「AI」と一致するもの

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 2年ぶりに対面で開催された第74回カンヌ国際映画祭コンペティション部門で見事脚本賞を含む4冠を受賞した濱口竜介監督最新作『ドライブ・マイ・カー』が、8月20日(金)から大阪ステーションシティシネマ、TOHOシネマズなんば、シネ・リーブル神戸、TOHOシネマズ二条ほか全国ロードショーされる。
  村上春樹の短編小説集「女のいない男たち」所収の「ドライブ・マイ・カー」に「シェエラザード」「木野」の要素も加えて映画化した本作は、その世界観を踏襲しつつ、東京、広島、北海道、釜山と時間も場所も超えた、深みのある人間ドラマに仕上がっている。
  演出家の家福(西島秀俊)と妻、音(霧島れいか)。愛し合っているはずの夫婦関係に影を落とす高槻(岡田将生)、そして音の急死から2年後、家福の愛車、赤いサーブ900の専属運転手となるみさき(三浦透子)をめぐる物語は、言葉にできないそれぞれの過去や苦しみ、それを乗り越えようとする生き様が次第に立ち上がってくる。3時間だから描ける芳醇さにぜひ身を委ねてほしい。
  本作の濱口竜介監督に話を聞いた(後半、一部結末に触れる部分があります)。
 

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■村上作品の中で『ドライブ・マイ・カー』なら映画を作る糸口がある

――――村上春樹作品の映画化ということで心理的ハードルも若干高かったのではないかと思いますが、どのような部分に最も魅力を感じたのですか?
濱口:最初、プロデューサーから村上春樹さんの小説を映画化しようと渡されたのは別の作品でした。普通に考えても村上春樹さんの作品は映画になりづらい部分がありますから、提案された作品については映画化が難しいと思いました。そんな中、『ハッピーアワー』の製作中に映画化を抜きにして手にした短編が『ドライブ・マイ・カー』でした。読んだときに、これは自分が映画でやってきたこととすごく響きあうし、今まで取り組んできたこととの親和性を感じたんです。
 
もう1点、共同監督の酒井耕さんと東北でドキュメンタリー(「東北記録映画三部作」の『なみのおと』『なみのこえ』『うたうひと』)を撮っていたとき、ひたすら彼と一緒に車で移動していたので、車の中で生まれてくる会話があることが、自分の実感として残っていました。
 
そういう過去の記憶も含めて、そのときは現実的ではなかったけれど「これは映画にできるかもしれない」と読んだ当初から思ったし、その後プロデューサーに「『ドライブ・マイ・カー』だったらできるかもしれない」と返しました。ものすごく覚悟をしたというより、これだったら映画を作る糸口があるという感じでしたね。
 
 
――――本当に映画の魅力が詰まった3時間でした。コロナ禍で自由に移動できないし、演劇も中止に追い込まれる中、本作ではそれらの魅力を疑似体験させてもらった心地よさがありましたね。
濱口:ありがとうございます。カンヌでも、上映したシアターの客席が舞台の客席のように感じたり、車に乗っているような感覚が多々あったので、僕もそういう疑似体験を観客と一緒に観て味わうことができた気がします。
 
 
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■シンプルに演技をする多言語演劇を取り入れて

――――当初は釜山でほぼ撮影する予定だったそうですが、年内に撮影を終えるまで急ピッチで脚本を改訂されたのではないかと思います。多言語演劇の要素も含めて、どのように行ったのか教えてください。
濱口:車を自由に走らせることができるという点に魅力を感じ、基本的に釜山で撮る予定でした。釜山で国際演劇祭が行われる設定にしていたんです。東京の家福が演出家として釜山に呼ばれ、彼に現地での運転手がつくという流れならスムーズだろうと。そこでどういう演劇をやっているのかと考えたときに、実際にもやられている多言語演劇がいいのではないかと思いました。
 
多言語演劇というのはシンプルに演技をする方法ではないでしょうか。相手の言っている言葉の意味がわからなくても、相手の声や身体の動きを通して現れているので、映画の中のような訓練を重ねれば、ある音がどんな意味を持つのかが俳優たちは大まかにわかるわけです。言葉の意味ではなくもっと直接的にお互いの体同士で反応しあう演技ができるのではないか。そう思って映画に取り入れましたし、実際にその瞬間を目撃していただけると思います。
 
 
――――今回大江崇允さんとはどのような経緯で共同脚本を務めることになったのですか?
濱口:山本プロデューサーがずっと脚本家の大江さんと仕事をされており、今回僕から共同脚本家の候補を探していたときに大江さんを推薦してくれたんです。大江さんは演劇に詳しい方なので、それはぜひとお願いしました。
 
 
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■納得度の高い作品を生む共同脚本

――――一般的に単独で脚本を書く方が多いですが、濱口監督は過去何度も共同で脚本を手がけておられますね。そのスタイルの方がやりやすいのですか?
濱口:一人で書く良さもありますが、結果的にちゃんとやればクオリティーが高くなるのは、複数で脚本を書く方です。客観性の部分もしかりですし、できるだけ多くのフィルターを通っているものの方が、納得度の高い作品が生まれやすいですね。
 
――――カンヌの授賞式でも大江さんがこのままでいいと励ましてくれたから脚本を書ききることができたとおっしゃっていましたが、一番悩んだ点は?
濱口:基本的な物語は家福と突然失ってしまった妻の音、運転手のみさきの話になるので、演劇の話がどの程度絡むべきなのかは最後の最後まで、明確には見えづらかったです。最終的には編集段階まで持ち越しましたね。
 
――――多言語演劇を一から作るところが入ることで、停滞した空気が流れていくというか、作品に新たな命が宿るようなインパクトがありました。
濱口:脚本段階では、本当に要るのかなとも思うわけですが、実際に撮影すると「要るね!」となるわけです。ずっと見ていられるし、とても魅力的な時間であることが、実際の俳優たちを前にすることでわかりやすくなります。
 
――――その過程で、演出家の家福自身の変化も見えたように感じましたが。
濱口:家福は演出家なので、仕事場ではよく見て、よく聞く人間です。でもプライベートではそうではなかった。そのことを気づかせるのが、プライベートとバブリックな場を繋ぐ岡田将生さんが演じた高槻ですね。
 
――――濱口監督の演出方法として、事前に本読みを重ねることがありますが、本作では演劇中の本読みのシーンが出てきますね。
濱口:厳密にはやや異なりますが、僕の演出の場合は無感情で本読みをすることを重ねていきます。一般的に言って、演技をする上での問題点として、何が起こるかわかっているのに、はじめてのように反応しなくてはならないことが挙げられます。何十回も本読みをすることで、条件反射的に言葉が出てくるようになりますから、物事の順番はある意味、完全に固定されます。ただ、どんな風に言うかは本番はじめて知るので、セリフを言う相手に対して「こんな風に言うのか」と、多分皆さん感じるのではないかと思いますし、そのときの反応がどこか生々しくなっていく。部分的にですがさきほど挙げた演技の問題は解決するのではないかと感じています。
 
 
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■三浦透子のもつ気高さを引き出し、みさきとして映画に定着させる

――――原作では運転のうまさに焦点当たっていた運転手のみさきですが、本作では時間をかけてその人物像が立ち上がってくる様がとても印象的でした。みさきという人物の掘り下げ方や、また演じた三浦透子さんについて教えてください。
濱口:原作では家福の精神的介助役という部分が強いみさきですが、基本的にはとても魅力的なキャラクターだと思っていました。短編を長編に展開していくにあたり、どのように描けば最終的には家福と互角のような存在感まで育てていけるかを考えていました。どこまでみさきの存在を大きくすることが適当なのかと。
 
三浦透子さんを見ていると、このように描きたくなるという魅力がすごくありました。彼女自身が持っている気高さのようなものがあるのです。そういうものをちゃんと引き出したい、映画に定着させたいという気持ちがみさきの描写に反映されていると思います。
 
 

■閉じて終わるのではなく、突き抜けていく物語に

――――みさきも絡む、飛躍のある本作のラストが本当に素晴らしく、このラストを観て原作を超えたと思いました。またコロナの時代であることも描く選択をされていますが、そこに込めた想いは?
濱口:衣装合わせのときに、「マスクをつけますか、つけませんか?」と言われて、「つけます」と。たった一つのことですが、それはとても大きなことであることもわかっています。マスクをつけない(コロナを表さない)こともできたけれど、そちらの方が、今の心持ちに合っていたし、マスクをつけることで、登場人物たちが自分たちと同じ世界に生きているという実感を持ってもらえると思います。晴れ晴れとした表情はしているけれど、世界の厳しさはあるということを表現していますね。
 
実際には舞台に絡むシーンで終わってもいい話ですが、それでは円環が閉じて終わる印象があるので、最終的にどこか突き抜けていく物語にしたいという気持ちがありました。結果としては三浦さんの見せてくれた表情が、それまでの表情とは違う素晴らしいもので、いい形で終われるのではないかと思ったんです。
 
 
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■亡き後も存在感を残す、音役の霧島れいか

――――もう一人、比較的原作のニュアンスがにじみ出る前半で、夫婦のすれ違いと情感を絶妙な塩梅で表現したのが音役の霧島れいかさんです。美しい背筋がしなる様に品のあるエロスを感じました。
濱口:原作は妻が死んだところから始まりますが、原作ほど主人公の心情に立ち入ることはできない中、妻の死から2年後、淡々と暮らしている家福の心情はどのようなものなのかを観客が理解するには、妻の存在は明確に示されなくてはいけない。そして彼ら夫婦が抱えている問題はとのようなものだったのかもわからなくてはいけない。それを見せるためには、ある種の性描写は必要だと思っていたので、脚本段階からかなり詳しくどんなことをするのか書き込んでいました。
 
霧島さんに脚本を読んでいただき、かなり勇気が要ることだと思いますが、ぜひやりたいとおっしゃってくださった。脚本はこちらがやりたいことを書いているけれど、やりたくなければ言ってくださいとお伝えしていましたが、その上ですごく勇敢にやりきっていただいたので、とてもありがたかったです。ずっと家福と音の話として観ることができるように、その後も存在感を残してくれたと思います。
 
 

■役者の相互作用が起きるような脚本

――――濱口監督が今まで描き続けてきた作品と同様に、本作もコミュニケーションの物語であり、言葉のあるコミュニケーション、言葉に頼らないコミュニケーションの両方を描くという点でも今までの総括以上の飛躍があったかと思います。最後に監督の考えをお聞かせください。
濱口:自分で「コミュニケーションの映画だ」と思って撮っているわけではありませんが、脚本の書き方や演出の仕方によるところが大きいのだと思います。役者であり、キャラクターでもある人物たちが具体的に相互作用しあうことにより、何かが生まれる。それは現実生活の中では頻繁に起きているものですが、それを演技の場で起こしてくれれば、それが観客にも観念的ではなく、もっと直接的に伝わるのではないかと思っています。そういう相互作用が起きるためには、相互作用が起きるような脚本を書かなければいけない。その結果がご覧になっているような映画になる、ということですね。
(江口由美)
 
 

<作品情報>
『ドライブ・マイ・カー』(2021年 日本 179分) 
監督:濱口竜介
脚本:濱口竜介、大江崇允
原作:村上春樹「ドライブ・マイ・カー」(短編小説集『女のいない男たち』所収/文春文庫刊)
出演:西島秀俊、三浦透子、霧島れいか、岡田将生他
8月20日(金)から大阪ステーションシティシネマ、TOHOシネマズなんば、シネ・リーブル神戸、TOHOシネマズ二条ほか全国ロードショー
公式サイト⇒https://dmc.bitters.co.jp/https://dmc.bitters.co.jp/
(C) 2021『ドライブ・マイ・カー』製作委員会
 

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ファミリーの人気急上昇!すべてがパウジョンアップ!

5 つのトラブル、5 つの出動、パウっと解決!パウフェクト!!
 

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リバティ役:安倍なつみ✖ケント役:潘めぐみ 登場

パウパトの魅力を語り、子供時代の夏の思い出を振り返る!

さらにサプライズで安倍さんのバースデーを盛大にお祝い!

 

今、日本全国で人気急上昇中の大人気 TV シリーズ『パウ・パトロール』は、2019 年 4 月よりテレビ東京系 6 局ネットで毎週金曜日に放送中、現在放送3年目を迎え、NetflixやAmazon prime など各種主要配信プラットフォームでも配信されており、男児女児関係なく子供たちから今最も注目を集めるアニメシリーズです!巻き起こる様々なトラブルを、正義の味方でキュートな子犬たちがパウっと解決!パウフェクト!を合い言葉に、みんなに元気と笑顔を届けています。


PPM-mark-240.jpg海外では、計 160 か国以上で放送、3 億 5000 万世帯が視聴、公式 YouTube の再生回数は 50 億回以上を超え、俳優のジェームズ・マカヴォイや、女優のキーラ・ナイトレイ、モデルのキム・カーダシアンなど、子供を持つ世界各国のセレブやハリウッドスターからも愛される、未就学児向け No.1 の世界的”メガコンテンツ”となっています。そして今夏、『パウ・パトロール ザ・ムービー』が、”みんなが知らないお話”を引っさげて、スクリーンへ”パウジョンアップ”!8 月 20 日(金)に日米同時公開いたします! 


8 月 20 日の公開を迎えた本作の公開直前トークイベントに、新キャラクターでリバティ役の日本語吹替えを務めた安倍なつみさん、ケント役の声優の潘めぐみさんが登壇!

3 年前、『パウ・パトロール』に出会い、シリーズを通して共に歩み続けた潘さんのパウパト人生や、元々親子でパウパトファンだった安倍さんが本作の新キャラクター・リバティ役に挑戦した想い、そして映像もストーリーもパウジョンアップ!した劇場版の魅力を声優目線・ママ目線で語り尽くしました!

また、本作の収録があった6月3日の潘さんの誕生日に安倍さんがサプライズでお祝いしたことでキャスト陣の団結力がより強まった本作ですが、今度はイベント前日の 8 月 10 日に 40 歳の誕生日を迎えた安倍さんに、潘さんから逆バースデーサプライズを実施!

花束を用意し、盛大にお祝いしたサプライズは無事に成功し、40 代のスタートを切った安倍さんの想いも伺いました。


【『パウ・パトロール ザ・ムービー』公開直前トークイベント】

【日程】8 月 11 日(水)

【場所】東宝東和試写室

【登壇者】安倍なつみ(リバティ役)、潘めぐみ(ケント役)



いよいよ来週末の公開を控えた『パウ・パトロール ザ・ムービー』の公開直前トークイベントとして、新キャラクターでリバティ役の日本語吹替えを務めた安倍なつみさんと、ケント役の声優の潘めぐみさんが登壇。「みなさま本日はお暑い中お集まりいただき、ありがとうございます。リバティ役の安倍なつみです、本日は宜しくお願い致します!」(安倍)「皆さんこんにちは。毎日暑い日々が続き、まだまだ予断を許しませんが、本日は元気に明るくやっていきたいと思います!」(潘)とそれぞれご挨拶をいただきました。


PPM-ivent-abe-240-1.jpg安倍さんは 3 年振りのメディア露出となる舞台挨拶ですが、「公開が間近なんだなということを実感しているのと、私自身、本当に公開が楽しみで、早く家族と一緒に、大きなスクリーンで観に行きたいというワクワクドキドキが止まりません!」と喜びを露わにします。潘さんも映画の公開について、「感無量です。3年間沢山愛し続けてくれた日本のパウパトファンのお子さんもそうですし、本作はアメリカと同時公開なので、世界中の子供たちが公開を待ち侘びているんだなと考えると、これまで行ってきたことを思い出しますね。」と、「パウ・パトロール」シリーズの吹替えを 3 年に渡って担当してきたことにも感慨深げな様子。


安倍さんも以前から TV シリーズを観ており、「このお仕事のお話をいただいたときは驚きで、子供たちも TV スポットでリバティを見るたびに、ママだ~!と大騒ぎで飛び上がって喜んでいます(笑)」と、親子でパウパトの大ファンとして、公開を待ち侘びている様子。そんな大好きな作品への参加、そして洋画アニメの吹替えも初めてのチャレンジでしたが、「アフレコはリバティの声や他のキャラクターの声も英語だったので、それを聞きながら吹替えをするのが難しかったです。またリバティは活発でパワフルな役なので、口の動きに合わせて台詞を言うと尺が足りず、台詞が早口になるのも大変でした。声優の方を心から大尊敬しましたし、奥深いなと感じながら演じさせていただきました。」と吹替えの苦労を明かします。


潘さんも当初は英語の吹替えには苦労したようで、「英語に比べると日本語のほうが細かく説明しないと本来の言葉が伝わらないので、喋るテンポに気を付けながらも、ただ台詞を詰め込むという作業にならないように気を付けていました。声のお仕事を始めたときは、表現を倍にしないと声が絵に届かなかいので、緊張しながら演じていました。映画のリバティはすごくエネルギッシュで元気で、素晴らしかったです!」と当時を振り返りながら、安倍さんの洋画初吹替えも絶賛します。

 

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そして今回、TV シリーズよりもパウジョンアップした『パウ・パトロール ザ・ムービー』ですが、安倍さんは「映像もストーリーも全てがパウジョンアップしていて驚きましたし、ワンちゃんも手を伸ばしたら触れるんじゃないかなと?思うくらいふさふさで、抱きしめたくなりました。驚きと感動が次から次へときて、大人が観ても楽しめる作品になっているので、多くの方に観ていただきたいです。私が演じさせていただいたリバティの夢が最後にどうなるのか!?という、ウルっと感動するシーンは心動かされながら演じていました。」と映画ならではの見どころを語ります。


PPM-ivent-han-240-1.jpg続けて潘さんも「パウパトの魅力はパウフェクトなところです!愛らしいだったり、かっこいいだったり、一人ひとりの個性も魅力的だし、笑顔になる要素もたくさん詰まっています。そして何よりも彼らが来たらこの状況は絶対に大丈夫!と思わせる頼もしさも含めて、全てがパウフェクトなんです。大スクリーンで観れるということで、全てがパウジョンアップしていて、映像も音楽も物語も、今回起きるトラブルもスケールが壮大で、皆さんにも早く劇場でご覧いただきたいです!」とコメント。


潘さんは映画を観て涙してしまったそうで、「胸がいっぱいになってしまって、言葉にならない気持ちが涙となりました。これまでの思い出と共に、パウパトファンの子供たちの姿を見ると想いがこみ上げます。普段しっかり者のチェイスにも過去にはこういうことがあって…という今回初めて明らかになるケントとチェイスの出会いの物語も良かったです。」と 3 年間の想いが溢れた様子。


本作はメッセージ性も強く込められていますが、安倍さんは「色々な要素が詰まっているんですけど、ひとりじゃない、皆で一つのトラブルを解決していくシーンが何度もあって感動しました。子供たちにも友情や絆を大事にしてほしいなと思うし、ぐっときました」とコメント。潘さんも「本当にメッセージ性が強くて、リバティも元々パウ・パトロールが大好きというキャラクターなんですけど、大好きな気持ちとか、なりたいものへの夢や信じる勇気は、どんなトラブルも解決できる、乗り越えられる力になるんだなって、今回特に感じました。今の世の中の状況を考えてみても、そういう気持ちはエネルギーとしても大事ですし、このような状況下で公開される意義をすごく感じました。」と大変な日々が続いていく中で、勇気や希望を与える作品だと語ります。


PPM-sub-500-3.jpgそれぞれが演じるキャラクターについて安倍さんは「一見可愛らしいキャラクターに見えるんですけど、かっこいいんです!勇敢で頼もしくて、すごくポジティブで、皆をぐいぐい引っ張っていきます。」とリバティの魅力を語り、潘さんも「リバティの生まれは決してポジティブなものではないし、人によってはくじけてしまう環境なんですけど、それでも前向きで健気な姿が素敵だなと思いました。」と潘さんも頷きます。そして潘さんもケントの魅力について「『どんなトラブルもパウっと解決!』という言葉に安心感があって、パウ達は皆頼もしいんですけど、それを束ねているリーダーシップやカリスマ性が子供ながらに備わっているのが凄いです!怒ったりはせずに、明るいエネルギーで皆を束ねていくのが、あの年代の男の子持ち前の明るさとパワーですよね。」とアピール。


PPM-ivent-abe-240-2.jpgまた本作はパウ・パトロールたちがトラブルをパウっと解決していくストーリーですが、最近“我ながらパウっと解決した”と感じたトラブルエピソードを尋ねられると、安倍さんは「二人の男の子を育てているんですけど、毎日予想もしないことが次々と起こるんです。兄弟喧嘩も怪我もするし、ステイホームの時間も長いので頭が真っ白になることも多いんですけど、何とか乗り越えられています。寝かしつけのゴールまで辿り着いたときは、達成感や自分頑張ったなと思う瞬間でもあり、丸一日パウっと解決したなと(笑)日常の些細なことでもパウっと解決できたな!いうことがあるし、子育てって積み重ねで、良し!と思う瞬間が沢山あるので、自分を肯定しながらこつこつ頑張っています。」とママとしてパウっと解決している姿を明かします。


潘さんは「仕事でこの台詞言いにくいなとか、このシーンをどうやって乗り越えようかということがよくあるんですけど、演じるのは自分でありながらも、周りに助けてもらって何とかなっている気がするので、日々人に助けられながらパウっと解決しています。私はどちらかというと、ケントに電話を掛けて助けを求めるタイプですね(笑)」と会場の笑いを誘います。


PPM-ivent-han-240-2.jpg本作の公開は夏ど真ん中となりますが、二人は子供時代の夏休みを振り返り、北海道出身の安倍さんは「北海道の夏ってすごく短いので、短いながらも夏を楽しむという感じでした。海でよくキャンプをしていたんですけど、バーベキューをしたり、宝探しだとか、父が考えたゲームを皆でしていたのが思い出です。キャンプでは大雨が降り出したこともあって、両親がばたばたテントをたたんでいたり、突然のトラブルも思い出に刻まれていて、その光景が今でも記憶に残っています。夏の思い出作りを家族で楽しんでいましたね。」と振り返ります。


潘さんは「母も同じ声優のお仕事をしていて、日ごろ働きながら私を育ててくれていたんですが、ヒーローショーに連れて行ってもらったり、映画を観に行ったり、私がやりたいことを率先して連れて行ってくれました。それが今の仕事に関わることだったりするので、夢になることを色々やらせてもらった夏だなと思います。」と当時からアニメなどに触れながら、母の背中を見て育ったことが伝わります。


最後に本作のおすすめポイントとして、

(安倍):「この夏、8 月 20 日(金)に、私も待ち望んでいた映画がいよいよ公開となります。子供は勿論、大人の皆さんも、そしてパウパトを知らないどんな方でも、何かを感じ取っていただける作品となっているので、ぜひ大きなスクリーンで観ていただきたいです。皆さんも楽しみに待っていてください!」


(潘):「今回の映画は全てがパウジョンアップしております!ケントがパウ・パトロールの T シャツを持ちながら、『これはパウ・パトロールの活躍を応援してくれる皆のおかげで~』という台詞があるんですけど、この映画はパウパトを愛してくださった皆さんへ、パウパトからの贈り物だと思っています。こんなご時世ですが、劇場に足を運んでいただけると幸いです。」


PPM-ivent-500-1.jpgとそれぞれコメントし、イベントは終了。と思いきや、イベント前日の 8 月 10 日に 40 歳の誕生日を迎えた安倍さんに潘さんから花束のプレゼントが!本作の収録があった 6 月 3 日の潘さんの誕生日に安倍さんがサプライズでお祝いしたお返しとして、逆バースデーサプライズが行われました!サプライズに全く気付く様子のなかった安倍さんは、ケントの声でおめでとう!の言葉を投げかける潘さんに対し、「ありがとうございますー!ケントだー!」と喜びを露わに。


潘さんは「収録があった 6 月 3 日が私の誕生日だったんですけど、初めましてなのに安倍さんがパウパトのケーキをもって、お祝いしてくださったのが嬉しくて、お返ししたかったんです!」と、今回のサプライズ返しが叶いました。


安倍さんは「家族がお祝いしてくれて、すごく幸せでした。自分が 40 歳って実感はないんですけど、どうやら現実のようです(笑)40 年も生きてこられたということに対して、感謝の気持ちに溢れた一日でした。」と当日の様子も明かしました。バースデーサプライズも無事に成功し、イベントは終了。本作の魅力をパウフェクトにアピールしながら、公開へ向けて勢いを更にパウっと加速させ、イベントは幕を閉じました。
 


『パウ・パトロール ザ・ムービー』

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■監督:カル・ブランカー
■脚本:ビリー・フロリック、カル・ブランカー、ボブ・バーレン
■原案:ビリー・フロリック
■音楽:ヘイター・ペレイラ(『ミニオンズ』)
■テレビシリーズ:キース・チャップマン
■製作:ジェニファー・ドッジ, p.g.a.
■製作総指揮:ロネン・ハラリー、アダム・ベーダ-、ピーター・シュレッセル
■声の出演: 潘めぐみ/小市真琴/井澤詩織/矢作紗友里/石上静香/松田颯水/小堀幸/魚健/諏訪部順一/落合福嗣/竹内良太/皆川純子/安元洋貴/井上喜久子/安倍なつみ
■配給:東和ピクチャーズ
■コピーライト:(C) 2021 Paramount Pictures. All rights reserved.
■公式 HP:https://www.pawpatrol-movie.jp/
■公式 twitter:https://twitter.com/ParamountFamJP
■公式 Instagram:https://www.instagram.com/ParamountFamJP/

2021年8月20日(金)~ 全国パウジョンアップ公開!


(オフィシャル・レポートより)

 

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『岬のマヨイガ』オリジナル《そえぶみ箋》プレゼント!

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◆提供:アニプレックス

◆プレゼント数:5名様

◆締め切り:2021年8月31(火

公式HP: https://misakinomayoiga.com/

 

2021年8月27日(金)~全国ロードショー


 


 

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居場所を失った 17 歳の少女・ユイ。彼女がたどりついたのは、どこか懐かしさと共にあたたかみを感じさせる、海の見える古民家“マヨイガ”だった。それは、岩手県に伝わる“訪れた人をもてなす家”というふしぎな伝説。血のつながりがない新しい家族たちとの、ふしぎだけど温かい共同生活が“岬のマヨイガ”で紡がれていく。

主人公・ユイを演じるのは自らも 17 歳になる国民的女優・芦田愛菜。映画史に残る傑作『千と千尋の神隠し』の原案となった『霧のむこうのふしぎな町』の著者・柏葉幸子が描き出す、心が優しく包み込まれる、ノスタルジック・ファンタジーがいま始まる―。


misakinomayoiga-sub-500-1.png.jpg<STORY>
ある事情で家を出てきた 17 歳のユイと、両親を事故で亡くしたショックで声を失った 8 歳のひより。居場所を失った二人は、ふしぎなおばあちゃん・キワさんと出会い、海を見下ろす岬に建つ、ふしぎな古民家“マヨイガ”に住むことに。なりゆきでキワさんについて来てしまった二人だったが、訪れた人をもてなす伝説の家“マヨイガ”、そしてキワさんの温もりに触れ、それぞれ傷ついた心は次第に解きほぐされていく。

そんなある日、“ふしぎっと”と呼ばれる優しい妖怪たちがキワさんを訪ねてきた。彼らは町で相次ぐ怪奇現象を調べるため、キワさんに力を貸しにきてくれたのだった。ふしぎっとの存在と共に、キワさんは昔からこの地に伝わる伝説“アガメ”のことを語り出す。人々の悲しい思いを糧に大きくなっていくという“アガメ”と、人々を陰から守る存在“ふしぎっと”。新しく見つけた居場所と、自分のまわりの優しい人々を決して傷付けたくないと強く思うユイ。ユイとひより、そしてキワさんは、それぞれの過去を乗り越え、大切な居場所を守ることができるのだろうか―。
 



【原作】「岬のマヨイガ/柏葉幸子」(講談社)※2016 年野間児童文芸賞受賞作
【監督】川面真也(「のんのんびより」「サクラダリセット」)
【脚本】吉田玲子(「のんのんびより」「SHIROBAKO」「若おかみは小学生!)
【キャラクター原案】賀茂川(京都市交通局「地下鉄に乗るっ」プロジェクト)
【音楽】宮内優里(「リトル・フォレスト」「グッド・ストライプス」)
【主題歌】羊文学「マヨイガ」
【アニメーション制作】davidproduction(「ジョジョの奇妙な冒険」「はたらく細胞」「炎炎ノ消防隊」)
【配給】アニプレックス  【製作幹事】フジテレビョン
【コピーライト】©柏葉幸子・講談社/2021「岬のマヨイガ」製作委員会
【公式サイト】https://misakinomayoiga.com/

2021年8月27日(金)~全国ロードショー


(オフィシャル・リリースより)

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『妖怪大戦争 ガーディアンズ』オリジナルグッズプレゼント!

タオルハンカチ(左) & トラベルポーチ(右) (2種セット)
 

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◆提供:KADOKAWA

◆プレゼント数:5名様

◆締め切り:2021年8月15(日

公式HP: https://movies.kadokawa.co.jp/yokai/

2021年8月13日(金)~全国ロードショー


 

新時代、感動の超ド派手妖怪ファンタジーエンタテインメント!

超豪華キャスト・スタッフ、日本の妖怪、世界のモンスターが集結!

 

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1968 年からの三部作、2005 年には平成版が興行収入 20 億円の大ヒットを記録した映画『妖怪大戦争』が、令和の新たな時代と共にスケールアップした『妖怪大戦争 ガーディアンズ』としてスクリーンに復活します!

今回の主役は、今飛ぶ鳥を落とす勢いの名子役・寺田心。監督は 2005 年版に引き続き、日本が誇る映画界の鬼才・三池崇史。誰もが知る有名妖怪を始め、映画オリジナルの妖怪、さらに今回は世界中のモンスターも加わり、妖怪ワールドが拡大していきます。そして、弟を守るため、世界を守るため、真の勇気が試される感動です。

 

【監督】三池崇史 【製作総指揮】角川歴彦、荒俣宏
【脚本】:渡辺雄介 【音楽:遠藤浩二
【出演】寺田心、杉咲花、大森南朋 、大沢たかお、猪股怜生、安藤サクラ、大倉孝二、三浦貴大、大島優子、赤楚衛二、SUMIRE、岡村隆史、遠藤憲一、石橋蓮司、柄本明
【制作プロダクション】OLM
【配給】東宝、KADOKAWA
 ©2021『妖怪大戦争』ガーディアンズ

 公式HP: https://movies.kadokawa.co.jp/yokai/

2021年8月13日(金)~全国ロードショー


(オフィシャル・リリースより)

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■日時:7 月24 日(土) 10:00の 回(上映終了後30分間)

■登壇者: 阿部寛(あべ・ひろし/57)、リー・シンジエ(マレーシアよりオンライン/英語名:アンジェリカ・リー/45)、トム・リン監督(台湾よりオンライン/45)
※オンラインでの参加でスクリーンに映し出された状態です。リアルの登壇ではございません。

■場所:ユーロスペース(東京都渋谷区円山町1-5 KINOHAUS 3 階)


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三つの時間軸からなる幻想的でミステリアスな歴史ラブストーリー

大阪アジアン映画祭のオープニングを飾り、

上映後には拍手が鳴り響いた話題作がついに公開


2020年の大阪アジアン映画祭のオープニング作品を飾り、上映後には客席から拍手が巻き起こったマレーシア映画『夕霧花園』がついに日本国内にて本公開を迎えます。

日本ではあまり語られることのない第二次世界大戦におけるマレーシアの歴史と共に、一組の男女の切ない恋が紐解かれていきます。

1950年代、イギリスの植民地となったマラヤ(現在のマレーシア)で、不穏な空気が流れる中、亡き妹の夢である日本庭園造りに挑んだヒロイン・ユンリンと日本人庭師・中村が出会ったことで物語は動き出す。マレーシアのキャメロンハイランドの美しい景色を舞台に、第二次大戦中、後の1940年代・1950年代と近代の1980年代の三つの時間軸からユンリンを通して描かれていく。

この度、初日舞台挨拶がユーロスペースにて開催され、作品にかける思いを主演の阿部寛さん、リー・シンジェさん、トム・リン監督の3人がオンラインでの出演で語ってくれました。その模様を下記にてご紹介いたします。
 



Q:まずはご挨拶と初日を迎えての感想を一言ずつしますお願いいたします。

阿部寛さん 「オリンピックも始まってお忙しいなかご来場ありがとうございました。この作品は3年前にマレーシアで撮影しました。暑い中、9ヶ国のキャストとスタッフが集まって集中して作りました。いよいよ日本で公開されるということでうれしく思っています」


リー・シンジエさん 「(日本語で)はじめまして、こんにちは。(阿部に対して)こんにちは阿部さん、お元気ですか。観客の皆さん映画を観に着て頂いてありがとうございました」


トム・リン監督 「ご覧になっていただいた観客の皆さんに感謝します。この作品がどういうメッセージを伝えようとしているのかご覧なればわかると思います。とにかくポジティブでプラスのエネルギーを皆さんにお伝えしたいと思います。」

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Q:本作が皆さんにとって初のタッグだったかと思いますが、過去作・過去の出演作などからそれぞれ他のお2人の印象はどんなものでしたか?また、実際にお会いしてみてその印象はかわりましたか?

阿部寛さん 「トム・リン監督は人間を深く描いていて優しさに満ち溢れている作品を撮られて、本作も形は違って戦争の話しですけども。シンジエさんは、現場で緊張すると思ってご本人の作品は見ないでいました。現場では気を使っていただいてさし入れもたくさんもらいました。監督も集中力と特別なこだわりを持って撮影に挑んでいる姿が印象に残っています」


リー・シンジエさん 「お二人と会ってほんとうにラッキーで、すごく期待していました。日本の俳優さんとお仕事をしたこともなかったですし、ほんとうに貴重な機会をいただきました。みんなで同じ方向を向いて、まるで事前の了解があったかのようでした」

 

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Q:映画では秘密を守り通す有朋の姿が印象的でした。皆さんが秘密にしていることはございますか?

阿部寛さん「そうそう、マレーシアで撮影していてそれも夜だったんですが、監督に言ったら怒られるかも知れないんですが。大きな照明をたいていたら、マレーシアは昆虫が多くて、大きなカブトムシが飛んできて、それを何匹か捕まえて控室に連れて行ったんです(笑)」


リー・シンジエさん「そうですね。撮影で休憩を取っていたら、阿部さんのマネジャーが来てと言うので阿部さんのところに行ったらカブトムシがいたんですね。わたしは昆虫が苦手で、肌の上にカブトムシがいるのはちょっと…(笑)」

 

Q:阿部さんからご来場の皆様に最後にメッセージをお願いいたします。

阿部さん「この映画を観てどう感じましたでしょうか? ほんとうに戦争は悲しいものだなと実感しました。戦争自体がむなしいものであってどちらかが加害、被害というのはないのが戦争なんだと思います。いま様々な形で社会が分断されている状況ですが、この映画を観て深く何かしら深く考えていただければと思います」
 



監督:トム・リン
yugirikaen-pos.jpg出演:リー・シンジエ 阿部寛 シルヴィア・チャン ジョン・ハナー ジュリアン・サンズ デビッド・オークス タン・ケン・ファ セレーヌ・リム
製作:Astro Shaw & HBO Asia
原作:タン・トゥアンエン 脚本:リチャード・スミス
撮影:カルティク・ビジェイ 美術:ペニー・ツァイ・ペイリン
衣装:ニーナ・エドワーズ
ヘアメイク:ニッキー・グーリー、ビビー・チャウ
特殊メイク:カレン・タン、グレース・チョン
編集:スー・ムン・タイ 音楽:オン・サン
2020/マレーシア/120分/カラー/ビスタ/5.1ch
提供:マクザム、太秦 配給:太秦
後援:在京マレーシア大使館 協力:大阪アジアン映画祭
字幕:川喜多綾子 字幕監修:山本博之
ⓒ2019 ASTRO SHAW, HBO ASIA, FINAS, CJ ENTERTAINMENT  ALL RIGHTS RESERVED
公式サイト:http://yuugiri-kaen.com

2021年7月24日(土)~渋谷ユーロスペース、8月13日(金)~シネ・リーブル梅田、近日公開~京都シネマ、元町映画館 ほか全国順次公開
 


(オフィシャル・レポートより)

『犬部!』篠崎監督(シネルフレ江口).JPG
 
 
 保護犬を助けるために奔走する“犬バカ”な若者たちを描く篠原哲雄監督(『影踏み』)の最新作『犬部!』が、7月22日(木・祝)よりTOHOシネマズ梅田、TOHOシネマズなんば、OSシネマズミント神戸、MOVIX京都他全国ロードショーされる。
 
 片野ゆかのノンフィクション小説「北里大学獣医学部 犬部!」(ポプラ社刊)を原案に、「犬は愛情を食べて生きている」(光文社)をはじめ、犬と猫の命をテーマにした映像作品・書籍を数多く手がける山田あかねが脚本を担当。
動物保護活動を行う大学の「犬部」創設メンバーで、一匹の犬も殺したくないと獣医学部の生体を使った外科実習を拒み、卒業後は動物病院で診療の傍ら保護犬を救う道を選ぶ颯太役に、林遣都。犬部の部員で颯太とは違い、犬にとって最悪の場所である動物愛護センターを変えることで保護犬を救う道を選ぶ、同級生の柴崎役に中川大志が扮し、それぞれの道で保護犬と向き合う様子を暖かくもリアルに映し出す。
同級生の犬部メンバーに大原櫻子、浅香航大が扮し、学生時代と、社会人になり、それぞれの現場で壁にぶつかりながらも、新たな犬部のようなつながりを作り上げていくさまは、人との関係が希薄になっている今、希望の光にも映る。保護犬の実情や、現場の疲弊ぶりもつぶさに捉え、改めて人間と動物との関係、飼うことを選んだ人間の責任を考えたくなる、今ここにある題材に目を向けたとも言える作品だ。
本作の篠原哲雄監督にお話を伺った。
 

 

 

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■犬との思い出と颯太のモデル、太田快作さん

――――篠原監督ご自身も若いころ、犬や猫を飼っていたそうですね。
篠原:僕が高校時代から飼っていたのは、ロクという黒い犬で、自主映画時代の題材はロクの散歩中に考えていました。今から思うと、毎晩必ずやっていたロクとの散歩は自分をリセットしたり、物を考える貴重の時間になっていました。どんなに遅くなろうとも必ず家に帰っていたし、ロクも僕が帰ってくるのをずっと待っていましたね。
 
――――まさに青春時代を共に過ごした相棒だったんですね。今回映画の原案本や、颯太のモデルになった太田快作さんにお会いになり、どんな印象を受けたのですか?
篠原:犬を飼っていたのは1980年代で、犬は庭につないで飼うのが当たり前だし、番犬がわりという時代でした。僕は家の中で飼うことに違和感があり、庭で飼うのがちょうどいい距離感でしたが、太田さんを見ていると、治療中も飼い犬のハナコがそばにいて治療を見ているんです。そう考えると、犬というのはかなり濃密に付き合わなければいけない動物なのかなと思いますし、常に犬と一緒に生きている太田さんは凄いなと。
 
――――映画では獣医学部の颯太が外科実習を拒否するシーンもありました。
篠原:太田さんは大の犬好きですが、今のような活動をするに至ったきっかけは、獣医学部時代に外科実習をなぜしなければいけないのか。なぜ生きている犬を殺さなければいけないのかと思ったことなのです。映画でも描いたように、外科実習用に託された犬が逃げたところを林くん演じる颯太が保護したものの、一度学校の人に引き取られてしまい、その犬を渡してしまったことを後悔し、でもその犬が颯太のもとに戻ってきたので、大学の教授も特例として手続きを踏んだ上で颯太が飼うことができたというエピソードは原案にもありますが、太田さんの自伝(著者は本作の脚本、山田あかねさん)「犬は愛情を食べて生きている」にも書かれています。脚本で山田さんが書いたエピソードは彼女が過去に携わったさまざまな犬に関する調査などで得た見識や実例からうまくチョイスしてくれています。一方、中川大志くんが演じた柴崎は外科実習もやらざるを得ないと思っていた人ですが、ドラマとしてバディを狙っていたので同級生という設定になりました。でも柴崎のような苦悩を背負った人物も確かに存在していたようです。
 
――――映画では犬部結成時の大学時代と、現在の2つの時代が描かれますが、これは映画オリジナルですか?
篠原:プロデューサーの近藤あゆみさんから『犬部』映画化を企画するにあたり、2003年の犬部結成が過去の回想ではなく、現在と過去をそれぞれブロックで脚本に組み込んでいく狙いでいきたいと聞きました。学生時代と現在を地続きのように描写していくことに興味を覚えましたね。
 
 
 
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■林遣都、中川大志の役へのアプローチは?

――――林遣都さんが演じる颯太、中川大志さんが演じる柴崎、ともに本当に犬を愛している様子が伝わってきましたが、キャスティングの経緯は?
篠原:クランクインは2020年7月でしたが、2019年終盤に林遣都くんのキャスティングがまず決まり、これでちゃんと映画になるなと思いました。それまでは本当に撮れるのか、いつスタートするのか決まっていませんでしたから。林くんが決まり、相手役で真っ先に候補に上がったのが中川大志くんでしたが、彼も本当に忙しく、スケジュール調整が難しかった。でも林くんとは同じ事務所の先輩後輩で、ふたりともこの作品をやりたがっているということで、多分お互いにスケジュールを調整してくれたのでしょうね。奇跡的にふたり一緒に撮影できる日程を抑えることができました。もし中川くんが無理だったら、全然違う映画になっていたでしょう。
 
――――ふたりの役へのアプローチが真逆だったそうですね。
篠原:林くんは「犬を一匹も殺したくない」と保護活動に入り込む役、中川くんは同じことを目指すにしても違うアプローチをしていく役ですが、ふたりの俳優としての資質で言えば、二人ともそれぞれにアグレッシブですが、中川君の役作りにおいてはエキセントリックに入りこむ場面があり、そこは自分を鼓舞するくらいの集中力が必要。林くんも自分の信念を貫く役柄ですので、かなり自分を追い込んでいったと思いますが、どこか自分を客観視しているクールさを感じました。中川くんにも自分を客観視するものはもちろんありますが、そういうアピローチの違いが垣間見れて面白かったですね。
 
 
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■リアリティを求める俳優と、試行錯誤を重ねた現場

――――犬を一匹でも多く助けるという目標は同じでも、真逆の方法を選んだふたりが対峙するシーンも見どころです。
篠原:今回は林くんと中川くんのふたりの芝居が多く、学生時代の青森県十和田市で撮影したものも多かったのですが、俳優としての資質として、ふたりは設定の背景にあるものを考えたり、彼らなりにリアリティを欲するのです。例えば卒業式のあと、颯太が「一緒に動物病院をやらないか」と柴崎を誘いますが、「違うアプローチをするよ」とわかれていく大学時代のある種の決別シーンがあります。どんな状況でそんな話をするのか考えてみると、卒業式で後輩たちが祝ってくれているなか、肝心の話をしなくてはならないわけで、当初の脚本では「犬部控え室で犬を世話しているときに」と書かれていました。「世話」というのはどんなことをするのか、それが演出に求められることで、最終的には颯太と柴崎、それぞれが犬をと散歩し、颯太は柴崎が帰ってくるのを待つという設定に落ち着いたものの、そこに到るまで結構いろいろなことをふたりと話しているんです。最初僕は、ワンカットで二人が歩きながら話をするのを流れるように撮りたいと言っていたのだけど、やりだすと、やはりきちんと止まって話をする必要性を感じ、設定自体をきちんと見直したりしながら、現場で試行錯誤を重ねていましたね。
 
――――犬たちの名演技と、犬と共にいる林さん、中川さんの自然な演技が作品にリアリティを与えていますね。
篠原:一番最初に秋田が逃がしてしまった犬、ミックは元野良犬で、まさに爪を立てて怯えていたんです。林くんは青森に先行して入り、まずミックと戯れる時間を作ってくれたので、林くんだけに懐くようになっていました。中川くんも少しはコミュニケーションを取ってくれたけれど、林くんほど懐かないようにうまくふたりで計算してくれているんですね。犬に関わる役を演じるという時点で、演じる上でのスタンスが普段とは違っていたのだと思います。犬を通して役に入り込むことが大事だったので、そこをきちんとやってくれているなと思って見ていました。颯太と柴崎がバディであるだけでなく、それぞれが自分の飼い犬とバディであるということを、すごく忠実に演じてくれましたね。
 
――――映画では颯太たちが行う保護犬の譲渡会のシーンもありましたが、篠原監督は参加したことがありますか?
篠原:何度か行ったことはありますし、行くと飼いたくなるのですが、犬を託す側は犬の個性をきちんと教えてあげなくてはいけないし、託される側も本当にきちんと飼えるかどうかを見られるわけです。だから、実際に譲渡する前に何度か対面するというシステムなんですね。保護犬や保護猫を飼うのはいいことだけど、それを今の自分の環境できちんとできるかどうかは別問題なので、諸条件をまずは整えていくことができなくてはいけないのだろうなと思います。
 
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■ある種の現実を切り取ることが大事な作品

――――私自身、ペットを飼ったことはありませんが、人間と動物との関係や、自分が正しいと思ったことを貫く力など、いろいろな気づきを与えてくれる作品ですね。
篠原:僕も最初オファーを受けるとき、単に犬や猫を愛でるような映画だったらイヤだなと思ったんです。この作品は、犬が人間に尽くしまくるような献身的な姿を描くことである種の感動をもたらせるという映画ではありません。たまたま犬の題材ですが、世の中の矛盾や違和感に対して異を唱えていく若者の話だと捉えることもできるでしょう。映画は時に、ある種の現実を切り取ることが大事であるということに自分自身が気づく作品になったとも思っています。
(江口由美)
 

<作品情報>
『犬部!』
(2021年 日本 115分)
監督:篠原哲雄 
原案:片野ゆか「北里大学獣医学部 犬部!」(ポプラ社刊) 
出演:林遣都、中川大志、大原櫻子、浅香航大、田辺桃子、安藤玉恵、しゅはまはる、坂東龍汰、田中麗奈、酒向芳、螢雪次朗、岩松了
7月22日(木・祝)よりTOHOシネマズ梅田、TOHOシネマズなんば、OSシネマズミント神戸、MOVIX京都他全国ロードショー
公式サイト → https://inubu-movie.jp/
(C) 2021『犬部!』製作委員会
 

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