「AI」と一致するもの


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『暁に祈れ
プレスシート&オリジナルステッカー プレゼント!

 

 

■提供:トランスフォーマー

■プレゼント数: 3名様

■締切:2018年12月8日(土)

公式サイト: http://transformer.co.jp/m/APBD/

 

公開日:2018年12月、シネ・リーブル梅田、12/8~MOVIX京都、順次シネ・リーブル神戸にて公開

 



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2017年カンヌ国際映画祭ミッドナイト・スクリーニング部門正式出品作品

ロッテントマト驚異の96%フレッシュ!(8/1付)

“地獄”と呼ばれた刑務所をムエタイで生き抜け 魂を揺さぶる真実の物語

 

本作は汚職・レイプ・殺人が蔓延する実在のタイの刑務所に服役し、ムエタイでのし上がっていったイギリス人ボクサー、ビリー・ムーアの自伝ベストセラー小説がベースとなっており、ジャン=ステファーヌ・ソヴェール監督により映画化された。極限状態の中、孤立奮戦する主人公ビリーを演じたのは、ジェレミー・ソルニエ監督の『グリーンルーム』で注目され、映画祭を席巻したラブストーリー『きみへの距離、1万キロ』で主演を務めるなど演技とアクション、両方の才能を兼ね備えた新星、ジョー・コール。彼はボクサー役を務めるため何か月も肉体改造に励み、過酷な30日間の撮影に挑んだ。


役者の大半は現地タイ人の元囚人たちが起用されており、彼らの体験に基づいた迫真の演技により、観客はあたかもその場にいるような感覚に陥ってしまう。地獄に堕ちたアウトローが人間性をはく奪されながらも、ムエタイを通じて光を見出していく、監獄版「あしたのジョー」とも言うべき『暁に祈れ』は、ただのジャンル映画の枠には納まらない、パワフルな人間ドラマとして昇華している。


【STORY】
ボクサーのビリー・ムーアは、タイで自堕落な生活を過ごすうちに麻薬中毒者になってしまう。ある日、警察から家宅捜索を受けたビリーは逮捕され、タイで最も悪名高い刑務所に収容される。そこは殺人、レイプ、汚職が横行する、この世の地獄のような場所だった。死と隣り合わせの日々を過ごすビリーだったが、所内に設立されたムエタイ・クラブとの出会いが彼を変えていく。
 



監督・脚本:ジャン=ステファーヌ・ソヴェール『ジョニー・マッド・ドッグ』 
原作:ビリー・ムーア「A Prayer Before Dawn: My Nightmare in Thailand's Prisons」
出演:ジョー・コール『グリーンルーム』「ピーキー・ブラインダーズ」、ポンチャノック・マブラン、ヴィタヤ・パンスリンガム『オンリー・ゴッド』 
2017年/イギリス・フランス/英語、タイ語/シネスコ/117分/原題:A Prayer Before Dawn /日本語字幕:ブレインウッズ
提供:ハピネット+トランスフォーマー
配給:トランスフォーマー R15+
© 2017 - Meridian Entertainment - Senorita Films SAS
公式サイト: http://transformer.co.jp/m/APBD/

2018年12月、シネ・リーブル梅田、12/8~MOVIX京都、順次シネ・リーブル神戸にて公開
 


(オフィシャル・リリースより)

 

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現在TOHOシネマズ六本木他で開催中の第31回東京国際映画祭で、香港のフルーツ・チャン監督最新作『三人の夫』がコンペティション部門作品としてワールドプレミア上映された。娼婦を描いた『ドリアン・ドリアン』(00)『ハリウッド★ホンコン』(01)に続く、「売春トリロジー」の3作目となる本作。ボート生活を送る常人離れした性欲に苦しんでいる主人公、ムイと、彼女と暮らす年老いた父親、ムイの赤ちゃんの父親である老漁師、そしてムイに恋し、結婚した青年“メガネ”が織りなす物語は、夫との性生活に満足できず、元の船上売春婦に戻るムイと男たちの性描写の多さに驚かされる一方、常人離れしたオーラを放つムイに心を奪われる。また、フルーツ・チャン監督ならではの移りゆく香港の今を、色濃く映し出す要素として、先日全面開通したばかりの香港とマカオを結ぶ世界最長の海上大橋「港珠澳大橋」も登場。今後香港に大きな影響を与える象徴的存在となっている。

 

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フルーツ・チャン監督、脚本のラム・キートーさん、主演のクロエ・マーヤンが登壇して行われた記者会見では、まずセックスが止まらない女性を描いたことについて、「本来、性欲は男性のものですが、今回初めて性欲の強い女性を描きました。自分でも女性の性欲がどこまでいくのかわからず苦労しましたが、医者に聞くと、その欲は無尽蔵だと。満足するまではどこまでも止まらないと言われました」とチャン監督がその苦労を明かした。

 

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初主演作にして、チャン監督の指示により1ヶ月で13キロ増量して体当たりの演技を見せたクロエ・マーヤンさんは、「チャン監督には、肉感的で、被害者ではなく力強い女性像が求められました。初めて脚本を読んだのは、香港に到着し、クランクインした初日でした。読んだ時、これぞ長年待っていて、今まさにやりたい役だと思いました」と告白。脚本のラム・キートーさんが、「普段はあまりありませんが、フルーツ・チャン監督の売春トリロジーの撮り方は、監督が文字脚本を起こし、今回のようにキャスティング後に、マーヤンさんをイメージしてビジュアルに落としていきます」と、このシリーズならではの撮り方であることを説明した。

 

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精神的な危うさも含めて、素晴らしい演技を見せたマーヤンさんを抜擢したことについて、チャン監督は「中国においては、女性がセックスをメインにした映画を撮ることはある意味冒険で、とても難しいのです。実は10年前ぐらいに一度、マーヤンさんと出会っていたのですが、当時は私のイメージと合わずキャスティングしませんでした。今回この役を探すに当たり、あの時のマイヤンさんはどうだろう、かなりイメージが変わっていると勧めてくれた人がおり、実際お会いすると、この物語のイメージに近くなっていたので、キャスティングしました」とその経緯を明かすと、マーヤンさんも、「自分との対話という意味で、過去の自分やこれからの自分を考えた時、いま、一番これをやるべきだと思いました。とてもパワフルでした」とオファーを決意した時の心境を語った。さらに、一度脱ぐ演技をした後、そのイメージを払拭することの大変さを聞かれると「『ラスト、コーション』のタン・ウェイさんと共演したときに、その後ご苦労なさったと聞きました。でも共演した時は心穏やかな状態でいらっしゃいました。私自身も心配はしましたが、海に飛び込んだのなら、そのまま漂っていきたいと思っています」と晴れやかな表情で語った。最後に、香港での上映はできるものの、中国では上映できないことを明かしたフルーツ・チャン監督。「これが社会の暗黒面ですね」と表現の自由が犯されている状況を皮肉った。

 

第31回東京国際映画祭は11月3日(土)までTOHOシネマズ六本木ヒルズ、EXシアター六本木他で開催中。

第31回東京国際映画祭公式サイトはコチラ

(江口由美)

 

 

 
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現在TOHOシネマズ六本木他で開催中の第31回東京国際映画祭で、コンペティション部門作品であり、かつ特集「イスラエル映画の現在2018」作品のルクセンブルク・フランス・イスラエル・ベルギー合作映画『テルアビブ・オン・ファイア』が上映され、サメフ・ゾアビ監督、検問所のアッシを演じたヤニブ・ビトンさんが記者会見で、作品の狙いを語った。
 
 
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<あらすじ>
67年の第三次中東戦争を題材にした人気メロドラマ「テルアビブ・オン・ファイア」の制作インターンをしているサラムは、毎日イスラエルの検問所を通らなくてはならない。ある日、検問所の主任アッシと知り合い、「テルアビブ・オン・ファイア」のスタッフであることを知られてしまう。アッシは、ドラマの大ファンの妻に自慢したいがために、サラムのIDカードを取り上げ、ドラマの脚本に関わることになる。アッシの脚本案で、サラムは正式にドラマの脚本家となるものの、ドラマの結末にアッシとスポンサーが不満を抱き・・・。
 
パレスチナ人で、現在テレアビブに在住のゾアビ監督は、作品のアイデアについて「コメディーですが、とてもパーソナルな映画です。わたしも主人公サラムと同様にアラブ社会とは少し隔離されている場所にすみ、毎日のようにイスラエル人と共存しなければなりません。そして、常に自分自身の声を模索している。そういうシチュエーションからサラム役が生まれました。アーティストとしては自分なりに違う視点で描いているつもりですが、見ている方から政治よりの内容に見られてしまうのが、自分の中でのジレンマです。この作品はコメディーですが、コメディーに込められたジョークが二の次です。僕にとっては、コメディーが成立しているシチュエーションを皆さんにわかっていただきたいのです」
 
個性的でチャーミングな部分もある検問所の主任アッシを演じたヤニブ・ビトンさんは、テルアビブ在住のイスラエル人。主に舞台やテレビで活動し、映画出演は本作が2本目だという。ビトンさんは、この役を射止めたときのことを回想し、「僕はオーディションでこの役を得ましたが、その前に脚本の一部や作品に対するメモを読ませていただきました。この作品はコメディーで、パレスチナとイスラエルの問題を本格的コメディーとして描いた映画は今までなかったので、とても興味を持ちました。政治的な視点や、様々なシチュエーション、キャラクターに本当に共感できました。これまで色々なオーディションを受けましたが、一番やりたいと思った役ですし、ベストのパフォーマンスができたと思います。映画ではユダヤ人たちの歴史を、皮肉を込めて演じました」と役柄同様、表情豊かに語った。
 
 
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作品中でアッシが、サラムに美味しいフムスを要求し、フムスを作る場面や、食べる場面が度々登場するが、フムスに込めた意味についてゾアビ監督は、「フムスは政治的な意味も込められています。ある種のメタファーです。元々、パレスチナ人の食べ物で、イスラエル人がパレスチナを占拠したとき、我々の文化も取り入れていったのです。フムスは土地も象徴しています。我々のアイデンティティがフムスだとすれば、それをイスラエル人に取られてしまった訳です。コメディー的な見所としては、劇中で、誰のフムスが美味しいかを議論します。なぜかイスラエル人はフムスが好きです。僕も、母も作りますが、ビトンさんはいつも美味しいレストランがあるから食べに行こうというのですが、僕たちにしてみればフムスは家で作るものです」と、フムスに込めた深い意味を説明。ビトンさんも、「イスラエル人は美食家を装うのが好きですが、卵を入れたり、レモンをかけたりします。ただ、この映画の中で、食べなければいけなかったフムスは本当に不味かったです」と笑いを誘った。
 
イスラエルでは来年3月公開が決まっているという『テルアビブ・オン・ファイア』。最後に、ゾアビ監督は、「占領は実際に行われており、我々パレスチナ人は国もなければ市民権もなく、若い世代の将来もありません。それは深刻なことです。でも実際に占領されていることを描く必要はなく、それより、日々我々が受けている精神的な占領を描きたかったのです。アッシが結婚式の結末にしようとするのは、イスラエルのイデオロギーを押し付けようとしていることを象徴しています。ただ、それ以上の将来は見えません。精神的な占領は両方持っていることですし、オスロ合意の先に何があるのか見ることができないのです。オスロ合意の状況は僕にとっては全然うまくいっていないし、パレスチナ人は今だに自分たちの声がないのです。コメディーは悲劇を描くのに適していると思い作りましたが、この映画が答えよりも多くの質問を出して欲しいと思います」と本作に込めた政治的意図を明かし、議論のきっかけとなることを望んだ。
 
第31回東京国際映画祭は11月3日(土)までTOHOシネマズ六本木ヒルズ、EXシアター六本木他で開催中。
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(江口由美)
 

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オムニバス形式で10年後の自国を描く「十年」プロジェクト。そのタイ版であり、『ブンミおじさんの森』のアピチャッポン・ウィーラセタクンが統括を務めた『十年 Ten Years Thailand』が、現在TOHOシネマズ六本木他で開催中の第31回東京国際映画祭で10月28日に上映され、プロデューサーのカッタリーヤー・パオシーチャルーンさんが登壇した。
 
15年に香港で公開され、5人の若手映画監督が10年後の香港を描くオムニバス映画『十年』が国を超えて、大きな反響を巻き起こし、日本、タイ、台湾の国際的プロジェクトとなった。日本版『十年 Ten Years Japan』が11月3日全国ロードショーされるのを始め、いずれかの『十年』を見て刺激を受けた国の映画作家が、その国なりのオムニバスを作る動きも見られており、さらに国際的な広がりを見せているプロジェクトとなっている。タイ版は、アーティット・アッサラット監督が、写真展が表現の自由が制限される様子を描いた「Sunset」、ウィシット・サーサナティアン監督が、猫人間に支配された社会を描いた「Catopia」、美術家のチュラヤーンノン・シリポンが、女性の独裁者が君臨する世界を描いた「Planetarium」、アピチャッポン・ウィーラセタクン監督が銅像の立つ工事中の公園と、そこで休息し語り合う人々を描いた「Song of the City」の4本からなるオムニバスだ。
 
 
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インディーズ映画のプロデューサーとして働いていたパオシーチャルーンさん。本プロジェクトは、タイで政治的な問題が勃発し、芸術の表現の自由に疑問を感じた人たちと共に「フィルムズ フォー フリー」プロジェクトを始めたことがきっかけだったという。「その後、香港映画の『十年』が上映され、それも政治的な状況を反映していたので、ぜひ『十年』タイ版を作りたいということで、同プロジェクトを発展させる形でスタートしました」とその経緯を説明。香港、日本共に若手監督が起用されているが、タイ版は名匠、アピチャッポン・ウィーラセタクンも統括兼監督として加わっていることについては、「タイのインディーズ映画の価値観をもっと高めたいということで始めたプロジェクトなので、4人の監督は様々な年代、多様な個性を持った方に依頼したいと思い、この4人に選びました」と、独自の事情があることを明かした。
 
現在タイでは12月公開予定だそうだが、タイのマスコミからも本当に予定通りに公開できるのか興味を持って見られている状態だという。パオシーチャルーンさんは、「この作品はタイでは絶対上映させなければいけないと思っています。私たちの『十年 Ten Years Thailand』はとてもチャレンジングな企画ですが、制作の過程ではタイの憲法に照らし合わせながら、検閲が入るギリギリのところに触れないように配慮しました。上映できないということは考えていません。日本の皆さんもタイで上映できるように応援してください」と日本の観客に呼びかけた。
 
 
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アピチャッポン・ウィーラセタクン監督作品では、公園に元タイ首相のソリット・タナラット氏の銅像が置かれ、ずっと銅像が映されるのが印象的だが、「アビチャッポン監督からみなさんに伝えて欲しいと言われたのは、あの銅像は意図的に使っているということです。未来は現在、過去から繋がっているので、その繋がりを過去に建てられたもの(銅像)を使って示しました」とその真意が語られた。最後に、「タイでは、映画はメディアであり、社会に影響を与えるものとみなされています。タイのメジャー系映画館のマネージャーから電話をいただき、ぜひ上映して欲しいと言われています。来年、選挙を控えているので、社会的な問題も捉えていきたいという狙いがあるのだと思います」と、タイ国内での公開に向けての良い動きがあることを付け加え、国内公開に向けての強い決意を新たにした。
 

『十年 Ten Years Thailand』は11月2日(金)15:50から2回目の上映が予定されている(残席あり)。上映後にはプロデューサーのカッタリーヤー・パオシーチャルーンさんのQ&Aも開催予定だ。
第31回東京国際映画祭は11月3日(土)までTOHOシネマズ六本木ヒルズ、EXシアター六本木他で開催中。
第31回東京国際映画祭公式サイトはコチラ
(江口由美)
 

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「シンプルな歌、詩を通して、変革するインドネシアの悲劇を描く」
ガリン・ヌグロホ監督、出演アニサ・ヘルタミさん『めくるめく愛の詩』を語る@TIFF2018
 
1970年代から90年代までの激変を遂げたインドネシアを舞台に幼馴染の男女の一筋縄ではいかない恋と、彼らの家族の苦難を描いた『めくるめく愛の詩』が、現在TOHOシネマズ六本木他で開催中の第31回東京国際映画祭で10月27日に上映され、ガリン・ヌグロホ監督と、ヒロイン、ユリアの母親を演じたアニサ・ヘルタミさんが登壇した。
 
スハルト独裁政権下の90年代から精力的な映画制作を行い、東京国際映画祭で長編デビュー作『一切れのパンの愛』(91)、07年には同映画祭の国際審査員を務めたガリン・ヌグロホ監督。カトリックを扱った『スギヤ』(12)、イスラム原理主義を扱った『目隠し』(11)ではインドネシアが直面している問題に鋭く切り込み、まさにインドネシアの巨匠と呼ばれる存在だ。「国際交流基金アジアセンター presents CROSSCUT ASIA #05 ラララ♪東南アジア」部門作品として上映された本作は、一転してミュージカル的要素を取り入れながら、経済的成長を遂げつつある時代に生まれ育った若者たちの姿を描いている。
 
 
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『めくるめく愛の詩』には自身の実体験や生い立ちをかなり反映したというヌグロホ監督は「今回描いた時代は、音楽、ファッションも美しく、ユニークなものがあるとても美しい時代でした。(ユリアと幼馴染の破天荒な)ルーミーのキャラクターも100%ではないけれど、僕自身の要素が入っていますし、映画の中の詩も自分で書いています」と自らの青春時代を回想するような物語でもあることを示唆。大学生になったルーミーが反政府行動を疑われ、連行されるくだりも「私が高校の頃、兄は大学に入りスハルト政権に反発していたので、大学から出られなかったのです。私が大学に食べ物を差し入れた経験があります。当時は裕福な学生は政権に反発させないように、いい大学に入れたり、政府が助成金を出してわざわざ海外留学させていました」。
一方、ヘルタミさんは、この脚本を読んで「音楽も詩も美しいし、監督はなんてロマンチストなのだろうと思いました」と印象を語ると、自身が演じた母親役については、「ただ美しいだけではありません。当時のインドネシアの女性は大変苦労をされています。映画でも腐って木から落ちたフルーツを一生懸命拾い、刻んだものを水に浸して、(ドリンクにして)市場で配ることで生計を立てるシーンがありますが、演じていても悲しかったですし、女性にとって大変な時代であったと実感しました」と当時のインドネシアの女性たちに思いを馳せた。
 
根底には時代の変化をどう感じて生きて行くかがテーマでもある本作。ヌグロホ監督は「時代の変化を象徴するために、様々なディテールを盛り込みました。テレビが普及することによるラジオ(ユリアの父の仕事)の衰退や、それぞれの時代の雑誌の変遷だけでなく、ルーミーの家族のレモネード工場閉鎖という経済的な困難を物語に取り入れています。60年代から90年代は、時代の変化が如実に人々の生活に影響してきたと思います。日常的な時代の変化を盛り込みながら、国全体の変化 政治の変化を加えながら、時代の変化を描いたつもりです。それと同時に、シンプルな歌、詩を通してその時代の悲劇や、時代の変化を乗り越えて生きていかなければならかった悲劇を描いています」と作品に込めた意図を明かした。ヘルタミさんも「この映画は決して恋人同士のラブストーリーだけではないと捉えています。物語の中で、インドネシアの変化を垣間見ることができる作品です。私の世代はアナログからデジタルに変換する時代や、97年にスハルト大統領による革命で民主主義政権に変わったことを体験しています。とても混沌とした時代を経て、私自身が育ったわけで、この映画でもそのようなインドネシアの変化を垣間見ることができると思います」と自身の体験を踏まえながら、映画で描かれているインドネシアの変化について語った。
 
 
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音楽映画的な見どころも大いにある本作。描かれた時代は70年代で映画ポスターや雑誌などは当時のものが使われている一方、音楽は50年代のものが中心となっているが、「50年代はインドネシアが独立した時代で、彼らの親御さんは50年代に生きた人たち。主人公たちは若いけれど、両親が好きな音楽が家でもかかっていました。それがある種の母親の視点であったり、ルーミーとユリアの視点にもなり、音楽で一つになるという風に、あえて両親の世代に当たる50年代の音楽を使いました。ちなみに映画の中で、ユリアの家を訪れ、様々な男性が彼女にアプローチをするシーンがありますが、ギターを弾いて愛を伝える男のくだりは私の父が母に対して実際に弾き語りをしたエピソードが元になっています」と、ここでもヌグロホ監督の個人的な体験が盛り込まれていることを明かした。
 
最後にイスラム圏でもあるインドネシアで、同時代の女性の進出について聞かれたヌグロホ監督は「9.11以降、インドネシアでもラジカリズムという言葉が使われるようになりました」と指摘。「それまではカバヤという民族衣装をつけ、伝統的な髪型をした女性が多かったのですが、テロということが人々の意識の中に入り、考え方が変わっていきました。『目隠し』という映画では若者がテロの団体に入って行く物語を描きましたが、なぜそういうことが起きたのか、私自身は映画を通して答えを見出し、提示したいと思っています」と、9.11以降の流れを含めながら、自身の映画制作の姿勢を熱弁。遅い時間のQ&Aだったが、観客から熱い拍手が送られた。
 
第31回東京国際映画祭は11月3日(土)までTOHOシネマズ六本木ヒルズ、EXシアター六本木他で開催中。
第31回東京国際映画祭公式サイトはコチラ
(江口由美)
 

 

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『ここは退屈迎えにきて』
オリジナルメモパッドプレゼント!

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■提供:KADOKAWA

■プレゼント数: 3名様

■締切:2018年11月3日(土)

公式サイト: http://taikutsu.jp/

公開日:2018年10月19日(金)~全国ロードショー



 

 


 

主演:橋本愛×門脇麦×成田凌
監督:廣木隆一『ナミヤ雑貨店の奇蹟』×原作:山内マリコ「R-18文学賞」受賞

圧倒的共感を呼んだ傑作小説が、
名監督&新世代豪華キャストにより待望の映画化!

 

「R‐18文学賞」を受賞し2012年に小説が発売されるや紀伊國屋書店スタッフによる「キノベス!2013」にランクインし、詩的なタイトルが印象的な山内マリコの処女小説「ここは退屈迎えに来て」がついに映画化!


本作は、2004年の高校時代から2013年の現在まで、みんなの憧れの的だった「椎名くん」を柱にキャラクターを交差させながら描く、委託切ない群像劇。これまで本格派ヒューマンドラマから恋愛モノまで、登場人物の繊細な心の機微を紡ぎ出し、昨年公開された『ナミヤ雑貨店の奇蹟』をはじめ、本格派ヒューマンドラマから恋愛モノまで、数々の作品を手掛けてきた名匠・廣木隆一監督が、メガホンをとった。


kokotaikutu-500-2.jpg何者かになりたくて東京で就職したものの、10年経って何となく戻ってきた主人公「私」を演じるのは、『告白』(10)で脚光を浴び、『桐島、部活やめるってよ』(12)で第86回キネマ旬報ベスト・テン新人女優賞、第36回日本アカデミー賞新人俳優賞などを受賞するなど、その透明感のある演技で日本映画界において高く評価される女優・橋本愛。元彼「椎名」を忘れられない「あたし」を演じるのは、『愛の渦』(14)やで体当たりの演技を見せ注目を浴び、その演技の幅は計り知れない若手実力派女優・門脇麦。そして青春時代にみんなが恋焦がれた、自らの退屈を埋めてくれるであろう「椎名くん」を『キセキ-あの日のソビト-』(17)での好演が記憶に新しい、独特の色気と存在感を放つ人気急上昇俳優・成田凌が演じている。そのほか、渡辺大知、岸井ゆきの、内田理央、柳ゆり菜、村上淳ら、出演作が後を絶たない実力派俳優陣が脇を固めることが発表され、ますます本作への期待が高まるばかりだ!

 


 

◆出演:橋本愛、門脇麦、成田凌、渡辺大知、岸井ゆきの、内田理央、柳ゆり菜、亀田侑樹、瀧内公美、片山友希、木崎絹子/マキタスポーツ、村上淳
◆原作:山内マリコ「ここは退屈迎えに来て」幻冬舎文庫◆監督:廣木隆一◆脚本:櫻井智也◆制作プロダクション:ダブ
◆コピーライト:© 2018「ここは退屈迎えに来て」製作委員会
◆配給:KADOKAWA

2018年10月19日(金)~ 全国ロードショー



 (プレスリリースより)

 

 

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METライブビューイング2018-19 

ヴェルディ『アイーダ』ペア招待券プレゼント!!!


◆提供:松竹

◆プレゼント数:3組6名様

◆上映期間:11月2日(土)~11月8日(金)(3時間36分)  

◆上映会場:大阪ステーションシティシネマ(9:50~)
      なんばパークスシネマ(10:00/18:30の1日2回)
      MOVIX京都(10:00~)
      神戸国際松竹(12:00~)
 

◆締切:2018年10月25日(木)

 


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これぞMET!究極の壮大さを誇る舞台と
A・ネトレプコら豪華スターの競演で魅せる「オペラのなかのオペラ」!


世界最高峰のメトロポリタン・オペラ(通称:MET(メト))の最新公演を映画館で上映する「METライブビューイング」。2018-19シーズンの第1作 ヴェルディ《アイーダ》が11月2日(金)~8日(木)に全国の映画館で公開となります!

戦乱の古代エジプトを舞台に、禁じられた恋の物語を、世界のプリマ A・ネトレプコと次世代の大スター A・ラチヴェリシュヴィリの豪華競演で贈ります!サッカーの応援曲で知られる〈凱旋行進曲〉が鳴り響く「凱旋の場」など、これぞMET!と言わしめる壮大な舞台は圧巻!
 



ヴェルディ《アイーダ》
指揮:ニコラ・ルイゾッティ
演出:ソニヤ・フリゼル
出演:アンナ・ネトレプコ、アニータ・ラチヴェリシュヴィリ、
アレクサンドルス・アントネンコ、クイン・ケルシー、 ディミトリ・ベロセルスキー、
ライアン・スピード・グリーン※キャストは余儀なく変更されることがございます。

あらすじ〉
囚われ、奴隷となったエチオピア王女の禁じられた恋!戦乱の古代エジプトを舞台に、世界のプリマA・ネトレプコと次世代の大スターA・ラチヴェリシュヴィリが宿命の恋敵を演じる!サッカーの応援曲で知られる〈凱旋行進曲〉が鳴り響く「凱旋の場」、幕切れの二重舞台などスペクタクル満点のS・フリゼル演出はMETの代名詞。〈清きアイーダ〉〈勝ちて帰れ〉など情熱的なアリアも心に刺さる。「オペラのなかのオペラ」、ここにあり。
 


【料金】一般:3,600円 学生:2,500円 (税込) 
【特別鑑賞券】ムビチケカード3枚セット: 9,300円 (税込)
【リピーター割引】劇場窓口購入に限り、2018-19 ご鑑賞済み座席指定券の提示で300円引き。(学生対象外)

◆関西上映の詳細はこちら⇒ 
https://www.shochiku.co.jp/met/theater/


◎世界最高峰のオペラの感動をお近くの映画館で!


MET2017-18-MET-240.jpgニューヨークのリンカーン・センターに位置する世界屈指のオペラハウス、メトロポリタン歌劇場。その最新公演を映画館で上映する「METライブビューイング」は、世界のトップ歌手たちの夢の競演、最高のオーケストラ、刺激的な演出の数々を、リーズナブルな価格でお楽しみいただける画期的なオペラ・エンターテインメント!初心者からオペラ通までを虜にする選りすぐりの名演の数々をお楽しみください!
 


(プレスリリースより)

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