映画ニュース特別上映情報や映画関連イベント情報、レポートをお届けします。

2012年8月アーカイブ

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孤高の作家と呼ばれるフランスのフィリップ・ガレル。その監督としてのキャリアは16歳から始まり、70年代にはヴェルヴェット・アンダーグラウンドの歌姫だったニコと運命的な結婚を経て前衛的な作品を次々に送り出し、ニコとの別離と彼女の突然の死を描いた『ギターはもう聞こえない』(90)でベネチア国際映画祭銀獅子賞を受賞している。以降も『白と黒の恋人たち』(01)で国際批評家連盟賞、息子ルイ・ガレルを主演に68年の5月革命を描いた『恋人たちの失われた革命』(05)では銀獅子賞とオゼッラ賞を受賞するなど国際的な評価を不動のものにしている。

ainozanzo.jpgフィリップ・ガレルの根底に常に流れているテーマ「愛の誕生と喪失」を、濃厚な大人の愛の物語として紡いだ『愛の残像』(08)、『灼熱の肌』(11)の2作を一挙に堪能できる『フィリップ・ガレル 愛の名作集』が8月18日(土)より第七藝術劇場で上映されている。2作品とも主演にフィリップ・ガレルのまさに分身とも言える息子のルイ・ガレルを起用し、どこか儚さを感じる美青年が運命の女性によって翻弄され、愛や生死と向かい合う様を美しい映像と詩的なセリフで綴る、まさしく”愛の映画”だ。モノクロの映像で「愛」について思い巡らされるシンプルで濃厚な時間に身をゆだねる感覚を味わえる。

名キャメラマン、ウィリアム・ルプシャンスキーがモノクロームの映像で綴る”生と死”、”夢と現実”をも超越する幻想的な愛の物語『愛の残像』(第61回カンヌ国際映画祭コンペティション部門正式出品)

ヒロインに『マレーナ』のモニカ・ベルッチを起用、その美熟女的な裸体がスクリーンに鮮烈に映し出しながら、ルイ・ガレル演じる主人公フレデリックと友人カップルとの夏の日と愛の喪失を、劇中劇を交えながら描く『灼熱の肌』(第68回ベネチア国際映画祭コンペティション部門 正式出品)

夏の終わりに、ガレル作品の芸術的な美しさと耽美な愛の世界をじっくり味わってほしい。


『愛の残像』”La frontiere de l'aube”
(2008年 フランス 1時間48分)

(C) 2008 - Rectangle Productions / StudioUrania
監督:フィリップ・ガレル
出演:ルイ・ガレル、ローラ・スメット、クレマンティーヌ・ポワダツ

パリ。若い写真家フランソワと人妻で女優のキャロルは激しい恋に落ちるが、すぐに関係は終わりを迎える。その後、キャロルは狂気にとらわれ、自ら命を絶ってしまう。1年後、フランソワは新しい恋人と幸せな日々を過ごしていたが、突然キャロルの姿が見えるようになり……。生と死、夢と現実を超越する激しい愛を、名キャメラマン ウィリアム・ルプシャンスキーがモノクロームで綴る悲恋の物語。

 
『灼熱の肌』”Un ete brulant”
(2011年 フランス=イタリア=スイス 1時間35分)

(C) 2011 - Rectangle Productions / Wild Bunch / Faro Film / Prince Film
監督:フィリップ・ガレル
出演:モニカ・ベルッチ、ルイ・ガレル、セリーヌ・サレット、ジェローム・ロバール、モーリス・ガレル

ローマ。ある日、売れない俳優のポールと恋人エリザベートは画家のフレデリックを訪ねる。そこにはフレデリックの妻アンジェラがいた。罪深いほどに美しい映画女優アンジェラと若く奔放なフレデリックとの夏の日々がはじまる……。照りつける太陽の日差しと鮮やかな色彩で魅せる欲望と官能。ゴダールの『軽蔑』への返歌と言える愛の物語。


『フィリップ・ガレル 愛の名作集』上映スケジュール、詳細はコチラ

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小津安二郎、黒沢明、溝口健二と並び称せられる日本映画の巨匠・木下恵介監督の生誕百年記念として、大阪・九条のシネ・ヌーヴォで「全作品上映」(7月21日~9月7日まで)が絶賛開催中だ。また、松竹からテレビの代表作「木下恵介アワー」より、名作と言われる「二人の世界」(7月25日)、「おやじ太鼓」(8月29日)、「記念樹」(9月26日)、「3人家族」(10月26日)が初DVD化される。

これに先立ち7月14日、大阪歴史博物館で開催された「木下恵介アワー」の「3人家族」1、2話特別上映会では、主演の栗原小巻が来場し、トークショーを行った。男ばかり3人家族と女ばかり3人家族の心温まる交流を描いたドラマ。視聴率30%を超える大ヒットを記録した本作ではじめて木下監督と一緒に仕事をしたという栗原さんは、テレビドラマにもかかわらず映画のように贅沢な撮影だった当時を懐かしそうに振り返りながら、「木下監督は、最初は緊張しましたが、始まるとすぐ家族みたいな感じになって、とっても楽しい現場だったのを覚えてます。フィルムだったし、映画のように細部に気を遣って撮られていたのが忘れられられません。日本映画界をリードしてきた日本の良心、映画もテレビも不変不動の力があると思います」と語り、満席の観客を魅了した。脚本の山田太一が全26本のシナリオを担当、「それぞれの3人家族の会話や家族のエピソードも楽しく、次の脚本が楽しみで仕方なかった」と栗原さんが語るとおり、2話見ただけでも次が気になって仕方がない、家族と青春と愛という普遍的な要素がつまったドラマだ。


橋口亮輔監督共同インタビュー@生誕百年 木下惠介全作品上映はコチラ

生誕百年木下惠介監督全作品上映@シネ・ヌーヴォ【7/21~】はコチラ

木下恵介アワー「3人家族」DVD詳細はコチラ

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8月21日で2周年を迎える元町映画館。独自の視点で随時開催されているモトマチセレクションvol.13は2周年記念としてチェコアニメの先駆的存在、カレル・ゼマンの作品を特集上映する。チェコアニメならではのレトロ感のある幻想的なアニメーションの数々を夏の終わりにたっぷり楽しんでほしい。


モトマチセレクションvol.13幻想の魔術師カレル・ゼマン 詳細はコチラ

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(C) 2011 Nikolaus Geyrhalter Filmproduktion GmbH

ロングランヒットを記録したドキュメンタリー映画『いのちの食べかた』のニコラウス・ゲイハルター監督最新作『眠れぬ夜の仕事図鑑』が8月25日よりシネ・リーブル梅田、9月8日より神戸・本町映画館で公開される。

そこで大阪・堂島にあるジュンク堂書店大阪本店では、<映画『眠れぬ夜の仕事図鑑』公開記念「真夜中のブックフェア」>を開催中。村上春樹『アフターダーク』、恩田陸『真夜中のピクニック』など“夜”にちなんだ本が特集されている。

<映画『眠れぬ夜の仕事図鑑』公開記念「真夜中のブックフェア」>

◆開催時期:現在開催中 ※本作上映終了までの予定
◆会場:ジュンク堂書店大阪本店
◆特典:フェア商品を購入された方に先着で本作の劇場鑑賞券(シネ・リーブル梅田のみ有効)、本作特製アイマスクを先着でプレゼント
◆そのほか:上映劇場にてタイトルに「夜」がつく本を提示された方は一般料金200円引き

book.jpg◆フェア書籍一覧
●不眠症 上 文庫 S.KING
●不眠症 下 文庫 S.KING
●TVピープル 文庫 村上春樹
●ねむり 文芸 村上春樹
●アフターダーク 文芸 村上春樹
●白河夜船 文庫 よしもとばなな
●夜のピクニック 文庫 恩田陸
●新宿鮫 文庫 大沢在昌
●真夜中のパン屋さん午前1時の恋泥棒 文庫 大沼紀子
●真夜中のパン屋さん午前0時のレシピ 文庫 大沼紀子
●深夜食堂 コミック 安倍夜郎
●永い夜 児童書 レミュー
●東京路地裏暮景色 文庫 なぎら健壱
●セブ島&マニラ別冊夜の歩き方 文芸 WEP


『眠れぬ夜の仕事図鑑』

警備員、営みをする男女、自殺を思いとどませるホットラインスタッフなど、夜に活動する人々にスポットをあてながら、現代社会の姿について考察していくドキュメンタリー。『いのちの食べ方』と同様、ナレーションや音楽を排して、人々を淡々と映し出していき、その描写が想像をかきたてていく。知的好奇心をあおる作品だ。

公式HP:http://nemurenuyoru.com/

配給:エスパース・サロウ

監督:ニコラウス・ゲイハルター 出演:調理師、監視員、エンジニア、相談員、火葬場職員、ほか
オーストラリア/1時間34分

8月25日よりシネ・リーブル梅田、9月8日より神戸・元町映画館にてロードショー

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アキ・カウリマスキ監督最新作『ル・アーブルの靴みがき』が8月18日(土)から公開されることを記念して、東京に引き続き、京都みなみ会館で全20作を一挙上映する特別上映『おかえり!カウリマスキ』が開催される。

長篇デビュー作の『罪と罰』や、敗者三部作『浮き雲』、『過去のない男』、『街のあかり』をはじめ、貴重な短篇にいたるまで、アキ・カウリマスキ監督の軌跡をじっくりと堪能したいスペシャル企画だ。


『ル・アーヴルの靴みがき』8/18(土)~公開記念!【特集上映:おかえり!カウリスマキ】詳細はコチラ 

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今年も日本未公開の韓国映画を一挙紹介する『真!韓国映画祭 2012』が8月4日(土)より第七藝術劇場で、秋以降元町映画館で開催される。

イ・チャンドン監督がプロデューサーを務めた衝撃のラブストーリー『二番目の愛』、昨年紹介された『ソウルのバングラデシュ人』の主人公役で鮮烈な印象を残したペク・ジニ主演の『18歳、19歳』、11年間の手作業で作られた珠玉のアニメーション『Green Days ~大切な日の夢~』など、愛と絆を正面からみつめた最新韓国映画をぜひ堪能してほしい。


第七藝術劇場 上映スケジュールはコチラ

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hongkong2012.jpg暑い夏を吹っ飛ばす、エンターテイメント要素満載の最新香港傑作映画を特集した『2012夏の香港傑作映画まつり』が、8月4日(土)よりシネマート心斎橋で開催される。

注目のラインナップは、

ジェット・リー、ビビアン・スー主演の注目作 『白蛇伝説 ~ホワイト・スネーク~』

 第68回ヴェネチア国際映画祭 特別招待作品
 第31回香港電影金像奨 アクション賞/視覚効果賞ノミネート

 監督・アクション指導:チン・シウトン
 出演:ジェット・リー/ビビアン・スー 他  


 ジョニー・トー監督作品でもおなじみのラウ・チンワン、ルイス・クー、ダニエル・ウー競演! 『盗聴犯 ~死のインサイダー取引~』

 第29回香港電影金像奨 編集賞 受賞
 作品賞/監督賞/脚本賞/主演男優賞/助演男優賞 ノミネート

 監督・脚本:アラン・マック/フェリックス・チョン
 出演:ラウ・チンワン/ルイス・クー/ダニエル・ウー 他

 

 『盗聴犯 ~死のインサイダー取引~』の続編、アラン・マックワールドを堪能して 『盗聴犯 ~狙われたブローカー~』

 第31回香港電影金像奨 9部門ノミネート
 作品賞/監督賞/脚本賞/主演男優賞/助演男優賞/音楽賞/撮影賞/編集賞/音響効果賞

 監督・脚本:アラン・マック/フェリックス・チョン
 出演:ラウ・チンワン/ルイス・クー/ダニエル・ウー 他


2012夏の香港傑作映画まつり特設サイトはコチラ

上映スケジュールはコチラ

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