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2014年1月アーカイブ

大森靖子映画祭in大阪.jpg

女優・橋本愛、『桐島、部活やめるってよ』の原作・朝井リョウ、プロインタビュアー・吉田豪らが熱く支持し、いま飛ぶ鳥を落とす勢いで活躍する若手ミュージシャン・大森靖子(おおもりせいこ)。事務所無所属でありながら、2013年5月に渋谷クアトロで行われたファーストアルバム発売のツアーファイナルを満席ソールドアウトさせるなど、さまざまな伝説を築いてきた今大注目のアーティストだ。

蜷川実花がジャケット写真を担当、カーネーションの直江政広がプロデュース、PVには橋本愛が主演したセカンドアルバム『絶対少女』が2013年12月に発売されたことを記念して、大阪で<『絶対少女』発売記念 大森靖子映画祭 in 大阪>が開催される、

2月毎週土曜日(2月1日、8日、15日、22日)、大森靖子が初監督した短編映画『非少女犯行声明』を毎回上映、さらに出演映画・関連映画4本を週替わりで併映する。各日限定の特別映像に加え、2月15日(土)の上映後には大森靖子のミニライブも行われるなど完売必至の注目映画祭だ。

【上映スケジュール】
2月 1 日(土)『非少女犯行声明』+『加地等がいた 僕の歌を聴いとくれ』
2月 8 日(土)『非少女犯行声明』+『トムソーヤーとハックルベリーフィンは死んだ』
2月15日(土)『非少女犯行声明』+『tarpaulin/ターポリン』+大森靖子ミニライブ
2月22日(土)『非少女犯行声明』+『サマーセール』
※各上映回に併映作について特別コメント映像付
※2月15日のみ、大森靖子ミニライブ予定

時間:各日18:30開場 / 19:00開演
料金:当日1500円(劇場の開館時間より整理番号付きチケット販売開始)
会場:シアターセブン(大阪市淀川区十三本町1-7-27サンポードシティ5階)
主催:田辺ユウキ
共催:MOOSIC LAB
問い合わせ先:シアターセブン(06-4862-7733)

メインプログラムの『非少女犯行声明』は、「普通」になれずにささくれてしまった女の子たち全員に贈る、「すべての女子を肯定する」という大森靖子の現在のメインテーマに沿った内容。併映作となるのは4本。2月1日上映『加地等がいた 僕の歌を聴いとくれ』(堀内博志監督)は、大森靖子が敬愛する大阪出身伝説のフォークシンガー・加地等の晩年を追ったドキュメンタリー。2月8日上映『トムソーヤーとハックルベリーフィンは死んだ』(平波渡監督)は、広島の街を舞台に、ギターを奏でる娼婦を大森靖子が艶やかに演じた青春エンタテインメント。2月15日上映『tarpaulin/ターポリン』(今泉力哉監督)は、「音楽フェスに行くか、行かないか」でモメた男女の気持ちを大森靖子が「歌」で再生する異色の恋愛映画。2月22日上映『サマーセール』(岩淵弘樹監督)は、映画監督・岩淵弘樹が大森靖子との歌舞伎町ラブホテルでの2泊3日を撮影するドキュメンタリー。


◆大森靖子プロフィール
1987年生まれのシンガーソングライター。弾き語りスタイルでの激情的な歌が耳の早い音楽ファンの間で話題を集め、2012年4月にミニアルバム「PINK」をリリース。2013年3月に1stフルアルバム「魔法が使えないなら死にたい」を発表し、5月に東京・渋谷CLUB QUATTROでワンマンライブを実施。レーベルや事務所に所属しないままチケットをソールドアウトさせ大成功に収める。この日のライブの模様はDVD「つまらん夜はもうやめた」に収録。さらに12月、2ndフルアルバム「絶対少女」をリリース。プロデューサーをカーネーションの直枝政広、ジャケット写真を蜷川実花が担当したことでも話題を集めた。

【大森靖子】http://oomoriseiko.info
【シアターセブン】http://www.theater-seven.com

スコモリフスキ4.JPG

ポーランド映画祭チラシ.jpg 2012年に開催され、大好評を博した『ポーランド映画祭2012』が、ポーランドの名匠イエジー・スコリモフスキ監督による監修で『ポーランド映画祭2014』として再び特集上映が行われる。シネ・ヌーヴォでは1月11日(土)より、京都みなみ会館では2月8日(土)より開催される同映画祭では、「アンジェイ・ワイダの軌跡」と題して、戦後ポーランド映画を牽引し、今春最新作『ワレサ』が劇場公開予定の巨匠アンジェイ・ワイダ監督の社会派作品群を網羅。『大理石の男』(ジャーナリスト今井一さんによるトークあり)、『鉄の男』を上映する他、傑作『地下水道』、『灰とダイヤモンド』をアンコール上映する。イエジー・スコリモフスキ監督作品も多数ラインナップ、アンジェイ・ムンク、タデウシュ・コンヴィッキら世界の映画人に影響を与えたポーランド映画を一挙に鑑賞できるまたとない機会だ。

『ポーランド映画祭2014』開催に先駆け、イエジー・スコリモフスキ監督、アグニシェスカ・オドロヴィッチ氏(ポーランド・フィルム・インスティテュート<ポーランド映画協会>)が来阪、記者会見ではポーランド映画祭や日本映画界との関係、ポーランドの映画制作支援の環境、そしてアンジェイ・ワイダ監督について語ってくれた。その模様をご紹介したい。


―――ポーランド映画祭が日本で開催されることについて
イエジー・スコリモフスキ監督(以下スコリモフスキ):ポーランド映画界と日本映画界の関係がどんどん密接になってきているように思います。実際に、ポーランド映画祭開催と並行して、ポーランドでも日本映画祭を開催しております。開催にあたっては、マーメイドフィルムの村田信男さんが協力してくださり、13年6月ワルシャワにて開催しました。

 

―――スコリモフスキ監督は、日本映画をどう捉えているか?
スコリモフスキ:ポーランドで日本映画は高い評価を得ています。特に映画ファンには人気があり、クロサワの名前を知らない人はいないでしょう。オオシマやもっと若い世代の監督も人気があります。

 

―――日本は特定秘密保護法案が成立したが、ポーランドのように言論の自由がない中で作品を作ってきたスコリモフスキ監督にとって、言論の自由をどう獲得しようと努めているのか?
スコリモフスキ:政府の管理に対する反抗は、政府の力が強くなればなるほど、創造的な反抗になるということです。

 

スコモリフスキ3.JPG―――ポーランド60年代の作品は、フランスのヌーヴェルヴァーグの状況と重なるが、スコリモフスキ監督はヌーヴェルヴァーグをどう感じていたのか?
スコリモフスキ:映画の作り方が大きく変わったと言えます。それまでは、お金、人員、機材が大規模でしたが、フランスのヌーヴェルヴァーグでは映画の作り方がそれまでのものから自由になり、手持ちカメラで外に出て行き、既にあるロケーションを活かしました。音声も完璧に収録するのではなく、台詞が聴きづらくてもいいといった感じでしたし、役者もアマチュアを採用する等、映画を作る上での民主主義になっていったのです。

 

―――次回作について
スコリモフスキ:2014年春、新しい作品を撮る準備をしています。脚本も自分で書きましたし、ロケ場所やキャストも大体決まっています。キャメラマンは今回初めて若い人を起用する予定です。
アグニシェスカ・オドロヴィッチ氏(以下オドロヴィッチ):11分の中で色々な人の人生の中での出来事が展開し、それらが絡み合う中で人生が変わっていくというストーリーです。スコリモフスキ監督の作品ですから単純なところは一切ありません。

 

スコモリフスキ2.JPG―――今のポーランドは映画を作りやすい状況になっているのか?
スコリモフスキ:ポーランド映画協会が設立されてから、映画が作りやすい環境になってきました。次回作も同協会から製作費の半分の支援を受けています。
オドロヴィッチ:共産主義から資本主義に転換する際、映画を含む文化支援は完全に無視されていました。その時期は教科書に出てくるような小説の映画化や、絶対に儲かる題材の映画化しかされていなかったのです。私が文部省副大臣をしていたときに映画を支援する法律整備に力を入れ、05年にポーランド映画協会を発足させ、ポーランド映画界は新しい時代を迎えました。ポーランドで作られるほとんどの映画が製作費の半分までの支援を受けることができるようになりました。今ポーランドでは大体年間50本程度の映画が製作されていますが、そのほとんどが映画協会の支援を受けています。今、ポーランドで製作された映画はかなり人気があり、ポーランド全体の映画館興行収入の32%が国産映画です。ただ、明らかに利益目的の作品や芸術性の低い作品は支援ができません。

 

―――アンジェイ・ワイダ監督について
スコリモフスキ:一言で言わせていただければ、長きに渡り素晴らしい映画を作り続けていらっしゃることが何よりもうれしいです。ワレサ元大統領の半生を描いた最新作『ワレサ』も、ベネチア国際映画祭でのワールドプレミアを経て、今春日本で上映されると聞いています。お元気で、これからも良い作品を作り続けて下さることを期待しています。私たちにとってワイダ監督は師匠のような存在で、現在も自らの映画学校を経営し、若い監督たちを指導し続けています。そのようにして、若い監督たちがワイダ監督の魂をたどり、展開していってくれると思います。


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