「AI」と一致するもの

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「一番苦労したのは、自然の美しさをそのまま伝えること」沈黙の中、圧倒的な映像美を体感するジョージア映画『泉の少女ナーメ』@TIFF2017
登壇ゲスト:ザザ・ハルヴァシ(監督/脚本)、マリスカ・ディアサミゼ(女優)、スルハン・トゥルマニゼ(プロデューサー)
 
10月25日より開催中の第30回東京国際映画祭でコンペティション部門作品として出品されているジョージア、リトアニア合作の『泉の少女ナーメ』。ジョージアに伝わる神話を基にした静謐な作品は、まさに息を呑む美しさを放ち、オープニングの川の流れが岩にあたって弾けるような水の音から、映画の幻想的な世界に誘われる。この大自然の中、どんな言葉もいらないと思えるほどの映像美と、そこで語られる癒しの泉を守ってきた一家の物語は、これぞ映画だという静かな感動を呼ぶのだ。
 
29日行われたワールドプレミア上映後、ザザ・ハルヴァシ監督、主演ナーメを演じたマリスカ・ディアサミゼさん、スルハン・トゥルマニゼプロデューサーが登壇してのQ&Aが行われた。
 
 
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会場で一緒にワールドプレミア上映を観た後、感動の面持ちでマイクを持ったハルヴァシ監督は、「私の映画をご覧になっていただきありがとうございました。私の映画は楽しめる類の映画ではありませんが、最後まで我慢していただきありがとうございます。ストーリーを静けさの中でお伝えしたかった。私が強調したかったのは、映画の中の細かいニュアンスなので、沈黙の中で集中してもらうことが必要でした。これだけ集中して聞いて下さる観客は滅多にいません」と観客に感謝の意を表しながら、セリフや音楽を極限まで排除した本作の狙いについて明かした。その少ない台詞は聖書によるものだとし、「シンプルな聖書の哲学、つまり“昼であり、夜がある”というシンプルな台詞を使いました」。
ヒロインのナーメを演じたディアサミゼさんは、「東京の映画祭に参加することができ、とても光栄。子どもの頃からの夢が叶いました」と喜びを表現。同じく、トゥルマニゼプロデューサーもプログラミングディレクターに感謝の言葉を添えた。
 
泉を守る家族のファンタジーのような物語である本作。その発想の源には、ジョージアのように黒海沿いに住んでいる人の間で語り継がれてきた神話があったとし、「大昔、水で人々の傷や心を癒す少女がいたが、彼女は普通の人間になりたかった。そこで自発的に自分の力を拒否し、癒す力の根源となる魚を開放し、魚も自然に戻り、少女も人間に戻るという神話をモチーフに、フィクションの部分を加えた」と自然の中で育まれる静かなストーリーの原点を明かした。
 
「スクリプトより映像で意味を伝えるのが好き」と語るハルヴァシ監督。「映画は私にとって映像の芸術であり、言葉の芸術ではありません。今回は映像で伝えるのが少し難しい場面では、『母が亡くなったので、ナーメが癒し手の後を継ぐ』という台詞を父親に語らせ、母親の不在を明らかにしています。また、ロケーションとなった南ジョージアのアジャラ地方は、そこだけがイスラム教とキリスト教が共存する場所なのです。作品中でもナーメの兄たち、イスラム教、キリスト教、無宗教の三兄弟が祖国に乾杯をします。宗教が違うにも関わらず皆がこの国の人間であることを示しています」と映画の中での設定や台詞についての質問に答えた。
 
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台詞がほとんどない中、佇まいや視線、表情、顔の傾きなどで、父の後を継ぎ、泉の水を使って人々を治癒する“癒し手”の跡継ぎをするナーメを演じたディアサミゼさんは、撮影の様子を振り返り、「行動の裏にどんなモチーフがあるか理解しようとしました。理解をした後は、監督と相談し、自分のキャラクターがどういう風に感情を伝えるか、全てのシーンを撮る前に必ず相談した上で演じていました」と、常に監督と議論しながらナーゼ像を作り上げたそうだ。
 
自然の美しさを見事に捉えるための思わぬ苦労にも話が及んだ。霞が多い場所で撮影していたにもかかわらず、撮影時には霞が消えてしまい、首都からスタッフを呼び寄せて人工的な霞を発生させることもあったという。ハルヴァシ監督は続けて「自然の美しさをそのまま伝えるのが一番苦労したところです。ナーメが霞の中で消えていくラストは、自然の霞の中で生まれたシーンで、とても美しく撮れました。現実が詩を作ったといってもいいのではないかと思います」と観客も魅了した名シーンのエピソードを披露。一方、寒さが大変だったというディアサミゼさんも、「自然を見て、自分の肌で感じたので、自然の中で生きているナーメを演じることが、逆に簡単になりました」。最後に、リトアニアの映画センターからの支援が映画作りに大きく貢献したことを付け加えてQ&Aを終了した。
 
 
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台詞や音楽で物語を伝える映画とは対極にあるグルジア=リトアニア合作映画。大自然で起きる様々な出来事の前に、観ている私たちも静かに、いい緊張感を持ちながら、映画の力を堪能できる必見作だ。(江口由美)
 

<作品情報>
『泉の少女ナーメ』(2017年 91分 ジョージア/リトアニア)
監督:ザザ・ハルヴァシ
出演:マリスカ・ディアサミゼ、アレコ・アバシゼ、エドナル・ボルクヴァゼ、ラマズ・ボルクヴァゼ、ロイン・スルマニゼ
 
第30回東京国際映画祭は11月3日(金)までTOHOシネマズ六本木ヒルズ、EXシアター六本木他で開催中。
第30回東京国際映画祭公式サイトはコチラ

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「自分が信じる映画ぐらいは自由に映画を作らせてほしい」大林作品の精神を語る。『花筐/HANAGATAMI』Q&A@TIFF2017
登壇者:大林宣彦監督、窪塚俊介、長塚圭史、矢作穂香、山崎紘菜、常盤貴子、村田雄浩、岡本太陽  
 
10月25日より開催中の第30回東京国際映画祭でJapan Now部門作品として出品されている大林宣彦監督の『花筐/HANAGATAMI』。壇一雄の『花筐』を原作とした脚本をデビュー以前に書き上げていたという大林監督が、40年の時を経て、佐賀県唐津市を舞台に満を持して映画化した。太平洋戦争勃発前後を生きる若者たちの凄まじい青春群像劇は、戦争を体験した大林監督から戦争を知らない若者たちへの情熱に満ちたメッセージにも映る。
 
28日に行われた上映後のQ&Aでは、大林監督をはじめ、窪塚俊介、長塚圭史、矢作穂香、山崎紘菜、常盤貴子、村田雄浩、岡本太陽らキャストが登壇し、満席の会場が大きな拍手に包まれた。40年経った今、映画化した理由について語り始めた大林監督は、「40年前はこういう映画を撮っても、誰も興味を持ってくれませんでした。日本中、高度経済成長期が訪れ、物とカネが豊かになればそれでいいと思っていました。戦争などなかったことになって、日本人は皆、平和難民になっていた。僕達昭和15年生まれ、寺山修司からミッキー・カーチスの時代は軍国少年だったものですから、戦争が終わって殺してくれるものだと思っていたら、誰も殺してくれない。大人たちはみんな『平和だ!』と言って、ヤミ米を担いで騒ぎ出し、敗戦後の日本の大人が一番信じられなかった敗戦孤児の時代なのです。しかし、私たちは最初に日本の平和を作らなければいけないと、皆、今まで誰もやらなかったことをやりながら生きてきた。
映画においてもそうで、大先輩たちは商業用の35ミリでお撮りになるわけです。私は戦争中一番弱者だった庶民、映画でいえばアマチュアの8ミリで妻や、妹や、戦争に行った叔父を撮ったキャメラで始めました。山田洋次さんは黒澤監督や小津監督と同じく松竹でプロフェッショナルな映画をお作りになっています。私は一生アマチュアとして、弱者の立場から、自分の個人史や日記のような映画を作ってきました。映画監督ではなく映画作家という名目でいさせていただくのが私の正体です。ここに集まっていただいているのは、プロでありながら、プロのアマチュアごっこを自由な精神で楽しもうと面白がってくださる俳優さんたちです」
と一気に思いを明かした後、会場に駆け付けた映画をサポートしてくれた唐津市の皆さんやエグゼクティブプロデューサーの恭子さんらを紹介し、客席から大きな拍手が送られた。
 
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前作の『野のなななのか』に続いての出演で、昨今の大林映画のマドンナと紹介された常盤貴子は、「原作は短編なのに、大林監督の脳内フィルターを通すと、純文学でここまで広がるんだ。純文学って幅広いなと思いました。完成した作品を観ると、なんてやんちゃな監督なんだと思って。こんなに自由に広げる監督なんて世界にいたのかなと思うぐらい。自由でやんちゃで好き放題なのに感激しました。映画の可能性を広げていただきました」と驚きの表情を見せた。
 
物語の語り部の役目を果たし、戦争で最後まで生き残った俊彦を演じた窪塚俊介は、「俊彦は16歳ですが、僕は35歳ですから、キャスティングにも自由度がこんなにもあるのかと。最初お話をいただいた時には戸惑いましたが、長塚圭史さんも同級生で参加して下さるということで、勇気が湧きました」と話をふると、長塚が「40歳を過ぎて、あんな(高校生の)役をできるとは思わなかった」と苦笑いする一幕も。「全シーン通して、緊張感がこれだけ漂うというのは、この時代大林監督を通じて表現される時代を知らないし、正直今後、こんな緊張感の中で生きていきたくないと改めて思いました」と窪塚が映画の感想をしみじみと語った。それを受けて、大林監督は、「(戦前は)戦争ごっこが一番楽しい遊び。平和ごっこをしたら犯罪人でした。でもどこかこの遊びは不自由だな。やって褒められることと怒られることがあると思っていました。自由に遊ぶのが子どもの証ですから、戦争が終わった後、自分が平和に役立つのなら、自分が信じる映画ぐらいは自由に映画を作らせてほしい。そう思って映画を作らせていただきました。その結果ぶれずに、敗戦後の少年を描いてきましたが、どうもそういう映画がまた作れなくなるのではないかと怯えております。3年後にこの映画を作れるだろうか。今こそ自由の尊さを表現したのが、この作品です」と自由が失われる風潮に警鐘を鳴らした。
 
本作が大林監督作初出演となる新星、矢作穂香は、死に至る病を患った美那を演じている。撮影前に監督から役作りとして5キロの減量を指示されたエピソードを披露。「初めて見た時は何がなんだかよく分からなくて、理解するのに時間がかかりました。3、4回目となって色々な魅力が出てきたので、何度見ても色々な楽しみ方ができる映画だと思います」と感想を明かした。美那が仲良くなる女子高生を演じた山崎紘菜は、「戦争に巻き込まれていく女の子ですが、この映画に参加させていただき、若者の青春はこんなに眩しく美しく儚いものであることを学びました。今青春を謳歌している若い人にこそ見ていただき、次の世代に伝えてほしい」と観客にアピール。加えて、大林監督は山崎が演じた役について「戦争で生き残ったけれど忘れ去られた。(日本人は)平和難民になってしまったから戦争の事を忘れさせられている。こういう人があなたのおじいちゃん、おばあちゃんなんだよという気持ちでした。戦争を知らない若い人に向けて作った映画で、あなた(山崎紘菜)が一生懸命考えてくれたことが一番いいこと。自分で何をやったかは忘れているけれど、実感としてあることを描いています。音楽と同じように感じられる、みなさんが実感を持って観て下されば、私としてはとてもうれしい」と若いキャスト二人の素直な感想が大林監督の胸に響いた様子だった。
 
独特の感性と世捨て人のような雰囲気を持つ高校生、吉良を演じた長塚圭史は、「10代の若者を演じているけれど、どこか40歳を過ぎている自分が、彼より幼い気がして申し訳ない気持ちで立ち向かっていました。吉良を演じる時には、炎のようなスイッチを押さなければならない。『決着をつける』という吉良に乗っかる。押されるように『こうやって戦争が起こるのか』という台詞に出てくる状態でした」と、作品の鍵になる台詞を言った心境を語った。大林監督がさらに「現場ではほとんどテストをせず、俳優さん任せで演じていただきます。吉良がベッドで立ち上がった時に、『戦争ってこうやって起きるんだ』と、ふと浮かんだので、すぐに長塚さんに台詞を言ってもらいました。吉良の役に憧れたのが、素人の三島由紀夫さんで、『花筐』の吉良に憧れて、僕も小説家になると決意をしたのです」と三島由紀夫のエピソードまで披露した。
 
出征していく山内教授を演じた村田雄浩は、「本当にうれしかったのは、映画の中で撮られながら坊主になる感覚を味わったこと。服だけでなく、皮膚も脱ぐような気分。こういう歴史になっていってはいけないという象徴でいさせてくれたことに、とても感謝しています。忘れられないワンシーン。あれ一つで凄いことを表現したのではないか」と、自分のシーンを振り返った。大林監督にとっても思い入れのある役だったそうで、「村田さんの役が演出をしていて一番面白かった。最初は学生たちから嫌われる敵役のような先生。原作でもそう描かれており、ややそちらに傾きかけていたけれど、出来上がってみたら一番かわいそうな人になっていました。『生きていたら、また会おうね』という表情は、思いもよらないものになっていました」と想定した以上に豊かになった役をしみじみと振り返った。
最後に常盤演じる未亡人の戦死した夫を演じた岡本太陽は、「唐津出身なので、唐津でこの映画を撮れたことが、とても光栄だと思います。チェロが僕のセリフでした」と演技未体験ながら抜擢された気持ちを明かした。
 
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最後に私はアマチュアですから他の人がやらないことをと前置きをして、観客の写真撮影を解禁した大林監督。「世界的に、俳優さんに年齢を聞くと『私は18歳から80歳です』と、自分が演じられる年齢を答えます。これが本来の姿なのです。日本はお母さん役を一度やると、二度と娘役はイヤだということになりますが、十何歳でおばあちゃん役をすれば、もっと上でもバージンの役もできるというのが演技の世界です。『花筐』もかつて青春を経験したことのあるベテランの青年たちですから、痛みや悲しみが十分に表現できた。いい演技をしてくれました。窪塚君は、16歳を演じながら、心の中は35歳の青年の思考を持ってほしいと難しい注文を出しました。多分観客の皆さんは、窪塚君の役を見ながら、二通りの役を見てくださったと思います。私にとっては最高の俳優陣でした」と語り、締めの言葉を常盤に託した。
常盤は「『野のなななのか』を最近観ると、最初分からなかった部分でも時間が経つことで、涙が出てしまうシーンになりました。この映画も5年後、10年後とどんどん変わってくると思うので、その都度皆さんの人生の中で見ていただけたらと思います」と挨拶し、永遠に生き続け、自由の尊さを訴える映画になる手ごたえを見せた。12月16日(土)より有楽町スバル座他にて全国順次公開される大林宣彦監督最新作。あっと驚かせるような自由で、強度のある映像と、そこに込められた強い思い。そして、生の力強さをスクリーンいっぱいに体現する唐津くんち。大林監督がぶれずに訴え続けてきた魂をつかみ取ってほしい。
(江口由美)

『花筐/HANAGATAMI』
(2017年 日本 169分)
監督:大林宣彦
出演:窪塚俊介、長塚圭史、満島真之介、柄本時生、矢作穂香、門脇麦、山崎紘菜、常盤貴子、村田雄浩
2017年12月16日(土)より有楽町スバル座ほか全国順次公開
配給:新日本映画社
(C) 唐津映画製作委員会/PSC 2017
第30回東京国際映画祭は11月3日(金)までTOHOシネマズ六本木ヒルズ、EXシアター六本木他で開催中。
 
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saiki-bu-550.jpg山﨑賢人「みんなが笑ってハッピーになれる作品です!」
『斉木楠雄のΨ難』大阪舞台挨拶


<舞台挨拶概要>
日時:10月22日(日)10:00~10:20
場所:大阪ステーションシティシネマスクリーン1
登壇者:山﨑賢人、橋本環奈、福田雄一監督



週刊少年ジャンプで大人気連載中の漫画『斉木楠雄のΨ難』。福田雄一が脚本・監督を務め、主演の斉木楠雄にはコメディ初主演となる山﨑賢人。斉木に想いを寄せる美女、照橋心美に橋本環奈。更に、今を時めく最旬キャストから超実力派、福田組の常連キャストまで、第一線で大活躍する豪華キャストが集結!


saiki-550.jpgとにかく本気でフザけることを突き詰めた、恋、友情、そして超能力が吹き荒れる、超エンタテインメントが10月21日(土)に全国公開いたしました! 大ヒットを記念いたしまして、10月22日(日)、大阪ステーションシティシネマにて舞台挨拶付上映会が実施されました。熱気に包まれた会場の中、山﨑賢人さん、橋本環奈さん、福田雄一監督が登壇すると大歓声が沸きあがりました。


saiki-bu-yamasaki-240.jpgまず山﨑さんより「今日は大阪に来られて嬉しく思います!(上映後の舞台挨拶ということで)皆さんに早く見ていただきたかったです。どうでしたでしょうか!?」と客席に問いかけると、大きな拍手が沸き起こりました。続けて橋本さんが「皆さんこんにちは!早速皆さんに見ていただけて嬉しいです。本当にありがとうございます!」、福田監督が「本日はお足元の悪い中こんなにたくさんのお客さんに来ていただけて嬉しいです!今日はよろしくお願いします!」とご挨拶。


MCより、大阪に来たら絶対食べるものや、大阪で行きたいところを聞かれると、山﨑さんは「昨日大阪で焼き鳥を食べました。めっちゃおいしかったです!」と満面の笑みの回答。福田監督からは「俺絶対551(蓬莱の豚まん)食べる!」と言うと、山﨑さんはなんと、「カレーですか?」と一言。橋本さんと福田監督から同時に「カレー!?」という大きなツッコミを受け、会場は大爆笑に包まれました。慌てた山﨑さんが「違う!豚まんだ!」と言い直すキュートな一面も。その後も3人の口から「たこ焼き!」「いか焼き!」と、次々に大阪名物が挙げられました。


saiki-bu-kanna-240.jpg山﨑さんは今回がコメディ映画初主演。演じられた感想を聞かれ、「本当に福田監督の作品が大好きなので、今回お話をいただいて本当に嬉しかったです。」と答えられました。一方橋本さんは2度目の福田監督作品。今回も劇中でさまざまな表情を見せていることについて触れられると、橋本さんは「実は私だけまだ映画を見れていなくて…どういう感じになっていたでしょうか!?」と客席に問いかけると、「可愛かった!!」や「おっふ」といった映画にちなんだ感想が飛び交いました。


saiki-fukuda-240.jpgMCより『斉木楠男のΨ難』を映画化するにあたり、主人公は是非山﨑さんに!と、福田監督が熱烈オファーをされたことについて理由を尋ねられると、福田監督は「実は最初嫁から山﨑くんの良さを教えてもらったんです。そんなときに斉木楠雄のビジュアルを見たら、賢人君だ!って思いましたね。」と当時を振り返り、その時点で山﨑さんのスケジュールがかなり埋まっていたものの、別の方は考えられないということで、2年以上待ったという裏エピソードも披露されました。


最後に山﨑さんから「みんなが笑ってハッピーになれる作品だと思います。それがどんどん広まって世界中が平和になればいいなと思います!大阪の皆さん、ぜひ太鼓判をお願いします!」」と力強くご挨拶。続けて橋本さんから「本当に楽しすぎる現場だったので、その楽しさが見ている方にも伝わる映画だと思います。是非他の方にも広めていただけたらいいなと思います。」とアピール。


そして福田監督から「何一つ感動のない、涙もない映画だと思いますが(笑)、こういう笑えるだけの映画があると日本も平和だなと思えるし、これからもこういう映画を作れる機会が増えると嬉しいなと思います。よろしくお願いします!」とご挨拶をし、終始爆笑に包まれた舞台挨拶が終了しました。
 


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映画『斉木楠雄のΨ難』は、大阪ステーションシティシネマ他にて大ヒット上映中です。


出演:山﨑賢人 橋本環奈 新井浩文 吉沢亮 笠原秀幸/賀来賢人 ムロツヨシ 佐藤二朗 内田有紀 田辺誠一
原作:「斉木楠雄のΨ難」麻生周一(集英社「週刊少年ジャンプ」連載)
脚本・監督:福田雄一 音楽:瀬川英史

主題歌:ゆず「恋、弾けました。」(セーニャ・アンド・カンパニー)
制作プロダクション:プラスディー

配給:ソニー・ピクチャーズ エンタテインメント=アスミック・エース
(C)麻生周一/集英社・2017映画「斉木楠雄のΨ難」製作委員会
公式サイト⇒ http://saikikusuo-movie.jp/


(オフィシャル・レポートより) 

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《京都国際映画祭2017》

~映画もアートもその他もぜんぶ~

NON STYLE登壇!井上がノーベル賞詩人の逃亡劇に共感⁉
 

 『NO』『ジャッキー/ファーストレディ 最後の使命』を手掛けたチリ出身のパブロ・ラライン監督が祖国の英雄、パブロ・ネルーダの半生を描いた『ネルーダ 大いなる愛の逃亡者』が、11月11日(土)より新宿シネマカリテ、YEBISU GARDEN CINEMA他にて全国ロードショーとなります。

この度、10月12日より開催中の京都国際映画祭2017にて特別招待作品として上映、NON STYLEのお二人が登壇するトークイベントが開催されました。


<イベント概要>

日時:10月13日(金) 10:00~場所:TOHOシネマズ二条
登壇者:NON STYLE 石田明、井上裕介  
司会:ロバータ


只今開催中の「京都国際映画祭2107」、2日目となる13日(金)に特別招待作品『ネルーダ 大いなる愛の逃亡者』が上映、上映前にNONSTYLE 石田明、井上裕介登壇のトークイベントが行われた。

MCロバータの呼び込みで盛大な拍手とともにNONSTYLEの石田明、井上裕介の二人が元気に登場!本作を見てお二人は詩が素敵、見ていて勉強になるので授業的な感じでも見られる、と映画を絶賛。

そして本イベントの登壇に抜擢された理由に関して、石田は、「司会のロバータさんはネルーダと名前が似てるからだよね。私、石田は大いなる愛、そして井上さんは逃亡者キャスティングですね。」と井上の昨年の井上の自動車事故に関して触れ、場を沸かせた。

また、本作の主人公ネルーダが政治家であり、ノーベル賞をも受賞した詩人であったことから、「日本でいうなら小泉純一郎や浜田幸一」とネルーダの多才さを讃えた。

SNSなどで愛の詩を投稿していた井上は、詩を学生時代から女性に送っていたそうだが、石田が「君は僕の単三電池です。だっけ?」と聞いたところ、井上は「バッテリーあんまり持たへんやんけ!」とNON STYLEお得意の井上イジリが炸裂。

喜劇もこなす主演のルイス・ニェッコをチリのビートたけしと多才さを例え、一方、執筆業もこなす石田に対して、自分の作品に主演してほしい人が誰か聞くと、真っ先に出た名前が、画になる男であるという理由で井上だった。それを聞いて井上は「ありがとうございます。吉本興業のキムタクです」とおどける。

サブタイトルの「大いなる愛の逃亡者」であることから、逃亡されたことはあるか、と井上に聞くと、電光石火の如く「なんやその質問!?」と昨年の事故のイジリに対して突っ込みを入れ、石田はネルーダにかけて「ニゲータ(逃げた)さん」と井上に対して愛称で呼び、会場は爆笑の渦に包まれた。井上は最後に事故のことを「気付かなかっただけなんです」と付け足して、イベントが終了となった。


neruda-main-550.jpg『ネルーダ 大いなる愛の逃亡者』

<STORY>
1948年、冷戦の影響はチリにも及び、上院議員で共産党員のパブロ・ネルーダ(ルイス・ニェッコ)の元にも共産党が非合法の扱いを受けるとの報告がきた。ネルーダは上院議会で政府を非難し、ビデラ大統領から弾劾されてしまう。大統領は警察官ペルショノー(ガエル・ガルシア・ベルナル)にネルーダの逮捕を命じ、ネルーダの危険な逃亡劇が始まる―。


監督:パブロ・ラライン『ジャッキー/ファーストレディ 最後の使命』  
脚本:ギレルモ・カルデロン 
出演:ルイス・ニェッコ、メルセデス・モラーン、ガエル・ガルシア・ベルナル 他
原題:NERUDA
2016/チリ・アルゼンチン・フランス・スペイン/スペイン語/108分/カラー/シネマスコープ/5.1ch
日本語字幕:石井美智子/字幕監修:野谷文昭 
配給:東北新社 STAR CHANNEL MOVIES
 ⒸFabula, FunnyBalloons, AZ Films, Setembro Cine, WilliesMovies, A.I.E. Santiago de Chile, 2016  

公式サイト⇒ http://neruda-movie.jp/


2017年11月11日(土)~新宿シネマカリテ、YEBISU GARDEN CINEMA 、
12月9日(土)~シネ・リーブル梅田、以降京都シネマにて順次ロードショー!


(オフィシャル・レポートより)

narataju-butai2-550.jpg映画『ナラタージュ』10.8大ヒット御礼大阪舞台挨拶

登壇者: 有村架純、坂口健太郎、行定勲監督

 


2006年版「この恋愛小説がすごい!」1位に輝いた、島本理生原作の恋愛小説「ナラタージュ」を嵐・松本潤主演、ヒロインに有村架純、共演に坂口健太郎を迎え、恋愛映画の名手・行定勲監督(『世界の中心で、愛をさけぶ』)がメガホンを取り映画化、10月7日(土)に全国公開いたしました。

narataju-500-main.jpg大ヒットを記念いたしまして、10月8日(日)、TOHOシネマズ梅田にて大ヒット御礼舞台挨拶付試写会が実施されました。本編上映後の舞台挨拶ということで、映画の余韻に包まれた会場に有村架純さん、坂口健太郎さん、行定勲監督が登壇すると大歓声が沸きあがりました。


narataju-butai2-arimura-240.jpgまずは有村架純さんから「こんにちは!泉を演じました有村架純です。地元の関西で舞台挨拶ができて嬉しいです!」とご挨拶。

続けて坂口健太郎さんから「こんにちは!おおきに!小野玲二役を演じました坂口健太郎です。温かい声援をいただいてほんまに嬉しいです。」と関西弁でご挨拶すると、お客さんから「おおきにー!」「大好きー!」と次々に返事がきました。

更に行定監督も第一声に「おおきに!(笑)」とご挨拶し「今日は映画館に足を運んでいただいてこの映画を選んでいただき嬉しいです。楽しめましたでしょうか?」と言うと客席から温かな拍手が沸き起こりました。


映画について、MCより「有村さんは『工藤泉』という女性を演じてみていかがでしたか?」と聞かれると「しんどかったし、苦しかったですけど、愛おしい時間でもありました。」と答えました。次に「坂口さんは今回の役を演じてみていかがでしたか?」と聞かれると「僕は少し小野君の気持ちが分かる気がしました。何度も何度も台本を読んでるうちにすごく救いたくなるような印象でした。」と答えました。

narataju-butai2-yukisada-240.jpgそんな二人のシーンはどのように撮影を進められたか聞かれると、行定監督は「坂口君はのびのびとポテンシャルが高くて、架純ちゃんは芯が強く信頼度の高い芝居をしてくれたので、将来楽しみだなと思うし、一緒にやってて楽しかったです!」と答えました。


有村さんと坂口さんは過去に共演経験もあることから普段から仲が良い話になり、坂口さんの印象を聞かれると有村さんは「一見無口そうに見えるけど、すごくひょうきんで陽気で楽しい人。」と言うと坂口さんは満足げな表情で頷きました。一方有村さんの印象を聞かれると坂口さんは「監督もおっしゃっていましたが芯がある。でもはかなげにも健気にも見えるから、本当の架純ちゃんはまだ未知数なところがある。」と答えました。


narataju-butai2-sakaguchi-240.jpgMCより関西の印象を聞かれると坂口さんは「楽しい!こういう舞台挨拶などでお伺いすると温かく迎え入れてくれるような印象。」と好印象を口にしました。

一方有村さんは関西の出身であることからMCより「帰ってこられていかがですか?」と尋ねられると「ホームって感じがします!関西弁で喋ろうと思ったらいくらでも喋れるんですけど…」と標準語から関西のイントネーションに変わると、客席から「可愛いー!!」の声が飛び出しました。


そしてマスコミ向けのフォトセッションに移ると、客席からは次々に「架純ちゃーん!」「健ちゃーん!」の声に交じって「監督―!」と次々に呼びかけられ大盛り上がり!


narataju-500-2.jpg最後に有村さんから「皆さん本当に温かく迎え入れてくれてありがとうございます。今後この映画がたくさんの方に届くように祈っています。」

坂口さんから「この作品は人間の綺麗なところだけでなく、苦しみだったり悲しみだったり、そういうところも正直に描いた作品だと思います。見た方それぞれ受け取り方が変わる作品だと思うので、『ナラタージュ』の話を皆さんでしていただけると嬉しいです。」

行定監督から「この作品は10年以上かけて企画をした作品で、松本君、架純ちゃん、坂口君が揃わなかったらできなかった作品だと思います。なので10年以上かけて本当によかったと思います。この映画が大ヒットするように、是非とも口コミで広げていただけたらと思います。」とご挨拶をし、舞台挨拶は無事終了しました。



『ナラタージュ』は、TOHOシネマズ梅田他にて大ヒット上映中です。

■出演:松本潤、有村架純、坂口健太郎、大西礼芳、古舘佑太郎、神岡実希、駒木根隆介、金子大地、市川実日子、瀬戸康史
■監督:行定勲
■原作:島本理生(「ナラタージュ」角川文庫刊)
narataju-500-1.jpg■脚本:堀泉杏
■音楽:めいなCo.
■製作:「ナラタージュ」製作委員会
■制作プロダクション:東映東京撮影所制作
■協力:ザフール企画
■協力:KADOKAWA

■配給:東宝=アスミック・エース
■(C)2017「ナラタージュ」製作委員会
■公式サイト: http://www.narratage.com/


(オフィシャル・レポートより)

historica-pos.jpghistrica-9.27.jpg今年も魅せます!『第9回 京都ヒストリカ国際映画祭』


時代劇ファン待望の、世界で唯一の“歴史映画の祭典!”

 

今年も時代劇ファンのための《京都ヒストリカ国際映画祭》(京都文化博物館にて)の季節がやってきました。関西で開催される国際映画祭の中でも最も充実したラインナップを誇り、日本の名作を発信するとともに、世界中から集められた日本初上映の新作も紹介されます。

また、連携企画の人材育成プログラム〈京都フィルムメーカーズラボ〉も今年で9年目となり、世界各国から選抜された若手が京都の松竹や東映の撮影所で学んだ成果をこの映画祭で発表する〈カムバックサーモン・プロジェクト〉もあります。映画創成期から多くの時代劇が作られてきた映画の聖地・京都から羽ばたいた若手映画人の成長を目にすることができます。

 
historica-近松物語.jpg今年の目玉は、巨匠・溝口健二監督代表作『近松物語』の4Kデジタル復元版の日本初上映と、19世末にリュミエール社が世界中で撮影したフィルムの4Kデジタル復元版をドキュメンタリーとしてまとめた『リュミエール!』の関西初上映でしょう。

『近松物語』では、女優・香川京子氏をゲストに迎えてのトークショーが開催されます。また、『リュミエール!』では、その復元を行ったカンヌ国際映画祭総代表ティエリー・フレモー氏のスペシャルトークショーも予定されています。

 
個人的に嬉しいのは、今年も西部劇『レフティ・ブラウンのバラード』や、ハンガリー映画『キンチェム 奇跡の競走馬』ブルガリア映画『エネミーズ』などの日本初上映作品が観られることです。現段階では一般公開が未定の作品を観られる貴重な機会です。お見逃しなきように!!!

 


★公式サイト⇒ http://historica-kyoto.com/

★上映作品紹介⇒ http://historica-kyoto.com/films/

★スケジュール⇒ http://historica-kyoto.com/schedule/

★チケット⇒ http://historica-kyoto.com/ticket/



【ヒストリカ・スペシャル】

historica-リュミエール!.jpg鮮烈な再デビュー、世界のミゾグチと映画のはじまり!

日本映画=京都映画120年記念プログラム。
4Kデジタル技術で蘇った映像美に圧倒されながら、近松物語の革命的再構築の手腕に驚き、そして、仏・リュミエール兄弟の120年前の作品に、その後の映像表現がすでに内包していることに驚く、貴重なプログラム。


【ヒストリカ・ワールド】

歴史を舞台に作られた新作を世界から厳選!

世界の新作歴史映画から国境や文化を超えた物語パワーを持った映画を厳選。
民族・文化を謳うもの、現在では語れないメッセージを歴史に託したもの、モダンに語り直された伝統の物語。いずれも極上の歴史エンタメです。


【ヒストリカ・フォーカス】

ディスカバー加藤泰。世界映画史に憤怒と慈愛を刻む巨眼の人・加藤泰を再発見!

際立ったスタイルと原初の映画のような歓びに満ちたカッティング。
世界が再発見すべき加藤泰だけが持つ引力を様々な視点を持つゲストと提示します。
封建・任侠の中での愛を描いた傑作を全作英字幕付きで。


【ヒストリカ・ネクスト】

2017年の話題作!気鋭の監督たちの"新しい時代劇"への挑戦!

海外の映画祭で高い評価を受け、逆輸入で日本公開された異色の時代劇と、
時代劇専門チャンネル・日本映画専門チャンネルが三宅監督とタッグを組んで製作した意欲作を上映。
気鋭の監督たちが今までの時代劇にとらわれない制作スタイルで生み出した"新しい時代劇"を感じてください。


【特別招待作品】

historica-silk-500.jpg上海の映画シーンを代表するベテラン監督と、名作映画の原作を手がけるイタリア現代文学の重鎮をお招きします。
歴史映画の現在を感じていただける豪華なプログラムをお楽しみください。

『シルク』 SILK
『海の上のピアニスト』原作者小説を映画化仏と幕末日本で織りなされる愛の物語
http://historica-kyoto.com/films/s_screening/silk/

『上海キング』 Lord of Shanghai
上海王よ、永遠に 魔都・上海が憎しみの炎で燃え上がる。
http://historica-kyoto.com/films/s_screening/lord-of-shanghai/



★【『シルク』の原作者アレッサンドロ・バリッコ氏のスペシャルトーク開催】
 
 (
開催日:11月1日(水)14:30~映画『シルク』上映後、京都文化博物館にて)


『海の上のピアニスト』の原作者でもあるバリッコ氏は、音楽学者でもあり、小説家、脚本家、監督というマルチな才能を発揮するイタリアの著名な芸術家です。映画化へのプロセスや映画『シルク』についてお話を伺える大変貴重な機会となることでしょう。多くの方のご来場をお待ちしております。


〈アレッサンドロ・バリッコ〉
historica-baricco-240.jpg1958年トリノ生まれ。トリノ大学哲学科およびトリノ音楽院ピアノ科を卒業。音楽評論研究に従事し、1988年に2つの評論エッセイを発表。1991年、処女小説『怒りの城』を発表、カンピエッロ・セレツィオーネ賞(伊)とメディシス賞(仏)を受賞。1993年出版の『洋・海』はベストセラーとなり、27ヶ国語に翻訳された。

1994年、トリノにストーリーテリングとパフォーマンスアートの学校「スクオラ・ホールデン」を共同設立。同年、独演脚本『ノヴェチェント』を出版。同作品はG.ヴァチスにより舞台化、G.トルナトーレにより『海の上のピアニスト』として映画化された。また、1996年発表の小説『絹』は、F. ジラールにより『シルク』として映画化された。2008年、映画『レクチャー21』では脚本および監督を務めた。


(河田 真喜子)

 

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松本潤、有村架純は「心が太く、マッチョになった」と成長ぶりを絶賛!『ナラタージュ』舞台挨拶
(17.10.5 TOHOシネマズ 梅田)
登壇者: 松本潤、有村架純  
 
2006年版「この恋愛小説がすごい!」1位に輝いた島本理生原作の恋愛小説「ナラタージュ」が行定勲監督(『世界の中心で、愛をさけぶ』)により映画化。主人公葉山貴司役に松本潤、葉山を全身全霊で愛する工藤泉役に有村架純と人気俳優の共演が話題の、一生に一度しか巡り会えない究極の恋を描いたラブストーリーが、10月7日(土)より劇場公開される。
 
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全国ロードショーを前に、10月5日(木)TOHOシネマズ梅田にて行われた舞台挨拶付試写会では、上映前に主演の松本潤と有村架純が登壇。ゲストを迎える前の静けさから一転し、主演二人の登壇に、コンサート会場のような大きな歓声が送られた。
 
まずは松本潤が「こんばんは。松本潤です。前回映画に出させていただいた時に、この劇場に来させていただいたことを廊下に来た時思い出し、懐かしいなと思いました。また映画に出ることができ、この劇場に戻ってくるこができたことをうれしく思います」と感慨深げに挨拶すると、有村架純は「みなさん、こんばんは。キャンペーンで来るのは一年ぶりなので、久しぶりの地元にワクワクしています。よろしくお願いします」と緊張の面持ちを見せながら挨拶した。
 

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大阪の印象を聞かれた松本は「元気!」と即答。続けて「熱が高いという印象ですかね。 ライブの印象が強いです。大阪でライブをやらせてもらうと僕らのテンションをあげてくれる。お世話になっています」と大阪のファンと会話をしているようなトークに。
一方、兵庫県出身の有村は、地元に帰ってきたと思える瞬間を訊ねられると、「関西弁を聞くと、帰ってきたんやなと思います」と、地元の言葉に戻り、会場からは思わず「かわいい」との声が飛んだ。
 
 
本編では雨のシーンが多いことが話題に上ると、「プールに落ちたり、雨に打たれたりすることが結構多かった気がします。濡れるシーンの前に、最初からずぶ濡れにならなければいけない時、雨に打たれている有村さんが神がかっていました」と松本が有村の役者根性を絶賛。さらに、兄弟役で共演経験のある有村と、今回は先生と生徒という関係で共演し、以前との違いについて話が及ぶと、「2年半ぶりぐらいにお会いして大人っぽくなったなと思いましたし、いろいろな作品でいろいろな経験をされて、心が太く、まっちょになっています」と共演の感想を明かした。 
 
 

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一方、2度目となる松本との共演を経て、有村は「松本さんは当初と印象は変わらず、プロ意識が高く、現場のスタッフさんのことを常に考えて作品を作られている印象があります。作るということに対するストイックさは変わらず持っていらした。私もこの3年間で色々経験させていただき、当時は緊張もあってしゃべれなかったけれど、今はそんなに緊張しないで、一歩先の話ができるようになり、うれしいです」と松本との現場を振り返ると、「緊張すると言われることが多いので、うれしい」と松本が返す、微笑ましい場面もあった。
 
松本が演じる葉山については、 「行定監督に最初に言ってもらったことでもありますが、脚本に葉山というキャラクターがあまり描かれておらず、一緒に作っていきたいと言われたんです。見ている人が葉山はこういう人ではないかと、一緒に作っていけるキャラクターになればいいなと思いました。監督からは、目力が強いということで普段が100なら40%ぐらいまでぼやかしてと言われました」
 
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体当たり演技も多かった泉役の有村は、「葉山先生と会話のキャッチボールができなくて、どこか違うところによけられてしまうのがしんどかったです。何を考えているんだろうと、ずっと思っていました。何なんだろうって」と松本演じる葉山とのシーンを振り返ると、松本も「一緒にお芝居をしていく中で、そういうアプローチで芝居をするのは新鮮で、新しい引き出しを作ってもらったなと思います」と、今までにない芝居に戸惑いながらも、手ごたえを感じていることを明かした。
 
 
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最後は、
「見たことのない葉山先生がたくさん画面に映っていると思いますし、とても美しい作品なので、堪能して帰ってください。ありがとうございました」(有村)
 
「架純ちゃんが演じる泉に女性の方はすごく共感できるのではないかと思います。今まで皆さんがしてきた恋愛の引き出しを無理矢理あける時間があるかもしれません。大事な人を思い出しながら観る濃密な2時間20分を楽しんでご覧ください。久しぶりに大阪の劇場に来れて良かったと思います。お忙しい中、お時間を割いていただきありがとうございます。この作品がみなさんに愛されることを祈っています」(松本)
と締めくくり、劇場に駆けつけた観客に最後まで感謝の意を伝え、大きな拍手が送られた。
 
行定勲監督と松本潤、有村架純らが紡いだ、この秋一番の愛の物語。美しくも禁断の世界を心ゆくまで堪能してほしい。
(江口由美)
 

<作品情報>
『ナラタージュ』
(2017年 日本 2時間20分)
監督:行定勲
原作:島本理生(「ナラタージュ」角川文庫刊) 脚本:堀泉杏 音楽:めいなCo. 
出演:松本 潤 有村架純 坂口健太郎 大西礼芳 古舘佑太郎 神岡実希 駒木根隆介 金子大地/市川実日子 瀬戸康史 
製作:「ナラタージュ」製作委員会 制作プロダクション:東映東京撮影所 制作協力:ザフール 企画協力:KADOKAWA 
配給:東宝=アスミック・エース (C)2017「ナラタージュ」製作委員会 
公式サイト←⇒http://www.narratage.com/
10月7日(土)TOHOシネマズ梅田他全国ロードショー 
 

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『わたしたち』ユン・ガウン監督インタビュー
 

~親友が一番大事だった小学生時代のほろ苦い記憶~

 
小柄でおかっぱ頭の女子、ソンは、ドッジボールが始まるやいなや、ボールを当てられ、コート外に出る羽目となる。一度出たら、半永久的にコートの中には戻れない。だって、ボールは運動神経のいい子たちの間を行き来し、ソンには回ってこないのだから…。
 
クラス内の力関係を露わにするオープニングで一気に惹き込まれるユン・ガウン監督の長編デビュー作、『わたしたち』。自身の体験を基に、シナリオ開発段階からイ・チャンドン監督(『シークレット・サンシャイン』)が加わり、女子小学生特有の友達関係の揺らぎを丁寧に映し出す。1学期の終わりから始まり、夏休みという非日常での友情を育んだ瑞々しい思い出と、2学期が始まり、学校生活に戻った途端に訪れる現実の対比も鮮やか。おとなしいソン、転校生のジア、そしてクラスで一目置かれるボラという3人の小学4年生を中心にした物語は、現代の小学生にも降りかかる格差問題や、学校生活以上に濃密な塾生活など、彼女たちの日常をリアルに描写。両親や弟たちと共に、ソンがジアを自宅に招いて過ごす夏休みのキラキラした日々は、友情が永遠に続くように思える輝きを放つ。一方、友情にヒビが入り、二人がふたたび「わたしたち」と呼べるまでの辛い日々も果敢に描いた秀作。ドキドキハラハラしながら、在りし日の自分を重ねて見入ってしまう人も多いだろう。
 
本作のユン・ガウン監督に、本作を作るきっかけや、役に込めた思い、子どもたちと映画を作り上げる過程についてお話を伺った。
 

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■イ・チャンドン監督と1年かけて、シナリオを開発

━━━まず、このプロジェクトのきっかけについて教えてください。
ユン監督:私が卒業した韓国芸術総合学校とCJエンタテイメントが手を組んだ産学協同プロジェクトがあり、『わたしたち』は第2期の当選作品でした。私を含めて4人の卒業生が企画書を提出し、それを基にイ・チャンドン監督がシナリオ開発から指導者として加わり、1年かけてシナリオを開発しました。そのプロジェクトに私が残ったのです。まだ、その時にはイ・チャンドン監督が教授として学校に残っておられたので、授業も受けています。
 
━━━イ・チャンドン監督の授業はどのようなものだったのですか?
ユン監督:実際に映画の授業を受けたのは修士課程に通っていた頃で、卒業制作の短編映画のシナリオの指導をしていただくものでした。それ以外にも学部で演技に関する授業や、演出論も聴いたことがあります。
 
━━━イ・チャンドン監督の演出論で、映画を撮る際に取り入れたものはありましたか?
ユン監督:実践の授業ではありませんが、演技とはどういう作業を経て作られていくのかを話して下さいました。メソッド演技が誕生した背景や、演技の歴史の中でそれがどのように変化してきたのかという講義もありました。理論の紹介をしつつも、ご自身の体験や、演技に対する考えもお話してくださったので、映画を撮る際に非常に参考になりました。
 
━━━なぜ初長編でご自身の体験を基にした小学生女子の物語に臨んだのですか?
ユン監督:私の人生の中で大小様々な出来事がありましたが、中でも強烈に影響を与えた出来事が元になっています。もちろんそれは幼い頃の経験なので、人生の中で長い時間をかけて何度も修復を試みたり、気持ちの整理をしました。1年ぐらいの経験でしたが、長い間修復し、熟成する期間があった訳です。私にとっては既に慣れ親しんでいる出来事でありながら、未だに解けない問題として残っていた強烈な経験。それを初めての長編作品で描きたいと思いましたし、知っている話の方が安心して準備できるとも思ったからです。
 
 
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■一見楽しそうに見えるドッジボールで、孤軍奮闘し、生き残りたいと思っている少女の姿を描きたかった。

━━━冒頭、校庭でクラス全員参加のドッジボールの様子が映し出され、物語に入りやすくかつ、非常に印象的でした。このシーンを取り入れた意図は?
ユン監督:まず、この映画の中に体育の時間を入れたいという思いがありました。学校生活としてクラスの授業やお昼の時間、休み時間を描くのは意味があることですが、体育の時間を描くのも意味があるのではないか。シナリオをブラッシュアップさせる際も、オープニングのドッジボールのシーンは最初からずっとあったものです。日差しが照りつける運動場で、ドッジボールという一見楽しそうに見えるゲームの中に、緊張の面持ちで孤軍奮闘し、友達の中に入りたい、この中で生き残っていきたいと思っている少女の姿を描きたかった。実際、ドッジボールは韓国の子どもたちの間でとても人気のあるスポーツで、私も子どもの頃よくやりましたが、ドッジボールは苦手な記憶もありました。だから自然にこの映画の中に取り入れることができたのです。 
 
━━━子どもたちの自然な表情が魅力的でした。キャスティングやワークショップといった撮影までのプロセスは?

 

ユン監督:私とプロデューサーが、最初書類オーディションで500~600人の中から第1次面接に来てもらう子どもたちを選びました。面接では、30分ほど時間を取り、1対1で応募してきた子どもの話を聞き、どんな子か、その性格を掴んでいきました。次のステップでは私が先生、子どもたちが生徒という風にして演劇遊びをする5~6人のグループオーディションでした。体をほぐしてから即興劇をしてもらい、その後みんなで一緒に即興劇を作っていきます。彼女たちには演劇の授業に思えたでしょうが、演出部が全て撮影しており、後で彼女たちの反応を映像から分析しました。さらに第5次まで審査を重ねたのです。主要登場人物のソン、ジア、ボア、ジア ボラの友達2人という5人は、撮影の2ヶ月前から集まってもらい、週に3~4回、4~8時間の練習を重ねています。皆に仲良くなって欲しいという意図もありましたが、シーンごとに説明し、即興で演じてもらう練習をしました。映画でも、原則即興で演じています。 
 
 

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■子どもたちが繰り返す即興劇から、よく使う言葉を集めて、磨き上げていった台詞

━━━即興を重視していたようですが、元々台詞は設定されていたのでしょうか? 
ユン監督:台詞を強制したわけでもないのに、台詞と同じやりとりをしていて私が驚いたこともありました。逆に台詞と全く違うやりとりをしていた時は、私の方がシナリオを修正しました。完成した作品は、どれが私の書いた台詞で、どれが子どもたちの口から出た言葉なのか分からないぐらい、ミックスされています。 というのも、撮影に入る前、子どもたちは即興劇を繰り返す中で、よく使う言葉、言いやすい言葉をどんどん集めて磨きあげ、台詞を作っていたからです。中でも、ソンとジアが遊んでいるシーンは、ほとんど彼女たち自らが発した言葉でした。例えば「大人になったら何になりたい?」という会話で、ジアが同時通訳者になりたいと言うシーンは、ジア役のソル・ヘインさん自身の夢を語っています。また、キムチチャーハンを食べるシーンは3人とも本当に美味しそうに食べてくれ、食べながら自然と出た台詞なのです。
 
 
 
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━━━ソンの母親や弟など家族の描写が豊かですが、母親の描写でこだわったことは?
ユン監督:シナリオ段階では、映画で描かれているほど愛情表現をしない母親像にしていました。というのも、家計は苦しく、夫も様々な問題を起こしているので、当初は人生に疲れ、あまりうまく愛情表現ができないという設定にしていたのです。母親役の女優、チャン・ヘジンさんは、ご自身もソンと同じぐらいのお子さんがいらっしゃるので、母親役について色々なアドバイスを下さいました。その結果、もう少し健全で、しっかり者として描いてもいいと思いました。辛くても子どもたちには愛情を持って接する努力をするような母親像にしてみたのです。私自身も時間はかかりましたが、自分の母親がそのようなタイプの人であったことを思い出すことができましたし、私が最初書いていた母親は映画的な母親でしたが、現実の母親はとても健康で、面白くて、子どもに愛情を持ち、その反面厳格なところがあるものだと思います。
 
━━━ボラは一見いじめっ子のように見えますが、実は彼女自身も成績が一番であることを親に強いられ、追い詰められているように感じられました。
ユン監督:最初、ソンとジアとボラを描く割合を考えた時、ソンが60%で、ジア、ボラを20%で描こうと想定していました。ボラにはボラの事情があることも描こうとしていたのです。実際はソンに集中してしまったため、ボラのことがうまく伝えきれないところがあったかもしれません。ボラ役のイ・ソヨンさんとも話し合いましたが、ボラはいじめたくていじめたのではなく、彼女の事情があったのだと。おそらく両親はボラが可愛いが故に、もっと頑張って欲しいと塾に通わせ、期待をしているのでしょう。だからボラは気持ち的にいつも焦り、緊張し、その気持ちを友達に発散させていた。ボラとしては学校では、心を許して遊ぶ友達だけでいたいのに、自分たちの仲間に入ってきたがっているように見えるソンが邪魔だった。ボラは親からのストレスを友達で発散してしまったのでしょう。そしてきっとボラ自身もそのことに気付いていたのです。
 

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■主要登場人物の中で一番心の傷が大きかったジア。だからこそ、ソンのように自分が傷つけても、また寄り添ってくれる子が必要だった。

 
━━━子どもの行動は親の影響を大きく受けます。ジアも両親の離婚で環境を変えられてしまった子どもですが、夏休み中と、夏休みが終わってからとソンに対する態度を一変させます。そんなジアを通して表現したかったことは?
ユン監督:ジアは一番現実的な子だったと思います。映画を通して、三人の主要登場人物の中で、一番心の傷が大きかった。でも、自分の気持ちを表現することを学ぶ余力すらなく、とにかく生き残ることに必死でした。両親が離婚したせいで家を転々とし、ジアを取り巻く環境を知ったクラスメイトは弱点と捉えて、仲間はずれにしてしまう。それがジアの中で深い傷となって残ってしまうのです。だから早く状況を認識できるようになっていった。ソンに対する態度が夏休み後に変化するのも、生存本能からくるものです。これ以上一人ぼっちになりたくないという思いからの行動でした。最も早く現実を認識できる子なので、だからこそソンのような友達。自分が傷つけても、また寄り添ってくれる子が必要だったのです。
 
 

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■子どもたちとの作業が本当に楽しい。自分の中にある子どもの頃の気持ちを分かち合える。

 
━━━最後に、ユン・ガウン監督は今までも子どもの人間関係を描いていますが、そのテーマにこだわる理由は?
ユン監督:この質問に答えるのは本当に難しいのですが、今一番言えることは、子どもとの作業が本当に楽しいのです。一緒に作っていると私が知らないことを気付かせてくれることもありますし、映画を作る上で私は子どもたちの同伴者のようになっています。経験が豊富になり、成人した今でもまだその実感を持てないのは、子どもの頃の気持ちが残っているからだと思います。外に気持ちを出したくても出せず、理解してほしくてもなかなか理解してもらえないところがある。でも、子どもたちと作業をする事で、それを分かち合う意思の疎通ができ、私はそこに喜びを感じるのです。
(江口由美)
 

<作品情報>
『わたしたち』(2015年 韓国 1時間34分)
監督:ユン・ガウン 
出演:チェ・スイン、ソル・へイン、イ・ソヨン、カン・ミンジュン、チャン・ヘジン
※第17回東京フィルメックス観客賞、フィルマークス賞、スペシャル・メンション受賞
2017年9月23日(土・祝)~YEBISU GARDEN CINEMAにて公開中、10月7日(土)~シネ・リーブル梅田他全国順次公開
(C) 2015 CJ E&M CORPORATION and ATO Co., Ltd. ALL RIGHTS RESERVED
 

 

kanotori-bu-550-2.jpg“最低!”が褒め言葉!?『彼女がその名を知らない鳥たち』舞台挨拶レポート

・2017年9月30日(土) 梅田ブルク7にて
・ゲスト:蒼井優(32)、阿部サダヲ(47)、白石和彌監督(42)



ゲス男やクズ男に翻弄されるダメ女が“無償の愛”に目覚める時
 

kanotori-550.jpg【STORY】
昔の男を忘れられないクレーマー女・十和子と、彼女に尽くしたおす15歳年上の建設作業員の男・陣治。十和子は、陣治のわずかな稼ぎで生活しているものの、不潔で男としての魅力を感じられない陣治の愛を拒み続けていた。ある日デパートへ入れたクレームの対応に現れた水島という男に魅力を感じた十和子は、急速にその関係を深めていく。そこへ、8年前十和子に暴力を振るいゴミのように捨てた黒崎が5年前に失踪していたという報せが入り、愕然とする。陣治の異常なまでの十和子への干渉、エスカレートしていくストーカー行為、次第に恐怖をつのらせていく十和子だった……。



どんな役でも自然体で役を生きることができる蒼井優は、華奢な身体で眼力がある訳でもないが、存在感がある。しなやかな身体と空気を読み取る感性は、その場に豊かな感情を生み出すことができる。そう、設定された世界を拡げられる稀有な女優なのだ。そこに、機敏な身体能力と豊かな表情で細やかな感情表現を得意とする阿部サダヲがW主演を務める。沼田まほるか原作の同名小説の映画化は不可能とされていたが、それを『凶悪』『日本で一番悪い奴ら』と底知れぬ不気味さと容赦ない暴力をテンポよく活写するクライムービーの名手・白石和彌監督が実現。今までにないゲス男とクズ男に挑戦した二人のイケメン俳優、松坂桃李と竹野内豊の役者としての幅の広がりにも注目したい作品。


kanotori-bu-500-1.jpg10月28日の公開を前に開催された上映会の舞台挨拶に、W主演の蒼井優と阿部サダヲ、そして白石和彌監督が登壇。「共感度0%、不快度100%」の究極の愛の物語について語ってくれた。尚、この日はゲストから観客への質問コーナーも設けられ、キワどいNGトークも連発して、MCの口から質問できずに白石監督に振るシーンもあった。

―― 詳細は下記の通りです。(敬称略)



kanotori-bu-aoi-1.jpg―― “嫌な女”十和子を演じた蒼井優さんです。
蒼井:今日はお休みの日に来て下さってありがとうございます。今日は、初めて映画をご覧になった方の前でお話をさせて頂けるとあって、楽しみにしてきました。短い時間ですが、よろしくお願いいたします。

―― 十和子より15歳年上で、“不潔で下品な男”陣治を演じた阿部サダヲさんです。
阿部:今日はちょっと綺麗にしてきました。皆さんありがとうございます。観終わって、何だろうこの気持ちは?と、ザワザワしますよね? はい、今日は綺麗にしてきました(笑)。

―― 綺麗にして来て下さってありがとうございました(笑)。本格的な大人のラブストーリーに挑まれた白石和彌監督です。
白石監督:去年の10月に大阪で撮影しました。大阪の皆さんはよくご存じの場所もあると思います。ようやく1年経って観て頂けるのを嬉しく思います。大阪の皆さんにとって心の象徴でもある大阪城を、あのような場面で使ってしまって、本当に申し訳ありませんでした(笑)。


―― 完成した作品を観た感想は?
kanotori-500-4.jpg蒼井:自分が出演しているかどうか関係なく、この映画はとても好きな映画なので人に勧めたいのですが、いいところはラストしかないじゃないですか?それで今日はご覧になった方の前でお話できるがホントに嬉しいんです。

阿部:蒼井さんとのシーンが殆どで他の男二人とは会ってなかったんです。作品を観て、どうしようもない奴らだなと思い、今でも松坂桃李が好きじゃないですね(笑)。それほど松坂君は凄い役者さんだと思います。まだ好きになれないですけどね(笑)。

白石監督:宣伝では言い辛くて“究極の愛”とキャッチコピーを出しましたが、これは陣治の“無償の愛”の物語でして、僕としてはそれがとても美しく絶対に真似のできないことなので、なんとか映像化したいと思いました。観たらきっと誰かと話したくなる映画だと思うので、できれば10月28日公開初日の土日に観て頂ければありがたいです。


kanotori-bu-abe-2.jpg―― 関西弁の役について?
蒼井:難しかったです。ずっと方言指導の方に付いて頂いたのですが、その内違いが分からなくなってきました。

阿部:いや~難しかった!聞き慣れた関西弁ですが、自分で喋るのは難しかったです。ずっと付きっきりの方言指導の人も嫌いになりました(笑)。

―― この映画では嫌いな方が多かったんですね(笑)。ところで、関西弁の好きなところは?
阿部:この映画は関西弁だから助かっているところもあると思います。標準語だと手に負えないような…関西弁だから柔らかく感じる部分もあると。


―― 全編関西弁で関西ロケでしたが、改めて感じることは?
白石監督:人と人の距離が近い。標準語より本音で語り合っているような印象を持ちました。多分この二人を見ていたからだと思います。二人とも嫌ならイヤとはっきり言い合っていたので、それが気持ちいいなと感じて、ちょっと羨ましかったですね。


―― 役に対する共感度は何パーセントですか?
kanotori-500-1.jpg蒼井:最初は0%だったんですが、めんどくさい女なんですけど“澄んでいる”というか、特にラストでは無防備の部分もあり、そう感じました。絶対に賛同はできないけど、「共感した」と言ったら人として疑われるので、皆さんも今日これから飲みに行って3軒目辺りから「共感した」と本音トークができるようになると思います(笑)。

阿部:そんなに共感できるところはないですけど、直したい部分はいっぱいありました。汚い食べ方だとか、差し歯も早く治せばいいのにとか…。でもそういう役だから楽しめた部分もいっぱいありました。

 
kanotori-bu-shiraishi-1.jpg―― 陣治の身なりについてこだわりがあったようですが?
白石監督:衣装合わせをするのに綺麗な作業着しかなかったんです。「こんなんじゃダメだ!」と机をひっくり返して、「汚いの持ってこい!」と暴れ倒して、「汚せ!汚せ!」と言ってこうなりました。阿部さんだけ衣装合わせした時に、そんなシーンはないのですが立ちションする真似をしてもらいました。その後ろ姿を見て、「あっ仕上がってるな!」と思いました。それを撮影所の外でやったのですが、きっと向いのマンションからは見えてたと思いますよ(笑)。


 

 

―― 松坂桃李さんも竹野内豊さんも今までにないような役柄でしたが、共演してみて如何でしたか?
kanotori-500-3.jpg蒼井:お二人とも初めての共演だったのですが、こんな最低の役を最低のままやれるということは本当に凄いことなんですよね。松阪さんは最低な上に“薄さ”が加わって、竹野内さんの場合は、相手役の私しか見えない“悲しみ”があったりして、最低の別ジャンルを同時に見せてもらった感じです。この映画では、「最低」というのが一番の褒め言葉になると思います(笑)。

阿部:お二人とも最低さが素敵でした(笑)


―― あの最低さは狙い通りでしたか?
白石監督:ホントその通りでした。

 


★ゲストから観客に質問するコーナー

野鳥観察が趣味というちと怪しい男性がカウンターを持って登場。観客にあらかじめ配られた「かの鳥」フラッグの裏表をカウントして、YES・NOのパーセンテージを測定。

kanotori-500-2.jpg★蒼井優から質問:あんな水島でもいいと思う人?
(十和子予備軍?男性は水島に対して羨ましいのかな?)
68人→23%

★阿部サダヲから質問①:陣治が殺してるなと思った人?
(演技のダメ出しされてるような気がするなあ)。
250人→93%

★白石和彌監督から質問①:この映画に共感した人?
250人→93%

kanotori-bu-abe-1.jpg阿部サダヲから質問②:今日の僕の恰好、先程シャンプーハットに「遅れて出て来た演歌歌手みたいだ」と言われたんですが(笑)、そう思う人?
(これオーダーで作ったんですよ…「ジンジー」というブランドも立ち上げて。陣治の青の作業着をイメージした生地選び)。
268人→99%

★白石和彌監督から質問②:大阪城で“ああいうこと”をやってみたいと思う人?(笑)
(水島と十和子のシーン)
17%

★白石和彌監督から質問③:パートナーと“仲良くする”時「あ~」と言わせたい人?(笑)
(ちなみに、トロント映画祭で上映された時には「Say Aha~」と字幕が付いてました(笑)。特にゲイの方々に受けてました)。
77人→29%

 


―― 最後のご挨拶
白石監督:今日は観て頂きまして本当にありがとうございました。ゲスとかクズとか最低な人たちが前面に出てきてはいるのですが、それは表層的なもので、奥には“究極の愛”が提示できたのではと思っております。いろいろ分かってから見直すと、いろいろな世界が美しく見えてくる映画です。散らかった家庭でも美しく思えるよう、この映画を思い返して頂けたらいいなと思います。10月28日公開ですので、皆さん何卒応援よろしくお願い致します。

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阿部:愛って何だろうと考えさせられる映画です。キラキラした映画もいいですが、こんな映画もあっていいと思ったし、こんな映画に出たいと思っていました。また、これほど汚す役の映画もないと思います。見逃しておられるかもしれませんが、足の指の間にもゴミ詰めて頑張りました。また観られる時にはお見逃しなく(笑)。是非、観終えてから皆さんと話し合って頂きたい映画ですので、よろしくお願い致します。

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蒼井:
こういう映画が作れる日本映画界でありたいなと思っています。そのためにはある程度観て頂かなくてはなりません。最後のシーンに賭けたのですが、勿論合わなかった方もいらっしゃるでしょうし、受け止めて下さる方もおられると思います。私たちが玉を投げなければ勝負もできませんので、このような作品が作れる環境を、映画ファンの一人として私たち映画人も守っていけたらいいなと思っております。皆さんもそこは共犯者だと思って、応援よろしくお願いいたします。今日は本当にありがとうございました。

 


 


『彼女がその名を知らない鳥たち』

■2017年 日本 2時間3分
■原作:沼田まほかる(『彼女がその名を知らない鳥たち』幻冬舎文庫)
■監督:白石和彌(『凶悪』『日本で一番悪い奴ら』)
■出演:蒼井優、阿部サダヲ、松坂桃李、竹野内豊
■(C)2017映画「彼女がその名を知らない鳥たち」製作委員会

2017年10月28日(土)~梅田ブルク7、他全国ロードショー

公式サイト⇒ http://kanotori.com/
 


(河田 真喜子) 

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