原題 | Hundraaringen som klev ut genom fonstret och forsvann |
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制作年・国 | 2013年 スウェーデン |
上映時間 | 1時間55分 |
原作 | ヨナス・ヨナソン 小説「窓から逃げた100歳老人」 |
監督 | フェリックス・ハーングレン |
出演 | ロバート・グスタフソン、イバル・ビクランデル、ダビド・ビバーグ、ミア・シュリンゲル、イエンス・フルテン |
公開日、上映劇場 | 2014年11月8日(土)~新宿ピカデリー、大阪ステーションシティシネマ、なんばパークスシネマ、MOVIX京都、TOHOシネマズ西宮 他全国ロードショー |
~脅しも効かない、失うものなし、恐いものなしの100歳の強み~
いまスウェーデン映画が凄い!『シンプル・シモン』のキュートさに胸キュンされた方も多いだろう。また、児童文学の映画化作品や歴史に埋もれた政治スキャンダルを描いた力作など、《スウェーデン映画祭2014》は大満足の映画週間だった。さらに、『東京国際映画祭2014』で上映された2本のスウェーデン映画がまた強烈だった。12月には『ストックホルムでワルツを』という感動作が、11月には本作『100歳の華麗なる冒険』が公開される。これからも目が離せないスウェーデン映画だ!
100歳の誕生日に老人ホームを抜け出したアランが繰り広げる、なりゆきに任せた気ままな旅は、意外にも世界を又にかける華麗なる大冒険へと発展していく。その旅の道中出会う悪人には天罰が、ちょっと変わった孤独な人には希望と勇気がもたらされるという、神様のような、ただの極楽とんぼのようなじいさん。実はこのじいさん、ただ者ではない!と言っても億万長者でも権力者でも天才でもない。ただ単に、余計なことを考えず、流れに身をまかせて生きてきた、究極の楽観主義者だったのだ。
このじいさんにかかっては、災いも避けて通るかのようだ。幼い頃両親を亡くし、唯一興味を持った爆発物実験中に事故を起こし小学校中退。その後爆発物のスペシャリストになり、世界史に残る革命や抗争、第二次世界大戦、米ソ冷戦など、激動の時代をスルリと抜けるように運よく生き抜いてきた。しかも、フランコ、ヒトラー、スターリン、トルーマンからレーガン大統領に至るまで、表舞台に出る程ではないが歴史上の重要人物と関わりながら。
何も考えず、流れに身を任せて生きてきたじいさんだから、常識など通じない。失うものもない、欲もなければ恐いものもない。ギャングに脅されようと、警察に追われようが、マイペースで我が道をいく。じいさんに関わる人々もそれまでの人生をメチャクチャにされながらも、なぜかワクワクドキドキの幸せな時間を過ごせるのだ。アランじいさんを見ていると、常識にとらわれ、しがらみに絡まれ、がんじがらめになっている自分が愚かしく思えてくる。もっと楽に生きてもいいのでは?なんて、いつの間にか100歳のじいさんの楽観主義に、ホッと肩の力が抜けるようだ。
(河田 真喜子)
公式サイト⇒ http://www.100sai-movie.jp/
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