映画祭シネルフレ独自取材による映画祭レポートをお届けします。

2021年12月アーカイブ

第 13 回 京都ヒストリカ国際映画祭 提携企画

『インフェルノ』(1911 年 ミラノ・フィルムズ)/

『小さな聖女』(2021 年 レイン・ドッグズ)特別上映会のお知らせ

 

イタリア文化会館-大阪(大阪市北区中之島、代表:ジョヴァンニ A. A. デサンティス/在大阪イタリア総領事館文化担当アタシェ)は、来年 1 月に開催される「第 13 回 京都ヒストリカ国際映画祭」において、1911 年製作の無声映画『インフェルノ』(ミラノ・フィルムズ/68 分/モノクロ)と 2021 年製作の最新のイタリア映画『小さな聖女』(レイン・ドッグス/97 分/カラー)を上映いたします。


今年はイタリア文学最大の古典と呼ばれる『神曲』の著者 ダンテ・アリギエーリの没後 700 年にあたります。『インフェルノ』は、イタリア映画の草創期に『神曲』の地獄篇をもとに当時の技術の粋を集めて製作された特撮映画で、2007 年にイタリアのボローニャにあるシネテーク「チネテカ・ディ・ボローニャ」映画修復ラボラトリーの「リマジネ・リトロヴァータ」で修復し、2021 年のボローニャ復元映画祭で上映しました。その作品を、今回は鳥飼りょう氏のピアノの生伴奏とともにご紹介します。また、上映後のビデオアフタートークでは、チネテカ・ディ・ボローニャのカルメン・アッカプート女史がインフェルノおよび映画修復の仕事などについて語る予定です


一方、『小さな聖女』はヴェネツィア国際映画祭を主催するヴェネツィア・ビエンナーレの映画部門の若手育成プロジェクト「ビエンナーレ・カレッジ・シネマ」の作品で、2021 年のヴェネツィア国際映画祭で上映されました。なお、監督のシルヴィア・ブルネッリ(1988 年生まれ)は、2020 年、ヨーロピアン・カウンシル主催 Euroimages の新人監督賞に選ばれ、今後の活躍が期待されています。映画上映に際してブルネッリ監督から日本の皆さまへ宛てたビデオメッセージを上映する予定です。


このプログラムは、イタリア映画の草創期と最新の長編映画を上映することで、イタリア映画の 1 世紀、ひいては映画の歴史に想いを馳せるとともに、ボローニャ復元映画祭と京都ヒストリカ国際映画祭、そして「ビエンナーレ・カレッジ・シネマ」とヒストリカの人材育成部門「京都フィルムメーカーズラボ」とを繋ぎ、映画分野においても日本とイタリアの交流を促進することを目的に企画されました。
 



Inferno-500-1.jpg【チネテカ・ディ・ボローニャ提携企画】

『インフェルノ』L’Inferno

日時:1 月 23 日 (日)16 時 10 分~ 
会場:京都文化博物館フィルムシアター

 

ダンテの『神曲』完成から 700 年、

映画草創期の特撮技術を駆使して地獄の暴力と恐怖を表現する


この映画は 2007 年にチネテカ・ディ・ボローニャ財団のラボラトリーであるリンマジーネ・リトロヴァータで修復されました。

ダンテ・アリギエーリの「神曲」第 1 篇地獄篇が原作。薄暗い森で迷子になった詩人ダンテ、煉獄山の頂の救いの光に向かう彼に貪欲、傲慢、色欲の獣が立ちはだかる・・・。地獄のイメージ、恐怖とバイオレンスを当時最先端の特撮技術と幻想的なモンタージュを駆使して表現した記念碑的作品。本作は 2007 年にチネテカ・ディ・ボローニャがデジタル復元し、ダンテ没後 700 年にあたる 2021 年にボローニャ復元映画祭で上映された。


●ピアノ伴奏:鳥飼りょう
●ビデオアフタートーク:カルメン・アッカプート(チネテカ・ディ・ボローニャ)
●日本語字幕付き

監 督:フランチェスコ・ベルトリーニ、ジュゼッペ・デ・リグォーロ、アドルフォ・パドヴァン
出 演:サルヴァトーレ・パパ、アルトゥーロ・ピロヴァーノ、ジュゼッペ・デ・リグォーロ
(1911 年 ミラノ・フィルムズ製作/2007 年 チネテカ・ディ・ボローニャ修復/68 分)
© Cineteca di Bologna
 


LSP-500-1.jpeg【ヴェネツィア・ビエンナーレ、ビエンナーレ・カレッジ・シネマ提携企画】

『小さな聖女』La Santa Piccola

日時:1 月 26日 (水)18 時 30 分~
会場:京都文化博物館フィルムシアター


美、エロス、神聖、卑俗 全てを飲み込んで、二人の進む道は・・・


住民皆が互いを知っている、ナポリの日当たりの良い地区。マリオとリーノは離れがたい友人同士。彼らは変わらぬ日々を過ごしていたが、リーノの妹が奇跡を起こし地区の守護聖女となってから、二人に新しい世界への扉が開き・・・。ナポリの貧しい若者たちの、永遠に変わらないと思われた日常と友情にひずみが生じていく過程を、エロティシズムと神聖さを混濁させつつ、瑞々しく描いた LGBTQ 作品。


●シルヴィア・ブルネッリ監督ビデオメッセージあり
●日本語字幕付き

監 督:シルヴィア・ブルネッリ
出 演:フランチェスコ・ペッレグリーノ、ヴィンチェンツォ・アントヌッチ、ソフィア・ グアスタフェッロ
(2021 年 レイン・ドッグズ/97 分)

※ 詳細は添付の京都ヒストリカ国際映画祭公式リーフレットをご覧ください。
※ 本状に記載されている内容は発表時点の情報です。予告なしに内容が変更となる場合もあります。あらかじめご了承ください。

© Rain Dogs



【イタリア文化会館 – 大阪 とは】

イタリア外務・国際協力省の海外出先機関である当館は、世界に約 90 あるイタリア文化会館のひとつとして、日本におけるイタリア文化の普及と日伊文化交流の振興を目的として活動しています。


日本におけるイタリア文化会館は 1941 年に東京に、1978 年に京都に開館しました。イタリア文化会館-京都は 2010 年に大阪・中之島に移転、イタリア文化会館-大阪となりました。当館は音楽、美術、映画、演劇、ダンス、ファッション、デザイン、写真等の多様な分野で文化催事を多数企画・開催するほか、日本の諸機関や企業などが主催するイタリア関連イベントの積極的な後援も行っています。また、ネイティブ教授陣によるイタリア語コース やイタリア文化コースを開講し、図書コーナーでイタリア語・イタリア文化についての図書や映像(書籍約 4500 冊、DVD等)、イタリア語教授法の資料を提供しています。


※ 現在は、新型コロナウィルス感染症対策のため、イタリア語・イタリア文化コースの開催(オンラインレッスンを除く)および図書コーナーの運営・一般来館の受付を休止しております。
 


〒530-0005
大阪市北区中之島 2-3-18 中之島フェスティバルタワー17 階
Tel: 06-6227-8556
Fax: 06-6229-0067
公式サイト:https://iicosaka.esteri.it
 

代 表 者:在大阪イタリア総領事館アタシェ(文化担当)
     ジョヴァンニ A. A. デサンティス(Giovanni A. A. Desantis)
開館時間:月曜日・水曜日 10:00-13:00 / 14:00-18:30
      火曜日・木曜日・金曜日 10:00-13:00 / 14:00-18:00  
休 館 日:土・日および規定の祝祭日

 


(オフィシャル・リリースより)

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  今回で13回目となる京都ヒストリカ国際映画祭(以降、ヒストリカ)が、2022年1月22日(土)から1月30日(日)まで、京都文化博物館3階フィルムシアターにて開催される。今年もヒストリカスペシャル、ヒストリカワールドをはじめ、昨年以上の多部門でオンライン上映を行うハイブリッド開催となる。
 
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  世界でも類を見ない歴史にフォーカスした映画祭として実績を重ねてきたヒストリカ。「歴史映画を通じて、未来へと繋がる」というビジョンのもと、京都ヒストリカ国際映画祭、京都映画企画市、京都フィルムメーカーズラボ、太秦上洛まつり、HISTORICA XRの事業を総称した【KYOTO HISTORICA】プロジェクトの新しいロゴも完成。時代劇とゆかりの深い馬が過去を振り返る姿をあしらい、さらなる飛躍を目指している。
 
 
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  ヒストリカ一番の目玉となる<ヒストリカスペシャル>では、2012年、2014年と2度にわたり、ヒストリカで上映してきた『るろうに剣心』シリーズを、2020年の最終章まで全5本、2日間にかけて一挙上映する。この日本初となる企画では、トークゲストとして大友啓史監督他、制作側の豪華ゲストを迎える予定だ。
 
 
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  国内の名作に新たな光を当てる<ヒストリカ·フォーカス>では、東映創立70周年にちなみ、長年に渡り撮影所で活躍したスクリプター田中美佐江さんと映画女優に注目した10作品をフィルム上映する。沢島忠監督、深作欣二監督という名匠らと、編集部の“天皇”と呼ばれていた宮本信太郎さんとつなぐ重要な役割を果たしていたという田中。『鬼龍院花子の生涯』『蒲田行進曲』などの80年代大ヒット作をはじめ、美空ひばり主演、マキノ雅弘の『おしどり駕篭』他がラインナップ。オンライン上映は、34作品の時代劇が大特集される。
 
 
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  世界各国からの最新歴史映画の秀作を上映する<ヒストリカ・ワールド>では、北マケドニア共和国より、ミルチョ・マンチェフスキ監督の3部作より、94年。ヴェネツィア金獅子賞受賞作の『ビフォア・ザ・レイン』を思い起こさせる、女性の普遍的な問題を痛切に描いた『柳』がヒストリカのオープニングを飾る。ミルチョ・マンチェフスキ監督もオンラインでゲスト登壇予定だ。バスク発のヴァンパイアホラー『すべての月の夜』、ロシア発のバカ息子更生コメディ『放蕩息子』、第一次世界大戦下で知的障がいのある息子の徴兵に母が立ち上がるデンマーク映画『戦場のエルナ』、徴兵フランス革命の時代にもう一つの食の革命を起こしたシェフを描く『Delicieux(原題)』がラインナップ。さらに京都府とケベック州の友好提携協定5周年を記念して、ケベック州にて2019年より開催されている、歴史映画に特化した「モントリオール国際歴史映画祭」とも連携し、フランソワ・ジラル監督の『オシュラガ 魂の地』を日本初上映する。※『Delicieux(原題)』以外はオンライン配信対象。
 
 
  

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  今年から復元した旧作を上映する<ボローニャ復元映画祭提携企画>が始まり、その第1作として、2007 年にボローニャで修復され 、ダンテ没後700年の今年、ボローニャ復元映画祭で再び紹介された1911年のイタリアで作られたサイレント映画『インフェルノ』を、鳥飼りょうさんのピアノ伴奏付きで上映する。もう1本、<ヴェネチア・ビエンナーレ-ビエンナーレ・カレッジ・シネマ連携企画>では、今年制作されたイタリア映画『小さな聖女』を上映。ナポリの貧しい若者たちの、永遠に変わらないと思われた日常と友情にひずみが生じていく過程を、エロティシズムと神聖さを混濁させつつ、瑞々しく描いたLGBTQ作品にも注目したい。
 
 そしてこちらも恒例の<京都フィルムメーカーズラボ連携企画~カムバックサーモン・プロジェクト~>では、2010年同ラボに参加したさかはらあつし監督のドキュメンタリー映画、『AGANAI 地下鉄サリン事件と私』を上映する。また、京都映画企画市(企画コンテスト)の優秀企画受賞者、金子雅和監督の『水虎』(パイロット版)も無料上映する。
 
 今年初の試みとして、時代劇への愛を語るフリンジ企画「夜のヒストリカ」オンライントークを、連日You Tube Liveにて配信。企画ディレクターの西尾孔志監督と映画研究者で『教養としての映画』著者の伊藤弘了氏が司会を務め、多彩なゲストと共に、映画祭を盛り上げる。
 
第13回京都ヒストリカ国際映画祭 公式サイトはコチラ