「AI」と一致するもの
~日本未公開の最新のイタリア映画を 7 本一挙上映!~
「日本におけるイタリア年」をきっかけに 2001 年の春に始まった「イタリア映画祭」は、今年で 21 回目を迎えます。 日本未公開の新作7本を 6/5(土)~6/6(日) ABC ホールに於いて開催いたします。 今年の上映作品は、バラエティに富んだラインナップで世界の映画祭を席巻した作品から、ドラマ、コメディー、群像劇と例年にも増して幅広いジャンルを取り揃えたプログラムです。
【会期】:6月5 日(土)~6 月6 日(日)
【会場】:ABCホール(大阪市福島区福島 1-1-30)
【主催】:イタリア文化会館、朝日新聞社、イスティトゥート・ルーチェ・チネチッタ
【特別後援】:イタリア共和国大統領
【後援】:イタリア大使館、イタリア総領事館
【運営・宣伝協力】:有限会社オフィス・リブラ
【字幕協力】:アテネ・フランセ文化センター
【公式サイト】:http://www.asahi.com/italia/
【一般の方のお問合せ】:050-5542-8600(ハローダイヤル)
※前売り券販売は5月29日(土)~、あさチケにて発売予定!
【前売り1回券】一般 1,400円/学生 1,100円(日時指定・全席指定)
【当日1回券】一般 1,700円/学生 1,400円(日時指定・全席指定)
※前売り券が完売の回は、当日券の販売は無し。チケットのお買い求め方法などは後日公式HPにて発表いたします。
【大阪会場・上映作品紹介】
・『靴ひも』:6/5(土)12:15~ [2020/100 分]原題:Lacci
監督:ダニエーレ・ルケッティ Daniele Luchetti
出演:アルバ・ロルヴァケル、ルイージ・ロ・カーショ、ラウラ・モランテ
・『私は隠れてしまいたかった』:6/5(土)15:15~ [2020/120 分]原題:Volevo nascondermi
監督:ジョルジョ・ディリッティ Giorgio Diritti
出演:エリオ・ジェルマーノ、オリヴェル・ヨーハン・エーヴィ
・『我らの父よ』:6/5(土)17:55~ [2020/121 分]原題:Padrenostro
監督:クラウディオ・ノーチェ Claudio Noce
出演:ピエルフランチェスコ・ファヴィーノ、バルバラ・ロンキ
・『こどもたち』:6/6(日)11:00~ [2020/97 分]原題:Figli
監督:ジュゼッペ・ボニート Giuseppe Bonito
出演:パオラ・コルテッレージ、ヴァレリオ・マスタンドレア、ステファノ・フレージ
・『泣いたり笑ったり』:6/6(日)13:40~ [2019/100 分]原題:Croce e delizia
監督:シモーネ・ゴダノ Simone Godano
出演:アレッサンドロ・ガスマン、ジャズミン・トリンカ、ファブリツィオ・べンティヴォッリョ
・『もしも叶うなら』:6/6(日)16:00~ [2019/100 分]原題:Magari
監督:ジネヴラ・エルカン Ginevra Elkann
出演:リッカルド・スカマルチョ、アルバ・ロルヴァケル
・『悪の寓話』:6/6(日)18:20~ [2020/98 分]原題:Favolacce
監督:ディンノチェンツォ兄弟 Fratelli D’Innocenzo
出演:エリオ・ジェルマーノ、バルバラ・キキャレッリ
※すべて日本語字幕付きの上映です。
上映は各回入れ替え制、開場は上映 20 分前です。
定員 150 名(収容率を 50%にしています)。
※上映作品はこの映画祭のために素材を輸入するため、英語字幕などが入っている可能性があります。
※6 月 5 日(土)12:15~の『靴ひも』の回は、上映後に野村雅夫さん(FM COCOLO DJ)によるトークショーを予定しています。
※やむをえない事情により、作品や上映時間が変更になる場合があります。
※最新情報は公式 HP をご確認ください。
(オフィシャル・リリースより)
「北斎の生き抜く強さは誰にでもあるはずです。」
柳楽優弥&田中泯 葛飾北斎役/ W主演が北斎生誕の地に登場!
更に世界的書家・紫舟がライブパフォーマンスで大浪披露!
■実施日時:5 月 13 日(木)13:00~13:40
■登壇者(敬称略):柳楽優弥(葛飾北斎 青年期役)、田中泯(葛飾北斎 老年期役)、紫舟(ゲスト)
■実施場所:江戸東京博物館 大ホール (〒130-0015 東京都墨田区横網 1-4-1)
代表作「冨嶽三十六景 神奈川沖浪裏」が新千円札のデザインやパスポートに採用されるなど、今なお愛され続ける世界的アーティスト 葛飾北斎。ゴッホ、モネなど名だたる印象派アーティストたちに大きな影響を与え、米 LIFE 誌「この 1000 年で偉大な功績を残した 100 人」に選ばれた唯一の日本人です。この度、そんな北斎の知られざる生涯を初めて描く映画「HOKUSAI」が 5 月 28 日(金)に全国公開いたします。本作は、その人生に関する資料がほとんど残されていない北斎の生涯を、史実や作品が生まれた年代などを繋ぎ合わせて生まれたオリジナル・ストーリーで、今までほとんど語られる事のなかった青年時代の北斎をも描きます。第 33 回東京国際映画祭のクロージング上映を経て、世界中から注目を集める本作。何があっても絶対にあきらめず、90 歳の生涯で 3 万点以上もの作品を描き切った絵師の生き様が、170 年の時を経てスクリーンに描き出されます。
そしてこの度、約 2 週間後と迫った本作の公開を記念して、5 月 13 日(木)に、「大波トークイベント」を実施いたしました!W主演として、葛飾北斎役を演じた柳楽優弥(青年期)と田中泯(老年期)が揃って、北斎生誕の地・東京・墨田区にある江戸東京博物館に登壇!二人は当日、江戸東京博物館所蔵の“あの波”(冨嶽三十六景 神奈川沖浪裏)を含む貴重な北斎作品を鑑賞し、作品の持つ力強さや北斎が込めた想いを全身に感じながらトークイベントに登場致しました。
さらには、世界に向けて日本の文化と思想を発信する活動を続ける書家/芸術家の紫舟がゲストとして登場!2014 年にフランス・ルーヴル美術館地下会場で開催されたフランス国民美術協会展にて「北斎は立体を平面に、紫舟は平面を立体にした」と評され、最高位である審査員賞金賞を受賞した他、アメリカやイタリア、スイス、スウェーデン、エジプトなど各国で作品を展示し、世界に向けて日本文化と思想を発信する活動を続けている紫舟は、本作を見て制作意欲が溢れ出たと話します。
当日は「HOKUSAI」をテーマに全長 2m を超える和紙に「大波」をライブパフォーマンスで披露!カンヌ国際映画祭の男優賞を史上最年少で受賞した柳楽優弥、そして国際的ダンサーとして知られる田中泯と共に、世界的アーティスト葛飾北斎をとことん語り尽くしました。
<レポート>
MC の呼びかけで、W 主演で葛飾北斎を演じた柳楽優弥と田中泯がステージに登場! 2019 年に映画の撮影を実施し、昨年 2020 年公開予定だった本作。約 1 年の公開延期を経ていよいよ公開まで一か月を切った本作ですが、北斎の青年期を演じた柳楽は「1 年越しではありますが、こうして公開することができたことを、嬉しく思っています。今まで経験したことのない延期という状況に戸惑いもありましたが、こういう時代の中であるからこそ、『HOKUSAI』という映画が持つ力強さ、生き方様、北斎自身の強靭なエネルギーをこの映画を通して皆さんに伝わると嬉しいです。」
北斎の老年期を演じた田中は「いよいよ公開ですが、まだ 2 年前の撮影の日々が体にしっかりと残っています。全力以上の時間を過ごしていました。今の日本の状況の中でどのように迎えていただけるか正直分からないですが、強烈な情熱が伝わるといいなと思っています。ドキドキしています。」と、思い思いに 1 年越しにいよいよ公開ができる喜び、そして映画への想いについてコメントを寄せました。
イベントの舞台は北斎の生まれ育った東京・墨田区にある江戸東京博物館ということで、現在は休止中ではありますが、特別展「冨嶽三十六景への挑戦北斎と広重」[~6 月 20 日(日)]を登壇前に特別に見てきた柳楽と田中。当時実際に刷られた貴重な浮世絵版画を観た感想について問われると柳楽は「これだけの名作の本物が集結しているという状況にただただ圧倒されてしまいました。1つの作品を描くのにものすごいプロセスや時間を経て描かれたものだということを知り、素晴らしい傑作を見ることができて、とてもパワーをもらいました。
本作のプロモーションでは葛飾北斎が残した様々な本物の作品を初めて見ることができ、とても嬉しいです!」と話し、田中は「とっても驚きました。小さい頃に、マッチ箱に全部印刷された『冨嶽三十六景』があって、一生懸命集めていたんですが、(実物は)マッチ箱の大きさと違って、小さい人が克明に掛かれていてやっぱり北斎はすごいと改めて思いました。」と興奮気味に語ります。
さらに、柳楽は「90 年という生涯を通して絵を描くことに没頭し続けて、70 歳になってもまだ満足していないという生き様をかっこいいと思いました。(田中)泯さんも 10 代から踊りをずっと続けられていて、1つのことに向き合い続けて活躍されている大先輩の方たちを見ると勇気をもらえます。」と北斎の作品を目の当たりにして、北斎の絵に懸ける情熱を感じとった様子を語った。それを受け、田中も「比較にはならないんですが、驚異的ですよね。『あと5年あったらもっといい絵がかける』と言っているけれども恐らく 5 年たっても同じことを言うと思う。果てしないものに立ち向かっているというか、想像を絶する情熱は本当にすごい力だと思います。」と、北斎の生き様に圧倒されたと尊敬の念を込めて語りました。
続いて、本日の特別ゲストである書家、芸術家の紫舟が登場!映画を観た後に制作意欲が沸々と湧き、一気に大きな和紙に 70 もの作品を描いたことを明かし、「生きる力をたくさんもらえた映画です。」と北斎からエネルギーを得たとコメント。また、柳楽の演技について最も難しい所作が美しく、「プロになると呼吸と線が合ってくるんですが、柳楽さんの筆は呼吸をしているようでした。絵描きは手にも目がないと描けないのですが、柳楽さんの手には目がついていて美しい所作で見とれてしまいました。」と大絶賛!
東京藝術大学の方を講師につけて役作りをしたという柳楽は、それをうけて照れ笑いをする一幕も。田中のファンと語る紫舟は、劇中、田中が演じた老年期の北斎について「物理的に存在するものではなく、目では見えないものを描こうとしているんですが、風を見つけたときの狂気に満ちた(田中)泯さんの笑顔が頭に残っています。北斎が表現したいものに出会って、狂気の笑顔になったんじゃないかな。」と田中が演じた北斎の印象に残ったシーンについて語りました。
それを受け田中も「風は目には見えないです。自分のことになってしまうけど、踊りは目に見えるけど、目の前にないものを表現しようとしているので、踊りに対する目線に近いのかなと思います。」と北斎の絵と自身の踊りの共通点を明かしました。
本作を観て創作意欲が湧き出たと話していた紫舟ですが、今回特別に『HOKUSAI』をイメージした作品をライブパフォーマンスで披露してくれることに!マスコミ陣が見守る中、“生き抜け”という文字とともに、北斎の作品「神奈川沖浪裏」を彷彿させるダイナミックな波に、カラフルな配色がされた絵が完成されました!紫舟は「私たちは非常に困難な中にいますが、この映画でもう一回立ち上がってみよう、踏ん張ってみようという気持ちになり、波を起こして、太陽のような光の色である赤や黄色を入れて“生き抜け”というメッセージをいれさせていただきました。」と絵について説明します。
柳楽は「圧倒されました、生き抜けという言葉はこの時代に響く。北斎を通して生命力を感じます。」と語り、田中はただただ一言「いいですね。」と本日 1 番の笑顔を見せながら紫舟の生命力に溢れた絵にパワーをもらった様子だった。
最後に公開を待つ人々に向けて柳楽は「本当に大変な状況ではありますが、この映画を通して、北斎の様に強い生命力を持つことや「生き抜く」という力強さを感じることができました。北斎のメッセージは今の時代にとって必要なことであると今日のイベントを通して改めて実感しました。劇場でぜひご覧ください。」
田中は「老年期から最後まで演じさせていただきましたが、北斎は特別なことをして過ごしたわけではなく、好きなことを精一杯やって、運良く全うできた人だと思います。生き抜く強さは人によって差があると思いますが、みんな同じように持っていると思います。うまく発揮できるかできないかは、私たちは考え続けていかなければいけない。北斎の生き抜く強さは誰にでもあるはずです。」とコメントを寄せ、本作と、本作で描かれる北斎の生き様の力強さをアピールしました。
※江戸東京博物館公式 HP:https://edo-tokyo-museum.or.jp
<STORY>
何があっても絶対に諦めず、描き続けた、その先にー。
腕はいいが、食うことすらままならない生活を送っていた北斎に、ある日、人気浮世絵版元(プロデューサー)蔦屋重三郎が目を付ける。しかし絵を描くことの本質を捉えられていない北斎はなかなか重三郎から認められない。さらには歌麿や写楽などライバル達にも完璧に打ちのめされ、先を越されてしまう。“俺はなぜ絵を描いているんだ?何を描きたいんだ?”もがき苦しみ、生死の境まで行き着き、大自然の中で気づいた本当の自分らしさ。北斎は重三郎の後押しによって、遂に唯一無二の独創性を手にするのであった。
ある日、北斎は戯作者・柳亭種彦に運命的な出会いを果たす。武士でありながらご禁制の戯作を生み出し続ける種彦に共鳴し、二人は良きパートナーとなっていく。70 歳を迎えたある日、北斎は脳卒中で倒れ、命は助かったものの肝心の右手に痺れが残る。それでも、北斎は立ち止まらず、旅に出て冨嶽三十六景を描き上げるのだった。そんな北斎の元に、種彦が幕府に処分されたという訃報が入る。信念を貫き散った友のため、怒りに打ち震える北斎だったが、「こんな日だから、絵を描く」と筆をとり、その後も生涯、ひたすら絵を描き続ける。描き続けた人生の先に、北斎が見つけた本当に大切なものとは…?
今だから、見えるものが、きっとあるー。
<CREDIT>
出演:柳楽優弥 田中泯 阿部寛 永山瑛太 玉木宏 青木崇高 瀧本美織 津田寛治
監督:橋本一 / 企画・脚本:河原れん
配給 S・D・P / コピーライト:©2020 HOKUSAI MOVIE
公式 HP:www.hokusai2020.com /
SNS:@hokusai2020 ハッシュタグ「#映画 HOKUSAI」
2021年5月28日(金)~全国ロードショー!!
(オフィシャル・レポートより)
5月10日(月)
完成披露報告会 <熟春!家族、リスタート宣言!>
【登壇者】 水野勝(30)、剛力彩芽(28)、松下由樹(52) 高畑淳子(66)、香月秀之監督(64)
【場所】 セルリアンタワー東急ホテル ボールルーム
映画『お終活 熟春! 人生百年時代の過ごし方』(5月21日全国公開)の完成披露報告会が5月10日、東京のセルリアンタワー東急ホテルで行われ、主演の水野勝(30)、共演の剛力彩芽(28)、松下由樹(52)、高畑淳子(66)、香月秀之監督(64)が出席した。
葬儀社の青年が案内した終活フェアをきっかけに、離婚秒読みの金婚熟年夫婦が人生整理に動きだす、笑って泣けて役に立つハートフルヒューマンコメディー。大原夫婦(橋爪功&高畑淳子)に“お終活”を意識させる葬儀社の青年・菅野涼太役の水野は、橋爪&高畑夫婦との共演に「緊張しました。恐縮でしたし、自分がどんな芝居を返すことができるのかと。でも撮影ではお二人の素晴らしい演技に引き出されたところがあり、自分を真摯に対等に扱ってくれる姿に感動しました。すべての時間が財産のような作品です」と思い入れもひとしお。
大原夫婦の独身一人娘・亜矢役の剛力は、橋爪&高畑との共演に「お二人が自然と私を娘にしてくれる空気を出してくださって、いい意味で役作りし過ぎず娘でいることができました。食事シーンも本当の家族として食べているのではないかと思うくらい、ナチュラルに出来ました」とベテラン勢の雰囲気作りに感謝。すると高畑は「撮影では橋爪さんがずっとムスッとしてらして、口も聞いてくれませんでした。それなのに剛力さんが来ると『可愛いね~!』となる」と欠席裁判状態も「でもそれも冷え切った夫婦関係を出す橋爪さんの作戦。面白い人を旦那に持ったなと、日本で唯一無二の旦那さんを持って幸せでした」とにこやかに明かしていた。
涼太の上司・桃井梓役の松下は「葬儀社の方々がどのように働いているのかセミナーを見学させていただいたりする中で、葬儀社に対するイメージも変わりました。終活について今知っておいて何ら損はないと思った」と役を通して価値観も変化したよう。名古屋出身の水野とは同郷で「コミュニケーションも取っていただいて、上司と部下の関係でしたが、しっくりとやりやすく演じることができました」と共演を楽しんだようだった。
役どころとの共通点を聞かれた剛力は「お父さんよりもお母さんの味方をしちゃうのは共感する部分」と微笑し「いくつになっても娘は娘。親に甘えたいし、両親も両親でずっと傍にいたい存在だと娘を演じて感じました。この映画を通して家族間での距離感を改めて感じました」と共感。また喧嘩ばかりの熟年夫婦の姿からコミュニケーションの重要性も学んだそうで「両親が文句を言い合っているのは、上手く愛情表現ができないだけ。家族だから夫婦だからではなく、話し合うことの大切さが伝わったら嬉しい」と円満の秘訣を口にしていた。
高畑は、夫婦として過去の写真を振り返るシーンを見どころに挙げて「不覚にも涙が止まりませんでした。音楽も素晴らしくて涙を堪えることができず、撮影の際には隣の橋爪さんも泣いていました」と感涙報告。コーラス場面では「歌がドンピシャの思い出の曲だったので、娘時代に返ったような気がしました」と楽しんだようだった
水野は「世代を選ばない映画ができました。この作品は誰かと見たくなる映画で、コロナ禍で人と会うこと、人と接することを制限されていて、その「誰か」とが難しい時代です。そんな時代だからこそ誰かと見ることのできる映画は素晴らしいし、人に伝わるはずです。こういう状況だが、僕らは諦めずに最後まで作品をPRしていきたいです」とアピールし、剛力も「家族や大切な人と会話が増えるきっかけになる、未来の話ができる映画。会いたい人になかなか会えない時代だけれど、大切な人と過ごす時間が増えた中で、作品を通して大切な人を改めて大切にしたいと思ってもらえたら」と期待。松下は「笑って楽しく温かい気持ちなることができる作品」といい、高畑は「コロナ禍で疲れ切っているのは心。それを潤わす役割が私たちにはあると自負しています。心の潤いを取り戻す力が芸術にはあると思うので、ぜひ映画館で心を癒してほしい」と願いを込めた。
香月監督は「意外だったのは、映画を観た若い人たちが泣いているということ。若い人たちが見てくれる楽しさもある。そしてこのような時期に作品と言う子供が生れ、上映を迎えなければいけないことを前向きに捉えています。自分の中で最も思い出に残る作品になるはず」とコロナ禍での公開に対する不安と期待を口にしていた。
【ストーリー】
結婚五十年になる大原夫妻。夫の真一(橋爪功)が定年退職後、家にずっと居ることで妻の千賀子(高畑淳子)は夫在宅ストレス症に陥っていた。相手への気遣いも全く無くなり、真一は健康麻雀、千賀子は健康コーラスに通って趣味仲間にお互いの愚痴を言い合う、熟年離婚寸前の夫婦であった。そんな折、娘の亜矢(剛力彩芽)は自分が営むキッチンカーの客で、葬儀社に転職したばかりの菅野(水野勝)と出会う。菅野から終活フェアに誘われた亜矢は母親の千賀子に行くことを勧める。フェアで最新の終活情報を得た千賀子は前向きに今後のことを考えようとするが、真一は縁起でもないと嫌がり、新たな危機が生まれる。
◆出演:水野勝 剛力彩芽 松下由樹 / 藤吉久美子 大島さと子 増子倭文江 袴田吉彦 佐々木みゆ 小林綾子 螢雪次朗 大和田伸也 石丸謙二郎 金田明夫 西村まさ彦 石橋蓮司 / 高畑淳子 橋爪功
◆脚本・監督:香月秀之
◆主題歌:財津和夫「切手のないおくりもの」
◆製作幹事: フォワードインターナショナル
◆企画・製作プロダクション:フレッシュハーツ
◆配給:イオンエンターテイメント
◆(C) 2021「お終活」製作委員会 上映時間:1時間53分
◆公式サイト: https://oshu-katsu.com/
5月21日(金)、新宿ピカデリー、イオンシネマ他 全国ロードショー
(オフィシャル・レポートより)

■佐々部監督とは共に遅咲き、シンパシーを感じた仲間
■薩摩川内市と昌寧(チャンニョン)郡の関係を通して日韓の交流を描く
■2年がかりで撮影した迫力の大綱引シーン
そんな祭りを撮影するのに、本番の祭りに役者を入れるのはとても危険なので、2018年、2019年の本番の大綱引を撮り、2019年は本番の6日後に、中央でぶつかり合っていた両チーム約200人ずつの大綱引メンバーに、今度はエキストラとして参加してもらったんです。双方の一番太鼓を叩く三浦貴大さんと中村優一さんが入って撮った時は、エキストラの皆さんも本番さながらの熱気で挑んでくれました。
■佐々部監督と作品作りの根底で共通していたのは「家族がテーマ」
■この作品の中に佐々部監督の魂がきっちり入り込んでいる
上の写真、左から、
植木咲楽(UEKI SAKURA)(25) 『毎日爆裂クッキング』
木村緩菜(KIMURA KANNA)(28) 『醒めてまぼろし』
志萱大輔(SHIGAYA DAISUKE)(26)『窓たち』
日本日本映画の次世代を担う
若き3人の監督作品とコメントを紹介
まず、《ndjc:若手映画作家育成プロジェクト》とは――?
次世代を担う長編映画監督の発掘と育成を目的とした《ndjc:若手映画作家育成プロジェクト》です。文化庁からNPO法人 映像産業振興機構(略称:VIPO)が委託を受けて2006年からスタート。今回も、学校や映画祭や映像関連団体などから推薦された中から3人の監督が厳選され、最終課題である35ミリフィルムでの短編映画(約30分)に挑戦します。第一線で活躍中のプロのスタッフと共に本格的な映画製作できるという、大変貴重な機会が与えられるのです。
このプロジェクトからは、先ごろ公開された『あのこは貴族』の岨手由貴子(そでゆきこ)監督も輩出されています。「東京」で生きる立場の違う二人の若い女性の生き方を、鋭い洞察力と瑞正な映像センスで観る者の心を掴む秀作です。他にも、『湯を沸かすほどの熱い愛』で数々の賞に輝いた中野量太監督や、『トイレのピエタ』の松永大司監督、さらに『嘘を愛する女』の中江和仁監督や、『パパはわるものチャンピオン』の藤村享平監督、そして『おいしい家族』『君が世界のはじまり』のふくだももこ監督などを輩出して、映画ファンも業界人も注目するプロジェクトです。
今年はどんな若手監督に出会えるのか?――日本映画の次世代を担う新たな才能、3人の監督に作品に込めた想いや作品についてご紹介したいと思います。
■監督:植木咲楽(UEKI SAKURA)
■作品名:『毎日爆裂クッキング』
■作家推薦:PFF
■制作プロダクション: アルタミラピクチャーズ
■出演: 安田聖愛 肘井ミカ 駒木根隆介 今里真 小日向星一 大谷亮介 渡辺えり
■製作総指揮:松谷孝征(VIPO理事長)■プロデューサー:土本貴生
■撮影:柳島克己
(2021年/カラー/スコープサイズ/30分/©2021 VIPO)
【あらすじ】
味覚障害に苦しむ相島文(安田聖愛)は、あらゆる調味料をかけて無理やり食べていた。それというのも、<食>の情報誌『織る日々』の編集者として働く文は、上司・皆月によるパワハラ、というより執拗なイジメに遭っていたのだ。文が手掛ける連載記事「畑食堂」は読者や上層部にも好評なのだが、それを皆月は妬んでいるのか、文だけに嫌がらせをしていた。同僚は知らん顔、誰も助けてくれない。もうストレスゲージはMAX!そんな時に空想するのが、キッチンで大暴れする憧れのエッセイスト・芳村花代子(渡辺えり)だった。
食についての編集者が味覚障害とは!? ある日、取材に訪れた農家の妻に見破られ、益々自分を追い込んでしまう。さらに、文が敬愛する芳村花代子が出版社に打合せにやってきて、連載記事「畑食堂」のファンだと言われ大喜びする。ところが、なんとその記事の担当者はいつの間にか皆月になっていたのだ。大好評の自信作を皆月に横取りされて、ついに文の怒りが爆裂する!
【感想】
ストレスを抱えながら生きている人が多い現代、にっちもさっちも行かなくなることもあるだろう。だが、自分を追い詰める前に、まずはその原因となる障害に立ち向かおうよと、勇気をくれるような作品。明らかに理不尽なことを強要されれば我慢も限界となる。立場の弱い人々が置かれた現状に着目し、ストレスからくる障害も妄想シーンを交えてユーモラスに描出。さらに、青々とした田園風景の中で作物への愛を語るシーンからは、得意分野で輝ける希望を感じさせてくれる。キッチンで爆裂する渡辺えりが痛快!
【植木咲楽監督のコメント】
ベテランのプロの方々との初めての大規模撮影に緊張しましたが、皆さんに支えて頂いて心から感謝しています。また、渡辺えりさんに出演して頂けたことはとてもラッキーでした。可愛い衣装選びも楽しかったです。
元々「食」をテーマにした作品を撮りたいと思っていたので、コロナ禍で時間が出来たこともあり、今までの想いを全部詰め込んで書いてみました。
テーマについては、昨今の状況や自分の人生の中で、罵倒されたり不当な扱いを受けたりして心に傷を負うことも多くなってきて、そんな重い空気を笑い飛ばせるようなコミカルなテイストの作品を目指しました。
できるだけ重くならないように、弱っている人を追い詰めないように、最悪の事にはならないように、頑張っている人に失礼にならないように、人を傷付けることにならないように、というような事を大事にしながら書きました。
私は自然がある所に惹かれる性質のようで、今回の農家のシーンは、企画の段階から三浦半島で撮りたいと希望しました。豊かな自然を背景にした映画を撮っていきたいです。ラッセ・ハルスレム監督が好きなんですが、『ギルバート・グレイプ』や『サイダーハウス・ルール』でも自然の描写が活かされていると思いました。
今後は、なるべく誠実な映画を作っていきたいです。できれば、見過ごされてしまったり、蔑ろにされてしまいそうなもの、そういう経験で感じた悔しい思いや、また、そこから助けてもらった時の嬉しさとかを忘れないで映画を撮っていきたいと思っています。
【PROFILE】1995年大阪府生まれ。
京都造形芸術大学(現・京都芸術大学)映画学科にて、高橋伴明、福岡芳穂らより映画制作について学ぶ。監督・脚本を務めた卒業制作『カルチェ』がPFFアワード2018にて入選、第19回TAMA NEW WAVEにてグランプリを受賞。大学卒業後は上京し、石井裕也監督のもとで監督助手を務め、映画・ドラマ・ドキュメンタリー作品の助監督および映像作家としても活動中。
■監督:木村緩菜(KIMURA KANNA)
■作品名:『醒めてまぼろし』
■作家推薦:日本映画大学
■制作プロダクション: シネムーブ
■出演: 小野花梨 青木柚 遠山景織子 仁科貴 青柳尊哉 尾崎桃子
■製作総指揮:松谷孝征(VIPO理事長)
■プロデューサー:臼井正明、古森正泰
■撮影:今泉尚亮
(2021年/カラー/ビスタサイズ/30分/©2021 VIPO)
【あらすじ】
2009年、冬。高校二年生の清水あき子(小野花梨)は自宅から自分の学力で通える最大限に遠い都内の高校に通っている。家では眠れないあき子は常に睡眠不足で、教室や電車内でよく居眠りをしている。ある日、電車内で目覚めると、将棋に夢中になっている一人の少年・吉田(青木柚)が目に入る。吉田との出会いがあき子の暗くて単調な生活に変化をもたらすが、またしても共に過ごす時間が消え去ろうとする。
あき子は時々、昔一緒に住んでいた祖母の家に行って眠りにつく。と言っても、もう家は取り壊され更地になっているのだが、お構いなしに、優しい祖母との思い出に包まれるようにして地べたで寝てしまうのだ。そんな祖母を大切しなかった両親への反発もあり、家には居場所がないあき子にとって、そこが一番安心して眠れる場所だったのだ。
【感想】
大切な人を失って、その面影と温もりを求め過ぎて他を寄せ付けないこともあるだろう。ましてや、思春期のどうしようもない気持ちを持て余し、家族や級友らにも心を閉ざしてしまうこともあるだろう。そんな行き場のない気持ちを抱えた少女が、安心して眠れる場所を探すように他者とのコミュニケーションをとろうとする。その姿に冷ややかなニヒルさを感じさせる。終始仏頂面の少女と、安易な理解を拒むような展開は共感しづらいところもある。思春期の暗い面ばかりでなく、少女ならではの生命力はじけるようなシーンも盛り込んでほしかったなぁ。
【木村緩菜監督のコメント】
コロナ禍での撮影は、マスクやフェイスシールドなどで相手の表情が見えにくく、気持ちも分かりにくかったように感じて、コミュニケーションを如何にとっていくかが大変でした。それでも、いろんな人が意見を言って下さったり協力して下さったりして作品ができたことにとても感謝しています。
テーマについては、「自分の居場所がないというか、帰る場所がないと思っている人が、どうやって一人で生きていったらいいのか?」と思った時に書いた脚本です。主人公は自己肯定感の低い少女ですが、過去の楽しかった思い出を拠り所にして、新たなコミュニケーションをとろうとしていきます。私が伝えたいテーマは分かりにくいと思うので、どこまで理解してもらえるか分かりませんが、自分の中でこれが正しいと思うことは曲げないようにしました。
好きな映画監督は、田中登監督や熊代辰巳監督に黒澤明監督、アンドレイ・タルコフスキー監督などが好きです。「感性が先行する映像派」と言われるかも知れませんが、今後は、言葉で説明できない感情をちゃんと映画にできたらいいなと思っています。
【PROFILE】1992年千葉県生まれ。
日本映画大学卒業。在学中からピンク映画や低予算の現場で働く。卒業制作では脚本・ 監督を務めた「さよならあたしの夜」を16mmフイルムで制作。卒業後は映画やドラマ、CM、MVなど様々な監督のもとで助監督として働く。
■監督:志萱大輔(SHIGAYA DAISUKE)
■作品名:『窓たち』
■作家推薦:PFF
■制作プロダクション:角川大映スタジオ
■出演: 小林涼子 関口アナン 瀬戸さおり 小林竜樹 里々佳
■製作総指揮:松谷孝征(VIPO理事長)
■プロデューサー:新井宏美
■撮影:芦澤明子
(2021年/カラー/ビスタサイズ/30分/©2021 VIPO)
【あらすじ】
一緒に暮らして5年程が経つ美容師の朝子(小林涼子)とその恋人でピザ屋のアルバイトをしている森(関口アナン)。その関係性はもうときめくことはないが冷め切っているわけでもない。森には他の女性の気配がする上に、生活を向上させようとする意欲もない。このままこの関係を続けていいものだろうかと不安に感じ始めた朝子は、森に妊娠したことを告げる。
子どもがいる友人宅で父親としての自覚を感じ始めた森は、朝子に子どもを産んで欲しいと伝える。彼なりに正社員になろうとしたり女性関係を清算したりするが、朝子はなぜか冴えない表情のまま。そんな朝子が働く美容室に、森の彼女らしき女性がやって来る。笑顔で対応する朝子。その夜、朝子は森にある告白をする……。
【感想】
同棲も長くなると緊張感も薄れ不安がつのることもあるだろう。お互いの信頼感が揺らぎ始めると、相手の心を試したくなってくる。そんな二人の変化を日常の生活の一部分を切り取ったような描写は、微妙すぎて瞬時には理解しづらいところもあった。本当に一緒に生きていきたいのか、本当に必要な存在なのか、もう少し心情を吐露するようなシーンがあっても良かったのでは?と、単調なトーンで終始した展開にちょっと物足りなさを感じた。それでも、朝子役の小林涼子さんの美しさと芦澤明子カメラマンの陰影の効いた撮影に救われた気がした。
【志萱大輔監督のコメント】
私もプロの方々との大規模撮影に緊張しました。「監督」と呼ばれること自体初めてでしたので、監督としてどう振舞えばいいのか分からず戸惑いました。
テーマについては、「絶妙な男女のすれ違いを切り取ったストーリー」、自身の経験上、夫婦ではないが恋人同士とも違うという実感があったので、それを映画にできたらいいなと思って書きました。
設定の説明不足もあり、人物が登場するシーンなどで唐突に思われたシーンもあったかも知れませんが、基本的には脚本に忠実に撮影していきました。本当はもっと前の段階のシーンもあったのですが、30分に収めるが課題でしたので、どの段階から描き始めればいいのかと考えた結果、あのような構成になったのです。
好きな映画というか、何度も見返している映画は、ポール・トーマス・アンダーソン監督の『ザ・マスター』です。物語が好きという訳ではないのですが、無表情の登場人物をただ撮っているように見えて、心の中がありありと映し出されていくところが好きでよく観ています。他にホン・サンス監督も好きで、キム・ミニと一緒に撮っている作品が最高だと思います。
今後は、単純に霊感に興味があるので、そういうものを題材にした作品を撮ってみたいです。どんな撮り方ができるのか、とても興味があります。
【PROFILE】1994年神奈川県生まれ。
日本大学芸術学部卒。監督作「春みたいだ」がPFF2017、TAMA NEW WAVE正式コンペティション部門などに入選。また海外では、Tel Aviv International Student Film Festival(イスラエル)などに出品/上映された。現在はフリーランスの映像ディレクター/エディターとしてMVやweb CMを手がける一方、自主映画制作も行い、最新作「猫を放つ」(2019)が公開準備中。
★東京で開催された合評上映会のレポートはこちら▶ http://cineref.com/report/2021/02/ndjc2020.html
(シネルフレ・河田 真喜子)