のみなさんが、本当に一生懸命に取り組み、語っている姿にもほだされましたね。
 
 
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■フリーランスへの高い壁、撮影中も困難続き。それでも諦めなかったのは「この社会に対する違和感の強さ」

―――自分の作品を受刑者の人たちがプログラムで既に観て、質問してくれるというのは、感動的ですね。撮影開始までに、フリーランスであることがハードルになったそうですが。
坂上:テレビ局の仕事であれば、カメラを持って入り、ちょっと映すぐらいのことはすぐにできると思いますが、私はフリーランスで、しかも映画なので「前例がない」と企画書も受け取ってもらえませんでした。民間のスタッフにも協力を仰いだ結果、2010年から5年間、定期的にTCの講師に招いていただき、ワークショップをしに島根あさひへ通っていました。4年ぐらい経った時、理解のある所長が着任され、6年目に企画を通していただきました。撮影が決まると同時に受刑者と話すことは禁じられたのですが、翔君や真人君は当時のワークショップ参加生なので、あらかじめ信頼してくれていたんだと思います。半年後、撮影で訪れると最初は静かだった翔君がTCでリーダー的役割を果たしていて、その成長ぶりにびっくりしました。
 
―――実際の撮影はどれぐらいかかったのですか?
坂上:2年間で、毎月通っていました。撮影の時も刑務官がぴったりと付き添い、ファインダーを覗いたりするので、カメラマンもかなり大変だったと思います。実際に現場では、受刑者のみなさんだけでなく、スタッフとも話をしてはなりません。話す時は必ず刑務官が立ち会う決まりになっているのですが、元々スタッフとは知り合いなので思わず話しかけて怒られることもよくありました。特に私一人で撮影するときは、服装まで細かく指摘され、質問をかわされることも多かったです。撮影以外は指定の部屋で待機しなければいけならず、本当に大変でした。
 
―――制限の多い撮影を乗り切ることができた、一番の原動力は?
坂上:今回は、受刑者の人とコミュニケーションを取れない、ドキュメンタリーを撮るのに信頼関係が築けないのは大きなハンデでした。2〜3ヶ月に1回しかインタビューできない状態で、なぜ頑張れたのかと言えば、この社会に対する違和感が強かったからです。島根あさひで撮影していることも公にできなかったので、クラウドファンディングもできず、自分たちだけで資金を賄うしか術がなかった。それでも応援してくださる方がいて、ここまで頑張ってきたのに悔しいじゃないですか。最後の4ヶ月で体制が変わり、新しい所長が着任すると、話すことを禁じられたがためにコミュニケーション不足になってしまったスタッフとの間に入って、調整役をしてくださり、なんとか撮影を終えることができました。
 
 
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■隔離された場所にいる受刑者たち。「自分たちを見てくれる人が来るのは、誰であってもうれしい」

―――TC参加者は、撮られることをどのように感じていたのでしょうか?
坂上:私たちは現場で妙にかしこまらないようにしていました。アイスブレイクの時間では、参加者が話したことに対し、笑うこともあり、TCのメンバーはそういう私たちの反応を見て安心したという声もありました。また、隔離された場所で、家族ですら面会に来るのが難しいので、誰でもいいから外部の人たちが来てくれる、自分たちを見てくれる人が来るとうれしいとも語ってくれました。なにせ、私たち毎月行っていましたから。他にも、事情があり、映すことがNGだった受刑者がいたのですが、出所の時、建物の出入り口で私を見つけ、事情があって協力はできなかったけれど、映画の完成を楽しみにしています」とわざわざ挨拶に来てくれ、感動して握手したこともありました。
 
―――TCでは犯罪加害者と被害者になってマンツーマンで議論するロールプレイングや、子どもの頃からの家族や対人関係を書き出して発表するなど、様々なプログラムがあり、参加者自身が進行するなど、自分を振り返り、コミュニケーション能力を高める工夫がされていますね。
坂上:支援員だけが教えるだけでなく、自分たちも教える立場に立ち、事前にしっかり準備をし、余暇時間にチームで集まってディスカッションをしたり、スタッフに助言をもらったりと、大学のゼミ発表をするような感じです。
 
―――それらの活動を重ねることで、自分の中で封をしていた痛みや過去を自らの言葉で語っています。卓也さんも「親に抱きしめられた記憶がない」と語っていましたが。
坂上:卓也君は家族のルールを話す時に最初は黙っていました。トラウマが重すぎて、記憶をどこかに押しやってしまっていました。ただ、何人かで話していると思い出したり、記憶がつながってくる。一人や二人ではできないことで、何人かで話をするからできることです。彼はわざと、さらっとした口調で話すのですが、逆にそうしなければキツすぎて生きていけなかったのかと思わされました。
 
 
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■「TCのおかげで息子が変わった」映画を観た元受刑者のご家族の意見に感動。

―――刑務所を出所後の交流についても野外でのバーベキューと、室内での活動を映し出しており、実社会に戻ってからの居場所がどれだけ必要であるかを映し出しています。
坂上:刑務所でアドバイザーもしておられる大阪大学大学院教授の藤岡淳子先生が立ち上げた「くまの会」というクローズドのFacebookぺージに元々参加しており、企画が立ち上がる前から参加し、撮影もさせていただいていました。全員から顔を出していいかどうかの確認書をもらうのですが、半分以上は顔出しNGだったのです。でも関係者向け試写会で映画を観ると、大体はOKしてくれました。実際に、最後まで家族のために顔出しを渋っていた人がいたのですが、結局、腹をくくってくれOKをくれました。試写会で家族が映画をご覧になり、「息子が映画に出て良かった。TCのおかげで息子は変わり、TCの仲間が今でも息子を励ましてくれています」と。そのご意見を聞いて泣きそうになりました。
 
―――室内でもかつてのTCのように輪になり、出所して仕事に就いたものの、続けることに難しさを感じているメンバーに先輩が厳しく意見するシーンもあり、TCでつながる仲間だからこそのアドバイスだと痛感しました。
坂上:室内のディスカッションで「俺たちは証人だからな」と言いますが、それは刑務所時代にTCで同じように仲間が活動を通じて、今まで思い至らなかったような感情が生まれたことに気づき、周りもその証人になるという体験をしてきたからこそ出た言葉です。映画の中でも象徴的な部分でした。
 
 
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■刑務所の中だけではなく、実社会と地続きの問題。TCのように本音を語れる場所がもっと必要。

―――刑務所でこのような取り組みが行われているということを、本作を通して多くの方に知っていただきたいですね。
坂上:刑務所の話ですが、実社会と地続きの問題だと思っています。ただ統制を取るべく、厳しくしていくのではなく、TCのように本音を語れる場所をもっと作った方がいいですし、そういう場所があれば、刑務所に入所する人は減るのではないでしょうか。
 

<作品情報>
『プリズン・サークル』(2019 日本 136分)
監督・制作・編集:坂上香
アニメーション監督:若見ありさ
2020年2月8日(土)から第七藝術劇場、京都シネマ、3月7日(土)から元町映画館他全国順次公開
公式サイト → https://prison-circle.com/
※京都シネマ 2月8日(土) 9:55の回上映後、坂上香監督が登壇予定。
第七藝術劇場 2月8日(土)12:20の回上映後、坂上香監督が登壇予定。
2月9日(日)12:20の回上映後、藤岡淳子さん(大阪大学大学院教授)、坂上香監督、特別ゲストが登壇予定。

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2020年1月24日(金)大阪MBSにて

ゲスト:中井貴一(58)、佐々木蔵之介(52)、広末涼子(39)



中井貴一と佐々木蔵之介による口八丁手八丁のバディムービー第二弾!

京都を舞台に織部茶碗をめぐるコンゲームの顛末は?

 

かつて“黄金の日日”の繁栄を極めた大阪・堺を舞台に、騙し合い(コンゲーム)の火ぶたが切られた痛快コメディ『嘘八百』から、早2年。冴えない古物商・小池則夫(中井貴一)と才能はあるが不遇の陶芸家・野田佐輔(佐々木蔵之介)がタッグを組んで、千利休の形見「楽茶碗」を巡って、私利私欲に走る商人どもを仲間と共に騙し打ちにした。今度は京都へと舞台を移し、千利休の弟子のひとり古田織部の幻の茶器「黒織部はたかけ」を巡る騒動を描く、中井貴一と佐々木蔵之介によるバディムービー第二弾である。


uso800-550.jpg「ミッション・インポッシブル」よろしく、口八丁の小池と手八丁の野田のコンビを中心に、堺にある居酒屋「もぐら」をアジトにする騙しのプロ集団(そんなカッコええもんやおまへん、ただの酔っ払いのオッチャンたちです)や家族がワンチームとなって、強欲な悪人たちにひと泡くわせる作戦に出る。今回は二人を翻弄する謎の京美人に広末涼子が、敵役の有名古美術商の社長に加藤雅也が登場。国の名称・渉成園での大茶会に仕掛けられた騙しのテクニックとは?--お金に縁はないが、いざという時には嬉々としてチームワークを発揮する“嘘八百チーム”の活躍が実に心地いいコンゲームの始まりである。



1月31日(金)の公開を前に、主演の中井貴一と佐々木蔵之介、そして広末涼子がキャンペーンのため来阪。前作よりバージョンアップした『嘘八百 京町ロワイヤル』の魅力について語ってくれた。


uso800-s-500-1.jpg1月公演の舞台『風博士』の主役でも、見事な歌と活舌の利いたセリフ回しで芝居の醍醐味を示した中井貴一。年々その安定した存在感に磨きがかかるようで、今回も軽快なリーダーシップを発揮。TVドラマで脇役を演じていた若い頃から深みのある繊細な演技が印象的だった佐々木蔵之介。その佇まいだけ物語ることができる稀有な俳優のひとりだ。今回も口八丁の中井貴一に対し、芸術家らしい寡黙な陶芸家を人間味たっぷりに演じて深みを感じさせる。そして、品のいい艶やかさで二人を翻弄する謎の京女を演じた広末涼子は、初めてとなる茶道とタバコに挑戦。今までとは違う大人っぽい女らしさで魅了する。


以下はインタビューの詳細です。(敬称略)



uso800-s-nakai-1.jpg――俳優として苦心された点は?

中井:僕と蔵之介君にとっては二本目となりますが、前作はお互いがよく分からないまま共通する敵を騙していくという物語でした。今回は二人の関係性は既に出来上がっていたので、前作よりは楽でした。蔵之介君は物を創る役で「動」という立場、それに対し僕は騙していく「静」という立場なので、台本を頂いて、とにかく「セリフが多いな!」と思いました。そこに説得力を持たせるためには、詐欺師ではないけれど口八丁になる必要があったので、いかに口を滑らかにして喋るかが一番の目標でした。


 

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佐々木:一番のモチベーションは、「中井貴一さんとバディを組んで喜劇をやる」、これが一番大きかったですね。出来上がった作品は、何となく懐かしい感じがしつつ、今回は「京町ロワイヤル」ということでちょっと豪華になったりして…そんなに豪華になってませんが(笑)。役者として課せられているのは陶芸家として見えなければならないこと。前作は「楽茶碗」でしたが、今回は「蹴ろくろ」という見た目は楽しいがやるのは難しい道具を使って、織部の茶碗製作を課せられました。それが役者としてのやり甲斐となって、結果とても面白いものに仕上がったなと思っています。



 

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広末:私はバディが出来上がって役が固まっているお二人に飛び込むような形だったので、そのイメージを越えるものを出さなければというプレッシャーがありました。そうした緊張感がありながら、続編に出演させて頂くことは単純に光栄なことで嬉しかったです。今回はお二方を惑わせたりして振り回す役だったので、取り敢えず自分にない女の武器を出すべく、エクステを使ったり巻き髪にしたりと髪にこだわりました。そして、ビジュアルだけでなく役者として全力で嘘をつくべく、技術的には茶道とタバコに初めて挑戦しました。

 



――脚本ができる前のプロットの段階から中井さんと佐々木さんがコメントされていたようですが?

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中井:多分同じことを言っていたと思います。「二匹目のどじょうはいませんよ」と。前作は16日間という短い撮影期間で地獄のような撮影でした(笑)。「お弁当が立つ」という経験もしました。つまりご飯が凍っていて、お箸を入れるとそのまま全部立ち上がる状態です。でも、堺の皆さんにはとても協力して頂いて、「弁当は冷たいけど人の心は温かい」なんてね(笑)。そんな中で、まさか続編ができるなんて想像もできませんでした。「生き残れただけで良かった!」というような現場でした(笑)。もし続編を作るのなら前作を越えるものでないと絶対にダメ。新しい作品を作るつもりでやらないと失敗すると申し上げました。内容よりも、「みんなが生きるか死ぬか」の話の方が先だったように思います。

 

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佐々木:「この作品はお金をかけたからといって面白いものができるとは限りませんよね」と言ったら、本当にお金をかけてくれませんでした(笑)。撮影期間は前作より延びたものの、低予算のギリギリ感でやっていく面白さがありました。二作目作るなら、質の面でも量の面でも前作を越えなければならないと思いました。という事情ですので、どうかよろしくお願い致します。(と頭を下げる佐々木蔵之介。)

中井:こんなことを言う役者いませんよ!(笑)「製作費をあげてはいけません!そのためならギャラを下げてもいい!」なんて。普通「二作目作るんだったらギャラ上げろ!」と言うでしょう。ところが、蔵之介君は「とにかく製作費を上げてはいけません」てね。こんな役者いませんよ!皆さんどうかよろしくお願い致します。(と、これまた頭を下げる中井貴一。)

 

――前作に引き続き堺市でもロケされていましたが、堺市の印象は?

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広末:今回初めての堺でした。ロケ先しか伺ってないのですが、どこの現場でも沢山の方が温かく迎えて下さりと、バタバタの現場にもかかわらず、とても良くして頂きました。

 

中井:どれくらい堺を知っているかというと、仁徳天皇陵もまだ見てない!(笑)ホテルの上から「あれがそうなん?」と朝出発前にちらっと見ては、ぎりぎりまで撮影やって、ホテル帰って寝るだけでした。劇中の居酒屋がある所では、不思議と「帰って来た感」がありましたね。ホームタウンという感じがしました。

 

 


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佐々木:僕も同じです。父が堺に暮らしていた時期があって、「こんな所に住んでたんだ~」と僕なりに散歩したりして、懐かしい感じでした。NHK大河ドラマ「麒麟が来る」でもお分かりのように、堺は昔日本の最先端を行く栄えた街でしたから、その名残りも感じました。ちょっと落ち着くなというか、帰って来たなという感じはありました。

中井:先日若い映画人が「自主映画作ってました。汚い現場で寝泊まりして、トイレもコンビニのを借りてました。」と言うもんで、「変われへんや!前作がそうやったわ。コンビニのトイレ借りてたわ」と言ったら、「えっ、そうなんですか!?」と驚かれ、「ずっと変われへんね、そんなもんや!」(笑)


――居酒屋「もぐら」(実際は「おやじ」という名の居酒屋さん)の存在感は?

中井:あんな撮影しづらい所はない!撮影用のセットではありませんからね。「もぐら」での撮影方法がこの『嘘八百』そのものなんです。僕たちにとってこの映画のホームタウンかなと思っています。

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佐々木:角にあるのがいい。トイレは行きづらい。元々あんな大勢のスタッフさんが入れるように作られたお店ではありませんからね。でも、あそこで試行錯誤するのは楽しかった。上にレール付けて撮るのを見たのも初めて。あの店行って、どう撮ったか想像してみて下さい。

広末:この映画は堺の居酒屋「もぐら」がホームなので、これこそ日本のエンタテイメントだなと思いました。ハリウッド映画みたいに宇宙やAIを相手にするのではなく、人と人とが会話して、ちっちゃい堺という街で、ちっちゃい「もぐら」という場所で、ちっちゃい嘘を重ねてやり合うのが日本のエンタテイメントではないかなと思いました。大掛かりではないけれど、これだけ惹きつける魅力が出せるのが新しい衝撃でしたし、素敵だなと思いました。


――次も「もぐら」をホームにした作品になりそうですか?

佐々木:次はパリのカフェで!(笑)

中井:でも、出発は「もぐら」かなぁ(笑)


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『嘘八百 京町ロワイヤル』

(2020年 日本 1時間46分)
監督:武正晴  
脚本:今井雅子、足立紳  
音楽:富貴晴美
出演:中井貴一、佐々木蔵之介、広末涼子、友近、森川葵、山田裕貴/竜雷太、加藤雅也
配給:ギャガ 
(C)2020「嘘八百 京町ロワイヤル」製作委員会

公式サイト:https://gaga.ne.jp/uso800-2/


2020年1月31日(金)~全国ロードショー

 


(河田 真喜子)

 

 
 
 


世界初!ゴジラと講談&落語がコラボ!? 

《ゴジラ寄席》 

in OSシネマズ神戸ハーバーランド『ゴジラにかける特撮の未来』

2020 年 3 月 18 日(水)開催決定! 



第 1 作目となる映画『ゴジラ』が 1954 年に公開され、65 周年を迎えた<ゴジラ>。これまでに 29 作の映画、3 作のアニメーション映 画が公開。そして昨年 5 月にはハリウッド版の映画 2 作目となる『ゴジラ キング・オブ・モンスターズ』が公開され、全世界で大ヒットを記録 しました。本年も、ハリウッド版の第 3 作にあたる『ゴジラ VS コング(原題)』も公開が控えるなど、誕生から 65 周年を迎えた<ゴジラ> は、これから増々進化し続けます。 
 

★この度、初代ゴジラ作品である『ゴジラ』(1954)と 伝統芸能である<講談>と<落語>がコラボレーションした世界初のイベント ゴジラ寄席 in OSシネマズ『ゴジラにかける特撮の未来』の開催が決定しました! 

 

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今回のイベントは、「阪急たびコト塾」を運営する阪急交通社と、映画館「OSシネマズ」を運営するオーエス、関西で活 動中の 20~40 才代若手による古典文化芸能人によるユニット霜乃会と東宝が共同で開催。 初代ゴジラ作品である『ゴジラ』(1954)の上映の前に、当時の製作の歴史やエピソードにちなんだ講談と落語を演じる ことにより、新たなエンターテインメントを提供するものです。 
 
日本が世界に誇る<ゴジラ>の初代作品において、“特撮怪獣映画”という未知の偉業に挑んだ人々の苦労話や工夫を、 霜乃会 そ う の か い 講談師の旭堂 き ょ く ど う 南龍 な ん り ゅ う と、落語家の桂紋四郎のふたりがフィクション仕立てで、面白おかしく掛け合います。上映された 昭和 30 年代の生活風景も織り交ぜた内容となっているため、観客を時代ごと映画の世界へ誘います。その後、当時に思 いを馳せながら、『ゴジラ』(1954)を鑑賞いただきます。 
 
同イベントを実施することで、映画館の新たな楽しみ方を提案するとともに、映画や伝統芸能ファンを増やすだけでなく、 日本が世界に誇るコンテンツを通して、日本人の文化力向上の機会を提供してまいります。 
 


 【ゴジラ寄席 in OSシネマズ 概要】 ※詳細は阪急交通社のホームページをご確認ください 

◆イベント名 :『ゴジラにかける特撮の未来』 
◆日   時 : 2020 年 3 月 18 日(水)  ①13:30~15:40  ②19:00~21:10 (各回同内容 定員 140 名) 
◆会   場 : OSシネマズ神戸ハーバーランド (神戸市中央区東川崎町 1 丁目 神戸ハーバーランドumieサウスモール5階) 
◆構   成 : ・講談・落語によるゴジラ噺(約 30 分) 
      ・『ゴジラ』(1954)上映(97 分) 
◆出   演 :  旭堂南龍(講談師)、 桂紋四郎(落語家) 
◆費   用 : おひとり様 2,000 円 (当日現金にて集金させていただきます) 
◆申込方法 : 阪急交通社サイト「阪急たびコト塾」ホームページ 以下のURLを利用ください 
 

 

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■「霜乃会」 2018 年旭堂南龍(当時南青)と、林本大の呼びかけにより、能・落語・浪曲のメンバーが芸談など意見交流の 場として定期的に食事会を行っていたことから始まる。その後茶道・文楽メンバーも参加し現在に至る。メンバーの 総意により、本年より食事会のみでなく、公演を行う運びとなる。主に関西で活動中の 20~40 才代若手による 古典文化芸能人によるユニット。 
 

■講談師「旭堂南龍(きょくどう なんりゅう)」 霜乃会代表 1980 年生まれ。2004 年旭堂南左衛門に弟子入り、「南青」となる。 2018 年上方講談界で 27 年ぶりの真打昇進。同時に上方の名跡「南龍」を襲名。 2019 年大阪市「咲くやこの花賞」受賞。奈良検定ソムリエ級保持者。 奈良市観光大使。上方講談協会所属。 
 

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■落語家「桂紋四郎(かつら もんしろう)」 1988 年生まれ。2010 年三代目桂春蝶に入門。2011 年司馬遼太郎記念館菜の 花寄席にて初舞台「平林」を披露。YOUTUBE「桂紋四郎」公式チャンネルを開設。 大阪の天満天神繁昌亭、東京の神田連雀亭、名古屋の大須演芸場など東西を問わず 全国各地に出演。上方落語協会所属。 
 
 
■『ゴジラ』(1954) 原水爆実験の影響で、大戸島の伝説の怪獣ゴジラが復活し、東京に上陸。帝都は蹂躙され廃墟と化した。 ゴジラ抹殺の手段はあるのか・・・。戦後の日本映画界に特撮怪獣映画というジャンルを築いた、 記念すべきゴジラ映画第 1 作。核の恐怖を描いた、本多猪四郎の真摯な本編ドラマと、 円谷英二のリアリズム溢れる特撮演出が絶妙のコンビネーションを見せ、「ゴジラ」の名を一躍世界に轟かせた傑作。 
 

 
TM&©TOHO CO., LTD. 
 
ゴジラ ポータルサイト「godzilla.jp」 https://godzilla.jp 
◆世界初のオフィシャルECサイト 【ゴジラ・ストア】 http://godzilla.store  【ゴジラ・ストアTwitter】@godzilla_st 
◆世界初のゴジラ公式ショップ 【ゴジラ・ストア Tokyo】 https://godzilla.store/tokyo/   【ゴジラ・ストアTokyo Twitter】@GodzillaS_Tokyo 
◆【ちびゴジラ公式instagram】アカウント名:chibig_official    【ゴジラTwitter】@godzilla_jp 
◆【Godzilla Channel ゴジラ(東宝特撮)チャンネル】https://www.youtube.com/channel/UC5XRZP9kwJ5g0rYqPpBaPrA 

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『劇場版ハイスクール・フリート』

オリジナル クラフト帽子(非売品)プレゼント!

 

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◆提供:東宝

◆プレゼント数:3名様

◆締め切り:2020年1月24(金)

◆公式サイト: https://www.hai-furi.com/

 

2020年1月18日(土)~ TOHOシネマズ(梅田、なんば、西宮OS)、梅田ブルク7、T・ジョイ京都、MOVIX京都、神戸国際松竹 ほか全国ロードショー!! 

 


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守るべき艦 いえ 、進むべき航路 みらい

 少女たちの新たなる物語が、幕を開ける! 

 
 
『ストライクウィッチーズ』『 ガールズ&パンツァー』などを手がける鈴木貴昭原案のオリジナルアニメーションとして 2016 年 4 月から TV 放送された本作。“国土水没により海上大国となった日本”という時代背景に合わせ緻密に練られた設定と世界観を舞台に、
教育艦「晴風」の艦長となった明乃をはじめ、副長の宗谷ましろら、艦で共に過ごす仲間たちの豊かな個性や、少女たち同士の関係性を魅力的に描き出し、そんな可愛いキャラクターたちとは一見ミスマッチな艦隊バトルシーンは、ミリタリーファンも納得の綿密な設定考証に基づきリアルに描写され、放送開始から大きな話題となった。 
放送後も続編を望む声はやまず、2017 年 5 月の OVA 発売を経て、満を持して 2020 年初春、完全新作アニメーションとして全国ロードショーされる。 
 

【STORY】
海の安全を守る職業「ブルーマーメイド」に憧れ、横須賀女子海洋学校に入学した岬明乃は航洋艦「晴風」の艦長に任命され、クラスのメンバーと共に海洋実習に参加する。艦を動かし、目的地へと向かうだけの安全な航海のはずが、彼女たちを待ち受けていたのは、数々の危険ピンチ。 教員艦からの突然の発砲、暴走する他学生艦との戦闘、救難船の救護活動など、数々の困難を辛くも乗り越え、無事に陸に帰還したことで、メンバー同士の間に固い絆が結ばれた。 

その騒動から 1 ヶ月後、テスト休みを満喫する晴風メンバーに新たな危険ピンチが訪れる。それは晴風クラスが解体されるというもの。晴風メンバーは、動揺しながらも再び一丸となり、クラスの解体を阻止したことで、絆をより深めていくのだった。 

そして、晴風クラス解体危機から3ヶ月── 横須賀では、呉・舞鶴・佐世保を含めた全女子海洋学校の生徒が一堂に会し文化祭と体育祭を行う「競闘遊戯会」が開催され、明乃たち晴風クラスのメンバーも歓迎祭の準備に追われていた。大和・信濃・紀伊など超大型艦のクラスも集い、様々な演し物や競技で賑わう中、彼女たちに新たな“危険 ピンチ”が迫っていた……! 
 
■原案:鈴木貴昭
■キャラクター原案:あっと
■総監督:信田ユウ
■監督:中川淳
■脚本:鈴木貴昭・岡田邦彦
■キャラクターデザイン・総作画監督:中村直人
■音楽:小森茂生
■CG グラフィック制作:グラフィニカ
■制作:A-1 Pictures
■配給:アニプレックス
■コピーライト: ©AAS/新海上安全整備局   

◆公式サイト: https://www.hai-furi.com/

2020年1月18日(土)~ TOHOシネマズ(梅田、なんば、西宮OS)、梅田ブルク7、T・ジョイ京都、MOVIX京都、神戸国際松竹 ほか全国ロードショー!! 


(オフィシャル・リリースより)
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