映画祭シネルフレ独自取材による映画祭レポートをお届けします。

2016年2月アーカイブ

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3月6日(日)「ホテル エルセラーン大阪」で開催される大阪の春の映画まつり、おおさかシネマフェスティバル2016。一昨年度からスタート時(1976年)「おおさか映画祭」の原点に立ち返り、有志による実行委員会を立ち上げ新たなスタート切ったおおさかシネマフェスティバルは、今年でスタートから40年の節目を迎える。このたびシネフェス恒例の「2015年度ベストテンおよび個人賞」が発表され、主演女優賞には樹木希林さん(『あん』)、主演男優賞は佐藤浩市さん(『愛を積むひと』ほか)が選ばれた。
 
また関西在住の投票委員によるベストテンでは、日本映画の作品賞が『恋人たち』(橋口亮輔監督)、外国映画が『セッション』(デイミアン・チャゼル監督)。作品賞の『恋人たち』は脚本賞とのW受賞となったほか、山下敦弘監督『味園ユニバース』が監督賞、撮影賞・高木風太、音楽賞・池永正二の3冠を獲得している。
 
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当日は、浜村淳さんの総合司会によるベストテン発表および表彰式のメインイベントをはじめ、午前中におおさかシネマフェスティバル40周年記念として、映画祭の原点になった大森一樹監督のメジャー・デビュー映画『オレンジロード急行』(78年)を上映、トークショーを開催する。
 
 
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また、表彰式後の午後3時半から3冠受賞作『味園ユニバース』を上映。会場ロビーでは40周年記念ポスター展を開催予定だ。チケットは2016年2月6日(土)10:00からチケットぴあにて発売される。尚、多数の特典がついたスペシャル・サポーター席(15,000円)、サポーター席(5,000円)も限定席を発売中だ。申込み詳細は公式サイトまで。
 

【2015年度個人賞】
◆日本映画 個人賞
主演女優賞 樹木希林  (『あん』)
主演男優賞 佐藤浩市  (『愛を積むひと』『起終点駅 ターミナル』)
助演女優賞 黒木華   (『ソロモンの偽証』『幕が上がる』『母と暮せば』ほか)
助演男優賞 松坂桃李  (『エイプリルフールズ』『劇場MOZU』『図書館戦争THE LAST MISSION』『日本のいちばん長い日』『ピース オブ ケイク』)
新人女優賞 杉咲花    (『愛を積むひと』『トイレのピエタ』)
新人女優賞 藤野涼子  (『ソロモンの偽証』)
新人男優賞 坂口健太郎(『俺物語‼』『ヒロイン失格』)
監督賞    山下敦弘  (『味園ユニバース』)
脚本賞    橋口亮輔  (『恋人たち』)
影賞    高木風太  (『味園ユニバース』)
音楽賞    池永正二  (『味園ユニバース』)
新人監督賞 三澤拓哉  (『3泊4日、5時の鐘』)
        杉田真一(『人の望みの喜びよ』           
ワイルドバンチ賞  作品:『ハッピーアワー』(濱口竜介監督)
           個人:ミズタマリ(『世界の終わりのいずこねこ』主演)
特別賞    大森一樹監督
 
◆外国映画 個人賞
監督賞    デイミアン・チャゼル(『セッション』)
主演女優賞 シャーリーズ・セロン (『マッドマックス 怒りのデス・ロード』)
主演男優賞 トム・ハーディ(『マッドマックス 怒りのデス・ロード』『チャイルド44 森に消えた子供たち』)
助演女優賞 クリステン・スチュワート(『アクトレス~女たちの舞台~』『アリスのままで』)
助演男優賞 J・K・シモンズ(『セッション』)         
 
 

【2015年度ベストテン】 
作品賞(日本映画) 『恋人たち』
作品賞(外国映画) 『セッション』
 
日本映画
 1位 恋人たち
 2位 きみはいい子
 3位 味園ユニバース
 4位 海街diary
 5位 ハッピーアワー
 6位 野火
 7位 百円の恋
 8位 FOUJITA
 9位 ソロモンの偽証
10位 あん
10位 起終点駅 ターミナル
 
外国映画
1位 セッション
2位 マッドマックス 怒りのデス・ロード
3位 アメリカン・スナイパー
4位 バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)
5位 顔のないヒトラーたち
6位 アクトレス~女たちの舞台~
7位 Mommy /マミー
8位 アリスのままで
8位 国際市場で逢いましょう
8位 人生スイッチ
 
公式サイト http://www.oocf.net/
 
 
 
 
大阪の春の風物詩、第11回大阪アジアン映画祭が今年は3月4日(金)から3月13日(日)まで梅田ブルク7、ABCホール他で開催される。そのオープニング作品に戦前、台湾で生まれ育った日本人たち(「湾生」)が、生まれ故郷である台湾に里帰りし、懐かしい人々を探し求める姿を追った感動ドキュメンタリー、『湾生回家』(わんせいかいか)、クロージング作品に、松田龍平×柄本明、前田敦子×もたいまさこ×千葉雄大。≪最高で最強の家族≫が繰り広げる現代版究極のホームドラマ、『モヒカン故郷に帰る』の上映が決定した。台湾の大ヒットドキュメンタリーで幕を開ける今年の大阪アジアン映画祭。チケットは、2月20日(土)より発売される。
 
第11回大阪アジアン映画祭公式サイトはコチラ
 

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『湾生回家』(わんせいかいか)
2015 年/台湾/111 分/監督:黄銘正/プロデューサー:田中實加(台湾名:陳宣儒)
 © Tanazawa Publish Co., Ltd.
提供:マクザム/ワコー/太秦 配給:太秦
 
「湾生(わんせい)」とは、戦前、台湾で生まれ育った日本人のことを言う。日本の敗戦後、台湾にいる日本人は台湾生まれであっても強制的に日本に送還された。その数は、軍人・軍属を合わせて 50 万人近く、そのうち「湾生」は約20万人と言われている。本作は、見知らぬ祖国・日本に送還された「湾生」の人々が、生まれ故郷である台湾に里帰りし、懐かしい人々を探し求める姿を追ったドキュメンタリー作品。12 年の歳月をかけて 200 人あまりの「湾生」を追い、さらに 5 年をかけて本作をプロデュースしたのは、自身の祖母も「湾生」であり、台湾を拠点に活動している画家・田中實加(台湾名:陳宣儒)。監督は台湾のアカデミー賞といわれる金馬奨で、1998 年に最優秀短編作品賞を受賞した経歴を持つ黄銘正(ホァン・ミンチェン)(『トゥー・ヤング/城市飛行』第 14 回東京国際映画祭上映)。昨年の金馬奨最優秀ドキュメンタリー作品にもノミネート。興行収入は 1 億円を超え、台湾のドキュメンタリーとしては異例の大ヒットを記録した。
 

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『モヒカン故郷に帰る』 
2016 年/日本/125 分/監督・脚本:沖田修一
出演:松田龍平、柄本 明、前田敦子、もたいまさこ、千葉雄大/
配給:東京テアトル
©2016「モヒカン故郷に帰る」製作委員会
 
『南極料理人』『横道世之介』など独自の世界観を生み出してきた沖田修一監督がオリジナル脚本で挑んだ最新作。主人公・永吉に松田龍平、父・治に柄本 明を配し、共演は、前田敦子、もたいまさこ、千葉雄大ら。広島・瀬戸内海に浮かぶ四島を架空の島「戸鼻島(とびじま)」としてオールロケで撮影し、細野晴臣が主題歌「MOHICAN」を書き下ろしている。
家族が集まれば、最高で最強!現代版究極のホームドラマが、この春日本を熱く盛り上げる!