イタリア文化会館-大阪(大阪市北区中之島、代表:ジョヴァンニ A. A. デサンティス/在大阪イタリア総領事館文化担当アタシェ)は、来年 1 月に開催される「第 13 回 京都ヒストリカ国際映画祭」において、1911 年製作の無声映画『インフェルノ』(ミラノ・フィルムズ/68 分/モノクロ)と 2021 年製作の最新のイタリア映画『小さな聖女』(レイン・ドッグス/97 分/カラー)を上映いたします。
今年はイタリア文学最大の古典と呼ばれる『神曲』の著者 ダンテ・アリギエーリの没後 700 年にあたります。『インフェルノ』は、イタリア映画の草創期に『神曲』の地獄篇をもとに当時の技術の粋を集めて製作された特撮映画で、2007 年にイタリアのボローニャにあるシネテーク「チネテカ・ディ・ボローニャ」が映画修復ラボラトリーの「リマジネ・リトロヴァータ」で修復し、2021 年のボローニャ復元映画祭で上映しました。その作品を、今回は鳥飼りょう氏のピアノの生伴奏とともにご紹介します。また、上映後のビデオアフタートークでは、チネテカ・ディ・ボローニャのカルメン・アッカプート女史がインフェルノおよび映画修復の仕事などについて語る予定です。
一方、『小さな聖女』はヴェネツィア国際映画祭を主催するヴェネツィア・ビエンナーレの映画部門の若手育成プロジェクト「ビエンナーレ・カレッジ・シネマ」の作品で、2021 年のヴェネツィア国際映画祭で上映されました。なお、監督のシルヴィア・ブルネッリ(1988 年生まれ)は、2020 年、ヨーロピアン・カウンシル主催 Euroimages の新人監督賞に選ばれ、今後の活躍が期待されています。映画上映に際してブルネッリ監督から日本の皆さまへ宛てたビデオメッセージを上映する予定です。
このプログラムは、イタリア映画の草創期と最新の長編映画を上映することで、イタリア映画の 1 世紀、ひいては映画の歴史に想いを馳せるとともに、ボローニャ復元映画祭と京都ヒストリカ国際映画祭、そして「ビエンナーレ・カレッジ・シネマ」とヒストリカの人材育成部門「京都フィルムメーカーズラボ」とを繋ぎ、映画分野においても日本とイタリアの交流を促進することを目的に企画されました。
『インフェルノ』L’Inferno
日時:1 月 23 日 (日)16 時 10 分~
会場:京都文化博物館フィルムシアター
この映画は 2007 年にチネテカ・ディ・ボローニャ財団のラボラトリーであるリンマジーネ・リトロヴァータで修復されました。
ダンテ・アリギエーリの「神曲」第 1 篇地獄篇が原作。薄暗い森で迷子になった詩人ダンテ、煉獄山の頂の救いの光に向かう彼に貪欲、傲慢、色欲の獣が立ちはだかる・・・。地獄のイメージ、恐怖とバイオレンスを当時最先端の特撮技術と幻想的なモンタージュを駆使して表現した記念碑的作品。本作は 2007 年にチネテカ・ディ・ボローニャがデジタル復元し、ダンテ没後 700 年にあたる 2021 年にボローニャ復元映画祭で上映された。
●ピアノ伴奏:鳥飼りょう
●ビデオアフタートーク:カルメン・アッカプート(チネテカ・ディ・ボローニャ)
●日本語字幕付き
監 督:フランチェスコ・ベルトリーニ、ジュゼッペ・デ・リグォーロ、アドルフォ・パドヴァン
出 演:サルヴァトーレ・パパ、アルトゥーロ・ピロヴァーノ、ジュゼッペ・デ・リグォーロ
(1911 年 ミラノ・フィルムズ製作/2007 年 チネテカ・ディ・ボローニャ修復/68 分)
© Cineteca di Bologna
『小さな聖女』La Santa Piccola
日時:1 月 26日 (水)18 時 30 分~
会場:京都文化博物館フィルムシアター
住民皆が互いを知っている、ナポリの日当たりの良い地区。マリオとリーノは離れがたい友人同士。彼らは変わらぬ日々を過ごしていたが、リーノの妹が奇跡を起こし地区の守護聖女となってから、二人に新しい世界への扉が開き・・・。ナポリの貧しい若者たちの、永遠に変わらないと思われた日常と友情にひずみが生じていく過程を、エロティシズムと神聖さを混濁させつつ、瑞々しく描いた LGBTQ 作品。
●シルヴィア・ブルネッリ監督ビデオメッセージあり
●日本語字幕付き
監 督:シルヴィア・ブルネッリ
出 演:フランチェスコ・ペッレグリーノ、ヴィンチェンツォ・アントヌッチ、ソフィア・ グアスタフェッロ
(2021 年 レイン・ドッグズ/97 分)
※ 詳細は添付の京都ヒストリカ国際映画祭公式リーフレットをご覧ください。
※ 本状に記載されている内容は発表時点の情報です。予告なしに内容が変更となる場合もあります。あらかじめご了承ください。
© Rain Dogs
【イタリア文化会館 – 大阪 とは】
イタリア外務・国際協力省の海外出先機関である当館は、世界に約 90 あるイタリア文化会館のひとつとして、日本におけるイタリア文化の普及と日伊文化交流の振興を目的として活動しています。
日本におけるイタリア文化会館は 1941 年に東京に、1978 年に京都に開館しました。イタリア文化会館-京都は 2010 年に大阪・中之島に移転、イタリア文化会館-大阪となりました。当館は音楽、美術、映画、演劇、ダンス、ファッション、デザイン、写真等の多様な分野で文化催事を多数企画・開催するほか、日本の諸機関や企業などが主催するイタリア関連イベントの積極的な後援も行っています。また、ネイティブ教授陣によるイタリア語コース やイタリア文化コースを開講し、図書コーナーでイタリア語・イタリア文化についての図書や映像(書籍約 4500 冊、DVD等)、イタリア語教授法の資料を提供しています。
※ 現在は、新型コロナウィルス感染症対策のため、イタリア語・イタリア文化コースの開催(オンラインレッスンを除く)および図書コーナーの運営・一般来館の受付を休止しております。
〒530-0005
大阪市北区中之島 2-3-18 中之島フェスティバルタワー17 階
Tel: 06-6227-8556
Fax: 06-6229-0067
公式サイト:https://iicosaka.esteri.it
代 表 者:在大阪イタリア総領事館アタシェ(文化担当)
ジョヴァンニ A. A. デサンティス(Giovanni A. A. Desantis)
開館時間:月曜日・水曜日 10:00-13:00 / 14:00-18:30
火曜日・木曜日・金曜日 10:00-13:00 / 14:00-18:00
休 館 日:土・日および規定の祝祭日
(オフィシャル・リリースより)
©北白川派
10月8日、京都文化博物館にて開催された記者会見では同作の福岡芳穂監督が登壇し、学生たちと作った本作について「時代劇はつい他人事として見てしまいがちだが、歴史は他人事ではない。100年以上経った今、我々にも引き継がれその時間の上にいる。まして京都はそういう場所ではないかと考えながら、映画では冒険的な手法を用いています。観客のみなさんにそれをどう見ていただけるか、これから我々がみつめていきたい」と挨拶。フラメンコギターが鳴り響く予告編も披露された。8日の上映後には、福岡芳穂監督、脚本の港岳彦さんに加え、霊山歴史館の木村武仁さん、映画評論家の山根貞男さんらを招いてのシンポジウムも開催予定だ。(いずれもシアター上映のみ)