映画ニュース特別上映情報や映画関連イベント情報、レポートをお届けします。

2013年11月アーカイブ

morishige1.jpg

大阪出身の希代の名優、森繁久彌さんの生誕百年を記念し、シネ・ヌーヴォ(九条)で11月16日(土)〜12月13日(金)、1月2日(木)〜17日(金)の2期に渡って『生誕百年記念森繁久彌映画祭』が開催される。

1913年に大阪・枚方に生まれ、戦後の日本を笑いで鼓舞し庶民を勇気づけた森繁久彌さん主演・出演作35本を一挙上映。文芸、アクション、ミュージカル、時代劇、戦争など多彩なラインップで、森繁さんが誇る2大喜劇シリーズの「社長」「駅前」シリーズは計11本上映される。また、森繁久彌さんの生誕百年を祝して、11月23日にトークショーを開催。森繁さんが数多く出演した宝塚映画製作所で当時撮影助手を勤められた撮影監督の田辺皓一さんから、森繁さんを語る企画となっている。

また、森繁さんの故郷・枚方市では「枚方市名誉市民・森繁久彌生誕100年記念事業」を開催。上映会やトークショー、コンサートなど多彩な催しが開催される。(「枚方市名誉市民・森繁久彌生誕100年記念事業」の詳細は、電話050-7102-3203枚方市文化観光課まで)
名優と名監督たちが作り出した笑いと涙、感動の軌跡であるとともに、ひとりの俳優が体現した庶民による昭和史そのものの名作たちをぜひ堪能してほしい。


●上映作品
恋人(1951年/新東宝・昭映プロ)
有頂天時代(1951年/新東宝・綜芸プロ)
海賊船(1951年/東宝)
浮雲日記(1952年/東宝)
東京の恋人(1952年/東宝)
魔子恐るべし(1954年/東宝)
東京ロマンス 重盛君上京す(1954年/新東宝)
次郎長遊侠伝 秋葉の火祭り(1955年/日活)
わが名はペテン師(1955年/新東宝)
へそくり社長(1956年/東宝)
はりきり社長(1956年/東宝)
暖簾(1958年/宝塚映画)
駅前旅館(1958年/東京映画)
花のれん(1959年/宝塚映画)
男性飼育法(1959年/東京映画)
飛びっちょ勘太郎(1959年/宝塚映画)
珍品堂主人(1960年/東京映画)
ふんどし医者(1960年/東宝)
地の涯に生きるもの(1960年/東宝)
社長道中記(1961年/東宝)
喜劇 駅前団地(1961年/東京映画)
社長洋行記(1962年/東宝)
青べか物語(1962年/東京映画)
台所太平記(1963年/東京映画)
喜劇 駅前茶釜(1963年/東京映画)
喜劇 駅前音頭(1964年/東京映画)
沙羅の門(1964年/宝塚映画)
喜劇 各駅停車(1965年/東京映画)
大工太平記(1965年/東京映画)
喜劇 駅前大学(1965年/東京映画)
喜劇 駅前百年(1967年/東京映画)
喜劇 駅前桟橋(1969年/東京映画)
喜劇 女は男のふるさとヨ(1971年/松竹大船)
事件(1978年/松竹)
連合艦隊(1981年/東宝)


『生誕百年記念森繁久彌映画祭』@シネ・ヌーヴォ 詳細はコチラ

 

mizoguchi.jpg

田中絹代、京マチ子、山田五十鈴、香川京子、若尾文子、久我美子と溝口健二が愛した女優たちがスクリーンで輝きを放つ!「『雨月物語』から60年 溝口健二と女たち」と題して11月2日(土)よりシネ・ヌーヴォで溝口健二監督作品の特集上映が行われる。溝口作品の中でもユーモアセンスが光る傑作『祇園の姉妹』(36)、トルストイの小説『復活』を下敷きにした山路ふみ子主演の名作『愛怨峡』、ヴェネチア国際映画祭で監督賞を受賞した田中絹代主演の傑作『西鶴一代女』(52)、ヴェネチア国際映画祭銀獅子賞受賞の京マチ子主演『雨月物語』(53)他、溝口監督作品の中でも女優たちの名演が光る選りすぐりのラインナップだ。

『雨月物語』から60年 溝口健二と女たち@シネ・ヌーヴォ 詳細はコチラ

 

sohakusha-main.jpg

『息もできない』で一躍脚光を浴び、日本でも大人気となった韓国の女優キム・コッピ。彼女が出演した、日本人監督2作品『蒼白者 A Pale Woman』、『クソすばらしいこの世界』が大阪、京都、神戸で11月2日(土)から8日(金)まで同時多発1週限定公開される。CO2助成作品に選ばれ、大阪アジアン映画祭でジャパンプレミア上映された常本琢招監督のクラッシックな香り漂うロワール・ロマンス『蒼白者 A Pale Woman』。ゆうばり国際ファンタスティック映画祭に正式出品された朝倉加葉子監督デビュー作のスラッシャー・ホラー『クソすばらしいこの世界』。作品のテイストは真逆だが、犯罪の陰に漂うテーマや人種間のあつれきを時には激しく、時にはナチュラルに作品に盛り込んだ稀有な二本立てだ。いずれの作品もキム・コッピの可憐さから妖艶さまで、その魅力を存分に堪能でき、『蒼白者 A Pale Woman』では日本語、『クソすばらしいこの世界』は英語とキム・コッピが第二外国語をしゃべるところも、映画のカギとなっている。

両作品当日連続鑑賞で3000円となるお得な「キム・コッピ割」も実施。
さらに『クソすばらしいこの世界』朝倉加葉子監督、大畠奈菜子、『蒼白者 A Pale Woman』常本琢招監督、宮田亜紀さんの舞台あいさつも各劇場で開催予定だ。(京都みなみ会館は『クソすばらしいこの世界』朝倉加葉子監督のみ)。

 


『蒼白者 A Pale Woman』
(2012年 日本 1時間30分)
監督・原案:常本琢招
出演:キム・コッピ、忍成修吾、中川安奈、宮田亜紀、長宗我部陽子、木村啓介、渡辺譲
舞台挨拶:元町映画館:11月2日(土)18:00の回、第七藝術劇場:11月2日(土)20:40の回、京都みなみ会館:11月3日(日)18:45の回
登壇者:常本琢招監督、宮田亜紀

(C)ZEBKEN TSUNEMOTO-KE

韓国で暮らしていたキム(キム・コッビ)は、祖母亡き後、闇社会のフィクサー平山の後妻となった母フミ(中川安奈)の家に戻ってきた。キムの目的はただ一つ、かつて一緒に住み、ピアニストとしての才能に恵まれた少年シュウ(忍成修吾)が、今や母の愛人となり闇社会の住人となっているところから救い出すことだった。ある事故がきっかけで片耳が聞こえなくなったシュウは、ピアニストの夢を捨て、汚れた仕事に手を染めていたが、捨て身でシュウを救おうとするキムの姿を見て、少しずつ心境に変化が訪れるのだった。

20代で作った処女作がPFF入選、30代はオリジナルビデオの世界で注目を浴び、40代はテレビの世界で活躍してきた『蜘蛛の国の女王』『アナボウ』の常本琢招監督が、キム・コッピをはじめ、『ヘヴンズ ストーリー』の忍成修吾、『CURE キュア』の中川安奈、『先生を流産させる会』の宮田亜紀ら豪華キャストを集結させて撮りあげた、大阪舞台のロワール・ロマンス。愛する男を救うため、危険を顧みず突き進む女性像をキム・コッピが熱演。母親役のフミ演じる中川安奈は、久々の映画出演となったがその圧倒的な存在感で、作品を大いに盛り上げる。一方、夢挫折し、自分を見失い彷徨うような影をみせるシュウを演じる忍成修吾の苦悩に満ちた表情がなんとも色っぽく、魅力的だ。商店街の様々な表情や、海辺の朝など、観光地ではない大阪の何気ない風景が映り込み、独特の風情を感じる点も非常に新鮮。観終わったとき、「一途な愛」が心に残ることだろう。


kusosubarashii-main.jpg

『クソすばらしいこの世界』
(2013年 日本 1時間18分)
監督・脚本:朝倉加葉子
出演:キム・コッピ、北村昭博、大畠奈菜子、しじみ他
台挨拶:第七藝術劇場:11月2日(土)18:35の回/元町映画館:11月2日(土)19:50の回/京都みなみ会館:11月3日(日)20:35の回 
登壇者:朝
倉加葉子監督、大畠奈菜子(京都みなみ会館は朝倉加葉子監督のみ)

(C)2013 KING RECORDS

日本人留学生に誘われ、男女グループでロサンゼルス郊外の田舎町のコテージでキャンプすることになった韓国人留学生アジュン(キム・コッピ)。誘ってくれた友人以外は、英語を理解せず、日本語で話してばかりでアジェンは孤立してしまう。英語の勉強は建前で、酒やドラッグに興じてばか騒ぎをする日本人留学生たちに呆れ果て、一人で家に帰ろうと決意するが・・・。
山の中のコテージという孤立したシチュエーションで、斧で人間を切り刻む残虐な殺人鬼と死闘を繰り広げる中にも、一ひねりした展開があり、ただのホラーに収まらない奥行きを感じる。「黄人!」と罵声を連発する白人の犯人に訪れる思わぬ展開や、女性脚本家らしい反撃の決め台詞など、クスリと笑わせてくれる場面も。血まみれのキム・コッピが怖すぎる、日本語、英語、韓国語が入り混じった異色ボーダレスホラーだ。