~20代スタッフ、キャストの”情熱”がほとばしる!鮮烈で優しい”家族の再生”~
ダンスやスタント、サーカスなど様々なチャレンジを強いられた撮影についての感想を聞かれたアーミルは「スタントは簡単ですが、ダンスは大変。リティック・ローシャンのように私はダンスが上手くないので、ダンスシーンが来ると緊張しました。スタントの中でもサーカスのスタントは何度もリハーサルを積み重ね、とても難しかったです。80~90%は実際に自分たちが高所で命綱なしで演じたので苦労しました」。また、シカゴでの全面ロケによるバイクスタントの撮影について聞かれたヴィジャイ監督は、「スタントは計画的に行うことが大切。スタントマンの安全性を確保することに最大の注意を払っています。いい役者であれば安全性を確保した上である程度のリスクを冒してもらうことも大切で、今回もア―ミルにはかなり危険なこともしてもらいました。みなさん映画館を出てからこのスタントは試さないでくださいね」とかなり難易度が高いアクションに臨んだことを示唆。質問に答えている間に会場で赤ちゃんの泣き声が聞こえてくると、すかさずアーミルが「僕の答えが気に入らなかった?」と場を和ませるジョークを飛ばすなど、大スターでありながらチャーミングな一面を随所に垣間見せた。
髭剃りが大変だった!?『マルセイユ・コネクション』ジル・ルルーシュ&セドリック・ジメネス監督舞台挨拶《東京国際映画祭2014》
◎日時:2014年10月26日(日)
◎ゲスト:ジル・ルルーシュ(42歳)、セドリック・ジメネス(?)
『マルセイユ・コネクション』
・原題:The Connection [ La French ]
・(135分 フランス語 Color 2014年フランス=ベルギー)
・監督/脚本 : セドリック・ジメネス
・プロデューサー : アラン・ゴールドマン・ 脚本 : オードレイ・ディヴァン
・撮影監督 : ローラン・タンギー ・美術 : ジャン=フィリップ・モロー
・編集 : ソフィー・レーヌ ・音楽 : ギヨーム・ルセル
・出演:ジャン・デュジャルダン、ジル・ルルーシュ、セリーヌ・サレット、メラニー・ドゥーティ、ブノワ・マジメル
© LEGENDE FILMS, GAUMONT, FRANCE 2 CINEMA, SCOPE PICTURES
1970年代のマルセイユに実在した麻薬犯罪組織のボスと新任判事との攻防戦を描いた『マルセイユ・コレクション』。当時巨大な市場であったアメリカへの麻薬密売ルートを確立したのは、マルセイユを拠点とした“フレンチ・コネクション”と呼ばれた犯罪組織だった。ウィリアム・フリードキン監督の『フレンチ・コネクション』(71)とジョン・フランケンハイマー監督の『フレンチ・コネクション2』(75)では、まさにフランスからの麻薬ルートの取り締まりに命を懸けたニューヨーク麻薬取締官の活躍を躍動感あふれる映像で描いていた。当時、コルシカ島出身のフレンチ・マフィアと、シチリア島出身のイタリアン・マフィアの双方からアメリカへ麻薬が密売され、アメリカの若者が急激に麻薬に蝕まれていった。その後のアメリカ映画では大きな社会問題として数多くの作品で扱われるようになった。そんなマフィアが暗躍する世界を“ファミリー”の内側から描いたフフランシス・フォード・コッポラ監督の『ゴッドファーザー』シリーズはあまりにも有名。
そしていま、マルセイユ出身の若き監督が、判事とマフィアのボスを両極において、それぞれの家族への想いや仕事に対する非情さを、現代の視点で細やかに物語る。特に、犯罪組織に果敢に戦いを挑み続けた判事の執念を、「勝負にこだわるギャンブラーのようだ」と語らせているところは人間臭くて興味深い。『アーティスト』(11)でアカデミー賞主演男優賞を受賞したジャン・デュジャルダンがミシェル判事役を、『この愛のために撃て』(10)のジル・ルルーシュが犯罪組織のボス・ザンパ役を演じて、なんとも豪華なW主演となった。また、数々の主演映画で日本でも大人気のブノア・マジメルがボスと敵対するマフィアの一員を、さらに今年のフランス映画祭で上映されたトニー・ガトリフ監督の『ジョロニモ 愛と灼熱のリズム』で主演したセリーヌ・サレットなど実力派が脇を固めている。
本作を監督したセドリック・ジメネス監督と、犯罪組織のボス役を演じたジル・ルルーシュが東京国際映画祭のために初来日し、舞台挨拶を行った。
――― 歴史的事件を扱っている本作の製作にあたりプレッシャーはなかったのか?
監督:プレッシャーはなかったが、責任は感じていた。私はマルセイユで生まれ育ち、父はザンパ関係者が経営していた店の隣でナイトクラブを経営していたので、子供の頃から彼等のことはよく知っていた。いつかはこの事実を物語りたいと思っていた。実在の人々に対し敬意を払いながら、マルセイユの人々に対しても裏切らないような作品を撮りたいと思っていた。
――― ハンディカメラの使用について?
監督:映画の中に観客が入り込んで、より登場人物たちを身近に感じてもらえるようにハンディカメラを使用した。人物と観客との距離感をなくして、キャストの動きに付いて行けるよう、活き活きとした映像を撮りたかった。
――― ジルは『プレイヤー』(12)でもジャンと共演して究極の遊び人をコミカルに演じていたが、今回はシリアスにガチ勝負?
ジル:ジャンとの共演作は3作品あるが、直接顔を合わせる共演は今回で2作目。長年の友人でもあるので、対決シーンでは苦労した。知らない者同士なら上手くいくところを、とにかく8時間は敵として顔を合せない、話もしない、といった具合に緊張関係を作った。そのせいで、その後心理カウンセラーを必要としたほどだった(笑)。
――― フレッド・カヴァイエ監督がジル・ルルーシュの印象について、「愛する妻のために東京の街を駆け巡るようだ」と言っていたが、東京の印象について?
ジル:小さい頃から東京に憧れていた。私にとって東京は『ブレーランナー』の世界のようだった。とてもユーフォニックで快楽的でワクワクするような、違うコードの街。フランスが中世に見えるくらい日本は近未来的。興味を掻き立てられる街なので、多くの監督が東京で撮りたいと思う気持ちがよくわかる。
ジルもジャンも体格が似ていて濃い無精ひげの印象が強かったが、本作ではスッキリ綺麗なお顔で、特にこんなハンサムなジル・ルルーシュを見るのは初めてではないかと思う。実在の人物がモデルなので、家族や関係者にリサーチして役作りをしたという。また、当時の男性は服や髪などスタイルにこだわり、いつもきちっとした格好をしていたので、ジャンとジルにもまめに髭剃りをするよう監督の指示があったようだ。「髭剃りが大変だったんだ!」とこぼすジル(笑)。
≪ジル・ルルーシュ≫
1972年、フランス生まれ。
演劇学校を卒業後、俳優業を開始し、『Ma vie en l'air』(未/05)でセザール賞の若手有望株賞にノミネートされる。その後、ジェロール・サム監督の『アントニー・ジマー』(未/05)、セドリック・クラピシュ監督『PARIS(パリ)』(08)、リュック・ベッソン監督の『アデル/ファラオと復活の秘薬』(10)等のヒット作に出演。また『ナルコ』(04)では出演と共に監督・脚本デビューを果たした。その他の主な出演作は、『世界で一番不幸せな私』(03)、『ジャック・メスリーヌ/フランスで社会の敵(パブリック・エネミー)No.1と呼ばれた男』(08)、『プレイヤー』(12)、フレッド・カヴァイエ監督の『この愛のために撃て』(10)と『友よ、さらばと言おう』(13)など。
≪セドリック・ジメネス監督≫
マルセイユ生まれ、監督兼脚本家。ニューヨークとロンドンで数年を過ごしたのち、独立系プロデューサーとしてパリで映画製作のキャリアをスタート。2011年にサスペンス『ハッキング・アイ』をプロデュース・監督し、批評家から高い評価を受け、ナポリ国際映画祭最優秀作品賞を受賞。ジャン・デュジャルダンとジル・ルルーシュが出演する本作は監督としての長編第2作である。
(河田 真喜子)
第1回“SAMURAI(サムライ)”賞受賞記念 北野武監督スペシャルトークイベント《東京国際映画祭2014》
第27回東京国際映画祭で新設された“SAMURAI(サムライ)”賞の初年度の受賞者である北野武監督を招き、「日本映画の未来と今」について語り合うトークイベントが開催されました。
◎ 日時・場所:10月25日(土)~@六本木ヒルズ49階アカデミーヒルズ内タワーホール
◎登壇者:北野武監督、トニー・レインズ(映画製作者/映画評論家/キュレーター)、クリスチャン・ジュンヌ(カンヌ映画祭代表補佐)、「PFF」各賞受賞監督、「日本学生映画祭」受賞監督
トークショーの前半では、若手の映画監督からの質問に対し、「自分が描きたいものを自分なりに描けばいい。でも、嫌いなものも認めるという余裕も必要で、自分の好きなことを他の意見もあると思いながらつくっていけばいいんじゃないか。みんなマジメすぎるよね。余裕をもって、常に自分を客観的に見た方が追い詰められなくていいと思う」と、独自の映画論について時に冗談を交えながら、北野監督はお話しくださいました。
トークショー後半では、日本映画に造詣が深いトニー・レインズ氏とクリスチャン・ジュンヌ氏も登壇し、北野監督の作品や日本映画について語っていただきました。日本映画に興味を持つきっかけとして、黒澤明や溝口健二、小津安二郎などの監督を挙げたレインズ氏とジュンヌ氏。最近の日本映画について、「映画の未来は今、この舞台の上にいる若い監督たちによってつくられます。かのオーソン・ウエルズ監督の有名な言葉で、“彼らは、未来を使い果たしてしまった”、というものがありますが、大会社による映画製作は終焉を迎えています。これからは若者が映画づくりの未来を担い、シネマというものをつくり上げていくと思います。映画づくりは学校でも学べますが、自分でつくることが最もよい学び方です」と、述べたレインズ氏にジュンヌ氏は同意し、「映画の未来は若手監督にあり、これは日本映画に限らず、全世界的な映画製作について言えることです。世の中の変化と共に監督も変わり、映画のメッセージもその伝え方も変わるでしょう。若手監督の皆さんが伝えたいメッセージを発信できることを願っています」と、語りました。北野監督は、「日本で作品の悪口ばかり言われていた時に初めて評価してくれたのがトニーさんで、いまだに恩義を感じている。だから若手監督のみなさんも、誰がどこで見ているか分からないので、好きな映画を撮った方がいい」と、述べました。
北野監督に興味を持つきっかけとなった作品についてジュンヌ氏は、「始めて北野監督の作品を見たのは、役者として出演した大島渚監督の1983年の作品、『戦場のメリークリスマス』でした。その後、監督作品を見たのは、『ソナチネ』でしたが、非常に印象的で、今でも北野監督の映画の中で一番好きな作品です。映画を見終わった後に残るノスタルジア、寂しさのような感情が、北野監督の作品に惹きつけられるところです」。レインズ氏は、「80年代の終わりに、『その男、凶暴につき』を見て素晴らしいと思い、バンクーバー国際映画祭で上映しました。その後の活躍は、皆さんご存知のとおりです」と、述べました。
日本の若い監督の作品が海外で評価されるために必要なものについて、レインズ氏が、「商業映画の未来は、ごく少数の大手企業が握っています。ほとんどの若い監督は、そこに入り込みブレイクのきっかけとすることはできないでしょう。少なくとも近い将来においては、メジャーな商業映画にかかわるチャンスはさらに限られたものになっていきます。ですが別の媒体、つまりインターネットにおける配信方法を開拓するという方法があります。大きな劇場で上映されていない作品を見つけるということが、今後多くなっていくと思うのです。若手監督の皆さんは、新しい発信方法を追求すべきです。そして何よりも、良い作品をつくること。良い映画をつくれば、世界は注目します。世の中には優れた映画はそれほど多くありません。意外に思われるかもしれませんが、競争相手はそれほど多くないですよ」と、述べると、北野監督は、「何が必要かなんて、どうすれば宝くじが当たるかというような話だから、それは自分で探すしかない。参考意見としては受け止めていいけども、つくるのは自分だから。自分の世界を構築することがベストであって、自分で新しいものを見つけるかもしれない。私はがんばれとは言いません。若い芽は早く摘んでおいた方がいいですから」と、北野監督らしいコメントで、舞台上の若手監督にエールを送りました。
『サンバ』オリヴィエ・ナカシュ監督、オマール・シー舞台挨拶《東京国際映画祭2014》
フランス/オープニング興収No.1
3年前の東京国際映画祭グランプリ&男優賞受賞コンビ凱旋!!
第27回東京国際映画祭 特別招待作品
『最強のふたり』タッグ凱旋来日!
まさかの無茶ぶりに「ダメよ~、ダメ、ダメ」
2014年10月26日(日)、第27回東京国際映画祭 特別招待作品『サンバ』の舞台挨拶が行われました。
今回初来日になるオマール・シーと3年前に来日したオリヴィエ・ナカシュ監督が登壇し、お二人ならではの、ここでしか聞けないマル秘エピソードや最強のスマイル溢れるトークショーになりました!
【日時】10月26日(日)10:45~
【登壇者】オリヴィエ・ナカシュ(41)/オマール・シー(36)
オマール・シーは初来日。
監督と主演のオマール・シーが再タッグし、フランスで大ヒットしている『サンバ』は、ビザのうっかり失効でフランスから退去命令を受けたサンバ(オマール・シー)。ピンチの最中、移民協会で出会った、燃え尽き症候群の元キャリアウーマンのアリス(シャルロット・ゲンズブール)と、陽気な移民仲間。どん底でも失われないサンバの笑顔は、仲間たちを助け、やがてその出会いは奇跡を起こしていく、という物語。
上映前の舞台に登場した監督は「またこの場所に来れて大変光栄です」、オマールは「この場所に来れて嬉しいです。3年前に東京国際映画祭で頂いた最優秀男優賞は私にとって俳優として初めて受賞した作品でした。感謝しております。」と挨拶をした。
世界中で大ヒットした『最強のふたり』の後はどうだった?と司会者の質問にオマールは「激変した。世界中を飛び回り、こうやって日本に来れた。なによりも以前と変わったのは英語を話している自分です。勉強して話せるようになりました」と語った。
『最強のふたり』でリズミカルなダンスを踊っていたオマールだが、今回の役は踊りが得意ではない役。
「サンバという名前なのに踊れない」と監督。踊りが得意なオマール・シーに司会者からせっかくだからサンバを踊って欲しいとのリクエストに、オマールは「ダメよ~、ダメダメ」と答え、監督は「いいじゃないの~」と言い、会場のお客さんからは歓声と笑いが起こった。サンバの曲が流れ、軽快なステップで踊るオマールに会場中は笑顔に包まれた。
最後に「フランスで先日公開され、日本が2番目で本作を上映します。皆さん楽しんでください」と監督。
「また日本に帰ってきます。今日は本当にありがとう!」と最強の笑顔でオマール・シーは会場を後にした。
『サンバ』
(2014年 フランス 1時間59分)
【監督・脚本】エリック・トレダノ、オリヴィエ・ナカシュ 『最強のふたり』
【撮影監督】ステファーヌ・フォンテーヌ
【原作者】デルフィーヌ・クーラン
【出演】オマール・シー『最強のふたり』、シャルロット・ゲンズブール『メランコリア』、タハール・ラヒム『ある過去の行方』、イジア・イジュラン
【配給】ギャガ
★公式サイト⇒ http://samba.gaga.ne.jp/
(c) Quad - Ten Films - Gaumont - TF1 Films Productions - Korokoro
2014年12月26日(金)~TOHOシネマズシャンテ、新宿武蔵野館ほか全国順次公開
<あらすじ>
アフリカからフランスに来て10年、料理人を目指して真面目に働く青年サンバに、ある日突然、国外退去命令が出される。ビザ更新通知にうっかり気付かず、拘束されるはめに。そんな絶体絶命の彼の前に現れたのは、移民協力ボランティアの女性、アリス。大企業のキャリアウーマンだったが、‘燃え尽き症候群’となりドロップアウトした過去を持つアリスは、窮地の中でも屈託ない笑顔を向けてくるサンバに興味を持ち、彼を救おうと尽力することに。
さらに、陽気なブラジル移民ウィルソンや、破天荒な法学生マニュなど、サンバの周りには彼の不思議な魅力にひかれた人たちが集まってくる。皆、心に傷を抱えているが、笑顔を忘れないサンバといると、楽しい気持ちになっていく。生まれも境遇も全く違う人たちのおかしくも風変わりな関係はいつまでも続くかに思えたが、ある日、サンバの身に思いもよらぬことが起こり―。
舞台挨拶後のフォトセッションでは、満面の笑みで会場の観客の声援に応えた3人。31日に発表されるコンペティション部門の受賞に期待が高まる。第27回東京国際映画祭は10月31日(金)までTOHOシネマズ六本木ヒルズ、TOHOシネマズ日本橋他で開催中。(江口由美)
《第27回東京国際映画祭》開幕!オープニングセレモニー
今年いちばんの冷え込みとなった昨日10 月23 日、第27 回東京国際映画祭が開幕しました。
六本木ヒルズに敷かれたレッドカーペットには、フェスティバル・ミューズを務める中谷美紀さん、スペシャルアンバサダーの嵐のみなさんやフェス
ティバル・ナビゲーターのハリー杉山さんと岡本あずささんの他、国内外から多くの映画人が登場し、沿道のファンの握手やサインに応じました。
オープニング作品であり、東京国際映画祭での上映がワールド・プレミアとなる『ベイマックス』の製作総指揮のジョン・ラセターさんは、「コンバンワ!東京は『ベイマックス』に非常に大きな影響を与えており、私たちがもっとも愛するふたつの都市、サンフランシスコと東京を融合させた街を舞台としています。ワールド・プレミアを東京で開催することを嬉しく思います」と、コメントしました。
また会場をTOHO シネマズ 六本木ヒルズ スクリーン7 に移し、笠井信輔さんが司会を務めるオープニングセレモニーが開催されました。会場には高円宮妃久子殿下にご臨席を賜り、また、知的財産戦略、クール・ジャパン戦略担当の平将明副大臣、知的財産戦略、クール・ジャパン戦略担当の松本洋平大臣政務官、そして伊藤達也衆議院議員をご来賓としてお迎えいたしました。
まずはTIFF スペシャルアンバサダーの嵐が登壇し、「クール・ジャパンの一環と言えるこの東京国際映画祭にかかわることができて、メンバー一同大変嬉しく思っています。また、僕たちは4年前から観光立国ナビゲーターとして、日本を海外のみなさんにアピールするお手伝いをさせていただいております。海外の方へ日本の良さを伝えるためにどうすればよいのか、それはまず僕らがこの日本という国と向き合ってみようという結論にいきつきました。改まって向き合ってみると、自分たちも知らなかった日本の魅力というのが本当にたくさんあって、自分たちが暮らすこの国をもっともっと好きになりました。映画祭の期間中は、海外からもたくさんのゲストの方にお越しいただくので、これを機会に日本の良いところをたくさん知っていただき、ここ東京そして日本のことを好きになっていただき、そしてまた日本に来たいと思っていただければ、僕たちとしては嬉しく思っています」と、メンバー全員より、代わる代わるコメントをいただきました。
安倍晋三総理大臣からは、「今年も東京国際映画祭がスタートしました。27 回目を迎えたこの映画祭は毎年新しいチャレンジをしています。今年は秋元康さんのプロデュースのもとに新たなチャレンジをし、北野武さんにもいろいろなことをお願いして、まさにオールスターで日本の素晴らしさを、クール・ジャパンを世界に発信をしていただいていると思います。嵐のみなさんにも協力をいただいて、今日もお越しいただいたおかげで外は雨模様になっていますが、まさに嵐を呼んでもらいたい、嵐を引き起こしてもらいたいと思います。まさにこの東京、日本はアジアのゲートウェイであり、東京から日本から世界へ、東京へ行こう、それをまさにこの東京国際映画祭の合言葉にしたいと思います。また、2020 年には、この東京でオリンピック、パラリンピックが開催されます。スポーツだけではなく、文化や芸術や経済、そして技術で日本が世界の真ん中で2020 年までに輝く国にしたいと思います。この映画祭が大成功に終わり、そしてさらに日本の映画界が発展し、そして私たちや世界にもっともっと夢や希望、勇気を与えてくれることを祈っています」と、力強いエールをいただきました。
さらに、今年の東京国際映画祭の各部門の審査委員、そしてコンペティション部門の国際審査委員が紹介されました。これからのアジア映画界をリードしていく若い監督の作品を集めた「アジアの未来」の審査委員にはキャメロン・ベイリーさん、ジェイコブ・ウォンさん、ヤン・イクチュンさん。今年より「アジアの未来」部門に新設された、「国際交流基金アジアセンター特別賞」の審査員の安藤裕康さん、そして佐藤忠男さん。日本から世界へ、強い個性のある作品を紹介する「日本映画スプラッシュ」の審査員のトニー・レインズさん、クリスチャン・ジュンヌさん、熊切和嘉さん。また、「コンペティション」のイ・ジェハンさん、ロバート・ルケティックさん、エリック・クーさん、デビー・マクウィリアムズさん、品川ヒロシさん、そして審査委員長のジェームズ・ガンさん。審査委員を代表してジェームズ・ガンさんは、「私には3 人のヒーローがおり、それはウルトラマン、仮面ライダー、そして黒澤明監督です。ですので、東京国際映画祭に来ることができて非常に嬉しく、光栄に思っています。真実を描いた映画、重要なメッセージ性がある映画を見るのを楽しみにしています」と、コメントしてくださいました。
東京国際映画祭のフェスティバル・ミューズを務める中谷美紀さんは、「東京国際映画祭は文字通り、さまざまな映画を見ることができるお祭りです。映画という共通言語をもとに、さまざまな国の文化に触れることのできるまたとないチャンスです。どうぞみなさまお気軽に足をお運びいただいて、劇場で映画を味わう楽しさをぜひ感じてください」と、ご挨拶されました。
最後に、オープニング作品である『ベイマックス』のドン・ホール監督、クリス・ウィリアムズ監督、プロデューサーのロイ・コンリさん、ディズニー・アニメーション・スタジオのエグゼクティブ・ヴァイス・プレジデントのアンドリュー・ウィルシュタインさん、製作総指揮のジョン・ラセターさん、そして日本語版の声優を務めた小泉孝太郎さんと菅野美穂さんが登壇。東京国際映画祭でのオープニングにあわせて本作を完成させたというドン・ホール監督は、「『ベイマックス』は日本、そして日本文化に非常に多くのインスピレーションを受けており、いわば日本へのラブレターだと考えています。東京国際映画祭のオープニング作品として上映されることを非常に嬉しく思っています」と、語りました。クリス・ウィリアムズ監督は、「私たちは今まで、日本の美意識や感性に非常に影響を受けてきました。今回の上映をとても光栄だと思いますし、誇りに思っています」と、語りました。オープニングセレモニーが閉会となった会場では、オープニング作品である『ベイマックス』が上映されました。