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WOWOW「旅するW座」第4弾『恋のベビーカー大作戦』上映記念トークショー@シネ・ヌーヴォ

シネヌーヴォ.jpg長友氏「若い人に映画館の実体験をしてもらい、映画ファンを育てる。映画にかかわるものの思いが一致し、実現したんだと思います。」

山崎支配人「今は、どんな形であれ映画に接する機会をより多くの人に持って、映画の良さを改めて感じてほしいと思っております。」

WOWOWが地方の単館系劇場を応援することを目的に、日本未公開の作品を全国で無料上映するイベント「旅するW座」第4弾作品『恋のベビーカー大作戦』の上映記念イベントが8月2日(金)大阪、シネ・ヌーヴォにて開催された。
シネ・ヌーヴォの支配人である山崎紀子さんとWOWOW「旅するW座」PR担当の長友氏が、変わりゆく映画を取り巻く環境を、テレビ局と映画館という立場でトークを展開。往年の映画ファンから、その日初めて劇場を訪れたという若いお客さんまで映画にまつわるトークを楽しんでいた。そのトークの内容をご紹介したい。
※8月9日(金)19:00より、WOWOW「旅するW座」第4弾『恋のベビーカー大作戦』無料上映あり。


長友氏:WOWOWが地方の単館系劇場を応援することを目的に、日本未公開の作品を全国で無料上映するイベント「旅するW座」。この上映イベントは、放送作家・小山薫堂とイラストレーター・安西水丸が案内人を務めるWOWOWシネマにて放送中の「W座からの招待状」(日曜午後9時)から生まれた企画でして“今観るべき本物の映画”を厳選して紹介してきた同番組が、テレビの枠を抜け出しデジタル化などで閉鎖が相次ぐ全国の映画館を応援することによって、ミニシアターで展開される映画文化を盛り上げることを目的に昨年の11月よりスタートしました。

メガヒット作ではなく、WOWOWの目利きを活かした作品を上映するというイメージで始まった「W座からの招待状」なのですが、テレビの中の架空の単館劇場「W座」をつくり、単館映画のイメージに合った作品を上映してきました。しかし映画のフィルムの生産がストップするという記事がきっかけで、はじめに「W座を探して」という北海道から沖縄までの単館映画館を紹介するミニ番組を制作し、そこで築いたネットワークを生かして実現したのがこの「旅するW座」です。
「W座」では、いわゆる単館の映画館でかかっているような良質な作品を数多く上映してきました。そして、「旅するW座」の第一弾作品は、カトリーヌ・ドヌーヴ主演のフレンチミュージカル『愛のあしあと』、第2段作品が、ヘレン・ミレン主演の濃厚な女性のドラマ『エメランスの扉』、そして第3弾がモーリッツ・ブライブトロイ主演のサスペンス・アクション『イヤー・オブ・ザ・スネーク 第四の帝国』です。

山崎支配人:フランス映画からヨーロッパのアクション映画までジャンルは様々なんですね。今回第4弾上映作品として今から皆さまにご覧いただくのは、今年になって封切られたばかりのフランスで40万人を動員し大ヒットを記録した『恋のベビーカー大作戦』。所謂ラブコメです。

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長友氏:そうなんですよね。良質なヨーロッパ映画だけではなく、アクションやラブコメをあえて選んでいるそうです。それは、正直日本の興行には合わないけれど、本国などでは大ヒットした作品が沢山あって、そういった作品は日本では映画館で見ることも、DVDで観ることもできないんですよね。それがもったいないなということで、今はあまり観る機会が減ってしまったジャンルなどにあえて挑戦したみたいです。

山崎支配人:しかも、この企画で上映されるのはフィルム上映なんですよね。今デジタル化がすごく進んでいて、35㎜プリントを上映できる劇場というのがすごく減ってきていますし、そもそも上映する素材自体35㎜プリントがなくなってきてるんですよね。そういった意味でもプリントで楽しんでもらえるという機会はいいことだなと思います。

長友氏:昔は映画は映画館で観るもの。勿論それが一番映画を楽しめる環境であるのに変わりはないのですが、どんどん地上デジタル化やDVDレンタルなどが普及したことによって、若い人の映画館離れが映画業界の中では深刻な状況になっていると思います。

山崎支配人:もしかしたら、こういった「旅するW座」という企画ですが、10年前だったら実現しなかったかもしれませんね。映画は映画館で観るものという考えの映画配給会社や興行会社と、テレビで映画を上映するWOWOWさんをはじめとするTV局さん。ただ今は、どんな形であれ映画に接する機会をより多くの人に持って、映画の良さを改めて感じてほしいと思っております。

長友氏:無料で上映することによって、映画館にとってはいままでその劇場に来たことのない新たなお客さんと出会えるきっかけになるかもしれないですし、WOWOWにとっても、大作ばかりでなくこういった小さな規模の良作も放映しているんだよといったことがアピールできる場になりますしね。若い人に映画館の実体験をしてもらい、映画ファンを育てる。映画にかかわるものの思いが一致し、実現したんだと思います。

山崎支配人:そうですね。たくさんの方に映画を楽しんでいただければと思います。

『恋のベビーカー大作戦』作品紹介はコチラ

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