「AI」と一致するもの

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 第21回大阪アジアン映画祭が2025年8月29日(金)に開幕し、ABCホールにて開催されたオープニング・セレモニーには、上映作品68作品中、中国、香港、インド、日本、韓国、フィリピン、台湾、タイ、アメリカの19作品から、監督、出演者など35名を超えるゲストが登壇した。
ゲストを代表して、オープニング作品『万博追跡』(2Kレストア版)主演のジュディ・オングさんが「映画は文化をのぞき見る窓。映画を通して、時代、国、文化を知ることができる」と、映画の持つ力を語った。そしてアジア中から集まった登壇者を前に、「ここにいる新しい若いパワーを感じていただきたい。そして若い才能を紹介する大阪アジアン映画祭がこれからも続いてほしい」と挨拶し、フォトセッションではゲストたちが観客の声援に笑顔で応えた。
 
 
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 続いてオープニング上映作品として、1970年の大阪万博を背景に、日本の名所も巡りながら華麗なミュージカルやアクションの要素融合させたスペクタクル・エンタテインメント映画『万博追跡』の舞台挨拶が開催され、主演・ジュディ・オングさん、本作の修復作業を手掛けた台湾の国家電影及視聴文化中心(TFAI)チェアマンのアーサー・チュウさんが登壇した。
 
 世界初上映となる『万博追跡』修復作業2Kレストア作業を手掛けた台湾の国家電影及視聴文化中心(TFAI)チェアマンのアーサー・チュウさんは、「この映画の魅力は、僕の隣にいるこのひと!」とジュディ・オングさんを紹介すると、ジュディさんが「映画の撮影は55年前!あの頃、私は20歳!!」と撮影当時を懐かしんでいる様子。1970年の大阪万博当時、台湾のテレビで家族と開幕式を見たアーサーさんは、「2025大阪・関西万博が開催される大阪で『万博追跡』レストア版が世界初上映されること」への喜びを語り、クラシック作品の修復で一番大切にしているのは「映画の美学を取り戻すことではなく、歴史、文化、時代を反映するもの、その時代の魂を映画で表現すること」だとし、ジュディさんの演技とあわせて観てほしいと語った。
一方、前日に2025大阪・関西万博に行ったジュディさんは「1970年の万博は未来、宇宙、近未来への期待があふれていた。いま開催中の万博は、未来のために私たちが何をすべきなのかを考えさせる。自然と生命が共に過ごすことが示されており、55年間これだけ進化してきたので、今度はそれを返していく時代」と言及。『万博追跡』は、ジュディさんが70年の万博会場を縦横無人に駆け巡り、ミュージカルあり、サスペンスありのてんこ盛りな内容になっており、「これから映画を観るひとは、きっとビックリすると思う。楽しんで!」と笑顔で締めくくると、会場は大きな拍手に包まれた。
 
 
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【集合写真(敬称略。左から)】
≪後列≫Frankie、Sam、エミー・チャン、スティーブ・リー、ホー・プイ、オーシャン・オン(『レッド・キス』) /クニミノブヒコ、野田龍之介、峰松布美(『たぶん未来が呼んでいる』) /伊能昌幸、松本卓也、阪元裕吾(『フレイムユニオン 最強殺し屋伝説 国岡 [私闘編]」』)/坂本憲翔(『イマジナリーライン』)/中山慎悟、野原位(『息子の鑑」』)/ツェン・ズーティン、クリスティーン・マーガレット・ウー(『洗』)/飯塚俊光(『カミナンって、呼ぶな。』)/シー・チーティエン、フー・ダンディー、リウ・チンリン(『明日が来る前に』)/上倉庸敬
 
≪前列≫ジュン・リー(『クィアパノラマ』)/パク・ジョンイン、ソックィ、チェ・ミンジ(『ウィービング』)/キム・ミヒャン(『初めての夏』)、ホ・ガヨン(『あなたを植える場所』『初めての夏』)/チョウ・マンユー(『私立探偵』)/ジオ・ロムンタッ(『サンシャイン」』)/アーサー・チュウ(国家電影及視聴文化中心チェアマン)/ジュディ・オング(『万博追跡』(2Kレストア版))/武田梨奈、関根俊夫、藤原環(『シャンバラストーリー』)/ニコラス・レッド、ミカエル・レッド(『ポストハウス』)/蘇鈺淳(『桃味の梨』)/宮瀬佐知子、迫あすみ(『ミルクレディ』) /鳥越義弘
 
 
第21回大阪アジアン映画祭は9月7日(日)まで、ABCホール、テアトル梅田、T・ジョイ梅田、大阪中之島美術館、大阪市中央公会堂にて開催。
 
『万博追跡』(c) 2025 Taiwan Film and Audiovisual Institute. All rights reserved.
©OAFF
 


hyakuemu-550-2.JPG(左から、岩井澤健治監督、津田健次郎、松坂桃李、染谷将太、内山昂輝)


【日時】8月27日(水)

【会場】日経ホール(千代田区大手町1丁目3−7日経ビル3階・4階)

【登壇者】松坂桃李、染谷将太、内山昂輝、津田健次郎、岩井澤健治監督



hyakuemu-pos.jpg劇場長編アニメーション『ひゃくえむ。』が9月19日(金)より全国公開する。原作は、「チ。―地球の運動について―」で手塚治虫文化賞マンガ大賞を史上最年少受賞した新鋭・魚豊の連載デビュー作『ひゃくえむ。』(講談社刊)。陸上競技の世界で、「100m」という一瞬の輝きに魅せられた者たちの情熱と狂気を描いた物語は、「心が熱くなる」「スポーツ漫画で感じたことない感覚」と多くの共感と驚きを呼び、完結後も熱狂的な人気を集めている。監督は、長編1作目の『音楽』で「アニメ界のアカデミー賞」と名高い米アニー賞ノミネートをはじめ、国内外の多数の映画賞で高い評価を受ける気鋭のクリエーター・岩井澤健治が手掛ける。声の出演には、生まれつき足の速い“才能型”のトガシを松坂桃李、トガシとの出会いから、100m走にのめり込んでいく“努力型”の小宮を染谷将太。さらに、「100m」の熱き世界で主人公のトガシと小宮を取り巻くキャラクターに内山昂輝津田健次郎ら総勢12名の豪華声優陣が命を吹き込む。主題歌はOfficial髭男dismの8か月ぶりのリリースとなる書き下ろし最新曲「らしさ」。メンバーが原作に感銘を受けたことからコラボレーションが実現し、最大の熱量で作品を彩る。豪華キャストとスタッフによる、今年一番の興奮がトップスピードでスクリーンを駆け抜ける!
 


この度、劇場アニメ『ひゃくえむ。』の完成披露試写会を開催しました!

W主演の松坂桃李(トガシ役)染谷将太(小宮役)を筆頭に、内山昂輝 (財津役)津田健次郎(海棠役)ら、本作を彩るメインキャストと岩井澤健治監督が登壇。本作完成の喜びや貴重な撮影秘話、作品にちなんだフリップトークなど、大盛況なイベントとなりました。


hyakuemu-松坂桃李-1.JPG映画上映前、会場には大勢の観客が来場、登壇者たちがステージに登壇すると大きな拍手で彼らを出迎えた。そんな熱気あふれる会場の様子に笑顔を見せた松坂(トガシ役)は「僕が参加させていただいているから言うのもなんなんですが、この作品、めちゃくちゃ面白いです。ハードルを上げるのもなんだとは思うんですが、予想を遥かに上回る面白さがこの作品にはありますので。映画を見終わった後は、見終わった熱量のままで、SNSなどを使って感想を言っていただけるとうれしいです」と挨拶。


続く染谷(小宮役)も「僕もひと足先に観させていただいたんですが、最高に面白いです!原作ももちろん大好きなんですが、このアニメには音と臨場感と生々しさと、本当にたくさんのものが入り交じっていて、僕自身も感動しました」とコメント。さらに大勢の観客を前にした岩井澤監督も「企画から4年やってきて、やっとここにたどり着けたなと。本日はたくさんの方に観ていただくことができて、今ちょっと胸がいっぱいです。もうこのまま裏で一人で泣いていたいぐらい」と感無量の様子だった。


hyakuemu--染谷将太-1.JPG実際に完成した本編を鑑賞した松坂は「原作を読んだ時、漫画なのに登場人物の息遣いや走っている足音、風を切る空気感をすごく感じました。この走っている描写をアニメにしたらどうなるんだろうとすごく気になっていましたが、完成した作品を観た時、僕が原作を読んだ時、そのままの衝撃があって。これはすごい。よくぞアニメーションでこんなすごいものができあがったな。と思いました」と驚きを隠せない様子。一方の染谷は「漫画で感じた“たった10秒間”という100メートル走の短さ、儚さ、そこに詰まっている人生。漫画を読んでいた時に感じたその感覚が、映画ならでは新たな形の10秒間になって。それが生々しくもあり、臨場感がある映像にもなっていました」と感激していた。

 


hyakuemu-内⼭昂輝-1.JPGさらに内山(財津役)は「僕は声優として色々なスポーツアニメに関わらせていただいてきたんですけど、そのどれとも違う。観たことのない映像表現が色んなシーンに散りばめられていて。新しい、すごい、とてつもない作品が誕生したなと感動しました」とその革新性について言及すると、津田(海棠役)も「スポーツアニメの王道の良さもたっぷりありつつ、本当に個性的な独自の映像表現もあって、どっちの要素も入っている。王道のカタルシスとは違うカタルシスを生んでいて。皆さん、今日はお越しになってよかったんじゃないかと思いますよ」と笑顔で会場に呼びかけた。


そんな本作のオファーを受けた理由について質問された松坂は「原作を読んだらあまりにも面白すぎて。なんで今までこれを読んでこなかったのかと思いました。これを受けないなんて理由がない。こんな面白い作品に参加させてもらっていいんですか? という思いでした」とオファーの段階から本作に魅了されていたことを明かす。一方の染谷は「企画と一緒に原作をいただいたんですが、本当に食らっちゃって。しかもこれを岩井澤監督がアニメ化して、トガシ役は(松坂)桃李くんがやると聞いて。『これは何て幸せなことだ』と。うれしくてプルプルしてました」と興奮した様子で振り返った。


hyakuemu-500-1.JPG松坂と染谷は2011年の『アントキノイノチ』以来、14年ぶりの共演となる。待望の共演に松坂は「めちゃくちゃうれしかったです。なんで14年も共演できなかったんだろうと。誰かが邪魔してたのかな?と思うくらい」と冗談めかしつつも、「お互い違うところで出ている作品を見ながら刺激をもらって。『いつかまた』と思っていたタイミングだったので。うれしさが倍増しました」と喜びのコメント。染谷も「ずっと桃李くんの作品は拝見していて、いつかまたお会いしたいなと思っていたので、『ひゃくえむ。』という映画でまた一緒にやらせていただけたのは本当にうれしかったです」と感慨深い様子で続けた。


hyakuemu-津田健次郎-1.JPGそしてその後の話題はアフレコに。松坂は津田と一緒に収録を行ったとのことで、「津田さんが声を入れている姿を無料で間近で見られて、めちゃくちゃラッキーだなと。津田さんのしゃべっているのを後ろから聞きながら『うわ、こうやってやるんだ! すげえ!』と内心思いながら、ずっと見学モードみたいな感じで受け取っていました」と興奮した様子でコメント。津田も「掛け合いのシーンで、すごく生っぽい言葉をもらえて。そこに返していくみたいな感じだったので。本当に一緒に録れてよかったし、僕もすごくうれしかった」と笑顔で返した。


一方の染谷は内山と一緒に収録を行った。「財津はものすごく好きなキャラクター。はじまった瞬間に『あ、財津だ!』と思って。しかもそのシーンが僕がものすごく食らったシーンだったので。実際に一緒に隣でやらせていただいて、すごく刺激を受けました」とコメント。それに対し内山は「僕はアフレコは全然失敗していいものだと思っていて。探り探りでやるんですけど、染谷さんは表現に迷いがない。最初から答えを出す感じでやってらして。『ちゃんとしてるな、やっぱり』と思いました」と返した。


hyakuemu-500-2.JPG内山演じる財津は独特なセリフまわしが印象的なキャラクターだが、「文字でセリフを読んでいる時は『ふむふむ』と読めるんですけど、実際に声で表現するとなると、どうすれば財津らしさが出るのか悩みました」と役作りの苦労を語る内山。岩井澤監督によると、原作者の魚豊先生からも細かいところの修正案を出してくれたとのことで、「セリフの語尾とかも、読む文字としては成立するけど、しゃべり言葉として発すると逆に変かもしれませんと言っていただいて。逆に先生からセリフを変えていただいたりもしました」と明かすと、財津のセリフについても「魚豊先生からは、丁寧な言葉に変えた方がいいですと言っていただいて。こちらとしては『それでいいんだ』と思ったんですけど、実際に内山さんにセリフを言ってもらうと、すごくはまってましたね」と感心した様子で付け加えた。


そしてイベント中盤では、登壇者たちの「胸が熱くなること」をテーマとしたフリップトークを実施。まず内山が「陸上のアニメなんですが……」と前置きしつつも、「ヨーロッパサッカー開幕」と回答しドッと沸いた会場内。続く染谷も「陸上なんですが……プール」と回答。「クロールで泳ぐと、だんだん無になっていく感覚が気持ちいいんです。プールにいる先輩スイマーたちの脱力した泳ぎを見て、あの域に達したいなと思っています」とその理由を明かした。


hyakuemu-500-3.JPGさらに松坂も「陸上ではないんですが……金魚すくい」という回答。「こないだ夏祭りで金魚すくいをやったら、めちゃくちゃ面白くて。シンプルだけど技術がいる。金魚すくいってこんなに面白いんだと思った」と熱弁。ポイの扱い方について実技を交えながら「半分だけ水につけて様子を見ながら……」と付け加えた。


hyakuemu-岩井澤健治監督-1.JPGそんな中「ここで軌道修正します」と笑った津田は「純度の高さ」と回答。「この映画もそうですが、純度が高い人や表現を観るとドキッとしてしまう。たとえば子どもが後先考えずに遊んでいる姿とか。それは岩井澤監督もそう。そういう純度の高さに胸を打たれます」とかみ締めるようにコメント。そして最後に岩井澤監督が「今」と回答。「このメンツでここに立てることは二度とないかもしれない。本当に今、胸が熱いです」と語る監督の言葉に、松坂たちも「また呼んでくださいよ!」と再タッグを熱望するひと幕も。


そんな大盛り上がりのイベントもいよいよ終盤。最後のメッセージを求められた染谷は「スポーツをやる方でも、もちろんスポーツをやられない方でも、本当に誰が観ても、絶対に胸に響いてくる音と描写描写が待っています。ぜひ劇場のスクリーンで、そして劇場のスピーカーで、この映画を体感して。何かを持って帰っていただけたら」と語ると、松坂も「トガシのセリフにもあるんですが、『100mを誰よりも速く走れば、全部解決する』と。本当にシンプルだけれどディープなこの世界に人生をかけた登場人物たちの感情の動きだったり、美しさみたいなものが、本当に胸を打つと思うので。臨場感とともにそれを受け取っていただけたら幸いです。どうか最後まで楽しんでいってください」と会場に呼びかけ、温かな拍手に包まれながらイベントは幕を閉じた。
 


『ひゃくえむ。

<STORY>

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生まれつき足が速く、「友達」も「居場所」も手に入れてきたトガシと、辛い現実を忘れるため、ただがむしゃらに走っていた転校生の小宮。
トガシは、そんな小宮に速く走る方法を教え、放課後2人で練習を重ねる。打ち込むものを見つけ、貪欲に記録を追うようになる小宮。
次第に2人は100m走を通して、ライバルとも親友ともいえる関係になっていった。
数年後、天才ランナーとして名を馳せるも、勝ち続けなければいけない恐怖に怯えるトガシの前にトップランナーの一人となった小宮が現れるー。


松坂桃李 染谷将太
笠間 淳 高橋李依 田中有紀
種﨑敦美 悠木 碧
内田雄馬 内山昂輝 津田健次郎
原作:魚豊『ひゃくえむ。』(講談社「マガジンポケット」所載)
監督:岩井澤健治
脚本:むとうやすゆき
キャラクターデザイン・総作画監督:小嶋慶祐
音楽:堤博明
主題歌:Official髭男dism「らしさ」(IRORI Records / PONY CANYON)
美術監督:山口渓観薫 色彩設計:松島英子 
撮影監督:駒月麻顕 編集:宮崎 歩 
音楽ディレクター:池田貴博 サウンドデザイン:大河原 将 
キャスティング:池田舞 松本晏純 音響制作担当:今西栄介
プロデューサー:寺田悠輔 片山悠樹 武次茜
アニメーション制作:ロックンロール・マウンテン
製作:『ひゃくえむ。』製作委員会(ポニーキャニオン/TBSテレビ/アスミック・エース/GKIDS)
配給:ポニーキャニオン/アスミック・エース 
 ©魚豊・講談社/『ひゃくえむ。』製作委員会

公式サイト:https://hyakuemu-anime.com
公式X: https://x.com/hyakuemu_anime

2025年9月19日(金)~全国公開

<原作情報>

『ひゃくえむ。』(講談社「マガジンポケット」所載)
著:魚豊
コミックス全5巻、新装版全2巻:好評発売中


(オフィシャル・レポートより)

 
 
 


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●日時:8月27日(水)18:30~18:55)

●会場:TOHOシネマズなんば 本館 スクリーン7(大阪市中央区難波3-8-9なんばマルイ8F)

●登壇ゲスト: 3時のヒロイン(敬称略)


2025 年に公開した実写映画で“初”の全世界興行収入 10 億ドルを突破し、2025 年実写作品・全世界興行収入 NO.1 を記録している爆発的大ヒット中の『リロ&スティッチ』や、学園ミュージカルの金字塔として世界中で大ヒットし、ティーンエイジャーの心を掴んだ名作『ハイスクール・ミュージカル』、そして普通の高校生として学校生活を送りながら、実は世界的なポップスター「ハンナ・モンタナ」としての顔も持つという二重生活を描き世界中を魅了した青春ドラマ『ハンナ・モンタナ』を手がけたディズニーが贈る最新実写映画『シャッフル・フライデー』(原題『FreakierFriday』)が、9月5日(フライデー)に劇場公開となります。


そしてこの度、日本公開を目前に控えた8月27日(水)、スペシャルゲストとして3時のヒロインが登壇する特別試写会が実施された

本作のキーカラーである紫と緑を取り入れた映画の舞台・ロサンゼルスを感じる”海外ドラマ風”な衣装で3時のヒロインは「こんにちは~奥まで見えてるよ~!」と会場に集まった観客にファンサービスを送りながら登場。MCに「もう一気にパーッと明るくなった感じがします」という感想に、ゆめっちは「ミラーボールってことね」と返し、3人それぞれ映画のヒロインのように挨拶をし、イベントがスタートした。


shuffle-friday-8.27-500-3.jpg海外ドラマから飛び出してきたような衣装で登場した3人。MCに衣装について触れられ、福田は「今日は合わせてきたんですよ。紫と緑を入れさせてもらって、舞台のねロサンゼルスをイメージをしました。」かなでは「私は、髪型とかも普段はストレートなんですけど、(今日は髪を巻いて)ロサンゼルスを巻いてきました。」と話した。3時のヒロインは“海外ドラマあるある”を題材にしたコントで知られているが、そのことについて福田は「明るいし、吹替の良さが好きです。字幕もすごい良いですけど、吹替のあるよねこういうのという展開だったり、お決まりのシーンみたいなのが好きですね」と答え、本作の入れ替わるシーンのドタバタ感がすごく面白かったということでここでなんと本日限定で『シャッフル・フライデー』にちなんだ“あるあるネタ”を披露してくれることに!「信じられないられないことがおこっているのになぜか1度すんなり受け入れる」ネタを披露。予告にもあるシーンを入れたオマージュネタを披露し、会場は大きな笑いに包まれ、3時のヒロイン3人が映画に登場しているんじゃないかと錯覚するような面白いネタを披露した。


shuffle-friday-8.27-500-1(ネタ中).jpg本作の内容について、かなでは「とにかく私たちが大好きな海外ドラマ感ですごいハッピーになれます!でもね、私泣いちゃいました。涙もあるよ。」と感動ポイントをアピール。次に福田は「2人が入れ替わる作品は見たことがあるんですけど、この作品では4人が入れ替わっているから、展開がドタバタ過ぎて面白かったです。展開が気持ちよくて爽快感もあり楽しかったです!」と話し、おばあちゃん、ママ、娘2人の4人がシャッフルするという設定の面白さを語った。そしてゆめっちは劇中ファッションの魅力について「3世代の女性が、メイクとか服装がコロコロ変わるので、真似したくなりました。女子は気分上がると思う!」と話し、それに対し福田は「自分も歳を取ったら年齢にとらわれず、好きな格好していいんだという気持ちにもなれました」とコメント。ファッショントークで盛り上がると、さらにゆめっちは「やばいよ、ぶちアガっちゃうよ」と熱く語った。


shuffle-friday-8.27-500-2.jpgまた、本作にはアンナの結婚相手・エリックとアンナの初恋の相手・ジェイク、そしてテスの夫・ライアンという渋い魅力にあふれる3人の男性が登場する。3人の中で推しを聞かれると福田は「見た目と裏腹のちょっと天然さがすごく可愛くて、王道はジェイク感がありますけど…でも私はエリックです。ダメなところが見当たらなかった!完璧な誠実な男性像です。」と迷いながらも回答。ゆめっちは「ライアン!私は年上の方が好きで、清潔感がとてもありとてもかっこいい。スポーツも現役でやっていて、奥さんやご家族を大事にしていて。ライアンと出会いたかった(笑)でも既婚者はちょっとごめんなさい(笑)」と話すと、福田が「向こうもごめんなさいやで!」とすかさずツッコみ、会場は笑いに包まれた。かなでは「正直ジェイクではありました!でもこれからはエリック。結婚するならライアン!ジェイクにアタックしても手が届かないと思うから、腕短いから届かないんだけど…(笑)」と明るくボケつつ、欲張りな回答で笑いを誘った。


shuffle-friday-main.jpg家族の中身が入れ替わって“シャッフル”するということで、「もし有名人の誰かと“シャッフル”するとしたら、誰と入れ替わって何をしたいか」という質問に対し、ゆめっちは「ドウェイン・ジョンソンさんです!」と答え、「あの体まで鍛え上げて、アクションしてモテまくりたい。彼のプライベートをみたい(笑)」と話す。それに対し福田は「中からのストーカーやん!」とつっこみ笑いを誘った。続いて福田は「私は相方ですね。どっちでもいいけど、2人ともロケ先だったり色んな方から人気で、圧倒的な存在感があるからそういう意味で入れ替わってみたいですね。」とトリオ愛をアピールした。かなでは「べイマックスさんです!私ができないけど彼は勇敢なので、体がどうせ大きいなら守ってあげたいです!」とディズニー愛も交えつつ、3人はシャッフルトークで盛り上がった。


最後にこれから映画をご覧いただく皆様へ、ゆめっちは「この作品を観て、思いやりのこころを自分の心臓に発見しました(笑)笑って笑って笑って泣けて、大切な人皆と観てほしいです。エンドロールの映像も楽しいです!」とアピール。続いて福田は「最近うまくいかないな~とか落ち込んでる子には特に見てほしいです!」とコメント。最後にかなでは「色々変わることで、変わらないことがすごく鮮明に感じることができます。皆さん是非観てください!」とメッセージを贈り、イベントは大盛況のうちに終了した。
 


【STORY】

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ママとおばあちゃんと暮らす高校生のハーパー。ママは結婚間近で、結婚相手の娘はキライな同級生!複雑なキモチで迎えたある金曜日、目覚めたら家族の体が“シャッフル”していて大混乱!ママ⇔私、おばあちゃん⇔あの子――どうやったら元に戻れるの?入れ替わって見えてきた、ママの本当のキモチ、あの子の本当のキモチ・・・笑って笑ってちょっぴり泣ける、最高のハートフルコメディ!

 

■原題:FREAKIER FRIDAY(全米公開8月8日)
■監督:ニーシャ・ガナトラ
■キャスト:ジェイミー・リー・カーティス/リンジー・ローハン/ジュリア・バターズ/ソフィア・ハモンズ/マニー・ジャシント/チャド・マイケル・マーレイ
■日本版声優:小笠原亜里沙、唐沢潤、本渡楓、伊藤彩沙、竹内栄治、浪川大輔、原康義
■上映時間:1 時間 52 分
■配給:ウォルト・ディズニー・ジャパン
■©2025 Disney Enterprises, Inc. All Rights Reserved.

■公式サイト:https://www.disney.co.jp/movie/shuffle-friday

2025年9月5日(フライデー)~全国ロードショー


(オフィシャル・レポートより)


meisoukazoku-bu8.26-550-2.jpg(前列左から、永野宗典、戸田菜穂、三浦理奈、秋庭悠佑、後列左から、坂東さかえ、熊切和嘉監督、金田敬監督)


■日時 :8月26日(火)18:00~18:30 

■会場 :テアトル梅田(大阪市北区大淀中1丁目1−88 3・4階)

■登壇者(敬称略):戸田菜穂、永野宗典、三浦理奈、秋庭悠佑、熊切和嘉監督、金田敬監督

■MC :坂東さかえ



三部構成からなる『メイソウ家族』は、母親が完璧な家庭を維持する緊張がキレたように迷走していく「YUI」、家族に構ってもらえず愛されることを求める一方の娘の迷走が思わぬ遭遇で変化していく「MONOS」、喪失感と孤独感で失声症になった少女がほのかな恋心で変化していく「UMI」と、“愛の渇望”が通底にある家族の物語である。しかも3篇は全く異なる情景で展開されながらもある繋がりを見せていくという、実にユニークな迷走ぶりで観る者を惹き込んでいく。


meisoukazoku-pos-550-2.jpg8月29日(金)からの全国公開を前にテアトル梅田にて先行上映舞台挨拶が行われ、『メイソウ家族』のキャスト、戸田菜穂、永野宗典、三浦理奈、秋庭悠佑の4人と、熊切和嘉監督、金田敬監督が登壇して、作品への想いや撮影中の秘話について語ってくれた。タイトル同様、撮影現場でもかなりのメイソウぶりを見せていたという現役芸大生の秋庭悠佑のハイテンションに会場が笑いに包まれる一方、かつてないクレイジーさで度肝を抜いた戸田菜穂や永野宗典のベテラン俳優の落ち着いた語りが作品への関心をさらに高める舞台挨拶となった。


本作は、大阪芸術大学が映像企業との産学協同で作られた作品で、4年に一度制作されており、映像学科だけでなく他の学科からもキャストやスタッフとして参加。今回は全国公開となり、映画制作だけでなく宣伝や興行についても学ぶ機会となっている。学生が書いた100本以上の脚本の中から選ばれた3本をさらに脚色し、大阪芸術大学の卒業生でもある熊切和嘉監督(『658km、陽子の旅』『ゼンブ・オブ・トーキョー』)と、金田敬監督(『校庭に東風吹いて』)の二人が監督。「YUI」「UMI」は熊切監督が、「MONOS」を金田監督が担当しているが、脚本の完成度が高かった「YUI」については両監督が取り合いになったという。

(詳細は以下の通りです。)
 


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――脚本を初めて読んだ感想は?

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熊切監督3本とも面白い脚本だったのですが、特に「YUI」が元々『メイソウ家族』というタイトルの脚本で、とても完成度が高くて、実は金田監督と取り合いになった程でした。でも、あまりにもまとまり過ぎていたので、逆に破綻させたいという思いで撮りました。「UMI」は元々あまり完成度は高くなかったのですが、うまく直していったらシンプルでいい映像作品になるのではと思いました。


金田監督「YUI」は先に熊切監督に獲られちゃったんで(笑)…「MONOS」はちょっと変わった話で、自分では絶対に選ばない企画でしたが、この機会にチャレンジしようと思いました。また、大阪芸大の客員教授で世界的造形作家であるスクリーミング・マッド・ジョージ先生が造形を担当されることもキッカケにはなりました。


meisoukazoku-bu8.26-toda-240-1.jpg戸田:不思議な台本。不思議な人も登場しますし、どういう映画になるのかなと思いました。とてもエキセントリックでハイになるシーンもあり、実際そういう風になって恐ろしいなと感じました。


永野:歯車が咬み合わなくなってきた家族の様子がとても丁寧に書かれているなと、素直に面白いと感じました。先ほど熊切監督が破綻させたと仰ったので、原型はどうだったんだろうと気になりまた。普段コミカルな役が多いのですが、今回はそうじゃないので、役に集中しようと思えるような魅力的な脚本でした。


三浦:とても不思議な物語。撮影が進むにつれてどんな風な作品かと分かってきました。最初台本読んだだけでは、頭がはてな(?)でした。特に「MONOS」はパンチが効いていて、演じながらわくわくした気持ちでいっぱいでした。


秋庭:芸大らしいなと思いました。僕はミュージカル学科の4回生で芸大大好き“芸大ラブ”なんですよ。僕は「MONOS」しか出てませんが、こういう変わった作品にも出たいなと思っていたので、この役は僕に似ている部分が多くて、やりがいがあると思いました。

永野:映画の中でも疾走感ありますよね。立ってても疾走感があり、凄い存在感でしたね。(笑)


meisoukazoku-bu8.26-nagano-240-1.jpg――大阪芸術大学の学生とのコラボについて?

戸田:撮影中はアシスタントやメイクも学生さんにしてもらって、天王寺駅から学生さんと一緒に電車に乗って大学へ通っていたので、とても楽しくて新鮮な気持ちになれました。私がエキセントリックになるシーンでも真剣に見てくれて、とても嬉しかったです。


永野:他の現場と変わらない快適さだったので、普段からの学習や経験が活かされていたと思います。ただ一点違うのは、スタッフの瞳のピュアさでしょうか。目の奥がキラッと未来を見据えている瞳でしたね。共演したキャストもアドリブ的呼吸も合っていて、とても頼もしく感じました。


三浦:皆さんとても真剣に取り組んでおられて、それが刺激的で自分ももっと頑張ろうと喝が入りました。


――現役学生の秋庭さんは、全国公開となったお気持ちは?

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秋庭:天にも昇る気持ちです。入学時、自分の名前が大学に残るような4年間を過ごそうと思っていたので、実現できて凄く幸せです。僕の口癖は「芸大楽しい!」なんで、それが体現できて嬉しかったです。撮影中、スタッフに「じっとしといてください!」と言われたり、スタッフや金田監督にいっぱい迷惑かけちゃいました(笑)。監督の目から湯気が出てるぐらい熱気が凄かったです。その熱気で演じ切ることができました。


金田監督「MONOS」は全部大学内で撮り終えてます。それは秋庭君がどこ行くか分からないので、大学内でやる必要があったのです(笑)。もう顔見知りの学生がいると、いちいち「ワ~!」って興奮するんで、それを抑えるのが大変でした。お芝居がどうのこうのより、「とにかく落ち着け!」と、動物の調教師になったみたいでしたわ(笑)。でも、いざスイッチが入ると、さすがに舞台芸術学科の本領を発揮してくれました。迷惑は掛けられたけど、楽しい現場でした。


meisoukazoku-bu8.26-kaneda-240-1.jpg秋庭:金田監督から学んだことは、テストでは60~70%の力でいいと…ケガするから。

金田監督君はテストで150%出してきてどんどん興奮してくるから、「抑えて抑えて、60%どころか40%でええし!本番でパーンとやってくれたらいいから…」(笑)


――熊切監督は大阪芸大での撮影は如何でしたか?

熊切監督もう30年位前になりますが、僕が学生の時は毎日のように自主映画を撮っていたので、その頃撮り損ねていた場所で今回撮影できて良かったです。学生とのコラボは普段より時間はかかりますが、一生懸命やってくれるんで、僕も負けじと頑張れました。


――見どころについて?

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秋庭:「MONOS」での三浦さんとの掛け合いがとても自然な感じのカップル感が出ていると思います。最後にあっと驚くような仕掛けがあるんで、それもお楽しみに!

金田監督:あんまりハードル上げんなよ!(笑)

三浦:自分に足りないものを満たしたいと思う時迷走しまいがちだけど、それでもどこかで繋がるんだなと思いました。ずっと役に集中して取り組んできたので、多くの人に観て頂きたいです。

永野:ともすれば自分にも身内にも実際に起こり得る話で、三話の関連性を探しながら観るのも楽しいかなと思います。それと、現在大ヒット中の日本映画『○○』でも登場するロケ地で撮影されています。どこだか気を付けてご覧ください。

戸田:家族であってもそれぞれが大切に思っていることや考えの違いがあることを改めて実感しました。学生さんたちの映画愛にあふれた作品です。是非ご覧ください。

 


◎監督『YUI』・『UMI』:熊切 和嘉、『MONOS』:金田 敬  
◎脚本『YUI』: 三田村 裕真(メイソウ家族) 、『MONOS』: 阪上 彰馬(モノス) 、『UMI』: 幸田 遼太朗(UMI)  
◎脚色『YUI』: 菊田 涼乃、『MONOS』: 村岡 楓太、『UMI』: 長瀬 南海  
◎撮影監督:佐々木原 保志 
◎音楽:池永 正二(あらかじめ決められた恋人たちへ)
◎出演
『YUI』:戸田 菜穂、永野 宗典、三浦 理奈、高村 佳偉人 、
『MONOS』:三浦 理奈、秋庭 悠佑、
『UMI』:西岡 奏、木村 了  
◎特別出演 :久保田 磨希、タージン、島田 珠代、真凛、板東 さえか、谷村 美月
配給:日活
製作総指揮:塚本 邦彦  製作統括:田中 光敏
エグゼクティブプロデューサー:濱名 一哉
協賛:大成建設株式会社  日本電設工業株式会社
企画:大阪芸術大学  芸術学部  映像学科  製作吉著作:大阪芸術大学
©︎大阪芸術大学

公式 HP: https://www.osaka-geidai.ac.jp/topics/meisoukazoku
公式 X:@meisou_movie

2025年8月29日(金)~ヒューマントラスト渋谷、テアトル梅田、アップリンク京都、ほか全国順次公開!


(河田 真喜子)

 


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『ミッドサマー』『シビル・ウォー アメリカ最後の日』や『関心領域』など、観る者の心に焼き付いて離れないジャンルレスな映画を数々手掛けてきたスタジオA24が新たに贈る、規格外のクィア・ロマンス・スリラー『愛はステロイド(原題『LOVE LIES BLEEDING』)が8月29日(金)より全国ロードショーいたします。


『愛はステロイド』は、大胆で示唆に富んだストーリーテリング、刺激的な演出、そして俳優陣の化学反応が各所から絶賛され、映画批評サイトRotten Tomatoesでは94%フレッシュ(※1)という高評価を獲得。ゴッサム・インディペンデント映画賞をはじめとする世界各国の映画賞に44ノミネートを果たし、第74回ベルリン国際映画祭にも出品され、『ピンク・フラミンゴ』などで知られる鬼才ジョン・ウォーターズが<2024年最高の映画>として挙げた一作。


この度、映画『愛はステロイド』のトークイベント付き試写会を開催し、試写会後のトークには、英国推理作家協会賞主催、世界最⾼峰のミステリー⽂学賞・ダガー賞を先⽉⽇本⼈作家として初めて受賞した『ババヤガの夜』の著者・王⾕晶さんがスペシャル登壇した。


■日時:8月21日(木) 20:50~21:20 ※上映後イベント

■場所:ユーロライブ(渋谷区円山町1-5 KINOHAUS 2F)

■登壇者(敬称略):王谷晶(『ババヤガの夜』) MC:奥浜レイラ


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暴力の世界でしか生きられない主人公の女性・新道が暴力団会長の一人娘のボディガードに抜擢されるー拳の咆哮轟く、シスターハードボイルド小説である『ババヤガの夜』の著者で、先月世界最高峰のミステリー文学賞・ダガー賞を日本人作家として初めて受賞した『ババヤガの夜』の著者・王谷晶さんが21日(木)夜、映画『愛はステロイド』の試写会上映後のトークイベントにスペシャルゲストとして登壇。


はじめに王谷は「こんな素晴らしい作品の試写会にお呼びいただいてありがとうございます。本当に嬉しいです」と挨拶。MCからダガー賞を受賞したことに触れられると、「書いたのはもう6年近く前のことで、今回の受賞は翻訳をしてくださったサムテッドさんのお力によるもの。自分が積極的に何かをしたという意識があまりなくて、ボーとしていたらえらいことになったな、というのが正直な気持ちです」と謙遜しながら語った。


aiste-tolk-240-1.jpg続いて本作を初めて観た印象について、「ついにこういう映画が出てきてくれたという驚きと喜びがありました」と述べ、『テルマ&ルイーズ』から四半世紀以上を経て、現代的にアップデートされたシスターフッド映画としての到達点を感じたと話す。さらに「親子の軋轢を描きながらも、主人公がセクシュアルマイノリティだから対立するという構造ではなく、問題はそこじゃないと示しているのが現代的」だと語り、物語の新しさを絶賛した。


主演のケイティ・オブライアンについては、「存在感とフィジカルの説得力が圧倒的で、あの肉体でなければ成立しない映画」と語り、クリステン・スチュワートについても、「暗い表情を魅力に変えられる稀有な俳優で、閉塞した地方に生きる若者の姿を完璧に体現していました」と称賛。さらに『セイント・モード/狂信』に続く長編2作目に挑んだローズ・グラス監督については、「キャリア初期でこの規模の映画をやれる胆力がすごい。いい意味で観客を納得させない勇気が素晴らしい」と称え、アメリカン・ニューシネマのように大きく転調するラストにも強い衝撃を受けたと明かした。


また、邦題『愛はステロイド』について、「ビデオ屋の棚に並んでいるのが目に浮かぶようなインパクトでとてもいい」と気に入った様子で語り、「80年代を時代設定にした作品で、ニューメキシコ州の地方都市を舞台にした作品は珍しい。都会のネオンに頼らず、音楽やファッションで当時を鮮やかに再現していた。ステロイドがまだ危険視されていなかった時代で、体を鍛えることがブームになり始めた頃の雰囲気を描く必然があったからかなと思います」と分析。「クリント・マンセルのシンセサイザーが鳴る音楽も含め、80年代らしい“ネオン・ノワール”の空気をまとっていましたね」と熱を込めて語った。


aiste-500-2.jpgさらに話題は、今年公開され話題を呼んだ映画『サブスタンス』にも及んだ。王谷は「ジャッキーが大会に出場した後の展開は『サブスタンス』と重なる部分があると感じました。注射というアイテムやボディホラー的な側面もそうですし、どちらもアメリカを舞台にしながら、実はアメリカ出身ではない女性監督が撮っている。偶然かもしれないけれど、共通点がすごく多い」と述べ、さらに「『サブスタンス』も全体的に80〜90年代のカルチャーを思わせるギラギラした質感があり、外から見たアメリカの下品さや勢いを現在に引き戻すような感覚がありました」と述べた。


またこれまでレズビアン同士の物語が映画としてほとんど作られてこなかったことについて、「映画雑誌やサイトでLGBTQ特集を組んでも、レズビアン作品が紹介されることは少ない。そもそも作品数自体が少ないのは、やっぱり制作現場に女性が少なかったからだと思います。『愛はステロイド』の宣伝映像では監督とキャスト2人が積極的にクィアであることをオープンにしていて、本当に羨ましいと思いました」と述べた。


aiste-main-550.jpg自身の小説『ババヤガの夜』にも触れ、「映画の舞台のアルバカーキの人口を調べたら宇都宮くらいで、ちょうど自分が舞台にした規模感と同じでした。狭い社会をぎゅっと凝縮して描けることが、作品に純度を与えていると思います」と語った。さらに王谷は、フィクションにおける暴力表現についても踏み込み、「現実の暴力が可視化されすぎた時代に、フィクションで暴力を描くことは難しいと感じます。自分でも戸惑いがあるけれど、どうしてもそういうものが好きだという気持ちもあって。倫理的に正しいものだけでは癒せない気持ちがあるし、若い頃はそうした作品に救われた部分もあった。だからこそ今の時代にどこまで描けるのか、どう責任を取れるのかは常に考えています」と真摯に語った。


そしてもしローズ・グラス監督から「『ババヤガの夜』を映画化したい」と言われたらどうするか、と問われた王谷は「めちゃめちゃ嬉しい。もし映像化の話が来たら、もう全部お任せすると決めているんです好きにやっていただきたい」と即答し、さらに「主人公の新道依子は、ケイティ・オブライアンのようにフィジカルに説得力のある俳優じゃないとできないと思います」と語り、新藤が守る暴力団会長の一人娘・尚子役についても「クリステン・スチュワートも演じられるのではないかなと思います」と妄想を膨らませた。


最後に王谷は「特に告知はないですが、『ババヤガの夜』は税込748円と最近の本にしては安めなので、1000円札の余りでぜひ手に取っていただければ!」と笑顔で締め、観客の大きな拍手に包まれてイベントを終えた。
 


【ストーリー】

1989年。トレーニングジムで働くルーは、自分の夢をかなえるためにラスベガスに向かう野心家のボディビルダー、ジャッキーに夢中になる。しかし、町で警察をも牛耳り凶悪な犯罪を繰り返す父や、夫からDVを受け続ける姉を家族に持つルーの身の上によって、ふたりの愛は暴力を引き起こし、ルーの家族の犯罪網に引きずりこまれることになる。


監督・脚本:ローズ・グラス(『セイント・モード/狂信』)
共同脚本:ヴェロニカ・トフィウスカキャスト
出演:クリステン・スチュワート(『スペンサーダイアナの決意』)、ケイティ・オブライアン(『ミッション:インポッシブル/ファイナル・レコニング』)、エド・ハリス(『トップガンマーヴェリック』)、ジェナ・マローン(『メッセンジャー』)
配給:ハピネットファントム・スタジオ
© 2023 CRACK IN THE EARTH LLC; CHANNEL FOUR TELEVISION CORPORATION ALL RIGHTS RESERVED
公式サイト:https://a24jp.com/   

2025年8月29日(金)~全国ロードショー


(オフィシャル・レポートより)


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「1970 年代に放送された特撮ヒーロー番組」という体裁のもと岡本太郎のことばと作品をモチーフに制作され、岡本太郎(日本を代表する芸術)×特撮(日本を代表するエンタメ)の組み合わせが話題よんだ「TAROMAN 岡本太郎式特撮活劇」。1話5分のNHK Eテレ深夜での放送から口コミが拡がり、放送されるたびに【Xのトレンド1位】を獲得。続編の制作や関連書籍が増刷を重ね、関連イベントも盛況ぶりをみせるなど話題性もさることながら、第49回放送文化基金賞のエンターテインメント部門で優秀賞を受賞、藤井亮が脚本・演出賞を受賞するなど高い評価も獲得しています。1話5分の物語が大長編となって、この夏スクリーンで大あばれ!


taroman-500-タローマン&太陽の塔.jpgこの度、8月22日の全国公開に先立ち、岡本太郎最大の聖地“太陽の塔”の目の前、109シネマズ大阪エキスポシティにて、べらぼうジャパンプレミアを開催いたしました!日本で初お披露目となるこのジャパンプレミアでは『大長編 タローマン 万博大爆発』の先行上映とともに、あのでたらめな巨人タローマンが劇場に登場し、べらぼうででたらめな舞台挨拶で盛り上げ、テレビシリーズに続きメガホンを取った藤井 亮監督が、制作秘話を語りました。さらに、イベントの後半ではスペシャルゲストが乱入し大盛り上がり!?
 


◆日時 8月19日(火)18時~18時30分

◆場所 109シネマズ大阪エキスポシティ(大阪府吹田市千里万博公園2−1 EXPOCITY内)

◆登壇者 藤井亮監督、タローマン

◆MC  飯室大吾(FM802)



taroman-8.19-550-2.jpg8 月19日(火)、岡本太郎の代表作・太陽の塔の目の前である109シネマズ大阪エキスポシティで行われたべらぼうジャパンプレミア。当日のチケットは、発売されるや否や即【完売】という人気ぶり。劇場には、いち早く映画を鑑賞しようと、夏休み中の子どもから大人まで、熱狂的なタローマンファンが集結し舞台挨拶前から熱気は最高潮!


taroman-8.19-240-1.jpgイベントが始まると、本編の余韻冷めやらぬ観客たちから会場に拍手で迎えられ、満席の会場に藤井亮監督とタローマンが登場。タローマンは、まっすぐに壇上に向かうわけはなく、でたらめな動きで場内を練り歩くと、観客から歓声が飛び交い、場内は大盛り上がり。タローマンの予測不可能な振る舞いは開始5分経っても続き、なかなか舞台挨拶が始まらない!やりたい放題のタローマンを横目に、しびれを切らした藤井監督は「太陽の塔はタローマンが生まれた場所でもあるので、ここで上映いただけるというのはとても光栄です」と挨拶を開始。「 たった5分のでたらめ(TVシリーズ)を、長編の映画にできるのか!?凄く心配でした。本日初めて見る一般のみなさんの感想を早く聞きたいです」というと会場からは大きな拍手が沸き起こり、安堵の表情をのぞかせた藤井監督。


taroman-8.19-藤井亮監督-240-1.jpg今回、監督・脚本だけでなく、特撮表現やキャラクターデザイン、背景や小道具など映画に関わる多くのパートを一人で担った藤井監督。映画の細部にまで藤井監督のこだわりが詰まっているが、映画ならではの表現としてやりたかったことをと明かし本編を観終えた観客は納得の様子。さらに、「昭和100年の世界をつくりあげるのに、かなり時間をかけました。爆発のシーンも、水槽にインクを垂らしたり、70年代にあった特撮表現の技術を如何に取り入れるか、こだわりました」と語り、一度スクリーンに投影した映像を再撮し、VHS風の粗さを出すなど、敢えてアナログな撮影手法、特撮映像にこだわる徹底ぶりを明かした。


劇中では、岡本太郎の印象的な言葉の数々が盛り込まれているが、どのように言葉を選んだのか問われた藤井監督は、「今回の映画は“万博”がテーマだったので、万博に対する岡本太郎の想いを特にチョイスしました。また、テレビ版で使われていない言葉を選んでいます」と明かした。当時の万博のリアリティと、藤井監督自身が想い描く万博が絶妙に入り混じった映像の数々。監督自身も1970年の万博には憧れがあったそうで、「当時のEXPOにすごく熱気を感じてわくわくした。僕自身が好きで憧れた“万博”を表現できたと思います」と想いを込めた。


また「昔の映画は、フィルムチェンジする時のために、右上に小さい黒い点が一瞬映るんです。それを映画で再現しているので見つけてみてください」と、映画がより楽しめる細かすぎる小ネタも披露。


taroman-8.19-500-1.jpgここで、ジャパンプレミアを祝してスペシャルゲストが乱入!応援に駆け付けた地底の太陽、CBG隊長(そっくりさん)、未来のCBG隊員、風来坊(にせもの)、未来を見た、サンタワー、ガ・ダーンという本編に登場するキャラクターの大群が、オールスターで登場!そして藤井監督、タローマンの総メンバーで、おなじみの主題歌「爆発だッ!タローマン」に合わせて驚異のダンス披露!会場の観客も巻き込み、熱気は頂点へ!


最後に藤井監督は「有名俳優も出ていないPR手段が少ない映画です。是非、みなさんの口コミ、みなさんの力で拡げてください」とメッセージを送り、予測不能のジャパンプレミアは大熱狂のうちに終了。

夏休み終盤をさらにアツく盛り上げる映画『大長編 タローマン 万博大爆発』は、いよいよ8月22日(金)公開!
 


【万博記念公園情報】

住  所:〒565-0826 大阪府吹田市千里万博公園
時  間:9:30~17:00 (最終入園16:30)
料  金:大人260円、小中学生80円(自然文化園・日本庭園共通入園料)
休園日:毎週水曜日
コールセンター 0570-01-1970 / 06‐6877‐7387(9:30~17:00)

万博記念公園ホームページ  https://www.expo70-park.jp/
太陽の塔オフィシャルサイト https://taiyounotou-expo70.jp/


1970 年大阪万博の跡地である万博記念公園内には 岡本太郎のデザインにより建てられた「太陽の塔」や大阪万博の記念館「EXPO'70 パビリオン」など、当時の熱気を感じられる建物が残っています。 また、2018年より太陽の塔の内部を事前予約制で一般公開しています。



『大長編 タローマン 万博大爆発』ようこそ!昭和100年の世界へ‼︎
 

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「1970 年代に放送された特撮ヒーロー番組」という体裁のもと 岡本太郎のことばと作品をモチーフに制作され、岡本太郎×特撮(日本を代表する芸術×エンターテインメント)の組み合わせが話題をよんだ『TAROMAN 岡本太郎式特撮活劇』。
1 話5分の物語が大長編となって、この夏スクリーンで大あばれ!
物語の舞台は1970年。そしてさらに、2025年へ。
時代を超えて、さらなるでたらめを繰り広げる物語に!
ただし…現在の2025年ではなく
「1970 年代頃に想像されていた未来像」としての2025年【昭和100年】が舞台! 
幾何学的な建物、透明なパイプで空中を移動する自動車、宇宙と交信する未来都市。
昭和のこどもたちが目を輝かせ、心を躍らせた、あの頃に思い描いていたワクワクとした未来。
夢と希望に満ち溢れたあの頃の未来の世界で、たたかえタローマン!


【あらすじ】

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時は1970年。
万博開催に日本がわきたっていたその時、2025年の未来から万博を消滅させるためにやってきた恐ろしい奇獣が襲いかかる!
でたらめな奇獣に対抗するには、でたらめな力が必要。
しかし、未来の世界は秩序と常識に満ち溢れ、でたらめな力は絶滅寸前になっていた。
CBG(地球防衛軍)は万博を守るため、タローマンと共に未来へと向かう!


【藤井亮監督プロフィール】

1979 年生まれ。愛知県出身。武蔵野美術大学・視覚伝達デザイン科卒。
細部まで作り込まれた"でたらめでくだらない映像"で数々の話題作、受賞作を生み出してきた。今作でも、監督・脚本だけでなく、アニメーションやキャラクターデザイン、背景制作など多くのパートを担い、独自の世界を構築している。


【作品情報】

出演 :タローマン  太陽の塔 地底の太陽 水差し男爵 縄文人 明日の神話
/解説:山口一郎(サカナクション)
監督・脚本:藤井 亮
企画・プロデュース:竹迫雄也
プロデューサー:加藤満喜 桝本孝浩 倉森京子 柳本喜久晴 佐野晴香
撮影:藤本雅也 照明:東岡允 美術:伊藤祐太
録音:辻元良 衣裳・ヘアメイク:浅井可菜 編集:奥本宏幸
VFX:安田勇真 妻谷颯真 ポスプロコーディネーター:のびしろラボ
音楽:林彰人 監督補:佐野晴香 制作担当:富田綾子
宣伝プロデューサー:山澤立樹
製作:『大長編 タローマン 万博大爆発』製作委員会
制作プロダクション:NHK エデュケーショナル 豪勢スタジオ
配給:アスミック・エース
協力:公益財団法人岡本太郎記念現代芸術振興財団
協賛:キタンクラブ 三井住友海上 アルインコ 日本建設工業

【HP】taroman-movie.asmik-ace.co.jp
【X】@eiga_taroman

Ⓒ2025『大長編 タローマン 万博大爆発』製作委員会

2025 年8月22日(金)より全国ロードショー


(オフィシャル・レポートより)

 

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  大阪・関西万博の会期に合わせ、初の夏開催となる第21回大阪アジアン映画祭が、2025年8月29日(金)から9月7日(日)までABCホール、テアトル梅田、Tジョイ梅田、大阪中之島美術館で開催される。
今年春の第20回に引き続き、年に2度の開催という特別な回において、どのような狙いでプログラミングを行なったのかなど、同映画祭の暉峻創三プログラミング・ディレクターに詳しくお話を伺った。
 

 

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■OAFF2025EXPOオープニングのために修復された『万博追跡』

――― 年に2回映画祭を開催するというのは色々ご苦労があったかと思いますが、作品選定面ではいかがでしたか?
暉峻:3月中旬に第20回を開催し、8月末に第21回の開催と、厳密には半年も空いていないタイミングですし、毎年秋に開催する東京国際映画祭(以降TIFF)や東京フィルメックスより前の時期に、しかも後から割り込むような形で開催するのは、業界の常識からすればかなり無茶苦茶と言われても仕方がないタイミングでした。大阪アジアン映画祭に出品することは、事実上TIFFやフィルメックスには選ばれなくてもよいという決断をしたことを意味しますから。ただ、その状況下で世界初上映や日本初上映となる作品が予想以上に集まり、そこはありがたいことだと思っています。
 
―――長年大阪アジアン映画祭(以降OAFF)をウォッチしていると、今回のオープニングとクロージングは例年以上にチャレンジングな作品選定になっていますね。
暉峻:OAFFの場合は、オープニングにできたてホヤホヤの新作の外国映画を上映し、クロージングに新作日本映画という割り当てが多かったのですが、今回はオープニングを『万博追跡』(1970、OAFFでは2Kレストア版)という旧作にしたこともあり、クロージングは自然と「日本映画限定で」という考え方ではなくなってきた。純粋にクロージングにふさわしい作品を探していく中で出会ったのが、シンガポール映画『好い子』でした。出来の良い作品だったので、最初はどこかの部門に入れたいと思っていた程度でしたが、他の映画祭に出品する気はなくOAFFがワールドプレミア(世界初上映)になることがわかり、クロージングに決めたという経緯があります。オープニングの『万博追跡』も2Kレストア版ではワールドプレミアになるので、オープニング&クロージングが共にワールドプレミアになりました。OAFFの歴史でもまだ2回目(1回目はOAFF2023、OP『四十四にして死屍死す』/CL『サイド バイ サイド 隣にいる人』)なんですよ。
 
 
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―――8月29日に開催されるオープニングセレモニーでは、『万博追跡』主演のジュディ・オングさんがゲスト登壇されますね。OAFFの歴史に残るであろうビッグゲストです。
暉峻:大阪・関西万博の時期にOAFFを開催するにあたり、『万博追跡』という映画を発掘できたということで、ジュディさんも映画祭に対して非常に協力的で既にコメントも寄せてくださっています。そもそも『万博追跡』を上映できることが奇跡的なんですよ。
 
―――と言いますと?
暉峻:通常、映画祭は特にその映画祭のために作られたというわけではない映画をプログラミングディレクターが選定していきますが、『万博追跡』の2Kレストア版はOAFFのためにレストア版を制作してくれたといっても過言ではないのです。
 
―――そんなことが可能なのですか?
暉峻:他の映画祭でも、まずないことでしょうね。というのも、『万博追跡』は決して台湾映画史上で知られた映画ではなかった。作られた当時は他の一般的な作品と同様に宣伝されて台湾で公開していた作品ですが、50年以上経った今、台湾の映画業界の人たちもこの映画の存在を忘れていたんですよ。
 
今回は、OAFFから『万博追跡』が台湾のフィルムアーカイブに保存されていないかを問い合わせました。当初はプリントの状態が良ければ、35ミリフィルム上映をどこか劇場を借りてやってもいいのではという想定だったのです。すると、台湾側からこんな映画があることを教えてくれたことへの感謝のメッセージと共に、TFAI(台湾・国家電影及視聴文化中心)によるクラシック作品修復事業として全額台湾側の負担で『万博追跡』の修復作業とデジタル化を行っていただけることになりました。通常かなり時間のかかる作業なのですが、OAFFのオープニングに間に合うように、かなり急ピッチで作業を進めてくださったんですよ。このオープニングを目指して、2Kレストア版を作ってくれたというのは、通常のワールドプレミアより意義深いですね。
 
 
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■台湾映画出演時代のジュディ・オングと、映画史を再解釈するTFAIの活動に光を当てる

―――なるほど。それは本当に意義深いですね。主演のジュディ・オングさんは、日本では79年の大ヒット曲「魅せられて」のイメージが強いと思います。ジュディさんが台湾で俳優活動をしていた当時のことを教えてもらえますか?
暉峻:実は、TIFFアジアの風部門のプログラミングディレクターをしていた2003年に、“「魅せられて」前夜—ジュディ・オングの台湾映画時代”という特集名で、ジュディさんが「魅せられて」で大ブレイクする以前の70年代前半に、彼女が出演していた台湾映画3本を特集上映したことがあります。そのときも、ジュディさんは非常に協力的で、上映後に登壇するだけではなく、「魅せられて」を歌ってくださることもありました。
 
ジュディさんは「魅せられて」で、日本で歌手として売れる以前は台湾映画によく主演級で出演していました。当時のジュディさんは、演技だけではなく、歌も踊りも上手なトップアイドルとして売り出されており、出演作はどれも台湾映画のイメージを覆すような、煌びやかでオシャレな作品なんです。
 
70年代前半は台湾と日本を行き来する非常に多忙な日々を送り、次々と出演をこなしておられたので、作品によっては自分の出演作の完成版をじっくりとご覧になる時間もなかったそうで、会期中も観客として特集した作品を連日観に来てくださり、会場で泣いているお客さんがジュディさんだったというエピソードもありましたね。今回の『万博追跡』もソフト化されていない作品なので、ジュディさんにとっても懐かしいことでしょうし、おそらく舞台挨拶の後、一緒にご覧になるのではないでしょうか。
 
―――懐かしい台湾映画と共に、ジュディさんの魅力を再発見という趣ですね。他にも小特集<台湾クラシックスとTFAIのレストア成果>では4本のデジタル・リマスター版が上映されます。
暉峻:台湾で国立映画アーカイブ的役割を果たしているのがTFAIです。今回のOAFFは裏テーマとして、TFAIの活動を日本や海外に広く知ってもらうことを掲げています。デジタル修復は修復のクオリティーだけに関心が集まりがちですが、どんな作品を選んで修復するかも重要なポイントだと思うのです。ホウ・シャオシェンやエドワード・ヤンなど台湾映画史上の名作はデジタル・リマスター版製作をすでに行っているのですが、TFAIは、これまでの台湾映画史の常識からして、これはデジタル・リマスター化の候補にはならないだろうと思うような隠れた名作を見つけて、修復を行っているのです。
 
これから、リマスター化することで新たに発見される映画も今後増えていくでしょうし、『万博追跡』もその一本になっています。そのように映画史を再解釈しているということも含めて、TFAIのデジタル・リマスター事業は素晴らしいと思っているので、ぜひ注目していただきたいですね。
 
―――これまでも台湾語映画の小特集がありましたが、今回はオープニング作品も含まれているのが特徴ですね。
暉峻:やはりお客さまは、新作のプレミア上映への期待値が高いので、年に1、2本は旧作を上映してはきましたが、なかなか旧作をまとめて特集することが難しかった。今回は、TIFFと開催時期が近く、新作が集まりにくいと想定していたので、逆にクラッシックの作品を紹介する回とするには絶好のチャンスだと思いました。そこでTFAIの活動は一番注目したいところだったので、台湾のクラッシック作品を特集することにしました。
 
 作品選定では、例えばある監督や潮流に属するものを集中して紹介する方向性もあり得ましたが、今回はこんな側面もあり、またこんな別の側面もあるというバラエティー豊かな、さまざまな作品をお見せするという形にしました。お客さまがそれぞれの作品に興味を持ってもらえたら、さらにそれぞれをタイプごとやジャンルごとに深掘りし、さらにお見せしたい作品はたくさんあるんですよ。ですから、ご覧になるみなさんが興味を持つきっかけにしていただければと思って考えたプログラムです。
 
 
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■田中未来という才能とインディ・フォーラム部門注目短編

―――インディ・フォーラム部門では、久しぶりに「焦点監督:田中未来」として田中監督の3作品が上映されます。個人的にも注目しているのですが。
暉峻:もちろん、こんな才能を持っている人がいるという驚きが大きかったこともありますが、今回は『ジンジャー・ボーイ』がこの5月のカンヌ国際映画祭オフィシャルセレクションにて、映画学校で制作された作品が上映されるラ・シネフ部門で3等賞を受賞したので、タイミングも良かったです。田中さんはENBUゼミナール出身なのですが、コンペティション部門に入選した『ルノワール』の早川千絵さんもENBUゼミナール出身ですし、注目のENBUゼミナール出身監督という点も、田中さんを焦点監督として紹介するポイントになりました。インディ・フォーラム部門の寺嶋環さん(『糸の輪』)もENBUゼミナール出身ですね。ちなみに『ジンジャー・ボーイ』はラ・シネフ部門の3等賞でしたが、1等賞を受賞した作品も今回のOAFFで上映されるんですよ。特別注視部門に入っている韓国映画『初めての夏』(ホ・ガヨン監督)がそれです。
 
 
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―――他に今は関西に拠点を移して活動しておられる野原位監督の短編『息子の鑑』もワールドプレミアですね。主演の津田健次郎さんは人気声優ですが、今や俳優としてもドラマで大活躍中です。
暉峻:この作品をワールドプレミアで上映できるのは、本当に光栄なことです。ワンカットごとの強度がただものではなく、冒頭の数カットでもう、これは凄い作品だと確信しました。
 
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―――『息子の鑑』と同じ短編プログラムCの『まっすぐな首』も空音央監督×安藤サクラのタッグで、みなさん注目されているのでは?
暉峻:空音央監督と安藤サクラさん、いずれも人気がありますし、映画祭的に興味深かったのは、この作品は製作国が日本と中国で、中国側から応募があったんですよ。キャスティングや作品の舞台も含めて、完全に日本映画としてご覧いただけますが、新しい時代を感じさせますね。つい先日ロカルノ国際映画祭でワールドプレミアされましたが、新人監督対象ではなく既に作家として名声を確立した監督による短編のみを集めたコンペ部門でグランプリを獲得しました。
 
―――空音央監督の『HAPPY END』でスクリーンデビューを果たした栗原颯人さんが、田中監督の最新作『ブルー・アンバー』で主演と、その流れも魅力的ですね。
暉峻:田中さんはすごく多作な監督で、さきほどのカンヌ以降2本の新作があり、そのうちの一本が『ブルー・アンバー』です。何を撮らせても画になるという才能の持ち主で、これから知られるようになれば、その画をちょっと観ただけで「これは田中監督の作品」だと分かるのではないでしょうか。独特の場面の切り取り方や進行の仕方をする、かなり個性が強い監督ですね。
 
 

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■新しい潮流を体感するブータン映画

―――コンペティション部門『アイ、ザ・ソング』、特別注視部門『橋』と、ブータン映画が2本入選しており、何か新しい潮流を感じさせますね。
暉峻:ブータンは映画自体がそれほど作られておらず、OAFFへの応募も数えるほどしかないのが通常ですが、今回は応募されている作品が全て合格点以上ぐらいのクオリティーであることにまず驚きました。ブータン映画界がかなり充実し、面白い兆候を見せていることは審査の初期段階から体感できたんですよ。
 
これまでOAFFで上映してきたブータン映画では、ケンツェ・ノルブ(OAFF2017『ヘマヘマ:待っている時に歌を』)やパオ・チョニン・ドルジ(OAFF2021『ブータン 山の教室』)など、最初から海外の人に見せる企画とも考えられるようなちょっと特別な作家たちを紹介してきたのですが、今回は海外の人にも十分通じる内容ですが、同時にブータン国内のお客さまに向けて問いかけるタイプの作品です。それが偶然にも同じ年に2本入選するのは、歴史的な事件だと思います。
 
―――これまでのOAFFを振り返っても、そういう「歴史的な事件」が次の潮流になっていくことがよくわかります。
暉峻:OAFF2022でモンゴル映画『セールス・ガール』(アジア映画傑作選で『セールス・ガールの考現学』のタイトルで9/6上映)を紹介しましたが、我々が持っているモンゴルやモンゴル映画のイメージがガラリと変わったと思うのです。それまで描かれてきた、大草原の中、人々はゲルで生活しているというイメージから脱し、都会の姿や都会人として生きている姿を目の当たりにした作品でした。
 
今回のブータン映画も、『アイ、ザ・ソング』はポルノ動画の被害者を描き、国を問わずどこにでもありうる話ですし、短編の『橋』はワンシチュエーションドラマに近いのですが、自殺しようとする青年の話で、ブータンをオリエンタリズム的な目線で捉えた作品ではない、生々しい現代生活が写っている作品です。ブータンと言えば『幸せの国』というイメージでしたが、この2本を観てもらえれば、ブータンやブータン映画に対するイメージが変わると思います。
 
 
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■コンペで注目の中国映画と日本の『シャンバラストーリー』

―――あと、中国映画も若手作家の新しい息吹を感じる作品が揃っていますね。
暉峻:中国は色々紹介してきましたし、OAFF以外でも多数紹介されていますが、実は今回は入選させたい作品が今回実際に上映する4作品の倍以上あったぐらい充実していましたね。
 
 日本でロードショー公開される中国映画も多いですが、そういうところで我々が知っている中国映画とはかなり違う新しいセンスを持った監督たちが現れているのは間違いないという感触が早い段階からありましたし、入選作もそのような傾向を持っています。
 
 コンペティション部門の『ワン・ガール・インフィニット』はアメリカ拠点の中国人監督、リリー・フーの作品で、レズビアンを描く内容なので、中国では検閲が通らないということで製作国には入っていませんが、内容的には中国が舞台の中国映画です。他にも『世界日の出の時』『最後の夏』と中国映画は3作品もコンペティション部門に入選しているんですよ。
 
 
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―――ありがとうございました。最後に、日本映画(インド、アメリカとの合作)で唯一コンペティション部門に入選したのが、関根俊夫監督の『シャンバラストーリー』ですね。
暉峻:関根さんは長年脚本家としてキャリアを重ねてきた人で、元々チベットに強い関心を寄せてこられたようで、そこに着想を得て、この作品も作られています。キャスティングも主演がモー・ズーイーや武田梨奈と豪華です。実はこの企画は7年半前から始動しており、初期の頃から製作状況を問い合わせていたんですよ。コロナもあって延期が続き、完成が待たれていたのですが、ようやく出来上がったということで、こちらも喜び半分、行き詰まっていたのかもという嫌な予感も半分あったんです(笑)でも観始めると、本当に丁寧に、どこも手抜きをせずに作った素晴らしい作品で、自分の予想をはるかに凌駕した出来栄えに仕上がっていると、非常に感激しました。関根監督や武田さんも来場予定ですので、ぜひご覧ください。
(江口由美)
 

 

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※ルイス・クー主演のクライムサスペンス『私立探偵』(8/31(日)19:10 回 ABC ホール/9/7(日) 10:40 回 ABC ホール)、筒井真理子主演、佐藤慶紀監督の最新作『もういちどみつめる』(9/2(火) 20:20 回テアトル梅田/9/3(水)10:10 回テアトル梅田)の2本の追加上映が決定!
 
 
≪映画祭概要≫
名称:第21回大阪アジアン映画祭(OSAKA ASIAN FILM FESTIVAL 2025EXPO)
会期:2025年8月29日(金)から9月7日(日)
上映会場:ABCホール、テアトル梅田、T・ジョイ梅田、大阪中之島美術館
公式HP:https://oaff.jp
 
 
『万博追跡』(c) 2025 Taiwan Film and Audiovisual Institute. All rights reserved.
『好い子』ALL RIGHTS RESERVED © 2025 BYLEFT PRODUCTIONS
『寂寞十七歳(2Kレストア版)』(c) 2025 Taiwan Film and Audiovisual Institute. All rights reserved.
『ブルー・アンバー』(c)JIJI
『息子の鑑』(c) 2025 NEOPA
『アイ、ザ・ソング』  (c) Diversion, Dakinny Productions, Girelle Productions, Fidalgo Films, Volos Films
『シャンバラストーリー』 (c) Samden Films Production
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  頑固で孤独な初老の男のほろ苦い日常と、思わぬ恋心をメキシコ出身の若手女性監督ロレーナ・パディージャが描く長編デビュー作『マルティネス』が、8月22日(金)より新宿シネマカリテ、ヒューマントラストシネマ有楽町、アップリンク吉祥寺ほか全国順次ロードショーされる。
チリ人俳優フランシスコ・レジェス(『ナチュラルウーマン』)が、仕事のため移住したメキシコでキャリアの終盤を迎え、老いや死、孤独に直面しながら愛に迷う曲者の主人公・マルティネスを絶妙のさじ加減で演じている。淡々とした日常に訪れる変化と共に思わぬ方向へ変わっていくマルティネスに、監督はどんなメッセージを込めているのか。パディージャ監督(写真下)にオンラインでお話をうかがった。
 
 
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■どこにも居場所や所属がない感覚を表現

――――ご自身の初長編で、初老の移民男性を主人公にした物語を描いたいきさつを教えてください。
パディージャ監督:わたしはメキシコ人ですが、過去15年間で5カ国10都市に居住経験があります。だから故郷でも、母国ではない国でも属していないという感覚が強くなりました。移民の方も、わたしの感覚と同様に、どこにも居場所や所属がないと感じているでしょうから、共感や興味を覚えるようになったのです。
 
――――なぜ、そんなに多くの場所を訪れながら暮らしておられたのですか?
パディージャ監督:元々どの世界にも所属していないという感覚があったので色々な国で住んでみたのですが、最終的にはメキシコに帰り、とても満足しています。それは国に対する満足ではなく、わたしがこれでいいんだと自分の内面に向き合った上で、満足できるようになったということなのです。
 

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■フランシスコ・レジェスは、マルティネスのイメージそのもの

――――様々な場所を訪れながら、ご自身と向き合う旅をされてきたんですね。
次に、孤独で偏屈な主人公、マルティネスを演じたフランシスコ・レジェスとの出会いについて教えてください。
パディージャ監督:マルティネスというキャラクターのルックスについて、元々かなりしっかりしたイメージがありました。最初はメキシコでキャスティングを行いましたが、なかなかイメージ通りの俳優が現れなかった。ある日、セバスティアン・レリオ監督の『ナチュラルウーマン』の予告編を見る機会があり、そこに登場したフランシスコ・レジェスさんを見た瞬間に「彼こそがマルティネスだ!」と思いました。すぐにレジェスさんにコンタクトを取り、脚本を送ってオンラインミーティングをしたところ、オファーを受けてくれたのです。わたしの頭の中に、会ったこともないレジェスさんが演じるマルティネスの顔が浮かんでいたので、本当に驚きましたね。
 
 
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■即興的に長回しに変えることでできたベストシーンは?

――――レジェスさんとの役作りについて教えてください。
パディージャ監督:レジェスさんとの役作りはとてもやりやすかったです。わたしは大学で映画を教えているので(メキシコのモンテレイ工科大学グアダラハラキャンパスで脚本・監督コースを担当)、その給料を貯めてチリに行き、彼と役作りや撮影を行いました。わたしは撮影現場で脚本にないことを取り入れ、即興的に変えていくことが好きで、レジェスさんがそのやり方を受け入れてくれるか不安でしたが、快く受け入れてくれました。本当に良かったです。しかも彼は本当にハンサムなんですよ(笑)。
 
――――即興の演出がうまく作用したと思うシーンは?
パディージャ監督:マルティネスが同僚のコンチタとパブロ、(孤独死した隣人の)アマリアについての作り話をしていたシーンは、現場で脚本を変更し、かつわたしが最も重要だと思っているシーンです。わたしは長回しも多用するのですが、カットと言わずに回し続けていると、彼らは舞台経験が豊富な俳優たちなのでひたすら演技を続けてくれ、その結果とてもいいシーンになりました。
 
 
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■人はいくつになっても変われると強く信じて

――――本作は年をとることをネガティブに捉えるのではなく、自分次第で変わっていけるとポジティブに捉えているように感じました。今のお話を聞くと、パディージャ監督自身のお父様に対する願望を描いたようにも映りますね。
パディージャ監督:面白いことに、母にこの映画を見せた時は、「この映画は、実家であなたのお父さんを撮ればよかったんじゃないの」と言われたのですが、父に見せたときは「わたしはマルティネスとは違うし、こんな偏屈じゃない」と言われました。それが現実なのです。わたし自身は、人はいくつになっても変われると強く信じていますし、そこにこそ映画の力があると思っています。
 
――――アキ・カウリスマキ作品のような、ミニマムな描写の中に哀愁やユーモア、働く人間の心情が描かれていましたが、影響を受けた監督や、このようなテイストの作品にした狙いについて教えてください。
パディージャ監督:アキ・カウリスマキはとても好きな監督です。わたしは華やかさや特別なことはなくても、シンプルなストーリーや、市井の人々が主人公の作品が好きです。ミランダ・ジュライも素晴らしい監督で、作品で登場するキャラクターもシンプルですが、どこかユニークさがあって好きです。他にはアレクサンダー・ペイン監督の『ネブラスカ ふたつの心をつなぐ旅』も好きですね。わたし自身も祖父母や叔母といい関係を築いているので、人が好きですし、とにかく人にまつわる話が好きなのだと思います。シンプルなテイストの映画が好きだからこそ、自分で撮るときはシンプルなトーンの映画を目指しているのです。
 

■もっとわたしたち女性監督には映画を作る機会が必要

――――ありがとうございました。最後にメキシコ映画界、しいてはラテンアメリカ映画界における女性監督の状況や今後の展望について教えてください。
パディージャ監督:今は多くの女性監督が台頭しており、すごく興味深い時期に身を置いていると思います。ただ、女性監督と一言でいっても、皆それぞれに個性があり、違う状況にありますので、もっとわたしたちには映画を作る機会が必要だと感じています。わたしはニューヨーク大学の芸術学部(ティッシュ・スクール・オブ・ジ・アーツ)でフルブライト奨学生としてドラマティック・ライティングの修士号を取得しましたが、そこには世界各国から女性監督が集まっていました。彼女たちは脚本や撮影も担当しますし、母親業をこなしながらそれらをやっている人もいます。彼女たちの撮影や物語へのアプローチ、クルーとの関係性づくりなど、本当に様々です。だからこそ、色々な観点から描く女性の作品が観ることができると思っていますし、わたし自身も観たいと思っています。
(江口由美)
 

『マルティネス』“MARTÍNEZ”
2023年 メキシコ 96分 
監督・脚本:ロレーナ・パディージャ 
出演:フランシスコ・レジェス、ウンベルト・ブスト、マルタ・クラウディア・モレノ
8月22日(金)より新宿シネマカリテ、ヒューマントラストシネマ有楽町、アップリンク吉祥寺ほか全国順次ロードショー
© 2023 Lorena Padilla Bañuelos
 


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累計発行部数 150 万部超え、「恋は雨上がりのように」の眉月じゅん最新作にして人気漫画「九龍ジェネリックロマンス」(集英社 / ヤングジャンプ連載)がアニメ化に続き、待望の実写映画化!!

本作の舞台となる、かつて香港に存在した美しくも妖しい街“九龍城砦”。その風景を再現するため、狭く雑多な路地裏の商店など、誰もがなぜか懐かしさを感じるような古い街並みを残す台湾にて真夏のロケを敢行。ノスタルジーに溢れる世界で、切ないミステリーと極上のラブロマンスが描かれる。鯨井令子役には、映画『正体』(24)で第 48 回日本アカデミー賞最優秀助演女優賞を受賞した吉岡里帆、工藤発役に『あの花が咲く丘で、君とまた出会えたら』(23)で第 47 回日本アカデミー賞優秀主演男優賞を受賞した水上恒司の配役で W 主演を果たす。巨大製薬会社の社⻑・蛇沼みゆき役に⻯星涼、喫茶店・金魚茶館の店員タオ・グエン役に栁俊太郎、靴屋の店主で令子の親友になる楊明役に乃木坂 46 の梅澤美波、九龍のあらゆる店でアルバイトをしている小黑役に花瀬琴音、蛇沼と行動を共にし、九龍の街を調べるユウロン役にフィガロ・ツェンら豪華俳優陣が集結!


この度、8月14日(木)に「夕涼み試写会」と称し、公開直前イベントを実施いたしました!W主演の吉岡里帆、水上恒司が浴衣姿で登壇!作品の魅力を語るほか、本作の内容にちなみ事前に募集した“恋の悩み”にキャストがアドバイスするコーナーや、大ヒットを記念してスイカ割りに挑戦する企画も!
 


【日時】8月14日(木)18:30〜19:00  ※上映前イベント

【会場】国際フォーラム ホールD7

    (東京都千代田区丸の内3丁目5番1号)

【登壇者】吉岡里帆、水上恒司



kowlongr-0814_yoshioka.jpg九龍の街で働き、先輩社員・工藤に恋をするも、過去の記憶がないことに気づく鯨井令子役の吉岡は「見ていただいてもいいですか?」とくるっと一回転し、金魚がデザインされた浴衣をキュートにお披露目。「TVアニメ『九龍ジェネリックロマンス』で(金魚の)サクセス役の声を担当させていただいている縁で金魚柄にしてみました。そして頭には朝顔、背中にはバラが咲いて…。咲き乱れている人になっています」と照れながら紹介。令子の先輩社員で九龍の街を誰よりも愛しながらも、誰にも言えない過去を抱える工藤発役の水上もくるっと一回転したものの「涼やかではあるけれど、吉岡さんの浴衣姿を見たスタイリストさんから『吉岡さんが華やかだから水上さんが質素に見える』と言われた。いやいやこの浴衣、あなたが持って来たんでしょう(笑)?と。」とぶっちゃけると会場は笑い声に包まれました。


吉岡と水上は初共演吉岡について水上は楽な道を決して選ばず、あえて自分がこれだと思う道を突き進む様は先輩として頼りになるし、素敵だなと思ってずっと見ていました」とリスペクト。吉岡も水上について「青年としての美しさや凛としている繊細な感じが印象的でしたが、一緒に撮影をしていくとどんどん頼りがいのある所を見せてくれた。年齢差はあるけれど前に進む原動力を与えてくれるような。初めは『私がお姉さんとして引っ張っていくぞ!』という気持ちで現場入りしたけれど、結果的には私の方が引っ張ってもらったと思います」と頼りがいある後輩だと称えていた


kowlongr-0814_mizukami.jpg撮影は、かつて香港に存在した“九龍城砦”の風景を再現するため、昨年夏に台湾で行われた。水上は吉岡ら撮影チームをオススメの水餃子屋に連れて行ったというが…。吉岡は「撮影初日にみんなで食べに行って、本当に美味しい水餃子で感動していたら、水上君が真顔で食べていた。どうしたのかな?と思ったら『最初食べた時のような感動はないっすね…』と言っていました。自分で誘ったのに〜(笑)!」と回想。これに水上は「毎日長蛇の列ができるくらいの美味しい店で、僕が初めて台湾に行った時も2、3度行っていて、そこに皆さんをお連れしたものの、真夏の暑さもあったのか僕が色々とマヒしており、無になっていましたね」と理由を説明し、吉岡は「そのリアクションが面白くて。水上君は表裏一体な感じがある人なのかなと。そんな姿が垣間見える瞬間でした」と思い出し笑いだった。
 

恋に悩む鯨井と工藤にちなんで、SNSに寄せられた恋のお悩み相談を実施。

これに吉岡は「悩み相談は聞くけれど、その人がすでに答えを持っている事があるので、答えたところで『…違う』と切り捨てられないか心配です」と苦笑いし、水上も「確かに…。僕らの回答は話半分で聞いてください」と言うものの、いざ悩み相談が始まると想定外の盛り上がりを見せた。


「最近小中の同級生の男の子と頻繁に会ってデートしています。わたしも好きだし、ほぼ確実に向こうも好きだと思うのですが、お相手がなかなか告白してくれません。どうしたら告白してくれるでしょうか?」このお悩みに吉岡が「それは確実に男性側が好きなのかな?」と疑問を呈すると、水上は「好きだと思う。ただその状況に男が甘えているだけ。まさに工藤のように現状に甘んじているので、そこは女性の強さで『おら!』と行かなくちゃ」と女性側からのアプローチを熱弁。これに吉岡が「いやいや水上君、相談内容を聞いていましたか?告られたい派なんですよ?」と意見すると、当の相談者が客席にいる事が判明!会場にはいない意中の男性に向かって、水上は「お前、何をやっているんだ!?(恋は)男が決めないといけない瞬間がある!」、吉岡は「男を見せた方が良いんじゃない?伝えられる時に伝えないと後悔しますよ?」とエールを送っていた。


kowlongr-0814_スイカ割り.jpg令子の大好物として本作に登場するスイカにちなんで、最後は大ヒットを祈願して夏の定番・スイカ割りに挑戦

水上はアイマスク装着で5回回転し、吉岡のアシストを頼りに「行きますよ!」と大きなスイカに見事一撃を喰らわせた。吉岡は「良い振り切りでした」と絶賛するも、クールな水上は割れたスイカを見て「普通に切って食べた方が美味しい」と言い、吉岡から「そんな元も子もない事を言わないで!!」と笑顔を魅せた。最後に水上は「本作はなかなかないミステリーラブロマンスになっているので、どなたでも楽しめるはずです」とPR。吉岡は「映画を観れば、恋とは理屈ではないという気持ちになってもらえるはずです。人を愛するのはその人が目の前にいるからこそできることで、好きな人がいる事、好きだと伝えるチャンスがある事は本当に素敵な事だと思います。映画の世界にどっぷり浸かっていただけたらと思います」と呼び掛けていた。
 


『九龍ジェネリックロマンス』

【STORY】過去を明かせば、想いは消えるー。

懐かしさで溢れる街・九龍城砦の不動産屋で働く鯨井令子は先輩社員の工藤発に恋をしていた。工藤は九龍の街を知り尽くしており、令子をお気に入りの場所に連れ出してくれるが、距離は縮まらないまま。

そんな中、九龍で靴屋を営む楊明、あらゆる店でバイトをする小黒らと意気投合。令子は、九龍でゆっくりと流れる日常にそれなりに満足していた。しかしある日、工藤と立ち寄った金魚茶館の店員タオ・グエンに工藤の恋人と間違われる。さらに、令子は偶然1枚の写真を見つけるのだが、そこには工藤と一緒に自分そっくりの恋人が写っていた。困惑する令子の元に大企業の社長・蛇沼みゆきと謎めいた男ユウロンが現れる。思い出せない過去の記憶、もう 1 人の自分の正体、九龍に隠された秘密。核心に迫る令子は、工藤が抱える切ない過去を知ることになるー。


キャスト:吉岡里帆 水上恒司 
      栁俊太郎 梅澤美波(乃木坂46) 曾少宗(フィガロ・ツェン) 花瀬琴音
                   諏訪太朗 三島ゆたか サヘル・ローズ 
                   関口メンディー 山中 崇 嶋田 久作
      竜星涼
原作:眉月じゅん「九龍ジェネリックロマンス」(集英社「週刊ヤングジャンプ」連載)
監督:池田千尋
脚本:和田清人 池田千尋
音楽:小山絵里奈
主題歌:Kroi「HAZE」(IRORI Records / PONY CANYON INC.)
制作プロダクション: ROBOT
制作協力: さざなみ
企画・配給: バンダイナムコフィルムワークス
©眉月じゅん/集英社・映画「九龍ジェネリックロマンス」製作委員会

原作情報
原作「九龍ジェネリックロマンス」眉月じゅん(集英社「週刊ヤングジャンプ」連載)
単行本1巻〜11巻好評発売中。

︎TVアニメ情報
Blu-ray BOX 全1巻が2025年9月29日(金)に発売!
各種プラットフォームにて全13話配信中!

作品公式サイト&SNS
公式サイト:https://kowloongr.jp/
公式X:https://x.com/kowloongr_jp
公式Instagram:https://www.instagram.com/kowloongr_jp/
 公式TikTok:https://www.tiktok.com/@kowloongr_jp
ハッシュタグ:#九龍ジェネリックロマンス  #九龍GR

2025年 8月29日(金)~全国ロードショー!


(オフィシャル・レポートより)

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8月15日(金)より公開する映画『雪風 YUKIKAZE』と、10月10日(金)より上映が始まる『ヤマトよ永遠に REBEL3199 第四章水色の乙女』両作品の展開を記念したコラボビジュアルを公開しました。

イラストレーターの加藤直之が手掛けた本ビジュアルは、『雪風 YUKIKAZE』から駆逐艦「雪風」と竹野内豊が演じる雪風艦長・寺澤一利、『ヤマトよ永遠に REBEL3199』から宇宙戦艦ヤマトと主人公の古代進が、それぞれ描かれています。

80年前に戦場を生き抜いた雪風、170年以上先の未来で大宇宙を征く宇宙戦艦ヤマト。過去と未来、それぞれの戦艦に託されたテーマを表わしたキャッチコピーは、両作品にスタッフとして携わった福井晴敏が手掛けました。


また、両作品の公開を控え、劇場内のコラボ展示を実施中の「MOVIX広島駅」では、 『雪風 YUKIKAZE』の公開日に合わせて、このコラボイラストの実物ポスターの掲示も決定しました。
 


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MOVIX広島駅

(所在地:広島県広島市南区松原町2番37号ミナモア7階)

劇場HP:https://www.smt-cinema.com/site/hiroshima/index.html

※コラボ展示をご覧いただけるのはMOVIX広島駅が入っている≪minamoa ミナモア≫の開店時間10:00〜23:00の間となります。


『雪風 YUKIKAZE』

〈メインキャスト〉 竹野内豊 玉木宏 奥平大兼 當真あみ 藤本隆宏 三浦誠己 山内圭哉 川口貴弘 中林大樹 田中美央 田中麗奈 益岡徹 石丸幹二 中井貴一
主題歌:「手紙」Uru(ソニー・ミュージックアソシエイテッドレコーズ)
配給:ソニー・ピクチャーズエンタテインメント/バンダイナムコフィルムワークス
© ️2025 Yukikaze Partners.

公式サイト:yukikaze-movie.jp
公式X:@yukikazemovie
公式Instagram:@yukikaze_movie

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〈ストーリー〉

生きて帰り、生きて還す。
戦場の海から命を救い続けた、駆逐艦「雪風」の史実に基づく物語。


真珠湾奇襲攻撃による日米開戦以降、ミッドウェイ。ガダルカナル、ソロモン、マリアナとすべての苛烈な戦いを生き抜き、どの戦場でも海に投げ出された多くの仲間たちを救い、必ず共に還ってきた一隻の駆逐艦があった。その名を「雪風」。いつしか海軍ではこの艦を“幸運艦”と呼ぶようになる。それは沈着冷静な艦長・寺澤(竹野内豊)の卓越した総艦技術と、下士官・兵を束ね、彼らから信頼される先任伍長・早瀬(玉木宏)の迅速な判断によるものだった。時にぶつかりながらも、互いに信頼し合っていく二人。

そして「雪風」は、ついに日米海軍が雌雄を決するレイテ沖海戦へと向かうことになる・・・。

2025年8月15日(金)~ 全国公開
 


『ヤマトよ永遠に REBEL3199 第四章 水色の乙女』

(やまとよとわに れべるさんいちきゅうきゅう みずいろのさーしゃ)

〈メインキャスト〉 古代進:小野大輔 森雪:桑島法子 サーシャ:潘めぐみ
デスラー:山寺宏一 真田志郎:大塚芳忠 島大介:鈴村健一 土門竜介:畠中祐 揚羽武:上村祐翔 北野誠也:鳥海浩輔  南部康造:松本忍  藤堂信乃:塩田朋子 神崎恵:林原めぐみ  藤堂早紀:高垣彩陽 芹沢虎鉄:玄田哲章  藤堂平九郎:小島敏彦 アルフォン:古川慎 イジドール:堀江瞬 ランベル:江口拓也 サーダ:井上麻里奈 スカルダート:内田直哉
配給:松竹ODS事業室
©西﨑義展/宇宙戦艦ヤマト3199製作委員会
公式サイト:starblazers-yamato.net
公式X:@new_yamato_2199

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〈ストーリー〉

ガミラスの新たな故郷・ガルマン星へ。そこで待っていたのはデスラー総統だけではなかった。
17歳へと成長したサーシャ。かつて失われた幼い少女との、ありえない再会。戸惑いと喜びの狭間で、古代の心は揺れる。
一方、地球ではマザー・デザリアムの計画が新たな段階を迎えていた。策謀渦巻く社交の場に現れたのは、ドレスに身を包んだ雪。敵であるアルフォンに寄り添う彼女の胸に秘めた覚悟とは――。
ガルマン星系にはボラー連邦に従うバース星のラジェンドラ艦隊が侵入。
ヤマトは、二大勢力の紛争に巻き込まれていく。
迫り来る惑星破壊ミサイル。
果たして、ヤマトはガルマン星を救い、「ウラリアの魔女」の正体に迫ることができるのか――。

2025年10月10日(金)~上映開始


(オフィシャル・リリースより)

 
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