映画祭シネルフレ独自取材による映画祭レポートをお届けします。

東京国際映画祭の最近の記事

『Born In THE U.S.A.』の前夜、

若きスプリングスティーンの魂の旅路を描く感動の音楽ドラマ


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湯川れい子×五十嵐正

スプリングスティーン来日時の秘話初披露!

ファンが大集結!満席の客席は上映後大喝采!

ファンお墨付きの圧巻のジェレミー・アレン・ホワイトの歌声
 

ロックの英雄、そしてアメリカの魂と称され、50年にわたって第一線を走り続けるブルース・スプリングスティーンの若き日を描く感動の音楽ドラマ『スプリングスティーン 孤独のハイウェイ』が11月14日(金)に日本公開されます。


springsteen-pos.jpg1982年。キャリアの岐路に立つブルース・スプリングスティーンは、名声の影で深い孤独と葛藤に揺れていた。ロックスターとしての喧騒を離れ、彼が向かったのは、誰もいない荒野のような〈どこでもない場所〉。4トラックのレコーダー一台、手元にあるのは曲になりかけた断片だけ。恋人との時間、幼き日の母との思い出、そして父との確執に苛まれながら、彼は静かに魂を刻み始める。その時、彼に何が起こっていたのか——。


伝説の名盤「ネブラスカ」、その創作の舞台裏と心の旅を「一流シェフのファミリーレストラン」のジェレミー・アレン・ホワイトが、言葉少なに、しかし圧倒的な存在感で体現する。監督は『クレイジー・ハート』(アカデミー賞®受賞)で音楽映画の真髄を見事に描いたスコット・クーパー。観る者の心を掴んで離さない、乾いたアメリカの風景と、テープに刻まれた声と、救いを求める祈り。あの夜、何が生まれ、何が壊れたのか——。

ロックの英雄がすべてを削ぎ落とし、ありのままの自分に向き合った時代を、今を生きる私たちが見つめ直す。


11月1日、『スプリングスティーン 孤独のハイウェイ』が第38回東京国際映画祭《ガラ・セレクション》作品として日本初披露された。上映前には、ブルース・スプリングスティーン本人と三度会っている、音楽評論家で作詞家としても活躍する湯川れい子、音楽評論家で本作の字幕監修も務めた五十嵐正が登壇した。会場にはスプリングスティーンのTシャツやトレーナーで決めた熱烈ファンも数多く詰めかけ、二人の話に聞き入った。ジャパンプレミアとなった上映後には満席の場内から拍手が起こり、集結したブルース・スプリングスティーンファンのBSJのメンバーからは熱アツで心に刺さる感想コメントが止まらなかった。
 


■日時︓11月1日(土)17:15~

■会場︓TOHO シネマズ日比谷 スクリーン 12

■登 壇 者︓湯川れい子(音楽評論家) 五十嵐正(音楽評論家)  司会:奥浜レイラ



東京国際映画祭での初上映を待ちわびる観客が見守る中、黒のスタイリングでコーディネートした湯川れい子、スプリングスティーンのTシャツで決めた五十嵐正が登場すると温かい拍手が巻き起こった。1985年のブルース・スプリングスティーン初来日時に取材し、その後も本人と会う機会があった二人が交わしたトークの模様を全文で紹介致します。


司会:最初にご挨拶をお願いします

湯川:みなさま、こんばんは。湯川と申します。今日はお招きいただきましてありがとうございます。どこまでお役に立つかどうかわかりませんけれども、よろしくお願いします。

五十嵐:こんにちは、五十嵐正です。よろしくお願いです。今日大先輩の湯川さんと一緒にお話できるのを楽しみにしています。


司会:本作は、スコット・クーパー監督が音楽映画『クレイジー・ハート』を経て、発表した作品ですが、スコット・クーパー監督というのは、五十嵐さんから見てどんな監督でしょう?

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五十嵐:ご存知のようにスコット・クーパー監督は、デビュー作の『クレイジー・ハート』で、ジェフ・ブリッジスが演じた中年から初老のカントリーシンガーを描いており、ブリッジスは主演でオスカーを獲っていて、大変評判になりました。あれは架空のテキサスのシンガーソングライターの話だったんですけど、本当は彼は、初めての監督作品を撮るということで、もともと、カントリー界の大スターであるマール・ハガードの長年の大ファンで、マール・ハガードの伝記映画を撮りたかったんです。マール・ハガードと言うと、人気やヒット曲の多さ、影響力という点で、戦後のカントリー界ではジョニー・キャッシュと同じような人だと思ってください。


一応、企画を始めてみたんですけど、生きている現役のアーティストの伝記映画を撮るって、難しいというよりも面倒くさいですね(苦笑)。いろんな許可を取ったりとか…。それで少し企画を進めたんですけど、難しかったのでやめて、架空のフィクションのソングライターの話にしたんです。音楽プロデューサーがT=ボーン・バーネットだったので、彼の助けも得て、テキサスのシンガーソングライターという設定でつくって、それが当たったわけです。


ハリウッドっていうところは、ひとつ当たるとみんなそれに飛びつくんです。それで彼のもとには、音楽ミュージシャンの伝記映画、伝記映画風なものを撮ってくれという依頼がものすごい数きたんですね。先日、リモートで(『スプリングスティーン 孤独のハイウェイ』の)記者会見があったんですけど、そこで「無数」という表現を使ってましたけど、例を少し上げますとエルヴィスの映画もあったそうです。それがバズ・ラーマンのあの映画(『エルヴィス』)と同じかどうかわかりませんけどね。あとはマイルス・デイヴィス、チェット・ベイカーの伝記映画、グレイトフル・デッドの伝記映画……そういうものすごい大物の企画がいっぱい来たんですけど、全部断ったそうです。


それで、この映画の原作に出会ったんですが、(物語の)時期が非常に限定されていて、しかもこの原作は、実は自伝とか伝記とか評伝ではないんですね。

元ミュージシャンのウォーレン・ゼインズがライター、音楽評論家に転身して、アルバム「ネブラスカ」の制作を巡る過程を描いたいわゆる音楽評論(原作「Deliver Me from Nowhere」なんですね。ですから情報がいっぱいあって、小説や自伝的な“盛った”ところがないので、彼は「イケる!」と思ったんだと思います。


確かにこれも(題材となるスプリングスティーンは)生きている人なんですけど、ブルース側は原作にも非常に協力をしてたから、いつも協力してくれて、この映画ができたということです。


司会:この作品はアルバム「ネブラスカ」の創作時に絞られて描かれていますけれども、そのあたりは湯川さんはどのようにお感じになりましたか?

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湯川:いわゆる音楽映画だと私たちが考えるものではなくて、本当にブルース・スプリングスティーンという人を深掘りしてくれていると思います。ここにいらっしゃるみなさまは、ブルースのことはよくご存知だと思いますけど、一編、一編の音楽が、短編小説のような――そういう色と匂いと風景と深い心情を持ったシンガーソングライターですので、そのブルースをここまで見せてくれてるということが、私はこの映画の一番の素晴らしさであり、ジェレミー・アレン・ホワイトという主演俳優さんが、自らリトル・リチャードの歌も吹替えなしで歌っていて、そのへんもね、すごいですよね。


司会:そして、スプリングスティーンについてもぜひお2人に伺いたいんですが、過去には1985年と88年、97年と3回来日公演を行なっておりますけれども、今回、五十嵐さんが湯川さんにぜひ聞いてみたいことがあるということですが

五十嵐:97年にアルバム「ザ・ゴースト・オブ・トム・ジョード」でソロで来た時、僕はそのインタビューをしましたが、ひとりで来て、スタッフも多くないので、担当の発売元ソニーミュージックがプライベートに社内でウェルカムパーティーをしたんですね。そのとき、湯川先生やライナーノーツを書かせてもらった僕、訳詞を書かれている三浦久さんなど、ごく数人だけを呼んでいただいたんです。そのときに、湯川さんはブルースの横に座って、結構、長時間お話されていたので、それ以来、僕らはずっと「何を話されていたのかな…?」ということをずっと好奇心を持っていたんですが…。ずいぶん昔の話なので、いまさらお聞きするのも失礼なんですけど、何か印象に残ったことがあったら教えてください。


springsteen-500-4.jpg湯川:もうほとんど忘れちゃってるんですけど(笑)、でも本当に印象に残っているのはひとつだけ。今回も映画の中で、ブルースがいかに音というものにこだわりを持っているかが描かれますが、非常に深いこだわりを持っているんですね。ブルースの場合は、リズムとかよりも音そのものにものすごいこだわりを持っているんですが、エルヴィス・プレスリーの「監獄ロック」のリズムパターンにも音にも非常にブルースがこだわりを持っていたと。

今回、曲名までは出てこないんですが、(映画を見ると)おわかりいただけると思います。ブルースが非常にエルヴィスに影響を受けて、ロックを目指したという人だったものですから、長い話の中で唯一、明確に正しく覚えているのは、私がブルースに「エルヴィスのことは本当にお好きだったんですか? エルヴィスのどこが良かったんですか?」と伺ったときに、「Everything(すべてだよ)」とおっしゃったことをすごく鮮明に覚えていますね。あとはほとんど忘れました(笑)。


五十嵐:いま、湯川さんが言われていたことは、映画を見たら「なるほど」と思うシーンがあります。『ネブラスカ』BOXで初めて「エレクトリック・ネブラスカ」という未発表のものが入っていますけど、これは基本的なサウンドがパンクロカビリーでしたからね。そういう意味でやっぱりエルヴィスの影響は大きいですよね。


司会:五十嵐さんは今回、字幕監修で苦労した点はありましたか?

五十嵐:今回、字幕翻訳を風間綾平さんがやられています。数年前の「カセットテープ・ダイアリーズ」でスプリングスティーンの曲がいっぱい使われていて、これも風間さんが翻訳されて、僕が字幕監修をして、今回で2回目のコンビになりますし、上手くいったと思います。

ただ、僕の監修とか翻訳以上に今回は、セリフがありますし、歌がたくさん出てきます。そういう訳詞が好きな方は(字幕が)付いています。もちろん、(映画用の)字幕なのでCDに付いている三浦さんの訳詞より情報量は少ないんですけど…。それとインスピレーションを受けた映画のシーンもありますし、そのセリフも出ますが、それがちょっとクロスしちゃうので、僕らよりも実際に字幕を付けた方々が大変苦労されました。(字幕が)縦と横で出ます。セリフと訳詞とか、映画のセリフの引用だということを理解して見ていただければと思います。そうでないと、こんがらがっちゃうので(笑)。そのご苦労のおかげで、うまくいったと思うので、そこは今回の字幕のポイントだと思います。


湯川:私も字幕の仕事は何回かしていますけど、ものすごい言葉の数の制限があって、2行以外は字幕を付けられないんですよね。ブルースの歌詞だけで2行なんてとっくに超えてしまうものですから、そういう意味では、ものすごく五十嵐先生もご苦労されたんじゃないかなと思います。


司会:最後に湯川さんと五十嵐さんからこれから映画をご覧いただくみなさんにひと言ずつお願いいたします。

湯川:もちろん、何よりも「早く見たい! いいかげんにしろ!」っていう気持ちでいてくださることは重々わかりますので、とにかく見ていただくのが何よりなんですけれども、例えばアトランティックレコードをつくったアーメット・アーティガンとか、それから「ブルースにロックンロールの未来を見た」というジョン・ランダウとか、実際にいた人物が俳優さんが演じて出てきて、アカデミー賞の助演賞にもノミネートされそうだとか、いろんな話も出てきておりますし、そういう意味で、実際にいる人、いた人、実在の人、そして、もちろんブルース・スプリングスティーンもそうですが、そういう意味で興味のある人物、人間映像として、見ていただいても、歴史の映像として、見ていただいても値打ちがあって楽しいものではないかと思います。とにかく見ていただくことが何より先決だと思いますので、私の話はこのぐらいで終わらせていただきます。


springsteen-500-2.jpg五十嵐:いま、湯川さんが言われた通り、恋人役の女性だけは、スプリングスティーンが付き合った複数の女性から作った架空の女性ですけど、あとはほとんどが実際の人物です。この映画は珍しく、ほとんどが実際に起こったことです。(原作が)ちゃんと取材した評論書ですから「本当かよ、これ?」って思わないで、ドキュメンタリーを見るように見られます。


それでいろんなことを学べるというかいろいろ訴えかけてくると思います。人間のメンタルヘルスの話もそうだし、親子の話もそうだし、いろんなたくさんのことを訴えかけてくれます。僕はひとつ、一番大事なこととして見たのは、ひとりのアーティストが「ネブラスカ」という偉大なアルバムを作るのにどのくらい精神的に苦闘をしたか――自分のトラウマと戦ったりね、自分の内面を掘り下げたり……。そのアーティストの苦闘、そこから、これだけの作品が生まれるんだなと。そして、それを支える人たち、そういうことが僕は一番印象に残りました。


springsteen-500-3.jpgスプリングスティーンは、78年の「闇に吠える街 (Darkness on the Edge of Town)」というアルバムをつくったときのドキュメンタリーで「自分は偉大な作品をつくりたいと努力した」という発言の中でこういうことを言っていて、僕はすごく印象残っているんですけど「有名になることよりも、お金を儲けることよりも、幸せになるよりも、偉大なアーティストになりたい」と。そのために努力したと。そういう姿勢は「ネブラスカ」もそうだし、いまに至るまで「幸せになるよりも偉大な作品をつくって、偉大なアーティストになりたい」と。本物はすごいなと思います。そういうことが描かれているので、ぜひ楽しんでください。


湯川:大事なことを忘れていたのでひとつだけ。ブルースはニュージャージーの出身で、ネブラスカはちょっと中西部で遠いじゃないですか? 「そんなところにあなたが行ったことあるんですか?」と最初にお会いしたときに聞いたら「もちろん行ってるよ。アメリカは、僕は本当にあちこち行ってるよ」という答えがあったことも申し上げておきたいと思います。


五十嵐:バイクでツーリングして、いろんなところに行ってるんですよね。ブルース・スプリングスティーンと縁のあるトークショーは終始和やかな雰囲気で進んだ。「とにかく見てほしい」と語った湯川れい子のコメントが、この映画に対するリスペクトと音楽愛に満ちていた。

 


■ゲスト・プロフィール

♪湯川れい子(ゆかわれいこ)

音楽評論家。昭和35年、ジャズ専門誌 『スウィング・ジャーナル』 への投稿が認められ、ジャズ評論家としてデビュー。その後、16年間に渡って続いた『全米TOP40』(旧ラジオ関東・現ラジオ日本)を始めとするラジオのDJ、また、早くからエルヴィス・プレスリーやビートルズを日本に広めるなど、独自の視点によるポップスの評論・解説を手がけ、世に国内外の音楽シーンを紹介し続け、今に至る。


♪五十嵐 正(いがらしただし)

音楽評論家。社会状況や歴史背景をふまえたロック評論から世界各国のフォークやワールド・ミュージックまでに健筆を奮う。著書に『スプリングスティーンの歌うアメリカ』(音楽出版社)。本作『スプリングスティーン 孤独のハイウェイ』の字幕監修も務める。
 


【ストーリー】
springsteen-550.jpgロックの英雄ブルース・スプリングスティーン。『Born In The U.S.A.』の前夜、成功の重圧の中、若きスプリングスティーンはたった⼀⼈歌い始めるー。 創造の原点を刻み込んだ“本当の声”が、観る者を彼の魂の旅路へと誘う感動の⾳楽ドラマ誕⽣︕ 


監督・脚本:スコット・クーパー(原作:ウォーレン・ゼインズ著「Deliver Me from Nowhere」)
主演:ジェレミー・アレン・ホワイト(ブルース・スプリングスティーン)
共演:ジェレミー・ストロング(ジョン・ランダウ)、ポール・ウォルター・ハウザー(マイク・バトラン)、
スティーヴン・グレアム(父ダグ)、オデッサ・ヤング(フェイ)、ギャビー・ホフマン(母アデル)、
マーク・マロン(チャック・プロトキン)、デヴィッド・クラムホルツ(アル・テラー)
プロデューサー:スコット・クーパー、エレン・ゴールドスミス=ヴァイン、エリック・ロビンソン、スコット・ステューバー
製作総指揮:トレイシー・ランドン、ジョン・ヴァイン、ウォーレン・ゼインズ
配給:ウォルト・ディズニー・ジャパン
©2025 20th Century Studios
公式サイト:https://www.20thcenturystudios.jp/movies/springsteen
#スプリングスティーン孤独のハイウェイ

★ブルース・スプリングスティーン/ソニー・ミュージック・オフィシャル:https://www.sonymusic.co.jp/artist/BruceSpringsteen/


ブルース・スプリングスティーンの魂の旅路があなたの心を震わせる。

『ボヘミアン・ラプソディ』の20世紀スタジオが贈る感動音楽映画

『スプリングスティーン 孤独のハイウェイ』は11月14日(金)~全国ロードショー


(オフィシャル・レポートより)

 

主演・岩田剛典×監督・坂下雄一郎(『決戦は日曜日』)

大人(オジさん)になりきれない教師の、皮肉と愚痴と笑いに満ちた新感覚ムービー!

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岩田「いろんな世代の方に楽しんでいただける作品」

主演・岩田剛典、白鳥玉季、坂下雄一郎監督が

金髪集団と共にレッドカーペットに登場!!


■日時:2025年10月27日(月)15:0017:00

■場所:東京ミッドタウン⽇⽐⾕ ⽇⽐⾕ステップ広場/⽇⽐⾕仲通り

■『金髪』登壇者(予定・敬称略):岩田剛典、白鳥玉季、坂下雄一郎監督



岩田剛典を主演に迎え、『決戦は日曜日』の坂下雄一郎がメガホンを取った、皮肉と愚痴と笑いに満ちた新感覚映画『金髪』が11月21日(金)に全国公開致します。 (配給:クロックワークス)

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本作にて主演を務めるのは三代目 J SOUL BROTHERS、ソロアーティスト活動を中心に、近年は俳優としても話題作への出演が相次いでいる岩田剛典。意外にも教師役は本作が初という彼が挑んだのは、爽やかで生徒に好かれる素敵な教師…かと思いきや、若⼿でも中年でもない年頃で⾃分を客観視できていない“イタい”中学校教師・市川。“⾦髪デモ”を発案した市川の⽣徒・板緑役に『流浪の⽉』の⽩⿃⽟季、市川の恋人・⾚坂役に『あのこは貴族』の⾨脇⻨、そのほか『事故物件ゾク 恐い間取り』の⼭⽥真歩、『新幹線⼤爆破』の⽥村健太郎、『お⺟さんが⼀緒』の内⽥慈が脇を固める。


監督は常にシニカルな目線で人間の愚かさを笑いに昇華させてきた、コメディ映画の新世代を担う坂下雄一郎。『決戦は日曜日』(22)に続き、彼自身が執筆したオリジナル脚本である本作は、日本独特のおかしな校則、教師のブラックな職場環境、暴走するSNSやネット報道という社会問題を背景に、大人になり切れない教師が、生徒たちの金髪デモに振り回されながらも成長(=自分がおじさんであることを自覚)していく様を、皮肉と愚痴と笑いを交えて描き、その奇抜なストーリー展開と個性豊かなキャラクターたちがぶつかり合うことでオリジナリティ溢れる新感覚ムービーが誕⽣した。
 



kinpatsu-10.27-550-1.jpg10月27日(火)、第38回東京国際映画祭にて、映画『金髪』より、岩田剛典、白鳥玉季、坂下雄一郎監が金髪集団を引き連れてレッドカーペットに登場。作中で生徒たちが金髪デモを起こしたシーンを映画祭のステージで再現してみせた。


岩田は今回が主演映画で初の東京国際映画祭への参加となった。黒のスーツに眼鏡姿で登場し、「レッドカーペットは長い旅でした。最初は緊張してたんですけど、取材を受けていくうちに調子乗っちゃいました。風吹かせてました!笑」とファンに向けて笑顔をみせた。さらに本作で初の教師役、そして中年おじさん役を演じたことについて、「作品にとても共感できた。僕ら世代のあるあるがたくさん描かれていて、ほぼほぼ等身大の自分といっても過言ではない」と明かした。


そして同じく初の東京国際映画祭参加となった白鳥は、作中衣装の金髪×制服で現れると、「人の目が釘のように刺さってくる感覚がして少し怖かったんですけど、それだけ『金髪』という映画が注目を集めてくれたら嬉しいな」と初のレッドカーペットへの緊張とともに作品への期待を語った。15歳という初々しさがありながら岩田に引けをとらない堂々した姿でレッドカーペットを歩き、さらに本作のステッカーをファンへ直接配るサプライズをしてみせた。


最後にファンへ向けて、監督「ぜひご覧いただけると嬉しいです。よろしくお願いします」白鳥「今までにない光景が見れる作品なので、面白がって見ていただけると嬉しいです」岩田「ジェネレーションギャップを題材にした作品です。いろんな世代の方に楽しんでいただける作品なので、ぜひ皆さまご覧ください!」と各々コメントを送った。
 


<Story>

その⽇、中学校教師・市川の⼈⽣を⼤きく変える出来事が起きた。⼀つは担任クラスの⽣徒数⼗⼈が髪を⾦⾊に染めて登校してきたこと。そしてもう⼀つは、彼⼥から結婚の話を切り出されたこと。マスコミやネット、さらには⽂科省まで巻き込み⼤騒動になる“⾦髪デモ”と、⽇々の愚痴を聞いた彼⼥からの⾟辣な説教で板挟みになる市川は、窮地を脱するために“⾦髪デモ”を計画した張本⼈・板緑と⼿を組み、とある作戦に打って出る⋯。仕事の問題と⼈⽣の決断が⼀挙に押し寄せた市川は、いつまでも若者で何事も順⾵満帆だと思っている“イタいおとな”から“マトモな⼤⼈”へと成⻑し、全ての試練を乗り越えられるのか︕︖
 

<キャスト&スタッフ>

岩田剛典
⽩⿃⽟季、⾨脇⻨、⼭⽥真歩、⽥村健太郎、内⽥慈
監督・脚本:坂下雄一郎 音楽:世武裕⼦
配給:クロックワークス

 ©2025「金髪」製作委員会
2025年/日本/カラー/アメリカンビスタ/5.1ch/103分/G
公式HP:kinpatsumovie.com 
公式X:@kinpatsumovie #映画金髪

2025年11月21日(金)~ 全国公開


(オフィシャル・レポートより)



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この度第38回東京国際映画祭において、永年の国内外を含めた映画界への貢献が目覚ましい方々へ贈る“特別功労賞”を、山田洋次監督に授与することを決定いたしました。


山田洋次監督は1961年に『二階の他人』で監督デビュー以来、そのキャリアは半世紀以上にわたり、一貫して日本の大衆文化と真摯に向き合ってこられました。代表作は多岐にわたりますが、特に国民的シリーズとなった『男はつらいよ』シリーズ(全50作)は、ギネス世界記録にも認定されるほどの世界的な偉業であり、普遍的な家族愛と故郷への想いを描いた不朽の名作として、今なお多くの人々に愛され続けています。


TOKYOtaxi-10.24-yamada-1.JPG2000年代以降は、時代劇の新たな境地を開拓した『たそがれ清兵衛』(02)で米国アカデミー賞®外国語映画部門にノミネートされ、『隠し剣 鬼の爪』(04)は、第55回ベルリン国際映画祭コンペティション部門に出品、第7回ジンバブエ国際映画祭最優秀作品賞を受賞するなど、世界でも常に挑戦を続け、今年の映画祭のセンターピース作品にもなった最新作『TOKYOタクシー』(11月21日公開)ではフランス映画『パリタクシー』(23)を原作に、人生の喜びを描いたヒューマンドラマを紡いだりと、その創作意欲は衰えることを知りません。


日本人の心の機微と、失われつつある大切な価値を映し出し、映画文化の発展に計り知れない貢献を果たしてこられた山田洋次監督に、心からの敬意を表し、ここに特別功労賞を授与いたします。
 


■東京国際映画祭チェアマン安藤裕康コメント

山田監督は、戦後の日本社会の現実を厳しく、しかし温かい目で見つめながらそれを映像に結晶させて、長年にわたり数々の傑作を生みだしてこられました。

そして何よりも映画をこよなく愛し、内外の映画の過去・現在に幅広い関心を寄せ続け、映画の未来についても真剣に展望してこられました。後進の育成にも心を注いでおられます。このように映画芸術の発展に多大な貢献されたがゆえに、多くの方々から賞賛を集めていらっしゃいます。

東京国際映画祭も発足以来様々な形でご協力を頂き、最近では黒澤明賞の審査委員長としてご尽力頂きました。

これらの幾多のご功績に対する敬意と感謝の意を表し、特別功労賞の受賞に心よりのお祝い申し上げる次第です。
 


■山田洋次監督プロフィール

69年『男はつらいよ』シリーズ開始。他に代表作として『家族』(70)、『故郷』(72)、『同胞』(75)をはじめ、第1回日本アカデミー賞最優秀監督賞等6部門受賞の『幸福の黄色いハンカチ』(77)、『息子』(91)、『学校』(93)などの名作がある。2002年、藤沢周平原作の本格時代劇『たそがれ清兵衛』では、第26回日本アカデミー賞15部門をはじめ日本の映画賞を総なめにし、第76回米国アカデミー賞外国語映画部門ノミネートを果たした。 続く、『隠し剣 鬼の爪』(04)は、第55回ベルリン国際映画祭コンペティション部門に出品、第7回ジンバブエ国際映画祭最優秀作品賞を受賞した。2006年『武士の一分』の大ヒットに続き、『母べえ』(08)も大ヒットを記録、第58回ベルリン国際映画祭コンペティション部門に出品され話題になった。

2010年には10年ぶりの現代劇となる『おとうと』が公開、第60回ベルリン国際映画祭のクロージング作品として上映、特別功労賞にあたるベルリナーレ・カメラを受賞。同時に2007年より客員教授を務める立命館大学映像学部の学生たちと作り上げた『京都太秦物語』も上映され、大きな話題を集めた。2013年には小津安二郎監督へオマージュを捧げる映画『東京家族』が、2014年には『小さいおうち』が公開され、第64回ベルリン国際映画祭コンペティション部門に出品、銀熊賞を受賞した。戦後70年の2015年には『母と暮せば』が、2016年には喜劇映画『家族はつらいよ』、2017年には『家族はつらいよ2』、2018年には『妻よ薔薇のように 家族はつらいよⅢ』が公開された。

また第1作から50周年を迎えた2019年には『男はつらいよ お帰り 寅さん』が、2021年は『キネマの神様』が公開された。2023年には吉永小百合&大泉洋が親子役初共演した『こんにちは、母さん』が公開された。そして、2025年11月21日には、倍賞千恵子&木村拓哉出演による最新作『TOKYOタクシー』が公開を控える。

1970年に芸術選奨文部大臣賞・毎日芸術賞、72年に菊池寛賞、96年に紫綬褒章・朝日賞、2002年に勲四等旭日小綬章、04年に文化功労者、08年より日本藝術院会員、12年に文化勲章を受章、14年に東京都名誉都民顕彰。


<第38回東京国際映画祭 開催概要>

■開催期間:2025年10月27日(月)~11月5日(水)

■会場:日比谷・有楽町・丸の内・銀座地区 

■公式サイト:www.tiff-jp.net

<TIFFCOM2025開催概要>

■開催期間:2025年10月29日(水)~10月31日(金)

■公式サイト:www.tiffcom.jp


(オフィシャル・リリースより)