「AI」と一致するもの

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 asahinagu-bu-550.jpg“なぎなた衣裳”で颯爽と登場!『あさひなぐ』舞台挨拶

(2017年9月23日(土) TOHOシネマズなんばにて)

ゲスト:西野七瀬(23)、桜井玲香(23)、伊藤万理華(21)



凛々しさひときわ、“美の武道”なぎなたに挑む《乃木坂46》!
 

女子高生のラブストーリーに辟易しているところに、古式ゆかしい薙刀(なぎなた)部活で奮闘するスポ根ものに出会って目が覚めるようだった。想像以上の笑いと清々しい感動でウルウルしてしまった。


asahinagu-main.jpg高校進学を機に新しい自分になろうと薙刀部(なぎなたぶ)に入部した東島旭(西野七瀬)。元美術部で運動音痴でも無理なくやれるという甘言に乗り、とんでもなく悪戦苦闘することになる。先輩たちが果たせなかった夢を後輩たちが引き継ぐ。自信が持てず一歩が踏み出せない自分を奮い立たせ、それぞれ己の弱さに打ち勝ちながら、一人より皆のために支え合う友情を深めていく。


asahinagu-500-2.jpg旭の憧れの先輩、宮路真春役に白石麻衣、生田絵梨花、桜井玲香、村松沙友理、伊藤万理華ら乃木坂46のメンバーが凜とした美しさで競演!白の胴着に黒の袴姿、シュッと背筋を伸ばし薙刀を構える姿のカッコいいこと! 緊迫の試合シーンをはじめ、打たれてもめげずにぶつかっていく姿など、『チア☆ダン』にも通じる女子高生の成長を瑞々しく描いた青春讃歌の感動作。


公開2日目の9月23日(土)、乃木坂46のメンバーが2チームに分かれて全国で御礼舞台挨拶行脚を敢行!大阪では主演の西野七瀬、桜井玲香と伊藤万理華の3名が超満員の会場で舞台挨拶を行った。


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[大阪の好きな所は?]

大阪府出身の西野は「難波へよく遊びに行きましたが、道頓堀がどうなってるか気になる~」ご様子。伊藤は「小学2年生まで大阪に住んでいたので第二の故郷です。好きな場所はユニバーサル・スタジオ。行きたい!」。会場からも「行く!行く!」と歓声があがる。桜井は「元気ですかー! 大阪の人は初対面でもすぐに仲良くなれて元気なイメージです。映画見終わって隣同士でイェーイ!って盛り上がってると思いましたが…」と、可愛い3人を前に緊張気味の観客を鼓舞していた。

 

 
[薙刀(なぎなた)に初挑戦して大変だったことは?]

asahinagu-sakurai-1.jpg西野は「稽古中、中々強く打てなくて「もっと強く打って!」と注意されてばかり」だったようだが、伊藤は最初からビシバシ打っていたようだ。カットが掛かっても何度も打ってしまい「もう止めて!」と制止された程だったとか。「痛いので、あんまり強くやるもではない」と他人事のように語っていた。桜井も「先生に打たれた時の痛さは凄かった~!剣道経験者という設定の役でしたが、どっちも未経験だし、構えが真逆で練習の時に苦労しました。それと、防具が重くて装着にも時間が掛かって大変でした」。薙刀(なぎなた)初挑戦ということで苦労も多かったようだ。だが、その甲斐あって、真剣な表情で挑む彼女らのひたむきさだ感動をよんでいる。

 
[注目ポイントは?]

asahinagu-itou-1.jpg薙刀部の顧問・小林先生を演じた中村倫也のアドリブだらけの演技に笑いを堪えるのに苦労したとか。試合中、伊藤が新入部員に開会式について説明している最中にも関わらず、邪魔するように語りかけてくる小林先生。顧問なのに薙刀のことは全く無知で、いつも部員たちと嚙み合わないハイテンションぶりを見せる。さらに登場する度にいろんな小道具を自分で用意して驚かすので、部員たちのリアクションも見どころひとつだという。女子らしいと感じられたのは、撮影中の待ち時間に“お菓子パーティ”をしていたとか。中でもピスタチオが大人気で、必ず用意されていたようだが、西野は「ひと粒も食べてない!」と初告白。驚く桜井と伊藤に、「私の試合のシーンの時に食べてたのね」と、主人公の旭ちゃん同様、何となく浮いた感じの西野の天然ぶりも笑える。もっともっと、リピート鑑賞する場合の注目ポイントがいっぱいありそうだ。是非、劇場でご確認下さい。


(河田 真喜子)


『あさひなぐ』
asahinagu-500-4.jpgのサムネイル画像■2017年 日本 1時間45分
■原作:こざき亜衣(「あさひなぐ」小学館)
■監督・脚本:英 勉 (『ハンサム★スーツ』『ヒロイン失格』『トリガール!』)
■出演:西野七瀬、桜井玲香、松村沙友理、白石麻衣、伊藤万理華、生田絵梨花、富田望生、中村倫也、江口のりこ
■(C)2017 映画「あさひなぐ」製作委員会(C)2011 こざき亜衣/小学館

公式サイト⇒ http://asahinagu-proj.com/

2017年9月22日(金)~全国東宝系にて絶賛公開中!

 

 

scramble-sub1-500.jpg『スクランブル』史上初!総額数億円の高級クラシックカーに囲まれたイベント試写会

■2017年9月19日(火)
■イベント会場     GLION MUSEUM
大阪市港区海岸通2丁目6-39(大阪・赤レンガ倉庫内)
TEL:06-6573-3006
月曜定休日(祝日の場合は翌日)
http://glion-museum.jp/


 
9月22日の公開を記念して、9/19(火)に映画「スクランブル」のイベント試写会を行いました。場所は高級クラシックカー約120台を展示する、GLION MUSEUM(大阪市港区・赤レンガ倉庫)。映画にも登場するクラシックカーと同じモデルの車ももちろん展示されています。

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この日のイベントには、いま吉本の若手で大活躍中のアキナ(秋山賢太、山名文和)のお二人がゲストで登壇。

実は映画の主人公が兄弟という設定だったので、当初は兄弟漫才師のミキをゲストブッキングしようとしていたところスケジュールが合わず、車ネタを持っている和牛も無理で、イベント前日にアキナに決まるというまさに「スクランブル」登板!
 

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「昨日、急にこの仕事が決まったんです。千鳥さんとかめっちゃ売れてる人の代役ならわかるんですが、(後輩の)ミキとか(の代役)は微妙・・・釈然としないですね」とボヤいて会場は笑いの渦へ。

「映画のPRイベントは初めてなんです。運はあると思いますよ。僕らが選ばれたのは、礼儀正しいからですよ。人柄です。損したのはあの2組です」と語り、代役というスクランブル登板にも前向きに映画をしっかりとPRしてくれました。

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scramble-main-500.jpg『スクランブル』

『96時間』&『ワイルド・スピード』シリーズ制作陣最新作!
『ワイルド・スピード アイスブレイク』スコット・イーストウッド主演

<STORY>
オークション会場から搬出された世界に2台の37年型ブガッティを奪うはずだったアンドリュー (スコット・イーストウッド)とギャレット(フレディ・ソープ)のフォスター兄弟。しかし、落札したのが残忍なマフィアのモリエールだったために、兄弟は囚われの身に。命が助かる条件は、敵対するマフィアのクレンプが所有する62年型フェラーリ250GTOを1週間で盗むこと。寄せ集めチームで、犯罪史上最大の強奪作戦に挑むはずが、インターポールに追われ、アンドリューの恋人・ステファニーを人質に取られ、挙句の果てにはクレンプに計画を知られてしまう。だが、実はピンチさえも兄弟の〈計画〉だった──。


scramble-pos.jpg■2016年 フランス=アメリカ 1時間34分 ギャガ
■監督:アントニオ・ネグレ
■脚本:マイケル・ブラント/デレク・ハース(『ワイルド・スピード×2』)  
■製作:ピエール・モレル(『96時間』シリーズ)
■出演:スコット・イーストウッド/フレデリック・ソープ/ アナ・デ・アルマス
■公開日:2017年9月22日(金)~ TOHOシネマズみゆき座 他全国ロードショー
公式サイト⇒ http://gaga.ne.jp/scramble/
■© 2016 OVERDRIVE PRODUCTIONS – KINOLOGY – TF1 FILMS PRODUCTION – NEXUS FACTORY


(オフィシャル・レポートより)

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故郷と向き合うのは、髄の部分で自分に向き合うこと
『望郷』主演大東駿介さんインタビュー
 
湊かなえが故郷の因島を舞台に描いた連作短篇集『望郷』より「夢の国」「光の航路」を、デビュー作『ディア―ディア―』、今年公開の『ハローグッバイ』共に国際映画祭で高い評価を受けている菊地健雄監督が映画化。9月16日(土)より新宿武蔵野館、9月30日(土)よりテアトル梅田、京都シネマ、元町映画館ほか全国拡大上映される。
 
 
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古いしきたりを重んじる家庭に育ち、結婚後も島で暮らし続ける夢都子(貫地谷しほり)と、本土から転任で9年ぶりに島に戻ってきた中学校教師の航(大東駿介)。確執を抱えたまま生きる2組の親子が、真実を知り、未来に向かって歩むまでを二つの時代をクロスさせながら描いたヒューマンストーリー。故郷の光と闇、親子だからこそ抱く複雑な感情など、湊かなえらしい人間描写を、菊地健雄監督がさらに深く、そしてどこか温かく見つめ、役者の表情をつぶさに捉えて映し出す。
 
本作のプロデューサー辻村和也さんは本作の狙いについて、「同世代のスタッフ、本作品を共に作っていける監督、俳優をキャスティングすることを意識しました。作品の世界感を一番に考えた丁寧な作品を作り、映画ファンが多く集まるミニシアターにかけていくというのが最初に出していた方針でした」。菊地監督に関しては「助監督経験が豊富にあり、役者に芝居をつけることに定評がある事に加え、起用に作品制作に向き合えること。」また監督が動きやすいチーム編成にする事が絶対条件とも考えてました。、そして大東さんについては「演技力には定評がありながら、まだ重厚な作品で主演されるイメージがないため、そんな一面を見てみたかった」と起用の理由を語ってくれた。また、因島が舞台の全く独立した二つの話(「夢の国」「光の航路」)を、双方の主人公を同級生の設定にすることで、一つの作品になるような台本に仕上げたという。「石の十字架」で登場した十字架のある白綱山が重要なシーンで登場しているのも見どころだ。
 
キャンペーンで来阪した主演、大崎航役の大東駿介さんに、亡き父親と対峙する航役について、また初タッグとなった菊地監督との撮影についてお話を伺った。

 


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■菊地監督の島と故郷と人間を丁寧に描く姿に共感。「周りの筋肉は柔らかくて、骨だけむちゃくちゃしっかりしている感じ」が信頼感に。

―――『望郷』は『白ゆき姫殺人事件』以来の湊かなえ作品出演ですが、航役のオファーがあった時どんな印象を持ったのですか?
『望郷』は他の湊かなえさん作品とは世界観が違うとよく聞くのですが、僕はとても湊さんらしさが出ているという印象があります。湊さんの作品はミステリーでも人間性が際立っています。この『望郷』は、ミステリー要素がありながらも、菊地監督が島と故郷と人間を丁寧に描こうとされていたので、航役を是非演じたいと思いました。
 
―――菊地監督とは本作が初タッグとなりますが、一緒に仕事をして感じたことは?
菊地監督は細部まで見てくれ、信頼感があります。僕はよく現場で、信頼しあえる人間関係をどう構築していくかを考えます。映画を作る時は、毎回知らない人が集まって作っていくので、その中で信頼感はあるに越したことはない。もちろん仕事に対する熱意は、信頼を得る大きな材料ですが、ちょっとした方向性のズレが生じると衝突が生じてしまいます。菊地監督は、熱意もあり、その場で生まれて来るものに対しても柔軟なんです。逆にそれをキャッチして面白いと思ってくれる。偶発的なものも含めて、監督が描こうとしている人間や、島の現実と捉えてくれました。人を描くのに適した監督です。我がない訳ではなく、我の部分が映画の芯になる。周りの筋肉は柔らかくて、骨だけむちゃくちゃしっかりしている感じが、信頼感に繋がり、スタッフ、キャスト全員が菊地監督のためにいい作品を作ろうというスタンスになっていました。
 
―――菊地監督が曲げない部分というのは、どういう点ですか?
映画のビジョン、「こういう作品にしたい」という思いはしっかり持っていらっしゃいました。でも、こういう芝居をしてという押し付けは一切なかったですね。
 
―――菊地監督が大東さんらキャストを信頼していたのでしょうね。
僕も、衣装合わせで初めて監督に会った瞬間に信頼したんですよ。というのも僕は台本を読んで、この話は因島で撮れたらいいなと思っていたところ、監督が因島で撮りたいと強くおっしゃっていたと聞いたのです。その時点で僕は、この作品の芯を捉えている気がしました。それでいながら熱望した因島の撮影を終え、いざ出来上がった作品を見ると、島の風景はそこで育った人を構築する一部のパーツとなっていて、決して島を前面に押し出したりはしていない。『望郷』という作品にとって、因島はどういう存在なのか。あくまで湊かなえさんの『望郷』を映画化したという核から絶対にズレず、きちんと芯を捉えているところが凄いと思いました。

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■上京する時に感じていたこと、故郷に今感じることは『望郷』に似ている。

―――芯となるのは、「故郷との関係を描く」ということでしょうか?
因島は例え話で、僕も堺市出身、堺のことが大好きだけど、上京する時に感じていたことと、今感じることは『望郷』に似ています。堺のことは大好きなのだけど、本当に離れたかった。自分の未来はそこにはなかった。僕の中で、故郷はずっと居る場所ではなかったですね。役者になりたかったし、広い世界を見たかったので、最初は「やっと故郷を出れた」と思うのですが、結局いつも故郷のことを思い、故郷の居心地の良さを感じているんですよ。そことの比較で、少しずつ大人になっていっているのかなと。
 
―――航役を演じるにあたり、内面を掘り下げるために自らの故郷や父親との関係を振り返ったりもしたのですか?
もちろんこの台本を読んで自分と向き合うことが多く、父親や故郷について考えましたが、それで役を構築すると、結局航の話ではなく自分の話になってしまいます。内面を作るのは周りの人、兄弟や家族、育った環境が大きくあると思うのです。だから因島を自分の中に溶け込ませる作業、当たり前にその島にいることができる、ということもやっていきました。撮影中の空き時間は、とにかく因島で友達を増やし、路地裏もくまなく廻り、島の本当の声や、どういう時間が流れているのかをキャッチしましたね。
 

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■島の廃墟には栄えていた頃の活気が残っている。

―――映画でも沿岸部だけでなく、造船所跡など印象的な建物が登場し、因島の雰囲気が感じられました。
僕は廃墟や古い建物が好きで、よく写真を撮りに行きます。廃墟は人がいなくなった瞬間に時が止まる気がするけれど、止まってからの時間が廃墟に残っている。因島は造船が栄えた時期があり、その時の活気が建物に残っているんですよ。僕の知らない因島の時間がそこに流れていて、歩いているだけでも子どもの頃の航がいた時間を感じることができました。たまに実家に帰ると、今まであったスーパーがなくなっていて、結構ショックを受け、これが大人になっていくことかと思うのですが、この『望郷』でそういう喪失がきちんと描かれているのも菊地監督の凄いところです。
 
―――ちなみに今回初めて因島を訪れたとのことですが、島の印象は?
観光で行ったら、素直に色々楽しめると思うのですが、俳優という職業の辛いところで、役を与えられて行くと、なんとも思えないですね。十字架がたくさんある白綱山も、いつもならそういう場所が大好きなので写真を撮りまくると思うのですが、携帯を見ても一枚も写真がなくて。航にとっては当たり前の景色なので、写真を撮ろうという感覚が全くない。だから、今楽しみなのは因島に舞台挨拶に行って、「いい島やったな!」と言うこと(笑)。ただ、その分感じられる魅力は、島にいて落ち着くんですよ。自分の中でよそ者感がないので、故郷のように落ち着くし、路地裏を歩くだけでもホッとする。お呼ばれ感がないというのが、逆に言えばこの仕事の魅力かもしれませんね。
 
 
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■絶対的な存在感、父親であり教師としての存在を感じた緒方直人さんの芝居

―――父親役の緒方直人さんとは、共演シーンはほとんどありませんが、撮影現場をご覧になっていたそうですね。
緒方さんの芝居を見て、言葉に責任を持つというのは凄いなと思いました。台詞をちゃんと相手に届ける。それを当たり前に、自然にできるというのは経験値というより、器の大きさを感じます。親父の事は分からないという航が、それでも同じ先生という職業を目指してしまう絶対的な存在感であり父親像を、一役者として緒方さんに感じました。同時に思ったのは、台本を開いた時に父親と書かれていても、父親という役はないなと。父親も元々は一人の男で、父親以外の人生があるという当たり前のことを、緒方さんを見ていて感じました。父親芝居ではなく、教師としての存在がしっかりしている。緒方さんは教師として生徒に向き合っているだけですが、それが航の見ている親父なのかと思いました。緒方さんの力ですし、それをきちんと理解して切り取った菊地監督の力でもあります。
 
―――仲たがいしたまま亡くなった父親の真意をようやく知り、自殺未遂の生徒に語りかけながら、その目は遠くを見つめているシーンは、父親への気持ちも表現しています。どのような気持ちで演じたのですか?
親父がどういう人だったのかを航は理解できたと思うのです。いざ同じ問題に僕が向き合った時、僕も同じような気持ちになり、親父の偉大さを知りました。だから回想シーンで本当はその場にいなかった子ども時代の航が、親父に言われているんです。親父と同じ仕事を追いかけた時、初めて親父の言葉をもらえた。人はいつか死ぬけれど、覚えている人がいる限り、その人は永遠に死なないと思うのです。航は親父が死んだけれど、死んだのではなく、その瞬間に時間が止まったままで、親父の真実を知った瞬間に時間が動き出した。航の中で親父と共に生きていくのだろうという生命力を感じました。

 

■「死んだ親父の話をすることで、親父は生き続ける」~航の体験と重ねて

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―――父親の偉大さを知ったというのは、ご自身の体験にも重なったのですか?
今までインタビューで自分の親父の事を話したことはなかったのですが、この作品で話すようになりました。死んだ親父の話をすることで、親父は生き続けるのかと思うと、僕がこの作品に出会った意味はそういうところにもある気がします。
 
僕は小学校ぐらいから親父に会っていなくて、親父がどんな人なのか本当に分からなかった。航の気持ちがよく分かりました。3年前ぐらいに親父が見つかった時、僕は妙な意地を張って逢わなかったんです。その翌年、親父が亡くなったので結局合わずじまい。それから親父のことを親戚から聞くうちに、自分の中で今まで影だった親父に、人柄や温かさ、ぬくもりが見えてきて、生きていたときよりも温度を感じるようになりました。死んでからでも人は生きることを緒方さんの演技でも感じました。緒方さんに親父のぬくもりを感じ、それが自分の人生にも重なりました。自分も何かを乗り越えなければならない瞬間がくるような手法で撮ってくれ、人間の心理描写にこだわり抜いた菊地監督だからこそできたことだと思います。褒めすぎと思われるかもしれませんが(笑)。
 
―――最後に、これからご覧になる皆さんにメッセージをお願いします。
湊かなえさんの原作を丁寧に映像化した作品です。『望郷』というタイトルの通り、皆さんそれぞれ故郷があると思うのですが、故郷と向き合うのは、髄の部分で自分に向き合うことではないかと感じます。この作品を観てくれた方が、ちょっと地元や実家に帰ろうかなと思ってもらえると、うれしいです。
(江口由美)
 

<作品情報>
『望郷』(2017年 日本 1時間52分)
監督:菊地健雄
原作:湊かなえ「夢の国」「光の航路」(『望郷』文書文庫所収)
出演:貫地谷しほり、大東駿介、木村多江、緒方直人、森岡龍、浜野謙太、伊東蒼、川島鈴遥、片岡礼子、相島一之、白川和子他
主題歌:moumoon「光の影」(avex trax)
2017年9月16日(土)~新宿武蔵野館、9月30日(土)~テアトル梅田、京都シネマ、元町映画館ほか全国拡大上映
公式サイト⇒http://bokyo.jp/
(C) 2017 avex digital Inc.
 

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感動のTVシリーズから12年―新たに描かれるレントンとエウレカの物語『交響詩篇エウレカセブン ハイエボリューション』が、劇場3部作として待望の映画化を果たす。本作は2005年4月よりテレビ放送され大ヒットを記録した伝説のアニメ。英雄アドロックを父に持つ主人公レントンが、鬱屈な日々をおくる中、ヒロイン・エウレカと出会い、世界を知る旅に出る――というストーリーは多くの視聴者の共感を呼び、2000年代を代表する作品となった。そして、2017年。『交響詩篇エウレカセブン ハイエボリューション1』が、9月16日(土)より全国107館にてロードショーされる。
 
9月5日(火)に、『交響詩篇エウレカセブン ハイエボリューション1』の完成披露上映会がエウレカで染められた新宿バルト9で行われた。主人公・レントン役三瓶由布子、ヒロイン・エウレカ役名塚佳織の“交響詩篇コンビ”と、2005年のTVシリーズからのオリジナルスタッフ、京田知己総監督が登壇。さらに、スペシャルゲストとして、レントンの境遇と同じく伝説の父を持ち、本作で初の映画主題歌を担当した尾崎裕哉もサプライズ登壇した。本作の苦労や12年のテレビシリーズを経た今の心境など、様々なことを語っていただき、主題歌を担当した尾崎さんも主題歌『Glory Days』についての思いを語るなど、会場は大いに盛り上がった。そのイベントの模様をご紹介したい。
 

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【三瓶由布子】
<完成披露上映を迎えて>
テレビシリーズから12年経って、またエウレカセブンに携わることができてとても幸せです。収録が終わりこれから皆さんがどんな感想を持つのか楽しみです。
 
<久しぶりに交響詩篇のキャラクターを演じて>
12年前のテレビシリーズから、ゲームやアニメなど様々なものでレントンを演じさせて頂く機会がありましたが、劇場版ということで1話から12年前に演じたシーンなどを演じ直すという事に様々な思いがありました。当時19~20歳の時に演じていた私はどうだったか、2017年の今様々なことを考え、楽しみでもありつつ、かなり緊張しました。ですが、現場に入りアフレコ自体はスムーズに行うことができ、収録を無事終えることができました。本当に長い1日でした!
 
<今回映画で古谷さんが演じたレントンの父アドロックについて>
一緒に録った名塚さんが羨ましいです!私はアフレコをやっている現場は見れていないんですけど、試写で古谷さんのシーンを観させていただいて、一言目から“アドロックだ”と思って、何だか映画を観ていて涙が流れてきて、レントンとして泣いているのか、私個人として泣いているのかは分からなかったですが、感動してしまいました。レジェンドの古谷さんにアドロックというキャラを演じていただき、さらに、映画では一人の人間として描かれている本作。これだけで観る価値のあるものだと思います。
 
<最後に一言>
 初心者には少し優しくない部分もある映画ではありますが、それがエウレカらしさでもあるので(笑)、声も音楽も体感する気持ちで、ぜひ、劇場にお越しください。本当にありがとうございました。
 
 
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【名塚佳織】
<完成披露上映を迎えて>
皆さん集まっていただきありがとうございます。新たなエウレカを皆さんはどう受け止めてくださるのか、昨日は珍しく緊張してしまって、何だか眠れませんでした!
 
<久しぶりに交響詩篇のキャラクターを演じて>
他の現場などで、皆さんキャストの方とお会いすることがあっても、エウレカセブンという作品で12年ぶりに皆で集まるということに、どんな思いなのかと思っていたら。現場ではスッと役に入ることができて、それがすごく印象的でした。ブースの奥でクスクス笑っている人もいて、懐かしいなと思っていました。演じる上では、当時私は若くてただがむしゃらに演じていれば出来ていた中学生という年齢の役柄が、今、大人になって様々な経験をして、色々なことを知ってしまっているので、中学生時代や過去のことを思い出しながら、役作りをしていき演技をしていきました。長い一日でした。
 
<今回映画で古谷さんが演じたレントンの父アドロックについて>
一緒アフレコをさせていただいたんですけど、レジェンドと呼ばれる大御所の方と一緒にやれて本当に良かったです。ご本人もおっしゃられていたんですけど、映画を観る前でネタバレになってしまうので詳しいことは言えませんが、凄いシーンになっています!冒頭の新しい映像はエウレカファンも納得の物になっていると思います。
 
<最後に一言>
12年の時を経てこの作品をやれたことを嬉しく思っています。皆様の応援のおかげだと思っています。映画は少し優しくない部分もありますが、皆さん楽しんください。
 
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【京田知己総監督】
<完成披露上映を迎えて>
ここに至るまで、本当に色々ありまして、今回はもうダメかな、、と思ってしまったこともありました、キャストやスタッフの方に支えられ何とか今日にたどり着くことができました。感無量という思いと、同時に舞台挨拶に緊張するな、という思いがあってなんだか複雑な気持ちです。
 
<映画でこだわった部分について>
 手書きでのアクションシーンを作る、ということにこだわっていきました。村木靖さんを筆頭に様々なスタッフに頑張っていただき、当初目標にしていた30分間ロボットの戦闘シーンを作るここに関しては苦労もしましたし、成功しているかなと思っています。
 
<尾崎さんの起用について>
主題歌をどうしようと、脚本の佐藤大さんと考えて悩んでいた時に、iTunesを開いてみようとなって、たまたまそこに尾崎さんが出てきて、直ぐにクリックして音楽を流してみたら、本当に声やその時流れてきた音楽がピッタリだなぁと“あ、ここにいた”思って尾崎さんにお願いしたい!と思ったのですが、そこから様々なハードルをスタッフの方にかなり頑張っていただき、実現していただきました。本当に良かったと思っています。
 
<最後に一言>
冒頭にもお話しましたがここにたどり着くまで様々なものがあり、やっと皆さんにご覧いただけるという思いです。そして、もう頭の中は次の2で一杯です。スタッフ皆が2に向かって走っています。もちろん1だけでも楽しめる映画になっていますが、パート2.パート3と楽しんでいただければと思っています。まずは1を楽しんでください。
 
【尾崎裕哉】
<最初のオファーについて>
最初にお話しいただいて、“ついに、自分の時代が来たな!”と思いました(笑)
 
<映画の主題歌『Glory Days』について>
主題歌を担当させていただくことが決まり、12年前のTVシリーズと、本作のコンテなど見させていただき、その中で主人公レントンが幼いころに亡くした父親・アドロックが言っているセリフで、“ねだるな、勝ち取れ、さすれば与えられん”というものがあって、これが僕にとっても共感できる部分でした。偉大な父を持ちそれを乗り越えようとするレントンの気持ちと一生懸命な姿勢。そういったことを思って歌っています。
 
<最後に一言>
こんな風に会場に皆さんお集まりいただき、ファンに支えられている作品に携われて光栄です。この、映画からは新世界と思っていただき、ぜひ楽しんでください!
 

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『交響詩篇エウレカセブン ハイエボリューション』
レントン:三瓶由布子 エウレカ:名塚佳織
デューイ:辻谷耕史 ホランド:森川智之 タルホ:根谷美智子
チャールズ:小杉十郎太 レイ:久川 綾 / アドロック:古谷 徹
総監督:京田知己 脚本:佐藤大 キャラクターデザイン:吉田健一 アニメーション制作:ボンズ
音楽:佐藤直紀 挿入曲:Hardfloor 、HIROSHI WATANABE 主題歌:「Glory Days」尾崎裕哉(TOY'S FACTORY) 
公式サイト:eurekaseven.jp
 

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瑛太、監督との禁酒の契りを破ったことを公開懺悔『リングサイド・ストーリー』大阪舞台挨拶
(17.9.7 大阪ステーションシティシネマ)
登壇者:佐藤江梨子、瑛太、武正晴監督  
 
『百年の恋』ではボクシングに没頭する女子を描いた武正晴監督が、佐藤江梨子、瑛太を迎え、プロレスや総合格闘技の舞台裏も交えながら描く『リングサイド・ストーリー』が10月14日(土)より全国ロードショーされる。瑛太演じる売れない俳優、ヒデオと、ヒデオを養うために全く興味がなかったプロレス団体で働く佐藤江梨子演じるカナコ。オーディションに落ち続けるヒデオと、プロレス界の魅力に触れ、どんどん輝いていくカナコの対比や、すれ違い、嫉妬などラブストーリーの要素を盛り込みながらも、夢に向かってひたむきに努力するレスラーたちの生の姿を捉え、活気溢れる仕上がりになっている。ヒデオのダイジェストビデオでは、バイプレーヤーならではのチョイ役がズラリと並び、瑛太の思わぬコスプレも楽しめる。ヒモ男となってしまったヒデオは再起できるのか。どこまでカナコは我慢できるのか。息ピッタリの主演二人の演技にも注目したい作品だ。
 
 
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全国ロードショーを前に、9月7日(木)大阪ステーションシティシネマにて行われた舞台挨拶付有料試写会では、上映前に武正晴監督、主演の佐藤江梨子、瑛太が登壇。挨拶では佐藤が、「こんばんは。今日は来ていただいて。有料ですみません。ありがとうございます」と有料ながらの来場に感謝の意を示すと、瑛太は「大阪に来れてうれしいです。ちなみに今日は有料で2000円だったんですよね。だからちょっと空席が・・・普段は1800円で映画を観るので、懺悔みたいなことは200円分でしたいと思います」と公開懺悔宣言。「撮影始まってから監督とお酒を飲むかという話をすると、監督は『願掛けのためにお酒を抜いている』。僕も1滴も飲まないと言ったのですが、2週間ぐらいするとだんだん気持ち悪くなって、2~3日休みがあった時にビール1本飲んじゃったんです。本当にすみませんでした!ちなみに東京の完成披露では言わなかったんです。大阪だけ!」と、序盤からトークも飛ばし気味に。武監督も「今日はたくさんの人にきていただき、ありがとうございます。ショックでしたが、なんとか立ち直りたいと思います」と挨拶し、大きな拍手が送られた。
 
 
 
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前日に東京・新宿FACEで行われた完成披露上映会では、黒潮“イケメン”二郎、武尊ら格闘家らも登壇したという話題に。佐藤は「バブリーでした。お客さんも無料でした。だからもっと人がいてたような気も・・・」と観客を笑わせると、瑛太は「アスリートと一緒は初めてですが、普段リングで闘っていらっしゃる方なので、挨拶も丁寧でしたね。(ファイトシーンも)考えていたけれど、誰にも言えずに終わりました」と和やかな雰囲気であったことを強調。武監督も「映画を上映する場所じゃなく、リングで普段プロレスを見る場所なんです。偶然3年前『百年の恋』の試合シーンを撮った場所なので、ビックリしました」とイベントとしてのスペシャル感があったことを語った。一方、映画館での上映はこの大阪が初めてということにも触れ、「一緒に観たい」と力強く宣言した。
 
 
今回、売れない俳優のヒデオと10年来同棲し、支え続けている主人公カナコを演じた佐藤は、その感想を聞かれると「あと何回主演を演じることができるんだろうと思い、すぐにオファーを受けました」。一方、過去の栄光に固執するヒデオを演じた瑛太は「ヒモ生活で、女性の視点から見たらダメな男と感じるかもしれませんが、男性から見れば映画全体的に割と共感できる部分があると思います」と、ヒデオの気持ちが分かる様子。
 
 
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そんな瑛太を佐藤は「ヒデオが乗り移った感じ。ステキで応援していました。役者魂がものすごく強い方」。瑛太は佐藤との芝居について「ヒデオとカナコの関係が一瞬で出来上がった感じ。それはサトエリさんが持っている母性、男をどこか見守ってくれる包容力のある方だなと。気持ちよくお芝居させていただきました」と称えた。また、本作はオリジナル脚本だが、『百円の恋』で脚本を担当した足立紳氏の夫婦のエピソードにインスピレーションを得たことも明かされた。
 
 

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最後は「私は中学3年間を大阪肥後橋に住んでいて、その時の進路の先生に進路を聞かれて『私は芸能人になる』と言うたんですよ。そうしたらポカンとした顔をして、これは絶対あかんと思ったのですが、先生に『もし私が芸能人になって大阪に来たら、謝りに来てください』と言うと、何年かしてある日舞台挨拶に出ていたら、進路指導の先生が『ちゃんと謝りに来ました』と。私はなんて大きな口を叩いたのかと、その時はごめんなさいと思ったのですが、この作品を見て、夢を目指して闘ったりすることはいいんじゃないかという気持ちになりました。ゆっくり観て行ってください」(佐藤) 
 
「僕は大好きな映画の一本になりました。今から観られる方々なので・・・この映画、始まったら物凄いことになっているので、面白かったらたくさんの人に伝えてください」(瑛太)
 
「タイトルは『リングサイド・ストーリー』となっていますが、『ヒデオとカナコのストーリー』だと思うので、そういうところも楽しんでください。出てくる人たちみんなが楽しいと思います」(武監督)
と挨拶し、映画館初上映となる今回の舞台挨拶を笑顔で締めくくった。
 
プロレス、総合格闘技の裏側が垣間見え、『百円の恋』男性版かと思いきや、 そう簡単にはいかないところがよりリアルな、ヒデオとカナコのラブストーリー。ダメ男につい尽してしまう女性、過去の栄光を捨てきれない男性は必見!そして夢の先に進みたい人にも、是非観て、楽しんでほしい。
(写真:河田真喜子 文:江口由美)
 

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<作品情報>
『リングサイド・ストーリー』
(2017年 日本 1時間44分)
監督:武正晴
出演:佐藤江梨子、瑛太、武藤敬司、黒潮“イケメン”二郎、武尊、田中要次、高橋和也、前野朋哉、近藤芳正、余貴美子
2017年10月14日(土)~大阪ステーションシティシネマ、T・ジョイ京都、109シネマズHAT神戸他全国ロードショー
公式サイト⇒ http://ringside.jp/
(C) 2017 Ringside Partners
 

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福山雅治、ヴェネチアでカンヌに続き是枝監督と「男泣き」宣言!?『三度目の殺人』舞台挨拶
(17.8.29 TOHOシネマズ 梅田)
登壇者:福山雅治、是枝裕和監督  
 
第66回カンヌ国際映画祭で審査員賞を受賞した『そして父になる』から4年。福山雅治と是枝裕和監督が2度目のタッグを組んだ最新作『三度目の殺人』が、9月9日(土)より全国ロードショーされる。是枝監督が初めて法廷サスペンスに挑んだ本作では、福山雅治が裁判に勝つためには真実は二の次とクールに割り切る弁護士重盛を演じる他、重盛が弁護を引き受ける羽目となる容疑者、三隅役に役所広司、被害者の娘・咲江役に広瀬すずが扮し、物語が進むにつれ、闇が深くなる本作で緊張感たっぷりに演じきっている。何度も行われる重盛と三隅の接見シーンはまさに本作一番の見どころだ。
 
 
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全国ロードショーを前に、8月29日(火)TOHOシネマズ梅田にて行われた舞台挨拶付試写会では、上映前に主演の福山雅治と是枝裕和監督が登壇。コンサート会場のような大きな声援と拍手の中、
「大阪に帰ってまいりました。是枝監督作品ではないのですが、ジョン・ウー監督作品の撮影で去年は結構長く大阪にいました。僕的には久しぶりのようで、ホーム感を感じています。みなさん、よろしくお願いします」(福山) 
「二度目の福山さんとのコンビということで、どれぐらい福山さんに成長した姿を見せられたかな。心もとないところもありますが、非常に充実したいい現場でした。充実した現場を反映した、自分でも納得度の高いものになりましたし、その作品をご覧いただくことを本当にうれしく思っています。今日はよろしくお願いします」(是枝監督)
と挨拶。 この日の試写会には、関西テレビ主催試写会過去最高の応募数(1万7230通)があったことが明かされると、「まじで? うれしいですね。ありがとうございます」と福山も驚きながら喜びを表現した。
 
 
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勝ちにこだわるドライすぎる弁護士役で共感する部分を聞かれた福山は、「(共感する部分は)あります。基本的に全てのことに勝ちたいと思っています。自分が思い描いているイメージに勝ちたい。監督がさきほど成長した姿を見せられたかなとおっしゃっていたが、僕も以前ご一緒したときより少しはましになったかなという思いはあるんです」と、過去の自分からの成長に触れると、是枝監督は、「今回すごい!」と絶賛。
この年になって使う言葉ではないけれどと前置きしながら、「わ!すごいと思ったし、役所広司さんとの接見シーンは、『この二人はどこまでいくんだろう』と。居合わせたスタッフみんなが、カットがかかった瞬間『すごいね』。それだけ緊張感のあるいいシーンです」と、本作の見どころを紹介。 
 
 
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是枝監督が絶賛した役所広司とのシーンを振り返った福山は「毎回ある程度集中力の高さがある中、ワンテイク目の瑞々しい集中力、密度は他に代えがたい。その中テイク2、3になっても、そこまでよじ登ろうとする役所さんに感動するし、引っ張っていただいた」と感謝しきり。是枝監督も、「(役所さんに)いい加減なことはできない。樹木希林さんもそうだが見透かされている。僕よりも僕の書いた脚本を深く読み込み、真摯に向き合っている」と役所と初めての仕事に覚悟をもって臨んだことを明かした。
 

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『三度目の殺人』は、第74回ヴェネチア国際映画祭コンペティション部門に正式出品が決まっているが、是枝監督にとっては、デビュー作『幻の光』以来22年ぶりの凱旋となることを紹介した福山は、「監督と一緒にいると、すごくいいところにつれていってもらえる」と素直すぎる感想で会場を笑わせると、「上映前日劇場での色や音の調整をやった後、日頃穏やかな是枝監督の集中と緊張で欄々とした目を見た時にすごい現場なんだな、監督の勝負の日なんだなと、急に身が引き締まりました。翌日カンヌでのスタンディングオベーションで、届きましたねっていう気持ちで泣いてしまって。人前で泣くことをなるべくせずに生きてきたけど、ベネチアでもそんなことが体験できればいいな」と再び男泣き宣言。司会者から凱旋舞台挨拶を希望される場面もあり、観客も熱い拍手でベネチアへの期待を表現した。
 
 

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観客と一緒になってのフォトセッションを経て、観客の方に向かっての最後の挨拶では、
「僕も撮影中どんな結末を迎えるのだろうと、演じながら演出と台本と役所さん演じる三隅に翻弄された数ヶ月でしたから、翻弄される2時間になるかもしれません。いったいどうなってるんだ、どこに行くんだと僕と同じ目線で存分に楽しんでください」(福山)
「撮る前は人は人を裁くことができるのかという、答えのない問いを続ける覚悟で作品と目の前の役者と向き合って作りました。実際みていただくと普通とは違うプロセスを経て着地し、すっきりしない人が多いでしょう。観終わって誰かと話したくなる、色々な解釈が成立する映画です。失敗してすっきりしなくなっているのではなく、それも狙いなんです」(是枝監督)
と、観終わった観客の様子を想像しながら、掛け合いのような挨拶で、最後まで盛り上がった。すっきりと分かりやすい映画が多い中、幾重にも想像を巡らせてしまう、すっきりしない映画。その中で問いかけられるものは、実は日々我々が対面していることでもある。是枝監督からの挑戦状のような本作で、それぞれの答えを探してみてほしい。
(江口由美)
 
 
 
 

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<作品情報>
『三度目の殺人』
(2017年 日本 2時間4分)
監督・脚本: 是枝裕和
出演:福山雅治、役所広司、広瀬すず、斉藤由貴、吉田鋼太郎、満島真之介他
2017年9月9日(土)~TOHOシネマズ 梅田、TOHOシネマズ なんば、TOHOシネマズ 二条、T・ジョイ京都、OSシネマズミント神戸、109シネマズHAT神戸他全国ロードショー
公式サイト⇒ http://gaga.ne.jp/sandome/
(C) 2017フジテレビジョン アミューズ ギャガ
 
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