「AI」と一致するもの

IMG_0474.jpg
 
 岡山県牛窓にある猫神社こと五香宮に集まる猫たちと、猫を世話する町の人たちから地域コミュニティーの今を映し出す想田和弘監督観察映画第10弾『五香宮の猫』が、2024年10月18日(金)より京都シネマ、19日(土)より第七藝術劇場、26日(土)より元町映画館他、全国順次公開される。
 
 前作の『精神0』(20)から4年ぶりとなった本作では、牛窓の神羅万象に目を向けながら、町を駆け抜け、たくましく生きる猫たちに肉薄。五香宮で地域の人が参加してのTNR活動、自治会会合での話し合いなど、猫たちを巡る問題は、半野生の動物と人間がどう共生していくのかを探る手掛かりにもなる。地域活動に参加する元気な高齢者たちの姿にも勇気づけられることだろう。本作の想田和弘監督に、お話を伺った。
 

 

gokogu_main.jpg

 

■避けてきた地域コミュニティー(自治会)で体感したことは?

―――ニューヨーク在住だった想田さんは前作『精神0』のキャンペーンで2020年、日本が海外からの水際対策をしていた時期に東京滞在をし、そこから岡山県牛窓に転居されたことで、この作品の誕生につながる訳ですが、その経緯を教えていただけますか。
想田:柏木の母が牛窓出身なので、97年に(柏木)規与子さんと結婚してから時々遊びに行っていたのですが、本格的に牛窓が好きになったのは2012年に『演劇1』『演劇2』のプロモーションのため帰国したときです。キャンペーンの合間に空いてしまった1ヶ月間、自然豊かな場所でゆっくりしたいなあと思ったときに、柏木の母の同級生が家の離れを貸してくださり、すごく牛窓が好きになってしまった。近隣の漁師さんと仲良くなり、彼らやこの街を撮りたいと思った結果、2013年に『牡蠣工場』『港町』を撮影しました。以降も休暇のたびに牛窓に滞在していたのですが、『精神0』のキャンペーンでコロナ禍に東京で足止めになったときは、相当キツかったですね。民泊に閉じ込められた状態で、映画館はおろか、どこにも行けなかったので、どこかに逃げたいと思ったとき、行く先は当然牛窓でした。ある日牛窓の海が見える2階の部屋で昼寝をしていると、このままここに居たいなと思ってしまった(笑)
 
―――1ヶ月間滞在するのと住むのとでは、随分違ってくると思いますが。
想田:僕は栃木県足利市出身ですが、そこから東京、そしてニューヨークに行ったわけで、地縁や血縁から逃れ、個人として自由気ままに生きることを志向してきたんですね。でも牛窓に住むとなると自治会に入り、自治会費を払い、近所の草刈りや神社の掃除をするわけで、最初は自分が自分じゃないような感じがしました。でもやってみると案外楽しくて、人間は長い歴史を通じておそらくこうしてずっと生きてきたわけで、それを鬱陶しいものとして排除したことで生まれた弊害はものすごく大きいことに気がつきました。
 
 
gokogu02.jpg

 

■牛窓暮らしで、人生のプライオリティーが変わった

―――この作品は五香宮にいる野良猫を入り口にしながらも、町のコミュニティーやそこにある自然、生き物など森羅万象が描かれ、主役的な人が存在していたこれまでの作品からさらに高みに到達したような、素晴らしい作品だと思います。前作が2020年だったので、観察映画第10作となる本作ができるまで、結構時間がかかったんですね?
想田:これまでは1〜2年に1本公開するペースで作品を作ってきましたが、今回は4年ぶりとなります。というのも、僕のプライオリティーが変わったのです。ニューヨークで暮らしていたときは仕事が最優先で、それ以外は全て邪魔なものだと蹴散らしてきましたが、今やそれが逆転し、蹴散らしてきたものを大事にし、暇ができたときに映画を作ったり、仕事をしていますね。
 
―――それぐらいがちょうどいいと思います。今は多くの人が世の中の早すぎるスピードに飲み込まれ、気持ちが病んでしまいがちですが、スピードを落としてゆっくり目の前を見ると、豊かなものが見えてくるのではと思いますよね。
想田:はい。目標を設定してそのために何かをやるということばかりしていると、やっていることが全て何かの手段になってしまい、早く済めば済むほど良いことになってしまう。僕の場合は、映画を作ることが最大の使命になっていたので、それ以外のこと、例えばご飯を食べるのも単なる「給油」みたいな感覚でしたが、今はひとつひとつのこと、それ自体に意味があると思って楽しんでいます。食事を作ったり、散歩をしたり、瞑想をしたり、猫と遊んだり、友達と時間を過ごすことを一番大事なことと思い、何かのためではなく、それ自体に意味があることとして暮らしています。なぜだかわからないけれど、そのように切り替わっていったんですよ。
 
―――牛窓暮らしでご自身にも大きな変化があったんですね。
想田:そうですね。例えば猫なんて、明日のために努力しないし、昼寝するときは全力でするし。そこに「いる」ということができるわけです。僕も8年ぐらい前から本格的に瞑想をするようになったのですが、いかに人間にとってここに「いる」ことが難しいか。いくら瞑想で自分の呼吸に意識を集中しようとしても、必ず、今日の晩御飯はどうしようとか、昨日のインタビューはもっとこんなことが言えたのにとか、そんなことばかり頭に浮かんで、ただそこにいるということができない。牛窓の家の庭に樹齢100年以上になる木があるのですが、100年間微動だにせず、そこにいるわけです。そういうものをしげしげと見つめていると、凄いなあって心底尊敬するし、自分のお手本に見えてくるんですよ。
 
 
gokogu03.jpg

 

■人間がどのように半自然と付き合うのかをテーマに、身構えずに撮る

―――今回は、どういう気持ちでカメラを回しておられたのですか?
想田:最初は規与子さんが地域猫活動のTNR(避妊去勢手術)を手伝うことになり、明日五香宮で一斉捕獲があると聞き、どんな感じなのだろうと興味を抱いてカメラを回し始めたんです。そこから2〜3日五香宮に張り付いていると、いろんな人がやってくるんです。それを気の向くままに撮らせてもらううちに、場として面白いと感じ始め、定点観察するといい映画になる予感がしたんです。そこから結局2年近くカメラを回しました。といっても、最初は毎日のように撮影していましたが、それが一段落した後は、祭りや行事、掃除のある日など、何かあるときに撮影をしていました。
 
―――地域の情報は大事ですね。ちなみに猫はカメラで撮ろうとすると逃げられそうな気がしますが、想田さんのカメラは相当肉薄していましたね。
想田:こちらが何かを撮ろうとすると、猫に伝わり、身構えられてしまうんです。ですから撮るという意識を持たずに撮るという…。
 
―――難易度が高いですね(笑)猫に試されているような。
想田:試されますよ。なるべくそこにいるだけという感じに自分の意識を持っていくようにしています。まあ、それは相手が人間でも同じなんですけどね。観察映画の考えは、何かを撮ろうとするのではなく、よく見て、よく聞いて、そこで発見したことを素直に映画にするわけですから、猫の撮影はその訓練になりますね、
 
―――タイトルにもなるぐらい猫をたくさん撮影して、気づいたことはありますか?
想田:猫は完全に野生ではなく、半自然の存在です。人間の関与がなければ生きていけない動物なんです。野良猫であっても、ずっと撮っていると背後に必ず人間の影が見えてくるので、人間がどのように半自然と付き合っているのかが、一つのテーマになったと思います。
 
 
gokogu12.jpg

 

■タブーの猫問題に切り込み、猫のいない社会の違和感を想像

―――地域猫についての意見を町の人に聞いておられますが、みなさん、非常に慎重な返答をされていたのが印象的でした。
想田:実は猫の問題は地元ではタブーです。だからこの作品を作ること自体、タブーに触れるような行為でもありました。というのも猫が好きな人と糞尿被害で困っている人がくっきりと分かれていて、あなたはどちらなのと探り合っているところがあります。そういう中で映画を撮るのは緊張しましたし、僕の質問に答えてくれる人もとても言葉を選んでおられましたね。
 
―――映画が進むにつれ、野良猫たちが地域の問題になっていることがわかってきますね。
想田:野良猫の避妊去勢手術は、ある意味妥協策です。猫を世話する側からすると、今後新たな猫が生まれることはないので、今いる猫たちに餌をやることを認めていただきやすいんですね。でも、本当にそのやり方がいいのか。避妊去勢手術を進めていくと、ひょっとすると、近い将来一匹も野良猫がいなくなってしまうかもしれない。そういう社会でいいのかと、避妊去勢手術を自分でも実践しながら、違和感も覚えるんですよ。猫がその辺をウロウロしているぐらいの包容力というかおおらかさが社会から失われている証拠なのではとも思いますよね。ホームレスを排除するベンチと似たようなものを感じます。街が管理され、コントロールが可能になればなるほど、野良猫のように制御不能な存在は生きていく余地が狭まり、排除されていく。これは先進国共通の流れではないでしょうか。
 
―――小学生たちが野良猫たちとじゃれ合うシーンもありましたが、地域の動物と触れ合うことは、生き物との共生を体感する上でも大事なのではと思いますが。
想田:みんなで野良猫の面倒を見たり、ケアをすることができれば、地域にとっても一つのプロジェクトになり得るし、そういうことができれば一番いいのにと、僕のように猫の好きな人間は思うわけです。ただ、彼らの糞尿で悩まれている方もいるので、本当に難しい問題です。
 
 
gokogu10.jpg

 

■老後のロールモデルに囲まれて、歳をとるのが怖くなくなった

―――本作は牛窓を通して昔の日本のコミュニティーのあり方を描いています。町の風情も素敵だし、典型的な地方の高齢化も映し出していますが、みなさんお元気で、その点でもお手本のようですね。
想田:老後のロールモデルがたくさんいらっしゃるので、以前ほど歳をとるのが怖くなくなりましたよ。この映画に登場する「てんころ庵」という女性が運営しているサロンでは、80代から90代が中心です。女性の方が長生きで、夫亡き後ほとんどがひとりで暮らしていらっしゃる。でも全然寂しそうではなくて、毎週集まっては一緒にご飯を作って食べたり、体操をしたり、生協(共同購入)したりしている。そうやって繋がって入れば家族である必要はなく、ご近所さんでも大丈夫なんですね。僕はニューヨークに住んでいるときは、あまり自分の明るい老後を想像できなかったですが、今は年をとったら猫と遊んで、散歩でもしていればいいんだと思えるようになりました。
 
―――都会から離れ、自然に囲まれた場所で、ご近所さんとのんびり暮らす。いいと思います。
想田:本当は生きることって、シンプルなんじゃないかな。お日さまがあり、きれいな空気と水があり、土があり、そして仲間がいればなんとかやっていける。それだけの話なんですよ。
 
―――五香宮でのご神事も映していらっしゃり、日本の各地で行われている伝統行事を記録することの重要さも感じました。
想田:今はかろうじて五香宮を支えるコミュニティーが維持されていますが、超高齢化しているので、近い将来、五香宮の神事もなくなる可能性があります。そして猫もいなくなってしまうかもしれない。だから、僕が今見ている愛おしい光景を、今回タイムカプセルに詰めるような気持ちで映画を撮ったとも言えます。
 

■アフターコロナのミニシアターでの取り組みと、配信が作り手に与える深刻な状況

―――想田さんは地元岡山のシネマ・クレールさんで、シネマ放談の会を定期的に開催され、好評を博しておられますね。
想田:全国のミニシアターでやってほしいぐらいです!映画をみんなで観て、その後そのまま映画館に残って1時間以上、たっぷりと言いたい放題をするという会で、映画の悪口もOKなんです(笑)。規与子さんも毎回参加していますが、歯に衣着せぬとはこういうことかというぐらい毒舌のときもあって。僕はファシリテーターなので焚きつけるだけ。最初に五つ星を満点として、どの星をつけたかみなさんに挙手してもらうんです。するとだいたい五つ星と一つ星の方がいるので、一つ星の人の方から話を聞いていき、次は五つ星の人が反論するのを聞いていると、みなさん自分の意見を言いたくなってくる。それが本当に楽しいし、常連さんも増えて、お客さん同士のつながりも出てくるので、場としての映画館も盛り上がっていくのではないかと期待しています。
 
―――ちなみにアフターコロナのミニシアターの状況は、どのような状況と認識されていますか?
想田:劇場にもよりますが、コロナで減ったお客さんが戻ってきていないというのはよく聞きます。あと今年はDCPの入れ替え時期なので、そこをどう乗り越えるかですね。もう一つ、DVDが本当に売れなくなったのが結構問題になっています。一般の方は、代わりに配信で稼げばいいじゃないかと思われるでしょうが、配信はほとんど儲けがない。配信されていることでDVDも売れなくなり、映画館でも観客が減るというマイナス効果はあっても、プラス効果になることは見出しにくいですね。一部の人気作品を除き、ほとんどの映画は本当に収入にならない状況です。僕も最近は、配信に出さない方がいいんじゃないかと思っています。ソフトへの揺り戻しがあればいいのですが、なければ製作者も配給会社も両方とも厳しくなりますね。
 
 
gokogu06.jpg

 

■目指してきた観察映画のコンセプトにすごく近くなれた

―――牛窓の自然をさまざまな天候のもとで撮影したものが、随所に挿入されていますが、日頃から意識的に撮影しているのですか?
想田:さまざまな天候の牛窓を撮りたいとは思ってました。毎朝起きるとランニングするのが日課なのですが、本当に毎日海の色や光が違うし、いつも見とれてしまうんですよ。そういう景色を撮っておきたいという気持ちはずっと持っていたので、それをする良い機会になりました。
 
―――その自然な肩の力の抜けた感じや、想田さんの心持ちが映っていた気がします。
想田:もともと僕が目指してきた観察映画のコンセプトには、すごく近くなれたのではないかという気がしています。ドキュメンタリーといえば、すごい大事件だとか、貧困とか、とても惨めな顛末などを観客が欲望し、それにつられて作り手もそういうものを欲望してしまう。ある意味ディザスターツーリズムのような、人の不幸を飯の種にするところが、どうしてもあると思うのです。一方観察映画は、わたしたちの日常にカメラを向け、観る側がよく観て、よく聞いて、センサーの感度を上げながら、日常生活に起きるさざ波のような変化を捉えれば、それが映画になるという考えなのです。今までもそれを心がけていましたが、そこまで徹底できず、事件やすごい展開を期待してしまう気持ちがずっとありました。でも今回、それは本当になかったです。それどころか、たびたびカメラを回すのを忘れてしまって。例えば、野良猫は寿命が短く、本当によく死んでしまうのですが、誰々が死んだと聞いたら思わずカメラを持たずに駆けつけてしまう。お葬式の後に、「今のを撮っておけばよかった」と思う一方で、世話をしてきた人のことを考えると、撮るのは気がひけるという気持ちもありました。ただ、一度はそういう現実をちゃんと描かなければ嘘がある気がして、一度だけ心を鬼にして撮らせてもらいました。結果的には命のサイクルを描く映画にもなったと思います。
 
―――海外生活の長かった想田さんですが、日本の良さに気づく部分もあったのでは?
想田:すごく日本の良さを見直す機会になりました。猫のことで揉めそうになっても、踏み込む一歩手前で止めるみたいな、衝突を避けるための知恵がありますね。僕自身はいつも踏み込んで、白黒ハッキリさせてきた人間なので、問題自体は解決しなくても、そこで顔を合わせて話すだけで、解決に近い平和が訪れる。そういう発想がなかったので、これはすごいと思いました。
(江口由美)
 

<作品情報>
『五香宮の猫』(2024年 日本 119分)
 監督:想田和弘 製作:柏木規与子
2024年10月18日(金)より京都シネマ、19日(土)より第七藝術劇場、26日(土)より元町映画館他、全国順次公開
※10月20日(日)京都シネマ、第七藝術劇場、11月4日(月・祝)元町映画館にて想田和弘監督の舞台挨拶あり
 公式サイト⇒https://gokogu-cats.jp/
(C) 2024 Laboratory X, Inc
 

adabana-10.3-main.jpg


■⽇ 程: 10⽉3⽇(⽊)舞台挨拶 19:00〜19:30

■会 場: テアトル新宿(東京都新宿区新宿 3-14-20 新宿テアトルビル B1F)

■登壇者: 井浦新、⽔原希⼦、三浦透⼦、⻫藤由貴、永瀬正敏、甲斐さやか監督 (敬称略)



⻑編映画デビュー作『⾚い雪 Red Snow』(19)が第14 回 JAJFF(Los Angeles Japan Film Festival) 最優秀作品賞を受賞するなど、繊細かつ圧倒的に作りこまれた世界観が国内外問わず⾼く評価されている甲斐さやか監督の最新作、⽇仏合作映画『徒花 -ADABANA-』の公開が 2024 年10 ⽉18⽇(⾦)にテアトル新宿、TOHO シネマズ シャンテ他で全国順次公開いたします。


adabana-pos.jpg映画『徒花-ADABANA-』の完成披露上映会が、10 ⽉ 3 ⽇に東京・テアトル新宿にて開催され、主演の井浦新をはじめ、共演の⽔原希⼦、三浦透⼦、⻫藤由貴、永瀬正敏と、監督を務めた甲斐さやかが舞台挨拶に登壇した。⻑編映画デビュー『⾚い雪 Red Snow』(19)が第 14 回 JAJFF(LOS Angeles Japan Film Festival)で最優秀作品賞を受賞するなど、繊細かつ圧倒的に作りこまれた世界観が国内外問わず⾼く評価されている甲斐さやか監督の最新作となる、⽇仏合作映画『徒花-ADABANA-』は、ウイルスの蔓延で⼈⼝が激減し、病にむしばまれた上層階級の⼈間だけにもう⼀つの⾝体「それ」の保有が許されるという世の中で、⾃分の「それ」と対⾯した男の葛藤を描き出す。死が⾝近に迫る新次を井浦新、臨床⼼理⼠まほろを⽔原希⼦が演じ、他にも三浦透⼦、⻫藤由貴、永瀬正敏ら豪華実⼒派俳優が顔を揃えた。


タイトルの『徒花(あだばな)』とは、「無駄な花」を意味するが、そこにこめられた美学と⽣命の価値、今ここにある「怖さ」を突きつける本作。甲斐監督が 20 年以上かけ構想し、書き上げたオリジナル作品であり、フランスの国⽴映画映像センターが⾏う助成制度「CNC」の対象作品で、第 37 回東京国際映画祭の新設部⾨となるウィメンズエンパワーメント部⾨への出品も決定するなど、多くの注⽬が集まっている。



満席の会場を⾒渡しながら、井浦は「通いなれたテアトル新宿で、この作品で⼀緒に登壇する監督、共演者の皆さんと、こちら(舞台)側からいつもと全然違う景⾊を⾒せていただいてありがたく思います」と感慨深げ。

⽔原も「撮影していたのは 2 年前。まだコロナ禍で、今とは全然違う状況でした。私⾃⾝が観たいと思う作品に出られたことをとても嬉しく思います」と喜びをかみしめる。

adabana-500-2.jpg

新次の過去の記憶に登場する、海辺で知り合った謎の「海の⼥」を演じた三浦は「撮影⾃体は短かったのですが、もの凄く印象に残っていて、好きな映画です。皆さんに届けられて嬉しいです」と微笑みながらも、撮影は過酷だったようで、「寒かったです(笑)。でも皆さんに『⼤丈夫︖』と⾔っていただいて、あんなにケアをしてもらった現場はほかになかったです。楽しい撮影でした」と述懐していた。

 


adabana-500-3.jpg新次の幼い頃の⺟親役を演じた⻫藤は「最初に出演のお話をいただいたときに、ディレクターズステートメントというものを頂戴し拝読しました。その時にとても印象的だったのが、扱っているテーマは難しい部分があるけれど、甲斐監督が作りあげたこの映画の⾏間にある空気感みたいなものを、皆さんに感じていただきたいと思いました。私はとても毒々しい役を演じておりますが、とてもやりがいのある挑戦でした」と語る。役柄的に⼤⼈の新次と会うことはないが、井浦は⻫藤の撮影現場にも駆けつけていたという。

新次の主治医を演じた永瀬は「この映画の完成作品を観たときに、もうすぐに次回作が観たいと思えた作品でした。甲斐監督の⼼の中に思いを皆さんに届けてほしいと思いました」と、すっかり監督の世界観に魅了された様⼦。


甲斐監督は「この⽅に出ていただきたいと思った⽅々に出ていただけたことは、あらためて⼤それたことをしたもんだなと(笑)。とても素敵なキャストの⽅々が魂を削って、そこに存在してくださったことに本当に感謝しますし、お芝居が本当に素晴らしいです」とキャスト陣に感謝を表した。


adabana-500-5.jpg新次と「それ」の⼆役を繊細に演じた井浦は、感想を聞かれ「もう具合が悪くなりました」と苦笑い。それでも「これまで1⼈2役の経験がなかったので、絶対にやりがいしかないだろうなと思いましたね」と意欲満々。甲斐監督作品の『⾚い雪 Red Snow』(2019年)にも出演しているが、「甲斐監督の作品に没⼊するのは、俳優として凄く幸せを感じるんです。どれだけ苦しくて、具合が悪くなって、痛くても、それが全て喜びへと変わっていく。それを⼀度経験させてもらっているので、またこの『徒花』で無茶苦茶やらせてもらえるんだ︕と嬉しさもありながら、不安しかなかったりもしました」と⼼情を吐露。


井浦の熱量も⼤きかったようで、監督は「井浦さんからも⾊々なヒントをいただきましたので、それを絶対に形にしようと思いました。もう皆さん凄くて、⾒どころがたくさんある。俳優の⼒って本当に凄い。驚くばかりでその感動が多いです」と俳優たちの⼒量に圧倒されていた。


adabana-500-1.jpg⽔原も臨床⼼理⼠を演じるため、実際に臨床⼼理⼠にインタビューをして役作りをしていったそうで、「病院に勤める臨床⼼理⼠の⽅の、(患者との)距離感が絶妙なんです。どこまで受け⽌めて、寄り添って、仕事としてまっとうするか・・・。これはとんでもなく⼤変なお仕事だなと」と感銘を受けながら演じていたと話した。

井浦とは初共演となる⽔原。「新次とまほろの絶妙なもどかしい関係値」と⾔い、難しさもあったようだが、井浦の印象を「天使です︕」とニッコリ。「⾃分が役と葛藤して不安そうにしていると、『⼤丈夫、⼤丈夫だよ』と⾔ってくださって」と井浦に感謝。「私は皆さんに⽀えられて演じることができました」としみじみと振り返っていた。

⼀⽅で、井浦は⽔原を「希⼦さんは本当にまじめです。初めての顔合わせのときも臨床⼼理⼠の話が⽌まらなかったです(笑)。⾃分の出番がないときでも常に現場から離れず、寄り添って、最⼤限に楽しみながら、苦悩しながら臨んでいる姿がとても素晴らしかった。本当にまじめに役にしっかり向き合う⽅だと感動しました」と絶賛する。


adabana-500-4.jpg⼀⽅で、本作のオフィシャルカメラマンも務めた永瀬。「撮影の合間にも⾊々なところをカメラに収められて幸せでした」と充実感を滲ませると、監督が「朝からオ⿊⼦に徹していて、オーラを消して現場にいるので、(永瀬だと)知らないスタッフが普通にスタッフのように永瀬さんに指⽰出していましたよね(笑)三浦さんの海のシーンでもずっといらっしゃって。最後まで待ってくださって凄くいいショットになりました」と感動しきり。

井浦も「永瀬さんが甲斐組の守り神のようにいてくれましたね」と微笑み、「本当に素晴らしい素敵な写真がたくさん⾒られます」と伝える。永瀬は恐縮しながらも「次もカメラマンとして呼んでください(笑)」と監督におねだりも。


“徒花”というタイトルについて、監督は「“無駄な花”と⾔う意味もありますが、⼈間の存在を描いているような作品にしたかった」ですと述べ、「忙しい⽇々の中で⾃分を⾒失ってしまうような現代に⽣きていることもあるかもしれませんが、ちょっと⽴ち⽌まってそこに空虚だけでなく希望のようなものを作品に託したつもりです。役者の皆さんが⽣々しいお芝居で強いメッセージを送っているので、何かを感じ取っていただいて、その思いを抱きとめていただけたら嬉しいです」と思いの丈を⼝にする。


最後に、井浦は「甲斐監督の私たちへの問いかけは、本当に鋭い⽬には⾒えないくらい刃で突き刺してくるような衝撃がありますが、その刃に刺されると痛みもありますし、苦しさもありますが、その痛みを越えた先には作品を観た⼈の数だけ素敵なものが待っていると思います。この作品は観れば観るほど楽しくなっていくと思います」とアピール。

そして、監督が「構想から凄く⻑い年⽉が経って、ようやくこの作品を作ることができましたが、このキャストの皆さんに出ていただかなければ全く違う映画になったと思いますし、いま撮れて本当に良かったなと思います。この⽅々の感性というものを掛け合わせての『徒花』だったと思います。お芝居の凄さにもきっと衝撃を受けていただけるんじゃないかなと。現実が急激に⾃分を追い越していくようなスピードで、じっくり⾊々なことを考える時間が持てない時代だと思いますが、スクリーンで皆さんと対話して思ったことをまた教えていただけたら嬉しいです」とメッセージを送り、舞台挨拶を終了した。
 


【『徒花-ADABANA-』作品情報】

adabana-550.jpg

【STORY】
裕福な家庭で育った新次(井浦新)は、妻との間に⼀⼈娘も⽣まれ、周りから⾒れば誰もが望むような理想的な家族を築いていた。しかし、死の危険も伴うような病気にむしばまれ、とある病院で療養している。⼿術を前にした新次には、臨床⼼理⼠のまほろ(⽔原希⼦)が⼼理状態を常にケアしていた。しかし毎⽇眠れず、⾷欲も湧かず、不安に苛まれている新次。

まほろから「普段、ためこんでいたことを話すと、⼿術に良い結果をもたらす」と⾔われ、過去の記憶を辿る。そこで新次は、海辺で知り合った謎の「海の⼥」(三浦透⼦)の記憶や、幼い頃の⺟親(⻫藤由貴)からの「強くなりなさい、そうすれば守られるから」と⾔われた記憶を呼び起こすのだった。記憶がよみがえったことで、さらに不安がぬぐえなくなった新次は、まほろに「それ」という存在に会わせてほしいと懇願する。

「それ」とは、病気の⼈間に提供される、全く同じ⾒た⽬の“もう⼀⼈の⾃分(それ)”であった……。

「それ」を持つのは、⼀部の恵まれた上層階級の⼈間だけ。選ばれない⼈間たちには、「それ」を持つことすら許されなかった。新次は、「それ」と対⾯し、⾃分とまったく同じ姿をしながらも、今の⾃分とは異なる内⾯を持ち、また純粋で知的な「それ」に関⼼を持ちのめりこんでいく……。


出演:井浦 新 ⽔原希⼦ / 三浦透⼦ 甲⽥益也⼦ 板⾕由夏 原⽇出⼦/ ⻫藤由貴 永瀬正敏
脚本・監督:甲斐さやか
プロデューサー:布川 均 宮⽥公夫 ビックァン・トラン ⾚澤賢司 上野弘之
撮影:⾼⽊⾵太
⾳楽:⻑屋和哉 ⾳楽プロデューサー:akiko
制作プロダクション:ROBOT DISSIDENZ
配給・宣伝:NAKACHIKA PICTURES
Ⓒ2024「徒花-ADABANA-」製作委員会 / DISSIDENZ
映画公式 HP:adabana-movie.jp
映画公式 X・Instagram @adabana_movie

2024年10⽉18⽇(⾦)~テアトル新宿、TOHO シネマズ シャンテ、テアトル梅田、アップリンク京都、シネ・リーブル神戸 他全国順次公開


(オフィシャル・レポートより)


koiboku-bu-550.jpg

koiboku-pos.jpg

映画『恋を知らない僕たちは』(配給:松竹)が、本作で映画初主演となるなにわ男子の大西流星 を主演に迎え、2024 年 8 月 23 日(金)より全国上映中です。原作は水野美波による超人気少女コミック「恋を知らない僕たちは」(集英 社マーガレットコミックス刊)。思い悩み、時にはぶつかりながらも、それぞれの“本気の恋”に向き合う 6 人の高校生たちをリアルに描き出す。 予想外の恋の行方に<360 度キュンとして共感>する等身大(リアル)ラブストーリーとなっております!

 
本日9月18日(水)に、関西にて大西流星・酒井麻衣監督が登壇する大阪凱旋舞台挨拶を実施いたしました。本作で映画初主演 を果たした大西流星にとってはゆかりのある大阪での凱旋、酒井監督には初の関西での舞台挨拶となりました。作品への熱い想いや、撮影時の エピソードをお 2 人からたっぷりと聞かせて頂きました。さらに、貴重な関西での舞台挨拶ということで、大阪の印象や思い出だけではなく、大西さ んに本編の印象的なセリフを“関西弁”で披露して頂くコーナーも!関西弁でのセリフに会場が大盛り上がりとなりました。


◼日時 : 9 月 18 日 (水) 15:10~15:30 ※上映前イベント

◼会場 : なんばパークスシネマ スクリーン7
   (大阪市浪速区難波中 2-10-70 なんばパークス8F)

◼登壇者:大西流星、酒井麻衣監督 ※敬称略 



予想外の恋の行方に<360度キュンとして共感>するラブストーリー『恋を知らない僕たちは』(8月23日公開)が、大ヒット公開中。9 月18日に大阪の映画館で“コイスル大阪凱旋舞台挨拶”が実施され、主演の大西流星、酒井麻衣監督が登壇した。


念願の大阪での舞台挨拶に大西は、「本当に率直になんばパークスシネマに来るのも久しぶりで、学生時代にもなんばパークスシネマで映画を観たこともありますし、すごく懐かしい空間に自分の初主演作で登壇できていることを嬉しく思います。(初主演作品ということで)感慨深いですし、その作品をたくさんの方が観てくださって、色んな感想を頂けるので本当に素敵な宝物だなと思います。」と感激の面持ち。酒井監督も本作では初となる関西での舞台挨拶に「元々関西に住んでいたこともあり関西弁は聞き馴染みがあったので、私も今日帰ってきた気持ちで、アットホームで嬉しいです!」と笑顔で語った。


koiboku-bu-onishi-240-2.jpg撮影や演技についてお 2 人はどのような話をされたのかと聞かれると大西は「顔合わせの時から何回か一対一でお話をさせて頂いていて、本読みの時にもそうですし、特に英二のキャラクター像を作りあげていく上での摺り合わせは、とても丁寧に監督がしてくださっていました。あとは撮影初日の後だったり撮影期間の合間にも会話する機会があったので、結構しっかりと(撮影や演技について)話すことはありました。」と演技や役作りについて答え、一方で酒井監督は「俳優の大西さんとして英二くんと向き合っていたんですが、1 回先生と生徒みたいになったエピソードがありまして、撮影のために色付きリップ禁止という校則を作っていたんです。そしたらある日、しゃがんだ時に大西さんのポケットから色付きのリップがポロッと落ちてきて、そのあと一瞬目が合った時に「やば!」みたいな顔をしていて…その時だけ先生と生徒みたいな瞬間がありました」と裏話を証言、大西も「まさか色付きリップ禁止とは思っていなかったので校則間違えていましたね…」と苦笑いし、会場が笑いに包まれた。


撮影中のエピソード話が続く中、この日はなんと、本作で共演した窪塚愛流、齊藤なぎさ、莉子、猪狩蒼弥、志田彩良から座長である大西へのミッション動画もサプライズで到着。「グッとくる「恋僕」の胸キュンセリフを関西弁で披露」というお題を受けて大西は「関西弁でという前振りで発表するの恥ずかしいですね…みなさん、キャー!って言ってください」と照れつつ、劇中のセリフ「でもなんかほっとけないんだよ!」を大阪弁で「なんでやろ、ほっとかれへんねん!」とさわやかな笑顔で披露。大西からの胸キュンセリフに観客からは黄色い歓声が上がり、会場の温度が急上昇する一幕となった。酒井監督も「ぜひともこのセリフのあとに『コイスルヒカリ』を流して欲しいですね!」と感想を述べた。

 

koiboku-bu-sakai-240-1.jpg笑いの絶えない舞台挨拶もあっという間に終了の時間に。酒井監督は「青春のキラキラやヒリヒリが詰まった映画となっています。自分と重ね合わせたり、こういう事あったらいいなという事も思いながら、ぜひ、楽しんでください。本日は本当にありがとうございました!」と改めて本作への想いと感謝の気持ちを語った。


主演の大西は僕の初主演作でもあるこの作品は原作も本当に面白いです。僕は原作を読んでから台本を読んで、映画の撮影に挑んだんですが、映画を観るとまた原作も読みたくなって…そんな味わい深い映画だなと思っています。6 人の恋が交錯するって複雑な設定なのかなと思いきや、とても丁寧に酒井監督初めスタッフのみなさんが描いてくださってるので、すっと入れますし、そのなかで同世代の素敵なキャストと一緒にお芝居することができました。その作品をみなさんに観て頂けるということをすごく嬉しく思ってますし、もっともっと『恋僕』の世界観にどっぷりと浸かっていただけるよう願っています。これからも『恋僕』の応援、よろしくお願いいたします!」と呼びかけ、記念すべき大阪での凱旋舞台挨拶は大盛況で幕を閉じた。


『恋を知らない僕たちは』

出演:大西流星
   窪塚愛流 齊藤なぎさ 莉子 猪狩蒼弥 志田彩良
原作:水野美波 「恋を知らない僕たちは」(集英社マーガレットコミックス刊)
監督:酒井麻衣  脚本:大北はるか
主題歌:なにわ男子「コイスルヒカリ」(ストームレーベルズ)
©️2024「恋を知らない僕たちは」製作委員会 ©️水野美波/集英社
配給:松竹
公式サイト:https://movies.shochiku.co.jp/koiboku-movie/

全国絶賛公開中!


(オフィシャル・レポートより)

 


namibia-9.17bu-550.jpg


第77回カンヌ国際映画祭国際映画批評家連盟賞において、女性監督として最年少受賞に輝いた山中瑶子が監督・脚本、河合優実主演の『ナミビアの砂漠』が9月6日より全国公開中です。この度、大ヒット御礼舞台挨拶を行いました。


アカデミー賞受賞作『ドライブ・マイ・カー』に続く受賞の快挙!


世の中も、人生も全部つまらない。やり場のない感情を抱いたまま毎日を生きている、21歳のカナ。優しいけど退屈なホンダから自信家で刺激的なハヤシに乗り換えて、新しい生活を始めてみたが、次第にカナは自分自身に追い詰められていく。もがき、ぶつかり、彼女は自分の居場所を見つけることができるのだろうか・・・?


監督は19歳という若さで『あみこ』を作り上げ、史上最年少でのベルリン国際映画祭出品を果たした若き天才・山中瑶子。主演はその『あみこ』を観て衝撃を受け、監督に「いつか出演したいです」と直接伝えに行ったという、河合優実。才能あふれる2人の夢のタッグが実現した本作は、今年のカンヌ国際映画祭 監督週間でも絶賛され、国際映画批評家連盟賞を受賞。カンヌでのワールドプレミア、上海国際映画祭でのアジアプレミアを経て、いよいよ日本での公開を迎えた。

また、アメリカ、カナダ、フランス、台湾、韓国での公開も予定されるなど、世界中でナミビア旋風が吹き荒れること間違いなし!

山中瑶子監督のもと、いじわるで、嘘つきで、暴力的。それでも夢中になってしまう中毒的な魅力を持ったカナという初のチャレンジとなるキャラクターを演じ切った河合優実。今最も熱い、パワーあふれる新世代の才能がタッグを組み世界を沸かせ、日本にも旋風を巻き起こしている本作の大ヒットを記念した舞台挨拶となります。


◆日程/9月17日(火) 会場/Bunkamuraル・シネマ 渋谷宮下

◆登壇者 /河合優実・山中瑶子監督


公開初日より都内を中心に満席回が続出、Filmarks初日満足度ランキングでは邦画実写1位となるなど、大きな熱狂を呼んでいる!SNSでは河合優実と山中瑶子監督が生み出した、圧倒的なエネルギーを放つ中毒性を持つ主人公カナに魅せられた声が相次ぎ、熱狂を呼び起こしている『ナミビアの砂漠』。この熱気をそのままに大ヒット御礼舞台挨拶を開催致しました!

 

9月17日には都内映画館で大ヒット御礼舞台挨拶が実施され、主演の河合優実、山中瑶子監督が登壇した。


namibia-9.17bu-kawai.jpg東京で生きる 21 歳のカナを演じた河合は公開初日のイベントで「映画はここから旅立つので、祈りながら見守っていきたいです」とコメントを残していたが、そこから今回の大ヒットを受けて「自分の好きな映画館で舞台挨拶ができて嬉しいです。」と挨拶。「身近な人や友人が今年見た中でぶっちぎりで好きですと言ってくれました。関係者の方も映画館に観に行ってくれていて、色んな人が楽しみにしていたんだなと実感しました」と大ヒットを喜んだ。


山中監督も「この Bunkamura ル・シネマ 渋谷宮下で上映していただきたいという強い想いで映画を作りました」と続け、満席の観客に向けて「映画を観終わったあと、建物から出て前と後ろを見たらその理由が分かると思います。映画と現実が接続されているんです」とコメント。


主人公カナについて河合はカナについても(意見が)様々で、取材とか受けてもライターさんとか自分自身と重ねる人もいるし、全くの他者として見る人もいる。こんなに多面的な映画なんだと分かった」と話し、山中監督は共感できるできないが分かれやすいなと公開してから感じました。そうじゃないところでも楽しんでもらえると思っているので、好きなように観ていただきたい」とアピール。


「あんのこと」、「ルックバック」と今年3本目の主演映画、どれも全く違う役どころで、しかもどれも大ヒットという状況について河合は「幸せなことだと思います。それぞれの作品で全く違うチャレンジができたのも一番良かったです。私を違う作品で観てくれた方が、毛色の違う作品も観に来てくれているので、参加できて良かった。ほんとに色んな意味で幸せだと思ってます」と感謝を綴った。


20代(主人公カナ)のキャラクターを演じたことについて河合は「これまではどうしても年齢的なことで高校生の役とか多かったですし、下の年齢の役を演じることが多かった。「あんのこと」やカナも含めてですが、これからのことを考えると、その時にしかできない役に出会っていけてるなと思ってます」と振り返った。


namibia-9.17bu-yamanaka.di.jpg「今まで見たことのない河合さんを撮りたかった」と話していた監督。河合さん演じるカナの魅力が、SNSでも話題となっているが、カナという役を作りあげる上で河合は「脚本をいただく前から何度か(監督と)お会いしてお話する機会があって。作品についてではなく、身の回りのこととか、お互いが感じていること、山中監督が映画で描きたいことを話しました。なので、キャラクターについてゼロから話す必要が無いのがすごく良かったです。」と明かし、山中監督は「河合さんとお会いしてこういう映画を作る予定です、とは言わずに、お互いの家族の話とか、東京で今生きている気分・ムードの話をしました。自分一人だと偏ってしまうところですが、友人知人、また全然知らない人など、いろんな人の話をいっぱい聞くことによって、普遍性も得られて多面的なキャラクターになると良いなと思って(脚本を)書いてました」と語る。


ここでSNSで募った質問を二人にぶつけることに。

Q:感情の波が激しい役柄を演じる際、どのようにして気持ちを切り替えていますか?

河合:「どんな役でも感情の波はあります。心に定まっているものはないんですけど、ベースとして、今演じている役柄に日常生活でも持っていかれるということは無いんです。できるだけ冷静に自分が演者としてできることは何だろうと考えてます」と答えた。今回演じたカナについても「自分でエンジンをかけないと心が追いついてこないということももちろんありました。ただ気持ちだけ先走って振り回されようということはないです。できるだけ生の気持ちがでるようにしようと心がけた。」


そんな役者としての河合について山中監督は「地に足がついているというか。河合さんとして現場にいるなと思います。いい意味で河井さんから出てきているカナだなと思います。勘だけでは絶対できない領域にいるな、と感じます」と河合の凄さを撮影では実感したそう。


Q:山中監督へは「ナミビアの砂漠」というタイトルについて?

 “他には悩まなかったのでしょうか 撮影の段階で決めたのか 撮り終わってから決めたのかも気になります”との質問に山中監督は「ナミビアでてこないじゃないか、行っていないじゃないかと思うかもしれませんが、カナにとってのナミビアの砂漠っていうのが、人との距離感だったり、色々な物との距離感の象徴としてあるんです。そのアイディアは脚本を書いている途中で浮かびましたが、このタイトルが名画の感じがしてしまって集客には向いてない感じがあるかもと不安になりました。けれど、出来上がったものをみたら、この映画はどうみても『ナミビアの砂漠』でした」と説明。撮影時にタイトルへの不安を明かされていた河合は正式にタイトルがナミビアの砂漠になったことを聞かせれ「お客さん入らなくていいと思っているのかなと思った」と会場の笑いを誘った。


Q:撮影後に感じたお互いの魅力、新発見したことについて?

河合:「(監督は」すごくピュアな人だなと思っていて。自分が信じていることとか、逆に疑っていることも含めて、そこに対する思いが強くてまじりっけが無くて素敵。ずっとそのままでいて欲しい」と伝えると、 「どうなってほしくないとかありますか?」と監督から質問に「怖い飲み会とかに行かないで欲しい」


山中監督:「一切ずるくない。打算的なところがない。なんかすごく物事とか人をフラットに見てくれる。」と語り、「取り乱して電話した時に、それは山中さんの木本ですから大丈夫ですよって言ってくれた。とっても優しいし、河井さんにも変な人が付かないで欲しい」と続けた。


最後に河合は「ほんとうに色んな感想をみてますし、凄く満ち足りた気持ちです。なので皆さんも映画がはじまったら、浸る気持ちで観て頂けたら嬉しい。そして何が感じルことがあったら、自分の中に残してほしい」よ呼びかけ、山中監督は「河合さんが演じたカナっていう21歳の東京近辺に住んでいるという 限定的な人物を描いているので、わかるわからないで楽しんでいただけると思うんですけど、それだけじゃないことも発見してもらったり、持ち帰ってもらえると嬉しいです」と締めくくった。
 


 『ナミビアの砂漠』は、海外の映画祭出品も続々と決定!

カンヌでのワールドプレミア、上海国際映画祭でのアジアプレミアに続き海外の映画祭出品が続々決定!
2024年 香港国際映画祭(香港/8月14日~8月26日)
第35回 エスポー・シネ国際映画祭(フィンランド/8月23日~9月1日) 
第32回 ハンブルク国際映画祭(ドイツ/9月26日~10月5日)
第19回 カメラジャパン・フェスティバル(オランダ/9月26日~10月6日)
第31回 台湾国際女性映画祭(台湾/10月18日~10月27日
第17回 サレ国際女性映画祭(モロッコ/9月23日~9月28日)
2024年 ウィーン日本映画祭 Jappanual(オーストリア/10月3日~10月9日)
第29回 釜山国際映画祭 A Window on Asian Cinema部門
第44回 ハワイ国際映画祭 ライジング・スター賞 ノミネート
 

脚本・監督:山中瑶子
出演:河合優実 金子大地 寛一郎 新谷ゆづみ 中島歩 唐田えりか 渋谷采郁 澁谷麻美 倉田萌衣 伊島空 堀部圭亮 渡辺真起子
製作:『ナミビアの砂漠』製作委員会
企画製作・配給:ハピネットファントム・スタジオ
©2024『ナミビアの砂漠』製作委員会
公式X   @namibia_movie
公式Instagram @namibia_movie 
2024年/日本/カラー/スタンダード/5.1ch/137分/PG12

全国にて絶賛公開中!


(オフィシャル・レポートより)

HAPPYEND_main.jpg

hanayome_main.jpg


Namibia-9.7bu-550.jpg


第77回カンヌ国際映画祭国際映画批評家連盟賞において、女性監督として最年少受賞に輝いた山中瑶子が監督・脚本、河合優実主演の『ナミビアの砂漠』が9月6日より全国公開中です。この度、以下の通り公開記念舞台挨拶を行いました。

★作品紹介はこちら⇒ 


■日程:9月7日(土) 
■会場:TOHOシネマズ 日本橋 スクリーン7
■登壇者:河合優実・金子大地・寛一郎・山中瑶子監督



アカデミー賞受賞作『ドライブ・マイ・カー』に続く受賞の快挙!

Nambia-main-pos.jpg

 

河合優実が「人生が変わった」と話す山中瑶子監督との奇跡の出会いから6年!念願のタッグが実現し、河合が天才と語る山中監督との現場は「楽し過ぎて逆に不安になるくらい楽しい撮影だった」と明かす。出演したドラマでは大きな話題となり、主演映画が立て続けに公開されるなど、2024年の顔と言っても過言ではない河合優実。そんな彼女の代表作となること間違いなしの映画『ナミビアの砂漠』がついに公開し、都内の劇場では満席が続出している。この度、映画鑑賞後の観客を前に、河合をはじめ金子大地、寛一郎、山中瑶子監督にネタバレを気にせず思い存分に語ってもらいました。

 

 



第77回カンヌ国際映画祭で国際映画批評家連盟賞を受賞した映画『ナミビアの砂漠』がついに公開!初日翌日となる9月7日には都内映画館で公開記念舞台挨拶が実施され、主演の河合優実、共演の金子大地、寛一郎、そして山中瑶子監督が登壇した。


Namibia-9.7bu-kawai-240.jpg東京で生きる21歳のカナを演じた河合は「山中監督の元、自由に作った映画が時間を掛けて色々な人の手に渡っていくことを実感していくような期間でした」と公開までの道のりを振り返り「公開初日を迎えてこれから皆さんの感想を受け取るのが楽しみです。映画はここから旅立つので、祈りながら見守っていきたいです」と大ヒットを祈願した。


一方、山中監督はカナという限定された個人を通して、今の日本で生きる空気感や普遍的なことを描くことも考えていたけれど、自由に撮らせていただきました。皆さんと共闘して、いい映画になったと思います」と胸を張った。


カナを演じる上で河合はカナはエキセントリックだしその面白さを楽しむ映画ではあるけれど、同時に自分の話だと思ってもらいたかった。東京ですれ違っているし、見たこともあるしという女の子像と映画で見て面白い生き物という点を意識。カナは暴れるし、ウソをつくし、気分屋でキャラクターとしての魅力を両方入れ込みたかった。カナは自分と同年代だし、その気分やエネルギーは学校や街中でこれまで私が感じてきたものを集めていきました」とこだわりを明かした。


Namibia-9.7bu-kaneko-240.jpg自信家で刺激的なクリエイターでカナの恋人・ハヤシを演じた金子は演じる中で自分の本質が見えると思ったので、純粋に演じました。カナとの芝居の中で自分がどんな気持ちになるのか。そして皆さんがハヤシをどう思ったのか気になります」と反応に興味津々。


優しいけど退屈なカナの同棲相手・ホンダを演じた寛一郎は「ホンダはスタッフさんの実際の体験談を元に作りました。カナの前でどんな風に崩れ落ちるのか、具体的に教えてくれました。僕としては“そんな崩れ落ち方する!?”と思いましたが」と苦笑い。


お気に入りシーンに触れて山中監督は「冒頭のカフェでの縮毛矯正の手のジェスチャーは演出ではなくて、河合さんが自然にやってくれた。凄いなと思った」と絶妙なアドリブに感激。また金子演じるハヤシが、カナとの口喧嘩中にカップラーメンを移動させる仕草が話題に上がると、金子は「河合さんの目が怖くて…。僕としてはカップラーメンにしか意識がいっていなかった」と振り返り、河合は「もちろんカップラーメンをハヤシにかけようとは思っていなかったけれど、かけてしまった日もあっただろうと。喧嘩の歴史が想像できるハヤシの仕草が好きです」と気に入っていた。


Namibia-9.7bu-kanichiro-240.jpg劇中には、カナがスマホでナミビアの砂漠の動画をボーッと見るシーンがある。それにちなんで「一人の時間を潰す方法」をそれぞれ発表金子はTikTokといい「永遠に見る。あれは滅茶苦茶面白い。シベリアン・ハスキーの子犬の動画で、大きい犬と赤ちゃんの組み合わせの動画を真顔で見ています」と癒されている様子。寛一郎はシャワーといい「30分くらい浴びちゃいます。温いお湯がちょうどいい」とニヤリ。山中監督は「ボーッとするのが苦手で、ボーッとするためにスマホゲームをやります。スマホゲームをやらないとボーッとできないってヤバいかも」と苦笑い。河合は美容師の動画だといい「私と同い年くらいの若い方がカナダで美容師をやっている。その方のブラックカルチャーのヘアースタイルを作る技術が凄すぎて見ていて気持ちが良い」と明かすと、金子からは「だいぶマニアックな動画だね」とツッコまれ、河合は「どんなアルゴリズムで私におススメ動画として流れてきたのか…」と不思議がっていた。


Namibia-9.7bu-yamanaka-240.jpgアメリカ、カナダ、フランス、台湾、韓国での公開も決定。山中監督は「カンヌや上海のお客さんの感想を見ると、国によって注目ポイントが違う。違うけれど国によってまとまりはあるので、脱毛サロンのSF感に興味を持ってもらえたら嬉しい」とジョーク交じりに期待。河合も「日本公開と共に沢山の国への公開が決まる経験はこれまでないので嬉しい。山中さんの映画を世界の人に知ってもらいたい気持ちがあるので、どんな風に見てもらえるのかワクワクしています」と世界への広がりに胸を高鳴らせていた。


最後に主演の河合は「カナの事を自分事として見てもらってもいいし、他人事として見てもらってもいいし、カナの個人的な物語として楽しんでもらってもいい。皆さんが作品から受け取ったエネルギーが反射して『ナミビアの砂漠』が吸収して映画自体が素敵なモンスターになっていったら嬉しいです」と呼び掛けた。


東京というカオスな街で暮らす自身の実感を物語に反映したという山中監督も「私が生まれてからずっと日本は不景気だと思うし、最近は不穏さが顕著になっていると思います。そんな中で大変な人はいっぱいいると思うけれど、この映画を観てちょっとでも爽やかな気持ちになってもらえたらという思いで作りました。気に入っていただけたら周りの人に勧めてください」と語り掛けていた。
 


『ナミビアの砂漠』は、海外の映画祭出品も続々と決定!

カンヌでのワールドプレミア、上海国際映画祭でのアジアプレミアに続き海外の映画祭出品が続々決定!

2024年 香港国際映画祭(香港/8月14日~8月26日)
第35回 エスポー・シネ国際映画祭(フィンランド/8月23日~9月1日) 
第32回 ハンブルク国際映画祭(ドイツ/9月26日~10月5日)
第19回 カメラジャパン・フェスティバル(オランダ/9月26日~10月6日)
第31回 台湾国際女性映画祭(台湾/10月18日~10月27日
第17回 サレ国際女性映画祭(モロッコ/9月23日~9月28日)
2024年 ウィーン日本映画祭 Jappanual(オーストリア/10月3日~10月9日)
第29回 釜山国際映画祭 A Window on Asian Cinema部門
第44回 ハワイ国際映画祭 ライジング・スター賞 ノミネート


【ストーリー】

世の中も、人生も全部つまらない。やり場のない感情を抱いたまま毎日を生きている、21歳のカナ。優しいけど退屈なホンダから自信家で刺激的なハヤシに乗り換えて、新しい生活を始めてみたが、次第にカナは自分自身に追い詰められていく。もがき、ぶつかり、彼女は自分の居場所を見つけることができるのだろうか・・・?


脚本・監督:山中瑶子
出演:河合優実 金子大地 寛一郎 新谷ゆづみ 中島歩 唐田えりか
渋谷采郁 澁谷麻美 倉田萌衣 伊島空 堀部圭亮 渡辺真起子
製作:『ナミビアの砂漠』製作委員会
企画製作・配給:ハピネットファントム・スタジオ
©2024『ナミビアの砂漠』製作委員会
2024年/日本/カラー/スタンダード/5.1ch/137分/PG12

公式サイト: happinet-phantom.com/namibia-movie
公式X   @namibia_movie
公式Instagram @namibia_movie

2024年9月6日(金)~TOHOシネマズ 日比谷 他 全国ロードショー


(オフィシャル・レポートより)

 
 

Nambia-main-550-1.jpg


Nambia-9.3-main-550.jpg

【登壇者】河合優実、山中瑶子監督
【日時・場所】9月3日(火)  ポレポレ東中野


この度、第77回カンヌ国際映画祭国際映画批評家連盟賞において、女性監督として最年少受賞に輝いた山中瑶子が監督・脚本、河合優実主演の『ナミビアの砂漠』をいよいよ9/6(金)よりTOHOシネマズ 日比谷ほか全国にて公開いたします。

★『ナミビアの砂漠』作品紹介はこちら⇒ 


Nambia_Main_poster.jpg監督は19歳という若さで『あみこ』を作り上げ、史上最年少でのベルリン国際映画祭出品を果たし、坂本龍一も絶賛した若き天才・山中瑶子。主演は、その『あみこ』を高校生の時に観て衝撃を受け、監督に「女優になります、いつか監督の映画に出演したいです」と直接手紙を渡して伝えたという河合優実。


初めての出会いから6年。才能あふれる2人の夢のタッグが実現し、完成した本作は今年のカンヌ国際映画祭でも大絶賛を受け、女性監督史上最年少で“国際映画批評家連盟賞”を受賞。カンヌでのワールドプレミア、上海国際映画祭でのアジアプレミアを経て、いよいよ9月6日より日本で公開となります。


この度は、『ナミビアの砂漠』公開記念として『あみこ』を特別上映。河合優実が女優になることを決心した、原点とも言える『あみこ』を観た場所、思い出の映画館ポレポレ東中野に、世界にその名をとどろかせる監督となった山中瑶子と、俳優として今最も注目の存在、時代のアイコンとなった河合優実の2人が揃って感動の帰還を果たしました。
 



Nambia-9.3-kawai-240.jpg河合は思い出の地のステージに立って、改めて当時を回想。「はあ、恥ずかしい。凄く変な感じがする。今凄くゾワゾワしています。『あみこ』を見てからの出来事は色々なところで話しているので、Webを検索して読んでください」と照れ笑い。当時偶然にも同じ回の『あみこ』を観ていた若手監督からDMでオファーをもらい、自主製作映画で女優デビューを果たしたという逸話もある。河合は「確約もないのに、それで『私、女優になれる!』と思ってしまって、山中監督に手紙を渡してしまった。美談になっているけれど、ただの頭のおかしいイタい高校生」と苦笑いだった。
 

そんな河合のエピソードを山中監督は「ドラマチックな話ですね」と笑いつつ、当時の河合について「河合さんの怖いものがない感は覚えています。こんな子が『あみこ』を見てくれたんだ、作って良かったと思ったくらい、河合さんは万能感に溢れていた」と懐かしそうに思い出していた。
 

さらに河合は「自主映画に出られることが決まった後の高校3年の夏にポレポレ東中野でバイトをしたくて『働かせてください』とメールを送りました。結果は『今バイトは募集していません』という返事でした」とまさかの過去を告白。これに山中監督が「行動力が凄い!もしかしたら河合さんがここでアルバイトをしていた世界線もあったのではと思うと面白い」と驚くと、河合は「働きたかったなあ」と残念そうで「『あみこ』を観に行った日に文字通り人生が変わったので、私にとって『あみこ』は特別な体験です。『あみこ』という映画が個人的な体験と結びついている」と宝物のように語っていた。
 

一方、山中監督は『あみこ』について「初めて撮った映画なので今の自分からするとセオリーも無茶苦茶で観ていられない」と恐縮しながら「『ナミビアの砂漠』では私の歴然とした成長が見られます。7年分の映画に対する私の解像度が上がっているはず」と新作をアピール。河合は『あみこ』を「お金も人も技術もないことが画面から伝わってくるけれど、センスだけがある気がして一番カッコいい映画。今見返してもそう思います」と色褪せない名作だと推していた。
 

そんな2人が念願叶ってタッグを組んだのが、『ナミビアの砂漠』。山中監督は「手紙をもらった翌年には河合さんの事を映画館で観て、そこからどんどん見る様になって人伝手に私と仕事をしたいという話を聞いて、まだ覚えてくれていたんだと嬉しかった」としみじみ。制作まで紆余曲折あったが、河合は「関係者からは『山中さんは天才だから待ちましょう』と言われて、それに私も同意見。待とう、という気持ちしかなくて。人にも恵まれて色々な歯車がカッチリと運よく合ったと思う」とベストタイミングでのタッグだったと理解していた。
 

撮影中、山中監督は「毎日が楽しくて、リハの時から河合さんで良かったという気持ちが毎日更新されていた」と手応えを感じており、河合も「楽し過ぎて逆に不安になるくらい楽しい撮影だった」と同意見。改めて山中監督は『ナミビアの砂漠』について「河合さんをひたすら見続ける映画になっていて、今まで見たことのない表情や仕草が沢山見られます。『あみこ』と近いところもあるし、全然違うし、『あみこ』よりもいい映画を作りたいと思ったことが叶いました」と充実した表情。河合も「私は『あみこ』を観た時に、このような感覚を持っている人がいる事にビックリしました。山中さんしか持っていない圧倒的感性があると思いました。『ナミビアの砂漠』はそれが7年の時間を掛けて山中さんの中でアップグレードされた感じです。一ファンとしてもカッコいい映画が観られて嬉しかったです」と自信作だと胸を張っていた。
 

【ストーリー】

世の中も、人生も全部つまらない。やり場のない感情を抱いたまま毎日を生きている、21歳のカナ。優しいけど退屈なホンダから自信家で刺激的なハヤシに乗り換えて、新しい生活を始めてみたが、次第にカナは自分自身に追い詰められていく。もがき、ぶつかり、彼女は自分の居場所を見つけることができるのだろうか・・・?


脚本・監督:山中瑶子
出演:河合優実 金子大地 寛一郎 新谷ゆづみ 中島歩 唐田えりか
渋谷采郁 澁谷麻美 倉田萌衣 伊島空 堀部圭亮 渡辺真起子
製作:『ナミビアの砂漠』製作委員会
企画製作・配給:ハピネットファントム・スタジオ
©2024『ナミビアの砂漠』製作委員会
2024年/日本/カラー/スタンダード/5.1ch/137分/PG12

公式サイト: happinet-phantom.com/namibia-movie
公式X   @namibia_movie
公式Instagram @namibia_movie

2024年9月6日(金)~TOHOシネマズ 日比谷 他 全国ロードショー


(オフィシャル・レポートより)

hanayome_main-550.jpg


『花嫁はどこへ?』プレスシートプレゼント!

hanayome_pre.jpg

 

 

◆提  供: 松 竹

◆募集人数: 3 名様 

◆締め切り:2024年10月4日(金) 

◆公式サイト:
     https://movies.shochiku.co.jp/lostladies/

 

2024年10月4日(金)~大阪ステーションシティシネマ、なんばパークスシネマ、ほか全国ロードショー




hanayome_pos.jpg同じベールで顔が隠れた2人の花嫁が、花婿の家へ向かう満員列車で 取り違えられた!?奇想天外に始まるのは、育ちも性格も全く異なる2人の 女性の想定外の人生。トロント国際映画祭を皮切りに世界で喝采を浴び、 瞬く間に業界誌を満点の星と絶賛評で埋め尽くした必見の話題作。

”インドの国宝”アーミル・カーンが脚本を発掘し、キラン・ラオに監督を託して 生まれた新たな傑作。豊かな大自然、家族愛に溢れる結婚式、色鮮やかな サリー、スパイス香る屋台メシなど、物語を彩るインドの魅力に心が躍る。 予期せぬ旅を通して、全く新しい価値観と可能性を手にした2人の女性。 やがて彼女たちは周りをも笑顔にしながら、初めて自分の手で人生を 切り開いていく。逆境を幸せに変える2人に笑い泣く、感動の物語! 
 


【STORY】
2001年、とあるインドの村。プールとジャヤ、結婚式を終えた2人の花嫁は同じ満員列車に乗って花婿の家に向かっていた。 だが、たまたま同じ赤いベールで顔が隠れていたことから、プールの夫のディーパクが勘違いしてジャヤを連れ帰ってしまう。置き去りにされたプールは 内気で従順、何事にもディーパクに頼りきりで彼の家の住所も電話番号もわからない。そんな彼女をみて、屋台の女主人が手を差し伸べる。 一方、聡明で強情なジャヤはディーパクの家族に、なぜか夫と自分の名前を偽って告げる。果たして、2人の予想外の人生のゆくえはー? 


プロデューサー:アーミル・カーン、ジョーティー・デーシュパーンデー
監督・プロデューサー:キラン・ラオ
出演:ニターンシー・ゴーエル、プラティバー・ランター
2024 年|インド|ヒンディー語|124 分|スコープ|カラー|5.1ch|
原題 Laapataa Ladies| 日本語字幕:福永詩乃
応援:インド大使館
配給:松竹
© Aamir Khan Films LLP 2024
公式 HP : https://movies.shochiku.co.jp/lostladies/

2024年10月4日(金)~大阪ステーションシティシネマ、なんばパークスシネマ、ほか全国ロードショー


(オフィシャル・リリースより)
 

 
  1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31 32 33 34 35 36 37 38 39 40 41 42 43 44 45 46 47 48 49 50 51 52 53 54 55 56 57 58 59 60 61 62 63 64 65 66 67 68 69 70 71 72 73 74 75 76 77 78 79 80 81 82 83 84 85 86 87 88 89 90 91 92