「AI」と一致するもの
STAND with ウクライナ
『バトルフィールド クルーティの戦い』
ソ連の侵攻に立ち向かったウクライナ兵たちの雄志と戦いの悲惨さを描いたウクライナ映画
現在ロシアによるウクライナ侵攻でウクライナ各地では子供を含む多くの犠牲者が出ており、たくさんのウクライナ人が大きな困難に直面しています。一方的なロシアのウクライナ侵攻、それに対して祖国を守るために銃を持ちロシアに立ち向かうウクライナの人たち。
しかし今日起こっているこの戦争と同じ事が実は 100 年前にも起こっていました。ロシア帝国の崩壊の後、ソ連軍はウクライナに侵攻しました。その侵攻を阻止するために戦争未経験の学生たちは銃を持ちソ連の大軍に立ち向かっていったのでした。この勇敢なウクライナやウクライナ兵の姿を映画を通じて見直すことによって私たちのウクライナへの連帯の気持ちを表したいと思います。
そのために 100 年前に起きた「クルーティの戦い」を映画化した『バトルフィールド クルーティの戦い』(2019 製作)のチャリティ上映会を企画いたしました。
『バトルフィールド クルーティの戦い』緊急チャリティ上映会
日時:4 月 12 日(火)19 時開場 19 時 15 分開演 21 時 5 分終演予定
場所:ヒューマントラストシネマ渋谷(渋谷区渋 1-23-16 ココチビル7・8階)
チケット発売:4月 5 日(火)19 時より、ヒューマントラストシネマ渋谷
HP (https://ttcg.jp/human_shibuya/)にて発売開始
料金:一般 1900 円 大学・専門 1500 円 他
※今回は特別上映のため各種割引はありません。
※収益は全額ウクライナの人道支援団体に寄付いたします。
映画『バトルフィールド クルーティの戦い』
1918 年ウクライナ。キエフ郊外のクルーティに侵攻してくる 4000 人のソ連兵に立ち向かうわずか 400 人のウクライナ兵。しかもその大半は志願をした戦争未経験の学生たちだった。史実に基づく「クルーティの戦い」を完全映画化。
【STORY】
1918年。ロシア帝国崩壊とともに独立したウクライナ人民共和国にムラヴィヨフ率いるソビエト軍の侵攻がはじまった。大学生の青年・アンドリーは学徒部隊として志願する仲間達を見送りながら、自らを平和主義者だと主張し出征を拒否していた。しかし、軍人である父と兄を持つアンドリーはある晩、ソビエト軍侵攻の記録フィルムを観せられ、学徒志願を決意する。数日間の短い軍事訓練を受け、戦地へと送られる若き新兵たち。その行先には首都・キエフ侵攻を狙うムラヴィヨフ大佐の軍勢が待ち受けていた。4000人のソビエト軍と、僅か400人のウクライナの兵士たち。祖国の運命を賭けた激戦がはじまった。
監督:アレクセイ・シャパレフ
出演:エヴヘニー・ラマフ、アンドレイ・フェディンチク、ナディア・コヴェルスカ、ヴィタリー・サリー、オレクシー・トライテンコ
2019 年/ウクライナ/ウクライナ語/ 110 分/ オリジナル 5.1ch/スコープサイズ
原題:Kruty 1918
配給:ハーク
(C)Ukrainian State Film Agency,2019 (C)GOOD MORNING DISTRIBUTION LLC,2019 All Rights Reserved.
【参考資料】 「クルーティの戦い」
1918 年 1 月 29 日、キエフの東北 130 キロにあるクルーティ駅で起こった戦い。
この戦いは、4000 人の兵士のソ連ボルシェビキ軍とわずか 400 人のウクライナの部隊(約 300 人は学生)の間で行われた。クルーティの戦いはウクライナ人の心の中で特別な意味を持ち、ウクライナの若者の英雄的行為とされている。約 400 人の半数が戦闘で殺され、戦闘後にボルシェビキに捕獲された 27 人の学生は処刑された。この戦いの真実は長らくソビエト連邦政府によって隠されていた。
しかし近年、戦いより 80 周年を記念してアスコルドの墓に位置したクルーティの戦いの碑を作成し、記念フリヴニャコインが鋳造された。
2022 年 4 月 12 日(火) ヒューマントラストシネマ渋谷にて 19 時開場
(オフィシャル・リリースより)
■真奈とすみれは、お互いに憧れを抱く「もう一人の自分」
■自分なりに震災との距離感を表現
■被災をして家族を亡くされた方々とこの物語を地続きで描きたい
■すみれから真奈への視点を表現しなければ、この原作でやる意味がない
■岸井ゆきの、浜辺美波との役作り
■テーマ面、映画の外的要因面で一区切りとなる作品。これからは生きることの肯定を描きたい
© 2019 ROH. Photograph by Helen Maybanks
ロイヤル・バレエ『ロミオとジュリエット』
オリジナル バレエシューズ
バッグクリップ(12×7㎝)プレゼント!
◆提供:東宝東和
◆プレゼント数:1 名様
◆締め切り:2022年4月15日(金)
◆公式HP: http://tohotowa.co.jp/roh/
2022年4月8日(金)~TOHO シネマズ 日本橋 ほか全国公開!
再開の時、そして再会の時。
ロンドンで再び、白鳥たちが舞い、ディーバたちが歌う
世界最高の名門歌劇場「英国ロイヤル・オペラ・ハウス」で上演されたバレエ・オペラの舞台と特別映像をスクリーンで体験できる人気シリーズ最新作『英国ロイヤル・オペラ・ハウス シネマシーズン2021/22』より、3作目はロイヤル・バレエ『ロミオとジュリエット』が4月8日(金)より全国公開となります。昨シーズンは新型コロナウイルスの影響によってロイヤル・オペラ・ハウスは長い間閉鎖されていましたが、遂に、バレエとオペラを愛し応援してくださる皆様の元に帰って来ました!ライブでの観劇とは一味違う体験を、いち早く皆様にお届けします。
Marcelino Sambé as Romeo and Anna Rose O'Sullivan as Juliet in Romeo and Juliet, The Royal Ballet© 2019 ROH. Photograph by Helen Maybanks
英国ドラマティック・バレエの最高峰!!
伝説の初演から530回以上も上演、
今なお新鮮さを失わない、ケネス・マクミラン版!
1965年に初演されて以来、世界中で現代の偉大な古典作品と評価されているケネス・マクミラン振付の『ロミオとジュリエット』。ルドルフ・ヌレエフとマーゴ・フォンテーンが主演した伝説の初演からこれまで、530回以上も上演され、ロイヤル・バレエの演技性と、あまりにも美しく儚いロマンティックなバルコニーシーンの二人に心奪われる、まさに英国ドラマティックバレエの最高峰といえる作品です。
本作で主演を演じるのが、ジュリエット役に、昨年プリンシパルに昇格し、ニューヒロインとして今後の活躍が期待される英国出身のアナ=ローズ・オサリバン、ロミオ役には、しなやかで高い身体能力を誇る若手プリンシパルのマルセリーノ・サンベ。ロイヤル・バレエ・スクールで同級生、私生活でも仲が良いという2人が、運命に翻弄された恋人たちをフレッシュに、ロマンティックに好演。ロミオの親友・マキューシオには端正な実力派のジェームズ・ヘイ、ジュリエットの従兄弟でロミオの敵となるティボルトには、マシュー・ボーンの『白鳥の湖』でザ・スワン/ザ・ストレンジャーを演じたこともあるトーマス・ホワイトヘッドと魅力的なキャスティング。また佐々木万璃子がジュリエットの友人役で華を添えています。
シネマシーズンのお楽しみ、幕間の映像では名ジュリエットとして知られ、現在は指導者として活躍するリャーン・ベンジャミンと、カフカ原作『変身』等強烈な個性で知られ、本年ローレンス・オリヴィエ賞にノミネートされているエドワード・ワトソンが作品の魅力を語っているほか、主演陣のインタビュー、迫力あるソード・ファイトなどのリハーサル映像と見どころが盛りだくさんとなっています! (2022年2月3日上演作品)
【振付】ケネス・マクミラン
【音楽】セルゲイ・プロコフィエフ
【指揮】ジョナサン・ロー
【出演】
ジュリエット:アナ=ローズ・:マルセリーノ・サンベ
マキューシオ:ジェームズ・ヘイ
ティボルト:トーマス・ホワイトヘッド
ベンヴォーリオ:レオ・ディクソン
パリス:ニコル・エドモンズ
キャピュレット夫人:クリステン・マクナリー
キャピュレット卿:ギャリー・エイヴィスエスカラス:ルーカス・B・ブレンスロッド
ロザライン:クレア・カルヴァート
乳母:ロマニー・パイダク
ローレンス神父╱モンタギュー卿:フィリップ・モーズリー
【上映時間】2時間55分
2022年4月8日(金)より TOHOシネマズ 日本橋 ほか全国公開!
主演・小林聡美『かもめ食堂』『めがね』
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平山秀幸監督『愛を乞うひと』『閉鎖病棟ーそれぞれの朝ー』
今日を精一杯に生きる“大人のおとぎ話”
小林聡美、斎藤汰鷹、平山秀幸監督が大ヒット祈願!
ぽかぽか陽気の中、10年越しの脚本の映画の完成を報告!
小林聡美「みなさんにとっていい時間になるような映画になった」
小林聡美主演、平山秀幸監督最新作『ツユクサ』が4/29(金・祝)全国公開となります。
このたび本作の大ヒット祈願&完成報告イベントを実施いたしました。大人のラブストーリーに挑戦した小林聡美、10年以上も温め続けた安倍照雄氏のこの脚本をついに映画化した平山秀幸監督に、本作に込めた想いを語っていただいたほか、「おみくじ」にも挑戦し、映画のヒット祈願をした後に運試しも行われました。
●日 時:3月14日(月)
●場 所:赤城神社(新宿区赤城元町1-10)
●登壇者:小林聡美(56)、斎藤汰鷹(12)、平山秀幸監督(71)
映画は、その自然体な演技に女性たちから絶大な支持を得てきた小林聡美を主演に迎え、安倍照雄によるオリジナル脚本を、『愛を乞うひと』『閉鎖病棟-それぞれの朝-』など、さまざまな視点から人生を描いてきた平山秀幸監督が映画化。過去を抱えながらも「今」を生きる主人公・五十嵐芙美(いがらし・ふみ)にこれから訪れるだろう幸せや希望を爽やかに映し出した “大人のおとぎ話”。
学問芸術を司る磐筒雄命(いわつつおのみこと)を祀っている神楽坂の赤城神社にて、映画『ツユクサ』の完成報告と大ヒットをご祈祷した小林聡美、斎藤汰鷹、平山秀幸監督。真剣な面持ちでご祈祷の儀式に参加し、映画の大ヒットを願い神様に祈りを捧げた。
主人公の五十嵐芙美役を演じた小林は「今日は春らしい日になり、こんな日に皆さまにお披露目できることを嬉しくおもいます」と挨拶。芙美の歳の離れた親友・航平役を演じた斎藤は「今年で中学生になります。よろしくお願いします」と初々しく挨拶した。10年以上温めてきた脚本の映画化ということで、平山監督は「一本の映画が成立するのにこんなに長く時間がかかるということを改めて感じています」と、感慨深く映画の完成を報告した。
トーク前に行ったご祈祷について、小林は「こういった場所でヒット祈願をしたこともあまりないので、祝詞をあげさせていただき、宮司さんから掛けてもらった『みんなで心を合わせ、力を合わせ』という言葉が頭に残っていて、とても心強く思いました」と感想を述べ、斎藤も「初めてご祈祷をしたので、不思議な気持ちがしました。全然分からなくて、心臓止まるくらいガチガチでした」と答え、会場を笑いで包んだ。
小林は「『閉鎖病棟』で平山監督とご一緒させていただいた後に声を掛けていただけたので、監督が観てくださっていたのだなと嬉しかったです。また、脚本を10年間温めてきた作品ということで、台本を読ませていただいた時に、時間が経っているのに、新鮮な感じで、この話を監督はどんなふうに映像にするんだろうとワクワクしました」と、出演のオファーが来た時の気持ちを明かした。
年の離れた親友を演じた小林と斎藤。斎藤は「歳の離れた親友というのは初めてだったのですが、小林さんと初めて会った時に、本当の親友のように接してもらって楽しかったです。」と小林との共演を振り返り、「小鳥のラブちゃんと共演したり、月の隕石を初めて見たり、ルートビアを飲んでみたり、初めてのことが多くて楽しかったです」と、様々な初体験もあり、終始楽しく撮影できたと笑顔。
一方、小林は「(斎藤の)おばあちゃんと血液型が一緒だったらしく、そこで親近感を持ってもらえました」と、斎藤との距離が縮まったきっかけを明かし、「斎藤くんの子供目線に合わせるということもなく、一緒に楽しく話せました」とほほ笑み、無理なく斎藤と親友役を演じられたと語った。
脚本家の安倍照雄氏と10年以上も温め続けてきた本作の脚本を、ついに映画化した平山監督は「10年前に考えだしたので、ここに至るまでに紆余曲折があり、その時々で考えが変わっていて、価値観もその時とは変わっているかもしれません。ただ、出来上がったものが全てだとおもうので、作品を完成できたことをみなさんに本当に感謝しています」と映画の完成に感無量の面持ち。また、本作で大人のラブストーリーに挑戦したことについて「小林さんに色々聞きました」と撮影裏のエピソードも明かした。
松重豊との久しぶりの共演、しかも大人のラブストーリーでの共演となった小林は「松重さんという俳優さん自体が、セリフが無くてそこに佇んでいるだけでも味わい深くて素敵な俳優さんで、しかも今回はミステリアスな役だったので、その役柄とマッチしていて、そのまま映画の世界の松重さんに恋することができました」と共演の感想を語った。
一方、平岩紙、江口のりことの女性3人でのシーンでは、小林は「撮影していて楽しかったです。あまり深刻なシーンではなく、ポンポン進むシーンだったので。これまでお二人と共演したことはあったのですが、友人という役ではなかったので、今回色々言い合うことができてとても楽しかったです」と答えると、平山監督も「3人のシーンはもう5分くらいは長く撮っても良かったですね。この3人の絡みの芝居はずっと聞いていたかったですね」と楽し気に撮影を振り返った。
松重と小林が一緒に食事をとるシーンについて、平山監督は「二人で一緒にご飯を食べるシーンがあるんですが、松重さんには『番組間違えないでね』と伝えました」と答え、会場の笑いを誘った。
そんな中、映画の中で主人公の芙美が、隕石とぶつかるという1億分の1の確率の奇跡に遭遇するが、そんな奇跡にちなみ❝おみくじ❞を引いて3人は運試しをすることに。斎藤が念を送るなか、それぞれおみくじを引くと、平山監督が❝末吉❞を引き「あまり大きな願い事をするな、分相応の身近なことをしっかりやりなさいということなので、この映画の内容と一緒なので良かったです」とコメント。続いて斎藤は❝大吉❞を引き、金運が高まっていると聞き「イエーイ」と小躍りして喜んだ。。最後に小林は❝末吉❞を引き、つまづきやすくなる兆し、というおみくじに対し、「つまづきがあるからこそ達成した時の喜びがあるわけで。この映画も、私のパワーより、汰鷹君のパワーで引っ張ってもらって、私は後から巻き返そうと思います」と主人公の芙美同様に前向きな一面をみせた。
最後に映画の公開を楽しみに待つファンへ、平山監督が「力を入れてみる力作や問題作もありますが、この作品は今日のようなポカポかした天気の日に観てもらうのにちょうどいい映画だともいます。」とアピールし、斎藤が「僕が演じた役は、元気だけどいろんなことを考えてたりする役です。芙美ちゃんとの楽しい会話が見どころなので、みなさん是非観てください」と呼びかけ、小林が「派手な出来事があったり、すごいアクションがある映画ではありませんが、皆さんが映画館でスクリーンに向かっているその時間は、みなさんにとっていい時間になるような映画になったと思うので、ぜひ時間をつくって、映画館のスクリーンで観てほしいです」と締めくくり、終始和やかな雰囲気に包まれた大ヒット祈願&完成報告イベントは幕を閉じた。
『ツユクサ』
【STPRY】
とある小さな田舎町で暮らす芙美。気の合う職場の友人たちとほっこり時間を過ごしたり、うんと年の離れた親友の少年と遊びに出かけたり、ある日、隕石に遭遇するというあり得ない出来事を経験したり。そんなふうに日々の生活を楽しく送るなかで、ときおり見え隠れする芙美の哀しみ。彼女がひとりで暮らしていることには理由があって、その理由には“ある哀しみ”があって、そして草笛をきっかけに出会った男性と恋の予感も訪れて……。
出演:小林聡美 平岩紙 斎藤汰鷹 江口のりこ 桃月庵白酒 水間ロン 鈴木聖奈 瀧川鯉昇
渋川清彦 / 泉谷しげる / ベンガル 松重豊
監督:平山秀幸 脚本:安倍照雄
音楽:安川午朗
主題歌:中山千夏「あなたの心に」(ビクターエンタテインメント)
配給:東京テアトル クレジット :©2022「ツユクサ」製作委員会
公式サイト: tsuyukusa-movie.jp
公式ツイッター: tsuyukusa_movie
2020年4月29日(金・祝)より全国公開
(オフィシャル・レポートより)


■『さよならくちびる』でのふたりの演技に「もう一歩先に進んでもいいのではないか」

■コロナ下で考えた、人間が生きる意味

■振り回される由希は、徹底的に強い人物

■ふたつの眼差しの物語
――――眼差しの強さ、セリフの強さに圧倒されました。一度決めたことに揺らぎがないという精神面での強さですね。

■向井秀徳に託した、社会に対する情念の音楽
(2020年3月11日(水)大阪にて)
身につまされながらも清流のような優しさに癒される至福の映画
島根県西部の石見地方を中国山地から日本海へ流れる「ダムが一つもない一級河川・高津川」を舞台にした映画『高津川』が、2年間の公開延期を経て2月11日(金・祝)よりようやく公開される。中国地方では2019年11月から翌年の3月までロングランヒットを飛ばした作品の満を持しての全国公開となる。
高津川の清流沿いの豊かな自然の恩恵を受けながら、地元の産業や伝統芸能を大切に守り、そして継承しようとする人々の想いを、柔らかなタッチの映像とストレートに心に響く言葉で綴られている。今どきこれほど激しく共感できる映画も珍しい。「親心、子知らず」と言われるが、まさに我がことのように身につまされ、改めて故郷への想いがつのり心苦しいほど胸を打つ感動作なのである。
本作を手掛けたのは、『渾身 KON-SHIN』(13)、『RAILWAYS-49歳で電車の運転手になった男の物語-』(10)や『白い船』(02)など、自身の出身地・島根県を舞台にした作品が多い錦織良成監督。本作では、「古事記」や「日本書紀」などの神話の郷でもある出雲の国の今を、自然の美しさや歌舞伎の源流ともいわれる伝統文化「神楽 KAGURA 舞」などを盛り込みながら、希薄になりがちな人と人との繋がりを今一度取り戻すことに成功している。
この錦織監督インタビューは、2020年3月に、翌月からの公開を前に大阪市内にある島根ビル内で行われた。「コロナ禍は今ここにある危機、『高津川』は20年後の危機。高齢化が進む地方を舞台にした映画ですが、カテゴリーに拘らず、若い人にも観てほしい。そして皆さんに考えて頂きたい。」と本作にかける熱い想いを語った。
■「親の心、子知らず」、改めて親の心情に触れて、愛されていた自分の至福に気付いて、情けないほど心がかき乱されてしまいましたが――?
地方で生まれ育った若者は、そのまま地元に残る者は少なく、都会へ出て行く者の方が多い。次第に高齢化が進み、先祖伝来の山野や田畑の維持も難しくなりつつある。子供の希望を大事にするあまり、子供に家を継がせたくても言い出せない親。子供の幸せを一番に願う年老いた親の背中がいつの間にか小さくなっていく。進学のため苦労して仕送りし、生活の足しにと愛情いっぱい詰まった物資を送る。でも、卒業したらいつの間にか帰ってこなくなり疎遠になってしまい…「親はつまらん」とこぼしながらも、常に子供のことを心配する親。
そんな親の想いを感じて、たまには田舎に帰ろうかなとか、親に電話してみようかなとか、田舎の家を修理しようかななどと、少しでも思って頂ければ、それだけで嬉しいです。
■今回島根の独自性を盛り込みながら家族愛を描いておられますが、地方を舞台にした映画を撮る事について――?
よく「島根の映画を撮っている人」とか言われます(笑)。島根は「古事記」や「日本書紀」などの伝説の郷として知られていますが、映画は表現のためのコンテンツなので、誰かのためとか宣伝目的で作るものではなく、あるテーマを表現している作品でなければならないと思っています。島根で開催している映画塾でも、「本当に島根のための映画を撮りたいのなら、先入観を壊すような、人の心を動かすような映画を撮るべき」と教えています。YouTubeの時代だからこそ、フィルム撮影でしか出せないものを、じっくり時間をかけて、奇をてらわずふりきって撮りました。若い人も含めて映画の良さを再認識して頂くためにも、是非映画館で観てほしいです。
■ストレートなセリフに心を鷲掴みされました。特に甲本雅裕さんと高橋長英さんのシーンに一番泣かされましたが――?
俳優さんたちにも「大丈夫かな?クサくならない?」と確認しながら脚本を書いてました(笑)。甲本さんには7本の作品に出てもらっていて、10年前に「いつか主役で撮りたいね」と言っていたので、今回は甲本さんあてがきにしました。寡黙な父親役ですが、台本変えなくてもキャラクターを理解して演じられるのも甲本さんの才能。高橋さんも3本目ですが、さすがにベテランの妙です。奈良岡朋子さんには、『RAILWAYS - 49歳で電車の運転手になった男の物語 -』(2010年)に出てもらった時、「今後も全部の作品に出るわ」と仰って頂いて、今回実年齢(91歳)より20歳も若い郷土料理が上手なおばあちゃん役を自然体で演じて下さいました。
■演出について?
今さら言うことではないのですが、俳優さんは皆さん素晴らしいので、俳優さんたちの力を引き出すのが僕の仕事だと思っています。才能以上のものを出してもらうための現場作りをするのが監督の役目です。今回は地味なタイトルで勝負しておりますが、WEBなどでいくら便利な世の中になっても、最後はアナログというか、直接心に響くものが伝わると信じて演出しています。
■原作・脚本・監督:錦織良成 音楽:瀬川英史
■出演:甲本雅裕、戸田菜穂、大野いと、田口浩正、高橋長英、奈良岡朋子
■2020年 日本 1時間53分
■配給: ギグリーボックス
■© 2019「高津川」製作委員会 ALL Rights Reserved.
■公式サイト:https://takatsugawa-movie.jp/
2022年2月11日(金)~梅田ブルク7、2月25日(金)~京都シネマ ほか全国順次公開
(河田 真喜子)