「AI」と一致するもの
『スター・トレック イントゥ・ダークネス』来日キャンペーン!!!①②③
原題:STAR TREK INTO DARKNESS
(2013年 アメリカ 2時間12分)
監督・製作:J.J.エイブラムス
製作:ブライアン・バーク、デイモン・リンデロフ、アレックス・カーツマン、ロベルト・オーチー
出演:クリス・パイン、ザッカリー・クイント、ゾーイ・サルダナ、ベネディクト・カンバーバッチ、ジョン・チョウ、サイモン・ペッグ、カール・アーバン、ピーター・ウェラーほか
配給:パラマウントピクチャーズジャパン
2013年8月23日(金)~全国超拡大ロードショー
公式サイト⇒ http://www.startrek-movie.jp/index.php
© 2012 PARAMOUNT PICTURES. ALL RIGHTS RESERVED. STAR TREK and related marks and logos are trademarks of CBS Studios Inc.
スタトレレポート①【“夏祭り” ジャパンプレミア開催】
夏だ!祭りだ!!スタトレだ!!!
エンタープライズ号の“キャプテン”J.J.監督&クルーが、“祭り男”オリエンタルラジオ藤森慎吾と和太鼓でスタトレテーマ曲演奏に挑戦、大賑わい!テーマ曲を“和太鼓”でコラボ演奏
<主演クリス・パイン、ザッカリー・クイント、アリス・イヴ、栗山千明他>
日程|8月13日(火)
会場|TOHOシネマズ六本木ヒルズ(東京都港区六本木6-10-2)
ゲスト(予定)│J.J.エイブラムス(監督)&クリス・パイン(カーク役)&ザッカリー・クイント(スポック役)&アリス・イヴ(キャロル役)
日本語吹替え版声優:栗山千明(ウフーラ役)&お祭りMC:藤森慎吾(オリエンタルラジオ)
8月13日、大ヒットに向けJ.J.エイブラムス監督を筆頭に、エンタープライズ号のクルー、主演キャプテン・カーク役のクリス・パイン、副長スポック役のザッカリー・クイント、才色兼備の科学者キャロル役のアリス・イヴ、プロデューサーのブライアン・バークの5名が集結。TOHOシネマズ六本木ヒルズで夏祭りジャパンプレミアを行った。
舞台挨拶前に行われたファングリーティングは熱気に溢れ、劇場に設営されたレッドカーペットならぬ“ホワイトカーペット”に日本中から駆けつけたファン350人へ、サインや写真撮影などのファンサービスを行った。その後の舞台挨拶では、オリエンタルラジオの藤森慎吾さんが、夏祭り男として盛り上げ役の使命を預かり、祭り男の姿(スタトレのハッピ姿)で元気よく登場。
J.J.エイブラムス監督が登壇すると、「温かい歓迎を受けて大変感謝しております」と挨拶。観客からは割れんばかりの拍手が沸き起こった。次にJ.J.から来日メンバーの紹介で、ブライアン・バーク、アリス・イヴ、ザッカリー・クイント、クリス・パインと次々に登壇すると、会場のスター・トレックファンからはこの豪華顔ぶれにさらなる大歓声と拍手が沸き起こり、会場全体が来場者全員に配られた特製スター・トレック団扇で埋め尽くされ、スター・トレックカラー一色となった。
主演クリス・パインは「再び日本に戻ることが出来て嬉しいです。何度もこの映画を観て欲しい!」と繰り返し猛アピール。
ザッカリー・クイントは「(日本の本作の公開日を)世界の国々で1番最後になってしまい申し訳なかったけれど、楽しみにしていて!」と挨拶すると、スポックファンから歓声が沸き起こった。
“祭り男”藤森さんは、J.J.エイブラムス監督に「(僕と)似ていますか?」と唐突に尋ね、「メガネは似ているね」とのJ.J.の返答に大感激。
日本語吹き替え版で美しき通信士・ウフーラ役を演じた栗山千明さんも会場に駆け付けた。残念ながらウフーラを演じたゾーイ・サルダナは今回の来日キャンペーンに参加できなかったものの、「監督とキャストの皆さんが日本にお越し頂いたことが嬉しく、このような大作に携われたことが光栄です。」と、エンタープライズ号のクルー達と会えたことに大喜び。
舞台上では日本の夏祭りを再現。全国で活躍する和太鼓演奏グループ「和太鼓破魔」のメンバーがスタトレクルーのカラーにあわせ、『赤・黄・青・黒』のハッピ姿で登場、スター・トレックのテーマ曲を太鼓の生演奏で披露すると、その迫力に来日メンバーは驚いたが、目の前で繰り広げられる日本古来の美しく力強い和太鼓演奏に興味津々で聴き入った。
藤森さんが夏祭り男として張り切って音頭をとり、全員で和太鼓演奏に挑戦!バチが配られると、各々が和太鼓破魔さんの説明に聞き入り、脚を広げて腰を落とすといった独特のスタイルで気合十分。J.J.エイブラムスは青いハッピを自ら着用し、気合十分!音楽が始まるとリズムをとるのに少々とまどいながらも、来日キャスト達はノリノリで太鼓を叩いた。見事に初めての和太鼓セッションが終わると、ハグをしあったり和太鼓の方々に和風のご挨拶をした。会場全体が大賑わいとなった。
最後に、J.J.エイブラムス監督から今日のジャパンプレミアに駆け付けてくれたスター・トレックファンの皆さんに「日本が大好きで、また来ることが出来て本当に感謝しています。これから楽しんでくださいね!」と挨拶し、今週末から始まる先行公開に先駆け、スタトレの“熱い”夏を十分に予感させる舞台挨拶となった。
■J.J.エイブラムス監督
日本に引っ越ししたいぐらい日本が大好き。今日も子供たちを連れてきました。日本でも今後撮影したいです。太鼓も本当に楽しかった!ずーっと叩いていたいです。(笑)
■クリス・パイン
日本はとても素晴らしい街で、尊敬できる人々がたくさんいます。仕事でもプライベートでもいつでも戻ってきたいです。J.J.がコメントする通り、お世辞ではなく本当に素敵な街です。
■ザッカリー・クイント
今回は超イケててぶっとんだスポックが登場します。肉体的というより体を使って走ったりするシーンが多く頑張りました。そんなところも楽しみにしていてください。
■アリス・イヴ
この作品に携われたことは全てが特別でした。言葉や文化の壁を越えて世界中でこの作品を観て頂けることは感慨深く、そのおかげで日本にも初めて来ることが出来ました。続編も楽しみにしています。
■ブライアン・バーク
この作品は日本でキャンペーンをキックオフして、世界中を回って大ヒットさせて、最後の地が日本となります。日本は特別な国であり、お気に入りの場所であり、住みたいと思うほど素晴らしいところなので、大ヒットさせたいです。
■栗山千明
皆さんとお会いするのは初めてなのでドキドキしています。スター・トレックの面白さをみなさんにも味わって頂きたいなと思います。
スタトレレポート②【LIVEストリーミング転送会見】
J.J.監督も「じぇじぇじぇ!」
会見史上初の90秒クイッククエスチョンに、J.J.エイブラムス&エンタープライズのクルーが大興奮!!!
マスコミ&ファンが生中継で制限時間の質問責め !
日程|8月13日(火)
会場|ニコファーレ(東京都港区六本木7-14-23セントラム六本木ビル地下1F)
ゲスト(予定)│J.J.エイブラムス(監督)&クリス・パイン(カーク役)&ザッカリー・クイント(スポック役)&アリス・イヴ(キャロル役)
全世界で大ヒットを記録している、この夏の大本命『スター・トレックイントゥ・ダークネス』がいよいよこの夏日本上陸。そしてこの度、7月のベネディクト・カンバーバッチの来日に続き、ファンが待ち望んだエンタープライズのクルー達と、本シリーズのキャプテンともいえるJ.J.エイブラムス監督が遂に来日した。
会見スタートと共に場内が暗転し、辺り一面が漆黒の宇宙空間に包まれた。AI(人工知能)が英語で今回のミッションがJ.J.監督とエンタープライズ号のクルー達への尋問であることを告げると、お馴染みのスター・トレックのテーマソングと共に、巨大なUSSエンタープライズ号が映し出され、ワープ航法に入った。辺りが一瞬静寂に包まれ、AI(人工知能)の秒読みが開始。すると映画の演出さながらに、宇宙よりJ.J.エイブラムス監督が会見場に転送されてきた。
エンタープライズ号の艦内そっくりの会見場に、「こんな素敵な会見場は今までに見たことごない!セットにいるような気分です!」と大興奮。本会見の目玉である90秒の制限付きクイッククエスチョンでは、“最近覚えた日本語は?”との問いに「ジェジェ!」と答え、思わぬ『あまちゃん』と監督とのコラボに大いに会場が沸いた。同時配信でこの模様を見ているファンからも“じぇじぇじぇ~”と書き込みが殺到。その反応を見た監督は、手を叩いてと大喜びし、コメントを書いてくれる方々にお礼意を言いたい、「ありがとう!」と日本語で発言。すると会場がまたもや“JJJJJJJ”の嵐となった。
続いて本作の主人公キャプテン・カークを演じるクリス・パイン、カークと並んでスター・トレックの顔ともいえるMr.スポックを演じたザッカリー・クイント、そして本来来日の紅一点で、才色兼備の女性科学者キャロル・マーカス役を演じたアリス・イヴが登場。他に類をみないクイッククエスチョンという形式に、多少焦りながらも、そこはやはりハリウッドスター。最初の数問でリズムを掴み、小気味よく質問に答えるクルー達。
クリスへ、“映画と同じモテキャラですか?”との質問に力強く「イエス!」と答えると、ザッカリーとアリスがあきれ顔で苦笑い。ザッカリーへ“久々に再会したクリスとの再会は?”の質問に「んーまあまあかな」と答えるとクリスからすかさず突っ込みが。久々の再開にも関わらず、大変中の良いエンタープライズ号のクルー達に会場から暖かい拍手が送られた。一般からの抽選によって選ばれた特派員クルー達が、緊張しつつ質問すると、J.J.やキャスト達は彼らの言葉に真剣に耳を傾け、一つ一つ真摯に答えた。その姿に、いい人!真面目!紳士的!と絶賛の書き込みで会場は溢れた。
会見後、会場の外では約200人のファンが集まっていたが、J.J. とキャスト達は一人一人にサインや握手、そして写真を撮るなど、夏の酷暑をものともせず、丁寧にファンサービスをしつつ会場を後にした。
■J.J.エイブラムス監督
「この大ヒットは、素晴らしい脚本と、人間性溢れるキャラクター、そして最高の俳優達によって完成されました特に、新キャラクター“ジョン・ハリソン”は人類最大の敵でありながら、共感できるという素晴らしキャラクターです。“ジョン・ハリソン”を演じたカンバー・バッチも素晴らしかったです。」「プレッシャーは常に感じています。家族と離れて過ごすチームのメンバーの為に彼が報われるような作品を撮りたいと常に思っています。しかし、全てのファンを満足させられてないことも分かっています。僕のスター・トレックは、新しいファンも楽しめるように作っています。気にいって貰えなかったらゴメンなさい。」「僕は元々スター・トレックのファンではありませんでしたが、今はヘビーなファンです(笑)オリジナルを作り直すのではなく、その精神や、キャラクター、ユーモア、そして対立や自己犠牲などの重要なテーマを引き継ぎながら、今日に置き換えるよう努力しました。SFの偉大なところは、様々な事象を比喩的に表現できる事です。それは政治や様々なことに当てはめることができる。だから不変なのです。」
■クリス・パイン
「素晴らしい会場を作ってくれてありがとうございます。このような大きなシリーズに関わることができて大変光栄です。好きなキャラクターはスポックです。スポックは熱い情熱や、感情を内に秘めながら、それをなかなか出すことのできない難しい役です。そのような難しい役をザッカリーはとても良く演じたと思います。自分の弱点は・・・ラーメンに対する愛です(笑)」
■ザッカリー・クイント
「また日本に来れて嬉しいです。4月からスタートしたキャンペーンの最後の地に、日本を訪れることが出来て光栄です。映画の枠を超え、ポップカルチャーにまでなってる本作に携われることはとても幸せです。どのキャラクターを選ぶかは大変難しいです。それはジーン・ロッテンベリが作った多様と協調の重要性を本作が教えてくれるからです。僕の弱点は集中力のなさです(周りのコメントを眺めながら)」
■アリス・イヴ
「日本に来るのは初めてです。母国イギリスの雰囲気に似ています。皆の力を一つにして、作品を作り上げるのは素晴らしいし、それを世界中の人々と分かち合えるのはとても光栄です。私の好きなキャラクターはスコッティです。彼はシリアスな状況でもユーモアを忘れないし、本作の重要な場面でヒーローになるのです。私の弱点は・・・やはり愛ですね。恋は人をモンスターにしてしまうから」
スタトレレポート③【史上初!ギャラクシーカーペットイベント】
J.J.監督とエンタープライズ号クルーらが 宇宙飛行士:毛利衛と惑星探査!
8月14日(水)19:00~20:30【ギャラクシーカーペットイベント】
<取材来場>スチール50台、ムービー30台、記者・マスコミ関係合計200名
会場|日本科学未来館(東京都江東区青海2-3-6)
ゲスト(予定)│J.J.エイブラムス(監督)、ザッカリー・クイント(スポック役)アリス・イヴ(キャロル役)
スペシャルゲスト:毛利衛(日本科学未来館館長・宇宙飛行士)
8月14日、公開に先駆けJ.J.エイブラムス監督を始め、副長スポック役ザッカリー・クイント、才色兼備の科学者役アリス・イヴ等エンタープライズ号のクルーらが登壇し、日本科学未来館で映画としては初めてのコラボが実現。世界初のギャラクシーカーペットや、巨大な地球ディスプレイ[ジオ・コスモス]を活用したギャラクシーイベントが開催されました。
この日、暗闇の中浮かび上がる[ジオ・コスモス]の姿と壮大なオープニングでスタートしたギャラクシーイベント。応募総数2000通の中から選ばれたラッキーなファン500人と集まったマスコミがかたずを飲んで見守る中、オーバルブリッジに特設されたギャラクシーカーペットにゲスト達が登壇。待ちわびたファンからは大きな歓声が上がり、サインや写真撮影に丁寧に応じるJ.J.エイブラムス監督とクルー達。そして、会場が暗闇に包まれると、[ジオ・コスモス]の後ろの巨大スクリーンに次々と惑星の映像が映し出され、宇宙を思わせる美しい演出に会場のボルテージが急上昇すると、宇宙空間を感じさせる会場の特設ステージで舞台挨拶がスタート。美しい[ジオ・コスモス]に感激したゲスト達は「アメイジング!来日キャンペーンの締めくくりをこのような素晴らしい空間で迎えられて大変嬉しく思います!」と熱い歓迎に感動した様子。
さらに、本イベントに全面的な協力をした最先端科学技術と社会をつなぐ拠点、日本科学未来館の館長であり、宇宙飛行士の毛利衛さんが登場し、地球の未来と平和を願ってJ.J.エイブラムスとクルー達へ[ジオ・コスモス]を模した地球儀と、毛利さんが参加した宇宙のプロジェクトでしか作られていない記念ワッペンを贈呈。エイブラムスは「実際に宇宙に行ったことのある毛利さんにお会いできて光栄です!素敵なプレゼントにも感激しました!」とコメントするなど感動した様子。
お返しにJ.J.エイブラムスからは本作の製作会社であるBAD ROBOTのフィギュアが贈られた。毛利衛さんも「まるで皆さんと一緒に宇宙に行った気分になりました。今回の作品は心の問題を大切に扱っています。それはこの日本科学未来館のテーマでもあるので、作品とのつながりを深く感じました。今回来日してくださった皆さんに感謝します。」とコメントし、『スター・トレックイントゥ・ダークネス』と来日ゲスト達を絶賛。
最後に、サプライズプレゼントとして毛利衛さんからJ.J.エイブラムスへ[ジオ・コスモス]のコントローラーがプレゼントされ、月、そして今回がNASAから届いたばかりの初公開となる水星・金星の映像が映し出されると、お茶目に唸りながら触れるエイブラムスを始め、エンタープライズ号のクルー達も惑星を回転させたりと、さながら惑星探査をしているかのように大興奮! J.J.は「あたたかく迎えてくれてありがとうございます。惑星をいじったり動かす経験もさせてもらいました。日本大好きです!また必ず戻ってきます!ドウモアリガト!」と最後は日本語で締めくくり、大きな拍手と歓声の中で 来日キャンペーンの幕を閉じた。
■来日キャンペーンの締めくくりが日本科学未来館で行われる印象は?
J.J.エイブラムス:今回の来日キャンペーンで、日本に来るのを一番楽しみにしていました。日本大好き!キャンペーンが終わってしまうのは少し寂しいですが、この場所でこんな素晴らしい最後を迎えられて感激しています。
■スポックを演じるにあたって苦労した点は?
ザッカリー:「チョウジュトハンエイヲ!」(長寿と繁栄を)覚えたての日本語でバルカン人の挨拶に挑戦してみました。
(ファンからバルカンサインを掲げられる一面も)今回は戦闘シーンもあり、肉体的な稽古を沢山しました。スポックの動きもどこか省エネ的に見えるような動かし方を意識しました。作った私たちが楽しんだ同様、皆さまにも楽しんでもらいたいです。
■今回は初来日となりましたが、日本の印象はいかがですか?
アリス:日本は文化や文明のありかたなど、私の祖国イギリスにとても似ていて驚きました。食事も日本が世界で一番おいしいと思いますし、これから日本を堪能するのでとても楽しみです。
■宇宙飛行士から見た『スター・トレックイントゥ・ダークネス』の感想は?
毛利衛:今までの「スター・トレック」とは違い、今回は私たちの地球が舞台になっています。エイブラムス監督が今回扱っている“心の問題”は、日本科学未来館でも大切にしていることですので、「スター・トレック」との共通性を感じます。来日してくださった皆さまに感謝します。
■日本のファンへメッセージ
J.J.エイブラムス:映画はまるでジェットコースターに乗っているような楽しさがあります。素晴らしい映像はもちろんのこと、一番大事にしたのは「ハート」です。是非、映画館で楽しんでください!
『空色の故郷』キム・ソヨン監督、トークイベント開催 in 韓国女性監督映画特集2013@シネ・ヌーヴォX
8月17日(土)からシネ・ヌーヴォXで上映が始まった韓国女性監督映画特集2013。
上映作の中の一本、『空色の故郷』は、第二次世界大戦前から中央アジアで行われてきたコリアン強制移住の事実を解き明かすと共に、9歳で強制移住を余儀なくされたシン・スンナム画伯の人生とその作品をシン画伯自らが語る貴重なドキュメンタリーだ。長らく公開することが許されなかった全長44 メートルの傑作『レクイエム』はぜひスクリーンで観ていただきたい。
シン画伯の命日にあたる8月18日(日)、『空色の故郷』キム・ソヨン監督が来場し、上映後のトークイベントに登壇した。本上映を企画したキノキネマ岸野令子さんと共に満席の場内の熱気の中、観客の皆さんからの熱心な質問に答え、綿密に資料を調べ撮影に臨んだことを伺わせる場面も随所に見られた。
本作は釜山国際映画祭、ソウル国際ドキュメンタリー映画祭、山形国際ドキュメンタリー映画祭等多数の映画祭で受賞歴があるものの、韓国国内では2003年に4日間だけ公開されたままになっていた幻の作品だった。今回新しく字幕をつけた本作は、大阪から上映をはじめて、ゆくゆくは韓国でもう一度上映されるようにつなげていきたいという希望も込められているという。ここで、観客からの質問に答えたトークイベントの模様をご紹介したい。
―――スターリンがなぜウズベキスタンに強制移住させたのでしょうか?
キム・ソヨン監督(以下監督):コリアンがロシアの沿海州に移住し始めたのは1864年です。それは強制ではありませんでした。1937年第二次世界大戦前でロシアも戦争の準備をしており、満州に日本軍がいたのでソ連はそれを脅威に感じていました。強制移住の建前は、戦争開始時に国境地帯で外国人を置くのはスパイ活動などを考えると危険だということです。彼らは白人ですからコリアンであろうと顔を見るだけでは日本人と区別がつきません。そして本音は中央アジアを開拓したかったということです。中央アジアは元々遊牧民族の土地で、一つの地域に定住する民族ではありません。そこに農業を中心とする民族を送り込んで開拓したいという考えがあり、元々農耕民族だったコリアンが強制移住犠牲者の第一号になりました。
―――ソ連崩壊後独立したウズベキスタンで、コリアン2世が、ウズベク語ができないために解雇されたという話がありましたが、本当にしゃべれなかったのでしょうか?
監督:解雇の口実は建前で、本音は民族差別です。ソ連が崩壊し、15の共和国が独立したのですが、中央アジア各国の主な民族はイスラム教徒で文化が全然違います。彼らが主導権を握ったためコリアンだけでなくマイノリティー(ロシア人も含まれる)に対して差別をしてきました。
―――シン画伯はニコライと呼ばれていましたが、国籍はウズベキスタンなのでしょうか。
監督:国籍はウズベキスタンです。強制移住された朝鮮人はウズベキスタン共和国の国民として扱われています。当時は二重国籍が認められておらず、社会主義国家だったので国籍に関してはとても厳しかったのです。
―――この映画はたくさんの国際的な賞を受賞していますが、北朝鮮では上映されていないのですが、反戦の映画なのでぜひそちらでも上映してもらいたいです。
岸野:実は韓国でも一般公開はたった4日しかされていない映画なのです。映画祭で上映されて非常に評判になったのですが、10数年前の韓国の映画館はメジャー作品を上映する場であり、インディペンデント作品を上映する場はありませんでした。今では日本よりミニシアターは少ないものの、国が援助してインディペンデント作品を上映できる場所は徐々に増えてきています。そのような事情で、4日だけの劇場公開で終わってしまった訳です。
わたくしの願いとしては、ここ大阪から始まって日本全国上映後に、逆輸入でもう一度韓国で上映する運動をやってもらえたらと思っています。ですから、まだとても北朝鮮まではいきません。この映画はコリアンだけの話ではなく、難民など普遍的なテーマに繋がるものですし、どの民族の国に持っていっても観てもらえる映画です。だからこそ、日本でも上映したいと思い、今回の企画をいたしました。
監督:韓国で1度テレビ放映はされました。2003年8月15日に全国放送されました。資本主義社会なので、観客動員してお金が入らないと劇場は上映してくれません。
―――日本でも満州やシベリア抑留のことを知らない若い人が多いのですが、韓国で中央アジアへの強制移住が行われていたことをみなさんはご存知だったのですか?
監督:私がこの作品を企画した頃は分からなかったのですが、やはり自分が興味を持って探すから分かるのであって、一般的大衆はメディアが大々的に取り上げなければ、分からないと思います。
実は1994年か95年に強制移住問題を扱った『カレイスキー』【注】というドラマが放送されたのですが、失敗してしまいました。というのも、同時期に光州民主化運動を初めてテレビドラマ化した『砂時計』が大ヒットしたからです。私も当時は『砂時計』を観ていました(笑)。撮影でウズベキスタンに行ってから『カレイスキー』をまとめて観ることができました。現地で観たので、その感動は大きかったです。
【注】在露コリアンが自分たちのことを「高麗人」と言う意味で「カレイスキー」と呼んでいる。それがタイトルになった。
韓国女性監督映画特集2013@シネ・ヌーヴォXは9/6(金)まで開催中!
上映予定、イベント詳細はコチラ
『スマイル、アゲイン』
『もうひとつの世界』《VIVA!イタリア③》
『最後のキス』《VIVA!イタリア②》
『ハートの問題』《VIVA!イタリア①》